このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクトは関与しておりません。
また、守秘義務の関係上、伏せ字が多くなっています。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。
大学のメインシステム・dreamが死んでしまう。明後日からはメンテだってのに。学生たちは大変なことだろう。私もftp他ができないので、日記の更新ができない(笑)。
今日は関口教授の講義だった。お題は『学校図書館メディアの構成』。いきなり受講生全員(68名)に大学の主計算機dreamの一時アカウントを与えて、電子メールのやり取りに慣れろときたもんだ。
賢明な諸兄には、既に話の結末が見えたことだろう。
受講生の中からコンピュータを日頃使っている人間を11人掘り出してチュータをやらせるとか言い出す。そして私は唯一のULIS学生ということで、わかんないことがあったら全部訊けと。
日曜日の12時頃からダウンしっぱなしのdreamは朝になっても復旧しておらず、ipcへ行ってみれば復旧の目処は立たないという。そこで竹居さんはかくのたまった。
竹居 | 小熊くん、なんで司書教諭講習の手伝いなんかしてんの? 金一封でも出るの? |
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小熊 | 俺、受講生です。 |
今の私のささやかな願いは、一介の学生として、無事平穏に司書教諭講習を終えることだ。
どうしてこんな小さな願いが叶わないのだろうか。きっと悪の秘密結社が存在し、小熊に平穏な生活を送らせまいと、日々暗躍しているからに違いない。考えてみれば、その秘密結社に属していそうな人間の名前がリストになって流れていく。いつか尻尾を摑んでやる(爆)。
Linernoteに予告してあることだが、明日より大学のシステムの定期メンテナンスに入るため、コンテンツの更新が滞ったりする予定。
本日、虫歯を発見する。生えかけで止まってしまっていた右上の親不知。歯ブラシが届かなくて不安だったのだが、やはり虫歯になっているようだ。この調子だと治しても治しても再発するだろうから、思い切って拔いてしまうのがいい解決なのだろう。
今日、講義の途中で図書館から、月末の展示の案内が配られた。
そういえば、そろそろ展示案内文の校正をしなきゃいけない時期なんだなぁ。一人でも多くの人に見てもらいたいと思う反面、こんな無茶苦茶な内部体制で大丈夫なんかいなという思い半分。
ポスターの背景に使われているメソポタミアの粘土板、未だに上下左右表裏、なにもわかってないんだよねぇ……。
今日、図書館から、丸善日本橋店での展示の解説のゲラが上がったから来てくれと言われる。ゲラを見てみると、問題の漢字はゲタになってる……。これじゃ俺が見る意味ないじゃん! ついでに展示前日だか初日だかに手伝いに駆り出されることになった。ちなみに無給。ボランティアである。弁当くらいはでるそうな。
とりあえず図書館に校正したゲラを渡す。何ヵ所かルビを振らせてもらった。『膠泥活字』などは、ちょっと読めないだろうから。疑問を抱きつつもルビを振ったのが『續日本紀』。先日学生でこれをちゃんと読めない奴がいたので、ルビを振った。和泉先生に言ったら「嘘だろう」とか言われそうだ。私だって嘘だと思いたい。難しいところだなと思ったのは『王羲之』。書道をやった人間や、中国古典にある程度親しんでいる人なら知らないわけはないと思うのだが。
ルビの指定はいつも悩ましい。思い切って総ルビなら、何も考えなくて済むのだが……。
今日、ふとヴァーチャルサラウンドヘッドホンを見ていて思い付いた。こいつはヴァーチャルサラウンドを形成するプロセッサ部と、赤外線コードレスなヘッドホン部で形成されている。ってぇことは、だ。
「このヘッドホンって、汎用なんじゃないの?」
SONYは赤外線コードレスヘッドホンを幾種類か出している。このヘッドホンの部分は共通の機構なのではないかと疑ったわけだ。
実験するには、もちろんもう一台、別のコードレスヘッドホンを用意せねばならないのだが、この問題は一瞬で解決した。
このテの醉狂なものに手を出していないはずのない男・本学最強のオタク野郎にして永遠のオレンジロードマニア・糸野泰輔、その人でぇ、ある(サイエンス・アイ風に読んでね)。
っちゅーわけで、早速自分のヘッドホンを持って彼の院生室に赴き、実験してみた。実験結果は良好。この部分は汎用品のようだ。
八月はNHKの特集番組が多くて大変。それも結構質が高いのが多いもんだから。
戦争を外交手段として考え、戦争における残虐行為を否定もしない男が、反戦特番を見て面白いか?とか問われそうだな。
一応言っておくと、私は戦争が嫌いだ。しないに越したことはないとはないと思っている。しかし一旦戦争が始まってしまったら、全力を尽くして勝つことを考える。絶対反戦主義ではないというだけだ。
輕々しく戦争をしないためにも、事実を知っておく必要はあるのだ。
国旗国歌法が成立した。なんというべきか。こういう法律を作らねばならないことの方に呆れてしまうな。一方で、組織犯罪対策法案の中の、通信傍受法案が参院法務委員会を通過していった。こいつも困ったもんだ。せいぜい対策として、メールの暗号化を進めるくらいしかないか。
懸案事項だった親不知を、今日近所の歯科医へ出向いて拔いてもらった。拔いた歯は貰って来たのだが、こらまた見事に穴が開いていた。うむぅ。
毎年この時期になると問題になるのが靖國問題。靖國神社に閣僚が公式参拝するのが是か非かという問題らしい。「公式」となると問題になるのは政教分離の原則だろうか。
靖國神社そのものに問題があるという意見もあるようだが、それはどうだろうか? 靖國神社は戊辰戦争の犠牲者を弔うために明治天皇によって建立され、その後日本の関った戦争における戦没者を奉っている、かなり特殊な性格を持った神社だ。奉られている御靈は日本人のみならず、日本国民として太平洋戦争を戦った韓国・朝鮮・台湾人兵士や軍属も含まれている。A級戦犯が含まれているのは確かに事実だが、A級戦犯が太平洋戦争の総ての責任を負わねばならないとは私は考えない。そもそもA級戦犯を裁いたのは我々日本人ではない。(日本人自身は、まだ誰にも戦争責任を科していない)
その目的がどうあれ、日本の国のために(あるいは、国のせいで)死んだ人々を日本国の責任で奉るのは、最低限度の道義であると私は考える。
ただ、建立当時の事情などから、神道のスタイルになっているのが、問題だということだ。
なんか特例でも認めないと駄目な問題なんだろうなぁ。
図書館から、二稿を預かる。
一方、クロネコヤマトで届くはずのゲラの方は、受け取りに三日連続で失敗する。
指導教官は会えないまま、国外へ。
昨日散髮して気分が変わったところで、今日は鶯色の作務衣を着ていったのだが、これを見た糸野 the Great オタクはかく宣った。
「貴様偽物だな!」
「……黄色いマフラーしてねぇだろ」
全くもって困った野郎だ。
レポート課題やらなんやらがもの凄い勢いで迫ってきていて、片っ端から処理しても追い付かない。俺ってこんなに勤勉だったっけぇ?
今年の“終戦記念日”で興味深かったのは“敗戦記念日”という呼称をする場合が散見されたことだろうか。私は以前から“敗戦記念日”と言うべきだと考えている人間なので、こういう呼称が少なからず見受けられることに、好ましさを覚える。戦争が終わっただのと、他人事みたいな言い方をするのは、気に食わない。あれは日本人が敗けた戦争だったのだ。
歴史学の重要な仕事の一つに、失敗の分析があると私は思っている。歴史の中の失敗に対し、多角的に分析し、再び同じ過ちを繰り返さないための教訓とする。
戦前の大日本帝国には、構造的欠陷があった。政府には軍を制御する術がなく、天皇には制御する意志がなく、軍には自省する頭がなかった。
さて果たして、現在の日本国は大丈夫かな? (私にはやはり構造的欠陷が見えているが……)
WG終了後、片岡先生と秋葉原へ出向く。片岡先生がオーディオマニアであることを知る。ヤマギワ電気のオーディオコーナーで、片岡先生ご自慢のCDを様々なアンプとスピーカで聞かされる。
しかしそのCDが凄い。
小熊 | どうやって手に入れたんですか? | |
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片岡先生 | 秘密。 |
片岡先生 | ちょっと意外だったでしょ。 | |
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小熊 | え? 片岡先生だったらたとえ原爆作ってても僕は驚きませんよ。 | |
片岡先生 | なんだよそれ。ロスアラモスに呼ばれて原爆作れって言われたことはあるけど。 | |
小熊 | ……。 |
WGに出席する前に、ふと上野のまんがの森に寄ったら、笹本祐一の『星のパイロット』シリーズの著者サイン本が売られていた。もちろん私はコレクターではないので買わなかった。それよりドラマCDを早く手に入れなければ……。
夜、NHKスペシャルで『ノモンハン事件 60年目の真実』 という番組を放送しているのを偶然見つけた。酷いものだ。帝国陸軍の死傷率76%……。普通軍事上の常識として、三割の戦力が失われれば「壞滅」と呼ばれるのだぞ。
しかし日本という国は、本当に反省が下手だ。反省するというのは、過誤を直視する勇気の事だ。間違っても、全てを否定することではない。なにが誤りであったのか、痛みを堪えて覗き見ることだ。
この日本の反省下手の体質は、今も昔も変わらないようだ。
歴史学がちゃんと機能してない国なんだよな、この国は。歴史学徒としては、心苦しい限りだが。
昨日約束したとおり、片岡先生にメールを出す。さてさて、これでまた一つ、問題の文献が私の手の内に入るわけだ。恐らく、この大学では私一人だけが真面目に考えている、資料電子化にまつわる問題。
いや、だってこの大学駄目だもん。電子図書館やってるけど、資料の電子化に際して、どのくらいの精度が必要かなんて誰も研究してないし。大体、それを問題だと認識してないもん。
文字コードの問題も、突き詰めれば精度の問題だけどね。包摂基準をどこに置くかという、精度の問題。閾値の設定如何で、再現時の精度も決まるってわけだ。
仲間内で流行っている「あなたのPC汚染度チェック」をやってみたら、汚染度148.8%と診斷される。「もうかなり駄目なレベルに来ています。」……。
いつの間にこんなに進行したのだろう? そのうち紙の資料を見るよりディスプレイのドットを眺める方が落ち着くとか馬鹿なことを言い出しそうで怖い。
昨日の「あなたのPC汚染度チェック」なのだが、ULISで絶対に私より汚染されているはずの二人(糸野くんとIPCの竹居さん)が私より低い値を出した。これは絶対に嘘を吐いているに違いない、と糸野のところに押し掛けて、私の監修の元に再チェックを受けさせると、128%まで上昇する。ほらみろ。きっとまだ私の分からないところで嘘を吐いているに違いない。嘘つきはいかんね、嘘つきは。
今日から本格的に修論戦線に復帰する。とか言いながら、最初から多言語の方に流れていたような気も……。石川先生のところでモンゴル語の話をしていたことを考えても……。
今日は腰痛がなぜかひどかったので、唐突に休養日にしてしまう。いい加減、畳に寢ゴザで寢るの止めようかしらん。
書店で梶尾真治の『クロノス・ジョウンターの伝説』を手に入れる。昔、『グリフォン』という『獅子王』の後釜SF雑誌(すぐ潰れた)に読み切りとして掲載された作品に、あと二本追加して一冊ものにしたもの。クロノス・ジョウンターという副作用付きタイムマシンをつかった男女の恋物語三本。ちょっと書き下ろしは読み切りに比べて甘さが増しているけど、悪くなっているわけじゃない。読み切りの切なさがたまらなく好きだった人には、少々たるいかな、という気はするけど。
あと、漫画を一冊買った。木村紺『神戸在住』(講談社アフタヌーンKC)。何の事はない日常を描いた、漫画エッセイ。でも神戸の地震が絡んでいて、なかなか読ませる。
こういう作品を見ていると、漫画という表現手段で、小説でも隨筆でもなんでもやれるんだなって思えて、非常に嬉しい。僕は絵は描けないけれど、漫画好きとして、ね。
95年の1月17日というと、僕は前の大学の二年生で、丁度その日、後期の試験だった。当時はテレビもラジオもない生活で、新聞は大学の図書館で読むだけ。だから朝、僕は何も知らずに試験会場に入った。そこで、蒼い顏をした神戸出身の福崎くんからニュースを聞いたのだ。
20歳最後の日だった。
今日のNHKの『クローズアップ現代』で稀少動物のペットブームを取り扱っていた。そもそもペットというものについて、今の私にはあまり理解がないのだが、これが保護対象の稀少動物となると、なぜそんなものを飼いたがるのか全くわからない。
番組中では「珍しいから」「コレクション性」とか言われていたが、生き物をなんだと思っているのやら。きっと連中にとっては、他人はすべて「ホモ・サピエンス」なのだろう。だからペットも種名でしか判斷しないのだ。
給料日明けで東京、それも神保町とは目と鼻の先の本郷に到達した私は、あとは例によって例の如く、湯水のように本を買い漁った。先日[ピー]MCのN内くんと給料を何に注ぎ込むかという馬鹿話をしたことがあったが、私の場合はもはや何も言う必要はないだろう。
書店で、『Hello! あんくる』の総集編を発見する。
作者はみず谷なおき。寡作だが『人類ネコ科』などの代表作をもち、人気のある作家、だった。この人のことを過去形で語らなければならないことが、本当に辛い。今年の2月に急逝。不帰の人となった。享年38歳。若すぎるよ……。
『Hello! あんくる』は氏の最後の連載作となり、最終回の一話前で中斷したまま、とうとう未完となった。
今日まで、名古屋で原画展が行われていました。原画展を東京で開催しようという有志の動きもあるようです。
夕刻、妹から電話がある。元旦には帰省するかとの問いに、多分と答えると、結婚式をするから帰省しろと宣う。妹24歳。高校時代からの付き合いの彼氏と、結局ゴールインするらしい。
妹は千葉で看護婦を、彼氏は北海道で教員をやっている。結婚式に呼ぶような知り合いは高校時代の同窓とかなので、全員が帰省している元旦を狙うということらしい。また面倒な日を選ぶ。
その彼氏とは教育実習で一緒だったが、別に悪い人間じゃなかった。面白い人間だとは思わなかったが。よくも悪くも普通の人間だ。
まあ、妹はなにかと突飛なことが嫌いだったから、それでいいのだろう。(この件については兄を反面教師にしたという説があるが、斷じて違う)
しかし元旦に実家に帰るためには、その前にきちんと修論を終わらせなければならないワケで、それを考えると色々頭が痛い。
大体、正裝もないからつくらんとあかん。紋付袴ってどのくらいするんだ?←フォーマルにする気はないらしい 冠婚葬祭兼用の紋付ってあるのかな? 家の紋って二重鷹の羽だけど、どっち重ねだっけ?
やっぱ面倒臭いから欠席しようかしら(笑)。
親も妹も、私のことをよっぽど心配しているようだが(苦笑)、相手がいなければ結婚というものはできないわけで、そもそも相手がいないんだから心配したってしょーがなかろーに。え? それが心配の種だって?
JIS制定後の用字用例調査は、JISの影響下にあるために、ある種の偏向がかかっている可能性が高いと、今回の一件で思った。同人誌のように一種「治外法権」的な出版物の場合、その軛が弱いのか薄いのか、こういう結果が出たというわけだ。
しかし同人誌を整理していて思ったのだが、田中久仁彦がカラーを描いてるやつ(しかも乱丁)とか、荻原一至の同人誌とか、甲斐智久の同人誌とか、梶島正樹が出した天地無用!の同人誌とか、なんかレアなのあるなぁ……。
もし死んだ時に、まとめてリサイクルゴミにされたら、たまらんな……。きちっと遺言状に書いておかないと駄目だねぇ。
深夜、FTRONの月例チャットに出る。すると一斉に「9月に何があるのだ!」と責めたてられる。躱すのが大変だった。私もK元くんのような毛の生えた心臓が欲しいものだ。こんな小心者を責めんで欲しいわ。