哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2005年6月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2005年6月1日(水曜日)
 「科学技術ジャーナリスト養成プログラムの実施について」かぁ。興味が唆られるものがあるんだけど……外国語が厳しいかなぁ。相当錆付いちゃってるから。

 先日採り上げたNHKBSディベート「日韓の課題 いま語りたい(仮)」のページなんですが、いやはや、番組製作者たちが今頃顏を青くしてるんじゃないかって勢いで韓国批判が募っておりますな。
 昨今の韓国の態度を見ていればむべなるかなって所ですが。
 昨日となる5月31日に、韓国では親日反民族行為真相糾明委員会が発足、日本統治時代の協力者狩りが始まりました。まったく魔女狩りです。以前書きましたが、積極的だったか消極的だったかはともかく、当時の朝鮮半島住民の殆どは日本統治を受け容れていたわけで、もちろん「臥薪嘗胆であった」と主張するのは結構ですが、そうであれば丁重に目を瞑り、見て見ぬふりをするのが人間として正しいあり方ではないでしょうかね。
 もちろん、それを是としない人もおられますが、そのような人は概ね歴史家などと呼ばれる、人間の精神活動の闇部を目の当たりにして平然としていられる特殊な精神構造の持ち主ですので、一般の方々が真似をされるのは避けた方が宜しいかと思います。
 歴史学の入口の門には、「この門を潜る者、汝一切の希望を捨てよ」と書かれているのですよ(笑)。

 NHKのニュースで「PKO要員の性的虐待を警告なんてのがあったんですが、で、対策はどうするんでしょうかね。
 一番手っ取り早い対策は、国連機関が公娼を連れて歩くことなんですが、はてさてそんなことが可能かどうか。こう言ってはなんですが、国連職員が聖職者ばりの潔癖さを持ち合わせているというのでなければ、酒や性的娯楽は適切に管理しとかないと、ニュースにもあるように、性感染症の蔓延などに繋がっちゃうんですよね。
 お題目を唱えて綱紀粛正するのが效果的なら、そうすれば良いんですが。


2005年6月2日(木曜日)
 「ファイル交換ソフト、利用者130万人、経験者400万人強に - ACCSら」なんて記事が踊る昨今ですが、Winnyがらみの、個人情報流出事件が相次いでますね。
 はっきり言っちゃうと、仕事で使うPCでWinnyを走らせること自体が論外なんですが、なんでそんな危険なことをするのか理解に苦しみます。
 もちろんファイル交換ソフトは使い方によっては非常に便利なんですけど、同時にどうにもならない危険が同居しているソフトです。私だったら、一台専用のマシンを用意するところです、最低でも
 個人で自爆する分には自己責任で済みますが、会社で、あるいは仕事用のPCで危ない橋を渡る人間がいることは、私にとっては不可解を通り越して気違い沙汰のように思います。
 私物のPCを会社に持ち込んで使わねばならない事情があるのでしたら、「One Point Wall」を導入するなどの対策をとるのが企業の務めではないでしょうかね。

 日韓の海上警備当局が対馬沖で睨み合っていた件。
 日本のEEZ(排他的経済水域)内で違法操業をしていた韓国漁船「502シンプン号」を日本の海上保安庁が追いかけ、3人の海上保安官が移乗を試みるも一人が落水、残る二人の海上保安官が停船を試みたが漁船は逃走を続け、結局韓国EEZ内の公海上で韓国海上警察に保護された、と。
 海洋法条約に照らし合わせるまでもなく、まず臨検を行う権利が日本側には存在し、それを忌避して逃走した韓国漁船はその時点で敵対行為を行ったとみなされてもおかしくなく、舞台がオホーツク海だったらロシアの警備艇に蜂の巣にされてましたね。それを韓国側が引き渡すならともかく、保護するとは何事かと。
 海上保安庁が航行中の船に海上保安官を移乗させるという離れ業を日常的に行っているのはよく知られるところですが、今回の件を受けて海上保安官の命を不用に危険に晒しているんじゃないかと危惧しています。今回の落水者は無事助かりましたが、毎回無傷とは限りません。違法操業者の命と海上保安官の命とどっちが大切かなど考えるまでもありません。しかも激しい抵抗を受け、韓国に逃げられ、国際問題になるなど、割があいません。
 今後は、このような事態が発生しないよう、違法操業漁船が停船命令に従わない場合は、遅滞なく発砲し、制圧することを進言いたします

翌日註:韓国メディアで日本の過剰反応をとやかく言っている向きがあるようですが、何をか況や。
 海洋法条約の第62条にあるとおり、他国のEEZで操業する漁船は、沿岸国の法令を遵守する義務があり、日本の当局には第72条に基づいた権限(乗船、検査、拿捕及び司法上の手続など)があり、命令に従わない場合これを追跡する追跡権が第111条に基づき存在する。そして該船が停止したのは韓国EEZ内とはいえ、公海上であり、領海ではない。領海であったならば追跡権は消滅しただろうが、公海上であった以上、日本側に拿捕権が存在し、法律上本来は韓国側が日本側に該船を引き渡すのが順当である。
 それを日本側が譲歩したのに、狂ったことをお言いでないよ!
 大体、違法操業していたかどうかは問題じゃなくて、日本の当局の指示に従わなかった時点で問題になってるってことが分かってないのか?
 やっぱり次からは銃撃して止めよう。


2005年6月3日(金曜日)
 久しぶりに30kmほど自転車で走って疲れた。

 梅雨も近付いてきてじめじめとした日が増えてきたので、年に一度の化学兵器イベント、燻蒸剤を買ってきて部屋で焚きしめましたよ。
 で、その間自転車であちこち走り回っていた、と。
 実はCD-Rのメディアが欲しかったのですが、三菱化学メディアスーパーAZOの50枚スピンドルっていつの間にかなくなっていたらしい。
 うちには古代の化石のようなCD-Rドライブも残っているので(笑)、こういった低速向けの商品は結構重宝してたんだけどなぁ……。10枚単位でプラケース付きってのが邪魔だ。
 しょうがない。太陽誘電に乗り換えるか……。

 今更ながら、ARIAアニメ化を知る。個人的にはARIAっちゅーよりAQUAなんだけどね(^^;


2005年6月4日(土曜日)
 今日も自転車で。
 天気予報によれば、本格的に崩れるのは夕方以降ということだったので、夕方までに帰着する予定で出発。予定通りに買い物を済ませて家に帰り付く。帰宅後暫くして土砂降りになって、セーフ、とか思いながらにやりと笑う私であった。

 今度こそ本当なんですかねぇ?>「アップル、IBMを見限る--Macにインテル製プロセッサを採用へ
 x86ばかりの世の中は暮らしにくそうだとか思いますけど、Windowsという牽引車を持つx86がもの凄い勢いでプロセッサ技術を進歩させているのもまた事実ですし、何より選択肢の幅が広いのは有り難いでしょうね。昔と違って、CPU以外の技術は殆どWindows系PCと変わんなくなってしまってますし。
 あ〜、なんかどっか面白いプロセッサ作んねぇかなぁ。
 同じIntelでもIA-64とかだったら面白いのに。

 放送日まで目が離せないNHKBSディベート「日韓の課題 いま語りたい(仮)」ですが、6月19日放送予定で未だに出演者も発表されないというのは、番組制作大丈夫なんでしょうか(笑)。
 どの年代層も韓国を指弾していて、日韓友情年などどこ吹く風ってな感じです。
 元々の番組の制作意図は、韓国を賞揚して日本の過去の行いを反省しよう的なものであったと推測されるだけに、今頃製作者たちが何をやっているのかとても興味があります。


2005年6月5日(日曜日)
 某頼まれごとの方がようやくエンディング。カーテンコールはあるかもしれないけど、とりあえず一区切りついた。良かった……。

 「移動自由化協定に加盟へ スイス国民投票という報に、へー、と。
 スイスの変革も、徐々に速度を増してきている感がありますね。国連加盟、皆兵制から徴兵制への移行、PKOへの参加などなど、過去の孤立主義的な立場からすると、隨分協調的になったものだと。
 でも様々なことが問われるようになるのはこれからでしょうね。スイスは排他性の強い土地柄としても有名で、それでもこれまで問題になってこなかったのは、その孤立主義的態度が他国との距離をもたらしてきたからです。
 距離が近くなれば見たくもなかったものが見えるようになったり見せられるようになったり、時には価値観や信念を押し付けられることもありますからね。そういった軋轢とどう立ち向かっていくかが、今後問われるようになるのではないでしょうか。


2005年6月6日(月曜日)
 「貨物100トン、シャトル改造で巨大無人ロケットにという記事。
 松浦さんの「スペースシャトルの落日」辺りを読むとよく分かるんですけど、基本的に現在のスペースシャトルってのは無駄が多いんですよね。以前書いたことがあるんですが、シャトルの技術を使って使い捨てロケットを作れば、ペイロード100tってのもあながち夢物語じゃないよね。実際、オービターのペイロードが30tでオービター本体(この部分は宇宙へ持ってって持ち帰ってくる)が70tあるんだからねぇ……。
 問題は、SSMEを使い捨てにできるのかってところですかね。SSMEってのはSpace Shuttle Main Engineの略称で、読んで字の通りスペースシャトルのメインエンジン。液体酸素・液体水素2段サイクル燃焼エンジンで、世界最高の性能を誇ります……が、毎回使い捨てにせずに、再利用することを前提とした豪勢な設計をしているとかつては伝えられていましたから、これを毎回使い捨てにするのは些かもったいないのではないかと思うのですが……。
 あるいは既に使い捨てにしても問題ない程度の価格になっている可能性もありますが

2005年6月7日(火曜日)Part 1
 ほえ〜。本当でしたよ>Mac on Intel
 PPCバイナリをx86で動かした上でPPCと大差ない速度が出るとかいう話が出てるんですけど、どういう技術なんでしょ。
 あと、複数のバイナリを一つにパッケージングって、Mach-Oで元々MACHカーネルに附隨してる機能じゃなかったっけー?(うろおぼえ)
2005年6月7日(火曜日)Part 2
 捕捉&補足
 CPUアーキテクチャの変更は確かにリスク大きいですよね。PCで過去に成功例と言えそうなのはMacintoghが680x0からPowerPCへ移行した時くらいですか。Windows NT系もAlphaやIA-64への移植や移行には失敗してますしねぇ。
 WSや大型機なら、人外が使っているとか仮想化が進んでいるとかいう事情でそれほどハイリスクじゃないんでしょうけど、僕らのような一般ピープルには難しいですよね。

 なんか久しぶりにらしいこと書いてみようかという気になったので(笑)。
 MacOS XはMach-Oという形で複数のアーキテクチャ用の実行バイナリを一つのファイルに收めていますが、我らがBTRONはどうなっているのでしょうか。
 BTRONのファイルシステムはマルチレコードになっていて、ファイルは複数のレコードから構成されます。ちなみにUnix系OSやWindowsは1ファイル1レコードです。Windowsなどでは一つのファイルが一つのファイル形式(特にWindowsの場合これを拡張子で識別する)を持ちますが、BTRONの場合ファイルを構成する各レコードがレコードタイプを持ちます。このレコードタイプは32種類で、0〜15までが規定されています(16〜31はアプリケーション規定
 ユーザに馴染みが深いレコードタイプは、レコードタイプ0「リンクレコード」とレコードタイプ1「主TADレコード」でしょう。前者は実身/仮身システムの特徴の一つであるハイパーリンクを実現する仕掛けの一つで、ディレクトリみたいな働きをしています。後者は言うまでもなくBTRONのBTRONたる所以であるところのTADを格納しています
 で、見ていくと、レコードタイプ9が実行プログラムレコードとなっています。つまり、ファイルの中のレコードタイプ9のレコードが実行プログラムだということになります。さらにレコードサブタイプの規定がありまして、サブタイプによってCPUタイプを規定してます。
 となれば、あとはOS側をうまく作ればCPUタイプを判別して別々の実行オブジェクトを起動できる……ように思えますが、実際のところBTRON3はそういう設計にはなっておらず、先頭にある実行プログラムレコードが実行されるわけですな。
 折角の機構を実装で台無しにしているように見えますが、気のせいでしょう、タブン。でもT-Shellのことを考えたら、本当はそういう機構を用意しとくべきだったんじゃないかと思わなくもないですなっ。


2005年6月7日(火曜日)Part 3
 Adobe税の督促キターッ!!
 Up gradeで6万も取られるのかヨ……。orz...

 iTunes Musc Storeがとうとう8月から日本でも開店するとか報道が流れていますが……やはりレーベル各社との協議が上手く行っていないようです。着うたフルなどに比べるとiTMSは値段が廉いので、恐らく価格交渉で手間取っているんだと思いますが、「音楽の価格破壊を起こしたくない」というレーベル側の意図が透けて見えるようです。
 個人的には誰か日本の音楽産業の構造を破壊してくれんかと切望しているので、iTMS上陸は歓迎です。後は知らんが。


2005年6月8日(水曜日)
 相変わらず監視対象のNHKBSディベート「日韓の課題 いま語りたい(仮)」ですが、凄い惨状です。韓国への異論反論が95%近いってのは、一体番組はどうなってしまうんでしょう。今頃編集局の連中は、事前に集めた素材をどう切り貼りするか苦悶の海に沈んでいるのでしょうか。
 今から本放送がこれほど楽しみな番組もありません。

 6月に入ると、沖縄戦関連の話題が増えます。風物詩ですね。
 しかし今年はできれば沖縄だけではなくて、サイパンなど旧南洋群島に目を向けて欲しいですね。今月26日から、天皇陛下がサイパンを慰霊訪問されます。
 現在の米国自治領である北マリアナ諸島は、戦前は日本の委任統治領であり、事実上の殖民地でした。南洋庁が治安と衛生を保ち、教育を敷き、国策会社の南洋拓殖や民間企業の南洋興発などが糖業や水産業などの産業を興し、漁撈採集が中心だった社会に農業・加工業を根付かせました。
 日本からの移民も沖縄などを中心に10万人と言われ、一時は原住の島民よりも移民の方が多かったこともあったそうです。
 しかしご存知の通り南洋群島は太平洋戦争において戦地となり、特にサイパン島は1944年6月に米軍の上陸を受け、民間人を巻き込んだ壮絶な地上戦の果てに、軍人3万、民間人1万人のほぼ全員が死亡しました。南洋群島を制圧した米軍はここに滑走路を築き、B-29を配備し、東京を始めとする日本の各都市を無差別爆撃し、さらに多くの日本人を殺戮することになります。
 この南洋群島を巡る戦いが、その後樺太・千島列島に至るまで日本各所で繰り広げられた地上戦の走りであり、「容赦なき戦争」がこの後の日本を塗り潰していくことになるのです。

 さて、戦後は米国の信託統治領となった北マリアナ諸島ですが、日本との貿易で経済が成り立っていたわけですから、当然経済は崩壊しました。しかし米国は新たな産業を築くわけでもなく、米国経済に組み込むでもなく投資を行うでもなく、原水爆の実験地として使用して、補償や援助による経済支援によって自立不能な自治領化してしまったわけです。(もちろん、米国の国防を考えればグアム近傍のこれらの国が確乎たる独立国になってもらっちゃ困りますからね)
 果たして原住民にとってかつてが幸せだったのか現在が幸せなのか、当事者でもない私には分かりかねますな。


2005年6月9日(木曜日)
 戻ってくるんじゃねーっ! 老兵は去れ!>ナベツネ

 神社本庁が「A級戦犯の分祀は不可能と発表したそうな。
 別にそのこと自体にはなんとも感じるものはありません。また首相の靖国神社参拝についても、信教の自由の範囲内だと思っています。
 ただ、宗教的不寛容が蔓延する昨今のこと、このことが悪い方向へ転がらなければよいと思うばかりです。
 無信教・無宗教ってのもある種の宗教でね、強固な信念を持たねばならないという意味ではより悪性かもしれないと思います公明党が主張している国立追悼施設ってのも、これの類縁だと思う。無宗教の国家施設といえば聞こえは良いけど、国家宗教と大差がない辺りが病的。国家によって建設された“無宗教”という慰霊施設に参拝することは、他宗教の施設に参ることと全く差がない。そして人生の中で他宗教の葬儀に参列する機会は多く、それに対して「宗教が違うから参加しない」などと言い放つ奴はカルトと看做していいだろう。
 靖国神社そのものが問題とするならば、結局求められるのは宗教的寛容さなのではないかと思ったりするわけ。


2005年6月10日(金曜日)
 世界銀行のウォルフェンソン新総裁が、先日の就任後の初会見で「アフリカ諸国の貧困削減が最優先課題」と仰ったと言うことなんですが、それについての具体的な行動が債務削減ってのはそれでいいのかね? 債務の削減がどう具体的にアフリカ諸国の貧困対策になるんでしょうか。
 私の乏しい知能でぱっとアフリカ諸国の現状を「どうにかする」ための方法を考えると、
  1. 治安の恢復・維持
  2. 衛生の確保
  3. 各種社会基盤整備
  4. 教育の普及
  5. 殖産興業
  6. 経済圏への組込み
ってな順序になるんじゃないかと思う。
 正直、何をするにもまず治安を確保しないといけないんだけど、アフリカの貧困地域と呼ばれる世界ではその治安の確保がまずできてない。少なくとも、車を買うよりカラシニコフ銃を買って、車を強奪した方がいいなんて状況じゃ話にならない。
 50年代から60年代にかけてアフリカ諸国が次々独立してから既に40年以上が経過しているわけで、にもかかわらず一向に状況が改善される兆がないというのは、現在のやり方に何か根本的な問題があるのではないだろうか。
 金や技術を供与しても、結局それを使う側に問題があってはどうしようもないわけで、公権力が腐敗して役に立たない国家に対してODAってのは金をドブに捨てるのと同義だろう。その借金を棒引きにしてもやはり效果はないと思う。
 むしろ借金のカタに国家の主権をどっかの国に任せてしまい、国連の監督下で債務返済計画を遂行させた方が良くないだろうか。信託統治領に近い様態だが、より国家自立ならびに債務返済を目的とする。
 まあ、どこの国が好き好んでそんな益のないことをするかと言われると非常に困るのだが。

 、「かなり無為だと思うけど」なんてコメントした日韓歴史共同研究委員会ですが、とりあえず研究報告書ができたようです。
 ちょっとだけ自分の専門だったあたり斜め読みしたりしてるのですが、それなりに面白いものには仕上がってますね。でも多分これの一番の意義は、韓国語版が作られて韓国でも公開されているところだと思う。


2005年6月11日(土曜日)
 昨日ですが、山口県立光高校で三年生の男子生徒が教室に火薬を詰めた瓶に点火して投擲、合計53人が負傷したとかいうニュースがありました。
 こういう事件が起きると、すぐに「ネットで危険な情報が簡単に手に入るようになってどうこう」とかしたり顏で解説する人が出てくるようですが、情報が簡単に手に入ることと実行に移すことでは天地ほどの違いがあるように私は思うのですが。「お子さんの手の届かないところに置きましょう」ってのとは訳が違うと思うけど。
 しかし世間様の風潮は「危ないものが身近にあるのが悪い」という方向に向かっているらしく、兵庫県川西市では、包丁を買う人間に住所氏名を記入させるという包丁条例案が審議されていたと言いますからなかなかのものです。今回の山口県での事件では花火の火薬を使ったと言うことですので、花火の購入者に記名を求める条例案や法律案もそのうち提出されるかもしれません。
 この種の“危険物”の定義は相対的・確率的・感情的なものなのですが、そのことを分かってる人がどのくらいいるのか、ちょっと最近不安です。
 よくジョークで「DHMO(Dihydrogen Monoxide; ジハイドロジェン・モノオキサイド、日本語で一酸化二水素)の危険性」が紹介されますが、ここまで極端ではないにしろ、本来なら問題にならないような危険性を針小棒大に採り上げて、偏執的な規制に走ろうとする連中が多いような気がします。
 ちなみに私は中学時代に花火用に黒色火薬を作った経験がありますし、高校生で化学選択してればTNTくらい合成できるでしょ。あんな中学実験室レベルで簡単に作れるんだから、規制なんて無意味だと思うけど。

 危険なことを実行に移していたという意味では、今般の学生はこのような単発の事件だけど、60年〜70年代には徒党を組んだ挙げ句建造物を占拠し、公務員に対し暴行を加えたり、火炎瓶を投擲したり、飛行機をハイジャックして某国へ飛んでいったり、テルアビブの空港で機関銃を乱射したりとやりたい放題やってた連中がいたわけで、そんな連中に比べれば至って大人しいものだと思ったりするわけだが、そういえば当時その荒れた世代だった人達はそろそろ政治の世界でも中心になってきているのではあるまいか。

 目的・方法論的に考えると、犯人の学生の行動選択には首を傾げざるを得ません。掌大のガラス瓶に、市販の花火から取り出した黒色火薬を詰め、さらに釘などを混入していたということですから、火薬の量によっては充分な殺傷力を持っていた筈です。しかし、いまいちよく分からないのは、恨んでいた生徒がその教室にいたと言うことなんですが、一人殺すのに教室中を巻き添えにするのはいかにも效率が悪いですよね。これだけのものが作れるなら、ワイヤートラップを作って下駄箱にでも仕込めば目的の生徒を狙い撃ちにできたわけで。
 教室中を巻き添えにしても構わないと肚を括っていたのであれば、用意していたという二発目で駄目押しすべきでしたし、より確実を期すのであれば、自爆覚悟で釣り用のベストにでも仕込んで、抱きついてから爆発させれば良かったんです。
 なんとも半端臭いというのが、個人的にはちょっと嫌らしいところです。もうちょっと費用対效果というか、方法に対する效果・影響を事前に評価してから実行に移して貰いたいものです。


2005年6月12日(日曜日)
 「Rosettaは重い」という話で「そらまあ、760kgくらいあるしな」とか思ったりする歴史学徒の私(Rosetta違いや!)。

 夏を前に、PCのケースを替えたいとか思い始めている今日この頃。筑波在住時代に買ったケースで、まさかこのケースでAthlon XP 2400+まで引っ張るとは思ってもみなかった。あちこち工夫して保たせてきたんだけど、去年の夏に熱警告を山ほど喰らったため、ケースの買い替えをずっと検討していた。
 問題は大きさで、実は現在のケース、奥行きが非常に短く、ATXケースなのに420mm程しかない。現在のケースの主流は490mmくらいなので、これを置くとスペース的な問題がある。
 そんなわけで、奥行きの浅いATXケースを物色していたのだが、ようやくサンワサプライからでているTK-AL5に行き当たった。有り難いことにD400mm。飾り気のない面構えも好みだ。
 問題は、まだ店頭で商品を確認していないこと。こういったものは細かいところのチェックが写真ではどうしても行き渡らないので、最後は自分の目で見て触って確かめないといけないわけだが、新商品だけにまだ秋葉原では見掛けない。というより、秋葉原ではサンワサプライのケースって見たことがない。
 一体どこへ行ったら見れるものなのか……。


2005年6月13日(月曜日)
 ようやく題名から「(仮)」が取れたNHKBSディベート日韓の課題 いま語りたい」ですが、とうとう出演者が発表されました。
 ……って、大丈夫なんか、この面子で?
 アンケートが反韓で凄まじい状態になっている中、日本側の論者が親韓派というのは中々スリリングな配役ではないかと思いますな。
 なんか当日(19日)はフジテレビも朝から日韓国会議員による討論番組を放送するとかで、鬼のような一日になりそうです。

 「フィッシングを初摘発 Yahoo!に似せたサイト構築の男」って記事で、まあフィッシング詐欺が摘発されることには異論はないのですが、容疑が「著作権法違犯」ってのは何だかなぁと。
 Yahoo! Japanを摸したサイトを構築して個人情報を不正に收集していたとのことなのですが、これに対してYahoo! Japanが著作権法違犯で被害届を出し、それに基づいて警察が捜査・逮捕に踏み切ったと。著作権法違犯は親告罪なのでYahoo! Japanが被害届を出さなきゃ警察は基本的に動けないからそういう仕儀になったんだろうけど、これって別件逮捕じゃないなのかね?

 民主党の市議会議員さんがWinnyで流出ねぇ……。


2005年6月14日(火曜日)
 中山成彬文部科学大臣が「従軍慰安婦という言葉はそもそもなかった」と発言したことで色々揉めているそうな。
 事実関係を各種報道から拾い集めると、11日に静岡市で行われた教育改革タウンミーティングに出席した中山文科相が、質疑応答において「従軍慰安婦という言葉はそもそもなかった。これまでなかったことがあるということが問題」などと述べたとのこと。
 で、お定まりのように中国・韓国がこれに反発し、中山文科相を処罰しろと言っているらしい。
 さて、現代史専門の歴史学徒としてこの発言を見てみよう。
 確かに“従軍慰安婦”という用語は70年代に生まれたもので、戦前には存在していない。そういう意味では中山文科相の発言は学問的には間違っていない。しかしでは当時存在しなかった用語を歴史の教科書に用いることは不可かと言われると、これまた否である。
 当時の人間にとっては「当たり前」のことでも後世の人間からは特段に採り上げるべき事物になることは多いわけで、その際後世の研究者によって学術用語を付されることは決して珍しくない。有名な例を挙げれば“鎖国”であろうか。
 “鎖国”という用語は享和元年の志筑忠雄「鎖国論」が初出なのだが、この本がそもそも訳書で、ケンペル「日本誌」に含まれた論文を訳したもの。その際に「鎖国論」という書名を付けた。当然それ以前には“鎖国”なる用語は存在せず、江戸幕府が鎖国に繋がる各種禁令を出した頃にそのような認識すらなかった。しかし歴史の教科書などを見れば「いわゆる鎖国の完成」などと書いてあったりする。学問的に言えば「鎖国という言葉はそもそもなかった」わけである。実を言えば日本史における鎖国研究においてはまず“鎖国”という言葉の定義を巡る侃侃諤諤の議論があり、二代将軍秀忠期に始まる貿易制限から三代将軍家光期にオランダ商館を出島に移すまで、一体どこをとって鎖国の開始点とするかだけで山のような異論がある。最近では“海禁政策”と呼ぶべきだとか“管理貿易体制”と呼べとか、さらに百家争鳴だったりする。専門じゃないけどな。
 これらの議論を全て教科書に載せることは無理だ。一つやればあとは雪崩を打って他の用語についても延々と同じことを繰り返さなければならなくなる。歴史の教科書はUNIXのマニュアルのように厚くなり、専用のロッカーとともに配布されるようになること請け合いである。授業は歴史を教えているんだか歴史学史を教えているのだか分からなくなり、教える方は楽しいかもしれないが、授業を受ける方は堪ったもんじゃなくなるだろう。
 というわけで、後世に造られた言葉であっても、それがある程度適確に当時の事物を表現できるというのであれば、学習を容易ならしむ語として用いられることはほぼ妥当であり、それを避けることは上述の通り難しい。もちろん教科書は正確であることが求められるので、そういった用語の前には「いわゆる」などが付けられるようになる。従って「いわゆる従軍慰安婦」などと書けば恐らく検定上も問題ないと思われる。
 さて、ここで文科相の発言に戻る。
 「従軍慰安婦という言葉はそもそもなかった。これまでなかったことがあるということが問題」という発言は、前半は正当である。しかし後半については必ずしも正当ではない。前述の通り、後世造られた用語が通用することはありうるからだ。
 ではなぜ教科書から「従軍慰安婦」なる用語が消えたのであろうか。
 はっきり言っちゃえば、「ある程度適確に当時の事物を表現できる」という点が満たされないからだ。“鎖国”という用語について議論があることは先述の通りだが、“鎖国”が示すものには最大公約数的な範囲がある。では「従軍慰安婦」についてはどうかと言われると、悲しいかな研究不足・議論不足としか言いようがない。恐らく一時のブームに乗って教科書に載ることになったのだろうが、その後の研究によって言葉の定義から怪しくなってきている。良く言えば「現在議論中につき、掲載保留」ってところ。
 でもまぁ、この辺を正直にぶちまけちゃうと、より国際問題になるだろうかねぇ……。中国でも韓国でも、従軍慰安婦は議論の余地なく成立しているものらしいので。

2005年6月15日(水曜日)part 1
 先日の爆弾事件を受けて政府が「インターネット上における違法有害情報等に関する関係省庁連絡会議」を設置したとか。
 ほらきた……。
 気持ちは分からんではないけど、まず「有害」の定義が極めて難しいこと、次いで国内サイトだけを取り締まっても結局国外サイトからの情報を規制できなければ事実上無力であること、最後に知への接触制限は知る者と知れない者の間の知的断絶を齎すこと、などを考えると肯定する気にはとてもなれません。
 “有害”の定義が難しいというより恣意的にならざるを得ないのは、“有害”という概念が社会的文化的時間的背景に根差しているからです。今日の“有害”は明日の“有害”とは限らず、またこちらの“有害”はあちらの“有害”とも限らない。もちろん以前触れたことがありますが社会的合意を得ることはできるのですが、でもそれであれば決定プロセスや基準が明瞭でなければ困ります。科学的合理的に説明がつくものじゃないから、合意形成の過程がより重要になるわけです。閉ざされた“有害”指定プロセスは容易に利権化することが予測されます。
 上にも絡むんですが、国外からの流入について無力っていう点は、インターネットの根本的問題ではありますね。イスラム原理主義まで行かないまでも、公開処刑制度を持っている国において公開処刑映像がネット上に掲載されることは珍しくありませんし、逆に我々にとって何等の問題もない画像が異文化圏において問題になることだってありますからね国の力でフィルタリングしてもいいですけど、私ゃそんなには住みたくないです。
 最後の一点は分かりにくいかもしれませんが……知識の隠蔽は多くの場合悲劇的で喜劇的な社会現象を招くのではないか、という個人的な想いがまずあります。中国や韓国、あるいは日露戦争後の日本などを例に出すのが良いのか悪いのかわかりませんが、判断材料となるべき知識が制限されていると、後世から見れば信じられないような暴論に容易に躍らされるようになるんじゃないかと考えているのです。
 民主主義の基本は全ての国民が判断力を持つことですが、同時にそれは判断材料を手に入れられることが保証されないといけません。検閲は民主主義の根本を犯すから不可なわけですよ。

 で、より直截には、前にも書いたんですけど、インターネットがなかった時代にも(というかインターネットがなかった時代にこそ)危ない馬鹿がぞろぞろいたことを考えると、ネット上の情報を規制することに何の意味があるんだろうと首を傾げますな。
 なかったらなかったでそれなりのルートで怪しい情報を仕入れて馬鹿やるやつが出るだけじゃないか、って。

 画伯masamicさんから9日の日記に言及があったようですんで、反応がてら補足を含めて徒然に。
 正直言えば、分祀や追悼施設新設とかって、結局それって私が嫌ってやまない「現在の価値観で過去を断罪する行為」そのものなんですよ。当時の価値観でそれでよいとされたものを、わざわざ後年になってほじくり返してるわけで、私の歴史学徒としての部分が強く反発してます。
 また既述ですが、宗教的寛容さってのは必要な範囲で発揮されねばならんわけで、特に儀礼として他宗に礼を払えない宗教は普通じゃ考えられません。よく知られている通り、諸外国の駐在武官などが靖国に参っています。逆に日本の外交使節も接受国の慰霊施設に献花したりしていますが、それが信仰心に背く行為ではないのは論ずるまでもありません。礼儀の問題です。
 そんなわけで、神道なら駄目で無宗教ならOKというのは道理に合わない主張だと私は思います。個人の信教に対して他宗という点ではどちらも同じであり、それだったら別になんであっても構わないはずです靖国神社は礼を払うに値する歴史的経緯を持った場所であり、それに対して最低限の礼を尽せないというなら相手が無宗教でも一緒でしょうや。
 ちなみに3回の靖国参拝を記録している故大平首相はクリスチャンですね(笑)。

 同じ時間と金をかけるなら、今後のことを考えて、市ヶ谷の防衛庁敷地内にある自衛隊殉職者慰霊碑の方をどうにかすることを考えるべきだろうよ。
 イラクで殉職者(というか戦死者)が出たら、どういう風に扱うのかとかね(想像したくない、考えたくもないってのは分かるけど)。
 現在の日本には、逆にかつて靖国神社が担っていたものがないんだからさ。


2005年6月15日(水曜日)part 2
 某工作者から紹介されて非常に面白かったので紹介。
 「日本人必見 韓国人から見た日本・・・ 斬り!!」。
 この「今だからこそ・・・ 韓国斬り !!」というblog、ソウル在住の日本人日本語教師によるものなのですが、教室の生徒へのアンケートとその答えが秀逸。
 日本と日本人が韓国人からどのように思われているのかを知るのに良いサイトですね。
2005年6月16日(木曜日)
 松文館裁判の高裁判決が出たようです。報道によれば、地裁と同じく件のコミックを「猥褻物」と認定。その上で懲役一年執行猶予三年だった刑を、罰金150万円に減刑した、と。
 なんというか、微妙な判決だなぁ。
 松文館はどうするんでしょうか。やはり上告するんでしょうか。

 Hot Wired Newsより「米国で、進化論教育をめぐる攻防が激化」なんて話が。
 相変わらずだなぁ。
 米国の場合日本と違って教育は各州の管轄なので、国家レベルでの統制は行われていないわけですが、最近創造説側の侵攻が強まっているのに対し全米アカデミーが対策として教材を提供したということなんですが、ある意味仁義なき戦いだよな。
 個人的には両方教えたらいいんちゃう?とか思いますが、子供に「どっちが正しいの?」って訊かれた時に答えようがなくなるかもしれませんね。「自分で調べろ」って答えは駄目ですか、そうですか。


2005年6月17日(金曜日)
 なにやらカリーさんからMusical Batonとかいうものを回されたので回答してみますです。でもうちblogじゃないから、次のバトン廻せへん……(笑)。
  1. Total volume of music files on my computer
    1669 files, 13,353,488,658 bytesでした。中には音楽じゃないのも混じってるけど概算ってことで。
  2. Song playing right now
    Broken Heart / クレヨン社
  3. The last CD I bought
    たぶん、4-EVERプロデュースってことで買った「魔法少女Twin☆kle オリジナルサウンドトラック」ではないかと。
  4. Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me
    「mean a lot to me」でピックアップしてみました。
    1. 痛み / クレヨン社
    2. 心には銀色のナイフを持て / クレヨン社
    3. 五つの橋 / Zabadak
    4. 少年の夢は生きている / 山本正之
    5. 水の中の惑星 / 種ともこ
  5. Five people to whom I'm passing the baton
    blogじゃないのでバトン廻せません(笑)。

 ついでなんで音楽の話題。
 「Sony BMG、新技術のコピー防止CDをリリースとかいうニュースと、その僅か2日前に出た「P2Pと音楽販売減少の因果関係証明は困難——OECD報告書を読み比べてみたりする。
 正直言うと、Sony BMGの言ってることが理解できなかったりします。うーん? 翻訳ミスかなにかか?
 とりあえずざっと調べたところ、First4Internet社が開発したXCP(Extended Copy Protection)という技術はレッドブックに準拠しているらしい。つまり、CD-DAとしての再生互換性を維持している。その上で、PCでのリッピングをMicrosoftのDRM(Digital Right Management)で制限している、と。
 ……うーん。これまでのコピープロテクト(CCCD)に比べれば幾分マシなものだとは思うんですが……ヤクタタズ度はどっこいどっこいじゃないか? もちろん、この程度の“コピー制限”を突破できない人間には效果あるでしょうけど。
 個人的にはWMAを聞かされるってのが気に入らない。DRMでも44.1kHz/16bit PCM(flacも可)なら我慢できるけど……。
 この方策って、費用対效果が本当に割に合うのかね?


2005年6月18日(土曜日)
 明日のBSディベートの前哨戦第1ラウンドというわけで、今日はNHK BSドキュメンタリーで「日韓条約〜知られざる交渉の内幕」なんて番組を2時間も放送していたり。
 基本的になぜか韓国視点で話が進んでいたのがかなり謎でした。韓国で制作した番組を日本で放送してるのかと思ったくらい(笑)。全体としては日韓基本条約を再交渉して韓国人に補償しろとでも言いた気な内容でした。
 うーん……。
 私個人としては、未払い賃金や当時の貯金などは支払った方がいいと思うのですが、よくも悪くも全部ひっくるめて日韓基本条約で解決済みってことになっちゃってるからなぁ。かといって条約再交渉ってことになると、あの真剣でありながら馬鹿馬鹿しい条約交渉をまた一からやり直すことになるわけで、日本としては御免被りたいと言ったところ。
 大体、日本としては交渉を適当にずるずる引き伸ばしゃそれで済んじゃうってこと、韓国側はわかってんのかね?

 いやぁ、明日が楽しみだ。

 徒然なるままに、馬鹿話。
 某都知事の沖ノ鳥島経済圏化活動ですが、果たして、漁業他だけでいいのか、他に必要なものはないのか、と考えてみました。
 まずは郵便ポスト。これはもうなければ大変です。郵便物を出すのに910km離れた小笠原まで行かねばならないというのは、非常に不便です。是非ポストを設置しましょう。どうやって收集するのかなどと考えてはいけません。郵政公社はユニバーサルサービスが基本です(おい)。
 そして公衆電話。万が一遭難して沖ノ鳥島に漂着した人でも、公衆電話があれば赤ボタン一発で118をダイヤル、海上保安庁に助けを求められます。NTTもユニバーサルサービスが基本です(こら)。
 電気は自前で発電する計画があるようですので、水道は淡水化プラントでなんとかし、ガスは我慢する。あとは下水設備さえなんとかなれば人が住めるかもしれません。
 やはりポストと電話ですね。

2005年6月19日(日曜日)
 NHKBSディベート日韓の課題 いま語りたい」ですが、なんというか、インターネットでの意見募集は一体何だったのかと思うような内容でしたねぇ。まあ、公共放送が憎しみや対立を煽り立てるようなことはできないとは思いますが……。
 全体的にはとにかく友好を打ち出したくて仕方ないというか、日韓友情年ですからそういう方向に誘導したいという意図が透けてました。議論も余り突っ込んだ方向には進まず、椅子の投げあいのようなことはありませんでした(あるいはあったのかもしれないが放映はされなかった)。全体として抑制が效いていたというか、穏便に過ぎたというか。
 日本側の若者8人はそれなりにバラエティに富んでいましたが、韓国側が今一つ多様性に欠けていた気がしましたが、これがNHKの選択によるものなのかどうかは不明。ただ、録画放送だった割には、韓国側の間違いなどを訂正せずに流していたのは気になりました。どうせなら字幕ででも訂正しとけば良かったのに。
 期待が大きかった分、肩透かしを喰らったような感じですが、それでも謝罪番組にならかっただけマシなのかもしれません。あるいは「あのBSディベートにこれだけ穏当な番組を作らせた」ことを評価すべきか(苦笑)。
 案外と面白かったのは韓国側のパネラー、キム・ジリョンさんで、上手に抑制の效いた知性を感じさせる発言をされていましたね。
 全体としては掘り下げ不足だったなぁと。

 朝のフジテレビ「報道2001」やら何やら、久しぶりに長時間テレビを見て疲れた。


2005年6月20日(月曜日)
 すったもんだの挙げ句開かれた日韓首脳会談ですが、とりあえず顏あわせて相互の主張を繰り返したところで終わったようです。やらんよりはマシ、という程度で終わりましたな。
 あ、一応言っておくと、とにかくやることに意味があるんですからね、現在は。
 合意事項らしい合意事項もないのですが、例の日韓歴史共同研究については第二期研究が行われるようです。韓国側は相変わらず共通の歴史教科書を求めているようですが、そんなもんできるわきゃねぇだろうが。ドイツとオーストリアが共通の歴史教科書を作るくらい難しいわ。ただ、日本側としても韓国でタブー視されているような研究内容でも韓国語で堂々と韓国国内公開ができるというメリットがないでもないので、費用対効果は無茶苦茶悪いような気はしますが、続けても悪くないかもしれません。
 ただし、あくまで歴史研究であって歴史教育とは無縁だと思います。
 それと靖国神社参拝問題ですが……国立追悼施設の検討を約束したそうですが、これって前にも一回約束して検討して廃案というかリジェクトされたという記憶があるんですが、もう一回同じことするんですか?
 私の考えは先に書いたとおり(6/96/15)なので改めて書き連ねませんが、やらん方がいいと思っています。

 ところがこの国立追悼施設の構想に共産党市田忠義書記局長が賛意を示したそうです。発言を見ると「侵略戦争の反省の上に立って犠牲者を追悼する施設をつくる」となっているのでこの人の頭には第二次大戦しかないようです。短慮だなぁ。
 それでいいんなら、既に千鳥ヶ淵戦没者墓苑があるでしょうが靖国神社は戊辰戦争以来の軍人・軍属を祀っているという点で千鳥ヶ淵とは性格が異なります。
 話を先の大戦に限るのであれば、千鳥ヶ淵が充分その役を果たすので、今更新たな施設を作るのは土建屋を喜ばすだけでしょうよ。
 それから、高村元外相が卓見を披露していましたので紹介します。「新追悼施設が完成しても、その時の首相が靖国神社に参拝する可能性がある」ってのは全くその通りで、新追悼施設が新たな火種になりかねないというわけですな。
 馬鹿馬鹿しい。

 訪中中の加藤紘一自民党元幹事長に、黄副首相らが靖国問題の解決を求めたそうですが……どうでしょう、「気にしないで下さい」って言うのが一番角が立たないんじゃないでしょうかね。
 要は中国や韓国が見て見ぬふりをすれば済む話じゃないだろうか、と。所詮他国の国内事情なんだしさ。


2005年6月21日(火曜日)
 夏至でした。

 「子どもはみなブログを持て!ですか……。
 えーと、かつてのぱどタウンのあれとか旧NAVER blogのあれとか知っている身としては、それはいわゆるひとつの「厨」大量生産政策ですかとツッコミの一つや二つも入れたくなったりするわけですが、政策立案側がこの程度じゃねぇ……。
 ああ、もちろん、自力でサーバ立てて、データベースをセットアップして、movabletypeのインストールまでっていうなら、大賛成です。
 ただ、僕的には「日本HP、杉並区の小学校で「アラン・ケイワークショップ」を開催」の方が有效だと思いますけど。何事もそうですが、基礎が大事なんです。出来合いのプログラムやスクリプトにデータ流し込むことを覚え込ませるよりも、こういう自分で考えてコンピュータに指示を与え、トライ・アンド・エラーを繰り返して、目的地に至ることを教えることこそ重要ではないかと思います。
 そう考えると、Squeakって良い選択だよね。ただ、日本の現在の情報教科では、アルゴリズムは教えていいけど、特定言語は教えちゃいけないことになっているらしいですが。(それでアルゴリズムをどうやって教えるんだ?)

 台湾が与那国島沖、尖閣諸島近海の日本の排他的経済水域にフリゲート艦「鳳陽を派遣したと報じられて、嫌な感じだなぁと思っていたのですが、結局件の船はEEZに入らず戻っていったそうな……。なにしに出港したんだ……?
 漁民保護とかいう話だったんですが、管轄違いですよねぇ。そういう問題はコーストガード(沿岸警備隊)、台湾の場合は海洋巡防總局のお仕事で海軍が出張ってくるとなると話が一段上になっちゃうんですけども。
 なんか国防部長やら立法院長やらが同乗して海上でシュプレヒコールを上げてたそうでございますが、国内向のパフォーマンスならそれらしくやって欲しいものです。


2005年6月22日(水曜日)
 集積回路の父ジャック・キルビー死す(6/20。享年81歳)。
後日注記:NHKのニュースでジャック・キルビーを「半導体の父」と呼んでいた。どうやらNHKの中の人は半導体と集積回路の違いが分からんらしい。あるいは“視聴者には区別がつかない”と思っているらしい。

 ひまわり6号の正式運用が28日から始まるそうです。長かったですねぇ……。
 ひまわり6号のここまでの紆余曲折には、特に政治家や官僚に反省すべき点が多かったと認識しています。ようやくここに正式運用開始の運びになりましたが、敢えて手放しでは喜ばず、反省材料にして欲しいものです。

 えー、朝日に「私的録音録画補償金、初の返還決定 DVD−R4枚8円とありまして、粋な話題だなぁと感心しきり。
 私的録画補償金というのは、デジタル動画記録メディアや機材に対して賦課されている冥加金で、一般的にはビデオ用のDVD±R/RW/-RAMなんぞにかけられています。似たようなものに「私的録音補償金」というものもあって、こちらは生MDや音楽用CD-Rなんぞにかけられています。
 これらの補償金はSARVHSARAHを通じてコンテンツホルダーに分配されることになっています。もちろん、分配手数料を取った上で。
 ところが、こういった記録メディアは必ずしもTV番組を記録したりCDを私的複製するためにばかりに使われるわけではなく、バンドのデモテープやDVDハンディカム(例:Sony Handycam - DCR-DVD301/201/101など)の記録媒体として使われることもあり、このように他者の著作物を記録する用途に使われなかった場合、補償金の返還を求めることができる、ことになっていました。
 しかしあくまで「できることになっている」だけの話で、実際に請求が行われたという事例は過去になく、制度そのものの欠陥が指摘されていました。当たり前ですが、4枚8円の返還を請求するのに80円切手が必要というのでは、まともに考えて割に合いません。SARVHだって8円返還するのに委員会の開催やら事務手続き、終いにゃ振込手数料までかかることを考えると、真面目にこの制度を運用する気が最初からなかったと言われても仕方ないと思います。
 細かく言い出すと、本当にそのメディアが他者の著作物を記録するのに使われなかったかを確認することが極めて困難であり、また分配に当たっても実際に録音・録画された著作物に比例して分配することなど能うべくもなく(ドンブリで分配される。そして分配される毎に手数料が取られる)、“正当に運用することが不可能な制度”だったりします。つまるところ私的録音録画補償金制度ならびにその返還制度というのは最初から建前論であり、その建前論に乗っかった業界団体の利権となっているのが現実です。あと、文部科学省・文化庁の天下り先というのもあるんですが
 尋常な判断力のある人間から見るとどう考えても素面の人間が考えたとは思いにくいこの制度ですが、なんと現在は汎用記録機器(HDDなど)へも課金しろとの意見書を日本音楽著作権協会日本芸能実演家団体協議会日本レコード協会日本音楽事業者協会音楽出版社協会音楽製作者連盟、日本音楽作家団体協議会が連名で出していたりします。寝言も休み休み言えと言った感じです。
 まともに運用できないような、当初から利権化が想定されて実際利権になっているような制度はとっとと潰すなり改革するなりするのが筋ってもんだべ。

 半年に一度のスーパーコンピュータのランキング、TOP500更新されました。
 前回3位まで後退した地球シミュレータですが、BlueGene/Lの姉妹機がIBMで稼動し始めた関係でワンランクダウン。
 国別勢力図で見ると、やはり米国のぶっちぎり振りと中国の躍進が目立ちますね。日本が一点豪華主義というか少数精鋭主義に走り気味なので余計目立つんでしょうが……。
 そういえば先月末に文部科学省らが2011年にも頂点奪還を目指すとかロイターで報道されてましたが、一点豪華主義だけじゃなくて、裾野を広げる方向にも向かって欲しいとか思ったりして。(それが目標になってもらっても困るんですが)


2005年6月23日(木曜日)
 むーしーあーつーいーっ(ぴくぴく)。

 イラク・サマワへ派遣されている陸自部隊の車輛に向かって、路肩爆弾がぶっ放された模様。高機動車1輛が破損するも人的被害はなし。
 人的被害がなかったことは本当に僥倖でした。しかし、いよいよという気がして参りました。送り出した時にある程度覚悟はできているとはいうものの、その後のあれやこれやを思うと気が滅入ります。
 今の日本には金鵄勲章もなければPurpul Heartもありませんし、最悪戦死者が出たときに自衛隊葬を行うのか恩給はどうなるのかとか、問題が山積みになっていたりするわけですが、考えることは後回しにできても現実は迫ってくるんだよね……。


2005年6月24日(金曜日)
 ぎょえ〜。昨日に増して暑い〜。

 都議選が公示されて、一気に世の中騒がしくなりましたね。私の住む北区は定数が4で、候補者が6人。選挙カーが喧しいっての。ただでさえ暑苦しいってのに……。
 ふと思ったんですけど、都議会の定数は地方自治法で定められていますけど、選挙区割りとかって、都議会(都選管?)でやってるんですかね?
 127議席を地域で分けるにしても、区市町村島嶼って分け方ってどうもピンと来なくて。区の利益代表とかいうことになんのかもしれないけど、その区の利益ってのがそもそもわからん。しかも4人もだ。人口比だってのはわかるんだけど……。比例代表とかのほうが個人的に有り難かったりしますが、ダメなんでしょうか。
 議会を上院(市区町村一人ずつ)と下院(比例代表)に分けるとか、半数改選制にするとか、もうちょっと都政にあった議会のあり方ってのがあるんじゃなかろうかと思ったり思わなかったり。東京は島嶼が多いし、面積は広いし、人口の偏りも大きいので、一票の較差が問題にならない形で補正措置を講じるとか考えてもいいんじゃないかなぁ。
 いや、単なる思い付きなんですけどね。

2005年6月25日(土曜日)
 梅雨はどこへ行った?

 STAR WARS Episode IIIの先々行上映に行ってきました。
 いやー、素晴らしい! 全編溢れんばかりのライトセイバー戦。最初のドゥークー伯爵戦から始まって、ダース・シディアスの意外な強さ、そしてオーラスのオビ=ワン v.s. アナキン / ヨーダ v.s. ダース・シディアスまで、質・量共に満足の行くちゃんばらを堪能できました。
 え? ストーリー? なんですか、それは?

 しっかし、こんな日に合計30kmも自転車で走るってのはどうかしてるよ>自分


2005年6月26日(日曜日)
 今日も暑いよぉ……。

 「ゆきゆきて神軍」の奥崎謙三氏が亡くなったそうな。毎日の訃報記事中に「死ぬ直前まで院内で「バカ野郎」と叫んでいたという。」とあって、なんといいますか、凄くらしい死に方だな、と思いました。
 この人もまた、戦争の犠牲者の一人だったんだと思います。

 昨日FTRONの月例チャットの日だったのですが、今月から導入された新チャットシステムが落ちる落ちる。JAVAで作られていた前クライアントアプリがFLASH製に改められて機能追加ってことだったんですが、機能追加どうこうよりもまず安定した接続を確保してくれと悲鳴を上げなきゃいけないようなシロモノでした。
 本当に事前にテストしたのかと、担当者を問い詰めたい気分でした。
 で、参加者の一人がniftyの事務局に苦情を送ろうとしたところ、「送信先の受信簿がいっぱいなので、メッセージを送ることができません。」と言われたそうな。
 さもありなん、さもありなん。
 仕事しろよな。


2005年6月27日(月曜日)
 天皇皇后両陛下がサイパンへ行幸。報道は抑え目ですが、大きな節目ではあると思う。

 都議選もたけなわといった感じで、都内を自転車で走っていると選挙カーが邪魔で堪りませんが、同じ区に住むT氏から「ええと、北区はどういう布陣だったっけか。」と問われたので調べてみました。

届出順 氏名 所属 年齢
1. 和田宗春 民主・現(2期) 61
2. 大松成 公明・新 44
3. 戸枝大幸 無所属・新 28
4. 原田大 民主・新 28
5. 曽根肇 共産・現(3期) 53
6. 高木啓 自民・新 40
 この中から四人を選ぶわけですが、なぜか投票権は一票一名のみです。普通大選挙区なら連記制にするもんじゃないのだろうかと思いますが、単記制をとっとりますな、日本の自治体選挙は。まあ、選挙区によっては定数1って所もあるので、純然たる大選挙区ではないというあたりが問題でしょうか。
 このなかで誰に投票するか、一人を決めないといけないわけですか。面倒臭いですな。四名連記なら、不適格な二人を落とせば済むので楽なのですがねぇ。
 とりあえず消去法で消していきますか……。

 「実名でのネット活用促す 総務省「悪の温床」化防止という報道に、なんか既視感。そういえばどっかの弁護士もこんなこと言ってたなぁ。
 米国の電子フロンティア財団などは逆に「個人ブログ運営は匿名で」などと呼び掛けていたりするわけで、どの辺りから考え方の違いが生まれてくるのか、些か興味深かったりします。
 私個人の意見としては、ネット上の匿名性なんてものは限定的なものだという認識が最初にあります。ただ、だからといってみんな実名でやれとは思っていません。人間には通名使用の自由がありますし、匿名が齎す良い側面もまた確実に存在するからです。
 無論、犯罪行為は取り締まられなければなりませんが、そのために必要とされる程度のトレーサビリティを越える個人情報の露出を国が推奨するというのは、私には解せません。ある種の言論封殺策ではないかと思います。
 そういえば総務省は先日、「「有害情報判定委員会」(仮称)を創設する方向で検討に入ったなんて報じられていましたっけ。ネット上の言論をどうにかして押さえ込みたいんではないかと勘繰りたくなりますな。
 話を学校レベルに落とすなら、大学を除く一条学校学校教育法第一条に規定される学校)を繋ぐWANを文部科学省の管轄下で敷設し、インターネットとのゲートウェイとファイアウォール、DMZを各県単位くらいで管理するようにして、各学校レベルでの管理コストを下げればいいんじゃない?とか思いますが。
 そうすれば、その能力のない教員に無理矢理管理者を押し付ける必要がなくなりますし、著作権法の権利制限となる教育利用の範囲を明確にすることができます(イントラネット内での著作物利用は権利制限ってことになるので、学校を越えた相互協力も可能になる)。ゲートウェイを絞り込むことで「有害」コンテンツが生徒の目に触れることを避けるためのフィルタリングも一様に敷くことができます。
 この程度のことがもし計画されたこともないというなら、文部科学省の役人はボンクラということになるので、恐らく予算だとかなんだとかという理由で実現していないのだと思いますが。


2005年6月28日(火曜日)
 ひまわり6号運用開始

 天皇皇后両陛下のサイパン慰霊訪問が終わりました。中部太平洋戦没者の碑をはじめ、マリアナ記念碑、第二次世界大戦慰霊碑、バンザイ・クリフ、スーサイド・クリフなど予定されていたところばかりではなく、おきなわの塔ならびに韓国平和記念塔を訪問し、黙禱を捧げられた。
 この、韓国人の慰霊碑を訪問したのが意外だったらしく、CNNでも「surprise stop」とされていました。韓国でも小さく報じられていました
 ところでCNNと朝鮮日報の両方に、当時南洋群島にいた韓国人が強制的に送り込まれたかのような記述があるんですが、これどう考えても間違いですね。南洋群島の陥落は朝鮮人への徴用が始まる前のことですんで、当時現地にいた朝鮮人は、ごく普通に移住した人か、志願して軍人・軍属になった人の筈です。また、戦場化に伴う陸海軍による現地徴用は行われましたが、それを「強制連行」などというのは筋違いというか、道理が通らないのではないかと。

 明石書店から出ている「日韓共通歴史教材 朝鮮通信使」を書店で見掛けて立ち読み。
 ん〜……。
 朝鮮通信使についての資料、副教材としてはよくできていると思いました。多少違和感がないでもないですが、私の知識レベルで立ち読みした程度でわかる間違いはありませんでしたし。
 ただねぇ、こう言うとあれなんだけど、ただでさえ受験対策で暗記重点科目化している日本史の授業で、これほど事細かに朝鮮通信使を採上げられるのかという疑問はありましたな。所詮朝鮮通信使だぜ(爆)。江戸期の外交史ってことになるんだけど、これほど微細を穿って教える時間があるかと言われると、無理だろうと思いますよ、正直。
 興味のある高校生にとって良い入門書になるとは思いますし、これを読んで史学の道を志す学生がいてくれれば、歴史学徒としては有り難い、ってところですかね。
 ところで、なんで文禄・慶長の役の際の降倭について1章を割いているんですかね? いくらなんでもそんなに大きく採上げることじゃないと思うんだが……。

 あ、ITERはカダラッシュになったんだ。ま、順当かな。


2005年6月29日(水曜日)
 きさらちゃん公開日記でかるちゃー!」より「「OSなし」のパソコンはどうやってOSを入手すればいいの?」……。
 一瞬脳が止まりそうになりますね、この質問って。
 25年くらい前だったら「マイコンにOSって必要ですか?」とかいう質問もありえそうですが、OSの入手法が分からんというのはなんというか、「確定申告ってどうやったらいいんですか」みたいな質問ですよね。飼い馴らされ過ぎて飛べなくなった鷄というかなんというか。OSのプリインストール販売そのものが悪いとは思いませんが、Windowsを返上することで返金する制度が事実上機能していない以上、独占禁止法で規制される抱き合わせ販売ではないかという気がしてならないんですが……(公取委はOSのプリインストール販売は抱き合わせ販売ではないと判断している模様)。
 そうだ。
 国民総blogとか情報リテラシーがどうとか、阿呆な政策を立案するくらいだったら、ハードとOSのセット販売を原則禁止にしたらどうですかね。OSは原則別売で、ハード購入時に選択できるが、プリインストールは不可、とか。そうすれば嫌でもスキル上がるんじゃないですかね(爆)。(“詳しい人”が引っ張り出されて馬車馬になるだけだって)

 「モリサワ、同社の全フォントが定額で使い放題になる年間契約ライセンスを発表」とあって、驚く。これ、デザイン事務所とかで散々モリサワフォントの値段に苦労させられてきた人達には朗報ですよね。年数で割り引きもあるみたいだし。
 う〜。
 個人的にも心惹かれるんだよなぁ……。

 単なる思い付き。
 Winnyによる情報流出被害が相次いでおりますが、現在公判中の47氏にお願いして、対策を施したWinnyをリリースしてもらうってのも、方策の一つとして考えられませんかねぇ。
 どうせ最善策なんてないんだから、次善策ならどれだけ手を打っても打ち過ぎってことはなかろう。


2005年6月30日(木曜日)
 首相の私的諮問機関である「皇室典範に関する有識者会議」が、女帝容認と離脱皇族の復帰を両論併記する方向だという報道が出てました。
 戦後皇籍を離脱した(させられた)宮家は、伏見宮、閑院宮、東伏見宮、久邇宮、東久爾宮、北白川宮、竹田宮、朝香宮、賀陽宮、山階宮、梨本宮の計11宮家。臣籍に降りた皇族が復帰することは、確か歴史上例があることなので、さほど問題はないのではなかろうかと思ったりするわけですが、女帝とどちらを優先すべきかとなると議論が尽きそうにないですね。