哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2004年4月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2004年4月1日(木曜日)
 ちょっと考えて、靖国通りを走る。
 東京の桜は今がまさに見頃なのですが、残念ながら明日の予報は雨。土日には葉桜になっていることでしょう。であれば、今日が満開桜を見る最後のチャンス。そう思い決めて靖国通りの桜並木を眺めながら走りました。靖国神社も北の丸公園も隨分な人だかりでした。
 ふと、桜の盛りは大勢で楽しむものですが、散り際は独りで愉しむものだなぁなんて思いました。あと三日で満月。十六夜に散桜なんて、寂漠たる贅ですよね。
 花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは。雨に対ひて月を恋ひ、垂れこめて春の行衛知らぬも、なほ、あはれに情深し。
兼好法師「徒然草」第百三十七段より

 靖国神社というと色々物議を醸す神社として内外で高名ですが、その由来をきちんと知っている人は少ないようです。日本国民ですらそんな調子なので、恐らく外国人に至っては、でしょうね。昔書いたので改めては書きませんが、私は靖国神社への参拝は認められるべきだと思います。
 中国や韓国って、日本叩きを国家アイデンティティの一部に組み込んでしまっている向きがあるので、冷静に対応できないんでしょうね。

 中国については、先般の魚釣島への不法入国問題なんかが好例なんですが、現在中国と日本の間にある微妙な問題をさておいていきなり日本大使館・領事館へのデモ行動になってしまう辺りに、危険なものを感じます。日本政府の対応も無様だったけど、中国政府も大変そうね。中国から見ると日本は最大の貿易相手国でODA援助国でもある訳です。その日本の機嫌を損ねるのは、外交貿易上不利益が大きいにも拘らず、対内国的に日本に対して強硬姿勢を取り続けなければならない中国の二律背反が、あちこちに見え隠れします。
 韓国に至っては、分裂してないか?と心配してあげたくなるほどで、FTA(自由貿易協定)交渉も強気だったり弱気だったり大変ねぇ。FTA結んだら、今までみたいな「感情的理由」による輸入制限もできないだろうし、そうなった時にどれだけ持ちこたえられるのか、日本人の目から見ても怪しいところ幾つかあるもんな。もっとも、韓国企業にしても、人口で二倍の規模を持つ市場への参入が容易になるので、チャンスという側面もあるんだけどね。

 韓国といえば、高速鉄道KTXが営業運転を開始しましたが……いや、本当はここで「事故が起きなきゃいいけど」って書きたかったんだけど、初日から軽微ながら二件も問題発生とはね……先が思いやられます。
 それがフランスのTGVの技術導入であろうと完成品購入であろうと構いはしないのですが、「植民地時代の最新鉄道と優れた技術を日本が回収した上、光復(日本の植民地時代からの解放された日)と戦争の混乱の中で、補修さえまともにできなかった」とか書くのはやめてくれませんかね。「植民地時代の最新鉄道と優れた技術を日本が回収した」なんて事実はないんですから。
 日本がいなくなったら鉄道の保守もろくにできなかったなんて言いたくないのはわかるけどさ。
 でもどんなに言いにくいことでも、覆い隠して嘘を吐くよりはなんぼかましだと思う。


2004年4月2日(金曜日)
 8回6失点……継投難は今年も続くのか。

 いそいそとteacubeの受け容れ準備なんぞしつつ。
 電源をどうやって引き回そうかとか、カテ5のケーブルをどうやって這わせようかとかCF買って来なきゃ!とか、まだ届いてもすぐには使えなさそう。あれ? カテ5のケーブル余ってたと思ったんだけどなぁ……。
 仕方ない。明日は秋葉へ買い出しだ!(泥縄泥縄)


2004年4月3日(土曜日)part 1
 来ました。
箱全景
開けてみた
箱に載せてみた
掌に載せてみた・表
掌に載せてみた・裏
 本日はこれから秋葉でteacubeの周辺機器をお買い物です。これが本当の泥縄……。
2004年4月3日(土曜日)part 2
 秋葉に買い出しに行く筈が、結構いい時間だったので昼飯を食べたら眠くなっちゃって、昼寝したら夜になってしまった……(^^;
 っちゅーわけで、起動は明日明日。
 しかし、一日の大半を寝て過ごしてしまった……疲れてるのかなぁ?

 まーしょーがないので附属のドキュメントで仕様の確認。
附属ドキュメント入りCD
……-R
 うーん……。
 1B/V3→B-right/Vの時にやらかした間違いを繰り返してないか、これ? 下手に互換性を保つより、一気に何とかした方が良い筈の問題が引きずられてるように見えるよ。特にファイルシステム
 他にも、折角CPU(VR5701)が64bitモードで動いているのにポインタは32bit(レジスタは64bit)で利用不可能領域が……とかとか。
 CPUの逓倍率は標準2逓倍(266MHz)ですが、ディップスイッチで3逓倍(400MHz)が指定できるんですね。ディップスイッチでは他にもビッグ・エンディアンが指定できるし。おお、幻の標準TADの夢が?(悪夢だっつーの) 「設定禁止」になってますけどね(動かないんだろう)。
 仕様では……うー。あちこち「直すべき」けど「直してない」問題が一杯……。
 こりゃ移植以上のことしてないなー……。

 逆転写さんは1GBのCFかぁ。ここは対抗してマイクロドライブに走るべきか。悩むなぁ。

 ちなみに、色は黒のみなのですが、自分で塗装する分には何色でも。分解には1.5mmのヘキサがあればOK。ラジオペンチでも根性があれば分解できるでしょう。
 赤く塗ってツノをつけて、3逓倍の400MHz駆動に挑戦する勇者は居ませんか?(爆)


2004年4月3日(土曜日)part 3
 今日は完敗ですな。かんぱーい!

 「全解連:「部落問題は基本的に解決」と運動終結 との報道を、ある種の驚きをもって迎えました。運動組織がその役割を終えてなくなることは別におかしくはないのですが、一度作られた組織がその存続を自己目的化してしまうこともまた往々にしてみられることです。
 そう言った観点からも、「社会問題としての部落問題は基本的に解決した」として解散を選んだ全国部落解放運動連合会に、ある種の敬意を抱きます。
 実体として日本国内の差別問題が解決しきったとは思っていませんが、基本的に解決、というのは確かだと思います。あとは時間が解決してくれるのではないか、と。
 私の育った街は田舎だったからか、部落やなにやら、それなりに残ってはいましたが、私がそういう問題を意識するころには、隨分と薄れてしまっていました。ただ、一応知識として市のどの辺が……というのは識ってます。しかしそれを次世代に伝えていく気はないんです、全く。友人もいましたしね。
 故郷を離れて都会に出るとそういった問題はますます希薄化して、たまに「相手が在日だったから縁談が流れた」なんて話を耳にすると、まだそんなのが残っていたのか!と驚きと怒りを感じたものです。


2004年4月4日(日曜日)
 来年の大幅な組織改革に期待しております>堀内カントク

 秋葉原で諸々をお買い物して、なんとか動く状態にまで持ってきましたteacubeを。
全備状態
 teacubeが乗っているのがcpu切替機……teacube本体の3倍くらいの容積があるなぁ(笑)。
 初っ端、通電させた状態で無条件起動したのにはちょっと焦った。本体内フラッシュROMに入ったT-Shellが起動するのですが、デバッグモードなので電源も切れない。電源を物理的に拔くしかない(マニュアルにもそう書いてある)。
 んでちゃかぽことフラッシュに色々インストールしてフラッシュから立ち上げてデバッグモード終わらせて、なんとか体裁が整って、色々弄ってみる。
 まー。なんといいますかー。所詮は組み込み向け制御applianceの評価版というだけあって……。勿論組込み制御機器としては無類の豪華さなのですが、パソコンと比較しちゃ駄目だわな。っつーか、これを超漢字の代わりに使うのは、追加ソフトウェアがあっても無理。そんな夢や期待はぺっ、と捨てましょう。
 プリンタドライバない、書庫管理ない、ファイル変換ないのないない尽くし。コンパイルのみで持ってこれるとは言うものの、現実に手許にない、という事実に勝るものはないですな。
 しかし組込み制御機器として見ると、GUIがあってTCP/IPが使えて簡易プログラミング言語があって、クロス開発環境もあるってのはそれなりにいい感じ。下手にPC + Windowsよりも組み込みやすいと思った。自分なら、充分検討対象にできるってくらい。
 ただ、問題は動作温度が35℃ってところ。組込みに使うなら50℃は欲しいんだよなー。

 今回の感想ですが、teacubeに次世代BTRONに繋がる何かがあるのかなぁと思ってたんですが、その点は完全に期待外れで、直截に言って「B-right/VをT-Engineに載せてみました」以上のものではないですね。ただ、開発時期や時間を考えれば致し方ないのかと納得させられる面もないではないです。少なくとも組込み制御機器としてみれば、それなりのものではあるから。
 ただ、それ故に次世代BTRONがあるのであれば、言い訳はできないと思いましたな。少なくとも、今回のT-Shellには次のBTRONに繋がるものが何もないんで。散々これまでハードの情報が……って言い続けてきたんだもんねぇ。坂村先生にも小一時間ほど尋問したいところなんだけど、越塚先生がアレなので、もう手が回んないんだろうなぁ。
 結局最後は人的資源か……。


2004年4月5日(月曜日)
 東の空に昏く浮かぶ十六夜の月。はらはらと舞い散る桜の吹雪。風が乱した水面の波紋。
 北の丸を走り拔けながら、絶景に酔う。

 博報堂の「10〜30代男女の携帯電話利用状況調査」が報道の俎上に載っていたので、便乗。
 中学生の保有率が42.6%ってのも驚きなんだけど、高校生86.6%、大学生96.3%、20代社会人91.4%、30代社会人87.2%の保有率ってのは、凄いですなぁ。保有していない自分がどれだけ少数派なのかを思い知らされるようです(苦笑)。そしてその保有者の概ね6割5分以上が「携帯電話等は日常生活に不可欠で、持っていないと不安」と回答しているのを見ると、最早彼らは私の理解の及ばない存在なんだなぁと慨嘆するばかりです。
 いや、便利なことは知ってますよ。でもその便利さって、私には本質的に不要なものだというだけなんですが。私の場合、間違っても「日常生活に不可欠」なものとして携帯電話が挙げられることはないですねぇ。まずは本。そしてあとはせいぜい刃物(包丁)とか鍋釜ですかねぇ……工具類とか。
 実際、携帯電話が必要なシチュエーションって、月に一度か二度かって程度にしか遭遇しないし、そんな時でも大体公衆電話が見つからないってだけってことが多い(笑)。
 私の仕事や生活形態が携帯電話をそもそも必要としないようにできてるんでしょうね、多分。携帯電話で頻繁に連絡を取り合っている人達に比べると、素晴らしく時間に余裕があって物凄く希薄な人間関係の中で生活しているんでしょうな。
 ま、なんにせよ、保有者の7割近くが感じるという不安の種を持っていないのは、多分幸せなことなんでしょう。


2004年4月6日(火曜日)
 先週末に催された東京モーターサイクルショーに大友克彦の「AKIRA」に登場する「金田のバイク」が参考出品されていたとかで、話題になってますね。両輪駆動は無理だったみたいですが、後輪操舵は実現してるとか。
 本当に大丈夫なのか、走って……? それはいわゆる「バイク」とは全く違う操縦特性を持つのではなかろうかと……。
 で、両輪駆動で思い出したんですが、去年2WDの自転車なんて物が開発されてモニター販売がされてたんですが、その後どうなったのかなぁと検索してみたら、市販始まるみたいです(驚)。三月末発売予定とのことですので、もしかしたらもう始まってるのかも。
 しかし……雪道を走る画像は、衝撃ですよ。私も雪国の出身ですので、雪道を自転車で走った経験がありますが、あんなすいすい走れるものじゃないです。ていうか、前輪滑ってコケます。
 シャフトやら何やら剥き出しで、一般商品としては難がありそうな感じではありますが、実に興味が唆られる品ではあります。
 金ないから買えないけど。
 この機構、後輪から前方に向かってドライブシャフトが走っているわけですが、これ結構邪魔そうですね。きちんとカバーされてないようなので、衣服を巻き込んだりしないか心配ですし。
 2WDに拘らないのであれば、いっそ前輪駆動に特化したらどうでしょうか。そうすれば前輪のクランク軸(ハンガーシャフト)からヘッドチューブに向かってフレームに沿って動力を導けますし、後輪側に何の機構も必要ない分重量も軽減できます。変速機構は……Nexusインター8でも使ってやね……。
 やっぱシャフトを使うからには丸石自転車辺りで製品化に走ってもらいたいものです。

 2WDにするにしても、フレームから手を入れて、変速機をハンガーシャフト同軸にし、クランクから前後にシャフトを伸ばす方が機構的に美しいと思う。

 自転車関係のニュースとしては、「暴走自転車の取り締まり強化、警告無視なら逮捕もなんて報道がありました。ちょうど今日から交通安全運動だったこともあってか、街中の警官の視線が痛かったです。ちゃんとメット被って車道の路肩を走ってましたよ。時速30kmくらいで。交通事故全体が減っているなかで自転車交通事故による死者に漸増傾向が見られるための取締強化なんでしょうね。
 しかしまずは道路交通の中での自転車の立ち位置を、もっと明確にして欲しいですわ。路肩を走っている自転車に幅寄せした挙げ句クラクションを鳴らす自動車なんて実在するので、車道は恐くて走れないという意見も一理あるんですよ。他にも、路肩に余裕があると思ったら路駐で埋め尽くされてるせいで、結局車道を堂々と走る羽目になったりね
 ただ取り締まる一方ではなくて、自転車が安全に走れる環境整備の方にも心を砕いて欲しいものです。

 今日は交通関係の話題が多いですが、欠陥隠しで話題の三菱自工の件。今日報道された国土交通省の報告書は些か「なんだかなぁ」と思いました。
 NHKのニュースによると、データの生データは提出されたが、統計処理を施した結果は添付されなかったため危険性が隠蔽されていたとかということなんですが……生データあったんでしょ? いや、三菱自工側の姑息な隠蔽工作は勿論論外なんですが、少なくとも生データがあったのであれば、独自に解析すりゃ同じ結果は導けたんじゃないの? データ列を見て異常を見拔けとは言わないが、解析結果のない生データが出てきている時点で不審なものを感じなかったのかとか、もしかして国交省の役人どもはみんなボンクラなのか?と疑わせるような報道でした。

 昨夜のことになるんですが、てつまさんから「お奨めのライトノベルを推薦せよ」なるメールを頂き、頭を抱える。これって「なんのPC買ったらいい?」っていうのと一緒だよねぇ……。
 まあ、そういう質問されることってあんまないんだけど、取り敢えず近刊書についてならば「このライトノベルがすごい」なんて企画が進行中です。


2004年4月7日(水曜日)
 桜吹雪がブリザードになってました。

 朝、いつものように明治通りを新宿に向かって走っていたら、若い警官に「歩道を走って下さい」と注意された。
 「自転車は軽車輛だから路肩走行ですよね?」と確認したところ、「確かにそうなんですけど……」といきなり弱腰に。説明によると、朝の車輛の交通量が多い時間帯に、自転車が加わると危険であるので、歩道を走って欲しいとのことだったが……。
 朝の明治通り。歩道は歩道で、歩行者でごった返してるんだよ!
 歩道を行くとなれば、最徐行するか、あるいは自転車を降りて押すしかない。
 念のため、それが警視庁全体の見解なのか確認したところ、そうではなく、署によって違う対応をしていると言われてしまった。
 呆れてものも言えない。
 自転車の取締を強化するより前にすることがあるだろう? ええ?
 結局車道を走りましたがね。歩道なんて危なくて走れないよ。


2004年4月8日(木曜日)Part 1
 イラクに置いて邦人三人が武装組織に拉致され、三日以内の自衛隊撤退の要求がアル・ジャジーラ届けられた

 結局こうなるんだよな。
 事態を好くするためには多大な時間と労力がかかるけど、悪くするためには低能が半ダースも居りゃいいってのは、世の摂理とはいえ悲しくなってくるね。
 交渉チャンネルを持てるような相手ならいいんだけど。
 っつーか、いきなり死体にしてメッセージを送ってこなかったところを見ると、交渉の余地はあるようなんだが、本当に交渉チャンネルが持てるかどうかとは別問題なんだよなぁ。


2004年4月8日(木曜日)Part 2
 普通の日記。
 天気予報は昼から晴れだったのでぎりぎりまで粘ってみたのだが、不幸にも雨はあがらず、電車通勤……死ぬ。早く8輌編成化してくれ……>南北線。
 昨夜せっかく自転車の手入れなんぞしていたのに、乗れないんじゃやり切れないヨ。
 自転車といえば、東急ハンズ新宿店に、バックミラー付きヘルメットがありました。確かに、庇の部分についたミラーで背後の風景が見えます。仕掛けは潜望鏡みたいなもんね。
 なかなか面白い。
 自転車にバックミラーを付けようと思いながらも、良いものが見つからずに居るので、これも悪くないかと思ったのです。  ただ問題は頭の形が全く合わないことでして……。
 前後ガバガバなのに左右はキツキツ。こりゃOGKにでもライセンスして作って貰わないとダメですな……。

 ネタにしようしようと思っていてなかなか機会を掴めずにずるずる来てしまったのですが、二月に引き続いて再びJASRACを騙る詐欺があったようです(「【ご注意】JASRACの依頼と偽った架空請求について」)。
 なんだか良く分からない債務の返済を騙るメールよりもよっぽどエスプリが効いているように思います。特に、「いかにもありそう」って所が。

 teacubeに「茶櫃」と勝手に愛称を付けてたら、某イトノ氏が「歩行の必要がないロボットとして、プログラマブルなおおきなハァハァ男性向けのお人形さんを改造しようと考える人はいるかも」などと宣った。
 確かにPCをお人形さんしてる人もいるからなぁ、世の中には……。
 茶櫃くらいのサイズだと組み込みやすくてしょーがなかんべ。

 400MHz設定じゃロクに起動しねぇよ!>茶櫃


2004年4月9日(金曜日)
 うーん……。
 誰が見ても、その上あらゆる情報が危険を示していた地域に自らの意思で赴いたってことは、基本は自己責任だと思うんだが。家族だって分かってて送り出したんだろうから、今更何を言ってるんだってなもんだし。
 それから、Saraya al-Mujahidinって連中が何を考えてるのかは判らんけど、テロ組織というよりゲリラ組織として見ないと。連中がテロ組織だったら、最初のビデオテープの中身は、殺されて吊るされた三人の死体に「日本人は出てけ」ってメッセージになってた筈。テロってのは交渉の余地がないもんだからね。
 ただ、現状交渉チャンネルが持ててないようなのも事実なので、最悪の事態だけは覚悟しとかないとね。

 一方で、報道が錯誤の誘導をしているのが気になる。
 責任が誰にあるかなんて明々白々。そりゃあんた、Saraya al-Mujahidinだよ。どう考えても犯罪者集団だもん。自衛隊を三日以内に撤退させろなんて不可能もいいとこだし。
 んで主犯の次に責任があるとしたら、あんな危険な場所に護衛もつけずにのこのこ出かけてったあの三人(しかもアラビア語ができる奴すらいない!)でしょ。自衛隊ですら野戦築城して日常的に武装してるってのにね。
 その次は米軍と暫定統治当局。治安を崩壊させているのは連中だから。いい加減にしろっての。
 さて、自衛隊や日本政府の責任ってのは、これらより上かね?
 そんな馬鹿な。
 治安レベルがほぼ内乱状態になっている地域じゃ、いくら国家といえどもできることとできないことがあって、そんなところで現地ゲリラに捕まったら、手の打ちようがないの。政府の最大限の努力が報われることだけを祈っておきますが、もし三人が生きて帰ってきたら、相応の責任は取って貰いたいものです。

 冬山に不十分な装備で挑んで遭難したら、普通は「自業自得だ」と言われるもんだが、イラクは冬山より危険だろうに何故かそう言われないんだから不思議な土地だ。


2004年4月10日(土曜日)
 ダッカ事件って、もう風化してるんですかね?
 一応復習しておくと、ダッカ事件というのは、1977年9月28日に日本赤軍が日航機をハイジャックした事件で、身代金並びに政治犯の釈放を要求したもの。これに対し同時の福田赳夫首相が「超法規的処置」として要求を呑んだことにより事件は解決したものの、日本は国際社会からの非難を浴びることになった。
 この時の福田首相の迷言が、かの有名な「人命は地球より重い」ってやつね。
 個人的見解だけど、日本人を人質に取れば何でも要求が通るだなんてことになったら、イラクはもとより、ゴランでも東ティモールでも同様の事件を企てる馬鹿が出てくるんじゃないですかね。特に東ティモールでは、未だに反独立派がうろちょろしてるから、格好の標的でしょ。
 一つ要求を呑んだら、あとは際限なしだよ。
 ついでに言えばそんなことになったら日本の信用ガタ落ちになって、株式ならびに為替相場がえらいことになって、折角浮上気味になってきた経済が再びロクでもないことになるでしょうねぇ……。
 人の命を天秤にかけるのは下劣なことと承知ですが、そういう下劣な判断を求められるのが政治ってもんでね。自衛隊を撤收は三人の命じゃ割りが合わないと判断したってことよね。その判断を是とするか非とするかは個々人の判断で、それらは次の選挙に活かされることになるでしょう。
 現状日本政府としては、①犯人側との交渉による人質解放を目指す、②犯人の逮捕と正当な裁判を暫定当局に要求する、くらいしかないかな。実力で奪回なんて(たとえその意志があっても)時間的に無理だし。

 しかしあれだ、「自衛隊の撤退を」とか主張する連中が報道の中でのさばってるのはどう見ても不快だなぁ。日本人がみんな低能になったように思える。

 今日も今日とてお買い物。AV機器の増設に伴って接続を変更……しようとしたらエラいことに。で、秋葉にもちょっと機械を買いに行ったんですが、折角いい天気だったのに、荷物を持ち帰ることになるので自転車ではなく電車で。ちょっと鬱。帰る段になって、買ったものを全部確認してみたら、なんとかバックパックに押し込められる量だったので、余計鬱。
 ままならぬ土曜日でした。


2004年4月11日(日曜日)
 朝っぱらから報道は喜色満面。
 喜んでばかりもいられないだろうに……。

 HOTWIRED Japanの「米国でリリースされた『ファイナルファンタジーXI』PS2版、体験レビュー(下)」という記事に、

日本人プレイヤーと米国人プレイヤーは同じサーバーを使うため、日本語と英語の定型フレーズ間の自動翻訳機能も装備されている。しかし、米国でも日本語を話せる若いファイナルファンタジーのファンが増えているにもかかわらず、米国バージョンのFFXIでは、日本語のテキスト入力はできない。そのために、米国人と日本人がお決まりの話以上の意味のある会話を交わす可能性はなくなってしまい、スクウェア・エニックス社が掲げた、真の国際コミュニティーを作るというビジョンはほとんど無意味になってしまっている。
 という文章があったんですわ。一応確認したら、原文記事にも同じことが書いてありました。(時々翻訳記事って「何故か」段落が欠落したりするので、こういう確認をする癖がついてしまった)
since Japanese players share the same servers as Americans, there's an auto-translate function for those key words. What the American versions of FFXI lack is Japanese text input for the growing number of young Final Fantasy fans who can speak the language. This effectively removes any possibility of meaningful conversation between the two groups and renders Square Enix's vision of a truly international community nearly pointless.
 どこに突っ込めば良いのかとかなり悩むんですけど、えと、本当に増えてるんでしょうか、日本語が話せる米国の若者って? 何年か前に、米国の大学の日本語学科が不人気で減少傾向にあるという報道なら見ましたが。また、最近の若者の日本語学習の動機がアニメ、コミックだと嘆いていた人もいたっけ……。
 アニメ、コミック、ゲームのために日本語を勉強する米国人、か……。
 正直、あまり出会いたくないね。(^^;
 日本語の言語振興について、政府は殆ど無為無策だというのに、こういう形で日本語の振興が進行するというのも、何やら日本らしいといえば日本らしいのか。
 ともあれ、個人的にはやはりスクエア・エニックスの判断は解せませんね。英語圏で売るものだから日本語の入力機構は必要ないという判断だったのでしょうが、何もわざわざ外さなくてもという気もします。別に邪魔になるようなものでもないでしょうし、現地の日本人が使うこともあるでしょう。わざわざ工数をかけてまで外す必要もないように思います。
 日本発のゲームなんだから、ゲームサーバ内での共通語が日本語でも構わないと思いますよ。敷居は多少高くなりますが、そういった言語の壁すらも楽しめるものがあればなお良いと思います。

2004年4月12日(月曜日)
 好天、温暖、微風、そして本年最初の光化学スモッグ情報……。

 読売オンラインに「「太陽は地球の周りを回っている」…小学生の4割なんて記事がありました。ソースが見つけられないので記事を元に話を進めますが、見出しからして天動説を支持する(?)小学生が4割居ることが問題として採り上げられています。しかし私としては「日が沈む方角はどこか」の質問に「西」と答えられない小学生が29%も居ることの方が致命的だと思いました。
 3割ですよ、3割!
 信じられないというか信じたくない。
 正直言うと、天動説であろうが地動説であろうが、天体運行をある程度説明できれば社会生活上大きな問題はないんですよ(実際、惑星運行などを除けば、主観的かつ大局的には天動説の方が説明がしやすいところもある)。でも西が分からなかったらそりゃ日常生活に差し障りますよ。
 一体日本の自然科学教育はどうなっとるんだ!と憤りたくなるところですが、ちょっと冷静になって、続いてこちらの資料を見ると、また違ったものが見えてきます。
 これは今年内閣府が行った「科学技術と社会に関する世論調査」の調査結果なのですが、こいつもまた驚くべき結果と言えましょう。科学技術に関心がないならまだしも、科学技術に関する知識は「わかりやすく説明されれば大抵の人は理解できる」という設問について「そう思わない」「あまりそう思わない」が計35.1%、しかも若年層の方にこの傾向が強いという結果が出ています。一方で、個人個人の生活の楽しみや物質的な豊かさは科学技術によって向上したと、多くの回答者が考えています。
 これは、自分達の生活が豊かになった理由を漠然と科学技術だとは思っているものの、では実際にどのような科学技術が働いたのか説明できないという、科学技術の魔法化の進行を感じさせます。「科学技術に興味がない」人が43%という結果では致し方ないのかも知れませんが。
 さて、18歳以上の結果を見た後にもう一度先の小学生の問題に立ち返ると、教育の問題という一面はあるものの、総体としては科学技術を理解しようとせず、イメージでしか捉えようとしない社会の写し絵に過ぎないのではないか、と思えてきます。
 科学技術の大切さや政策参加の必要性を感じているものの、その感じている回答者自身が科学技術に面白さを感じておらず、科学技術の先行きに余り明るいものを感じていないとあっては、その舵取りが明瞭なものになるとは思えません。概ね、BSE騒動と一緒で、味噌も糞もない魔女狩り的な行動になることでしょう。
 その上で子供たちにだけ理科教育を押し付けようったって、そりゃ無茶ってもんですがな。子は所詮、親の背を見て育つものですよって、ね。

 まずは我々自身が、科学技術への関心を高め、理解を深めることが、次世代の科学技術振興に繋がるのだと思います。
 で、毎年恒例のNHK技研の公開日は5月27〜30日。
 今週末にはJAXAの旧宇宙科学研航技研が一般公開があります。
 同日ですが、科博新宿分館オープンラボがありまして、私はこちらの方へ行く予定。とにかく新宿分館は標本が多いので大好きです。人骨も一杯あって心が和みます。去年は海豚の解剖の実演があって、もの凄い屍臭の中、普段見ることのないすぷらったーな光景が繰り広げられて、実に素晴らしい一日が過ごせました。
 毎年春はつくばの各研究所が競って一般公開を行いますので、暇と行動力のある方は、頑張って見てまわられると良いと思います。特に学生さんは。学生でなくなると、平日の公開などはなかなか行けなくなりますからね。

 人民網日文版に「日清戦争で撃沈された清の軍艦、復元される」なんて報道がありました。
 「定遠」と言えば「まだ沈まずや定遠は」と歌われた(「勇敢なる水兵」作詞:佐々木信綱、作曲:奥好義)戦艦で、日清戦争における海の天王山、黄海海戦に於いての清国海軍北洋艦隊旗艦です。
 対する日本の帝国海軍聯合艦隊は旗艦・海防艦「松島」以下海防艦・巡洋艦による構成。艦砲の打撃力では著しく劣っていました。ただし、中・小口径砲の砲数と遊撃艦隊の優速を以って敵を包囲・襲撃し、辛くも勝利を收めました。
 しかし沈めたとはいうものの定遠は自沈でしたし、同形艦である鎮遠に至っては鹵獲してその後帝国海軍で使ってたくらいですので、定遠・鎮遠が当時どれほどの「不沈艦」ぶりだったかが分かろうというものです。
 しかしまた何で今更定遠を?とは思いますが、きっと日本人には分からない思い入れとかがあるんでしょう。
 日本人もほら、大和ミュージアム1/10スケール戦艦大和とか作ってるし。
 1/10スケールでも全長26.3mもありますからねぇ。下手な漁船より大きいっす。
 しかしここまでやるなら、いっそのこと1/10などとハンパ臭いこと言わずに「1/1スケール戦艦大和」とか造って、「いや、これは模型です。原寸大の」とか世界中に向かって言い訳するというのもなかなか面白いかと思うのですが、駄目ですかね? どうせ現代戦じゃ戦艦なんて無用の長物なんだし……。


2004年4月13日(火曜日)
 不思議なもので、料理屋で板前が生簀から魚を掬い上げて客の目の前で捌く店は良くあるのに、客の目の前で鷄を絞める焼き鳥屋というものはついぞ聞いたことがない。……という話をしたら、職場の同僚方は「鷄でやられたら食欲なくす」という答えだった。
 両者の間に何の違いがあるのか私には分からない。
 昼食、鷄飯を食いながら。

 「昔懐かしいゲームを無料提供するサイトが人気」という記事を読んで、色々考えさせられました。
 記事読んで頂ければ分かるんですが、白黒という点ではほぼ真っ黒です。著作権者の許諾なく過去のゲームを無料で提供する、というのはどう考えてもアウトです。
 しかし一方で、じゃあ法律を順守しつつ同じことが可能なのかと問われれば、まず無理、と言わざるを得ないのが実情です。
 利益を生まないからと供給されなくなったのに権利だけは依然として残り、しかもその権利ために採算分岐点以下とされた需給関係が途絶する、というのは、著作権法の意図にそぐわない気がします。これは絶版書籍や廃盤音盤でも同じ構図なのですが、供給者としての権利者に強大な権限が与えられている一方で、彼らが負うべき義務は本当に果たされているのか、という疑問がここ数年頭から離れません。


2004年4月14日(水曜日)
 陸上自衛隊久留米駐屯地に民間人が軽自動車でカチ込みをかけて、自衛隊員が一人死亡二名軽傷。犯人は久留米署に逮捕されたそうな……って、え? こういうのって警務隊が管轄するんじゃないの? それよりも、警衛部隊は何をしていた? 隊員が轢かれるまで発砲一つしなかったのか? 自爆テロだったらどうするつもりだったんだ?(時節柄、可能性は決して低くない)
 久留米駐屯地は特科(砲兵)中心で警衛任務って言っても多分特科の隊員で、警衛任務で小銃と実砲が支給されててもはいそうですかって判断できるもんじゃないだろうとは思うんだけど、やっぱもうちょっとどうにかしてくれと思います。(この犯人がもし駐留米軍の基地に突っ込んでたら、多分蜂の巣だったでしょうよ)
 最良が被害ゼロだとしたときに、次善はやっぱり犯人は死んだけど自衛隊は損害ナシ/軽微だと思う。犯人は逮捕できたけど自衛隊に損害ってのはやっぱその次くらいじゃないかなぁ。(当然最悪は、犯人死亡、自衛隊にも被害、だな)

2004年4月15日(木曜日)
 二増三減で差し引きマイナス1。

 とりあえず最初の三人は解放されましたが、それと相前後するように日本人ジャーナリスト二名が誘拐されています。今暫くは、こういう状況が続くでしょうね。
 まずは無事な解放を祝い、次いで三人には存分に責任をとって貰いましょう。少なくとも外務大臣法務大臣は彼らからパスポートを取り上げるべきですね。三人の所行は、旅券法第13条5項の規定にある「著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」として第19条に基づく旅券返納命令を出すに足りるでしょう。
 もしこの三人の誰か一人でも、「私たちが捕まったのは自衛隊を派遣したせいだ」などと発言したらば、私はその人物を生涯軽蔑することにします。

 中東情勢は転げ落ちるように悪化しとりますが、米国の子ブッシュ大頭領はイスラエルの撤退案を支持するとか放言しましたな。米国の同盟国として、日本がこれを追認するのかどうか、試金石というか踏み絵になるかと思います。私個人としてはイスラエルのやり口を是認する気はありません(かといってパレスチナ側の主張が全面的に正しいとも思わないが)。
 高々と壁を築いて自らを被い、己らの小さな正義に閉じ籠ろうだなんて、対話の拒否に他なりません。米国はなんでまたイスラエルをそこまで支持するんでしょうかね。なんか見返りでもあるんでしょうか。
 日本がそれに付き合わにゃならん義理もないように思うのですよ。


2004年4月16日(金曜日)
 本郷通りと靖国通りの交わる小川町交差点。早咲きのツツジが垣根に白い花を咲かせておりました。

 イラクで依然行方不明となっているジャーナリストお双方のうちの一人は、「米兵・自衛官人権ホットライン」とかいう組織の方だそうで。
 お題目は立派だと思いますが、行動が全てを台無しにしたね。
 生きて帰って来ても、死体になって戻って来ても、彼らの言葉に説得力が宿ることはないと考えます。殺すな殺されるなと主張しておいて、バグダッドの街中で拉致されてりゃ世話ないわ。
 業界団体であるところの日本ビジュアル・ジャーナリスト協会も気が狂ってるとしか思えないこと言ってるしね。ことの責任を政府になすりつけておきながら、救出は政府頼みって所に矛盾を感じないのでしょうか。「命を賭した」報道の自由を標榜するなら、納得づくなんだろうに。せめて「我ら政府を恃まず」くらいのことは言えないんですかね。
 殺されちゃったけど、「イタリア人の死に方を見せてやる!」とか啖呵切った方が格好良く見えるのは問題ですよ。

 派遣に関連して、Genesisさんが『問うべきは「わたしたちは自衛隊を出兵させるような国を作りたいのか」という点ではないかな、と思うのだが。わたしは(たとえ民間人が人質にとられることがなかったとしても)武器を持った軍隊である自衛隊が「人道支援」の名のもとに活動することはやめた方がいいと思う。』と書いているのを見て、不思議に思った。
 そんな議論は12年前にやり尽くしたろう? かつてカンボジアでは日本人が死んでるし
 もう10年も、武器を持った(事実上の)軍隊が国外に武器を持って出て、平和維持活動やら停戦監視やらの任務に就き、そして実績を積み上げてきている。今回のイラクの問題で問うべきは、そんなとっくにケリがついた話じゃない筈。
 問われるのは、この派遣(あるいは派遣に至る米国への翼賛姿勢)が妥当だったのかどうか、だろう。

 両立不能な問題にだって何らかの答えを出さにゃならんのが政治の仕事でね。
 人の命の絡まない、下らない問題も世の中にはあって、「アザラシの大量捕殺解禁、35万頭を予定 カナダなんて話、読んでて不貞寝しようかと思うね。前のコアラと一緒で、アザラシを保護するのも人間のエゴなら、捕殺するのも人間のエゴよね。で、どっちであっても問題は残る訳よ。どっちが正しい訳じゃないしね。恐らく「どっちがより下劣か」くらいの差しかないんだわ。
 それこそ、摸索舎の店内を歩いてるようなもんでね…。

 つまんない話題が続いたところで、ロボット系。
 産総研知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループが、「手足の協調により『働く人間型ロボット』の歩行(作業)機能を拡大」なんて発表をしました。
 HRP-IIと言えば出渕裕が外見のデザインをしたことで有名ですが、その外見以上に内部の方も未来的になってまいりましたよ。特に今回は手を使って体を支えたり、匍匐前進をしてみたりと、これまでの人型ロボットより明らかに一歩も二歩も先を行きました。
 二脚による動歩行は、ホンダP2以降急速に進歩しましたが、実は全身協調動作、とりわけ、上半身と下半身の協調はそれ程進んでいませんでした。SONYSDRシリーズで腕を振り回すモーメントを制御してたくらいですかね。ホンダも改良試作型P3でドアを開ける動作なぞが頑張ってやらせてましたが、とんと発表がなかったところを見ると、難航していたんでしょうね。
 もちろん、今回の産総研のHRP-IIも動きはまだまだぎこちないものではありますが、突破口さえ拓ければ、あとは雪崩込むように人的リソースが投入されて実用化に邁進することでしょう。
 しかし本当に、この分野は日本の独走(?)だなぁ……。っつーか、普通に考えれば、なんでこんなに人型ロボットに拘るのか、そっちの方が謎なんだろうけど。

 ロボットで思い出しました。
 「鉄人28号」など、数々の漫画の作者で知られる横山光輝氏がお亡くなりになられました。享年69歳。ご冥福をお祈りしたいと思います。

 不謹慎ながら、どうしても著作権評価のことが気になりました(外道)。普通の方には無縁な話なのですが、著作権は無体財産で相続税の課税対象なんです。よって「著作権の評価額」を算出する必要があり、税務署の役人にそんなことはできないので、文芸著作権の場合は某団体が請け負って作成したりしてました。これがまたややこしくてね……。一応算定基準はあるんですが、高くしても低くしても文句が来るという困ったものでもありまして。
 他にも、死んだその日までの著作権收入は故人の收入になり相続人が準確定申告をしなければいけなかったり、でも翌日以降の分は相続人の所得になるとか、色々あるんですよ。
 言いたくありませんけど、日本の漫画界の草創期を担った人達が徐々に退場しつつある今、少しは注意しておかなければいけないところではないかと思います。
 無粋で申し訳ない。ただ、前職で色々なケースを見てたもので、無関係ながらも気になるのですよ。


2004年4月17日(土曜日)
 ジャーナリスト他二名の日本人も解放されたそうでなにより。
 これって犯人捕まえられるんかね?(ムリだろ)

 映画アップルシード観てきました。
 同じ作者の別作品を大家と呼ばれる某監督が手掛けた某作品より、よっぽど面白いです。下手に大層なテーマなど盛り込まず、アクションムービーとして必要なものをきちんと織り込んであります。
 徹頭徹尾、アクションムービーなんですよ。
 で、その動きは見事の一言。
 セルアニメだったらここまで動かすことはできなかっただろうなぁ。一方で実写や特撮では不可能なカメラワークも多いし、3DCGアニメーションならではと言えましょう。ブリアレオスやランドメイトの動きも秀逸で、なるほど、これならと思えるものでした。
 あと、原作至上主義者の人は見ない方が良いでしょう。あちこち適当に設定が変更されていていますので。でも「プラネテス」と一緒で、これはこれで良いと私は思いました。
 しかしブリちゃん衣装替え大盤振舞だったなぁ。生身から始まってダミュソス飛行型ブリちゃんまで出てくるとは……。


2004年4月18日(日曜日)
 一般公開が13時までだったなんて……。短すぎるって。

 イスラエルがハマスの新指導者アブドゥルアズィーズ・アッ=ランティースィー氏を殺害したそうな。乗っていた車に攻撃ヘリから対地ミサイル射ち込んだって…。
 どっちがテロリストなんだかわかりゃしねぇよ。
 軍事的不公平是正のために、91式携帯地対空誘導弾でも供与したらどうかと思いたくなりますわ。パレスチナ側に、イスラエルにある程度拮抗できる軍事力があれば、これほどの無法が行われることはないのではないか、そう思う訳です。あるいはイスラエルに対し一方的に行われている米国による軍事援助を大幅に縮小するか。
 自爆テロにしろテロにしろ、正面装備で全く歯が立たないからこそゲリラ的な行動に走るわけで、ミニ冷戦状態のような軍事的拮抗状態を造るのも、この場合平和への道筋の一つではなかろうかと思ったりするわけよ。アラファトさんがパレスチナ自己防衛のための援助を求めていますが、あながち無視したもんでもない。日本の国是として武器輸出や武器供与はできないとか言うんだろうけど、今彼らが求めているのは、まさにイスラエルの無法に対抗する武力だったりするんだよなぁ。
 どっちの連中も、交渉テーブルに就くことをまず承諾してもらわんとあかんのやけど。


2004年4月19日(月曜日)
 ルパンⅢ世Jr.……?
 確かに国会図書館OPACで調べてみたら、請求記号Y84-2290「ルパン小僧. 1」「ルパン小僧. 2」で收蔵されてますわ。98年に中公から文庫になってるようです。
 はあ……。

 「小学教諭が中3男子買春=漫画喫茶などで5回−「性教育」の卒論で興味・東京とまあ、これだけなら、「またか」で素通りするところだったんですけど、記事の中のこんな一文がスマッシュ。
一方、この男子生徒は昨年3月から今年2月までに、男性6人と計20回、小遣い稼ぎを目的に売春行為をしていた。
 これって蔭間(もしくは陰間)って言うんじゃ……
 この中三男子生徒の「若衆ぶり」に興味が湧かないでもない所ですが、それよりもこういう需給関係が成立していたところに軽い驚きを感じますね。児童買春・ポルノ処罰法は「買う側」を一方的に取り締まっておりますが、「売る側」の問題ってのは放置されてるんですかねぇ? 処罰すりゃいいって話じゃなくて、需給関係が成立しているところを問題にしないといけないんとちゃう?とか思いますけど。
 ちなみに私はあんまり問題視してなかったり(^^;
 だって歴史屋さんだもん(爆)。
 日本史ひっくり返すと、江戸時代なんかは……「蔭間買い」なんて言葉があるくらいで、そりゃもう同時代ヨーロッパのカストラートなんざ目じゃねぇぜってなくらい性風俗が奔放だった時代でして、男が若衆を買う、女も若衆を買う、男は女も買う、ト一ハ一はある……とまあ男も女もやりたいようにやってたみたいに見えます(タブーの在処が現在の我々とは違いすぎて、把握できない)。
 性風俗なんてものが時代や地域、文化によって移ろい一定したものではない以上、今現在のそれもまた絶対ではないのですから、今の形を絶対視もしてないのですね。
 同時代の社会的合意の中で正邪は相対的に定められるものですので、まあ、現状児童買春が違法であることは知っていますが、一方で児童売買春が需給関係として成立している一面もあり、これを徹底的に取り締まれば犯罪は地下に潜り、国外へ流出し、より弱い立場の者を虐げるだろうとも予測してしまうわけです。勿論世界の全てが美しく綺麗になればそれがいいんでしょうがー、現実問題として無理ですんで、どこか社会的に受容できる妥協点捜しとかした方が良いのではないか、と思わなくもない、と。

 スペインがイラクからの撤兵を実行に移すようで、色々議論になっていますね。
 日本としても、選択肢の一つとして、撤收案ってのは作っといても良いとは思うのですが、やはり政権交代を伴わないと対外的には説明つかないかなぁ。
 政権を交替しうる野党が存在しないと、こういう方向転換が難しくなるんだよなぁ。
 野党は与党にとっても必要な存在だし、何より国民の政治意識を高める効能がある。単独政権を長期に続ければ政党は腐るし、国民は政治への関心を失うし(「どうせ何も変わらないさ!」ってね)、なにより硬直化して柔軟性を失うしで、ロクなことがない。
 少数多党でも二大政党でもいいんですよ。適度な間隔で政権が交替すること、ただそのことにも意味があるということも考えて欲しいものですな>長期政権与党


2004年4月20日(火曜日)
 公約(?)通り連休前に出ましたね>原稿プロセッサ
 でも出るのが二年遅いよな……。
 そもそも単体で意味のないアプリケーションだし。
 これで喜ぶのって、本当に「原稿だけ書けばいい」作家だけだよなぁ……。
 気を取り直してつらつらと仕様を眺めていて、「中央の空き指定」という所で引っ掛かる。これはもしかして、いわゆる400字詰め原稿用紙の中央の柱「版心」の事を指しているのかな? 版心の幅が設定できる割には、魚尾も象鼻も設定できないってのは、些か不審だけど……。
 ちなみに、コクヨの400字詰め原稿用紙なんかの真ん中で原稿用紙を左右に分けている中央の柱の部分を「版心」と言い、その版心にくっついているスミ括弧様の印を「魚尾」と言います。これを目印に紙を折って製本した、かつての装本の名残です。で、魚尾は上下に二つあることが多いのですが、その魚尾によって分かたれた部分を「象鼻」と呼び、ここに本の題名や頁数が入ります。
 ま、こういったことは古典籍に親しんでいれば常識でしかありませんけどね。
 それはともかく、取り敢えず買うだろうけど……使い道ないなぁ。それとも夏コミに無理矢理これで新作書いてみるか?

 仕事帰りに映画を観に行きました。
 この春最大の話題作、一時は公開すらも危ぶまれたという、かの怪作「東京原発」です(笑)。
 都民に人気のカリスマ都知事(モデルは言うまでもなくアノ御仁)が、逼迫する都財政を一挙に解決すべく原発の誘致を発案する……というブラックなネタ満載の映画で、不健康な笑いが一通り楽しめます。低予算でセリフは長いし説明臭いし反原発色は明確だしと、多少観客を選びますが、観といて損はないと思います。
 ところで、劇中であったように、本当に「最大の電気消費地のすぐ側、東京都心のド真ん中に原発作ろうぜ!」って都知事が言い出したらどうしましょうか? 私は諸手を上げて賛成するでしょうねぇ。火力発電所が湾岸にあるのに、原発が都心にあって悪い道理はない筈ですよ。なにしろ原発はクリーンな未来のエネルギーで、神話になるくらい安全だってことになってるんですからね!
 話は途中からいきなりMOX燃料の核ジャック犯との対決に流れ込んでいって、このままハッピーエンド型「ちょっといい話」で終わるのかなぁと、ちょっと味気なく思っていたら、最後の最後に特大のブラックネタがあって、笑わせてもらいました。
 ブラックなコメディ好きな人は必見です。

 原子力ネタって面白いんだけど、色々圧力もあって、「原子力宣言(嘘)」が閉鎖されちゃったりしたように、アンタッチャブルな所ってあるんですよね。
 そういえば、チェルノブイリの周辺、住民が疎開させられた跡地をバイクで巡りながら撮影している女性カメラマンのページなんてのがありましたっけ。
 原子力事故がもし日本で起きたらどうなるか……それを想像すのに良い資料だと思います。
 ソビエト時代のまま時を経ることなく朽ちていく街の姿は、「GHOST TOWN」の他にちょっと形容する言葉が見つけられないですね。


2004年4月21日(水曜日)
 今月一日から営業を開始した隣国のKTXなんですが……『高速列車で踏切事故多発 「速すぎて避けられず」』なんて報道が。
 開業以来既に踏み切りで三件の死亡事故が発生って……幾らなんで多すぎやしませんでしょうか? 単純計算だと、開業一周年を迎えるころには50人くらいの犠牲者が出てるなんてことになりますぜ……。

 そう言えば、今日から西宮冷蔵が営業を再開したとか。雪印食品の牛肉偽装犯罪を告発したがために業界から爪弾きになって休業へ。正義はどこにあるのかと問いたくなるような話でしたが、とりあえず無事(?)営業再開を喜びたいと思います。


2004年4月22日(木曜日)
 「「人工眼」試作品が完成 7年後の実用化目指すなんて報道があった。こりゃ凄いや。
 もちろん今のところは16画素なので実用などまだまだ先の話ですが、将来的には後天的な原因での失明にある程度治療が可能になる可能性を秘めています。私自身も相当目が悪いので、いずれこういった技術の恩恵を蒙ることになるかもしれません。
 しかしこの技術が今後進歩していくと、ズーム機能付きとか望遠機能付きとかマクロだ赤外線だ光電子増倍管だと、肉眼を遙かに超える視覚を得ることも可能になるんでしょうかね。レーザー発振器を仕込んだりビーム砲を内蔵させたりといった芸も楽しいでしょうなぁ。
 え? 誰ですか、ラフォージ大尉って? TNGなんてボク知りませんヨ。

 富士通サムスンがプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造特許問題でガチンコしてますね。別にどちらの企業にも思い入れはないのですが、報道がやや変な調子なので、あちこち調べてみました。
 表沙汰にはならなかったけれど、数年前から富士通はサムスンに対して特許料の支払を求める交渉を行っていたようです。それに対し、今年の二月にサムスンが米国において富士通の特許が無効であることを確認する裁判を起こした。それに対する対抗処置として富士通はサムスンに対し日米で特許訴訟を起こした、と。で、富士通は税関に対し輸入差止措置を申請し、これが認められ、サムスン製のPDPは裁判の結果が出るまで税関で留め置かれることになった……。
 全く通常の措置で、裁判がサクサク進めば何も問題ないですね。日米で捻れた判決が出たりすると厄介ですが…。
 報道の色合いですが、日本では概ね、シェアNo.1の富士通日立プラズマディスプレイを猛追するサムスンSDIからシェアを守るために……という感じですか。韓国ではどちらかというと躍進する韓国を掣肘するために日本が起こした攻撃、って感じで受け止められてるみたいですねぇ。物の見方なんて立場で変わりますからどっちでも大した問題はないですね。
 要は特許侵害があるのかないのか、ただそれだけで。
 個人的な感想ですが、この10年のプラズマディスプレイの研究と進歩を毎年のようにNHK技研なんかで見てきた身からすれば、どうもサムスンの言い分には首肯しかねるものがありますね。
 あと、サムスンやLGといった韓国企業の異様な営業利益率には以前から不信感も抱いています。製造業で22%の営業利益率ってのは、かなり変です。準独占企業級ですね。

 裁判といえば、圏央道のあきる野インターチェンジ付近の事業認可と土地收用を取り消す判決を東京地裁が……というより、藤山雅行裁判長が出しました。
 いい加減、この人弾劾しようぜ……。
 昨年10月の判決といい、この人の判決って高裁・最高裁であっさり覆っていて、恐らく今回もそうなります。勿論、より公正な判決を期すために三審制が導入されているのであり、他の裁判所と違う考えを持った裁判官の存在は必要なのですが、この人の場合明らかに何か国を目の敵にしているとしか思えない判決出すんですよ。「行政敗訴の藤山」「国破れて三部あり」(藤山氏は東京地裁民事三部総括だった)などと言われるというのは、どれほどの偏りがあったわかろうというものです。
 繰り返しになりますが、多様な意見があることは良いことです。しかし、「また藤山か!」などと言われるような、また「藤山狙い」で訴状を出される、周囲から明らかに偏向していると判断されている方が裁判官として権力を担うことは、訴える側、訴えられる側、双方にとって良い結果を齎すとは思えません。
 幸いにもというべきか不幸にもというべきか、藤山裁判長は医療訴訟集中部へ異動になりましたので、今後こういった行政判決は下りないと思いますが、今度は医療訴訟で病院敗訴が連発するんじゃないかと、関係者は気が気じゃないでしょうね……。


2004年4月23日(金曜日)
 天気予報は一日保つと言っていたけれど、天気図を見る限り信用が置けなかったので、電車で出勤した。
 結局東京都心では降らずに終わった。

 右翼団体「日本皇民党」の街宣車が、大阪の中国総領事館に突貫して炎上するというとんでもない事件が起きました。大阪府警で何人処分されるやら……。
 テロを未然に防ぐのは非常に難しいんです。突っ込んで来る自動車を止めるのは、はっきり言えば現在の警察官の装備では不可能です。そこでもしこの車に爆発物が満載されていたら…どうなっていたと思います? それが自爆テロの恐怖という奴です。
 ただでさえこの糞面倒な時期に、「日本では車輛での自爆テロが容易だ」なんて話が広まったら、次に狙われるのはどこでしょうかね。かといって、“突っ込んでくる自動車を一撃で鉄屑に変える”ような装備を警察に持たせるのも不安ですしねぇ。

 6月19日付け(実質18日)での契約終了が決まりました。そしたらまた暫く隠居生活です。


2004年4月24日(土曜日)
 沈黙のシールドマシン展に行ってきました。レポート書いたんで、今日の日記はこんだけで勘弁してちょ。
2004年4月25日(日曜日)
 東京国際ブックフェアに行ってきました。
 ビッグサイトに行ったらキャラフェスなんぞが向いのホールで開催されていたが、客の入りが全然なくって、すかすかだった。TIBFの方は、例年並みの入り。
 適当に会場を経巡って、午後暫くしたところで糸野と遭遇。なにやら彼の知人と引き合わせられた。

 その後、秋葉へ行ってちょっとお買い物。
 怪しい露店で怪しいお買い物。

 大修館の「日本語大シソーラス」、凄く良いんだけど、紙媒体しかないのがネックだよ。大修館の人にも言っといたけど、こういうものこそ電子化してなんぼだと思う。


2004年4月26日(月曜日)
 出張途中の電車の中で、養老孟司の「死の壁」をほぼ読み切る。
 うーむぅ?
 なんでこれがベストセラーなんやろ?
 内容があまりにもマトモ過ぎてつまらないくらいだ。
 個人的には、養老孟司を読むくらいなら一休宗純でも読んだ方が良からんやと思うのですが、一休さんは毒が強すぎますかねぇ? 養老孟司も結構な毒だと思いますけど。

 外務省が、イラクで最初に人質になった三人にドバイでの診察費や滞在費として約198万円を請求している、という報道があって、ちと驚き。
 あの三人について、私は彼ら自身にも非があるとは思っていますが、だからといってかかった経費(のごく一部)を請求するのはいかがかと思います。良くも悪くも彼らは犯罪の被害者でもあるわけですし、何より邦人の救出は国の義務だ。
 外務省の避難勧告を無視した結果犯罪に巻込まれたのであっても、救出は国の義務だ。
 喩えどれほど腸が煮えくり返っていたとしても、「国の義務ですから」と一言で切って捨ててこその中央省庁でしょう。
 まあ今回の一件については気持ちはひっじょーに良く分かるんですが、中長期的に見て、全く何も請求しない方が良い結果を齎すのではないかと思います。
 必要なのは相互信頼の醸成なんです。NGOが存分に活躍できるのは、背景に組織や国のバックアップがあればこそですし、国や国連機関なども小回りが効かないところをNGOに頼っているわけですからね。


2004年4月27日(火曜日)
 あらりあさん日記から誘導されて、社会経済生産性本部の「第15回 2004年度新入社員 意識調査」を見ました。
 へーそれで?って感じかなぁ。
 なんか新入社員の倫理意識がどうこうって言ってたけど、給料分の忠誠を誓うのは当然のこととして、社是がコンプライアンスなんざクソクラエって会社だったら、新入社員のみならず、社員だってそれなりに馴染むでしょう。どこの会社とは言わんけど、他所から社長が入って来るまで欠陥をひた隠しにしてた会社もあるわけで。
 むしろこの御時世、「上が白と言ったら黒でも白」って態度の方が生きやすいんじゃないかなぁ。雪印を告発した西宮冷蔵がどうなったかとか、あるいは浅田農産みたいに会社ごと潰れちゃったとかいう話になると、従業員としては正に一蓮托生、時には毒を喰らった以上は皿まで食わねばならぬという覚悟も必要になるでしょう。
 そういう意味で正確に世相を反映してるんじゃないかと思うんですが、どうでしょ。
 少なくとも私は、「誰が強要しようと、肯ずるな。己の信念を貫け」なんて言えませんし、そんな生き方が正しいだとか素敵だとかこれっぽっちも思いません。そんな人間は眞っ先に死ぬだけです。
 ナチのパリ入城を歓呼で迎えた奴等が、ナチが出ていったら協力者狩りをする。大日本帝国下で成功した奴が、「光復」のあとは反日派を名乗る。昨日まで鬼畜米英を叫んでいた連中が、マッカーサーを歓迎する。気に入らない奴を秘密警察に密告してた奴が、レーニン像を破壊する。バアス党に投票していた連中が、サダムの銅像を引きずり倒す。
 これが人間の自然な姿ってものです。そうでなかった信念の人は大抵墓の下なのですよ。
歴史とは下劣さと残酷さの織り成した一枚の布であって、そこには、ところどころに純粋さのしずくがほんの僅か光り輝いているというほどのものだ」シモーヌ・ヴェイユ(Simone Weil, 1909-1943)

2004年4月28日(水曜日)
 祝>Episode VI邦題改名

 ミツルんblogより、「わからないかなぁ」の話。
 概ねわかんないのではないかと。
 で、秋葉原駅なんざ行ったことねぇよ、という方のために、駅構内図へのリンクを貼っておきますが、一歩間違うと「エッシャーの騙し画か?」と言いたくなるような構造です。線路を引いてから、その隙間に駅を造ってみました、とでも言うか。
 JR東日本の京浜東北線、山手線、総武線が交わるこの駅には、さらに東京メトロ日比谷線秋葉原駅が連絡しており、都営地下鉄岩本町駅も近い。もう何年かするとつくばエクスプレスまで開業する。
 それでなくても秋葉原オタク街という世界的なオタク産業集積地の集客効果によって利用者数の多い駅だ。導線が複雑な現在の駅構造は、わかる人にとってもわからない人にとっても迷惑な話だと思います。
 秋葉原駅の場合、駅の構造を知っていないと案内板の表記に納得することができず、かといって駅構内図を表示すると空間把握能力にやや難がある人は立ち所に混乱することでしょう。ミツルんのように職場がアキバ、みたいなヒトには理解しにくいことかとは思いますが。


2004年4月29日(木曜日)
 昭和節、ということで、Sio姐御主催のハイキング部で奥多摩へ。参加者はSio姐御、和人さん、風間さんDaikiさんミツルん(敬称略)に私の6人パーティ。
 JR青梅線は軍畑駅から青梅駅までの、青梅丘陵をひた歩く初心者向けコース。
 今回初心者もいることで、スローペースかつ休憩を多目にとりながらのゆらり行程。
 軍畑を10時40分か45分かそのくらいに出立して、榎峠やら雷電山やら辛垣城跡やらを踏破してまったりと昼食。その後も休み休みの道行きさんで。突然山中に太陽聖髪塔が見えてきてビビったりしながらも、最終的に青梅鉄道公園へ到達。
 青梅駅近くの「夏への扉」という喫茶店でケーキセットを頂いたり、その後青梅駅付近の雑多な雑貨屋やら何やらを冷やかして戻りました。
 明日、仕事大丈夫か、俺……?

 昨日のことになりますが、羽田空港に奪った自動車で特攻して、さらに次々と車を乗り換え、最後にゃリムジンバスまで奪って空港内を暴走し、果ては犯人が東京湾に身投げして死ぬという、あんまりな事件がありました。
 どの辺があんまりかというと、対テロって何よ?って辺りが。
 自動車が特攻して滑走路敷地内に入ってきてから航空機の運航停止まで20分もかかったなんて言われては、もうどうしょうもありません。余りの幸運に、信じてもいない神に感謝を捧げたいくらいです。
 ここ半月ほど、自動車による特攻事件が相次いでいるのですが、今回もまた警視庁やら国土交通省やらで責任取らされる人がどっさり出そうですな。後手に回っているくらいならともかく、これじゃ「無能」と言われてもしょうがないのではないかと。
 そもそもテロなんてものは、実行する側が圧倒的に有利なんです。なにせ、時間も場所も選び放題だから。基本的に後手に回ることになる守る側は、全力を尽くしてもまだ足りないんですよ。
 守れなかったことが問題なんじゃないんです。
 少なくとも再発が防止が期待できる結末を迎える必要があったんです。それがなんですか、今回のは。空港と警察は最後の最後まで事態を把握できないまま、犯人をあの世に取り逃したんですよ。
 事態の把握できなくてもいいから、能動的に事態を收束させなければいけなかったんです。それができなかったというなら、最低限の仕事ができなかったと言うことです。
 テロに対するマインドセットが足りてないのでしょうかね。

 対テロで必要なのは、「人狼」に出てくる首都警みたいな連中なんですがね。


2004年4月30日(金曜日)
 僅かにだるい体に鞭打って自転車に乗る。3kmも行かないうちに、調子が上がって快調。
 ところで、朝ジュンク堂の前を過ったら、行列ができてました。一体何だったんでしょうね?

 イラクで人質になった今井、郡山両氏の会見がニュースで流れていた。うん、概ねいいんじゃない、ってとこかな。ちょっとナーバスになってる感じはあったけど、変なこと口走らなかっただけでも御の字でしょう。
 個人的に興味があったのは、彼らを拉致した集団について。やはり当初の予想通り、テロリストというよりゲリラ、より正確には民兵組織に近いようです。それはつまり交渉可能な相手ですね。国として接触が持てているかどうかは不明ですが、チャンネルが確立しているのであれば、交渉経路の維持は必要な相手ではないでしょうか。米国流の鉄拳によるコミュニケーションも宜しいでしょうが、日本が真似する必要はないですからね。
 しかし、このまま米軍にどこまで付き合うのか、いい加減真剣に考えないといけないだろうねぇ。一応米国国務省国際テロリズム報告に北朝鮮による拉致被害を載せることには成功したわけで、日本から見て自衛隊イラク派遣の成果はそれなりに出てる形になってるだけに、余計引き際が難しいなぁ。北朝鮮問題を解決するのに米国の力が必要だから自衛隊をイラクに派遣して米国に協力している、という枠組みがある以上、おいそれと撤收するわけにもいかないのが悩ましい。米国も分かってて駆け引きしてるし(笑)。
 米国を恃まず北朝鮮問題を自力で解決するってのも、現状非現実的だしね。
 やっぱ政権交替が一番楽なんだけど。

 先月紹介したPFUPD-41PM160M1ですが、5月下旬から一般販売の予定があるようです。こりゃGetかな。