哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2005年1月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2005年1月1日(土曜日)
 映画の日なので、映画を観に行く。とりあえず、STAR WARS Episode IIIの予告編を観る。この予告編には「ハウルの動く城」という作品がくっついてきたのだが、あんまり良い映画だとは思えなかった。原作を知らないせいなのかもしれないのですが、この作品に高い評点を与えるのには躊躇いがあります。

 最近、仮名漢字変換の挙動が変だなと思っていたら、何かの拍子に大量のゴミ単語が登録されていたらしい。多分、一括登録か辞書再編成かなにかした時に紛れ込んだのだろうと思うのだが、明らかに活用を間違った動詞がぞろぞろと見つかった。
 不幸にもこういう作業は最終的には人間が手作業で行わざるをえず、新年早々、五段活用だ一段活用だと字面を見ながら辞書の整備をやっている次第。
 しかし、四段活用の動詞が600語以上ユーザ登録されている辞書ってのも、そうはあるまいて……。


2005年1月2日(日曜日)
 ロイター電「Rain Wreaks Havoc on the Roadwaysによると、アラブ首長国連邦のドバイで先月26日に降雨があり、これが原因で500件以上の交通事故がおき、2名が死亡した、と。
 「最大の原因は雨の中での運転に慣れていなかったから」(警察発表)ですか……。
 ちょっと調べてみたら、ドバイの年間降水量は130mm程度で、その殆どは冬に集中しているようで、12月の降水量が平均30mm程度とあった。颱風一発で一日500mmとか降ることもある日本とは、そもそも話が違うわけだ。こういう土地だと、もしかしたらスリックタイヤを履いていても問題ないのかも知れない。
 一体何mmの雨が降ったのか興味深いところではあるが、残念ながら記事はその点は触れておらず、「普通」だったとあるだけ。だから多分豪雨だったと言うことはないのでしょう。雨が降るだけでニュースになるような土地ということか。
 尋常でない気象ってのは軽微なものでも大事になりやすいもので、東京でも先月29日、31日と降雪があり、交通機関が目茶苦茶になったことは記憶に新しいところです。関東一円では交通事故も隨分起きたようです。そりゃ雪の中ノーマルタイヤで走れば滑りもするわな……。

 そういえば前年の交通事故死者ですが、去年は8,000人を切ったという話でしたが、今年はなんと7,500人を割り込みそうだという速報値が出ています。しかし一方で交通事故の発生件数と負傷者数は増え続けているところが嫌らしいところです。
 この辺の数字のマジックの裏側としては、「交通事故死者」は交通事故発生から24時間以内の死亡者のことを指すため、①車体設計・安全確保技術の進歩、②医療側の体制整備や医療技術の進歩などが考えられます。もちろん命が助かればそれはそれで良いのですが、反面負傷者の数が増加の一途というのではあまり喜べません。
 今後警察は、交通事故の発生そのものを抑制する方向で施策を講じて欲しいものです。


2005年1月3日(月曜日)
 川口某所で新年会にお呼ばれしたので走り初め。
 そんで事故初め。
 左前方を走っていた自転車が後方確認なしで道路を横断し始め、時速30km弱で走っていた私は敢え無く激突、吹っ飛びました。対向車線まで転がって行きましたが、幸いなことに追走車も対向車もなく、大事には至りませんでした。
 怪我は右肩、右胸、右脇腹の打撲。骨や腱、神経には異常なし。
 自転車はハンドルがずれてチェーンが外れたくらいで、致命的な破損はなし。ヘルメットには傷は付いたけど、お蔭で頭部・顏面の打撲はせずに済んだ。やはり自転車に乗る時はヘルメットが必要だね。
 損害という点ではゴアテックスのコートに穴が開いたのが一番痛かったか。
 相手は十代の少年で、向こうは全くの無傷。これは本当に良かった。本当は説教をしたかったけど可哀想なので解放。しかし私が自転車を修理している間に道を渡ったところにある家で友人を乗せて、二人乗りで走り始めたのには呆れた。そして次の信号で左折しようとした原付に轢かれそうになっていた。
 お前いつか死ぬぞ……。

2005年1月4日(火曜日)
 一日安静にしていた。
 お蔭で読書が進む進む。これまで積読にしていたシリーズものを一気読みし始めて、すでに7冊目に取り掛かっているという辺りで、おまえ一体何年そのシリーズを放っておいたのかと矯激なツッコミを受けそうです。

2005年1月5日(水曜日)
 「どうして同じ「宮古市」? 岩手側が沖縄合併に質問状という報道があって、面白いものだなぁと。
 沖縄県の宮古列島にある平良市以下城辺町伊良部町上野村下地町合併協議会が、新市名を「宮古市」と決めたところ、岩手県宮古市からクレームがついたと。
 地方自治体の名称についての規定は、地方自治法第3条にある程度で、別に名称衝突についての規定はありません。実際、調べてみると、全国各地でどうしようもないくらい同一の名称が使われています。まあ、私が住んでいる北区のようにどうにも無個性な名前を付けるのもどうかと思いますが……。
 今回の問題で言えば、宮古列島の市町村が合併して宮古市というなら、否定するほどのものでもないよね。北と南で遠く離れてもいることだし。もちろん、全国唯一の名称である方が望ましいことは確か。ま、同名市の存在に思い至らなかった宮古列島側がもう一度考えるってことでOKじゃないですかね。

 友人N中くん(奈良在住)から、Internet Explorerが立ち上がらなくなった、とレスキューコール。しかしよくよく症状を聞き取ると、「ホームページ」のURLが勝手に書き換えられて、存在しないURLを叩いていることが明らかになり、スパイウェアによるものであることが推測できた。
 とりあえずSpyBotを導入して実行するようにと指示を出したのだが、「英語が解らん」と言われ、なんとか「Spybotの使い方」のページへ誘導して一件落着。
 最近じゃ下手なウィルスよりタチ悪かったりするからなぁ。
 とりあえずスパイウェアについて一遍通りの説明をして、あとSpyBotも万能ではないことを注意し、できればfirefoxを使うようにと忠告しといた。
 しかし、できればこういうことをしないで済む環境ってのが欲しいなぁ。大体ワシ、専門じゃないんだし。


2005年1月6日(木曜日)
 ちょっと医者に行ってX線を浴びてくる。
 一昨日の落車の関係で、自己診断では打撲のみだったんですが、一応念のため近所の外科へ。今日が診療始めだったので。
 でまあ、何枚かレントゲンを撮影して、骨に異常がないことを確認し、痛み止めなどの薬を処方してもらった。どっちかというと、こっちがメインだな(苦笑)。
 この怪我のせいで、外出関係の予定を三日も延期してしまったことの方が問題のような気がする。ていうか、本屋……(爆)。

 医者の待合で隨分久方振りに「週刊新潮」だとか「週刊文春」だとかを手に取ってみたりしたのだが、こんなに記事の質低かったっけぇ?と吃驚。いや、驚いてても困るのだろうが、アオリ記事やトバシ記事が目について、きちんとした裏取りをした丁寧な記事が殆どない。伝聞と推測の比率が非常に高く感じました。
 下手すると、2chの方が質が高いんじゃないか……とまでは言わないまでも……いや、そうかも……。なまじ出版社の看板背負って信憑性を持たせている分、タチが悪いともいえるな。
 多分、リアルタイムに読んでいると気付かないのだろうが、バックナンバーを眺めて、解決した事件、例えば奈良の小1女児誘拐殺害死体遺棄事件の報道の経過を眺めていると、何とも言い難い気分になる。勿論、未来から見て過去の事象を「的外れ」と論ずるのは間違いだが、過去のその時点で手に入れていた情報に問題があったんじゃないかとしか思えない記事のオンパレードってのはどうよ? 憶測・推測を恥も外聞もなく書き立てているように見えたんですが……。
 そう言えば以前、「使い捨てにされる情報」という話があったが、これもその一種なのかもしれない。こういった週刊情報誌(?)は通常バックナンバーなど取り揃えて置くことはない。毎週刷られては捨てられていく存在であり、その瞬間の鮮度だけが重要であり、蓄積され、後世から参照されることは本義ではないのだろう。

 スマトラ島沖地震津波災害支援のため、自衛隊に出動がかかりました。時事通信によれば陸海空合わせて1,500人規模といいますから、史上空前の規模ですな。
 しかしその……イラク派遣群やインド洋派遣艦隊を含めると、相当な人員兵力が抽出されて国外に派遣されることになってしまいまして、個人的になんか薄ら寒いんですけど。
 勿論、津波災害の緊急援助活動に自衛隊を派遣することには賛成です。というか、自衛隊以外に日本にはこういう時に必要とされる装備を備えた組織はないので、当然です。しかし一方で日本の自衛隊は発足以来外征軍ではなく防衛軍であって、予算人員的にかなりキツキツで活動していることもまた事実です。カンボジア派遣以来、PKO任務などによって海外派遣が続き、自衛隊の改編も進み、兵站輸送力についてはかなりの増強が行われていますが、純粋に数の問題については殆ど解決がなされていません。それどころか、予算削減によって人員も艦艇も航空機も減らされつつあります。インド洋に艦艇を派遣すればそれだけ国防に割ける艦艇が減りますし、これにスマトラ沖に派遣すればさらに減ります。陸自だって、ローテーションを組んであちこちの方面隊からイラクに派遣しておりますが、それだって結構きつい。日本全土を守るのに、陸上自衛隊が15万人弱しかいないのですから、下手に兵力を拔き取れば最優先任務であるはずの国防が手薄になりかねません。
 自衛隊は便利な組織で有効に活用したいのは分かるのですが、相応の人員装備訓練に予算をつけることを忘れてはいけないように思うのです。


2005年1月7日(金曜日)
 痛む体を引きずって、ようやく買い物を一つ済ませる。機動力落ちてるなぁ。とりあえず文庫本を17冊ほど補給した。

 奈良の小1女児誘拐殺害死体遺棄事件に絡んで、警察庁側から性犯罪歴のある出所者の所在把握などを行えるシステムの要望があり、国家公安委員会はこれに賛同の傾向を示したものの、法務省側は慎重な見解を示した、と。性犯罪者については再犯傾向が他の犯罪に比べて高く、前歴者らの在所を把握することは犯罪予防に資するものである……らしい。
 対症療法的に多少の効果はあるでしょうが、副作用が強そうで、個人的には如何なものかと思いますね。
 まず、性犯罪者の再犯傾向が他の犯罪に比べて高いことは事実なのですが、その原因が分かっていません。つまり、矯正不能な本人の資質の問題であるのか、矯正施設としての刑務所において有効な矯正が行われていないためなのか、有意な判断材料がありません。大体、性犯罪に限らず、他の犯罪においても再犯率が増加傾向にあるわけで、一概に個人の資質に原因を求めることは早計かと私には思われます。
 第2に、刑罰の本義に反するのではないかという疑いがあります。前段でも述べましたが、日本の刑務所は矯正施設であり、刑期を勤めた者は罪を贖ったものとされます。それを前科者であるという理由によって犯罪者予備軍扱いすることは、社会の潔癖傾向を徒に加速し、不寛容社会を齎すのではないでしょうか。厳格な不寛容社会は、この世で最も住み心地の悪い社会の一つですな
 特に後者については、憂慮すべき事態に至っているのではないか、と危惧するところです。オウム信者やその子女について受け入れ拒否やら転入拒否を繰り返した社会状況を考えれば、出所した前歴者に石を投げるくらいのことはしかねませんぜ、今の社会は。そんな社会が幸せな社会だとは、私には到底思えませんが、どうでしょう?
 大体、そういった前歴者の在所情報が警察の手に渡ったとしても、基本的に役に立つのは「事件が起きてから」なんだってことはわかってんだろうなぁ。
 とりあえず、優先順位付けとしては刑務所における矯正問題を検討した方が良いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 あ、ちなみに、「性犯罪の増加」ってのも、単純な話じゃないね。認知件数だけで推移を示すと以下の通り。

性犯罪認知件数の推移(犯罪白書より作成)
年次 強姦 強制猥褻 公然猥褻 猥褻物頒布等
平成14(2002)年 2,357 9,476 2,052 392
平成4(1992)年 1,504 3,505 1,076 539
昭和57(1982)年 2,399 2,645 3,292
昭和47(1972)年 4,677 3,139 4,949
昭和37(1962)年 6,125 猥褻行為: 3,087 1,988
 強制猥褻の認知件数の“異常な”増加が目立ちますが、それ以外の数字は概ね20年前の数字であることが見て取れます。というか、60年代の日本って、どうよ? 強姦の件数が6,000件/年ってのはよ……。
 強制猥褻は、平成11年、12年に急増しているものの、検挙人数がそれほど増加していないことから、「認知のみが大幅に増えている」状態であることは分かるのですが……これはやはり電車内の痴漢について、キャンペーンなどで認知が増えはしたけど捕まえられないものが増えたってことじゃないですかね?
 数字は数字なんだけど、よーく見ないと変な結論を出してしまいますからねぇ。

 あと、どーでもいいことなんだけどね。
 60年代ってのは、1958年に売春禁止法が施行された(正確には57年施行なんですが、罰則は58年から)あとの時代で、強姦犯罪が非常に増えているというのは統計が示すところね。んで、90年代ってのは全国各地で青少年健全育成条例が改正され「有害」規制が強化された時期と重なるんですよね。
 どーでもいいことですけど。
 そこに関連性があるのかないのか、即断できるほどの情報は持ち合わせませんから。


2005年1月8日(土曜日)
 まだ深呼吸できない身体だったりする土曜日。

 ロイター電「TV licences burnt over Springer operaというニュース。「Jerry Springer -- The Opera」というオペラをBBCが放送するそうなんですが、これに対して史上空前の抗議が殺到しているという話。
 この「Jerry Springer -- The Opera」にはク・クラックス・クランのタップダンスやらキリストと悪魔の罵り合いなどが含まれているそうで、三万件を超える抗議が寄せられている、と。
 放送を決定したBBCの英断も凄いんですが、拒絶反応もまた凄まじいばかりのようです。個人的にはBBCの方を誉めたいと思いますが……。


2005年1月9日(日曜日)
 そういえば、6日に米議会で大統領選挙人による大統領選挙投票の開票が行われたんですが、上院議員による異議申し立てがあったらしい。速攻で却下されたという話ですが、上院議員による意義申し立ては1876年の大統領選挙以来二度目だそうで、前回が1969年のニクソン当選の時だそうですから、何やら暗示的ではありますなぁ(苦笑)。
 とりあえず、これにて子ブッシュ大頭領の再選は決定いたしました。

 「少林寺拳法「卍」に別れ ナチス連想と新紋章公表という報がありまして、なんだかなぁ…と。
 少林寺拳法ってのは日本で生まれた武術で、中国北派の少林拳とは別物です。ご注意あれ。で、その紋章のド真ん中には卍が使われているのですが、それがナチを連想させるというので、新たな紋章を定めたと。実はこれまでも、国外では卍の代わりに「拳」の漢字を入れていたことが多かったんですけどね。卍の入ったあの紋章を付けていると、ナチ関係者と間違われることがあったとか。
 この日記で過去何度かこの種の問題については採り上げてきていますが、かような「頭の悪い」話には正直頭を抱えたくなりますね(関連1関連2関連3)。
 実際のところ、ナチズムがどのように生まれ何を行い何をもたらしたかを、時代背景を伴って教えたり学んだりすることは現代社会において不可能に近く、結果的にナチたるシンボルを悪と認定するようになります。一種の偶像廃毀ですな。事実ドイツの反ナチ法ではSS、SAといった略称の使用が禁止されているそうな。なんじゃそりゃ。
 他人事ではなくて日本でも「日の丸・君が代反対」っていう連中がいて、これも同種。君が代を歌っているかインターナショナルを歌っているかというのは本質的な問題じゃなくて、明確な意図を以って他国を侵略したり、捕虜をシベリアに送り込んだりするのが問題なのですよ。この世の中には自由と民主主義を掲げて民間人の上に平気でナパーム弾を落とす連中だっているわけ。
 ことの本質を見極めないで表面だけ規制してもしょーがないんですが、かといって身も蓋もない世界の赤裸様な姿に耐えられる者もまた少ないのが現実でして、痛し痒しといったところか。でも少林寺拳法にはもうちょっと頑張って欲しかったなぁ。

 啞然茫然また愕然、なニュース「迎撃、日本標的に限定 ミサイル防衛で政府
 技術的に不可能ってもんだろう、それは。
 こんな説明を信じる奴は、前頭葉に何か致命的な問題があるんじゃないですかね?
 あ、でもミサイル防衛構想の有用性を信じている連中なら、この程度の説明でもOKなのかも。


2005年1月10日(月曜日)
 ハッピーマンデー法になって4回目の成人の日、らしい。
 午前中、北とぴあの横を通ったら、着飾った若人が仰山集まっていたのだが、ついでにパトカーも赤色燈をきらめかせていた。昨今の成人式はどうやら危険集会並みの扱いを受けるものらしい。
 何故そこまでして税金で成人式を挙げねばならないのか、いささか理解に苦しまないでもない。

 NHK「クローズアップ現代」の今日のお題は「女子フィギュア 大躍進の秘密」だったのですが、番組に登場した日本スケート連盟フィギュアスケート強化部長城田憲子女史の言動を見て、本当に久しぶりに「怖い人」だと感じた。
 「目標はメダル独占」と言い切り、その目標のために徹底した選拔体制を築き、10年がかりの強化計画を遂行する、その手腕と剛腕ぶりは見事だが、何よりそれを支える価値観の搖らぎなさが怖い人だと感じた。
 ただ能力が備わっている人はそれ程恐くはない。そこに目標が、搖るぎない目標が備わっている人は、怖い。


2005年1月11日(火曜日)
 視力の低下によって「初めにお読みください」が「斜めにお読みください」に見えた火曜日。

 北米国際自動車ショーミシュランが発表した「Tweel」なんですが……見慣れないためだろうか、凄く無気味だ。J.B.ダンロップが1888年に空気入りタイヤを発明してから120年、様々な技術的進歩はありましたが、基本的に「空気入りタイヤ」という大枠は変化はしていません。しかしこのTweelは……なんというか、なるほど、これならパンクしないだろうけど(空気入ってないからな)、うーん……。
 慣れの問題なのかなぁ。
 すぐに市場に出てくる技術ではないとは思いますが、これが将来主流になるんだろうか……。

 韓国で、戸籍の再編が話題になっているようです。2月の臨時国会で民法が改正されるのに伴うものとのことですが、個人を単位とする「一人一籍制」になりそうだという話。
 韓国の戸籍は、旧朝鮮総督府の編纂した戸籍、即ち日本の旧戸籍(いわゆる昭和改製原戸籍にあたります)を引き継いでおり、その後日本の戸籍と同様の「夫婦とその子女」を単位とする戸籍に再編されています。そういう意味では、日本と同様の制度を敷いている、唯一の国であるという見方ができます。
 提案されている「一人一籍制」は、個人を単位として戸籍を作り(だから「戸」籍ではなく「個」籍なのだが)、両親や兄弟姉妹、配偶者、子女などの情報を付加する形になるようです。
 日本の戸籍制度の不備というか問題点は、この日記でも採り上げたことがありますが、昨今の技術の発達具合からして、家族を単位として国民を登録管理する必要ってないような気がしますけど、いかがなもんでございましょうかね。
 現行戸籍は結婚すると新規に作られまして、逆に結婚しなけりゃ何歳になっても、それどころか親が死んでも親の戸籍に記載されていたりします。ちなみに、戸籍が除籍になるのは、その戸籍に記載されている全員が死亡したときです。まあ、それが嫌なら分籍届を出しゃいいんですが。
 こういう「婚姻」「家族」を中心としたシステムだけに、非嫡出子差別問題やシングルマザーや国際結婚をした場合の記載問題、離婚再婚に伴う子女の記載の問題など、あ、ついでに夫婦別姓問題などなど、本来争わなくてもいいような争いが色々起きています。
 そのような係争を起こす人は少数派であり社会的には無視しても構わないという意見もあるでしょうが、私としては現行制度と実社会の乖離が進行していると感じますので、できれば個人を単位とした国民管理に移行して欲しいと考えています。
 大体、なんで戸籍と住民基本台帳(住民票)っていう、よく似た二つのシステムが併存しているのかとか言いたいことは沢山あるぞ。


2005年1月12日(水曜日)
 先日サービスセンターに持ち込んだビデオテープデッキの修理見積もりが35,000円overでくらっとくる。代替品があれば迷わず廃棄なんだけどなぁ。代わりがないのでどーしよーもない。修理だっ。

 最近すっかりiPod屋さんなAppleですが、新機種Mac miniはイイっすね。
 私のように決してMacがメインマシンにはならないのだけど仕事の関係で動作確認やWebの見栄えの確認などなどで「とりあえずMacが必要」って人にはいいのではないでしょうかね。モニター他は既にあるものと共有するという前提で。
 拡張性なんか皆無ですけど、こういうものを買うときは割り切りが大事ですからして。どうせサードパーティーから、積み重ね可能なHDDボックスとか出るだろうという気もするしな。
 金さえあれば買っちまいそうで恐いですね。

 いよいよ信管つきのロケット弾が飛んでくるようになりましたか。次は不発じゃ済まないんじゃないか? 後になればなるほど危険性が増してくるという点で、これから派遣される第13旅団の無事を祈らざるを得ません。

 斜め上を巡る戦い
 いやー。中国 v.s. 韓国の、どちらが国際常識のより斜め上を行けるかという激しい戦いでした。言うまでもないですが、外交慣行に反したことで、時代が時代なら戦争ですな。既にロイターで配信されてますので中国は火消しに走らざるを得ないところですね。いや、ここでやはりさらに斜め上をいくために、「朝鮮半島は中国の属国だ」とか暴言をぶちかますでしょうか。

 memo : Gates taking a seat in your den
"There are some new modern-day sort of communists who want to get rid of the incentive for musicians and moviemakers and software makers under various guises."
「様々な口実を以ってミュージシャンや映画製作者、ソフト開発者の褒賞を除去しようとしている、新しく現代的な種類の共産主義者がいる」
 この記事未訳っぽいんだが……。


2005年1月13日(木曜日)
 昨日の中韓の一件ですが、人民網日文版には全くニュースがないのが素晴らしい。ちなみに中国外交部はこれについてステートメントを出している模様。曰く、「適法であった」。素晴らしい(苦笑)。14日注:ステートメントでました
 中国側からの事前のやんわりとした勧告を無視して会見を強行した韓国側も充分慣行上どうよとか思いますが、会場の照明を落として強硬に議員と記者を排除した中国側も手段選んでないなぁ。
 そういう国が隣にいるってのは、結構精神的にツラいね。

 妙なメンツを立てると訳が分からなくなる話としては、「05年の第6次鉄道高速化、実施時期のめど立たずなんてのも。「靖国参拝を止めないと新幹線買わんぞゴラァ」と凄んでみたところで、代替技術があるわけでなし…という辺りが物悲しいところです。
 フランスのTGVでもいいんじゃない?って所ではあるのですが、韓国であれだけトラブると、さすがに腰が引けるんでしょうか。でも中国で新幹線も相当トラブりそうなんですが。
 台湾でも、韓国企業が落札した区間の建設工事がデタラメで、訴訟沙汰になってたもんね。自分たちで作れないものの技術を買ってくると、問題なく動いているときはいいんですが、一度問題が起きたときに自分たちではどうしようもなくなるんですよねぇ。それで日本企業に泣き付くのはいいんですけど、責任まで負わされちゃ堪らない。技術が欲しいなら頭を下げるのが常道であって、轟然と「寄越せ」というも違うだろうし。

 これまた中国から「1人っ子の姓を巡る“争奪戦”、伝統は危機に直面 という報道が。面白いなぁ。
 中国(の漢民族系)って先祖伝来の姓を大切にする文化があったと思うんだけど、その中国において「両親の姓をくっつける」(複姓にするわけですね)だとか「両親の姓から合成する」(新姓の創設。そんなことできるのか)なんてことができるとは。動機そのものが姓を大切にするところから来ているところがまた面白い。
 ものの本によれば、中国の姓は5,730と、隨分少ないという印象を持ちます(まあ、中国国内の文化圏には姓を持たないところもあるしな)。約30万と言われる日本が多すぎるのだ、という話もありますが
 姓の多い日本で厳格に姓が管理され、姓の少ない中国で結構融通されているというのは、面白いものですね。
 ささのさんあたりの感想を聞いてみたいところです。

 トリは日本から。
 匍匐前進をしたりするので有名産総研HRP-IIですが、今度は会津磐梯山踊りを踊れるようになったとか。
 結構立派に踊ってますね。関節の関係で、人間同様というわけにはいかないですが。あとはマイクから外部の音を拾って、動的にテンポを合わせて踊るようになると、生演奏にも対応できますな(してどーする)。
 きっと近い将来には、ロボットが櫓の上で太鼓を叩き、浴衣を着せられたロボットたちが夜を徹して盆踊りを踊りまくり、夜店の番もロボットがこなし、神社の奉納も雅楽の演奏もロボットが行い、社務所でロボットがおみくじやお守りを売ってくれて、設営も後片付けもロボットがやってくれるようになるんでしょう。
 そんな祭りにどんな意味があるのかはわかりませんが。
—そして過疎化し、忘れ去られた村で……。
 八月の中旬になると、神社の倉庫にしまわれたロボットたちが起き出し、全自動で飾り付けと設営を始め、ロボットだけで夏祭りを行い、終わると跡形もなく撤收する。その明りと音は遠くの街からも観測され、幽霊村の盆踊りとして怪談話のネタとなるのであった……
とか。


2005年1月14日(金曜日)
 ドイツ系ニュースの仕入れ先「dindex」に、「「小児嗜好」仕立てのメルヘンオペラ、公開前から物議なんてニュースが。
 なんかもうイイ感じに爛れてる内容ですが、やはり「魔女」→「教会に通うやさしい男だが、小児を好む変態」って辺りがミソなんでしょーか。この調子でいくと、お菓子の家の代わりは教会で、その地下には……って感じなんでしょうか。しかし“太らせてから喰う”っていうシチュエーションが成り立たんような気が……。
 あんま悩まんとこ。

 なんかNHKがまた報道の俎上に上っていますが、今度は番組制作についてのことらしいので、少し追ってみました。
 今回、NHKの長井チーフプロデューサが「政治力による番組内容の事前改変があった」と主張しているのは、2001年1月に放送されたETV2001の「戦争をどう裁くか」というシリーズで、私も当時内容について言及しています。書き方を見れば分かる通り、私はこの番組を相当偏向したものと受け止めてます。
 こともあろうに、私が昔バイトしていた、教養番組部が担当だ(爆)。
 さて、この番組については取材を受けた側である「戦争と女性への暴力」日本ネットワークは「放送の内容が期待通りのものではなかった」としてNHKを相手取って訴訟を起こしていて、2004年3月24日に東京地裁において一審判決が出ています。NHKならびにNHKエンタープライズ21は無罪、孫請け制作会社ドキュメンタリー・ジャパンが賠償を命じられました。なお、原告ならびにドキュメンタリー・ジャパンはこれを不服として控訴しており、現在東京高裁にて係争中。
 長井チーフプロデューサがNHK内部の「コンプライアンス通報制度」に訴えたところでは、中川昭一経済産業相(当時自民党広報本部長)と安倍晋三幹事長代理(当時内閣官房副長官)が当時の国会担当局長らを呼びつけて番組の放送中止を要請、NHK側がこれに呼応して番組内容を変更し、事前試写の上、放送したと。
 こう言っちゃ何だけどねぇ……裁判で敗色濃厚な連中が仕掛けたんじゃないの?ってのが正直な感想。実際の番組を観ていた身としては、“修正されて放送された内容”ですら相当の偏向を孕んでましたよ。
 なんか既にNHKの見解が出てますが、正直言いますと、政府が命令して検閲したならともかく、所詮NHK内部の問題であって、外部の力が働いたとは言えないと思います。少なくともNHK内部にも、あの内容が不適当だと思った人はいたってことでしょう。

 「津波情報、気象衛星利用し日本が暫定提供…首相表明へを読んで、こう、なんというか、この馬鹿たれめ、って。
 今どこの軌道に「日本の気象衛星」がいるっちゅーねん。
 日本が運用しているGOES-9はアメリカからの借り物じゃないか。ひまわりはトランスポンダ状態。
 ひまわりの後継のMTSATは2月に射上げが予定されているけど、これまたSRBを改良したばかりのH-IIAの初射上げときてて、成功するやら失敗するやらわかったもんじゃない。ロケットが無事射ち上がったとしても、その後の軌道変更に失敗して(主に衛星のアポジモータ不調による)スペースデブリになることだってある。そして軌道に乗った後に、本当にこの衛星が当初予定通りの性能を発揮するかどうか、これまた未知数ときた。なにせ新設計の多用途衛星で、大型化・複雑化している上に新技術満載。これで初期トラブルが出なければ奇跡ってもんだ。面白味もない代わりに信頼性だけは高かったひまわりシリーズとは全く違う(ひまわりシリーズは、米ヒューズのベストセラー気象衛星のクローンです)。で、MTSAT-1Rの予備機となるMTSAT-2はまだできていない、と。
 自分で書いておいてなんだけど、凄ぇ怖ぇよ。
 上記トラブル要因のどれか一つでも実現したらアウトって状態だってこと、わかってんのか?


2005年1月15日(土曜日)
 この日記は「面白ニュース紹介」ページではありません。
 断じて。

 えと、米国からミサイル防衛予算削減の報が届いておりますが、私がここでコメントするより、現役高校生カリーさんとこを読めば充分だと判断しましたので、そちらに誘導します。
 「米国防費削減と日本への影響」をどうぞ。
 いやー、頼もしい高校生もいたもんだ。日本の未来は安泰だね。

 昨日のNHKの件なんですが、書き方が分かりにくいとの指摘があったので、もうちょっと丁寧に書いてみます。
 まず、私の個人的見解として、放送された「戦争をどう裁くか」という番組(つまり、「改変された後の番組」)を視聴して、「相当左寄りに偏向している」という感想を持ちました。弁護人なしの欠席裁判で証拠の検討もしないようなものは、魔女狩りと言うのだと思います。まあ、所詮模擬裁判モドキだと言われればそこまでですが、そういう内容の番組を放送するのはどうかと思いました。
 この点について、放送法三条の二に照らし合わせて、かなり問題のある内容であったと思います。特に、二項と四項について。
 問題の模擬裁判は「戦争と女性への暴力」日本ネットワークという団体の思想信条に基づくものであり、放送時ですら偏向が感じられたほどですので、当初の予定番組(「改変される前の番組」)をそのまま放送していたとなれば、そちらの方がより大きな問題になったのではないでしょうか。それでなくとも、NHKエンタープライズ21のプロデューサが模擬裁判の運営委員をやっていたことなど、公私混同の疑いがあるのですから。
 政治家であれ誰であれ、NHKに意見をいう権利はあります。もちろん権力を用いて検閲を行ったとなれば憲法以下あちこちの法に触れることは間違いありませんが、報道内容を俯瞰する限り、政治家が自らシーンカットの音頭を取ったという話ではなく、あくまで実際のカットを行ったのは編集局長らであったこと、実際の「修正」は「介入」が行われた日の以前から行われていたことが分かっていること、また東京地裁の裁判においてもその「改変」は合法と判断されていることなど、長井チーフプロデューサの告発の方が何やら背景が疑わしい、と感じる次第です。

 さらに補記。
 「どちらかが正しくてどちらかが間違っている」という単純二元論的な論評があちこちに見られますが、個人的には「どちらがより大きな嘘をついているか」だと思います。安倍氏や中川氏が、自分たちの発言がどのように受け止められ、影響を及ぼすか、全く考えていなかったとは到底思えないからです(もちろん、正確な効果を知悉していたとも思わないが)。


2005年1月16日(日曜日)
 昨日片付けてきた問題ではあるのだが、ちょっと零したくなったので。
 圧縮/解凍ソフトを導入する。
 要するにそれだけの問題なのだが、これが結構難事だった。
 アーカイバなんて概ねLhaとZipがありゃ事足りるわけだが、しかしかといって「パスの通ったディレクトリにlha.exeを置いて、コマンドラインからlha a [archive] [file]リターン」とか説明しても殆どの人には通じんわけだ。嫌な世の中だよ。
 であれば、統合アーカイバプロジェクトから必要なdllを分捕ってきてシステムフォルダに放り込んで適当なシェルプログラムを選べ……という話になるのだが、どうやらこれも結構敷居が高いらしい。
 要するに求められているのは、ダウンロードプログラムをダブルクリックするやInstall Shieldが起動して、何も考えずに「OK」をクリックしてると、あら不思議、関連付けまで終了して、あとデスクトップにできるショートカットを叩くだけ……となるようなものなわけだ。
 で、当然私はそーゆーものには縁がなく、いくつか探してはみたのだがどれが良いのやらわからない。
 結局+lhacaという、それこそ向こうが僅かながら触れたことのあるものを選んだわけだ。
 しかし……+LhacaのQ&Aページに、「[Q]:jpeg,gifといったファイルを圧縮してもサイズがあまり小さくなりませんがどういうことでしょうか。」とか書いてあるのはどうよ? いや、もうこんなもんなんかも知れないけど……

2005年1月17日(月曜日)
 阪神淡路大震災から10年。
 余談だが、1923(大正12)年に起きた関東大震災の死者・行方不明者は14万人超なのだが、そう聞くと昨年末のスマトラ島沖地震津波災害の規模が小さく見えてしまうから不思議だ。現実は逆で、日本の関東平野とその近辺という僅かな地域で14万人以上の死者・行方不明者が出たことの方が驚くべき災害だったということだ。

 酒井さん1月4日の日記に「逆転極東裁判 従軍慰安婦問題検証編」が紹介されていたのでやってみる。
 あははははー(乾笑)。
 カリカチュアなのにカリカチュアになってない辺りが笑うしかない感じです。
 そういえば、今日はの日韓基本条約関係文書が韓国で公開される日でしたね。どうなってるかなぁ……と思って見れば朝鮮日報に特設が。
 ……。まあ、彼らが知らされていなかったことや教え込まされていたことなどについては、彼ら自身の問題であると考えますので、私はとやかくは言いません。日本政府に対する馬鹿気た訴訟が減ってくれれば、それで充分です。

 一日一回のシネマライズ(ライズX)での「雲のむこう、約束の場所」に行ったら、なぜか結構な人の入り。平日の真っ昼間だってのに、一体こいつらどこから湧いてきてんだ?
 隣には大阪から来てる奴もいたしな。

 現在使っているCRTモニターがそろそろ寿命っぽいので(気付けば6年ものだ)、買い替えを検討すべく秋葉原を経巡ったが、私の要求を満たすモニターはCRTも液晶もなかった。
 どうなってんだ……。極めて常識的な条件しか出してないのに。
 とりあえず三菱RDF173Hの新古品でも探そう。

 昨日の件について、

を紹介された。シェアウェアだけどExplzhは良いと思う。そういえばライセンスを持っていたような気がする(おい)。LHMeltingはDLLの動作確認用と言うだけあって質実剛健なところが私好みだが、人様にお薦めするのはどうかと思うな……。

2005年1月18日(火曜日)
 某SNSにログインしたら「Happy Birthday!!」と表示されて、自分の誕生日であることを知った。忘れていたよ、そんなもの……(苦笑)。

 画伯茄子ちゃ…もとい、NASを導入したと書いていた。NASの導入は私も考えてはいるんだけど、HDDは余っているので(爆)、玄人志向玄箱かなぁ。
 あ、言っときますけど、玄箱のハックをしたいわけじゃありませんよ。しませんよ、そんなこと。Vine化したりメディアサーバ化したり夢は広がりますけども。

 去年米サイバーキネティックス社で、脳にチップを埋めこんでインタフェースとするという研究の臨床試験が進められていると過去に日記に書いたんですが、Hotwiredに「進化する「脳−コンピューター直結インターフェース」」として臨床被験者の動画が。
 記事によればこの被験者のマシュー・ネイグル氏は喧嘩で首を刺されて脊椎を損傷、全身痲痹で人工呼吸器を必要としているとのこと。実際の動画でも気道切開して人工呼吸器つけてますね。
 まだまだ反応速度などを考えると、この被験者のような全身痲痹など、他に手段がない人向けってところですかね。将来を考えると色々怖いですけど。


2005年1月19日(水曜日)
 貸した本が返ってきたら、配架する場所が無くなっていた。
 ミステリィィィィッ!!

 エアバスA380の初号機がロールアウトしたそうです。就航は2006年を予定ですが、日本の航空会社はまだどこも買ってないんだよね。まあ、色々しがらみあるからネ……。

 「女子高生コンクリ詰め殺人:出所後も監禁暴行の被告、懲役7年求刑−−東京地裁公判なんて記事を見てげんなり。

  1. 日本の刑務所の矯正施設としての能力に疑問が湧く。
  2. 「一度犯罪者になった奴は……」みたいな風潮が生まれそうで吐き気がする。
  3. 7年か……逮捕監禁が最高5年で傷害罪が最高10年。この場合は傷害罪扱いになるから、最高10年だろ。出所が平成11年8月で再逮捕が平成16年5月だから再犯加重の対象になるんで法律上の最高刑期は20年になるんじゃないかなぁ? 7年ってのはちょっと短いようにも思うけど。

2005年1月20日(木曜日)
 色々書こうと思って準備はしてたんだけど、不貞寝することに決定。
 もーどーにかしてくれ。
 っていうか、どーにもならんがな、これ。

2005年1月21日(金曜日)
 「メイドさん占い」なんてのを見かけたので冗談でやってみる。
ogumaさんは ふりふりロリータメイドさん です!

● ふりふりロリータメイドさんさんのあなたは、持ち前の明るさで周りを照らす太陽のような人です。意識的に励ますのではなく、自分が輝くことによって、みんなに勇気と希望を与えることができます。そんなあなただけに、パワーを分け与えすぎてしまって、ひとりになるとドッと落ち込むナイーヴさも…。それでも自分のことより人のことを大事に考えてしまうのがあなたなのです。人のグチは聞くのに、自分のつらさは隠してしまいます。それがあなたの長所でもあるのですが、爆発してしまう恐れも。適度なガス抜きは大切ですので、太陽の明るさを保つためにも、たまには人に甘えてみてください。いつもあなたに助けてもらっている人が、今度はあなたの役に立てたと喜ぶかもしれません。

● ogumaさんの運命の人は、現在牧場で、ぼーっとしています。

● そんなあなたの本日の運勢はこちらです!

 ……ふりふりロリータ、っすか(呆)。

 文化庁文化審議会著作権分科会法制問題小委員会が著作権法改正に向け16項目の検討課題をまとめたそうな。列挙すると、

  1. 基本問題
    1. 私的録音録画補償金の見直し
    2. 権利制限の見直し
    3. 私的利用目的の複製の見直し
    4. 共有著作権に係る制度の整備
    5. 著作物の「利用権」に係る制度の整備
    6. 保護期間の見直し
    7. 政令等への委任
    8. 表現・用語の整理等
  2. デジタル対応
    1. デジタル化時代に対応した権利制限の見直し
    2. 技術的保護手段の定義の見直し
    3. 放送新条約(検討中)に係る制度の整備
  3. 契約・利用
    1. ライセンシーの保護
    2. 契約規定全般の見直し
    3. 登録制度の見直し
  4. 司法救済
    1. 間接侵害
    2. 損害賠償・不当利得等
 てな感じなのですが、全般的にまあ、「権利制限の見直し」を除くと既得権益を強化しようという方向ですね。ちなみに上にある「利用権」ってのはライセンシーのことで、一般の著作物利用者のことではありません。
 著作権(に限らず知的所有権全般)ってのは金庫にしまっておいても何も生み出さないという、「利用されることによって価値を産む」権利なので、利用を促進することも重視せねばならんハズなんですが、なんなんでしょうかね、近年のこの動きは、とにかく利用料を徴收しようとするあまり、どうも著作物利用の促進については後回しになっているような気がしてなりません。
 管理の手間が、生み出す利益を超えるような制度は、作るだけ馬鹿を見るんですよ。私の見るところ、現状でもこのバランスはかなり危ういところに来ていて、一部の「ミリオンヒット」のために多くの著作物が死蔵される結果を招いているように感じられます。
 例えば1-6で保護期間の見直しとして、現行50年の保護期間(映画のみ70年)を、一律70年にしようなんて言ってますが、そんなことしたら管理の手間だけで殆どの著作物は再利用不能になりますわな。管理の手間が産み出す利益を超えてしまった著作物は、基本的に利用されなくなりますね。それをどれほど求める人間がいても、その人が奇特な富豪ででもない限り、求める人のところに求めるものが届く可能性はなくなってしまいます。
 あと、私的録音録画補償金をHDDやメモリカードにまで拡大しようってのも、貪欲の罪で天罰を喰らいそうですな。私的録音補償金管理協会私的録画補償金管理協会(ついでに日本複写権センター)が利権団体化している以上、彼らが自らの権益を手放す方向で動くとは考えにくいのですが、公正な分配がそもそもできやしない制度ってのはどうかと思いますよ。ちなみに公正な分配をしようとすると、管理の手間が産み出す利益を超えますので、そもそも補償金なんてものは公正に分配できないものを徴收しているわけです。なんでそんなことになったか、経緯やいきさつは知っていますが、だからといって納得できるかといわれると、仲良しクラブで分配だなんて、「全部国庫に納める」方がまだ納得できますな。
 まあ、DRM(デジタル著作権管理)なんかが今後整備されていけば、これまででは考えられないほど細かい権利の管理が低コストでできるようになる可能性はありますが、もう暫くは夢物語でしょうね。著作権管理の高コスト体質をどうにかしてくれと、利用者側としては言いたいところ。その高コストのところに利権が存在しているという話でもあるがね。
 え? T-Dist
2005年1月22日(土曜日)
 ハッブル宇宙望遠鏡が廃棄される模様、との報道が……。

 去年の3月に「「ソウル」の新しい中国語訳を募集」という記事を紹介したんですが、此度目出度く「「ソウル」の中国語表記、「漢城」から「首爾」へ」となったようです。「首烏爾」と同じように忘れ去られなければいいんですけども。
 音を合わせなければいけないってのは比較的最近出てきた概念なんだけど、隨分幅を利かせてきてますね。
 旧来、漢語圏に於いては、漢字の表記(それも文字概念レベル)が一致していればOKで、読みは各国任せというのが普通でした(この関係は日中間では現在も生きています)。これは日本国内の人名でもよくあったことで、前近代の人名など読み情報がないことが殆どなので、「音読みで済ませる」のが歴史学上の通例でした。「義経」を「よしつね」ではなく「ぎけい」と発音したりするのはそういった経緯です。鬼退治で有名な「源頼光」はやはり「みなもとのらいこう」と読むのが自然だろうし、信長も「しんちょう」って読むことあるしね。近代以降でも伊藤博文を「はくぶん」などと発音するのはザラです。
 それは失礼ではない、という認識がかつてはあったわけです。戸籍の人名に読みがない、というのもその辺の文化的背景を持つのではないでしょうか。
 日本の話はともかく、この辺の常識が搖らいで音を重視する傾向が強まったのには、やはり戦後各国で行われた漢字(教育)の見直しが大きな原因の一つを占めているのではないでしょうかね。
 日本では漢字の種類と読みの制限を当用漢字で行いましたし、韓国に至ってはハングル専用を推し進めました。本家の中国にしても簡化字の推進に際して殆どの漢字を形声文字へ強引に変更しました形声文字についての参考
 前大戦後、漢字圏と呼ばれた三箇国がこぞってこのような変更を企図したのには、様々な意図があったものと思われますが、結果的に招来されたものを見ると、もう少し穏便なやり方があったんじゃないかと頭が痛いところですね。

 表音信仰というか、音が近いことをよしとする考え方の度し難いところは、相手の言語への理解を概ね伴わないところだったりします。
 日本語と韓国語はともにアルタイ語族の近縁言語ですが、持っている音価は相当異なります。韓国語の方が母音・子音ともに多いのですが、韓国語は日本語と違い母音の長短を(基本的に)持ちません。これが中国語のようなシナ語族の言語ともなれば音韻構造が全く異なり声調を持っているので、素養のない人間に発音させることがそもそも困難であったりします。他にもアラビア語では母音が三つしかないので、我々の単語を音価通りに発音することすら難しかったりしますし、逆にしても到底聞き分けられないような子音があったりしますので、向こうの単語をこちらで発音するのも困難です。
 これが文法にまで話が及ぶと奇々怪々で、「ブルータスよ、お前もか」は「et tu, brute」であって間違っても「et tu, brutus」ではないとかいう話になります。ラテン語では名詞は固有名詞であろうと格変化するので、主格はbrutusでも呼格はbrute。これをして「なんでブルーテって書いてあるのにブルータスって訳したんや?」などと発言してしまうと教養を疑われることになります。逆に日本語のような名詞が変化しない言語の単語を屈折語で引用しようとすると、格変化は第何変化かとか悩むことになるし、性を持たない言語から性を持つ言語に単語を引けば、当然性別に困ることになるのです。
 最近身近な例で言えば、既に英語の中に定着してしまっている「tsunami」という単語ですが、どうも用法を見ている限りcountable、つまり可算名詞として使われているようですので、複数形は「tsunamis」になるわけです。日本語には可算・不可算の別がないので「ちょっとマテ」と思わなくもないところですが、もしこれが逆輸入されたら「津波ズ」とでも書くことになりますわな。
 英語ならこのくらいで済みますが、仏語や独語であれば性(男性/女性/中性)が必要になります。ちなみに仏語では「le tsunami」となっているようなので、男性名詞なのでしょう(leは男性名詞の定冠詞だから)。ドイツ語でも「der tsunami」となっていることが多いようなので男性名詞か。しかし「das」をつけて中性名詞として扱っていることも結構あるようだ。もう訳が分からん。もしドイツ人に「なあ、ツナミって名詞の性は男性にすべきだろうか、女性にすべきだろうか、それとも中性にすべきだろうか?」などと訊ねられたら、日本人としてどう答えるべきであろうか。
 中国語でじゃあ「津波」はどうしてるんだろう?と思って調べてみると、学術用語「tsunami」の訳語はどうやら「$A今丱(海嘯)」らしい。漢字書きで「津波」とするときは大抵ダブルクォーテーションなどで括って「津波(tsunami)」とかになってました。こうなると音も字も通じません。同じ系統の文字を使っているメリットなんてどこにもありゃしません。あっはっは。
 話は滔々と脱線しますが、あの津波災害のあと生まれた子供に「Tsunami」と名付けた、という報道が数件あって、しかも男児女児の両方がありました。こうなると原語における単語の意味だとか用法だとかというものと全く乖離した世界に突入していき、ここで日本人が「“津波”って単語はだなぁ…!」と講釈垂れたところで全く無力。それどころか逆輸入の果てに「この子の名前は“ツナミ”だ!」などという親も出てくるかもしれません
 というわけで、他言語のことを知れば知るほど、発音や用語用字の押し付けってものについて悲観的になっていって、「いいじゃねぇかとりあえず通じりゃ文句言わないでおこうぜアミーゴ」とか言って考えるのを止めるようになります。自分たちにできないことを他人に押し付けても意味がないので、とりあえず自分と向こう様と、適当に折り合いつけてナアナアでやっていくのが波風立たなくてよいと思うのです。
 相手文化や言語にある程度の理解を示した上での話で、ですけどね。


2005年1月23日(日曜日)
 風疿舞う日曜日。

 「対中ODA議論で思うこと、「感謝」は意味あるか? ある「親日派」の吐露、ODAは戦争を思い起こさせる」って記事がサーチナにあって、ほう、と。中国人がある程度以上公的なメディアに掲載するこの手の論説で、中国政府の公式見解から外れたものを見ることは、それだけでかなり珍しい。冗談拔きで、中国人の書くこの手の論説・論文は、政府公式見解の表現を変えただけのものが殆どで面白味に欠けること著しいのだが、珍しくそこからやや脱線した論調であるのが面白い。
 勿論、個人個人の中国人はそれぞれの考え方があって直接会って私的に話せば議論にはなる。ただ、公的な場でそういうことをするのは、あの国では難しい、ということなのだ。そういう背景を思いながら読むと、なかなか味のある論説だと思う。
 内容はともかく。

 切込隊長Blogに「「幼女性愛」は成人男性に共通する病理?」という分析があって、面白いもんだな、と。分析の基となった欧州系某保険会社の基礎調査っやつの数値を生で見てみたいものです。
 というわけで、生データを見れるわけではないのでこのエントリの内容に即して考えると、かつて同性愛が辿った道と同じような道程がペドフィル(幼児性愛者)を待受けている可能性はある、となるわな。現代社会ではペドフィリア(幼児性愛)はほぼイコール犯罪なわけですが、これが病理でもなければ異常でもないとなれば、社会としては受容しつつ付き合っていく方向性を探らざるを得ない。しかし一方で保守的価値観からのペドフィルへの圧力もまた一定にかかることが予測され、政治問題化したりするのかもしれない。
 歴史屋的視点からすると、同性愛も幼女性愛も歴史上あり溢れ過ぎていて、古代ギリシャの少年愛世界やら戦国日本の稚児好みまで、異常とは無縁な、むしろ自然な話ということになり、すんなりと納得できる。となれば、逆に現代社会における同性愛や幼女性愛に対する抑圧傾向がどのように生まれ育ち社会的合意として形成されてきたのか、その経過をたぐってみたいと考えてしまう。
 米国における禁酒法制定の過程と似たような相が見られるのではないかと期待したりするわけだが、どなたか本気で調べてくれる人はいないものだろうか。


2005年1月24日(月曜日)
 Office氏裁判の論告求刑で、検察側が懲役八月を求刑したそうな。

 土曜と日曜のNHKスペシャルは「シリーズ憲法 第1回 私たちは9条とどう向きあうのか」「第2回 徹底討論 どうする憲法9条」だった。「シリーズ憲法」なのになぜ9条だけがターゲットになるのか実に不可解ではあるが、9条問題にしても掘り下げが浅かったように思う。
 例えば、9条2項を改正して軍隊を正式に持つ場合、第76条の改正が同時に必要になる。なぜなら軍には軍法が必要であり、軍司法として特別裁判所である軍法会議が設置されることになるからだ。
 他にも軍の最高指揮権について内閣総理大臣がこれを持つことを規定しておくことも必要だろう。ちなみに首相を含む国務大臣が文民でなければならないことは現行憲法でも第66条2項に規定されている。しかし軍を持たないならこの規定は必要ないのではないだろうか。
 他にも細かいところでは、国防の義務を憲法に規定すべきかとか、徴兵の可否はどうするとか、附隨する問題は多い。
 9条を改正しない場合、自衛隊を今後どうするのかという疑問に答えなければならない。現在もただでさえアクロバティカルな法解釈に依って存在から任務に至るまでをこなしており、これが無用な混乱や疑念を招いている。国外からの自衛隊への要望は増える一方で、東ティモールへの派遣については韓国ですらその派遣を希望していた。当たり前だが、練度が高く規律正しく高い技術を持った軍隊は、味方であればこれほど心強いものもない。しかも最近の自衛隊は兵站能力が増強されており、中小国家の軍では持ち得ないほどの輸送能力を持っており、米国が参加しないようなPKO、PKFに於いては極めて重要だ。
 しかし一方で「国際的に役立つ自衛隊」の装備は「自衛のための最小限の戦力」を超えるように見えることは確かで、おおすみ型輸送艦や現在開発中のC-X輸送機のようなものは、味方であるうちは力強いかもしれないが、一度敵に回ったときのことを考えると周辺国の国防関係者は頭が痛かろう。しかも相変わらず「自衛隊は軍隊ではありません」などと言われると、外部から見れば正気を疑うところも出てくるだろう
 無論、9条を遵守し、自衛隊の国外派遣も縮小/廃止し、自衛隊はやっぱり国のなかだけで活動します、というのも一つの選択肢ではあろう。現実問題としてそんなことが可能なのかどうかはともかく。海外派遣専門の組織を作れという意見も、社民党などを中心に根強い。これまた現実問題としてそんなことが可能なのかどうかはともかく。
 最終的には我々自身が判断しなければならないことではあるが、9条は9条だけの問題ではないと言う話。


2005年1月25日(火曜日)
 NHKの朝の「おはよう日本」内「まちかど情報室」で「子どもたちに運動指南」として、“体育の家庭教師”だの“スポーツ塾”だのが採り上げられていた。
 なんというか、凄い時代。
 運動すらも、お勉強感覚時代なのね。

 で、そのお勉強の方の成果が出ていないというか学力の低下傾向が著しいとか言われている昨今ですが、文部科学省(隷下の国立教育政策研究所)は学力調査を目的としたテストを実施したよし。無作為抽出で小学校高学年2万人、中学生2万人といいますから、かなりの規模ではありますな。
 どっちかというと、これまでそういった学力評価を行わずに、言わば政治的動向だけで学習指導要領を決めていたことの方が、私にとっては驚きですが。
 調査結果は来年春頃までに纏まるそうな。

 文化庁文化審議会ネタですが、此度は国語分科会から、常用漢字の見直しを提言する報告案を纏めた、と。イイ感じで反動してます。
 この辺の動向については以前にも触れたことがありますが、私自身は既に常用漢字はその使命を終えていると考えています。全くの役立たずだというつもりはありませんし、それが社会に果たした役割は小さくなかったとは思いますが、今や「旧弊」でありましょう。
 ただ一方で、国としての新たな国語国字政策を作成せねばならないという意味ですので、重大な責任を負っていることも忘れてはいけません。本当はこんな審議会の分科会程度で済ませられる問題ではないと思うんですがね……。

 海上自衛隊より「中国海軍艦艇の動向について」。
 にっこり笑って手には懐刀、って感じがとても外交的ですな。まあ、外交ってのは一汎的にそういうものですが。
 ちなみに、この前日になりますが「海洋観測艦「にちなん」の活動について」として海自所属の「にちなん」が海域は違いますが出張っていったりしており、緊張の度合がいい感じに高まっておりますね。
 それにしても、ソブレメンヌイ級駆逐艦ですか。写真見ると、バランス悪そうだなぁ……。なんか“攻撃は最大の防御なり”って感じの設計コンセプトが透けて見えるよ。一言で言えば「古い」んですが、別に設計思想が古くても米軍相手にするんでもなければ問題ないことですからね。
 一部の先進各国はともかく、発展途上国においては艦齢30年なんてザラで、第二次大戦時の軍艦がまだ現役なんて例もあったりします。日本も昔は帝国海軍の駆逐艦「梨」を引き上げた上に改装して護衛艦「わかば」として71年まで使い潰したなんてこともありました。米軍の“DE-169 Atherton”(1943就役)は、日本の自衛隊に供与され“DE-263 はつひ”となり、75年に除籍され米国に返還されたあと改修されフィリピン海軍に供与され、“PF 11 Rajah Humabon”としてまだ現役だとか。艦齢60年かよ! さすがにここまで古いものはそうありませんが、艦齢40年くらいだとちょっと見渡すとちらほら見掛けられるというのが、軍艦という兵器の恐ろしいところです。勿論これは発展途上国の海防任務など、極めて限定的な条件下で現役を続行しているわけで、海上自衛隊でこんなことができるわけではありません。ともあれ、中国海軍の場合、某国の“軍隊じゃないよ”組織以外は、台湾がやや強力ながらも、海洋領土問題でぶつかっているフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ辺りとなるとそれ程精強な海軍力・空軍力を保持しているわけでもないから、こんなもんでも大丈夫なんでしょう。
 中国に関していえば、かつて西沙諸島を武力で制圧し、事実上領土化した過去がありますので、当然尖閣諸島についても隙あらば狙ってくるでしょうね。非武装中立なんて言ってたら、一も二もなく分捕られるし、自衛隊が張子の虎だと思えばやはり攻めてくるでしょう。中国って国はそういう国です。「平和を愛する諸国民の公正と信義」なんてものは、期待するだけ無駄ですな。


2005年1月26日(水曜日)
 「「死者生き返る」15% 小・中学生長崎県意識調査 半数「TVや本で聞いた」という報道に、どう反応しようかと一日ほど悩む。
 いや、何が問題なのかな、と。
 報道やその他反応をみていると、何か途轍もない問題であるかのように扱われているのですが……これが18歳以上を対象にしているのであれば、何か宗教でも疑った方がいいでしょうが、14歳以下ならこんなもんではないですかね。科学的には人間は蘇ったりはしないのですが、宗教によっては終末の復活が約束されてたりするわけで、米国で成人を対象に「死者の復活はあると思いますか?」とか質問したら、結構イイ感じの数字が出るんじゃないかと思われ。
 この14歳以下の少年少女が責任年齢に達したときにまだ同じようなことを考えていたら、それは重大な問題でしょう。しかしその点については、既にかつてのオウム事件などからして、現実と非現実の区別がつかない連中が跋扈するようになってしまっているので、手遅れのような気はします。日本だけの問題でもないようだし。
 「俺はそんなこと考えない、マトモだ」とか思っていると、足許掬われるかもよ。

 最高裁で、「管理職選考受験資格確認等請求事件」の判決が出て、高裁判決が覆りましたね。どうなるやらと思っていたんですが、国籍による受験資格の制限は合憲と判断されました。
 私個人としては最高裁の判断は充分に納得のいくものですし、反対意見(最高裁判決は、最高裁としての判断の他に、裁判官の個人の意見を付帯することができ、反対意見も述べることができます。今回の判決については、二人の裁判官が反対意見を書いています)にしても、無条件無制限の受験資格を与えよとは書いていません。
 限度があることは大前提の上で、その限度の設定の妥当性を争った裁判だったわけです。
 忌憚なく正直なところを申し上げれば、原告は日本生まれ日本育ちの特別永住者なわけで、日本国籍を取得するために必要な各種条件を満たしていたわけで、自身の国籍に特殊な思い入れがあったものと思われます。そうでないならば、日本国籍を取得してしまえば良い話でしかないからです。そのような、「日本国籍を持たない」ことにある種の矜恃を持たれている方を、日本国民の主権に基づく公権力を行使するのに一定以上の責任と権利を持つ立場に補することには、賛成できかねます。
 日本の国籍を取得するのが困難であるというのは、また別の問題として検討すべき項目ではありますけどね。(今回は当てはまらないし)


2005年1月27日(木曜日)
 NHKの朝の「おはよう日本」で静岡県警広域緊急救助隊の訓練が放送されていて、新潟県中越地震での派遣の教訓から、「自活能力」を重視することになったと言って、テントを組み立てたり、野外炊飯を行ったりしてたわけです。
 しかしなんというか……いや、勿論その訓練は大切なことであり、装備を整えることも、準備をすることも、ましてや教訓を採り入れることに異議があるわけではありません。ただ、実際行くまで気がつかなかったのか、と。
 まあ、気付いてたけど予算他の問題で実現してなかっただけかもしれませんし、重要度が低いと考えられていたのかもしれません。なにしろ警察にしろ消防にしろ、通常のインフラが確立している地域で活動する組織です。
 つまり、この辺が「自衛隊(軍)」との違いなんですな。
 自衛隊(この場合特に陸上自衛隊)は“あらゆる社会インフラが崩壊した状況でも活動できる”ことが特徴の一つです。
 しかしそのために、天幕、簡易ベッドの類から始まって、“200人分の炊事を約45分以内に実施できる”野外炊具1号だとか、“自然水(淡水)の細菌、化学物質をろ過して飲用水にできる”浄水セット(逆浸透)、“野外において軽易に入浴できる”野外入浴セット2型などなど、一般社会の組織ではどう考えても不必要なものを装備していたりします。しかしご存知の通り、これらの装備は大規模災害の現場で何度も役に立っており、中にはご厄介になった人もおられるかも知れません。
 このような高い自己完結性は災害派遣などにおいては必須のものであり、スマトラ島沖地震津波災害の被災地ような場所に救援組織を派遣する場合、自衛隊に白羽の矢が立つことは、当然だということがお分かりいただけるでしょう。
 こういった装備や訓練は、平時においては全くの無駄であり、また無駄であることが要求される類のものです。警察や消防がある程度の「自活能力」を持つことを否定するつもりはありませんが、警察や消防においてはやはり本来任務である部分に力を注いでもらい、有事には自衛隊の後方支援を受けられるような法整備も進めておいた方が良いのではないでしょうかね。

 昨日の件画伯のエントリの「日本に来ないで欲しいです」の意味が判んなかったんですが、敗訴した鄭香均さんの記者会見での発言を受けてのものだったんですね。
 うーん……。
 極めて端的な質問なのですが、日本に住む公民として日本国民に奉仕する公僕にならんとする人がですね、なぜ日本国籍を取ろうと思わなかったのですか、と。
 日本って国は、実は国籍所持者に対しては相当寛容な国で、生まれがどうあれ、参院議員になっている人もいるくらいですんで、本当に日本で暮らし、日本に骨を埋める覚悟があるのであれば、国籍を取得した方がどう考えてもお得です。ちなみに、日本の法律では外国生まれで日本国籍を後で取得した人でも、法律上内閣総理大臣になることに問題はありません。米国では移民は国籍を持とうが何をしようが大統領にはなれません
 閑話休題。
 この原告について言えば、日本生まれの日本育ちの特別永住外国人なわけで、日本国籍を取ってしまえば全ての問題は滞りなく解決したはずです。もし彼女にその意志にがあるにも拘らず、国籍を取得することが認められなかったというのであれば、そちらの方を問題にした方が良いと思います。まさか国籍法第五条に引っ掛かる人だってことはないでしょうから……
 そういった「道理」を全部すっ飛ばして外国人に公務員の管理職を一律に解放しろというのは暴論です。大体、それを決めるのは国民であって外国人ではないぞ(炸裂)。もし鄭香均さんが本当に永住外国人の公務員での栄達を求めるなら、それこそ国籍を取得して選挙に打って出れば良い。
 問題があるとすれば、国籍法のありかたが現在のままで良いかどうか、そっちの方だろうなぁ。あと「日韓法的地位協定」ならびに「日韓法的地位協定に基づく協議の結果に関する覚書」の見直しとか。

 んで、もう一つ昨日の件長崎県のページから「児童生徒の「生と死」のイメージに関する意識調査について」を探し当てて読んでみたわけですよ。
 で、やっぱりこれってそれ程大きく問題にするほどのことでもないかな、と。特に理由の「その他」の細目を見ていると、調査方法に問題があったんじゃないかとも思える節があるしね。こういう調査方法なら、大人でやっても結構「驚くべき」数字が出るんじゃないかなぁ。


2005年1月28日(金曜日)
 ああ、頭がズキズキする。風邪か?

 昨日の件画伯から「野外洗濯セットを忘れてはダメだ。」とお叱りを頂きました。陸自のページに写真がなかったので省いたのですが……。この辺でも。
 他にも陸自には素敵な装備が一杯です。
 野外手術システム、各種土建機材、土嚢作成機(!)、汚い話ですけどトイレを積んだ野外支援車なんてのもあります。通信設備の方も素晴らしく、最近はデジタル交換機式の通信設備を移動設営して使っていたり。
 要するに、小さな移動国家のよーなもんですね。
 まあ、そんな装備がフル活躍するような事態にならないことこそが重要なんですが。

 んで、これまた昨日一昨日と採り上げた件。
 なんか在日の方がこの件について賛同の意を示しているblogがあるというので有名になったサイトを二つほどリンク。

 上の二つと、その他在日の方のblogをいくつか眺めて思ったことは「特別永住外国人」制度の持つ歪みでした。現行の「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」では、特別永住外国人の子女は特別永住外国人資格を持つことになっていますが、このことは見直されてもいいのではないでしょうか。
 正直、親も日本生まれ日本育ち、子供も日本生まれの日本育ち、民族学校へ通うでなく一般の公立校に通った在日韓国・朝鮮人なんて、どこ切っても日本人じゃないでしょうか。そういう人が「特別永住外国人」という特権を享受することにはいささか疑問があります。現行法ならびに旧法日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法で在日一世、一世半、二世が保護されることに異論はないのですが、三世以降となるとなんだかなぁと思わざるを得ません。出生時に日本国籍も与えて、20歳時点で国籍選択をさせる方が理に適っているように思います。
 日本人と日本国民は別物なんだってこと分かってないから、こういう変な裁判が起きるんじゃないかなぁ。私のイトコなんて嬉々として日本国籍取ってったもんだけど。日本国籍の方が便利だからっていう理由。まあ、「日本人と日本国民」の相違については、当の日本国民の中でも誤解している人が多いっぽんでねぇ。
 報道の姿勢については多くを語りたくないのですが、TBSニュース23では鄭香均さん支持のスタンスで放送を行ったそうですが、同じTBSでもTBSラジオ「バトルトーク」は凄いことになってたようで。13対2という最高裁の判断は、結構妥当だってことだよねぇ。
 去年辺りから日本でも本格的に始まったblog熱は、かつて「報道に採り上げられたもの勝ち」だった状況を徐々に覆しつつあるように思えます。2ch + blogが社会に齎したものの中で最も有益だったものは、自己判断する読者・視聴者を距離を越えて結び付けたことですかねぇ。

 昨日のことなんですが、厚生労働省エイズ動向委員会で、HIV感染者748件、AIDS発症者366件、ともに過去最多であったと報告されました。報告の中に、献血におけるHIV陽性件数もあるのですが、10万人当たり1.681件でこれまた過去最多です。
 この問題については本当にもうどうしてかと言いたくなるくらい、国・自治体の無策ぶりが目立ちます。
 HIV/AIDSが性感染症でありデリケートな問題だというのはあるにせよ、根本的な治療方法がない病気である以上、公衆衛生政策として感染拡大を防止すべく全力を注ぐべきでしょう。日本では企業、学校において定期的な健診制度が整っているのですから、強制的に検査をすることだって可能なはずです。もちろん、それが雇用や選考選拔に利用されないことを保障した上で行うことになるとは思いますが、そこまでしないと封じ込められない相手であることを、覚悟すべきです。
 幸い、医療の発達によって、HIVに感染してもAIDSの発症を食止める、あるいは進行を遅らせることができるようになってきています。できるだけ早い段階での発見と治療、そして感染防止が肝要です。
 感染の防止にはもう一つ、教育が欠かせません。HIVが、AIDSがどういうものであるか、どのように感染するか、どうすれば感染は防げるか。パニックを起こさず、そして既にAIDSが身の回りにある(=いつ自分が感染するかわからない)病気であることを自覚して生きていく知恵と術を身に付ける必要があります。これも下は学生から、上は社会人まで、満遍なく行う必要があります。
 こういった対策を先延ばしにすればするほど感染者は増え続け、反比例して有効な対策が打ちにくくなります。現在の検査密度から考えれば、潜在的な感染者数は恐らく万の単位です。今手を打たねば、本当に手遅れになる。そんな剣が峰に立っているということを、もっと多くの人に知って欲しいと思います。


2005年1月29日(土曜日)
 BTRON Club。右肩が痛いので、徹夜カラオケは拔きで帰ってくる。
 まぁだ本調子じゃないねぇ。

 イラクで暫定国民議会選挙まであと一日と迫ったわけですが、恐らく今回の選挙は、イラク憲政史上最低の投票率を記録するでしょうなぁ。
 なんせこれまで殆ど100%だったから
 サダム・フセイン政権下での信任投票なので、投票率100%で得票率100%でも何の不思議もないのですが(笑)、もし過去の選挙の投票率をただひたすらにグラフにして国名を伏せて学生に感想を述べさせたら楽しいだろうな。
 制度だけ民主的になっても、それを実行しうる環境が整ってなければ、画餅だよね。下は教育から始まって、選挙管理手続きの透明性とか、選挙違犯の摘発とか、選挙行動への実力による妨害行動の排除とか、選ばれた側の倫理と、選ばれなかった側が結果を受け入れることなど。
 世界の選挙を見ていると、公正に選挙を行うことがいかに難しいかよく分かります。いわゆる先進国ですら、ゲリマンダー問題とか出るしねぇ。
 選挙プロセスの監視は特に注意してないと、失われたら取り返すのが大変ですからね。


2005年1月30日(日曜日)
 イラクの選挙では41人がテロの犠牲になった由。酷い話だ……。
 そう言えば、自衛隊が派遣されているサマワですが、撤退するオランダ軍1,400人に対し、肩代わりする英軍が600人ってのは、なんというか、些か心許ないですな。
 治安状況が改善されていて600人いれば充分という話ならば良いのですが、なんか情報を集めている限りでは、英国からの増派ができないので、現有戦力で回せるのが600人っていうのが実情っぽいですな。兵力密度が下がることによる治安悪化が気になりますね。
 今更何言ってもしょうがないんですけど。

 漫画「MASTERキートン」原作者の勝鹿北星(もしくはラデック・鯨井/きむらはじめ)こと菅伸吉氏が昨年12月9日に亡くなっていたことを今頃知った。
 浦沢直樹作品はあまり好きじゃないのですが(あざといんで)、「MASTERキートン」は好きで今でも全巻揃ってます。


2005年1月31日(月曜日)
 郵政民営化が政治の大きな問題であるかどうかでなんか揉めているらしいのですが……。
 私の記憶違いでなければ、もともと郵政改革は財政投融資改革の一環として着手されたものだったはず。郵便貯金や簡保に集まった金を大蔵省/財務省が預かって運用、政府機関や特殊法人に「投資・融資」するというもので、年々減ってはいますが、今年もまた17兆円ばかりばら撒く予定。
 一応投融資であるので、将来は利息が付いて戻ってくることになっているのですが、本当に戻ってくるのかどうかは、怪しいもんですな。財務省は「不良債権はない」と言っていますが、そりゃあんた、政府保証債なんだから、最後は札刷ってインフレにすりゃいいってだけだろうが。
 一応2001年度からは、昔みたいに直接郵貯や簡保に手を付ける方法じゃなくなって、各機関や国が発行する債権を郵政公社が引き受ける、つまり投資という形になっているけど、実は購入は義務だったりして、基本は変わってない。これまでの債権購入が何兆円あるのか考えたくもないが、郵政を完全民営化し、この引き受け義務をなくすことによって財政投融資という名の「もう一つの予算」を解体しようというのが、私の記憶する郵政民営化の目的だったはず。
 でだ、今の報道を見ていると、郵政民営化が目的化しているように見えるんですが、大丈夫なんですかね。

 ご遺族が息子の死を政治的に利用しないで欲しいと言っていたので、リンクだけ。コメントはなし。
 「この国の国民で良かった