哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2005年10月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2005年10月1日(土曜日)
 そういや、今日から道路4公団が分割民営化ですか。
 色々気にはなりますが……まあ、何年かは様子見ですかね。営利企業となれば、談合などは減るんじゃないかと期待できますから。
 個人的には高速道路自体は無駄だとは思ってないんですよ。それどころか、作るならもっと盛大に、かつ豪華に作るべきだろうと思います。対面二車線の高速道路だとか、謎のC2とか。Genesisさんじゃないけど、有事に滑走路として利用できるものをという考えでもいいですし。
 ただ、もっと低コストな維持管理ができた筈だと。
 無駄というなら、農水省の広域農道だの農道空港だのの方がよっぽど無駄だったわけで……。

 政教分離の話。
 以前馬鹿馬鹿しい話を紹介したことがありますが、数年前からフランスでもムスリムの少女が学校へ通うのにスカーフの着用を禁じられたというのもありましたな。トルコ議会で女性議員がスカーフを着用するのしないので揉めてた記憶もあります。
 前にも書いたんですが、完全完璧な政教分離は不可能です。
 公共事業の起工式に神主を呼んで地鎮祭をするのは政教分離に反するからやめようぜとか、税金で作られた柔道場や剣道場には神棚を置いてはいけませんとか、無縁仏(引取人がいない身許不明の遺体)の埋葬に寺を利用してはいけませんとか、勤労感謝の日は新嘗祭だから廃止すべきだとか、言い始めたら世の中回らなくなってしまうんですわ。
 私個人としては、他人が何を信じようと、私に迷惑がかからない限りは構いませんし、地鎮祭や神棚程度なら許容範囲です(不参拝の自由を認めてくれれば)。公費から玉串料だの氏子代だのってのは困りますが、公職者が自腹を割く分には構わないと思っています。
 信教の自由の範囲内だろ、そんなの。


2005年10月2日(日曜日)
 7月に最終評価が終了したV-22オスプレイの調達が、いよいよ本格的に始まるらしい。CV-22ってことは空軍用か。海兵用のMV-22は少数の調達が始まっていた筈。
 ティルトロータの発想から50年。弛まぬ歩みこそが技術獲得への近道だと思い知らされます。
 日本などでは、こういったティルトロータの需要って軍民共に決して小さくないと思うんですが、果たして今後ティルトロータ/ティルトウィングが普及するのか、注目です。

 HOT WIREDに「切った尻尾も内臓も再生できる遺伝子操作マウス」という記事が。
 記事を読む限り、意図的に生み出されたものではなく、偶然の産物のようですね。
 写真見ると確かに再生しとる……。無気味や。記事によると尻尾の先とかも再生するらしいんだが、目に傷を付けたと書いてたけどもしかして目も再生したんだろうか。
 医学的には凄い発見だと思うし、人間への適用にはまだまだ何十年もかかるだろうけど……なんというか、感性的に無気味だな。


2005年10月3日(月曜日)
 そうか……元木も引退か……。
 ある意味、彼のような選手がサブに甘んじなければいけなかった所が、ジャイアンツというチームの弱さだった。
 毎年のこととはいえ……清原も拔けるし……これは産みの苦しみだと信じるしかないね。

 目が痛い。目が霞む……。
 視力また落ちてきてるなぁ。


2005年10月4日(火曜日)
 勝負あった、かなぁ……。>次世代光ディスク
 HD DVD支持だったParamountとWarnerが相次いでBlu-ray Discの支持を表明、と。
 部品メーカーなんかは両対応に動いているのは既報の通り。
 プレイヤの普及については、PlayStation 3があるBlu-rayが圧倒的に有利と見ますので、大勢は決まったと思います。

 「「はやぶさ」の姿勢制御装置(リアクションホイール)の不具合について」……ouch...。
 最初、3系統あるうちの2系統かと思ったら、冗長なしの3基ワンセットのうち2基が死んだ話だった。うげー……。あんな所まで飛んでいくのに冗長系なしだったのかよ。
 今後基本的に姿勢制御には推薬を必要とするようになってしまいますので、サンプルリターン、特に帰路が非常に厳しくなりますね……。


2005年10月5日(水曜日)
 「中国軍艦が砲身向け威嚇−警戒監視中の海自機に……。戦争をおっ始めたいのか?>中国
 そっちがその気なら、今後P3Cの護衛に、93式空対艦誘導弾(ASM-2)を搭載したF-2を飛ばすぜー。(こうやって戦争はひたひたと近付いてくる)
 真面目な話、もし射撃管制レーダーを当ててたら、その時点で開戦だよ?
 中国側にはきちんと国際法を学んだ士官はいないのか?

 「高校に教員養成の新学科 京都市、07年度に開設とかいう記事が出てて、なんだかなぁ、と。
 今、教育界に求められているのは、専門特化した人間を増やすんじゃなくて、組織の柔軟性と生存性を高めるために間口を広げることなんじゃないかと思うんですけど、違いますかね。
 先日も「指導力不足:男性教諭を隔離部屋で研修 道立高の校長ら」と、一体どこのパソナ・ルームかと正気を疑うような記事が出ていて、研修を受ける側も研修する側も等しく駄目じゃんとか思いましたよ。そういう隔離部屋研修を実行しちゃうようなのが校長なんじゃあ、そりゃあんた、下も似たようなもんでしょうや。


2005年10月6日(木曜日)
 “違いの分かる漢”はくほー氏は「違いが分かったからといって必ずしも幸せにはならないだろう」と曰ってるわけですが、個人的には違いが分かることは、幸福追求のスタートラインに立つ権利を得たということではないかと思う。実際にその権利を活かすかどうかは、本人次第、と。
 もっとも、幸福追求の路が平坦ではなく、それどころか断崖絶壁の峻険なる剣が峰なんて話はザラにあって、たとえ突貫しても、志半ばにして倒れること無く頂に辿り着けるやら、甚だ心許なく感じることもあるだろう。それが故に冷静に投入する労力に見合う成果が得られるかどうか勘案し、諦めるのも選択の一つだし、それを責めるのは狭量に過ぎるというものだ。
 もっとも、諦めた以上は自らの不幸を嘆く権利はないわけだが。
 それにしても白鳳氏の知り合いには、奇特な“違いの分かる”人が多いらしいな。私に心当たりはないわけだが。

 里見くんの日記経由、「上野まちナビ実験」。申込みしたいんだけど、予定が立たんなぁ。
 あと、どっちを選ぶかだけど、コンテンツが面白そうなのは恩賜動物園の中の方かなぁ。

 ふらりと本屋に行ったらTRONWARE vol.95が出てたので回收してくる。
 中沢けいさんの寄稿「原稿用紙と正書法」が興味深かった。
 舛目を持った原稿用紙は、それ以前の木版印刷の様式を受け継ぎながら、活版印刷が普及した明治に誕生したわけだが、PC、そしてPC上のDTPの普及によりその役割を終えつつあるようだ。また、同時に正方形の字面が基本であった日本語書体も、横書き用のプロポーショナルピッチフォントが増えつつあり、これによって「字数×行数」という日本語の形態が破壊されつつある。
 この辺は時代の趨勢もあるだろうが、一方で保守的な動きもあり、両者が綱引きをしつつ、徐々に変化していくのだろう。
 個人的には、縦組の時は専ら固定ピッチ等幅で組むが、横組のときは欧文との兼合いもあってプロポーショナルで組んでしまうことが多い。(ただ、横組で美しい日本語のプロポーショナルフォントが希少だという問題はある。この辺がまだ過渡期ということなんだろう)
 しかしこうなると、一体日本語の文章量をどうやって計数しようか、という点について確かに問題が起こる。400字詰め原稿用紙と実際に組まれたページの量に関連性が薄くなってしまうので、400字詰め原稿用紙で計数する合理的理由がなくなってしまう。かといって日本語には分かち書きがないので、欧文のようにwordを単位とする訳にもいかない。文字数を単位とする問題は、中沢さんが稿中で触れている。
 と、ここまで書いてふと昔のことを思い出した。
 私が初めて欧文組版に触れたときに抱いた素朴な感想なのだが、文字そのものの文字幅が不定で、行末を揃える為に途中の空白の幅も不定で、当然一行に何文字入るかは分からない。じゃあ1ページの行数は決まっているのかというと、widow/orphanといった禁則ルールがあり、時には行数が変わってしまうことが「正しい」組み方である。論文なんかだと、これに脚注が入ったりする。一体どういうやったら全体量(枚数)の算出ができるのか見当もつかなかった。今でも良く分からないので、DTPに任せてトライ・アンド・エラーを繰り返したりする。
 現在日本語の正書に起こっている変化は、この欧文組版の取込によって起こっているのではないか、それは横書きの普及によってもたらされているのではないか……と思ったが、根拠はないので、今の所は書きっぱなしにしておく。


2005年10月7日(金曜日)
 昨日の読売新聞の見出著作権訴訟の判決文がまだ知財判決速報に載ってない。週明けるかなー。もうちょっとこの辺早くなって欲しいもんだが……。
 見出しに著作権が認められるかどうかなんて、常識的に法律照らし合わせればNoだと思うけどね。よっぽどのことがない限りは。

 そう言えば、見出しじゃないけど、今年日本での著作権が切れた「星の王子さま」(原題:Le Petit Prince)については色々揉めてたみたいだなぁ。元職場の関係で言及は避けてたんだけど。
 一般的に書籍名には著作権は及ばないんですが、「星の王子さま」は訳者(内藤濯氏)の造語なので(直訳すると「小さな王子さま」だから)微妙なところがあったりなかったり。
 他にも色々、サン=テグジュペリの著作権はフランス本国ではまだ生きているとか(なにやら可算があったらしい)、著作権を管理している財団の日本代理人が「星の王子さま」を商標登録してたりと、いやもう、本当に「色々」あるんですよ。
 触らぬ神に祟りなし。くわばらくわばら。

 「キリンの「コーナーカットカートン」がニューヨーク近代美術館(MoMA)に展示」という報に、素直に驚きと賞賛を。
 何が凄いって、いくらテーマがテーマとはいえ、こんな段ボール箱を探し出して展示しようっていうニューヨーク近代美術館の姿勢が凄いよ。
 美術芸術にはとんと疎い人間ですが、こういうのには素直に感心します。
 ……酒屋の店頭で「MoMA出展」とかPOP付きで売られるんだろうか?>酒

 全国各地で、「改造エアガンによる発砲事件」が立て続けに起きているのですが、ここでいう「エアガン」ってのは「エアソフトガン」のことですよね。エアガンというと、法律上は「空気銃」のことを指してしまいます。射撃競技に使うエア・ライフルやエア・ピストルは、狩猟用のものもあるくらいですので、改造しなくてもそもそも殺傷力があったりします。所持には所轄警察署の講習会を受講し、許可を受ける必要があります。
 今回話題になっているエアソフトガンの方は、多くはφ6mmのプラスチック製の弾丸を発射するもので、玩具として売られているものです。当然威力には規制があり、改造しない限り本来は殺傷力を持つものではありません。
 日本では銃砲火器の所持が非常に厳しく、遊戯的に使える銃は玩具であっても余り良い顏をされませんので、昔は製造側も利用側も周囲に気を配っていたものですが……。自然分解するBB弾とか、フロンガスから炭酸ガスへの切替えとか。
 悪貨が良貨を駆逐していく一例なのでしょうかね、これも。


2005年10月8日(土曜日)
 パキスタンのカシミール地方で地震。
 パキスタンのみならず、インドやアフガニスタンでも被害が出ている模様。
 あの辺りって地震が多い地方だよねぇ、確か……。

 はくほーさんが職場の避難訓練に際して「この程度の訓練で有事の際に役立つのだろうか?もう少し、バリエーションというか、想定を増やした方が良いのではないだろうか。」って書いてたけど、こういうのって本格的にやろうとしたら金と時間と人がべらぼうにかかるからねぇ。
 火元から延焼する火災を想定すると、状況開始後時間の経過と共に状況が変化していって、使えない階段が出たり、「階段で将棋倒し事故発生。現在3Fと4Fの間に居る人は自力で動けない怪我人になりました。搬送して下さい」とか「6Fは煙に巻かれました。現在6Fに居る人は全員死亡です」とか、かなーり厳しいものになるんじゃないかと。各階に備え付けられている避難用器具の使用訓練とか、消火器の使用訓練とか、これに救命救急講習まで加えると、一体いくら金がかかるかわかりゃしない。しかも全部無駄に終われば一番良いときた。
 もちろんしないよりした方が良いのは間違いないんだけど、民間企業にそういうことをやらせるのも負担が大きいような気がするので、例えば小中高の学校などの避難訓練を、教育として充実させるなどの方策を取った方が良いのではないかと思った。


2005年10月9日(日曜日)
 「埼玉も「残虐ゲーム」指定 全国で2例目だそうな。神奈川でゲームが「有害図書」に指定された時に、この動きの拡散を懸念したもんですが、着々と広がりを見せているようですねぇ。
 どうも選定基準とか審議経過とか、疑問に感じる点が多いんですよね、この問題。実際に「グランド・セフト・オート」を真似て犯罪を犯した奴が出たのかとか、じゃあなぜ江戸川乱歩は許されるのか、とか(別に江戸川乱歩を発禁にしろとか18禁にしろというつもりはありません。恣意的な権力濫用が行われているんじゃないかと疑っているだけです)

 第2回DARPA GRAND CHALLENGEで完走4台ですか! 去年は1台も完走できずに終わった大会でしたが、凄いもんだな、技術の進歩は。

 NHKスペシャル「“約束の地”からの撤退 〜揺れるユダヤ人国家・イスラエル〜」が興味深かった。
 短視的にはガザ入植地撤退の問題なんだけど、現代史学徒の私としては、イスラエル建国にまつわるごたごた(さらにはその遠因となった欧州でのユダヤ人排斥運動)なんかから続く一連の問題という風に受け止めていたりする。
 番組を見てて、過ちを過ちで弥縫することはできない、なんて言葉を思い出した。


2005年10月10日(月曜日)
 体育の日でいいんだよね?(混乱しているらしい)

 東京モーターショーも近付いてきた昨今ですが、あれこれ雑誌を見て面白いなと思ったのが三菱自動車の「i」。
 リアもしくはミッドシップエンジン・リアドライブってのは、普通乗用車での成功例がVWビートル(初代)とかスバル360くらいしか思い付かんねん。どっちも乗用車としては黎明期の製品だわな。
 その他国産車でリアあるいはミッドシップの乗用車ってぇと……日野のコンテッサとかトヨタのエスティマ(初代)とか本田のZ(2代目)とか…ぱっとしない車が多いという印象が。そういや昔自分が乗ってたドミンゴもリアエンジンだったっけ。
 ポルシェ博士が特にリアエンジンに拘ってたけど、まあ要するに後輪駆動で駆動輪の側にエンジンを置けばドライブシャフトが要らないし、操舵輪たる前輪を駆動する時みたいに等速ジョイントも必要ない。理想的っちゃぁ理想的なんかもしれんけど、前述した通りの死屍累々って辺りが理想通りには行かない現実ってヤツを物語っているような気がする。
 スポーツカーには多いんだけどねぇ。
 リアもしくはミッドシップのエンジンレイアウトによるメリットってのは分かるんだけど、成功例より失敗例が多いってのは、きっとなにか別に大きな問題があるんじゃないかって気がするんだが……。
 ただ、電気自動車化とか考えたら、意外と面白いかもしれないとか思った。


2005年10月11日(火曜日)
 土曜日のBTRON Clubのスライドを作って終わる一日。
 本体はもう事務局に送ってあるんですが、実は規定を大幅にオーバーしたA4版13枚という無茶なシロモノです(爆)。一応、全部配ってくれるそうですが、そんなもん読み上げたらどんだけ時間があっても終わらないので、10分程度で駆け足で終わらせられるよう、スライドを……って、なんかスライドも13枚くらいなってるんデスケド……。ま、いっか図表中心だから。

 あらりあさんから名前バトンが……。このバトンブームっていつまで続くんでしょ。
 それはともあれ、いってみよーか。

1.あなたのHNは何ですか?
S.B.
2.由来は何ですか?
こちら参照のこと。
3.差し支えなければ本名もお願いします
こちら参照のこと。
4.本名の由来は何ですか
漢文読みにすると「善く之(行)く」という意味になります。
5.過去に使っていたHNを教えてください
なし。
6.過去につけられたあだ名を教えてください
なぜか私のことを「大魔王」と呼ぶ人(たち)がいます。
7.今までこの名前かわいいと思った名前はありますか?
特にないです。
8.一番大切な恋人にはなんと呼ばれたいですか?
特にないです。
9.HNと本名どちらが好きですか?
どっちも変わらないです。
10.また生まれ変わってもその本名でいたいですか?
名前なんて記号です。最近名前間違われても気にしなくなりました。
11.回す人
さて……誰に回したものか。昔からの知り合いは大抵ハンドルの由来知ってるんだよねぇ。
じゃあ、定番となっているのでカリーさんに回しとこう(笑)。

2005年10月12日(水曜日)
 頭痛と微熱。風邪かね。

 中国の有人宇宙船神舟6号は無事軌道に乗ったようで。
 国威発揚のためとはいえ、素直に羨ましいねぇ。
 日本はここ20年、米国宇宙政策のコバンザメを続けてきたわけだけど、結果的に停滞を余儀なくされているように見えますな。
 宇宙開発に失敗は付き物なので、失敗そのものが悪いとは言いません。でも自分達で方針を起て、自分達の足で進もうとするからこそ、失敗は実になるのだと思います。今の体制じゃ、この停滞の責任すら内部にはないじゃないか。


2005年10月13日(木曜日)
 ほぼ二日がかりで「9.11 生死を分けた102分」を読んだ。
 あの日あの時あの場所で起きたことを、その場にいた人達の視点を通じてモザイク画のように描いたルポルタージュは、正直言うと読み難い。主要な人物だけで数十人、トータルで350人以上の人間が登場する。しかしそれでも、WTCにいたと推定される1万5千人という人数のうちの極僅かということになる。
 それらの目で解剖されたWTCの「その時」は、混乱と混沌の中に引かれたいくつかの境界線で分けられていく。
 特に本書が力を入れているのは、「直接的にテロではない人為的な原因」についてだろう。ニューヨーク市警察消防の伝統的な不和、相互の連絡不行き届き、指示の錯綜、装備更新の遅れ、教訓の拾い損ね……などなど、どこの現場にもありがちな事柄が、あのWTCでは致命的な結果を招き寄せた姿を描いている。ヘリコプターは警察にはあったが消防にはなく、警察の無線は届いていたが、消防の無線はビルの上層には届かなかった。結果的に南タワー崩落の情報は消防官には届かず、北タワーの崩落に多くの消防官が巻込まれることになった。通れないと思われていた非常階段を通って逃げた者がいた一方で、その情報はどこにも伝わらず、911番へかけられた電話の多くは遺言になってしまった。屋上へ出る扉は施錠されており、ロックの解除は誰にもできなかった。
 他にもWTCビルの計画から設計、建設に至るまで様々な段階での安全に関るいくつもの欠陥や仕様変更が被害を大きくしたことも疑いない事実として浮き彫りにされている。特に、非常階段の数を三つに減らし、かつ一箇所に集中させるというのは、一発で全ての階段を使用不能にし、上層階からの脱出を不可能ならしめた。鉄骨の耐火試験は2004年まで行われなかったため、結局正確な建物の耐火性は誰も知らなかった。
 そして初期の救助活動において最も活躍したのは民間人であったと本書は語り、ジュリアーニ元市長やブッシュ大統領が警官や消防官のみを賞揚する姿を批判する。
 無論、あのようなテロ行為が起こらないに越したことはない。一方でまた同じような犯罪、あるいは災害が起きた時のことを考えるために、本書は非常に良い教科書となるだろうと思った。

 昨日京浜東北線蒲田‐大森駅間踏切で84歳の女性が遮断中の踏切を渡ろうとして電車に引かれて死亡した件。当初は「開かずの踏切」を横断しようとした単純な事故かと思っていたのだけれど、今日になって件の踏切は30分間以上遮断していると「こしょう」という表示が点燈するようになっていて、事故当時も点燈していた報じられていて、となると話は単純じゃなくなるなぁ。
 新聞記事によると、30分以上踏切が遮断されていると、自動的に「こしょう」表示が点燈するんだそうな。そりゃ渡るわな……。
 多分設置した頃には遮断機を作った会社では「開かずの踏切」なんてものを想定していなかったんでしょうけど。

 神奈川県、埼玉県ときて、とうとう東京都ですか。
 今日のクローズアップ現代でも賛否両論を採り上げていましたが、気になったのは松沢神奈川県知事の発言で、「可能性が否定できないから事前に抑止する」とかとんでもないことを言っていた。そういう予防措置はマズいだろう、予防措置は。
 その論法で行けば、社会主義や共産主義や宗教はかつて犯罪者を数多く輩出してきたから予防的に取り締まるとか、そういう方向に走りかねん……。私ゃそんな社会には生きたくないというか生きられないぞ。
 しっかりとした科学的研究に基づいて結果が出てから行うべきで、トンデモはあかんと思う。


2005年10月14日(金曜日)
 郵政民営化法案、参院でも可決、と。
 個人的にはこの可決こそが、参院の存在意義を奪ったように私には思えますが……。参院には衆院の動向に関らず信じる所を貫いて欲しかったです。

 「中国の電子戦機、再飛来 日本周辺で活動恒常化かとまあ、着々と圧力は高まりつつありますな。適当な所で手打ちをしたい所ですが、はてさて。
 一番怖いのは現場同士での偶発的戦鬪なんだよねー。自衛官の判断力には信頼が置けると思っているのですが、中国側の士官の判断力はわかんねぇからなぁ。
 防空識別圏(ADIZ)に入ってくるとは、やる気満々って感じだねい。空自はようやく那覇基地F-15Jを配備することを決定したばかり。陸自第1混成団を第15旅団に再編する予定です。問題は海自ですかね。勝連には掃海部隊しかおらず、那覇軍港は今んとこ米軍専用。今やあそこが最前線(の一角)ですから、もうちっと増強を考えてもいいかも。
 戦争がしたいわけじゃないけれど、ここで一方的に退くこともできない。話し合いが順調に進めば良いけど、期待薄なんだよな。


2005年10月15日(土曜日)
 朝一で「東京トンネリックス」へ出かける。地下30メートル、首都高の中央環状新宿線の建設現場へ。
 特に興味深かったのは非開削切開き工法でした。シールドマシンで掘った二つのトンネルの間を、開削せずに繋ぐもので、話を聞くだけで手間隙かかってるなぁと。ランプ(出入り口)を作るのにこの工法を使う、と。
 東京の地下って、とても素敵ですなー。

 初台から一旦新宿に出て昼食を摂った後、五反田はBTRON Clubへ。私の発表は恙なく終わる。これで文字コードとおさらばだと思うと嬉しくてたまらない。
 新年度ということで、蔵元から振舞酒がでる。


2005年10月16日(日曜日)
 朝起きると、扁桃腺が腫れていた。
 ついでにひどい腰痛にも襲われて、身動きがとれない。
 うぐぐ……。

2005年10月17日(月曜日)
 今日も腰痛が酷く、転がっている。

 首相が靖国神社に参拝したとかで、いきなり騒がしくなりましたなー。
 別にどうだっていいじゃんそんなの。首相個人の信教の自由の範囲内だろうよ。
 中国と韓国の反応も、予想の範囲を出るものじゃなかったなー。日本側になんらの痛痒を与えていない。靖国神社参拝に反発するのは中国・韓国・北朝鮮と、台湾一部勢力くらいで、殆ど実効力を持たないってことが日本側に知られちゃってるって感じかな。
 中国は何か対抗処置を考えているとか言ってますけど、できるのかなぁ。やったとしても痛いのは自分自身じゃないかという気はするね……。

 私ゃこれが日本の右傾化を示しているとか、軍国主義の再来がとかは思っていません。靖国神社への参拝を強要されているわけでもなければ、思想統制が行われているわけでもないですしね。所詮、首相が参拝したというだけです。しかも、戦後幾人もの首相が参拝していて、していなかった時期が最近あった、というくらいのものですし。
 危機感を感じるとしたら、むしろ周辺国の動向ですね。
 現在日本は軍縮と再編の真っ最中ですが、中国と韓国はもの凄い勢いで軍拡しています。中国の軍事費はここ10年以上、毎年10%以上伸びていますし、韓国も10%ほど伸びている上、今後一層の増強が中長期計画として決定されています。
 正直言いますと、今日本は軍縮ができる環境にありません。それどころか、領土問題やら海洋資源問題で一触即発の危機にあり、交渉によってこれを打開できる見通しは暗いのが(靖国問題があろうとなかろうと)実情です。
 別に戦争したいわけじゃないんですケドね……。


2005年10月18日(火曜日)
 ロシアから日本に宇宙技術で協同開発の申し入れがあったそうな
 難しい所だね。要するに、資金提供を求められていると思っていいんだろうけど、日本の宇宙開発ってそんなに資金が潤沢じゃないし。得られるものがそれに見合うかどうか。
 ただ、宇宙開発において一定の主導権を得ようと思えば、現在のような米国コバンザメでは駄目で、協同開発にしろ独自開発にしろ、米国非依存の技術を持つことが必要だからね。
 今、岐路にいる。

 「喫煙は「病気」 9学会、初の治療指針でございますか、はあ。
 いや、害があるのは知ってるし、吸わない方が良いことは知ってるよ。私も吸わないしね。
 でもねぇ……なんというか……。
 昔話をしようか。
 19世紀末から20世紀初頭、新大陸で吹き荒れた節酒・禁酒運動に於いて「飲酒は病気であり治療が必要である」「治療よりも積極的な予防が必要である」「飲酒は各種病気に繫がる」などの主張が繰り広げられ、州法や州憲法による禁酒から最終的に米国憲法修正18条へと繋がっていったわけです。当然医師もこの動きの中で小さくない働きをしまして、特に医学界から飲酒と精神病などとの関連性(それが正しいかどうかはともかく)が主張されたことが知られています。
 昔話はともかく、私辺りに言わせれば、禁煙の害が過剰にアッピールされているように思えて仕方ないです。煙草の害で人類が滅びるわけでなかろうに……。
 正直申しまして、煙草なんぞよりよっぽど緊急性が高く、かつ困難な病気の蔓延が日本社会に於いて進行しており、喫煙などは優先度が低いだろうと思いますな。

 「日本語破壊の一因は…」というコラムを読んだのですが、日本語の歴史的変遷を全く踏まえてないため、単に携帯を槍玉に挙げてるだけになってますな。
 ここ100年で最大の日本語の変化は戦後の国語改革で、それ以前とそれ以後の断絶に比べれば、若者言葉がなんぼのものかと思いますが。他にも明治期における近代日本語の搖籃期などは、現代人に当時の新聞を見せてどのくらいの人間が差し支えなく読めるものかと。
 この方は自分の気に障る「変化」を「破壊」と言い換えているだけです。


2005年10月19日(水曜日)
 腰痛が終わったと思ったら今度は結石かよ……(ぐるるる)。
 そして今日も鎮痛剤漬けの僕。

 復活への摸索が続いていたTSLですが、「国策の超高速船TSL、都が小笠原航路断念を正式発表ということで、正式にポシャることになったようです。
 残念です。
 そういえば先日のBTRON Clubで豪洲へ行ってきた坂村先生がINCAT社のウェーブピアサー(米軍のHSV-2 Swift)を紹介していましたが、INCATの高速フェリーは日本でも導入事例があったりするのですが、走波性が悪い、乗り心地が悪いなどの理由によって早々に運行を取りやめていたりします。
 しかし米軍でも導入するほどのシロモノですので、単純な話じゃないのだろうと調べていくと、どうもINCAT社の高速フェリーは元々近海・内海用であり日本のような波の荒い所での運用は難しいらしい。で、それを外洋でも使えるように全長を伸ばして走波性を上げたものが、米軍のHSV-X1 Joint Ventureだった、と。
 で、さらにこの辺の研究要約を読むと、キモはアルミ材の多用による船体の軽量化であり、その特徴的な船体形状は余り関係していないらしい。しかも走波性を上げるためには全長を伸ばさねばならず、全長を伸ばすと速力が落ちるという、なかなか難しい背反関係を持つ、と。
 TSRに当て填めて考えても、破綻のない研究だな。INCATの高速船は船体そのものを軽量化したのに対し、TSLはホバー浮上によって見かけの排水量を減らしている。あとは全長が速力に影響する。
 こうなると、浮上のためにエネルギーを使うTSRは凄くダメ技術っぽいな。

 「偽物の「ヤフー」にうそ記事、「中国軍、沖縄に侵攻」とだそうな。
 「悪質ないたずら」と言ってしまえばそこまでなんだけど、情況が情況だけに笑えないなー。“狼が来たぞ”じゃないけど、現時点で起こりうるんだから、あまりジョークとして決まってない気がする。
 交渉で打開できる余地がどんどん少なくなってきているのは事実。もちろん首相の靖国参拝は関係しているけど、なくても大差なかったろうね。中国側が求めているのは、日本の一方的な譲歩だもの。中国の主張する国境線を確定して、沖ノ鳥島を岩礁だと認めて、海底資源を全部差し出せば一応満足するかもね。でもその次は沖縄じゃない?

 夏見正隆の新刊「護樹騎士団物語II アーマンディー・サッシェの熱風のラストに、過去の占領支配を謝罪しろ!とか喚く、まるでどこかの民族みたいな隣領の領主が登場して、大笑いしてしまった。
 いやー、夏見正隆だね。
 ところで、「僕はイーグル」の続編マダー?


2005年10月20日(木曜日)
 日中間の懸案項目って何があったっけ、とつらつらと思い出してみる。
  1. 対中ODAの縮小・廃止
  2. 遺棄化学兵器処理事業
  3. 対中貿易赤字
  4. 中国の軍拡
  5. 尖閣諸島領有権問題
  6. 東シナ海EEZ問題(含東シナ海ガス田)
  7. 沖ノ鳥島EEZ問題
  8. 台湾問題への日(米)の関与
 こんなもんか? まだなんかあったような気もするけど、外交問題に限ればこんなもんじゃないかな
 1.については規定路線って感じになって、日本でも中国でも殆ど報道がなくなったから、恐らくこのまま推移するんじゃないかな。中国ではこれまでのODAを内国的に「賠償」と報じていた関係で触れたくないのかも知れない。
 で、1.の代わりに持ちだしてきているのが2.なんだけど、これも当初70万発と推定されていた遺棄化学兵器が、30〜40万発程度らしいと探査結果が出てきている。にもかかわらず中国側はもの凄い勢いで施設の建設なんぞを求めてきていたりする。中国側の要求を全部呑むと、なんでもODAと同額くらいになるらしい。
 3.については、もしかしたら今年で終わりかもしれない。JETROの発表によれば、2004年統計で、香港経由を合せればほぼとんとんということなので、人民元の切り上げがあったので、解消の方向へ向かうんじゃないかと。
 で、解決が難しそうなのが4.〜だねぇ。単純に外交でどうこうというレベルの話じゃないからなぁ。理想を言えば、フォークランドみたいな限定紛争で優劣をはっきりつけた方がいいって感じになりつつあるんだよな……。嫌らしいことに。

 資料漁りしてて見つけた沖ノ鳥島。勿体ないからここにリンクを張っておこう。

 実に何もないというか、絶海の孤島というか、予備知識なしで見たら、一体何が悲しくてこんな小島を必死こいて守らにゃならんのかと思いたくもなるわな。
2005年10月21日(金曜日)
 「朝日新聞、靖国問題で社内乱闘…40代社員が暴行ですか……。靖国参拝問題風情で殴り合いの喧嘩ができるとは、隨分アツいんですな、朝日新聞の政治部は……。全治10日の上に携帯を破壊といえば立派な暴行傷害&器物損壊ですが、やった記者さんの実名は出ていないようです。

 財政制度等審議会教育職員人材確保法の廃止で意見の一致を見たんだそうですが……一部報道によれば、教職員の削減も指摘されたとか。
 暫く前に書いたことがありますが、公務員の削減計画が暴走しているような気がします。G7諸国に比べて日本が特段に公務員が多いという事実は認められません。それどころか、警官、軍人(自衛官)などの単位人口当たりの人数は最低クラスです。治安・防衛の強化が必要とされているにもかかわらず、です。さらに新たな公共サービスの充実が叫ばれている所でもありますし、教育分野においても少人数学級の実施など、教員の増員が必要な施策が提言されていたりもするわけです。
 仕事量に対して適切な人員を配置しないと、このままでは行政サービスそのものが崩壊しかねないと危惧します。
 必要なのは、適切な人員配置と評価、效率的な運用であろうかと思います。
2005年10月22日(土曜日)
 初っ端から濃霧コールドゲームとはしょっぱい試合しとるな>日本シリーズ
 まあ、7回裏途中で1-10なら、放っておいてもマリーンズの勝利だったろうけども。

 これは本気で売ってるのか?>LAND WALKER
 さんぜんろっぴゃくまんえん?

 ワンチップMSX、ついに商品化、との
 お値段は20,790円。これはお買得だね!(怪しい深夜通販番組かい!)


2005年10月23日(日曜日)
 早くもTSL軍事転用しようとする動きが。調達・運用のための費用が防衛費以外から出るんなら、反対はしませんがね……。
 現状自衛隊にこのような艦が必要だとは思い難いのですが……。ただでさえ予算削減でひいこら言っている自衛隊なので、こういうお荷物の押し付けは困ります。

 「ソウルの表記「首爾」に 中国、「漢城」から変更だそうで、今度は忘れ去られずに終わったようです。ソウルは旧称漢城ですが、京城、漢陽などの異名があります。通じりゃとりあえず何だっていいじゃないかと思うのは、歴史学徒の悪い癖ですかね。字面が問題なんじゃなくて、それが示すものが一致しているかどうかが重要なんだと。
 そういえば韓国では最近、ソウルを流れる漢江の漢字表記を「韓江」に変えようという動きがあるそうで、歴史を大切にする民族って大変だなー(棒読み)とか思ったりします。所詮他人事だからね。

 なんか久しぶりに更新されてた>某若人
 礼拝例会に来てなかったから熱が冷めたのかと思ったら、そうでもなかったらしい。しかし、もう少し勉強しようや。
 矢代さんも突っ込んでたけど、「OSというのは端的に言うとライブラリの集合体です」というのは適切じゃなくて、「OSというのは端的に言うと機能サービスの集合体です」と言うべきだろうか。ライブラリは各種機能の提供形態の一つに過ぎないからね。あとは矢代さんのツッコミを参照のこと。
 それから、オープンソースを過大評価し過ぎている面があるね。BTRONのように、人的リソースが余りにも貧弱だと、オープンソース体制を管理する手間だけで他が何も動かなくなる可能性があると思うなー。別にオープンソースを否定しているわけじゃないよ。ただ、オープンアーキテクチャですら現状満足に進んでいないのに、オープンソースにしたら順調になるだなんて考えるのは甘すぎだろう。

 グラフィクス系が貧弱なことについて。
 今のまま強化したらエラいことになるからやめてくれ。
 やるなら次のBTRONで座標系からやりなおした上でやってくれと。

 他にも、超漢字でMP3ってのは不可能じゃない。やったことないけど。Sound Blaster Pro互換のカードっていわれてもアレだけどね……。

 「超漢字買ったらいっぱいダメ出ししてやるぞ。
 その意気や良し。
 でも自分の間違いも訂正しとこうな。


2005年10月24日(月曜日)
 いつぞや紹介したMITAKAがいつの間にかβ4になってた。

 きさらちゃんあらりあさんさとみくんなど、“優しいモヒカン族の皆さん”による十字砲火(支援砲撃?)。私はモヒカン族じゃないし人外でもないけれども。
 ところできさらちゃん談「他人には茨の道かもしれませんが、意外と心地よいかもね。」。僕ぁイヤだなー、そんな生き方。安穏に閑居し、晴読雨読の隠居人生を送るのが、僕のささやかな望みですからして。

 「マンション入居者用録画システム、販売差し止め命令ですか。なんか去年も似たような事例があったな。
 代替となる正規のサービスが既にある、というなら分からんでもないのですが、現状これらの判決は消費者利益を損なうという側面があるのも事実なんですよね。
 例えばBBCiMPというTV、ラジオ番組をネット経由で放送後1週間視聴できるサービスを展開しています。こういうサービスが既に行われている上で上記のような判決なら全く同意できるんですが、日本の現状はね……。
 NHKには、こういうサービスこそお願いしたいものなんですがね。


2005年10月25日(火曜日)
 書店で「1リットルの涙」というコミックを見掛ける。
 はて……この表紙絵は紺野キタにそっくりだが……「KITA」って名前も紺野キタを連想させる。シュリンプラップされていて中身が確認できない〜。一齣でも見れれば確認できるのに〜。
 仕方ない。買うか。

 やっぱり紺野キタでした。

 韓国の外交通商部長官って、大変な仕事だよなー、とか、「韓国外相、一転27日来日 国益重視、政策協調へ」なんて記事を読みながら思ったりする。
 潘基文外相については過去にもその職務の困難さに同情したことがありますが、最近もまた不敏でねぇ。
 靖国問題でどれほど韓国が大騒ぎしたところで、実質的に日本へ何らかの圧力をかけられるかというと、難しいというのが本当のところだし。頑張って軍拡してるのが圧力っちゃ圧力か。でももし軍拡競争に日本が本気で乗り出すようなことになれば、先にギブアップするのがどちらの国であるかは考えるまでもない。
 結局のところ、日本がどうあれ韓国がどうあれ、善隣関係を維持することが韓国にとって必須であり、関係改善を韓国側から働きかけにゃならんというのが悲しい力関係。我慢比べになったら韓国がきついんだからしょーがない。
 となれば韓国としては本来であれば靖国であれ竹島であれ、日本がどのような行動を取ろうが黙して語らず、反応を起こさずに無視を決め込むのが一番ということになる。反応すればするほど窮地に陥るのは結局韓国自身だから。幸い、両方とも直接的に韓国に害があることじゃないんだし、今後は黙殺してもらえると両国にとって有益なんじゃないかと思いますな。

 そう言えば日本の軍備の方でも、なんか奇妙な動きがありますな。この前のTSL改造海上基地構想もそうなんだけど、今度は長距離輸送機導入とか言ってる人がいるよーです。まあ、こういう任務が続けばいずれこういう声は出てくるだろうと思ってはいたんですが……本当にC-17でも導入するの?
 大体さー、記事中の「米軍に比べたら遠隔地への派遣能力は格段に劣る。装備だけでなく自衛隊の編成そのものを見直さなければならない」という政府関係者って、頭おかしいんじゃね? 地球上全ての場所が作戦区域になる米軍と、専守防衛なんてお題目掲げてる自衛隊の間に、派遣能力に差があって当然じゃん。比べるのがそもそもおかしいって。米軍並みの戦略輸送能力を持った軍隊が、米軍以外の何処にあると?
 いや、いいんですよ、戦略輸送能力を強化しても。ただそれは「外征軍」としての能力を一層強めることとほぼ同義ですから、より一層厳しい任務が待っていると言うことです。個人的には憲法を改正して正規軍化し、金鵄勲章(あるいはそれに類する勳章)を復活させ、自衛隊殉職者慰霊碑を拡充して追悼施設を整備して欲しいです。


2005年10月26日(水曜日)
 タイガース弱かったなー。
 ともあれ、マリーンズ優勝おめでとうございます。
 次はアジアシリーズですよ!

 NIFTYOutbound Port25 BlockingとSubmission Portを導入するそうな。これまでもあちこちのプロバイダでちょこちょこと利用はあったんだけど、大口が来たね。
 この際だからMozilla Thunderbirdにメーラーの乗り換えでも企画してみるかなぁ。


2005年10月27日(木曜日)
 昨日の件で利用中の全smtpサーバで確認を取ってみたところ、一箇所で問題が発生した。対処法を探ってみると、どうもメーラの乗り換えが必要らしい。

 腰痛が面倒臭いほどきつい。身動きがとれないじゃないか……。


2005年10月28日(金曜日)
 と、いうわけで潘基文韓国外相が来日して外相と会談したり首相を表敬訪問したりしたそーで。ご苦労様です。
 韓国の報道によると靖国参拝中止を「公式要請」したそーです。なんで外国風情が人様の国の、しかも首相個人の信教の自由に干渉する権利があるのか聞いてみたいもんですが、自覚はないのですかね。これは「内政干渉」ですらない。権力によって個人の自由が奪えると勘違いしているということなんじゃないでしょーか。
 私は先日述べているように、靖国参拝は個人の信教の自由の範囲内だから、好きにしたら良いと思います。ただし、公費の出費は勘弁ですが。(過去記述1,2,3,4,5
 ところで、飽きもせず国立追悼施設のことを言ってたようですが、自衛隊殉職者慰霊碑の代わりの国立追悼施設なら、早急に計画すべきではないかと考えます。「靖国神社の代わり」であるならば、政教分離の原則に抵触しかねない上に全く問題の解決にならないので考えるまでもなく無駄ですが。

 「運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)の航空ミッションの準備状況について」……あちゃー。不安的中かよ。
 まあ、何事も初めてやることにはミスや失敗が付き物ではあるのですがね。予算措置上「航空管制衛星に気象観測機能が同乗している」形なので、“主任務”に影響が出るのは好ましくはありませんねー。なんせ5年は運用しないといけないので。
 36,000kmの彼方では修理っていうわけにもいかんので、あんまり多機能で大型の衛星ってのも考えもんなんですよね。静止軌道の場合、軌道が混雑していることもあって、小さい衛星を沢山ってわけにもいかないんですが、やはり気象衛星と航空管制衛星は分けるべきだったんじゃないかなー……。
 つまり、きちんと気象衛星には気象衛星のために必要な予算を付けろと言っているわけなんですが。


2005年10月29日(土曜日)
 「「宇宙担当相」設置を検討 自民特別委という報道が飛んでいたりしますが、まずは利用やら開発やらよりも、大目標、長期計画、すなわち戦略をどうにかしてくれと言いたいですわ。
 米国コバンザメ政策が何を日本の宇宙開発にもたらしたか、その反省に立って、まず日本は何をしたいのか、何を得たいのか、それを明確にしてから事に臨んで欲しいものです。
 気象庁だけじゃ予算がつかないから、運輸省(当時)の航空管制衛星に相乗りしましょう、なんて愚策がまかり通るようじゃ困るからね。

 「メチルアルコール:飲んだロシア人乗組員2人死亡 八戸沖」……。
 いくら露助が酒好きだからって、まさかメタノールを呑むほど好きだとは知らなかったよ。メタノールを呑むと死ぬって、学校で教わらなかったのだろうか。それとも生き残った二人のように、普段は「頭痛と下痢」で済んでいたのだろうか……。
 この調子で世代交替を重ねると、そのうちメタノールを呑んでも平気なロシア人が登場するのかもしれん。


2005年10月30日(日曜日)
 FTRONの怪しい人外達に誘われて、上野まちナビ実験ユビキタス技術展示・秋葉原を襲撃に出かける。
 まあ、TRON者にとってさほど物珍しいものがあったわけじゃないが、UCの実機を持って遊べるのはそれなりに面白かった。

 その後、ヨドバシアキバ店に誰も行ったことがなかったため、ヨドバシ見学へ。
 いやー……なんというか、アキバにある店舗の1/3位が一つのビルに集積しているような感じとでも言うんでしょうか。恐ろしいばかりでした。
 特に4階AVフロアは商品ごとではなく、メーカごとにスペースを区切っていて、「万年常設CETEC」という雰囲気でした。多分メーカごとに営業職とかが派遣されていたりするんじゃないかと想像したんですが、会社ごとにフロア面積が違ったり展示の巧拙が別れていたりと、結構面白く見れました。
 それにしても圧倒的物量というのは、こういうことを指して言うのだな、と痛感させられました。
 ヨドバシの中で完結しちゃうんですよ、買い物が。アキバ要らずとでも言うべきか。
 果たして西側の元祖アキハバラは、東側の新アキハバラにどう立ち向かうのでしょうか。今後注目したいところです。

 敢えて直さない、ってのは一つの選択なんだけど、webは全世界に対し公開されているので、追記ででもいいから、間違っているということは書いておかないと、間違いが拡大再生産されることがあるんだよ。自身の問題だけじゃなくて、それを読む人間のことも考えようね。
 もっとも、この日記にも間違いが沢山あるわけなんだけど(苦笑)。
 それから、私もきさらちゃん矢代さんさとみくんあらりあさんもメールアドレスは公開されていますよ。メールを下さいなんて言ってないで、思い切ってメールを出してみればどうですか? 敷居が高いっていうなら、FTRON辺りで書込みしてみるってのもいいですし。

 ところでちなみに、私もプログラムを書かない一般ユーザ(文系)だったりします。


2005年10月31日(月曜日)
 自民党の憲法草案に対して、民主党は憲法提言ですか。どちらも9条を改正の方針、と。
 少なくとも9条2項は廃すべきだと私は考えているけど、そう考える人が多数派になってきたってことなんだろうね。
 現実的な話として、戦争を一方的にしかけられる可能性がある以上、交戦権は保持しておかないと困るし、軍事力という暴力に対抗できるのは軍事力という暴力だけというのも、汚いながらも事実。現代の軍隊が高度な技術を多用した専門職集団となっていることを鑑みれば、軍を常設し、平時からその装備訓練に明け暮れなければならないのは明白です。
 ではなぜ現状の“自衛隊”ではいけないかということになれば、それは、戦争が国内問題ではなく国際問題でもあるからということになります。
 これが警察であればさほどの問題もないのでしょうが、軍が交戦する事態というのは一般的には戦場=国際問題の現場ということになり、戦争に附隨する様々な条約や規則を遵守する必要があります。そして現状これらの条約や規則は軍隊による運用を前提としており、自衛隊のようななんだか分からない組織ではなく、内国的にも対外的にも名実ともに軍隊として機能するものであることが(とりわけ有事に際して)望ましいと考えます。
 自衛隊が自衛隊であったが故に持ち得た好ましい特性がいくつもあることは事実です。特に陸上自衛隊の災害対処能力は際立っており、これは今後も大切に育てていって欲しいと思います。