哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2007年6月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2007年6月1日(金曜日)
 「あの山越えて」がとうとう10巻に……!

 5月20日から延期されて明日放送だと思っていた「はやぶさの大いなる挑戦」が再び延期されたらしい。
 予定日は6月23日(土)15時40分〜16時55分。
 既に1箇月もお預け喰らってやがりますよ(怒)。


2007年6月2日(土曜日)
 平日は家に帰ってきても落ち着かず、土曜の朝は徹夜明けで迎え、そんな状態で送っているデザイナさんへのメールは遅延し……。
 誰か呪ってんじゃねーのか、この作業……。

 アンカレジで開催されていた国際捕鯨委員会の総会は、去年からの激烈な工作合戦の果てに、残念ながら日本の主張は却下されたらしい。で、その席で水産庁の人が脱退やら新組織設立やらを仄めかしたとかで、国内で話題になっている。海外での報道はそれほどでもない。
 まあ、どうしても鯨が獲りたかったら、もう脱退して捕鯨国“だけ”の組織を作る他ないわけだけども、そんなもの可能なのかねぇ。個人的には粘り強くIWCの正常化に努力し続けるべきだとは思うのだけれども、非捕鯨国はおろか、海に面していない内陸国まで参加している現状を考えると、確かに脱退もやむなしとか考えなくもない……。

 青森県深浦町にある深浦港に、北朝鮮からと思しき漁船が漂着したらしい。写真で見る限り、喫水の浅い沿岸漁業用の船で、日本海を渡るような船じゃねーな……。
 よくぞまあ無事に逃げてきたものだと思う反面、日本に辿り着けずに海の藻屑となった事例もあるのではないかと思う。また、このサイズの船を洋上で捉えることは不可能に近いことも。
 しかし、本当に北崩壊となったら、大脱出が起こるんだろうかねぇ。


2007年6月3日(日曜日)
 なんかBAE三菱重工がライセンス交渉してるとか報じられて、話題になっておりますな。(過去日記1,2,3,4,5,6,7,8
 自衛隊の次期主力戦鬪機選考は、どうやらユーロファイター・タイフーンが一歩リードって所なんでしょうかねぇ。今一つ腑に落ちない所はあるのですが……。
 日本側がF-22を希求してきたことは周知のことですが、これについては米国内でも意見の一致が見られず、交渉は遅々として進んでいないようです。ロッキード・マーチンなどは売りたくて仕方ないようですが、議会の方では渋い様子。当て馬と看做されていたEF-2000へ、痺れを切らした日本側が食指を伸ばしている……という外形のようなのですが、いくつか疑問点が。
 EF-2000は確かにF-22を除けば最高ともいえる空戦性能を誇っていますが、当初予定されていた対地攻撃能力については、現在もまだ完全には実現されていません。1980年に開発が始まって、未だに所定の全機能が実装されていないっつーのもアレだが、全くどうしようもない。
 NATO仕様なので兵装の多くには互換性があるとはいうものの、日本独特の兵器(99式空対空誘導弾(AAM-4)や93式空対艦誘導弾(ASM-2)など)や空中給油/受油方式の違い、対艦攻撃力の強化など、変更しなければいけない部分が多くなり過ぎる気がします。
 もっとも、ユーロファイター側からすれば、もし商談が纏まれば総勢100機近い大商いだし、先行き不透明なトランシェ3への道筋も見えてくる。ライセンス生産との交換での日本の技術の提供を受けられれば、採算は充分に合うという皮算用もあるかもしれない。
 日本側に急ぐ要件がないのであれば、F-22をじっくり待つという手が一番なのですが、どうも不幸にも、日本の周辺状況はそれを許してくれそうにない、と。どうにもこうにも、貧すれば窮す、って感じだなぁ。
 一朝有事には手持ちの武器で戦わんとあかんわけで、情勢逼迫の中、なかなかに苦しい事情ですな。

2007年6月4日(月曜日)
 先日の漂着脱北者が少量の覚醒剤を持っていたと報じられていて、なんだかなぁと。
 食い物はなくてもヒロポンはあるってのが、丸っきり大日本帝国の末期みたいだ……。
 メタンフェタミンを主原料とするヒロポンが日本で禁止されたのは1951年の覚せい剤取締法によるところですが、それ以前は当然合法薬物でありまして、新聞雑誌に広告を載せて売られていました。なぜか手許にある雑誌広告のキャッチコピーには「疲勞の防止と恢復に! 除倦覚醒剤ヒロポン」とか「頭腦の明晰化 作業能の亢進 疲勞除去 睡氣一掃」といった勇ましい文言が並んでいる。
本剤は未だ曾つて知られざる特異なる中樞神経興奮作用を有する最新の藥剤であつて、その服用により氣分爽快・明朗となり、意想の奔流、思考力の増強を來し、同時に体力の昂揚と作業慾の亢進を促す。のみならず、疲労感、倦怠感の防止及び睡氣一掃に効果があり、從つて非常時に於ける精神的及び肉体的活動には勿論、徹宵、夜間作業等に甚だ好適である。その他乗物酔、宿酔、頭重、憂鬱時等にも奏功し、医界、産業界等各方面に異常なる注目と愛用を喚起しつつある。
 なるほど「異常なる注目と愛用」とは言い得て妙であるが、大戦末期の日本では、畑を耕さねばできない作物よりも、工業生産可能なヒロポンの方が多くで回っていたとか仄聞するところであり、飢えも眠気も疲れも吹っ飛ばせる覚醒剤が濫用されたとしてもむべなるかなというものだ。
 そして今、彼の国も似たり寄ったりな状況にあるということなんだろう。

 シンドラー、オーチスに続いて日立ビルシステムのエレベータが緊急点検へ。
 狂想曲は今や最終楽章へ……って所ですかね。
 ところで、昨年6月3日の事故から一年が経ち、警察の容疑はほぼメンテナンス会社に絞られた様子ですが、一周忌の献花台に訪れたシンドラー社社長は追い返されてしまったらしい。一体何故……。
 社長のコメントに「遺族がなぜ拒むか分からない」とありますが、私にも分かりません。
 感情で行動してもしょうがないのにねぇ。


2007年6月5日(火曜日)
 「130年ぶり大発明?本棚への不満「X」が解消」とかいう記事でBook-Xのことが紹介されていたわけですが、思うにうちには必要ないな。だって「本棚に倒れるスペースがない」んだもん、ウチ。

 社会保険庁の5,000万件に及ぶとされる基礎年金番号不付与問題が、国会で火を噴いている様子で。
 この問題色々と調べたんだけど、社保庁自身の問題も然ることながら、日本における人定制度の根本的不備が背景にあるような気がしてなりません。
 何度かこの日記でも採り上げたんですが、日本では実は人定を行うのが制度上案外と難しかったりします。戸籍には本籍住所氏名続柄が記載されていますが、氏名にゃ読みもないし、顏写真が貼ってあるわけでもありません。一次情報からこの体たらくなので、社会保険データが社保庁に回ってきた段階で人定可能な情報になっていなかった可能性は高いと思います。
 社保庁の問題は、その問題に直面していながら、何等の対策を取るでもなく、漫然と事を看過したことでしょうよ。度し難い低能さだと思います。
 これで国民総背番号制度の有益さが理解されれば良いのですが……。


2007年6月6日(水曜日)
 香川大学百日咳で休校になっていたらしい。
 この国の伝染病対策ってどうなってるんですかね。厚生労働省の仕儀はまさに官禍の様相を呈しておるわけですが、一体全体この官衙の仕事って何なんでしょうか。

 Appleが隨分挑発的なコメントを知的財産戦略本部の「知的財産推進計画2007」に寄せたとかで話題になっているようで。『「知的財産推進計画2006」の見直しに関する意見募集に寄せられた意見』の#4です。
 著作権行政から文化庁を外せとか、凄いこと言ってますな。
 なんか喝采を挙げる向きもあるんだけど、私はどうかと思うよ。
 今の政府だと、恐らく文化庁から著作権行政が採り上げられた場合、下手するとこの知的財産戦略本部の預かりになる可能性があって、そんでこの本部ときたら、「タイプフェイスの保護を強化する」とか「著作権法における親告罪を見直す」とか、ガチガチの権利強化派だったりするんですな、これが。
 実は文化庁は数年前から権利制限の拡大を画策したり、裁定制度を充実させたり、著作物流通の促進・健全化へ向けた動きをいくつも見せていて、大方の見方とは逆に、権利バランスを取るために苦心している姿が見えていたりする。
 そんなわけで文化庁から著作権行政を全面的に取り上げたら、状況は恐らくもっと悪くなるだろうなぁ。
 個人的には、文化庁が駄目だというなら、次善は公正取引委員会じゃないかと思う。本来公益に属する著作物について、一定期間の独占を例外的に認めようという話なのだから、その程度について議論する権能が備わっている官衙としては、申し分なかろう。でも、公取委が著作権行政を握ったら、嬉々として再販制度を廃止しそうだけど。

 なんか共産党が「自衛隊による違憲・違法の国民監視活動を告発する」とかぶってるんですが、共産党が入手したという文書(A,B)をざっと眺めて見たんですが、問題のあるような内容には見えませんでしたね。というか、できれば警察の公安や、法務省公安調査庁辺りと情報交換しながらやっててくれれば、情報の共有という点で有益かもしれない。
 共産党の言いたいことはよく分からないけど、真っ当な組織なら自分たちに反対する組織の動向を把握しようとするものだし、調査内容は法を犯したものじゃない。ごく普通の……こう言ってはなんだが、捜査権限がなければできないような調査じゃない。防衛省設置法ではなく自衛隊法に根拠がないのがよろしくないというなら、法改正して根拠を持たせればよろしいのではなかろうか。
 時々思うんだけど、こういう方々が騒げば騒ぐほど、“現実対処”のために法やら制度やらが整備されていくという矛盾に、彼らは気付いていないんだろうか……?


2007年6月7日(木曜日)
 李登輝台湾前総統が靖国神社に参拝。

 朝日新聞に「オタク狩りに対抗?「アキバ」で銃刀法違反の摘発急増とあるんですが、どうも記事が警察に好意的ですが、これって去年も話題にした警察による刃物狩りの成果ってやつですよね。「秋葉銃刀法のウソ」にもあるけど、どうも取締りの強化=点数稼ぎの好機到来と考えておられる警察官の方々が多いらしく、たとえ作業用の工具でも逮捕という実に素晴らしい状態が続いているわけです。
 私も自転車に乗るときには簡易修理工具を持って走ったりするわけですが、一歩間違えばこれで逮捕されかねないわけです。
 当たり前ですが、銃刀法にしろ軽犯罪法、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律にしろ、警察官の点数稼ぎのために存在するわけではなく、悪意ある犯罪者(予備軍)をいち早く拘束するために存在するわけですが、現在の警察による運用は完全にその目的を逸脱しています。
 こうなると善良な一市民としては対抗策を講じざるを得ません。端的に言えば、「職務質問には答えない」「身体検査、所持品検査は受けない」「任意同行には応じない」ということになります。自己防衛のためとはいえ、このような対応がマニュアル化され、一般化した場合行政警察活動に支障を来たし、治安の維持について悪循環を生じせしむ虞が大なのですが。

 上で昨年9月7日にリンクを張ったついでに。
 静止軌道での待機運用に入っていたひまわり7号ですが、先週、ひまわり6号のメンテナンスのため、代替運用に入っていました
 馬鹿馬鹿しいくらい当たり前の話ですが、このようなことができるようになったのも、軌道上に予備機があるからです。
 仄聞するところによると、MTSAT-3以降についてゴタゴタがあるようですが、是非とも次期気象衛星も予備機を持った体制にしていただきたいと思います。
 極めて個人的には、気象庁を単独で静止衛星ならびに極軌道衛星の運用ができる組織へと拡充すべきなんじゃないかと思ってたりします。観測体制という点では、国土交通省の外局から環境省の下に移すってのもアリかもしれず。


2007年6月8日(金曜日)
 『「運転免許合格させないと爆破」で逮捕ですか……。
 私が自動車運転免許を取った頃、私の郷里ではフィリピン人の奥さん方が増えておりまして、日本語もロクにできないまま教習所へやってきて、殆ど運任せに試験を受けて、それでも20回くらいで合格しておりましたわ。
 そのことを考えますと、この方に免許が交付されないのは、最早必然と言っても良いのではないでしょうか。

 朝鮮日報に『討論会「韓日共同の家作り、どうすれば可能か」()』なんて記事があったわけですが、日本側からの出演者が和田春樹と木宮正史じゃねぇ……。和田を呼ぶなら秦郁彦を対面に立たせるくらいの芸を見せなきゃ駄目だろ(そんなことしたら討論会が成り立たないかも知れませんが)。
 しかもそんな二人ですらタジタジになるような韓国側の非現実的な対日観は、読んでて薄ら寒い。韓国側の出演者である金鎮荽、金泳鎬の両名が見ている“$(C析沙”は恐らくこの世界には存在しない架空の国家か、あるいは脳内妄想の産物でしょうね。
 ここまで日本の実態と彼らの認識が異なってしまっている場合、話し合いでの解決は無理ではないかと思います。


2007年6月9日(土曜日)
 まだ梅雨入りもしていないのに、咲き誇るの紫陽花をあちこちで見掛けた土曜日。

 「北朝鮮船?発見 無人、上陸情報はなし 松前沖」とかいう記事を見て思うわけだが、やはりどう考えてもあんなサイズの木舟で日本海に乗り出すのは自殺行為でしかないと思うぞ。あれは本当に、幸運に恵まれただけだと思う。普通は海の海蘊^H^H藻屑というものだ。
 今般発見された舟に人が乗っていたのかどうかは分からないが、無人の舟が漂流していただけだと思いたい。
 しかし先般の脱北者は国外の放送を聞けるラジオを持っていたそうなので、脱北者が無事日本に到着したなんて報道を聞いたら、勇躍日本海に漕ぎ出しちゃったりするんだろうなぁ……


2007年6月10日(日曜日)
 桑田メジャー昇格
 週末の疲れが吹っ飛んでいきますね。

2007年6月11日(月曜日)
 風邪引いた。寝る。
2007年6月12日(火曜日)
 「脇に回った自動車が「ドカッ」と体当たり……当て逃げ動画公開」から本家を経て、纏めサイト動画を見る。
 竹の塚署の対応には激しく既視感がありますなー。被害届や告訴状・告発状は受け取ってしまうと捜査を開始しなければならないので、面倒臭そうな事件については、警察はこれを受け取ろうとしないんですな。本当は駄目なんだろうけど、特に罰則もないようなのでね。逆に受け取ったが最後、捜査はせんとあかんし、証拠も揃えにゃならぬで、手間隙がかかる。告訴・告発に至っては送検しないといけないし、検察官はこれを不起訴にしたら報告しなければいけない。
 あれだね、次の法改正の際には、告訴・告発の不受理には罰則を定めないといけないかもしれませんね。
 路上で工具狩りやってる時間があるなら、このくらいちゃっちゃと片付ければいいのにねぇ。

 恐ろしく個人的には、司法警察権限の一部を民間に解放するのもありかな、と思っている。
 こういう、警察の動きが鈍い事件について、対価を取って捜査を行い、送検までを行う民間捜査機関ってのは、あっても悪くないな、と。


2007年6月13日(水曜日)
 三菱重工が長らく検討してきたリージョナルジェット業界への参入を決めたらしいMRJのサイトもオープンしたけど、今の所内容は何もなし。
 三菱の航空機といえば、プロペラ機のMU-2、ターボジェットのMU-300、ヘリコプターのMH2000と惨々たる有り様なわけですが、それでも諦めずに挑戦を繰り返すことに、とりあえず拍手を。
 できれば、過去の反省に立って、失敗を繰り返さないで欲しい。
 リージョナルジェット業界は、カナダのボンバルディア、ブラジルのエンブラエルという二大巨頭の占める業界です。ここへ斬り込むことができるのか。不安と期待で一杯です。

 先月お披露目なったC-Xなんですが……リベットに次いでエンジンで暗雲が
 調べてみると、防衛省への納入商社である山田洋行が分裂騒ぎを起こしており、防衛部門を担当していた代表取締役が退社して独立、日本ミライズという会社を興した。
 問題はここからで、日本ミライズの社員は殆どが内田洋行の元役員・社員で、調達ノウハウはミライズへ移ってしまったらしい。確証は取れなかったが、GEとの代理店契約も日本ミライズが取ったらしい。
 防衛省では競争入札業者をA〜D級に分けているそうだが、山田洋行はA。日本ミライズは新参となるので上限が300万までなんだそうで、防衛省の入札に参加できない、と。
 山田洋行側は日本ミライズに対して10億円の損害賠償訴訟を進行中。
 もはやグダグダ。
 まあ、どうしても必要でかつ日本ミライズしかないなら、入札をせずに済ませる手もあるんだろうけど……設計とか製造とかとは無縁な所で火ぃ吹くのだけはどうにかならんものなのか……。


2007年6月14日(木曜日)
 関東入梅。例年より一週間遅れということだが、適度に降ってくれないと、夏の渇水が心配になる。とはいえ、降り過ぎても困るのだから、頭が痛い。

 内戦状態に陥ったパレスチナですが、自治政府主流派のファタハが、強硬派ハマスによってほぼ制圧された模様。
 今後どうなるのか分かりませんが……あの辺は21世紀の火薬庫になってしまいましたな。


2007年6月15日(金曜日)
 入梅したはずなのに、晴天。
 夏の渇水が今から心配になる。

 「中国の軍事力は防衛のため!なんだそうです。へー。
 ところで中国の軍事費が日本を拔いたのが確実になったようです。へー
 分析によっては、実態は最大1,250億ドルとかいう記事もありますな。へー。
 直截関係はありませんが、防衛省は台湾に現役武官を配するようです。
 いやぁ、キナ臭さが強くなる一方ですな、極東情勢は。


2007年6月16日(土曜日)
 マスターアップ以後体調を崩していたのですが、とうとう熱が出てきたぞ……。

 「なぜカナ氏名を付けたのかしらと思ったり。」って、そりゃ当時のコンピュータシステムで漢字を使うことが難しかったからですよ。まあ、もし漢字を採用していたとしても、78JISか、下手すると独自コードでしょうから、混乱が起きなかった可能性は低いですな。というか、皆無だろうと。
 過去にも書いていますが、この問題の根底にあるのは、日本国における人定システムの不確実さであって、社会保険庁の杜撰な仕事は二次災害を拡大させた類だと私は思います。カナで入力したかどうかってのは些事に近く、社保庁に最初から人定能力がなかったことは極めて重大な問題だし、たとえ人定能力を付与しようとしても日本にはそれを実現しうる制度体制がそもそもなかった。そのことを問題にせずに漫然と仕事をしたことは社保庁の怠慢だが、関係のないところを論っている政治家も報道も焦点が狂っている。
 Genesisさんも、患者が持ってくる保険証が人定を保証してくれるとは思ってないでしょ? 勿論、そういう前提で制度は動いているけど

 先日の当て逃げ動画の件、なんだか変な方向に話が転がってるなぁ。なんか、当てた車の所有者が、会社を懲戒解雇になったらしい。纏めサイトを見る限り、所有者は当日車を知らない他人に貸していたと主張してるんじゃなかったっけ。未だ逮捕もされていない容疑者に対する仕打ちとは思えんのだが……。
 主張の当否はともかく、刑法の自救行為禁止の原則から考えれば、本件の最大の責任者は竹の塚署の担当警官でしょうな。
 自救行為とは自力救済のことで、要は“仇討ち”がこれに当たります。妻と子供を殺された夫が、真犯人を復讐として殺してしまったらやっぱり殺人罪になるわけです。盗まれたものを自力で取り返しても、やっぱり窃盗罪になるのです。
 自救行為禁止原則は、法治を成り立たせるための原則ですが、これを浸透させるためには、司法制度が妥当と考えられる範囲で機能していることが必要です。犯罪の捜査、犯人の検挙、必要なら逮捕拘禁、送検、取り調べ、起訴、公判、判決、量刑の決定並びに執行というプロセスですな。
 これの機能が一定以上失われると、誰も彼もが自救行為を指向し始め、結果的に司法制度は崩壊していきます。
 日本では刑事裁判の起訴は検事の専権であり、警察もしくはその他司法警察職からの送検を受けることが必要です。検察官が自分で捜査しても良いのですが、検察官の捜査は大物の経済事件に偏る傾向があるので、一般的には警察が初動を司ることが大半です。
 というわけで、警察の担っている任務は非常に大きく、先にも採り上げたように、告訴状を受理した場合、捜査に着手せねばならなかったりします。これを放置すれば、自救行為を正当化しかねないため、責任は重大なのです。
 本件の推移を鑑みる限り、竹の塚署の熱心とは言えない捜査が、結果的にこのような自救行為に至ったように私には思えます。
 だってこれじゃ被害者も、完全に威力業務妨害他に問える状態でしょうが。
 警察が今件の結末を予防し得なかったというのであれば、場合によっては司法警察権限に民間の導入も必要でしょうよ。


2007年6月17日(日曜日)
 「社保庁誤入力の主犯は「カナ変換ソフト」か」……?
 世界は私に理解できないもので満ち溢れているな。
 日本の戸籍には、読みがない。あるのは氏名欄に書き込まれた漢字、仮名の文字列だけなので、読み仮名で人定を行うことはそもそもできない。本気で人定を行おうと思えば、氏名と本籍と親の名前と続柄が必要だな。
 何度も言うようだが、そもそも人定不能なデータだったものを、より悪化させただけだろ、これって。
 戸籍番号なり国民総背番号なりがあれば、こんなアホなことせずに済んだという意味で、戦時中にそういったものを導入しておかなかったことは悔やまれる所ですな。

 もしくは。
 立場によっては「当用漢字の漢字制限を固有名詞(氏名)に至るまで徹底しなかったからだ!」という意見もあろうかとは思う。
 確かに、あの時、そういう施策を行っていれば、このような問題は起きにくかっただろうな。


2007年6月18日(月曜日)
 硫黄島の呼称が「いおうとう」に統一されるそうな

 封仙娘娘追宝録の新刊をGetしたので、今日の日記はここまで。


2007年6月19日(火曜日)
 旧暦での端午の節句。しかし中国では粽を食べるのも命懸け

 以前中国における氏姓事情で、両親の姓をくっつけて新たな姓を作るなんて話を紹介しましたが、正式に制度化される見通しだとか。理由は同姓同名を避けるためということですが、まあ、色々あるんでしょう。過去のニュースによると中国の氏姓は4,000程だそうですが、これが120万通りに増えるというのですから、おいおいって所です。日本の30万を超えちまいますね。
 日本も夫婦別姓などといっていないで、新姓でも創姓でも認めればいいのにと思います。どうせ江戸時代まではみんな勝手に名乗っていたんだから、伝統回帰だと思えば大したこともなかろう。
 その代わり、国民総背番号は必須だけど。

 歴史を大切にする韓国では、「朝鮮戦争は日本と韓国の戦争」ということになりつつあるらしい
 まー、日本でも「太平洋戦争は」で調査したらとんでもない結果が出そうではあるが。
 日本の戦争教育って、どうも「戦争には相手が必要だ」という根本原則を忘れている所があるからなぁ。
 自然災害じゃないんだから。


2007年6月20日(水曜日)
 この日記でも採り上げてた山口県光市の母娘強姦殺人事件の弁護団に対する、懲戒請求提出運動ミラー)が起きているらしい。で、その懲戒請求に対し、500人からの弁護士が中止求めるアッピール
 素直に、泥仕合だな、と。
 懲戒請求そのものは弁護士法第58条にある通り「何人も」可能です。ですから、懲戒請求を出すことそのものは法に適った行為です。
 問題は件の弁護団の21人が懲戒に値するかどうか、なのですが……それを判断するのは各弁護士会です。弁護士会がどう判断するかは分かりませんが、一度に計数百件というのは、未曾有のことでしょうね。対応を誤れば、弁護士の自治にも影響するでしょうから、慎重な対応が求められます。
 その上で、弁護士600人のアピールを見ると、下策だったんじゃないかな、と思わずにはいられません。
 被告が弁護を受けるのと同じくらい当然の権利として、懲戒請求もまた認められているのですから、結局の所、民主主義が事を動かすことになるのだと思うのですが。

2007年6月21日(木曜日)
 朝日ソノラマ廃業決定
読者のみなさまへ

2007.06.21
株式会社朝日ソノラマ

当社は9月で店仕舞いします

 長年にわたり朝日ソノラマの本をご愛読いただきありがとうございます。
 さて、当社は9月末日で営業活動を停止します。本日、その旨を記者発表しました。
 1959年9月の創業以来、今年で48年になります。日本初の「音の出る雑誌」を発行するなど、多くの人々に親しまれてきた出版社だと自負しています。最近も、コミックスを中心に、地味ながら手堅い経営をしてきました。
 しかしながら、最近の出版界の状況、当社の経営見通しなど、さまざまな観点からの検討の結果、やむなく店仕舞いすることになりました。時代の流れに抗し切れず、誠に残念な結果です。
 ただ、現在ソノラマ社で発行しているコミックスやノベルスなどは、朝日新聞社出版本部が出版権を引き継ぎ、10月以後は朝日新聞社の新刊として発行することが決まっています。
 「百鬼夜行抄」「雨柳堂夢咄」「Petshop of Horrors」「魔百合の恐怖報告」「 外科医 東盛玲の所見」「毒姫」「チキタ★GUGU」「栞と紙魚子」などの人気コミック、また「吸血鬼ハンターD」などの人気ノベルスは、朝日新聞社の本としてご愛読ください。
 というわけで、朝日ソノラマという会社はなくなりますが、ソノラマのブランドは生き続けます。よろしくご支援ください。


(1) 当社は9月末まで通常どおり営業します。
(2) 雑誌は9月まで出します。
(3) 書籍は6月までで新刊発行を停止しますが、新刊本の注文には9月まで応じます。
(4) 10月1日以後は、朝日新聞社にご注文ください。

以上

 何と言うことだ。何と言うことだ。
 今の裡にまだ持っていないソノラマは買い漁っておかねば。
 ソノラマでしか書いていない秋山完や岩本隆雄はどうなるのだろうか……。限りなく心配だ。

 2007年3月21日から変更された佐川急便の配達時間指定で苦しめられている。
 変更前と変更後を比べると、理由が分かる。

変更前 変更後
10時〜12時
11時〜13時
12時〜14時
13時〜15時
14時〜16時
15時〜17時
16時〜18時
17時〜19時
18時〜20時
19時〜21時
20時〜22時
21時〜23時
22時〜24時
午前中
12時〜14時
14時〜16時
16時〜18時
18時〜21時
 以前は、20時〜22時辺りを指定すれば良かったが、現在では18〜21時を指定するしかない。私の帰宅時間はどうやっても18時を半分ほど回るのでギャンブルになる。そして佐川は何故か毎回のように、18時5分とかに来てくれる。そして置き去りにされた不在票を見て、電話で「20時以降にお願いします」と訴えること数度。
 ヤマトなら、20時〜21時の指定があるのに。
 いい加減、疲れる。
 というか、嫌になった。
 嫌になったので、電話で20時以降と伝えるのを止めた。毎日不在票が放り込まれ、機械的に再配達受付をする。翌日も受け取れない。なので再配達受付をする。三日目も受け取れない。やはり再配達受付をする。明日も多分帰宅は20時以降だろう。
 運ちゃんも嫌だろうが、私も嫌だ。
 受け取りのことを考えて、佐川を使っている店では買い物をしたくなくなる。
 Amazonを使わなくなった理由も、時間指定ができないから。7&Y Booksの方がナンボか楽。

2007年6月22日(金曜日)
 夏至。
 入梅以来初めての雨。

 朝から都内の電車が大混乱で、通勤時間帯を直撃……したらしいのですが、7時前に家を出て8時に職場到着していた私には何の関係もなかった。
 しかも途中寝てるし。

 「東京地裁の判決と関連 朝鮮総連中央・南昇祐副議長の談話」より広範な日本国民のみなさんが、在日同胞の生活を守り権利を擁護する朝鮮総連の活動に変わらぬ理解と支援、協力をよせてくれることを望む。
 はあ。
 さようで。
 多分広範な日本の皆様は、拉致に協力したりしていた朝鮮総聯を快く思ってはいないと思うけど。
 私?
 私はほら、「面倒な奴等は一箇所に集めて生かさず殺さず生殺しにして監視しておくべき」という考えだから、朝鮮総聯を潰すことには反対。


2007年6月23日(土曜日)
 21日の話になりますが、川田工業が「実環境で働く人間型ロボットHRP-3 Promet Mk-IIを発表」しました。一昨年発表のプロトタイプから打って変わってデザインは再び出渕裕。
 Impress Watchの記事で動画を見るに、恐ろしいことに、実用品一歩手前の域ですね。無理すれば、使えるくらい。
 素晴らしいなぁ。僕らが子供の頃夢として語られていた人型ロボットと共存する社会が、目の前に迫っている感じ。
 このようなロボットが是非実用化され、社会で活動するような社会にすべく、労働市場の解放は行わないようにしましょう(笑)。

 北海道の牛肉偽装事件は社長直々の指示だったそうで。
 感想は3年前の日記を以って替えさせて頂きます。

 最近ふと思うのですが、法令遵守による負担が、メリットに比して極めて大きい場合、その法令は何か根本的な誤りを含んではいないだろうかと。

 昨日の事故は、電車がエアセクションに停車したことが原因だったらしい。運転士が停止禁止区域に電車を停止させてしまい、架線を融断させてしまった、と。
 それはいいんだけど、それで5時間も路線が停止してしまうのはどうかと思った。運転士のミスが起こりうるという仮定で物事を考えると、対応策は色々ありそうなもんだが。


2007年6月24日(日曜日)
 信じ難い間拔けな手違いのせいで、一日を棒に振らされる羽目になった。
 気分悪いので、寝る。

2007年6月25日(月曜日)
 梅雨らしい天気。雨は降ったり止んだり。

 都の副知事に推されていた猪瀬直樹氏が都議会の承認を得る見通しらしい。
 あな恐ろしや。
 東京版コアビタシオンか?
 冗談はともかく、猪瀬氏の着眼点ならびに調査能力は非常に高いと思っているが、果たして分析・献策能力という点では、私はちょっと疑問符を付けていたりする。
 あと、これまでは政府委員などは務めてきたけれど、執政官職は初めてだよね。そこがちと不安。

 素晴らしきかな、ドライブレコーダの威力
 取り敢えず商用車には取り付け義務化して、自家用車でも取り付けると良いと思いますよ、ホント。


2007年6月26日(火曜日)
 18日に報じられた硫黄島の呼称変更だが、どうも外国のほうで話題になっているらしい。「クリント・イーストウッドの映画の影響だ」と報じるものから、「島の名前が変わっても“イオージマ”は“イオージマ”だ」というもの、中には「日本の歴史修正主義者たちが……」といった言まで見られる。USA Todayの記事へのコメントは、少ないながらも余り良い書き方ではない。
 以前にも書いたが、もともと日本国内での読み方が二通りある話で、平均的日本人たる私の感覚では「硫黄島」という漢字表記が正規であり、読みがどちらであるかは余り重要ではないと感じるのだが、言語感覚の違いだろうか、「改名」と受け取られているようだ。
 英ガーディアン紙の記事では「Iwo To is written using the same kanji characters as Iwo Jima and has the same meaning - sulphur island - but is pronounced differently.」と説明しているし、幾つかのニュース系BBSやblogでも日本語が分かる人物により、同様の説明が行われてはいるようだが、理解されているようには見られない。
 まあ、この手の言語に絡む問題について相互理解が困難極まりないことについては、私は諦めの境地に達しているので、多くは語らないことにする。問題の解決に必要なものは、所詮、世界皇帝以下略でしかないのだ……。

2007年6月27日(水曜日)
 「台湾で、女の子たちが「萌え〜!」と叫んでる!?」という記事の中に台湾には、もともと『萌』という漢字がないので、くさかんむりの下の『明』という音で読んでいるんですよと書いてあって、「そんな馬鹿な!」と。
 元々このという漢字は古来からある漢字で、国字(日本製の漢字)ではない。康煕字典にだって載っている。
 日本では常用漢字ではないものの、人名漢字であり、非常に良く使われるし、勿論JIS X 0208所收の漢字だ。韓国でもKS X 1001に入っている(56区80点)し、中国でもGB2312に入っている(35区40点)し、当然のように台湾でもBIG-5に入っている(B5DE)。
 読めないとすれば、この取材を受けた台湾人の学力に疑問を付すべきではなかろうか。
 実際、台湾の人から訂正を求めるトラックバックが二つ付いていた。
 記事が訂正されるのは、いつだろうか。

 極東漢字圏のなかで最も漢字離れが進行していると目されている韓国からは、「【写真】国を放す大韓民国‘国放長管’」という記事。花屋側が書いたものだろうが、こうした行事での間違いは非常にみっともないとあるが、いやはや、実に恥ずかしい。
 かつて私が奉職していた文藝家協会は藝の字だけが旧字であり、献花の際には花屋にFAXで確認を取るなど、神経を遣ったものだ。
 確認をしなかったのか、花屋のレベルが想像を絶するほど低かったのか。
 他山之石としたいものだ。

 ふと久しぶりに協会のウェブサイトを見て気づいたのだが、私が職にあった頃は、協会の英称は「Japan Writers' Association」だったのだが、サイトでは「Japan Writer's Association」になっている。いつの間に英称を変更したのだろうか。
 大差ないといえば大差ないのだが。


2007年6月28日(木曜日)
 宮沢喜一元首相、逝去。
 元首相、というよりは元蔵相、という印象の方が強く、しかも評価はよろしくない。時季が悪かったと言われればそこまでだろうが、危地において能力を求められて就任し、期待に応えられなかった人だったと思う。

 「マスコミ許すまじ」について。
 このエントリに書かれていることの真偽を判断するに足る情報を持っていないので、なんとも言いがたいのだが、事実だったとしても驚くほどでもないように思った。
 事件についていえば、訴訟で問うような種類の問題ではないと、個人的には思う。やはり医療事故審判庁は必要なのかもしれない

 PMCよりWindows用ソフト、「超漢字検索」発売。


2007年6月29日(金曜日)
 先日の「萌」の件にリンク追加。  本日時点で元記事はまだ訂正されていない。

 土用の丑まで一ヶ月と迫った今日ですが、米国から、中国産鰻から発癌性のある抗菌剤が検出されたとか。
 欧州からは鰻の稚魚の輸出が禁止されるという報も入ってきた。
 いよいよ鰻も喰えなくなる時代が来るのかなぁ。


2007年6月30日(土曜日)
 ロンドンで自動車爆弾が複数見つかった由。
 スコットランド・ヤードは優秀だなぁ。
 日本で同じことがあった時、桜田門はこれを事前に防ぎ得るや……。

 久間防衛相が「原爆投下はしょうがない」と発言したとかなんとか。
 いやはやまったくしょうがない。
 原爆は既に歴史の話であって、今更とやかく言っても始まらない。許さなかったらどうだというのだ。タイムマシンでも作ってエノラ・ゲイやボックスカーを撃墜すりゃいいのか?
 馬鹿馬鹿しいことこの上ない話だ。