哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2005年11月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2005年11月1日(火曜日)
 昨日から第三次小泉内閣が発足しているわけですが、早くも就任初日から舌禍を巻き起こした人がいるそうで。どうしようもない法務大臣だな。
 コメントしようかと思って筆を取ったところ、何やら記憶に引っ掛かるところがあったので日記を検索してみたところ、過去に言及が。当時は田中真紀子外相を非難するためにあのような喩を書いたのだが、その喩が現実化してしまうとは、世の中ってのは油断がならない。
 個人的信条と職責を天秤にかけ、個人的信条を優先せよ、というのは無条件では推奨できない考え方です。
 特に大きな権限を有する職の場合は、個人的信条などというもので権力を行使(もしくは不行使)されては困ります。結果がどうあれ、それは職権の濫用であり、厳に戒められねばならないものです。
 結果論でのみ物事を評価する嫌いが最近とみに強いように感じられますが、それを許してしまえば、「結果的に良い成果が出たから権力の濫用は許される」などという馬鹿気た論法に発展しかねません。故に、杉浦法相の個人的信条と法務大臣としての行動が異なっていても、私はそれを咎める必要性を感じませんし、むしろ賞賛すべきであろうかと思います。

 日経バイト休刊ですか……。近年もの凄い勢いで記事の質が落ちてたからかなぁ。


2005年11月2日(水曜日)
 三雲岳斗の「旧宮殿にて」を読んでいて思ったこと。この作品は15世紀末のミラノを舞台に、レオナルド・ダ・ヴィンチが主役を張る推理小説なんですが、彼が左利きである、という記述があって疑問に思いました。
 レオナルド・ダ・ヴィンチが左利きであったという説は広く流布していますが、根拠となるものは「鏡文字でメモを取っていたから」というものが殆どです。素描などを解析して左利きだったと判じているものは余りないようです。
 しかし思うのですが、左手で鏡文字を書くのは、どちらかといえば右利きの人ではないでしょうか。レオナルドは右手で解剖をしながら左手でメモを取った、などと伝えられますが、それならば利き腕はやはり右で、左手でメモを取ったから鏡文字なのではないか、などと思いますが……。
 鏡文字が暗号であった、という考えにも余り同感できません。鏡文字の読み書きは多少の訓練で身に付きますし、過去には古ラテン語のように牛耕法で書かれた文字は書記方向によって文字が反転するのがデフォルトという事実もあったことを考えると、それらは人間として普通な範囲に入る能力であると思います。
 っつーわけで、右手で何かしながら左手で書いたんじゃない? んで、特に拘らなかったから鏡文字になったんじゃ……とか思ったりした今日この頃でした。
 あー、明日あたりダ・ヴィンチ展でも行ってみようかなー。
2005年11月4日(金曜日)
 生活時間帯調整のために徹夜&長時間睡眠したら、昨日の日記を書き忘れた。お蔭で生活時間帯は通常日中サイクルに一撃で戻せたけど(笑)。

 小惑星探査機はやぶさ小惑星イトカワへの着陸リハーサルは、GO/NOGO判定により中止・延期となりました。うーん、残念。
 記者会見の質疑応答によれば、リアクションホイールの故障が響いているようです……。

 ところで子機のミネルヴァってITRON Insideなんですよね。

 90ヶ月で30MByte!? うちは80ヶ月で4.5MByteですよ
 いやー。文字媒体って情報伝達の效率いいよね〜。

 以前、新聞記事は訓練で書ける、と書いたことがあったんですが、それを地で行く話が。
 自分自身の経験に照らし合せてみても……このような記事が途中で露見する可能性は低いでしょうね。言い方は悪いんですけど、もし問題となっている体育祭が本当に挙行されていたら、この記事捏造が露見した可能性はほぼゼロです。今回の記事が“氷山の一角”である可能性は否定できません。
 チェックしようがないもの、そんなの。
 ここまでいかないにしても、警察発表を鵜呑みにして記事を書くなんてことは日常的な話で、じゃあ警察発表が間違ってたらどうすんだよとか思いますが、まあ、その辺は警察の責任にするんでしょうなー、きっと。
 記事は足で書く、なんて言葉は過去のものになってるんですね。

 アジアシリーズの日本戦以外の対戦も全部見たいと思っていたのですが、地上波では日本戦しか放送しないらしくしょんぼりしていたら、J Sports全試合中継するらしい。やたっ! CATVにチャンネルがあるぞう〜。嬉しい〜〜。

 「女人禁制の大峰山で女性ら3人が登山強行ってアンタ……。
 阿呆だ。余りにも阿呆だ。信じ難いほどの阿呆だ。
 本当に修験道に入っている女性修験者がどうしても上りたいと切々と訴えるならともかく、このグループとやらがやっていることって、ただの異端狩り宗教戦争じゃん。

 え〜、euc-jpなん?(謎)


2005年11月5日(土曜日)
 惑星大怪獣ネガドンを観てきた。
 なんというか、イイ映画だった。

 ここんとこニュース見てなかったので不覚にも知らなかったのですが、フランスでもう8日間も暴動が続いているとか。
 ネット上の情報を軽く一覧した限りでは、先月28日夜、アフリカ系移民の少年三人が警察に追われて発電施設に逃げ込み二人が感電死。これに対しイスラム系移民らが救急隊に投石などの行為に及び、その後警官隊との睨み合いの中で放火などが行われ、一週間続く一大暴動に発展したと言うことらしい。しかも現在暴動は地方都市にも広がりつつあるとか。
 
にちらっと書いたことがあるんですが、フランスでは近年、イスラム系に対する“政教分離”主張による圧力が増していて、国内問題に発展していました。「電車内でイスラム系に襲われた」なんて狂言を主張した女性が出たなんてのもあったっけ。ちなみにフランスは基本的にカトリック教国。
 背景にあるのは、旧殖民地系を中心としたイスラム勢力の国内での拡大とこれに伴う摩擦なのですが、残念ながらフランス流の自由・博愛・平等はこれに対して無力のようです。流石バスチーユを襲った連中が作っただけはある、などと感心してみようかな、とりあえず。


2005年11月6日(日曜日)
 疲労困憊バタンキュー。
2005年11月7日(月曜日)
 フランスについて渡航情報が出た……。

 土曜日に撮っておいたNHKスペシャルサイボーグ技術が人類を変える」を観た。
 僕は技術の功罪を問わない人間なので、立花隆の憂慮は理解不能でした。技術をどう使うかってのはあくまで人間の問題ですからね。それを軍事に使うか、介護に使うかなんて包丁の使い方みたいな話でしかない。脳‐機械インタフェースによって脳が変化しようが適応しようが、人間が人間以外になるわけじゃないと思うんだけどな。
 個人的に一番印象に残ったのは、筑波大学機能工学系山海研究室で開発されていたHALが今年実用化の予定とされていたところですね。全身型のHAL-5の動きはぎこちないものの、強化外骨格としての条件をすべて揃えています。どんな現場で使われるのかまだ未知数ですが、できるだけ多くの場所で試用してみて欲しいものです。
 しかし、開発会社名が「サイバーダイン株式会社」ですか……遊んでますなぁ……。各関節も青色に光るし。いや、必須機能なんだろうという気はするんだが……>発光
 人工眼については、過去に言及したことがありましたが、日本でも研究が進んでいます。
 しかしこうやって技術が進んで行き着く先は、やはりジェイムスン教授なんだろうか。個人的にはサイモン・ライト教授のような姿だったら悪くないと思ってるんだけどな。

 脳を中心とした人間人格の同一性を重視するのって、近代文明の性質の一つだよな。記憶と人格の連続性を持って同一個人を同定する。
 でも実際のところ人間なんていい加減にできてて、記憶は忘却するし、性格は経験で変わるし、細胞なんて毎日入れ代わる。感情を制御する薬なんていくらでもあるし、性格を改造する手法についてもいくつも実用化されている。
 立花隆が番組中で提示していた疑問ってのは、個人的には「今更」って感じだし、それ以前に人間歳を取れば自然にボケて、終いにゃ自分の顏も分からなくなる。それが社会的に問題になるのは、前述してように近代社会制度は個人の同一性を前提としてるからだろうな。でも実際の人間は変化する存在である。その辺の理念・制度と実態の捻じれが現出してるんじゃないか、と思ったりもする。


2005年11月8日(火曜日)
 フランスは非常事態宣言ですか。

 日曜日に撮っておいたNHKスペシャル性犯罪 再犯をどう防ぐか」を観た。なんというか、安全と安心を渾然とさせた、不安を煽るわりには実のない番組だった。
 日本の刑務所が更正施設としての機能を果たしていない、というのは事実だと思うのだけれど、それは別に性犯罪に限った話じゃない。またその発生率についても、番組中では強姦と強制猥褻を合せた数字を挙げていたけど、強制猥褻の認知件数の増加には犯罪の純増とは別の要因があるのではないかと私は疑っている
 これが話が「安心」の方へシフトするとますますおかしくなっていって、以前書いた話の繰り返しになりますね。
 安全な社会は望まれるものだし、対策は必要なことなのですが、心理的安心を求めるのは些か行き過ぎかと。


2005年11月9日(水曜日)
 スポール!>笑撃の事実

 PCM録音できるICレコーダー……?
 あー、つまりー、これは「ソリッドデンスケ」ってことかな?

 シコースキーを切って野口獲得って……なんか違わんか?>ジャイアンツ
 来年も駄目なのか……。

 フランスの非常事態って首相が宣言するんやね。
 フランスの政治制度って民主政治の一つの典型の筈なんだけど、日本からは今一つ分かり難いね。大統領と首相がいて、大統領は直接選挙によって選ばれ、首相はその大統領によって任命され、議会に対して責任を負う。大雑把には大統領は軍事・外交、首相は内政を担当することが多いらしいが、この辺は議会勢力の影響が大きいとかなんとか。大統領制の国では、大統領の政党を与党とすると、議会が与党優勢とは限らないため、このような仕儀になる、と。
 最近になってようやく分かってきたんだけど、各国の政治システムってのは、明文化された構造や制度よりも、むしろ積み上げられた伝統や慣習といったものが及ぼす影響が強く働いているみたいなので、他所様の国の政治システムが分かり難いのは文化的背景を持っているからなのだ。
 これは恐らく日本についても同じことが言えて、思い当たる節もあるんだよな。


2005年11月10日(木曜日)
 アジアシリーズ第1戦、中国代表チャイナスターズ対台湾興農ブルズ。個人的に大期待の一戦で、期待を裏切らぬ拙攻拙守拙走の数々!
 2回表、ノーアウト1塁から興農ブルズ5番(1B)許國隆(シュ・クォロン)が三振パスボールからなんと一塁へ振り逃げ敢行。
 ルール知らんのかお前は!
 この後も、ノーアウトランナー二塁三塁で深めの守備位置で守ってたり(案の定ゴロで点が入った)、ピッチャーゴロでファーストベースカバーが誰もいなかったり(ピッチャーがそのまま一塁を踏んだ)、三塁手がほぼ正面の打球を弾いてヒットにしたりと、実にお前等本当にプロかと言いたくなるようなプレーが続々。一体この試合どうなっちまうんだろうと興味津々でしたが、台湾側が打者二順目から中国先発の陳坤(チェン・クン)を捉えて5回一挙4点を挙げて勝負あり。
 攻撃は両チームとも大雑把でしたが、僅かに台湾の方が考えたバッティングでした。中国側は殆ど何も考えずにバット振ってるだけ。アウトカウントもランナーも関係なく、とにかくぶん回してるだけ。それに比べれば台湾は一応バントも見せましたし、二順目以降は狙い球を絞るくらいの工夫はありましたが……チームバッティング、トータルバッティングという点ではもの凄く見劣りしましたね。
 守備は……下手したら日本の大学野球の方が良かったかも。社会人より明らかに下手。内野守備もそうだし、外野からの返球も下手。進塁を防ぐとか以前の問題。両チームとも人工芝に不慣れという点を鑑みても、情けないくらい。
 まだまだ発展途上。伸びしろが大きいと思いました。
 こういう国際試合を経験して、それを国内にフィードバックして、より強いチームの育成に努めて欲しいと思いました。

 んで第2試合、韓国代表サムスンライオンズ対ロッテマリーンズ。
 1回裏、ワンナウトも取られない裡に僅か2安打でさっさと得点するマリーンズ。先制、中押し、駄目押しと見事なまでのワンサイドゲーム。サムスンも頑張って6回に2点取ったんですが、これは実力というより運絡みって感じでしたね(ワイルドピッチが絡んでた)。
 10安打放って2点しか取れない、ってのが野球の差を感じさせました。マリーンズは8安打で6点。ランナーが出た後の攻守の差ってのが、やはりそれなりにあるかと。あと小林宏の球を捉えるのに3順かかってましたが、それじゃ攻略するには遅すぎるわな。
 個人的印象で言えば、サムスンライオンズは楽天イーグルスよりは強そうでした。でも、マリーンズと10戦して3勝できれば御の字でしょうね。なにかハメ技のような、マリーンズを罠にかけるような戦い方をしないと、正面からぶつかったら毎回負けるだろうなぁ……。

 全体として、思ったよりレベルの差は大きかったですね。特にサムソンライオンズ。
 日本の場合だと、オール・プロのナショナルチームを作っても、プロ1チームより明確に強くなるとは限りません。ナショナルチームとプロの1チーム(除く楽天)が試合をしても、それほど強さに差はないと思います。これはトップリーグの平均レベルが高いため、傑出した選手といえども、平均からの突出度(偏差値、と言い換えても良いが)はそれほど大きくならないためです。
 これに対して、トップリーグの平均レベルが低い場合、傑出した選手の突出度は高くなり、それらを集めたナショナルチームのレベルは、通常のチームを上回ることになります。
 つまり、その国の野球の全体レベルの高さを判断するのには、個々のチームとナショナルチームの力量差を見るのが良い、ということになります。両者の差が小さい国であるほど、野球全体のレベルは高い、と考えられます。
 今回もナショナルチームである中国はともかく、台湾と韓国についてはナショナルチームを何度か見ているので、今回各国のプロ野球リーグでのチャンピオンチームの力を見て、全体レベルの底上げの必要性を強く感じました。特に台湾。

 帰省のため、明日明後日と休載予定。


2005年11月13日(日曜日)
 実家から戻ってきました。
 なかなかの苦行でした。
 実は私、猫アレルギー持ちなんですよ。で、実家は猫を飼っているわけです。そんな私が実家の敷居を跨ぐとどうなるかというと、鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、と花粉症もかくやという症状に悩まされるわけでございますですよ。
 まいったまいった。

 小惑星探査機はやぶさの小惑星イトカワへの着陸リハーサルにおいて放出された探査機ミネルバは、残念ながらイトカワを外れてしまったようです。残念です。
 リアクションホイールの喪失が效いてるみたいですねぇ……。

 画伯が「ところで僕の周りでこの問題を気にしている人ていないような気がする・・。」と書いてたので、こっちにも書くことにします。
 というのも、この件についてはずっとrecommuni内の日記でずっと追いかけていたんです。最近、著作権関連の内容はrecommuniの日記にupするようにしています。今後もそのつもりなのですが、今回は情況が非常に悪いので、敢えてこちらにも稿を起こしたいと思います。

 事の発端は10月31日。Mark's Sysinternals BlogSony, Rootkits and Digital Rights Management Gone Too Farというエントリがアップされたところから始まります。(翻訳記事「ソニーが音楽CDに組み込んだ“Rootkit”とは何者か?」)
 Sony BMG社がリリースしたVan ZantGet Right with the Man」に使われていたFirst 4 Internet社が開発したXCP(Extended Copy Protection)というDRM(Digital Right Management)が、Rootkit紛いのことをしていた、という話。この新技術に関しては6月に触れたことがあったのだけれど、会社側の言い分によるとレッドブックの仕様を満たしている、ということでしたが、確かにレッドブックは満たしてるのかもしれんが、代わりにRootkit紛いの常駐プログラムをユーザのPCに忍び込ませるものだった、と。余計悪いわ
 このソフトウェアは最初の報告にもあるように、プログラム自身の存在を隠蔽する、特定の文字列から始まるファイルやフォルダ、レジストリキーの存在を隠蔽する、何らかの通信をSony BMGのサイトと行っている、といった機能の他に、「そのコンピュータでは、コピープロテクトされていないCDを「リッピング」する場合、きれいな音質でMP3化できなくなってしまう」という機能が付いているそうな。
 当初からこのソフトはマルウェア呼ばわりされて、これの機能を悪用するマルウェアの登場が懸念されていましたが、これに対しSony BMG側は「ほとんどの人はrootkitとは何かを知らないのだから、気に掛けたりしないのではないか」と素敵発言をぶちかますなどして、火に油を注ぐのに余念がない様子でした。一応Sony BMG側は問題が判明した後、パッチと称するものの配布を開始しましたが、実はこれは問題のソフトを削除するものではなく、隠蔽状態を解除するものでしかありませんで、相変わらずソフトの削除方法は一般には提供されませんでした。それどころか提供方法そのものが危険視される始末。
 そうこうしている裡にセキュリティベンダ各社はこれを不正ソフトとして検出する方向へ流れ始め、EFF集団訴訟を検討し始めると同時に、同様の機能を使っているCDをリストアップ、状況は転げ落ちるように悪化していきます。そして懸念されていたものが案の定登場
 さらにさらに、件のソフトにLGPLであるLAMEのコードが混入している可能性が指摘されて、LGPL違犯ではないかとGNU系の人がいきり立つ、と。
 米加州では11月1日付けで集団訴訟が起こされているようですが、今後いくつ訴訟が起きるか分かったもんじゃないという状況ですね。Sony BMGは11日付けで問題となっているソフトを含むCDの製造停止を発表したようですが、遅きに失した感は否めません。この芸術的なまでの大失策がSonyグループ全体に何処まで波及するのかは分かりませんが、好印象を持たれることだけはないでしょうね。
 ただでさえ右肩下がりを続けているCD市場において、顧客離れを促進するような方策というのは下策を通り越して自殺行為ではないかと思うのですが、もしかしたら私如きには理解できない深謀遠慮があるのかもしれません。正直言いますと、First 4 Internet社のセールストークにコロっといっちゃったSony BMGが、自前でXCP技術を検証したのかしなかったのかできなかったのか、その危険性を認識せぬまま市場に放出、発覚後も何を指摘されているのかもよく分からないままに適当に発言して事態を悪化させたんじゃないか、と思ったりします。Sony BMGの行動を見ている限り、XCPが何をしているのか、きちんと把握しているようには見えません。だからといって免責されるわけじゃないんですがね。
 どういう思考回路をしていればこんな「PCでCDを聴く奴は全員泥棒だ」的な発想に辿り着けるのか些か興味はありますが、個人的にはこのような愚行が適切に報復されることを期待しておきます。


2005年11月14日(月曜日)
 半期に一度のリスト更新、ってことでTOP500更新されました。前回4位まで後退した我が国の地球シミュレータですが、さらにランクダウンして現在7位。
 技術の進歩は世の常とはいえ、些か物悲しいものがありますな。
 上位3位をIBMが独占、上位6位までが米国産と、米国がぶっちぎり。一時期10位まで食込んでいた中国は25位までランクダウン。
 しかし、top 500の75%以上がIBMとHP製ってのは、とんでもない話だな……。
 ところで日本では、奪われた一位を奪還すべく、京速計算機システムなる暴挙を計画中です。個人的には実に素敵なので、戦艦大和並みの大艦巨砲主義として期待しています。しかし、一点豪華主義に陥らないようにして欲しいってのもあるんだよなー。

 へえ、こんなblogがあるのか!>「ベルナール・ド・モンフェラン 駐日フランス大使の日記
 「パリ郊外で起きたこと」なんかが興味深い。
 大使は今回の暴動を宗教やイデオロギーによるものではないと考えているようです。個人的には他にもフランス在住の方のblogなどを読んでいるのですが、イスラム系住人がスラムを構成してしまっていて、貧富の格差に宗教・イデオロギーが結び付いていると考える方が、より実態に近いように思います。
 フランスのジニ係数は近年上昇傾向にあり、先進国では米英に次ぎます。日本は先進国ではジニ係数が低い方ですが、それでも漸増傾向にあります。貧富の格差が一定に達し、その境界線が宗教やイデオロギーと結び付いた時に、暴動は発生するのではないか、と素朴に思いました。

 なんか韓国と中国の間で揉めてたと思ったら、国内に飛び火してきましたな>「国内で市販の韓国産キムチから回虫の卵…厚労省発表
 正直言うと、韓国からの輸入キムチの方が美味しいんですよ。でも衛生面で疑問があるとなると、ね……
 食べなきゃいいんだけど。


2005年11月15日(火曜日)
 長年愛用していたメーラ「Datula」の開発販売元であるonsystemsが営業終了を宣言したので、メーラーの乗り換えを決行することに。
 好きだったんだけどなぁ……。
 でももう何年もバージョンアップが止まっていて、newsも閑散としていたから、来るべきものが来たって感じ。
 で、乗り換えの候補は二つ。Becky!Thunderbird。最初はThunderbirdにしようと思っていたのだけれど、ふと「そう言えば何年か前にBecky!のライセンスを買ってそのままにしてたかもしれない」と思い出し、探してみたらやっぱりありましたレジストリキーが。折角だからこれを活かすことにして、フィルタとしてはBkASPilを導入することにした。
 いくつか問題があって、常用しているアカウントのうちいくつかについてパスワードを忘却してしまっていた。とりあえず思い付く限りのパスワード文字列を叩き込んだりして対処し、思い出せないものの中で管理者権限を持っているものについてはパスワードを設定し直したり、どうにもならないものは管理者にお願いしたりした。大体、メールアカウントが多すぎんねん。.forwardしてるものまで含めると二桁ってのがおかしいんや。俺の記憶力が足りんのと違うで。
 その後はメールログを移して、振り分けの設定を暫定的に施したり、メールのシグネチャを移植したりと細かい作業が続く。主要なシグネチャだけで5種類以上あった。どうなってるんだ?>自分
 というわけで、暫くの間はメールが滞ったりするかもしれません。

 NIFTYが提供する「常時安全セキュリティ24」がSasserを垂れ流したとか。
 あかんわ……。
 弟がこれ契約してる……。
 私がしつこいほどWindowsのUpdateをさせていたので、今回は該当者にはならなかったが……。
 セキュリティに絶対はないとはいえ、こういうのは困るよね。天を仰いで慨嘆したくなる。


2005年11月16日(水曜日)
 満月が綺麗でしたなー。

 共同電で「将棋ソフトの世界一決定へ 北陸先端科学大学院で対局という記事があったのですが、今一つ趣にかける嫌いがあるな、と。
 コンピュータが指した手を人間が盤に駒を指すってのは、人間がコンピュータに遣われているようでよろしくない。見た目を考えないのであれば、将棋ソフトの共通インタフェースプロトコルを開発して、ネットワーク越しにやるというのが美しいのだが、これだとビジュアル的によろしくない。なにせ2台のコンピュータがクロスケーブルで繋がってLINKランプをちかちかさせているだけでは、一部の特殊な趣味の人以外は楽しくないだろう。
 となればやはり、日本のお家芸、人型ロボットを使うのはどうだろう。対局室の座布団の上に人型ロボットを2機向かい合わせに正座させ、将棋ソフトからの指し手に基づいて実際の盤上の駒を動かさせる。これなら機械同士の対戦、という趣も充分に表現できる。
 しかも長考に入ろうが時間が真夜中になろうがお構いなしだ。何しろ連中は疲れも知らなければトイレにも行かないし足が痺れることもない。
 技術的にはまったく意味はないが

 「日本の次期戦闘機採用アピール ロッキードの「F/A−22」だそうな。
 現時点ではF/A-22が恐らく最有力候補でしょうね。少なくとも自衛隊はこれを欲しいと思っているでしょう。
 問題は、米議会がこれの輸出を認めるか、日本としてはライセンス生産が認められるか、ってところですか。日本は稼働率をギリギリまで上げる運用をしますので、補修部品が内製でき、かつ分解整備まで国内でできる体制を必要としていて、そのために高い金払ってライセンス生産を続けてきています。F/A-22の稼働率はF-15より良いとは聞きますけど、できればライセンス生産をしたいところです。
 米国以外であの戦鬪機を導入できる国があるとしたら日本だけでしょうが、果たして果たして……。

 そう言えば子ブッシュ大頭領が来日して京都なんぞ見て回っていたそうで、小泉首相と一緒に鹿苑寺金閣なんぞ見て回っている映像がテレビで流れていました。
 金閣ねぇ……。どっちかというと慈照寺銀閣の方が今に繋がる書院造りの原型をなしており、茶道・禅宗からなる詫び寂びの佇まいが現代日本の価値観に通じているように思うが……。金閣の方が分かりやすいけど、無常感がないのがいただけない
 京都奈良の寺社仏閣巡りってのは日本ツアーの定番なんだろうけど、同じ寺社仏閣を見るにしても、出羽三山のような仏教というより修験道の世界とか、出雲大社のような古き神道の方が、日本の原型としてより味わい深いなどと思ってしまうのは、歳を取ったからだろうか。

 修験道といえば私の郷里である富山も立山修験で有名な土地柄ですが、かつては女人禁制であった立山も今は女性でも登山できるようになっていますし、室堂平までバスで行けますから、比較的楽に登頂できる3,000m級の山ということになります。
 ちなみに富山では小学生の頃に遠足などで立山三山の一つ、雄山(3,003m)に登るのですが、他県の出身者に言ってもなぜか信じてくれません。雄山は楽なんですけどね……。
 逆に難峰として高名な剱岳(2,999m)ですが、こちらは流石に地元民でもよう登りません。毎年遭難者が出る山として有名ですからね。お蔭様で富山県警山岳警備隊は知名度全国区ですよ。
 明治40年に陸軍測量部の柴崎芳太郎が日本山岳会との熾烈な登頂競争の果てに、決死の覚悟で剱岳を制覇した時、そこには錆びた錫杖と剣が残されていた、というのは地元では有名な話です。剱岳の初登頂者は名もなき修験者だったようです。
 世界が神秘で満ちていた頃のお話。


2005年11月17日(木曜日)
 TRONSHOW 2006の事前登録は明日1000時からです。
 とりあえず初日は基調講演を拝聴して、二日目は多文字に行って、三日目は適当かなぁ……。

 今日は上巻が出てから6年目にしてとうとう刊行された某書の下巻を読みふけってるので、日記はこれだけとする。


2005年11月18日(金曜日)
 位階が赤丸急上昇中の若人の星がなんか変なことを言っている

 昨日書こうと思っていたことなんだけど、日米首脳会談をやっていた頃、韓国は中国と首脳会談をやってて、何やら「正しい歴史認識で未来志向に進むよう、ともに努力する」とか発言があったらしい。
 凄いなぁ。
 私の知る限り、中国韓国両国の歴史教科書は架空戦記も真っ青な記述に彩られていて、実際中韓両国間でも高句麗王朝の記述問題とかが問題になっていたと記憶するわけだが、これを“正しい歴史認識”とやらで努力するのは大層骨の折れることだろうと思いますな。
 個人的に行き着く先を想像してみるに、現在ソウル市内に建っている独立門を破壊して迎恩門を復元し、大統領就任時には毎回中国からの使者を迎え、就任式で中国の承認を得たりするようになるのではなかろうか。今なら別に韓国が中国の属国に戻ろうとも、日本が自らの権益を守るために出兵する、なんてことはできませんからねぇ。韓国のここ何年かの外交的動向は傍目には中国属国回帰を志向しているように見えるわけで、今回の首脳会談はその流れの一環ではないかと思ったり思わなかったり。
 多分盧武鉉大統領が言うところの「東アジアのバランサー」とかいう構想に関係するんだと思いますが、できもしないことを真顏で発言するのは韓国元首歴代の芸なんですかね。

 ほんでAPEC首脳会議の裏番組(?)で日韓首脳会談があったわけですが、特に実も無かった様子。靖国参拝なんてものが何故主要議題になるのか、理解できない。とりあえず突っぱねておいて日本に何のデメリットもないし、提案しても韓国に何のメリットもないのに。外交ってのは感情をどうこうするもんじゃないだろうに。
 韓国側が主張したという、靖国参拝、歴史教科書、竹島のいずれも韓国にとっては強く主張するメリットが存在するとは思いがたいんですがねぇ……。靖国は個人の信教の問題だし、教科書は日本の内政の問題、竹島は韓国が実効支配してる、と、どれを取っても解決の仕様がない。韓国は譲歩しないと言っているけど、別に日本としても譲歩しなくても何等のデメリットもない。交渉ってのは損得が絡まないと何の意味もないのであって、韓国の主張が日本に利益を与えるものでない以上、日本が譲歩する理由もまた存在しないわけで。逆に韓国が譲歩しなければいけない事情なら山ほど思い付きますが……。
 一体韓国の政府が何を考えているのか、かなり理解しがたいところです。

 結局、力学関係的に中国・韓国が日本の内国問題に干渉しうるか否かって話になると、そりゃ無理だべってことなので、中国・韓国の仰ることは柳に風と受け流しとけばOKってことになるんじゃない? いい加減無駄なことはやめりゃいいのに。

 画伯推薦の「すなおになれば」を読んでくる。爽やか系のほんのり恋バナでいい感じでした。なんか掲載誌間違ってる気もするけど……(^^;
 しかし画伯がこんな爽やか系を推すとはちょっと意外な気が。うちの同人誌の読者だったりするので、きっとこう……あれ? 俺の作品は爽やか系じゃないか。
 ならいいのか。
 ウン。


2005年11月19日(土曜日)
 Yashiromann(準出家信者)>さとみ(出家予定)>[越えられない壁]>小熊(平在家信者A)
という序列であると思われ。>ステージ
 他にもnyちゃんとかステージ高そうなのが一杯いるけどな。

 FTRON忘年会の参加者募集中

 7月に奈良で成立した「子どもを犯罪の被害から守る条例」による、初の逮捕者が送検されたそうな。
 以前も書いたんですが……これは行きすぎじゃないかなぁ。禁止薬物とか毒劇物、爆発物等の危険物の所持というならわかるんですが、既に別法がある所に更に強力な枷を嵌めて、これで治安向上に資するんでしょうか。個人的にはこのような予防法的なものには疑問を感じます。奈良県警は「上記の行為を禁止することとしたのは、子どもを狙った「略取及び誘拐」、「強制わいせつ」、「強姦」、「逮捕及び監禁」などの重要凶悪犯罪の多くが、これらの行為をきっかけとして行われていることからです。」と説明していますが、裏付ける統計資料がないので判断できません。
 予防法は、それを予防的に取り締まらなければ被害が次々と拡大し、社会的に大きな影響を与える重大な案件に於いて限定的に用いられるべきだと、私は思うんですが……。つまり「今回の逮捕者は放置しておけば必ず児童を対象とした犯罪を犯す。あるいはその可能性が極めて高い」と誰しも納得しうる裏付けが欲しい、と私は言っているわけですが、今のところそのような裏付けはないようなんですよね。

 そういえばこの種の予防措置の話題として、電車の女性専用車輛があるわけですが、首都圏主要鉄道路線での運行から既に半年、何らかの効果が上がったのであれば、統計数値に表れても良さそうなものなんですが、まだ何も出てきません。まあ、来年になれば警視庁の痴漢のページになんか出てくるとは思いますが……。
 きちんと数字が出てくれば、無駄な議論をせずに済むのに。

 十一月十八日は土木の日、というわけでこの週末は色々イベントがあったようですが、世間様では耐震設計書類の偽造による欠陥建造物が話題になってますね。
 そもそも何処で発覚したのか、どうも腑に落ちない点があって記事を色々追ってるんですが、大元の建築士による書類偽造はともかく、その後のチェック体制が殆ど機能しておらず、ようやく内部監査で発覚した、ということのようですね……。うーむ……。
 氷山の一角でなければいいんですが、なんとなくこんなザル体制だと、他にも例がありそうで怖いですな。
 築30ン年の建物に住んでる人間の言うセリフじゃないかもしれんけど。

 宇宙ネタでは、明日未明のはやぶさの着陸が大ネタですが、小ネタとして「エコマーク:H2Aロケット8号機に表示なんてのも。
 masamicさんが「エコマーク対象商品自体ではなく包装のほうにエコマークがついているのと実質同じというわけだ。」と書いていてなるほど上手いことを言う、と膝を打った。
 実際のところH-IIAロケットそのものはゴミにしかならないのでエコマークが付くようなものじゃないんだけどね(笑)。液酸‐液水のメインエンジンはともかく、SRBはブタジエン系合成ゴムに過塩素酸アンモニウムとか使ってる筈だから、燃焼ガスは塩化水素。有害もいいとこだ(笑)。
 ただ一点気になるのは、件の記事書いてる記者さんが衛星とロケットの区別が付いてないような書き方してるところなんだよな。


2005年11月20日(日曜日)
 あと少し、あと少しだったのになー!>はやぶさ
 とりあえず残りの推薬との勘案になりますが、なんとか、次の機会には……!(祈念)
 しかし……松浦さんのblog野尻ボードなどの方がオフィシャルより早いってのはどうよ?!

 そういえば日韓首脳会談で盧武鉉大統領が「靖国参拝は韓国への挑戦」と語ったとか語らなかったとか話題になってるんですが、通訳官による速記録くらい取ってんじゃないの? 言った言わないのトラブルを避けるためにも、速記録を出しちゃえばいいのに。

 APEC絡みで首脳外交が続いていますが、今日はロシアのプーチン大統領が来日したとか。
 北方領土問題が懸案事項なんですが、こちらも解決の糸口が全く摑めないままですね。数年前の経済が崩壊状態だった頃ならともかく、曲がりなりにも持ち直してきてしまっている関係で、経済協力の見返りが薄くなってますな。それに東シベリアパイプラインでは中国と綱引きで負けちゃったし。
 正直言うと、日本側には手札がないですな。
 四島返還を歯舞・色丹で諦めるんじゃなければ、とりあえず遅滞戦術で交渉を引き伸ばして平和条約締結を先延ばしにして中国経済が潰れるまで待つしかないんじゃないかなー。


2005年11月21日(月曜日)
 「中国の新幹線、日独が半数ずつ受注…日本6社近く契約とかいう記事が。
 あーあ、半分も獲っちゃったかー。
 適当に負けちゃえば良いのにとか思ってたんだけど……。
 新幹線だと、車輛売ってオシマイってわけにいかんので、信号やら運行制御やらレール一本に至るまで輸出することになると思うんだけど、タダで輸出ってことにはならないだろうねぇ。多分技術移転という形になるんじゃないかと。
 中国の手に負えるのかね……。
 台湾ですらえらい目に遭ってるみたいなんだけど、これが中国本土となるとどうなるか見当も付かないんですな。
 人死にがでなきゃ良いけど。
 新幹線システムの主要な売り先は北米だと思うんだけどなぁ。

 日露首脳会談も、予想通り、成果の薄いものになったようです。もっとも、こちらは時間かけりゃなんとかなりそうなので、とりあえず現状維持で踏ん張るのが吉か。
 プーチン大統領の「ロシアはこの問題を本当に解決したいが、背景には第2次世界大戦の結果があって、一つの見直しを行えば、ほかにも波及して見直しの連鎖になる」って発言が一つ鍵かな。ソビエト崩壊以来、前大戦のツケを払いまくっている国は違うねぇ。

 財政制度等審議会が聖域なき歳出削減を建議したとか報道されてて、おいおい、これ以上一体どこを削ろうっていうんだ……と不安になる。
 日本政府がこれまで借金を重ねて、歳出の半分を借金返済に当てなきゃいけなくなったのはもちろん過去の政府の失敗なわけだけど、それはそれとして、現状日本に必要とされる行政サービスを遂行するための予算まで削り落としたら、不利益を被るのはむしろ国民一般ではなかろうか。
 正直言うと、本当に聖域なき歳出削減ということになると、厚生労働省絡みの支出ということになっちゃって、それこそ生活に直結しちゃうような話になりかねないと危惧するんだけど。
 そろそろ「小さな政府」も見直し時期じゃないかと思う。


2005年11月22日(火曜日)
 自民党の改憲案が発表されたという報があったにも拘らず、自民党のWeb siteでの公開はない様子。これではコメントできない。後日注記ここにあった。
 一方で、自民党内から防衛庁を省へ格上げする法案の提出を求める提案が方針決定されたそうで、こちらは次期通常国会に回されるらしい。まあ、これは順当な提案かな。現在防衛庁がこなしている仕事は、通常「庁」が行うべき範囲を超えていますからね。より大きな権限を与えるのが業務遂行に吉でしょう。

 いくつかのページについては、なんか異様に微に入り細を穿つ記述があるからだと思われ。>某Wiki
 しかしエントリ数増えたなぁ。ま、殆どはきさらちゃんが作ってるようなもんだけど。

 そっか……城島もメジャー行きかぁ……。また国内が寂しくなるな……。


2005年11月23日(水曜日)
 STAR WARS Episode IIIのDVDを買ってきて、ひたすら殺陣を楽しんだ一日。
 うーん。新シリーズ三部作で、最も充実していたなぁ。
 でもやはり、新シリーズのベスト・チャンバラはEpisode IでのDarth Maul戦ではないかと思われ。

 はやぶさ実は着地していた、そうな。
 いやしかし、なんともはや、初めてのことだらけで、その時何が起きていたか、後々にならないと分からないし、なぜ上手く行かなかったかも、偶然の作用があちこちに働いていて、これは確かに経験と勘と思い切りが必要だわ……と呆れるやら感心するやら。
 恐らく次が、ラストチャンス。
 サンプル・リターンへの最後の試みを是非とも成功させてほしいと思います。

 なんか凄い騒ぎになってきていますね>強度計算書偽造事件
 現住している人にとっては生き死にに関ることだってのもあるんですが、あちこちで自分のところは大丈夫かと、再計算や検査を求める人が続々と出ているそうで……。
 確かに不安にはなるよな。建築士から始まって、検査機関や現場の人間の目までかい潜ったということになれば、他でも行われているんじゃないかと考えられても致し方ないところです。
 ところで東京都なんかが問題の建築士に下請けに出した元請け設計事務所を立ち入り検査したということなんですが、実際の工事に携わった工務店なんかは調査の対象じゃないんですかね? いや、鉄筋が少ないとか柱が細いとか、他にも例があれば、現場の人間が一番知ってんじゃないかと思ったんだけど。


2005年11月24日(木曜日)
 自民党憲法草案を読んでみる。
 仮名遣いが現代仮名遣いに、あと語調も現代文に直されてるな……。
 個人的に、法改正によって生まれる「第○○条の二」とかいう条番号は嫌いです。ナンバリングくらい打ち直してくれと(参照関係があるので、簡単には出来ないとわかっているけどね)。それだったらいっそ米国憲法みたいに、鏤々「修正○条」とか後に付け加えた方が良いんじゃなかろうか。
 「九条の二」がちょっとアレですな。ここは今後も議論がありそうなのですが、個人的意見としては、もうちょっと緩やかでもいいのではないかと。関連して第七十六条に軍事裁判所の記述があるのはいいのですが、軍事裁判所が最高裁判所の下級裁判所とされているのはどうかと思います。一般論として軍事裁判所(軍法会議)は軍司法に属する特別裁判所であり、最高裁に上訴することはできません。極端な事例を挙げると、もし戒厳令などが発令され、行政が軍に委ねられた場合、軍司法が通常司法を肩代わりすることになり、最高裁判所は停止されます。最高裁が停止していても(最悪、通常の司法立法行政の社会制度が戦争によって崩壊していても)機能するのが軍隊であり、そこに含まれる軍司法です。
 そのような事態に陥らないことを私自身は切に願っていますが、そのことと軍隊の権能とは別の話で、軍は軍のなかで独自の刑法を持ち、独自の司法を持つことが必要とされます。もちろん、通常法ならびに通常司法との境界の明確化は必要で、それこそ憲法で書いておくべきことではないかと思います。対象を軍人並びに軍属、そして軍を対象とした犯罪者に限る、などね。
 第六十四条の二「政党」はいらんと思います。政党だけを憲法に採り上げて保護すべき対象とすることに、私は疑問を感じます。それは集会結社の自由で十分保護されていると考えるからです。
 第五章の「内閣」においては、国会の休会中もしくは緊急時に内閣総理大臣が職務不能になった場合の規定を盛り込むべきでしょう。事前に作成した序列に基づき権限を継承するようにするのが宜しいかと。内閣に於いて国会議員である者がいなくなった場合は衆院議長が職務を代行するとかね。杞憂で終わればそれでいいけど、総理が官邸で倒れて権力の空白を作った悪しき前例がありますのでね、この国には。
 皇室のあり方については、皇室自身の意見を反映させられるように、憲法に盛り込んだ方が良いのではないかと思います。今回の皇室典範改正の審議でもそうなのですが、確かに皇室の存在は国民の総意に基づくわけですが、かつ一つの家族の問題でもあるわけで、その当事者の意見を聞くことが憲法上できないなどというのは、些か問題であろうかと思います。
 地方自治体については、その首長や議会の選び方などを地方自治体に任せてはどうでしょうかね。もちろん、世襲は不可とするのは言うまでもありませんが、地方の特色を活かした選挙法が生まれるかもしれません。

 今日のNHK・クローズアップ現代東シナ海 水面下の攻防」は酷い出来だったな……。特に国谷キャスターの言動が赤裸様におかしかった。中国の行動には目を瞑って、米軍の行動を非難する素振りが見えたのには、困ってしまう。日本が中国と米国の板挟みになっているのは確かだけど、付くのはどちらか、なんて明白すぎて議論にもならないだろう。
 キャスター自身が反米感情を持っているのは分かるしキャスターなんだから意見表明もいいんだけど、だからといってより大きな問題を棚上げにしていいわけじゃないだろうに。
 番組の作り全体としてはそこまで極端ではなかったのだけど、それでも「米軍に協力を求められる日本」という視点で作られていて、日本が積極的に米軍との協調を深めなければならない状況にあることを無視していた。中国は毎年公称で10%、実質的にはその数倍という勢いで軍事費を増大させていて、軍の近代化並びに艦船・航空機の増強に力を入れています。一方の日本はといえば財政状態の悪化を理由とした軍縮の真っ最中で、艦艇・航空機の数が削られています。日本一国で中国に対抗するのは困難なのですが、なぜか番組では両国の軍事力の比較は行われませんでした。
 ゲストの五百旗頭氏が結構適確にフォローを入れていましたが、中国の場合、公表されている軍事予算がそもそも信用ならないところから始まって、本当に政府(というか共産党)の統制下にあるのかどうか、今一つ確信が持てないところがあります。昔の日本軍のようなものですな。そういうのが相手だというのに、どうも楽観的に過ぎるように思えました。
 やたら危機感を煽るのも困りものですが、正確な情報を伝えないのはもっと悪いですな。

 「超漢字康煕字典」とか「超漢字岩波新漢語辞典」とか「超漢字広辞苑」とか、あることはあるけどな>若者
 個人的には、康煕字典や岩波新漢語辞典よりも諸橋漢和が必要だし、広辞苑より日本国語大辞典が必要。目指すなら、本当に必要とされるものを作ってくれと言いたい。


2005年11月25日(金曜日)
 狙ったようなタイミングだな!>超漢字統合辞書

 泣いても笑ってもラストチャンス。目指せサンプル採取! 行け、はやぶさ

 韓国が先だって導入したF-15Kですが、DPPDB(Digital Point Positional Data Base)というソフトが供給されなかったため、対地攻撃精度が低くなっていると報道されているようです……が、何が問題なんだ? 必要なら自分達で作ればいいことぢゃん。
 日本もF-15Jを購入した時に、TEWS(Tactical Electronic Warfare System)が提供されなかったから、自国開発した経緯があります。まあ、作ったものがF-15Cと同等の性能を発揮したので、その後そういったダウングレードは減っていったようですが、それでもF-2開発の時にはFBW(Fly By Wire)のソフトが提供されなかったんで、これまた自国開発しましたっけ。
 兵器の購入ってのはどうしてもこういう側面があって、向こうが持っている全ての技術が必ずしも供給されるとは限らないし、値段も足下を見られやすい。可能なら多少金がかかっても自国開発、それが無理なら共同開発、という方向に走るのは、安全保障に於いては意味のないことではないのです。
 自分達で開発できる能力以上の兵器を持っても運用には支障を来してしまうし、下手をすると銭失いになりかねないのが、悲しいかなこの業界の常でして、そんなことは初めから分かっていたことだろうと思うわけです。


2005年11月26日(土曜日)
 はやぶさの無事着陸を寿ぎ、地球への復路が穏やかならんことを切に祈る!
 リアルタイムでweb camを見ていて、的川先生のVサインと拍手を生で見れました。二回とも。
 その後、断続的に仮眠を取りながら記者会見の速報などを眺めて、楽しんでいました。
 残念ながら、復路は一層厳しい旅路となりそうですが、なんとか地球まで舞い戻って、サンプルの投下まで実現して欲しいものです。

 FTRONの忘年会は明日〆らしいぞ。


2005年11月27日(日曜日)
 経済財政諮問会議の答申に基づく「実行計画」とやらで、自衛官や教職員の純減が予定されているとか報道されています。
 あー……なんというか……それはちょっとヤバいんちゃう?
 っつーか、これ以上国家公務員を減らす余地ってあるんか、本当に?
 そっちの方が疑問だぞ。

 「少林寺彫刻に飛行機やノートPC、現地は侃侃諤諤」という記事の中で、「後世には現在の生活を伝えることができます」とかいう言葉があって、流石中国、考えることが違うと笑ってしまった。
 確かに石碑に刻まれた文物は後世の歴史家にとって非常に重要な史料となることが多く、後々の世のことを考えたとするならば、これは実に英明な判断といえるだろう。そこまで時間が過ぎなくても、数十年の後には「昔の飛行機はこんな形をしていたんだ」とかいう風に見られる可能性もある。
 景観にそぐうか否かという点については、コメントを差し控えさせて頂くが。

 やや旧聞に属するが、「板橋区:「障害」→「障がい」へ 区文書や組織名など−−来年から /東京とかいう記事を読んで、まだ漢字排斥/国語民主化論者が力を持っているのか、それとも単なる馬鹿かと訝しく思う。
 「障害」は戦後の漢字制限による書換語の一つで、本来は「障碍」(もしくは「障礙」)と書く。この書換えは昭和31年7月5日の国語審議会報告「同音の漢字による書きかえ」によって示されたもので、現在では歴とした法律用語である。印象が悪いかどうかとは関係がない。馬鹿が寄って集って漢字を制限したその結果だ。それを今度は混ぜ書きにしましょうとは、馬鹿の上塗りとでも言えば良いのか。
 なお、礙は碍の本字にして両者は異体字関係にある。現在では「碍子」「融通無碍」くらいにしか使わないが、それほど難しい字でもない。
 国語民主化の掛け声の下、漢字制限によって書換えた漢字が、今度は人権に触れるとは実に下らない話で、酒呑んで不貞寝してしまおうかとすら思ってしまう。こういった混ぜ書きが否定的に捉えられている昨今のことだから、書き直すんなら「障碍/障礙」に戻して振り仮名でも振れば良いのではなかろうかと思うのだが如何だろうか。

 そう言えば世間を騒がせている耐震強度計算書偽造問題でも、「改ざん」とかいう混ぜ書き紙面を飾っていて、「改竄」って書いて欲しいと思わずにはいられない今日この頃。

 Genesisさん日記でホクトの三列書棚なんぞを採り上げていた。
 ふむぅ。
 面白いコンセプトだと思うけど、強度が心配だなぁ。奥行き450mmってのも本棚としては微妙なサイズ。作り手の感覚が家具に近いような気が。書架なんてものは頑丈第一で見た目は二の次なので、天然木とかいうのは別に売りじゃなくても良い筈。定型の本が何冊詰め込めるか、不定形の本にどれだけ対応できるか、掃除が楽か、あたりがポイントなんじゃないかなぁ。
 やはりGenesisさんのような読者家の場合、本格的な集密書架を購入するか自作するのが吉ではないかと思われ。なぜか“一般家庭向け集密書架”というものがないのが不思議なのだが……。
 私は本の虫ではないのでコメントする権利があるかどうか心配だ……。


2005年11月28日(月曜日)
 なんか診療報酬も4%削減だそーで……。これも財政制度等審議会の答申に沿ったものらしいんだけど……社会を骨と皮だけにするのがこいつらの仕事か?
 以前の中医協による診療報酬改訂も問題だったけど、今の改訂システムも全然マシになってないなー。
 個人的に、こういうものは工学的手法によって決定されるべきものであって、財政状態がアレだから引き下げますとかいうものとは違うだろうという気がします。実際にかかる経費と点数の乖離が発生すれば、それが利鞘にしろ逆鞘にしろ、ロクなことにはなりません。というか、現実にロクでもないことになってたわけです。点数が実費を反映せずに政治的に決定され続けてきたことが、悪化の一因であったと私は理解しているのですが、政府にそれを修正しようという意志が見当たらず、近世江戸幕府の経済政策のような数字操作で乗り切ろうとしている意図が判然としません。
 紙の上の数字をいじったって、現実が変わるわけでもあるまいに……。

 健保支出の削減を考えるなら、公衆衛生への取組み等の方が重要ではないかと思うわけだが、AIDS対策予算とかガタガタになってるからなー。
 統計とって分析して、対策を考案してシミュレートして……っていうのが真っ当なやり方だと思うわけだが、そういうまっとうさってのが見えないってのが、非常に無気味だ。一体どういうプロセスで政策を決定しているんだろう。

 ちょっと前までだったら、「靖国批判は中韓だけ」などという発言があると、すぐに韓国や中国が「妄言だ!とか書き立てて、それが逆輸入されて大臣の引責辞任劇へと発展したものですが、最近はさらっと流されるようになって、個人的には良かったかな、と。
 外務省の方にまだ講演内容と質疑応答が載っていないので、発言そのものへのコメントは難しいのですが、内容はどうあれ、外務大臣がこんなに率直に発言するってのはどうかという気は多少しますな。ネゴシエイタとしてどうよ、それって?
 別に中韓に配慮した発言をしろとは言いませんが、外交的意図があっての発言じゃないとしたら、些か正直に過ぎるのではないかと。それは決して外相として褒められた資質じゃないと思うぞ。外務大臣なんて嘘つきくらいで丁度いいんだからさー。


2005年11月29日(火曜日)
 「ごめん、キミコ、もう会えない!」かよ……>はやぶさ
 ああ、せめてあと一機、リアクションホイールが生きていれば戻ってこれたのに……。
 なんかこう、紙一重のところで踏み外している感じ。もっとも、はやぶさの運用そのものが綱渡りの連続なので、駄目になる時はこんな感じになるんだろうけど。
 もっと予算があればとか、無益だけどつい考えちゃいますね。

 そういえば米国で今日あたりFirefoxの1.5がリリースされるとかされないとか。SVGに対応してくれるのが嬉しいですねー。
 実は最近SVGをあれこれテストしてるんですが……IE用のAdobe SVG Viewerの挙動が変なんだよな。背景を透明にしてくれないんだ……。
 ま、いっか。IEやし。
 超漢字用のfirefoxがあれば凄く楽なんだけどなぁ。XUIはいらんから、Geckoをエンジンとするbbbでもいいんだけど。


2005年11月30日(水曜日)
 自衛隊のイラク派遣がまた一年延長される方向で検討されているようですが……実際延長したら、陸自の国内部隊が一通り派遣を経験してしまうので、二順目に入りますな……。
 それでも自衛隊が必要なら仕方ない。外務省の通常のODAに切替えられる状態になるまでは、自衛隊を送ることに賛成。外務省の職員が傭兵を雇わないといけないくらいなら、自衛隊の方がまだマシだ。

 レインボーブリッジは自転車で渡れるか?
 友人の一人が実際にレインボーブリッジまで行って確かめてきたそうで、その証拠を今日見せられました。
 レインボーブリッジには遊歩道があるのですが、これは自転車通行不可。
 次いで、レインボーブリッジの車道は、軽車輛並びに原付不可。
 つまり、レインボーブリッジは自転車(ならびに馬や荷車や原付自転車)で渡ることができません!
 な、なんだってーっ!
 一回やってみたかったのに……。

 ネットで話題になっていた超兵器・白燐弾ですが、とうとう毎日新聞が採り上げたようです。
 自衛隊も装備しているこの謎の超兵器(爆笑)報道の行方から目が離せません。

 っちゅーかさ、もうちょっと冷静になろうぜ>反戦運動の方々