哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2005年2月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2005年2月1日(火曜日)
 朝の天気予報で四国にまで雪マークがついててびっくりしましたが、なんでも種子島や屋久島でも雪が降ったとか。東京都でも八丈島(おい)に初雪……。
 でも都区内は晴れてたけどね。

 「草かんむり、3画に 4画派・大修館書店が「決断」という朝日のニュースに某工作者から意見を求められたりしたわけなのですが。
 草冠は6画に決まってるだろう
 草冠は「艸」で3画にしろ4画にしろ、略体であることには変わりないわな。つまりそんなものは些事。個人的には左右に別れている草冠の方が好みではあるが、好み以上ではない。草冠が繋がっているか別れているかで字義字音が変わるわけでなし、この二つを区別しなきゃならんのは戸籍氏名にまつわる仕事をしている人くらいなものだ。
 ちなみに康煕字典214部首でいうと140番目。草冠の字を調べようと思って大漢和の9巻を迷いなく選べるようになればあなたも一人前だ(なんの?)。
 で、なぜこの時期に朝日がこんな記事を載せたのか、という話になるが、先月常用漢字の見直しが提言されるなど、漢字制限論の旗振り役であり漢字簡略化の先鋒であった朝日新聞にとって逆風が吹いているからではないかと邪推してみたり。この逆風下に「『大漢和』の大修館が簡略化!」などとセンセーショナルな記事を一発……という意志が働いたのではなかろうか、なんて陰謀的に考えてみる。
 漢和辞典の部首索引で草冠を3画や4画で探す輩を増やしたのは戦後漢字教育の罪の側面なわけで、是非とも次の見直しでは「之繞」を7画で探せるようなまともな人を増やすよう努力して欲しいものです。

 ワーナーミュージック・ジャパンもCCCDから撤退するそうな。
 しかし……この発表文を書いた人は正気だったんだろうか? それとも分かってて書いてるんだろうか。
 導入の背景に「私的複製の範疇を明らかに越えるCD-Rへの複製行為」「インターネットを通じた違法な音楽ファイル交換」と書いておいて、終了に至る経緯に「パソコンへの取り込みを行なうことができず、ユーザーのニーズに応えることができなくなりました」って、その両者ってつまり同じことじゃんか……。
 そんなこと最初から分かりきってたことじゃないか。馬鹿馬鹿しい。
 いや、そんなこともわからなかったから、こんな状況に陥る羽目になったのかも知れないけれどね。
 もう止まるところを知らず下がりっぱなしですねぇ……。


2005年2月2日(水曜日)
 それでいいんですか松下さん!?

 法務省より、「第3次出入国管理基本計画に関する意見募集」。
 日本人の「寛容さ」とやらが試される時代が来るんじゃないですかねぇ。

 先週末放送のNHKスペシャル「陸上自衛隊 イラク派遣の一年」を見ていて、自衛隊が実力組織としての陣容を整えつつあるのは分かったんですが、やはり装備のちぐはぐさは感じましたね。一番目立ったのは89式小銃でした。別に89式が悪い小銃だというつもりはないのですが、これで近接戦鬪はどうかと思いますよ。ダットサイト付けたりするのはいいんですけど、根本的なところでねぇ。いや、制式化された時代が時代ですんでH&K G36のような出来を期待しちゃいけないんでしょうけど、槓桿(コッキングハンドル)操作するのに銃を寝かせ、切替金(セレクタ)操作するのに手を離し……じゃ銃口を向けてる意味がねぇだろうがよ……。
 しかし、イラクに行ってる陸自の89式は凄いなぁ。ダットサイトつけて切替金を左右対称にしてフォアグリップつけてる奴までいる。やりたい放題というか、実戦を前にすると建前なんかクソクラエになるってのがよく分かりますな
 是非ともその経験を活かして改良に改良を重ねて欲しいものです。
 予算ないから、新規の小銃の採用なんてできないし……。
 狙撃銃は配備が始まったそうなので、あとは7.62mmの新型機関銃は欲しいよなぁ。海自や空自でも使うから。

 先月のNHKの話…まだ続いてるんですが、外野の方で面白い動きがあったので。
 「『女性国際戦犯法廷』に対する冒とくと誹謗中傷を許さない日朝女性の緊急集会」に突撃取材しに行った方レポートが。
 集会は公開だったそうですが、傍聴は不可だったらしい。なんだかなぁ……。
 右翼とか左翼とかいう前に、その姿勢が問われると思うぜ。
 しっかし、朝鮮総聯なんぞが出てきたら、イメージ悪化の一途だろうに、何を考えてるんでしょうかね、民主党石毛鍈子議員は。しかしまあ、民主党自身が、党の予算案で軍事費5,000億円減とか気違いじみたこと言ってるからなぁ。防衛費を今以上に減らしたらどうなるか、わからんのだろうか?
 ♪もしも日本が弱ければ、○○○はたちまち攻めてくる〜


2005年2月3日(木曜日)
 節分、ってことは明日は立春。

 本が出る前から話題沸騰だった高校生作家・日日日のデビュー作を読んで、乙一に似たものを感じた。そういえば乙一もデビュー時は高校生だったなぁ。18歳の書く文章じゃねぇなぁとか思いつつも、あちこちに背伸びの跡が見受けられる辺りが微笑ましかったりしつつ、しかしこりゃ凄いわと純粋に感嘆するとこも。
 自分がいつ頃自分の書く小説にある程度の及第点を与えられるようになったかと言われたら、私の場合2000年の話で、小説らしきものを書き始めてから10年以上が経過してからようやくだった。最近ようやく、人様にお見せしても恥ずかしくないかな、って思えるようになってきた。
 そういう我が身を思うと、18歳でこれだけのものを書けてしまう人間に、妬心を抱くどころか、素直に脱帽しちゃいますね。

 dindexより、「お墓参りは携帯で、「電話の天使」が登場」ってなネタ。今や墓参りも携帯電話な時代らしい。
 こういったことは生きている側の自己満足のために行うものであって、死人には口を出す権利はないので、携帯電話で話し掛けられようが、墓前で泣き喚こうが、それこそ忘れ去られて草生す屍になろうと、それこそ死人に口なしでしょうけど、私はこんなのして欲しくないし、しようとも思わないな。死人に向かって電話をかけている風景ってのも、想像すると結構薄ら寒いし。
 そういえばその昔、エジソンは霊界通信機を作ろうとしたことがあったようですが、この電話から返事が返ってきたら、それはそれは面白いな。案外かけた方が卒倒したりして(笑)。


2005年2月4日(金曜日)
 IT Mediaに「「株式会社空調服」誕生」という記事が。
 よし……今度こそ手に入れてやる(笑)。
 元々冷房が苦手な人なので、こういうのは結構嬉しい。
 科学の勝利だ!(違)

 「MTSAT-1R/H-IIA F7カウントダウン」開設。お願いだから、無事上がってくれ。
 不安要素多いんだよな、今回の射上げ。
 SRB(補助ロケットブースター)が改良されてからの最初の射上げってのも不安だけど、衛星本体が新規の多目的衛星ってのも怖いんだわ。軌道、それも静止軌道まで行っちゃったら、壊れても修理することなんてできないので、とにかく慎重第一、手堅い設計を旨とすべきなのですが、今回のMTSATは「多目的衛星」ですからねぇ……。ひまわりシリーズは米ヒューズ社(現在はボーイングに買收)のベストセラー衛星バス(姿勢制御や電気系、フレームなど)に日本の観測機器を載せたもので、非常に信頼性が高く、米国のGOESもかつては同じ仕様でした。つまり、恐ろしく「枯れた」技術でできています。
 当然、気象衛星などは一般生活のみならず、物流や軍事、危機管理において非常に重要な位置を占めますので、なにはともあれまずきちんと動くことが重視されます。この辺、本来であれば設計変更や仕様変更を行う場合には慎重を期さねばならないのですが、現状“後がない”状態で新規の衛星を運用に投入せねばならなくなってます。もっとも、衛星のバスはロラールのLS-1300である程度実績はあるんですけど、上に載っている機器類は新規ですんで。
 本来であればひまわり5号が生きているうちに上げてテストを繰り返して、万全の状態で交替ってのが理想だったんですが、今更言ってもな……。
 せめて気象観測専用であれば心配も半分なんだけど、航空機の官制機能なんてものを積んでるからなぁ。まあ、そっちが目論見通り動かなくても、気象衛星として動けばいいか(おい)。大体、気象庁の予算だけじゃ賄えないって理由で国土交通省との相乗り衛星になったって辺りで政治的妥協の産物なんですが……。


2005年2月5日(土曜日)
 半日、HTML+CSSをごりごりと弄る。論理記述としてのHTMLって忘れ去られてるなぁ……。
 元々HTMLなんて、CERNの核物理学者たちが「コンピュータの専門家じゃなくても扱える」簡便なハイパーテキスト記述言語として考案したものだから、常識人なら扱えるはずだ。そうでなければここまで普及するものか。
 なんだあのオーサリングツールどもの吐くわけの分かんないHTML+CSSは! あんなオーサリングツールで綺麗なHTML+CSSを吐かせるくらいなら、HTML+CSSを一から勉強した方が早いぞ、絶対に……。

 誤解を招きそうな記事があったので紹介。「改変問題の番組ビデオ、NHKが市民集会での上映拒否とあって、まるでNHKが拒否するのが悪いように見えるんですが、これはきちんと法律を知っていれば分かることです。
 というのも、著作権法第38条には「営利を目的としない上演等」という規定があり、主宰団体がこれらの規定をきちんと満たしていれば、別にNHKの許可を取る必要がないはずなんです。
 ということは、入場料(いかなる名目であれ)を取るのか、演者に金を支払うのか、とにかく金銭を動かす予定だったのではないでしょうか。その場合、著作権者が対価なしに許可を出すことはまずありません(当たり前だが)。後日注:入場料取ってたようです
 そういった事情が分かる人が読めば済む内容の記事なのですが、残念ながら著作権法についてはロクロク理解がされていないことが多いのでね……。


2005年2月6日(日曜日)
 『「富士見ミステリー文庫」読書調査』なんてあったのでやってみたらば全189タイトル中125タイトル既読という結果が出た。約2/3程度ってことですね。思ったより少ないもんだなぁ。

 「IT教育改革、文科省に業者も参加の「考える会」という報道を見て、一体誰が委員になっているのかと興味が湧いたが、文部科学省のページには情報がないようだ。
 私に言わせると、IT教育なんてコトバを振りかざす前に、その目的と意義をはっきりさせてくれと言いたい。全ての教室にネットワーク・コンセントをつけて学校内にLANを敷設してそこから外部に接続するのはいいよ。で、それで何すんのさ、と。
 「いんたーねっとができる」ってのは、パソコン教室の売り文句にはなっても、教育目標にはならんわな。ワードプロセッサと表計算を使えるようになる、ついでにメールの送受信とネットサーフィンくらいができるようになればよろしいってのは、職業教育だわな。職業教育を否定するつもりはありませんよ。それはそれで重要。しかし、すべての学校で全教員を動員するほどの価値があるかといわれると、首を傾げるよ。悪いけど、そんなの社会に出てからでも三ヶ月もありゃ身に付くでしょ。イマドキ流行のblogでも立ち上げてみるか? Webオーサリングツールでも使わせてほぉむぺぇじでも作らせるか? それが公教育で必要か?
 学校ですべきことは、社会に出てから習得するのでは教育コストが大きすぎるような、基礎的な読み書きや知識、学力を叩き込むことではないのだろうか。数学や物理の授業でなぜポケコンや関数電卓を使わないのか、国語や社会の授業で電子辞書類を使わないのか、簡単な話じゃないか。それらを使いこなすための基礎が別に必要だと認識しているからでしょ。
 IT教育っていうけど、コンピュータってのは高度な「技術」であって、それを使いこなすために必要とされる基礎教養は広汎で、しかも殆どがコンピュータとは直接関係なかったりする。論理学や数学の方がよっぽど重要で、キーボードやマウスの扱い方よりも、対偶をしっかり認識し、ベン図の一つも描けた方が有益だったりするわけだ。シャノンの情報理論もいいが、ここまで来ると高校レベル数学は身に付けてないと理解するのはかなり辛い。
 そんな本職のコンピュータ技術者でも殆ど身に付けてないような知識を高校以下の生徒に教えるのは不可能とは言わないが極めて困難だ、そうじゃなくてもっと現実に即した知識と技術を……と言われると、さらに困る。
 例えば「電子メールの出し方」と言われても、「Outlook Expressの操作法」であれば職業教育にしかならない(それはそれで意義はあるが)。ケータイからのメールなら、教えるまでもなく生徒の方が詳しそうだ(笑)。「あらゆる環境で電子メールを出す方法」と言われると、「telnetで25番ポートにアクセスしてSMTPコマンドを叩け!」というそれこそ人外技能になってしまう(いや、一回くらいはやってもいいか……)。それともサーバを立ててSMTP/POPサービスを走らせてクライアントから送受信するところまでを実習させれば良いのか? しかしそのためにはネットワークの勉強をせねばならず、OSI参照モデルを教えねばならず、これまた抽象度が高いぞ。メールアドレスの構造を知ろうとすれば、DNSは避けて通れんしな。
 じゃあ、職業教育だと割り切ったらどうなんだと言われると、そのために遍く学校にLANを敷設し、全ての教員にIT指導ができるように……というのは行きすぎってもんでしょ。金かけてる割に結果が馬鹿馬鹿しくて。それだったら刑務所の中でパソコン教室でも開いた方がナンボかマシってもんだわ。
 大体、「配備パソコン1万5千台の半数「ネット不可」…大阪市なんて記事が踊ってるくらいだからねぇ……。
 某マンガの舞台でもある警視庁万世橋警察署も「ショナイにはネットのできるパソコンがない」らしい。そりゃぁ私物のパソコンを使いたくなる気持ちも分かるよ……。

 きさらちゃんの日記に「マルチコアで疑似ベクトルプロセッサ」という記述があって、なんじゃらほいと思っていたら、この記事かな?
 そういえばその昔、富士通がμVPっていうTRONチップ仕様のベクトルプロセッサを作っていなかったかと仄かに記憶の片隅に反応するものがあったりするわけだが、あの辺って今どうなってんのかねぇ…。


2005年2月7日(月曜日)
 「大量の雑誌で床抜け、重傷 アパート、2時間後に救出……。
 ウチは鉄筋だから大丈夫サ……きっと……

 先日1.0βが公開されたMitakaを動かしてみる。推奨スペックには幾つか足りないうちのマシンだったけど、動くことは動いた。
 素晴らしい星の海だよ!!(笑)
 宇宙は広いや、本当に。地球から月に行くだけも、結構大変。
 たっぷり数時間、星の海で迷子になっていました。
 そういえば、プラネタリウムソフト「Stella Theater Pro」もバージョンアップしてたっけなぁ。

 妊娠中の友人から、“胎教に悪いのでニュースはほぼ見ない。情報元は小熊君の日記くらい”とかメール貰っちゃってどーしよーかと。いや、この日記が胎教に良いとは、書いてる僕もさすがに思わないんだけど……。
 大体、日々思うが儘を書き散らしているだけの日記で、blogじゃないからコメント欄もTrackBackもない、サーチエンジン避けをしてあるのでgoogleでもヒットしない、非常に慎ましやかなサイトです。影響力という点では、2chはもとより、そこらのblogにも劣りますな。
 いや、それでいいんですが。元々、ただひっそりとネットの片隅で兼好法師よろしくあぢきなきすさびを重ねているだけでございますので。
 大体やね、「親近感を感じる人」が、兼好法師、一休宗純、岸田秀、養老孟司、頼藤和寛、Jown W. Dowerなどとあっては、面白おかしい言説などできようはずがないです。当たり前のことを当たり前に書くのが精一杯。なにしろ前記の方々は一廉の人物ですが、それに比して私はさらに凡庸極まりない俗人ですからして。
 っちゅーわけで、胎教を考えたら、もうちっとマシなサイトがあるのではないかと思われ。

 去年くらいからblogが大流行して、エントリ間のtrackbackやエントリへの直接コメント機能などにより、これまでのBBSへのコメントという間接的な形ではなく、ほぼ直接的な意見の交換がネット上を賑わすようになってきました。しかしこの動きの中で私の心に残っているのは、「突っ込まれるのに弱い」報道関係者の姿でした。
 去年6月、共同通信の「署名で書く記者の「ニュース日記」」が「「社長日記」に異議アリ!」という記事を書いたが、コメント・trackbackが嵐のように押し寄せ、この後約2ヶ月沈黙することになりました。
 10月、「finalventの日記」で論説を批判された毎日新聞の記者が翌日コメント欄に直接書き込みをし、「この日記の執筆者の方には氏名、及び連絡先についてこの日記上で公表されることをお願い申し上げます」と発言。
 10月〜年末年始に地方新聞記者midnightpax氏が運営する「素晴らしき世界」で現役高校生・カリーさんと論戦になり遁走。(まとめ
 先週、朝日新聞記者okuma氏が運営する「しがない記者日記」がtrackbackしてきた相手を「右翼大好きミーハーサイト」などと呼んだため反感を招き、袋叩きに。これまた本人逃走。(まとめ
 小熊が眺めていたものだけでも、こんなもんか。一応付言しておくと、記者の作るblogがいつも炎上するわけじゃなくて、「ガ島通信」のように健全に継続しているものもちゃんとあります。
 こう言っちゃなんですけど、よくこんなレベルで記者やってられるよなぁと嘆息するような人がいるんだと、呆れるやら感心するやら。もうちょっと勉強しろや…と苦言の一つも言いたくなります。
 報道各社ってのはこれまで「一方的に突っ込む立場」であったわけですが、blogという新たな形態はマスコミを等しく突っ込まれる立場に立たせることになり、その結果、おかしなことを書いては突っ込まれるときちんと対応できないマスコミ関係者が目立つようになったんでしょう。今後のマスコミの立ち位置を考える上で、「自らも突っ込まれる」ことへの自覚が必要なのではないでしょうか。


2005年2月8日(火曜日)
 しかして、昨日の今日で本を13冊ばかり購入してくる私。多分、案内に載ってたけど書店に並んでなかったのを補完すると、もう2冊くらい増える予定。

 内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査」ですが、日本でも「夫は外、妻は家庭」という意見に反対する人が賛成する人を上回ったと報じられましたが、なんとロイターまで流してくれちゃいました。「More Japanese think wives need not stay homeだってよ。
 この記事、「It was not immediately known how many of the respondents were men and how many women.(男性と女性の回答数は明示されていない)」と結ばれているのですが、報告をちゃんと見るとcsv形式で男女の回答人数と各回答の比が出てますから、男性女性がどのくらいどう回答したか明瞭に分かるようになってます。ご丁寧にもグラフまであります。この記事書いた記者は、報告書本体を読んでないですかね? まさか日本語が読めないってことはないだろうけど……。
 流すんならきちんとした記事流せよな。
 ところでこの男女共同参画ですが、一般会計と特別会計を合わせた関連予算額が政府全体で10兆円近く17年度の概算要求が10兆6290億円とか言われると、え?とか思っちまいますな。よくよく見ると、介護保険や厚生年金がここに含まれてるからなんですけど……。ていうか、なんで含まれてるんだ?


2005年2月9日(水曜日)
 春節(旧正月)なり。

 日中間で領土紛争の種となっている魚釣島ですが、政治団体が設置した灯台の管理が政府に移管されたそうです。海保水路通報はまだみたい。人民網日文版にもまだ反応はなし。
 あー。しんどいねー。なんかこう、スパっと片付ける方法ってないもんでしょうか。
 領土問題はどの国も当然のように自国が正しいと言い張るものですから、なかなか政治外交的に妥結ってのは難しいものですけど。
 北に南に、領土問題って多いんですよね、日本って。

 「武器弾薬を積み残す 関空が搭載拒否……。
 実は昨年12月にも岡山空港を管掌する岡山県が、輸送用に空港を使用することを拒否したことがあったんですが、なんでここまで酷い扱いを受けにゃならんのですかね。まあ、今回の件はチャーターしたはずの貨物機が到着しなかったという、どうしようもない事情なわけですけど。
 もう少し自衛隊の活動に便宜をはかっても罰は当たらんのではないかしら。さすがに防衛出動の際にもこんなこと言うとは思わないけどさ。
 こういうことが続けば、円滑な任務の遂行のために自衛隊に戦略輸送能力を持たせなきゃならなくなるかもしれないじゃないですか。C-Xに次いで、C-17でも導入する?

 本当に兄妹だったんか……>鄭大均&鄭香均


2005年2月10日(木曜日)
 北の国が核の保有を公式に宣言しました。どうしましょうかね。
 経済制裁したら核ミサイルが飛んでくるかもね〜。
 このくらい想定の上で喋ってたんだろうなぁ>制裁論者。
 日本の安全保障のために、必要な措置はなんでしょうかね。

 東京シューレの学生ゼミに参加。
 昨年12月にインドで行われたIDEC(International Democratic Education Conference)の参加報告を聞く。
 Democratic Educationというとなんか仰々しいけど、要するに自分達で自分達が学ぶことを選択することができる教育って考えてもらえばOK。
 インドなどでは、まず公教育の充実の方が課題として上げられそうだけど、公教育の不備をAlternative Educationが補っているという図式は変わらないといえば変わらない。教育を受ける(選ぶ)権利が十全に保証されていないという意味では、日本の問題も本質は変わらない。

 「海外ボツ! News」に「英国で酒場の営業時間、自由化へ」って記事が。私の記憶が正しければ、この“パブは11時で閉店”ってのは第一次大戦の時に定められた戦時法ではなかったか……。
 気になったので調べてみると、確かに欧州大戦中1915年に午後11時以降のアルコール類の販売を禁じたのですが、これを始まりとして、現在まで法を変えたりしつつ継続していたらしい。なんとまあ。
 ついでに調べていくと、イギリスのみならず、フランスやドイツでも酒類の販売には色々と規制があり、免許や閉店時間、営業方法が定められているようです。せいぜい未成年者の飲酒防止、自販機の自主規制といった規制しかない日本の方が緩いようです。


2005年2月11日(金曜日)
 紀元節。……と書くときっとこのサイトも「ネットウヨ」というレッテルが貼られるのだろう。

 携帯電話の着メロを、電話をかける側が指定できるサービスなんてどうだろう、なんて思いついた。
 悪用されると怖いから、実現はしないだろうなぁ。

 区内で起きた火事は、22時間もかかってようやく鎮火したそうな。
 しかし、温泉を掘っていたらガスを掘り当ててしまったというのは、引火しなけりゃ笑い話だったんだけどねぇ。
 で、残る疑問は一つ。
 温泉は出たんですか?

 本当に兄妹だったということで、Newsweek誌を拾ってきました。「妹よ、日本国籍を取れ」という、兄妹仲悪そうな記事のためだけに(苦笑)。
 鄭大均氏の著作は何冊か読んでいて、最近では「在日・強制連行の神話」が趣深かったですね。全体としてですが、在日韓国・朝鮮人は“コリア系日本国民”になっていくだろう、そうあるべきだと説く立場の方です。まあ、私も「出生時に日本国籍も与えて、20歳時点で国籍選択をさせる方が理に適っているように思」っているので、思想的に近いのでしょうけど。
 目新しいことはなにもなかったのですが、できれば妹の鄭香均女史からの反論が掲載されたら面白いでしょうね。
 ちなみに、よく一緒に議論されることが多い参政権については、地方参政権について限定的ながら解放しても良いのではないかと考えてはいます。被選挙権とか国政参加は困るけど。でも基本は国籍取得だよな。


2005年2月12日(土曜日)
 電車内の痴漢を抑制するために女性専用車輛の導入を警視庁が首都圏鉄道各社に促しているそうですが……問題の根源にあるのが超過密乗車率ですからねぇ。女性専用車輛を導入するのは難しいでしょうね。
 都内のラッシュアワー時の平均混雑率は170%を超えてしまっているわけで、この状態で女性専用車輛を導入した日には、非女性車輛の混雑率の上昇で人死にが出かねません。事故発生の可能性も上昇するわけでそれでダイヤが乱れれば、より悪影響が出るでしょう。
 確か混雑率の計算の場合には、一輛当たりの定員を140人として計算するので、電車一輛に240人ぐらい乗っているというか載っている計算になりますね。この状態での痴漢行為となると、立証するのも困難で、認知件数だけが増加していくのも致し方ないところがあります。
 この車内痴漢ですが、この混雑を隠れ蓑にして行われるわけですから、混雑率が下がれば減ることが予測できます。究極的に人と人が密着しないくらいまで混雑率を落としてしまえば、相当の減少が見込めますが、本数を増やすのも車輛数を増やすのも路線を敷設するのも、どれも困難です
 これに対する対策としては、オフピーク通勤運動等が行われていましたが、めぼしい成果を挙げたという話は聞きません。しかしそれでも、現時点では短期的な対症療法を避け、長期的な観点から、フレックスタイム制の採用を税制優遇などを働きかけ、オフピーク通勤を一層進めるのが上策ではないかという気がします。
 というのも、2007年問題がこの問題をにかなり緩和する可能性があるためです(笑)。よく知られている通り、“団塊の世代”が2007年頃に大量に退職していくことによる労働者人口の激減が予定されているわけで、この世代の退場がこの問題を自然に緩和する可能性があります。ついでに駅構内・車内での暴力事件においても、50代男性が26%を占めるそうですので、これまた団塊の世代が退場することで3/4になる可能性がありますね(おい)。これにフレックスタイムの拡充を加えれば、まずかなりの混雑率の低減が可能なのではないか、と思うのです。
 あと考えられるのは法による罰則の強化があるでしょうが、これには私は疑問です。犯罪白書によれば認知件数は上がっても検挙件数は横這いなので、そもそも検挙できないものの罰則を上げても無意味です。乗車率200%以上という路線もあるわけで、そこで検挙活動を行うのは不可能ではないにしろ困難でしょう。さらに昨今の誤認逮捕や痴漢冤罪裁判などを鑑みれば、罰則の強化は悲劇を招く可能性を増やすだけでしょう。
 即効性のある対策がないという点では、痴漢に怯える女性の方々にとっては実に残念なことではありますが、こういうことになるのではないかと思いました。

2005年2月13日(日曜日)
 Azoz blogに「ものすごい勢いで"冷凍チキン・ミサイル"が飛んでくる街」というニュースが。
 何故凍ったチキンが空から降ってくるのか。一体誰がそんなものを射上げているのか、あるいは空から落としているのか。興味は尽きませんが、ここは一つしずるさんにでもご登場願って謎を解いてもらうことにしたいものです。
 まさか空に焦がれた鷄が、成層圏まで辿り着いたというオチではあるまい。

 「Der Untergang」の日本公開が延び延びになってるっぽいんですが、GAGAのページを見たら「2005年夏」になってた。
 しかし、「ダウン・フォール(原題)」ってのは何なんでしょうか。原題はドイツ語の筈なんですが……。

 長野県の山口村がすったもんだの末に岐阜県中津川市に越境合併したのですが、これに伴って島崎藤村の出身地をどう記述するか混乱が生じていると読売で報じられていました。
 でもまあ、藤村が生まれた当時は「筑摩県」だったわけで、悩むだけ無駄なんじゃないですかね。紙幅に余裕があれば旧地名と現地名を書けば良いことだし、最悪現地名があれば用は足ります。
 そんなことより、今後は転勤族の子供だったとか、出生地の記述に殆ど意味がない方の履歴などをどう書くかに頭を悩ませた方が良いのではないでしょうか。
 とはいえ、現状は現状で直すものは直さないといけないので、教科書や事典の類は修正が面倒でしょうねぇ……。


2005年2月14日(月曜日)
 「造本段階で書籍にICタグを装着、出版業界がUHF帯の実験を始動という報道を見て、ほほう、と。
 既存の工場をそのまま流用できるってのは良いですね。
 流通側からは盗難防止への効果が期待されてるんで、万引き被害が顕著な漫画本を使って実験するみたいですね。となれば次は、写真集のような高額本ですかね。やれやれ。
 個人的にはICチップの中に入っている書誌情報を利用できるようにならんかなぁと思います。
 今から自宅の蔵書にそれやってたら死にますけど。

2005年2月15日(火曜日)
 Nを取ったらエクセリヲン(意味不明)。

 機械でやればいいってもんでもないだろうに、と「小論文、コンピューターで自動採点 入試センターが試作という記事を読んで思った。
 小論文試験ってのは、一体なにを求めてやってるんですかねぇ。論理的で規範的な文章であればいいっていうなら、そんな文章いくらでも書けますけど。主に、訓練によって。
 新聞記事のような定型度が非常に高い文章は、書けるか書けないかは殆ど訓練次第で、訓練を受ければ終いにゃ何も考えなくても書けるようになります。一段15字で9行と言われたら9行で書くし、レイアウト変更で13行になったら、内容を変更しないで使う単語を差し替えて13行に書き直す。こういった、意味が変わらないように違う字数で書く、なんて訓練は、普通の環境ではまず経験しないと思いますが、特定の職業に就かれたことがあれば珍しいものでもなんでもありません。
 こういった訓練を一年も続ければ、行数を指定されただけで起承転結の配分が肉体感覚として分かるようになり、800字程度の小論文であれば下書きなしでも一見ものの見事な文章を書けるようになります。
 かような技巧的な部分が重要であるというのであれば、それこそ高校の国語の授業でこういった訓練を施せばいい。それこそ構文的には非の打ち所のない見事な文章が出来上がることでしょう。
 そういった物に何の意味があるのかは分かりませんが。
 論理的な思考が可能であるかどうかを知りたいのであれば、論理学的問題を出題して答えを見れば良いし、そういったもので計れない何かを期待するのであれば、文章技巧とは違った何かを小論から見出さねばならないので、それを判断するのはやはり人間になるのではないでしょうか。将来的に機械でできるようになる可能性はあるにしろ、「これは面白い!」と思わず手を打つようなものを小論には期待したいわけで、採点の手間を惜しむようなら小論文なんてしなきゃいいのにね。

 とまあ、上記のような文章が、全く訓練によって書けるようになるわけです。
 いや、ホント。


2005年2月16日(水曜日)part 1
 朝っぱらから、かなり真剣に命の危機を感じたわ。
 地震の瞬間、書庫にいて、しかも本を取り出している最中だったという……。

2005年2月16日(水曜日)part 2
 以前、日本で売春禁止法が施行された直後に性犯罪が増加しているなんて話をしましたが、去年性売買特別法によって売春が非合法化された韓国でも「青少年買春が返って増加」なんて見出しが踊ってたりするようです。
 所詮人間のやることだからねぇ。

 昨日の件ですが、件のシステムであるJESSが試験公開されていたので、面白そうだったので12日の女性専用車輛の文を採点させてみました。ちなみに「痴漢対策としての女性専用車輛の導入の有効性について」という質問文にしてみました。

修辞 4.1 ( 5 )
文が総じて(平均的に)少し長いです。

句(読点と読点の間、あるいは読点と句点の間)の長すぎる文があります。

句の中の文節の数が多すぎる文があります。

連用形や接続助詞の句の並びの多い文が、幾つかあるように見受けられます。

論理 2.0 ( 2 )
内容 2.2 ( 3 )
分量過少による減点 0

最終得点 8.3 ( 10 )

 あくまで日記として書いたものを放り込んでこんな点数が出るようじゃ、困るんじゃないかなぁ。
 しかし、それなりの利点はあるかもしれません。小論文試験は複数の採点者によって採点されることが多いので、そのうちの一人をJessに任せるというのは一案でしょう。そうすることによって、文法や構文の確認はJessに任せ、人間の採点者は論の展開や論旨にだけ注視することができるようになるかもしれません。

 長いことお世話になりました
 かつては100万人を誇った利用者も、今は2万人ですか。それでも2万人いることに驚きを感じます。


2005年2月17日(木曜日)
 京都議定書が発効したと新聞一面はそんな感じ。
 いいんですけどね。
 炭酸ガスの排出を規制すること自体に異論はないですし、その他メタンやニトロを規制するのも良いでしょう。些か科学的には疑問が残りますが、減らすこと自体には異存はありません。
 でもね。
 なんか基本的なところの研究とか疎かになってやしませんかねぇ。かつて名を馳せた高度閉鎖生態系実験施設であるBiosphere 2なんて身売りしてたりすんだけど。日本でも環境科学技術研究所が(規模は小さいながら)似たような研究をしようとしてはいるけど、まだまだ人が住むレベルまで到達していません。
 何が言いたいかというと、閉鎖系としての地球環境系ってのはまだまだよく分かってないことだらけで、京都議定書による“温室効果ガスの削減”に効果があるのかどうかも、よく分からないってこと。
 温暖化の進行期間中に温室効果ガスが増えていたってのは真なんだけど、この条件でまた真になるのは対偶命題だけで、裏や逆は真ではない。敷衍すれば、温室効果ガスを削減しても温暖化が收まるかどうか定かじゃないってことになる。
 効果が無いかもしれないけどやらないよりマシだし、遠い将来の閉鎖系での生活を見据えれば、これらの排出抑制技術の開発・発展は利点があるので私は賛成するわけですが、これで地球温暖化がどうのこうのという人を見ると、幸せな人生送ってるなぁとか皮肉っぽく考えたりもするわけ。
 私としては、最近19万年まで遡ったらしい人類の歴史を、今後100万年続ける方法は?とかというスタンスでこういうことを考えて欲しいとか思うのでーす。

 標語的には、「シーラカンスのように生きよう」とか「アンモナイトのように繁栄しよう」とか「三葉虫のように遍在しよう」とか、そんな感じ?


2005年2月18日(金曜日)part 1
 内容が内容なので、告知気味に。
 MicrosoftXbox電源ケーブルから発火する事故が起きており、Microsoftでは電源ケーブルの交換を行うそうです。
 発生率は1万台につき1件程度、全世界で30件ほどで被害が出ているそうです。
 2003年10月23日より前に製造されたXboxが対象とのことです。該当される方は速やかに交換することをお薦めします。

2005年2月18日(金曜日)part 2
 昨年の8月に栃木県警宇都宮東署が暴行容疑で逮捕し、その後強盗容疑で再逮捕し、宇都宮地検が起訴し、判決公判にまで至っていた鈴木清被告が、実は誤認逮捕であることが発覚したそうな。別件で逮捕された容疑者が、上記事件について犯行を自供したことによるものとか。  時事通信によると鈴木被告には知的障碍があったそうですが、本人は判決公判にて無罪を主張、精神鑑定待ちだったそうな。
 でだ。
 日本の刑事裁判の起訴有罪率は99.8%と言われます。つまり検察が起訴しちゃった場合、法廷でそれを覆すのは、極めて難しいという事情があることはあります。しかし、そのあまりの有罪率の高さのため、判事を含め法曹が「検察が起訴したんだから有罪だろう」といった思い込みを持ってしまい易いこともまた事実です。
 弁護士が十全な仕事をしていなかった疑いもあり、こういった事件は多角的に検証し、問題の所在を明らかにしておかないと色々と面倒なことになるのではないかと思います。

2005年2月19日(土曜日)
 未明にかけて、雪が降っていましたね。そろそろ、東京も暖かくなってくる頃合。

 なんか安保関係で大きなニュースが出そうで、どきどき。発表は日本時間で明日になるそうですが、台湾有事について日米安保で言及するとか。画期的ですね。

 寝屋川の殺人事件なんですが、百年一日の如しというか、去年6月長崎小六少女の件と似たり寄ったりな報道が繰り返されているというか。
 そんなよってたかって採り上げるようなニュースかね?というのが正直な感想。
 報道姿勢を見ていると、あの時もそうだったんだけど、犯人を異常者にしたくてしょうがないんだな、って感じます。その種の殺人事件の報道を見ると、大抵周囲のインタビューでは「そんなことをするようには見えなかった」っていうコメントが見られて、これもまぁそれこそ毎回のように出現するので、記憶力がしっかりしていれば、「毎度のこと」で済まされてしまうのではなかろうか。
 2000年に、酒鬼薔薇事件とそのあと暫く連続した少年犯罪のことを思うと、実は報道なんかが引鉄になって連鎖的に事件が起こりやすくなるんじゃないかとか思ったりもするんだけど、どうよ?(笑)

 サークル代表者が夏コミ申込忘れたことが発覚……。orz
 で、その代表者は明日のコミティアに不参加という……。


2005年2月20日(日曜日)
 日米外務・防衛担当相会談(2 plus 2)の共同声明、凄いですね。
 まだ外務省には和文がないようなので産経新聞記事にリンク
 日米共同の戦略目標の中に台湾海峡が含まれることが明記されたことに、外国メディアは一斉に反応しているようです。(ちなみに北方領土も含まれたようですが、こちらはあまり話題になってないようです)
 中国は既に台湾海峡への言及は内政干渉だ、とお決まりの非難声明を出してます。
 どっちがより積極的にこの件について相手国に働きかけたのかはわかりませんが、日本にとって海上輸送線の確保、海底資源の確保は国の命運に関ります。最近経済が急激に伸び、エネルギー輸入国となった中国としても、同様です。
 外交面での激突は、致し方ない所でしょう。
 東シナ海での海底ガス田の問題もそうですし、東シベリア石油パイプラインの問題もそうです。日中はエネルギー問題で現在極東で衝突中(現在進行形)なのです。
 当然ながら、こういった問題を対話と交渉で解決するのが文明国のやり方なのですが、外交交渉の背後に“実力”が控えていなければ足元見られるわけです。また逆に、こういった交渉を有利に運ぶために“実力”をちらつかせることもまた常道です。
 日本としては中国には大人しくしてて欲しいわけで、こういった声明が今後の交渉に有益なのは言うまでもありません。多分米国は、中国の海洋進出に日本列島が蓋してくれるとありがたい、って所ではないでしょうかね。

2005年2月21日(月曜日)
 出かけようかな、と準備している所で電話が鳴った。
π 今いいですか?
今から出かけるとこだけど、なに?
π 今神保町に居るんですが、ハヤカワのSF文庫扱ってる店って分かります?
御茶ノ水駅から書泉に降りてくる道の途中に文庫川村って店があるよ。多分そこが一番品揃えがいいと思う。

 そして30分後。神保町路上にて。

(自転車で走り過ぎながら)や!
π 出かけるって、神保町だったんか。
 文庫川村に狙った本はあったけど、纏め売りでバラではなかったらしい。あと心当たりとしてはすずらん通りに文庫中心の古本屋が一件あったと思うが、多分ないだろうなぁとは言っておいた。
 もう一冊捜していた建設関係の本は私の助力なしで見つけた模様。
 実は最近、よほど専門性が高く、ある場所が分かっている場合を除くと、神保町を放浪して本を捜すことは少なくなっていて、スーパー源氏日本の古本屋の検索を利用することが多くなっています。加盟している古書店であれば全国どこからでも探し出してくれるので、私のようにジャンルが特定し辛い専門書を捜すにはこちらの方が便利です。
 ……と書いておくと神保町で約束した。

 えー、日本時間昨日の共同声明(和文)について、人民網日文版に「米日両国は台湾問題を複雑化させるな」という論評が乗ったんです。
 で、その中に、、、
中国の軍事力は一貫して防衛目的であり、他国へ干渉しようとしたことは一度もない
……と書いてあって、何事かと。
 チベットや内蒙古を武力併合したのはどこの国だったかと。中印国境紛争はなぜ起こったのかと。西沙・南沙諸島(パラセル諸島ならびにスプラトリー諸島、ミスチーフ礁)を武力で征服したのはどこの国だったかと。中越戦争を起こしたのはどこの国だったかと。
 是非聞きたい。


2005年2月22日(火曜日)
 経団連が総合的な安全保障確立のため宇宙関連技術への取り組み強化を求める提言提出したとか。
 最近、ようやくこういう認識が浸透してきたなぁと。
 それだけ長いことこの国は平和だったってことなんだろうけど。
 ところで、H-IIAの射上げは天候不順のため延期されちゃいました。

 某所で紹介されていたので、「The Political Compass」なんてもので、自分の政治的立ち位置を判定してみた。
The Political Compass
Economic Left/Right: -1.63
Social Libertarian/Authoritarian: -4.15
 自由主義者ってのは正解だと思うけど、この私が左派ですってよ(笑)。わお。
 しかし、宗教絡みの質問について保守的な回答をする日本人がそれ程多いとは思えないので、このテストじゃ殆どの日本人が左寄りで自由主義者と判じられるだろうという罠。
 ついでにF尺度測定もやってみた。
 あなたのF尺度 は: 2.466666666666667
 あなたは『自由主義者』です。 自己中心的、相対主義、即時志向、感覚主義、快楽志向が特徴です。

F尺度のうちわけ。一つの質問が多数のパラメータに影響を与えていることもあります。(Nanは0点)
項目 この項目のみの点数
因襲主義: 中産階級の諸価値に対する執着。 1.75
権威主義的従属: 内集団の理想化された道徳的諸権威に対する無批判な態度 2.2
権威主義的攻撃: 因襲的な諸価値を侵犯しようとする人々を探し出し、非難し、拒絶し、処罰しようとする傾向性 2.3333333333333335
反内省性: 主情的で、想像力に富んだ、柔軟な考え方への敵対 3.3333333333333335
迷信とステレオタイプ: 個人の運命について神秘的な規定要因を肯定しようとする信念。 固定したカテゴリーで考えようとする専有傾向。 2.3333333333333335
権力と「剛直」: 支配者-服従者、強者-弱者、指導者-追随者、という思考枠組みへの先入観。権力をもった人物への一体化。 自我の因襲にとらわれた諸属性を過度に強調すること。 強さとタフネスについての誇張された主張。 2.6
破壊性とシニシズム: 人間的なものに対する一般化された敵意と誹謗。 6
投影性: この世の中には野蛮で、危険なことがらが横行していると信じたがる傾向。 無意識の情緒的衝動の、外界への投射。 3.2
性: 性的「現象」についての誇張された関心 2
 「破壊性とシニシズム」だけが突出して高いのですが、これはあれですな、多分歴史を学び過ぎて人類に対してものすごーく絶望しているからではないかと思われ。

 去年から続くblog連続炎上事件で色々考えているのですが、最近旧友の西森さんのblogまで見つけちゃって、はははのは、と。なんか火が付く前兆みたいなものが見え隠れしてて怖いんですが(苦笑)。図情大時代の同期でよく喋った間柄ですんで、彼女の立場は分かっていますし、賛同するところもあります。
 ただ、個人的に言わせてもらうと、態度がヌルいなぁと。
 ネット社会は、newsgroup時代からそうなんですが、基本的に淘汰圧が高く、flameが起こりやすい性格を持っています。net newsもniftyもPC-VANもasahi-netも草の根ネットも、どこにでもflameはありました。当然のように、Internetにも。
 一般社会に比べて淘汰圧が高いネット界隈で言論の自由を謳歌するには、相応の努力と実力が必要になります。権力は概ね役に立ちません。自分の意見だけを好き放題書いていたいなら、blogなんてツールを使わずに、私のように日記にすればいい。それでも意見が言いたい人はメールを送ってくるんだし(笑)。
 この境界なきネット社会で発言を行うということは、2chに晒されることも異に沿わぬコメントやトラックバックを受けることも、最悪袋叩きの目に合うことも折り込み済みのリスクでなければならんでしょ。私のように会社から警告を受けるなんてことだったありうるし、最近じゃ馘になることだってある。そういった全てのリスクを一人で背負えないようなら、書き込みはすべきじゃないだろうし、2chでななしさんでもやってるか、私のように当たり障りのない日記でも書いていればいい。
 最近の炎上blogの書き手を見てると、本人の実力不足を肩書きで補おうとしている、あるいは肩書きが自分の実力を担保しているかのように勘違いしている御仁がおられることで、そういった権威・権力による実力の担保が嫌われているのではないでしょうか。私の経験でも、虎の威を借る狐や血筋や家名、実社会での肩書きを誇らしげに書く輩は毛嫌いされていました。必要とされるものは実力であり、それを判断するのは読者(受け手)なわけ。受け手にとって評価に値するモノを提示できないのであれば、火達磨になるもやむなし、でしょう。心頭滅却して炎を涼しいと感じるのも勿論結構ですが。
 実名を暴き立てて2chに晒し上げることが良い行いだと思ってはいませんが、それはある程度「リスク」として容認しないと先に進まない類のものです。対処は可能ですが後手に回るので、一度出まわった情報を回收できるわけでもないですしね。
 そういった条件を踏まえた上で、炎上を回避しうるだけの実力が自分に備わっているかどうか、判断できなかったからこそ炎上したんでしょう。
 私について言えば、自分はそういった実力などないと思っているので、blogには移行する気がないわけです。そうすれば、コメントスパムやトラックバックスパムに悩まされることもありませんからね。気楽なもんですよ(笑)。


2005年2月23日(水曜日)
 いい風が吹いてるなと思ったら、春一番。

 ケーブルテレビの番組ガイドを見ていたら、ファミリー劇場「できるかな」を放映するらしい。
 番組が終わってもう15年、それにしても色褪せない番組だ。とはいえ、「できるかな」知らない世代が高校生になっている(下手すりゃ大学生か)時代か。
 「できるかな」終了後もノッポさんは英語番組や手話番組に出たり絵本になったりなんたりと色々活躍してて、ゴン太くんもNHKキャラクター商品として大活躍、低予算長寿番組で終了後もウハウハという、権利者側からすると夢のような話ですな。しかし後番がことごとく短命だったのは困り者ですね(炸裂)。
 ちなみにノッポさんを演じておられる俳優さんの芸名は「高見映」です。1935年生まれの方なので、今年で70歳。いくらなんでももう踊るのは無理ですよね。
 なんとなく懐かしさにかまけて、番組を見てしまいそうな予感。

 豪洲がイラクに増派。しかも自衛隊の護衛が主眼ときましたか。
 こりゃ豪洲に足向けて寝れませんな。
 豪洲の対日感情は必ずしも良くはなかったと記憶していますが、それでも敢えて公約にも掲げなかった増派を行い、地域のパートナーとして重要視してくれるってことは、要するにそれ以上に懸案事項があってそっちで借りを返してもらおうってこったわな。
 求められている役割は……まあ、多分あれだな、PIFの安定化にもっと公然たる影響力を行使しろとか、そういうやつだろなぁ。もっと即物的なモノである可能性がないわけでもないけど、発言の感じからするとそうだろうなぁ。
 でかい借りを作ったと悩むより、それだけ期待されていると思うことにしましょ。


2005年2月24日(木曜日)
 日没後に、1mm以下の雨。気がつくと、雪に。

 ここは面白ニュース紹介サイトではないのですがdindexに「美人を前に大奮闘、「男は単純」氷水我慢実験で明確に」とかいうニュースがあって、男って悲しい生き物だよなぁってちょっとセンチになってみたり。

 音楽配信メモ採り上げられていたはてなの挑発的な質問なんですが、考えてみると私は「米国の音楽配信事業をモデルとした提言」をしたことがないのでわかんねぇなぁと。っていうか、音楽配信ビジネスも決して薔薇色じゃないって身を以って知ってるし。吹けば飛ぶような弱小アーティストにとっては、元所属事務所だとかレコードレーベルだとか大手音楽配信会社って、基本的に一緒や
 私はどっちかというとSACDDVD-Audioのような超高品質方向へ移行して欲しいなどと思っているクチなので、低音質なiTunes Music Storeみたいなのは撒き餌くらいにしか思ってない。底辺を広げなければ高音質のユーザも増やせない。お金を払ってくれる人の割合が変わらないなら母数を増やせというのが私の考え。音質で値段に差を付け、128 kbpsで満足する人には1曲100円、SACD級を求める人にはアルバム3,600円ならそれ程悪い話じゃなかろう、とか思うんですよ。
 津田大介さんも言ってますが「音楽は嗜好品」なのですよ。
 金を出す人は際限なく出すでしょうが、出さない人は締め上げたって出さないんです。だから私はお金を出してくれる人を増やすために、音楽を聴く人の底辺を広げたいと思いますし、その結果高い音質に高いお金を出してくれる人を育てていかねばならんでしょうとは思います。だって、値段じゃなくて、品質が問題になる嗜好品なんですもの。
 ところで、質問者の方は「CD販売数量の下落は、CCCD普及後に鈍化しています」と書いていますが、これって、「CD販売下落の主要因はカジュアルコピーではない」という意味ですよねぇ(後日注)。つまり、消費者の購買対象の中からCDが拔け落ち始めてる可能性が高いってことで、よっぽど危機的状態だと思いますけれども。

後日注:「CD販売数量の下落は、CCCD普及後に鈍化」しているため、CCCDには一定の効果は認められるが、CD売上げ減少を食い止めるほどの力はない、ということになる。これはさらにa:「CCCDのカジュアルコピー防止力には限界がある」、b:「CD売上げ減少に占めるカジュアルコピーの割合は低い」の二つの原因に分けられると考えられる。aであるとすると、CCCDの費用対効果に疑問が生じることになり、bであればそもそもCCCDの必要性に疑問が生じることになる。JASRACの收支報告によると私的録音録画補償金は減っている(デジタル音楽記録メディアの売上げが減っている)ので、恐らくbが正しいのではないかと思われる。


2005年2月25日(金曜日)
 つ、疲れたぁ……。
 あとで一人反省会しないとなぁ。
 やっぱ最初の判断を下すまでの時間はともかく、その時までに集めた情報が少な過ぎる。行動に移る前に、もう少し、確定情報を増やすように心掛けんと駄目だなぁ。行動が性急に過ぎる>自分。
 私の状況突入が16時30半くらいで、1st actionが15分後、ほぼ確実な状況が掴めたのが18時近くだから、もう15分から30分、情報收集に当てても良かったはず。そうすれば確定情報がもっと早くに掴めて対応がもっと適確にできて、最終的な收束を早められたハズ。
 通報が18時30分、最終的な收束が23時台。
 最終的には大したことがなかったということだから、笑って済ませられるだろうけども、反省点は多いな……。

2005年2月26日(土曜日)
 H-IIA F7射上げ成功おめでとー!
 ペイロードを所定のGTO(静止トランスファ軌道)に投入しましたんで、ロケットの方は成功です。この後、荷物であるところのMTSAT-1Rが3回のAMFでGEO(静止軌道)に乗って、微調整の後所定の軌道について、太陽電池パネルの展開やアンテナの展開され、搭載されている機器が完全動作することが確認され、実動を開始したら、オールオッケー、完璧です。
 ついでに、次のMTSAT-2の納入が迫っています。当然射上げも今年中に行われるでしょう。
 今年は射上げが多くて大変そう。是非ノーミスクリアを狙ってください。
2005年2月27日(日曜日)
 「森氏発言:ゲームで自閉症になる」「ゲーム脳講演会の顛末」によると、「ゲーム脳の恐怖」の著者の森昭雄日本大学文理学部教授が、講演会において「テレビゲームが原因で自閉症になる」と発言したとか。
 正気を疑いますな。
 自閉症は先天的な病気で、後天的に発症するというのは初耳です。それとも、親がテレビゲーム漬けになっていると、産まれてくる子供に自閉症児が増えるとでも言っているのかと思ったのですが、そうでもなく、本当にそう発言したようです。
 ゲーム脳のことは、実はこの日記で一度も採り上げたことがありません。森氏の本を読んでも何も感銘を受けなけりゃ感慨もなかったからです。
 この一事で判断するのはアレですけども、私としては、おかしなことをいう人だという認識はまた深まりました。

2005年2月28日(月曜日)
 人間誰しも最後は死ぬわけで、クリエイターであれば最後の作品が「遺作」と呼ばれるわけなのですが、その遺作がアレとあってはね……。
 そういう遺作だけは残したくないな、と思いました。
 合掌。
 「真説・タイガーマスク」はどうするんだろうねぇ……。このままお蔵入りにしとけばミツルんなんかは喜ぶんじゃないかって気はしますが。

 画伯が「日本独自のGPS網は速く整備して欲しいな。」とか書いてて、吃驚仰天。いつのまに「日本独自のGPS網」なんて計画がスタートしていたのかと。私の知る限りンな気宇壮大な計画はJAXAにはなかったハズ。日本政府だってンなことはお首にも出したことなかったかと。
 日本はESAGalileoには参加してないので、このことではない。当然、ロシアのGLONASSでもないと思われる。
 もしかして準天頂衛星のことを言っているのかとも思ったけど、これは全地球測位ではないので、GPSとは違うもの。基本的に日本近辺での測位を考えているだけなので、当然GPSの代わりにはならない。
 日本独自に30機近い測位衛星を打上げて全世界規模で測位できるようにするというのなら、実に素晴らしい話だとは思いますケドね
 現在のGPSはご存知の通り米軍の戦略衛星でございまして、民間で利用できる精度には限界があることが知られています。また、米軍は任意の地域に於いてGPSの精度を落とすこともできます。なんだかんだ言ってこれって軍事的に非常に強力な武器なんですよ。
 だからロシアは国がアレでも自前でGLONASSなんて打上げてるし、EUだってGalileoを立ち上げてる。中国はGalileoに参画してて、EU諸国は中国への武器禁輸解除を訴えている、と。ちなみに米国はGalileo計画に反対の意向を示しています。
 日本としては今の所アメリカべったりなので自前でGPSなんて話は逆さに振っても出てこないハズなんですが……いやしかし画伯のことだ。もしかしたら私たちの知らない世界の情報を察知しているのかもしれない。
 もし日本が高い精度を持つ測位衛星を打上げて、その情報を完全に軍民問わずに開放した場合、軍事バランスが崩れて、それはそれは素敵なことになるでしょうねぇ……。

 そういえばこの日記で思い出したように採り上げてきた中国独自の光ディスク規格「EVD」ですが、先日「サーチナ」に「国家規格になったという報道が。
 まあ、サーチナ見てると実に勇ましい記事がこれまでも並んでいて、中国国内で本当にシェア伸ばしてんじゃないかと錯覚しそうになることあるんですけど、どこまでやるんですかねぇ……。さすがに「国内に出荷する光ディスクドライブはEVDが再生できなければならない」なんて条件付けたらWTOに訴えられるだろうし。
 怖いもの見たさはあるんだけど、そのためにお金遣うほどじゃないんだよなぁ。