哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2008年1月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2008年1月1日(火曜日)
 なぜか走り初めで秋葉原まで。
 それはともかく、明治通りも白山通りも靖国通りも閑散とした正月休みを演出しているのに、なぜ中央通りは普段と変わらぬ、否、それ以上の盛況を見せているのでしょうか。

 どうせ秋葉原に出たので、USBメモリを物色してみる。
 8GBモデルが2万円切ってたヨ……。


2008年1月2日(水曜日)
 痛いニュースの「私の夢は「一日独裁者」になって苦しむ人を救うことです(朝日投稿欄・柴田十子(宮城県52歳))」を見て、戦後民主教育の残骸を目の当たりにした気分。
 52歳になんなんとしているくせに、夢は独裁者かよ。
 一見耳障りの良いことを言っているように見えて、実際には民主主義を否定し、権力の棍棒を以て強権を恣にせんとする、ファシズム的発想。しかもそのくせ、目標は余りにもちんけ。
 そんな投書を掲載する朝日新聞。民主主義を否定する意見だと分かってて載せたのか、そうでないのか。
 どうも「革命鬪争」世代は、民主主義をないがしろにする傾向が強くていかん。

 そういえばベナジル・ブット元首相の暗殺によって、パキスタンの総選挙は延期となったそうで。
 彼女を戴いていたパキスタン人民党は、彼女の息子ビラワル・ブット(19歳)を党首とするそーな。
 不思議に思うのは、ブット女史自身が、元パキスタン首相ズルフィカル・ブット氏の娘で、さらに先代のシャー・ナワーズ・ブットは独立運動家という筋金入りの家系なわけだが、かような世襲を行っている連中をして“民主化の旗手”といった報道をするのは如何なものかと。
 単なる“貴族”じゃねぇか。


2008年1月3日(木曜日)
 新年早々ロクでもない凶報が相次いでいるが、スリランカ政府が、北部の反政府勢力である「タミル・イーラム解放の虎」との停戦合意を破棄するとの。事実上崩壊してたから、現状の追認ってことなんだろうけど、2008年もあちこちで血が流れそうだ。

 昨年末に案内があったようだが、「パスネット」が3月14日で廢用となるらしい
 確か手持ちのカードは使い切ったと思ったのだが、確認しておかないと。
 確かにpasmoはJRともバスとも共用できて、便利だからねぇ。

 「去年の交通事故死者、54年ぶりに5千人台まで減少の報。一歩間違うとうちの母もこの中に含まれていたわけで、人事ではないのだけれども、死者が減っていることについては、朗報。ただし、事故件数が高止まりというのは、いただけない。
 事故の削減については、専ら道路行政に基づくものと私は考えているので、ごく当たり前の対策を施せば、当たり前のように減るのではないかと思う(参考)。
 これに関連して、「自賠責保険料、11年ぶり引き下げへ…来春から2割前後との報については、交通事故死減少にこのような副次的効果があるのかと、蒙を啓かれた。


2008年1月4日(金曜日)
 何度か話題に上っては立ち消えしている気がする書籍へのRFID附与だが、またもや「講談社など出版や書店、ICタグで書籍管理.09年度からと記事になっていた。
 書籍流通は日本で最も流通改革が遅れている分野のひとつで、委託販売制度とも絡んで、新刊書の返本率が30%台とか、かなり既知外な数字になっている。
 軽く説明すると、日本においては書籍販売は、一部の出版社(岩波書店静山社など)を除き委託販売制を採っており、書店の店頭に並んでいる書籍は、あれは出版社の「店頭在庫」である。書店は売上に応じた一定割合を受け取るだけで、売上の大部分は取次・版元へと渡る。勿論相応のメリットもあるわけで、書店側は一定期間売れなかった本を版元に返品し、その分のお金は払わなくても良い。
 詳細に於いては色々あるが、大雑把に、在庫リスクを出版社側が持つ代わりに、書店は低利益を甘受せねばならないのが、現在の書籍販売の形態な訳だ。
 ここで問題になるのが、上記の返本率。
 返本された本というのは、見世棚に並びつつも売れ残った本のことで、いわば不良在庫だ。学術書や文芸書であればまだしも、定期刊行物である雑誌などでは、問答無用でシュレッダーに放り込む以外にない。時事問題を扱ったルポや、進歩の著しいコンピュータ関連書なども、ロングテールとかいうものは殆ど期待できない。
 委託販売で書店は在庫リスクがないから、実際に売れる数より多く発注し、それに対して版元が応えてしまえば、上記のような返本率が発生し、版元は返本率を見込んで定価と正味(定価の内の版元と流通の取り分)を設定するから、書店はますます低利益率となる。これに店頭からの万引きが加わると、小売書店はあっという間に干上がってしまうことになる。
 根本的なところで非常に無駄が多いシステムとなっていて、適正配本が強く望まれる所なのだが、望まれつつも10年くらいが経っている気がする。
 で、まあ、“銀の弾丸”としてICタグが期待されているわけだけど、考えてみるとそんな簡単な話じゃないよなぁ、とかとか。
 結局のところ適切な市場分析とそれに基づいた印刷製本、配本、売上管理がなされないと意味がないわけで、RFIDでできるのはそのうち売上管理だけだもんな。

 書籍が委託販売制度による版元在庫リスクになっているのは、書籍という商品は手にとって中を見ないと品定めができないのだから、売れる売れないに関わらず店頭に商品が一通り揃ってなければならない、という理由からだと、私は教わった。
 岩波は委託販売から買い切りに移行して長いわけだが、都心の大型書店ならともかく、私の家の近所にあるチェーン書店ですら岩波文庫は置いていない。
 しかしながら、「中を見ないと品定めができない」部分が最近希薄化しているのではないか、と思わせるような記事が別件であった。

 あくまで極少数の事例なので一般性があるのかどうかは不透明なのだが、コミックやライトノベルはシュリンクラップされていても売れて行くわけで、つまるところ「見本」として店頭に置かれている意味は全くない。内容を確かめたければマンガ喫茶や新古書店へ行くというのは全く合理だ。
 こうなると委託販売制度そのものが、その必要性を失いつつあるのではないかと思わざるを得なくなってくるのだが、果たして未来の社会に書店はどういう姿で残って行くのか、興味深い。

 世界的に「物言えば唇寒し」的な風が吹いているわけですが、豪洲から「オーストラリア、中国を真似てインターネットの検閲開始」という報。とりあえず豪洲とは距離を置いたほうが良いのではないかと思いますな。
 ところが日本からも「有害サイトの削除を義務付け・民主が独自法案」という報せ。
 未成年者の使用する携帯電話にフィルタリングを義務付けるくらいまでなら許容範囲ですが、プロバイダに検閲の片棒を担がせるのには反対。というか、これはどう考えても国権による検閲の使嗾だと思いますが、如何に? 通信の検閲は不可であり、通信の秘密は侵してはならないんですよ。
 自由な言論、表現こそは民主国家の拠って立つところだと、私は信じますがね。
 こんなことが議論できなくなる社会なんて、まっぴら御免だ。
 9条より先に21条が危機に瀕してるよ、この国じゃぁ。


2008年1月5日(土曜日)
 大統領選挙に端を発したケニアの暴動は、收拾の目処が付かないらしい。一方西岸ではモーリタニアの政情不安によって、ダカール・ラリーが中止。
 むしろ、ワールドカップサッカーを2年後に控えた南アフリカの治安が改善してきているというのだから、世の中分からないものだ。
 そういえばちょっと気になっていたのだが、フランスでは今年も大晦日から新年にかけて、例年通り、多くの車に火が付けられたそうな。何故そのようなことをするのか全く理解はできないが、フランスの大事な伝統行事らしいので、今後も絶やさずに続けていって欲しいと思わざるを得ない。
 日本では、戸越銀座で高校2年生男子生徒が両手に包丁を一本ずつ持って「殺してやる」などと叫びながら買い物客など5人に斬りつけ、2人に怪我をさせたとか言うニュースが流れていた。
 今日も世界は平常だったようだ。

 そおいえば大阪で救急搬送の盥回しで人が死んだと話題になっているそうだが、識者の意見待ちということで。
 一応ざっとニュースを拾い読みした範囲での感想は、「運が悪かった」としか。当たり前の話だけど、医療機関の受け入れ能力は有限なので、溢れ出れば死に至ることもあるわな。
 この手の話をするときには感情は邪魔なので、理詰めで工学的に対処しなければいけない。自治体の規模に対して救急救命能力をどの程度の規模にするか決定し、必要な予算措置を取る。勿論、それでも限度はある話なので、運が悪ければ溢れることはあるだろうけど。
 少しでも余裕を持たせようと思えば、規模を大きく取ることになるわけだが、当然それは予算に跳ね返る。
 予算が通らなければ、当然その分受け入れ能力は減少するし、それを医療要員の根性で補おうとすれば、一時的には維持できるかも知れないけど、長期的には崩壊を早める。
 日本の医療現場の現状を考えれば、起きるべくして起きた事態に過ぎないのだから、運が悪かったと慣れるのが一番手っ取り早いと思う。
 どうせまた起きるから。


2008年1月7日(月曜日)
 昨日は、寝て起きて飯食って寝て起きて飯食って寝て起きたら一日が終わっていた。午後から自転車転がそうと思っていたのに、睡魔に負けた。

 一昨日「どうせまた起きるから。」と書いた救急搬送盥回しですが、蔵王で起きた
 別にニュースには目新しいところはないのですが、当該記事の「このニュースのトピックス:不祥事」となっていて、一体誰が何の不祥事を起こしたんだろうかと。
 受け入れ可能な病院が嘘を吐いたとかいうなら不祥事(とうか犯罪)になる可能性はありますが、受け入れ能力を超える救急搬送を断るのは患者にとっても必要なことのはずです。搬送された病院の処置室で順番待ちをさせられるほうが良いと考える人は、恐らく少数派でしょう。
 新聞社がそういう目でこの事件を見ていることがわかった、という点については、実に有意義な記事でした。


2008年1月8日(火曜日)
 「国会図書館の本、全国で閲覧可能に.3000万冊をデジタル化という、読書家には堪らない話題。
 思いつく大きな問題点は2点ですね。
 一つは著作権問題。もう一つは作業の量と質の問題。
 著作権については、法改正で対応できると思われますが、なにせ、近代ライブラリですら約75%の文献に於いて文化庁長官の裁定が必要だったわけで、これが現代に近づけば近づくほど、出版点数が増えて、その困難度が増大することは自明です。何らかの法的支援がない限り、作業の着手そのものが困難でしょう。一体どういう権利制限をかけるのか、興味深いところです。
 諸外国でも権利者不明の絶版出版物“Orphan Works”の問題は注視されているところですので、範たる制度ができることを望みます。
 さて問題のもう一方、作業量と質の問題。これも中々に困った問題でして、とかく過去のマイクロフィルムについては作業がいい加減なものが少なくありません。現物を見れば分かるものが、マイクロフィルムを見ると判読できないなどというケースは多々見られます。
 昭和期の公文書では赤(朱)色の罫線が入った用紙にブルーブラックのインクで印刷されたものがかなりありまして、これをモノクロのマイクロフィルムに撮影したらどうなるか、ご想像頂きたく。
 そこまで行かないにしても、カラー文献はカラーチャートと一緒に写さなかったらあとで補正できないだろうとかいう的な作業を平然と行う人たちは多々見られるわけで、作業者が利用者を兼ねない場合の作業の品質については、文献電子化に限らず、一段と低いものになってしまいがちです。
 この点、いかに質を高く保つか、そして膨大な量をこなすか、しかもリーズナブルに、が難しい問題となってのしかかるんじゃないでしょうか。

 昨年12月に禁錮34年5月の判決が下った浜松強盗殺人事件のブラジル代理処罰裁判ですが、被告側が控訴との報せ。
 確か被告は起訴事実を全面否認していた筈なので、当然といえば、当然。
 ただ、もし刑が確定したとしても、その量刑の軽重を肯んずるか、については内国的な問題が残ろうかと思う。
 日本では最近頓に厳罰化を求める声が強く、犯罪者の更正について期待を持たない風潮が強い。私個人は更正不能な罪人も居ようかと考えているが、「適切な量刑」「確実な更正」について日本国内では議論の余地があると考えている。
 とまれ、国外犯の代理処罰については、外国の問題でもあり、内国価値観と相違した量刑が科せられることはまずありえる話であり、特に日本のような死刑存置国においては、死刑廃止国との間での価値観の相違は覚悟しなければなるまい。(ちなみにブラジルは死刑廃止国)
 報道各社の姿勢を注意深く見守りたいところ。


2008年1月9日(水曜日)
 なんと草思社が経営破綻。
 「声に出して読みたい日本語」などのヒットを飛ばしていた出版社だけに、一体何が起きたのかと。

 韓国から、「世界最大の漢字辞典、5月までに韓国で全巻刊行へ」という話題が。
 親字約6万、漢語約50万、15巻組の辞典を30年というのは、悪くないペースですね。
 別に字典フェチでもなければ書痴でもないのでわざわざ買うことはしませんが、図書館辺りで眺め渡してみたいものです。
 ……別に粗探しするわけじゃないよ?


2008年1月10日(木曜日)
 電波法施行以来初という、放送局への運用停止処分発令
 最初、変更後の出力を「220kW」と誤読してしまって、「なんと凄まじい」とか思ってしまった。(^^; いくら何でもそりゃないわな。

 東京農工大から農作業用パワードスーツ開発の
 日本では既にサイバーダイン社HAL-5などが介助用として研究開発されていますが、こちらは農作業用、と。
 実に平和ですな。
 次はどっかの水産大学が漁撈用のパワードスーツでも開発するのだろうか。

 本屋に寄ったら高山瑞穂がオリジナル新作出してて吃驚した。
 “學茶無館”というサークルで「RETURN MATCH —翔子—」を描いていた頃からのファンなので、久方ぶりのオリジナル、それもスポーツ物ということで、期待しながら買った。


2008年1月11日(金曜日)
 サー・エドモンド・ヒラリー氏逝去。享年88歳。

 昨年末に再度飛行停止となった米軍のF-15ですが、どうやら状況は芳しくないらしく。未だ4割の機体が地上待機状態。別報では180機が退役予定となっています。
 日本のF-15Jがどうなっているのか、不思議なほど情報が入ってこないのですが、縦貫材の問題が日本にも波及するような場合、F-XはF-4代替どころかF-15代替とならざるを得ず、しかも一刻の猶予もないことになります。今年中にF-22の輸出解禁が得られないとなれば、EF-2000ということにもなりかねませんなー。

 インドのタタ・モーターズが、ニューデリーオートエキスポで10万ルピー(約28万円)車“NANO”を発表したとかで話題になってますな。
 全長3.1m、幅1.5m、高さ1.6m、排気量624cc、出力24.6kW(33馬力)、最高速度105km/h。
 鋼材の代わりにプラスチックを多用し、通常ボルト留めする部分に接着剤を用いるなどの徹底した低廉化により達成された、らしい(伝聞)。
 先進諸国が半世紀前に作った“国民車”の印度版ってことでしょうか。ドイツのVW Type 1シトロエン2CVBMC Miniフィアット500(2代目)スバル360といった車たちと比べられるべきものでしょう。
 とはいえ、同様のコンセプトにしても、前記の車たちと比べて良いものか悪いものか。


2008年1月12日(土曜日)
 識者thanx

 BTRON Club
 予稿を見た瞬間に、この発表は聞かない方が良い、と判断して、後半退場する。
 この私の判断は、後世末永く称えられて然るべきであろう。


2008年1月13日(日曜日)
 フルパワーサンデー。
 明日休みで良かった……。

 台湾(中華民国)立法院選挙は、親大陸の国民党が圧勝。
 どーなるのかね、今後。


2008年1月14日(月曜日)
 流石に疲労困憊でバタンキュー。

 「義足走者ピストリウス、北京五輪出場は不可能に=国際陸連というニュースがあって、如何ともしがたし、と。
 Oscar Pistorius氏は確か先のローマ国際グランプリで健常者に混じって400m Bのファイナリストになっていた選手だと記憶していたが、調べてみたら、タイムは46秒90だそうな。100mの自己記録は10.91秒とか書いてあった。
 パラリンピックでは向かうところ敵なしらしく、健常者のレースに参加したいとの意思表明を行っていたのだが、確かにこれは悩ましい問題だ。国際陸連がどちらの判定を下しても、異論は出ただろう。
 高山瑞穂の「RETURN MATCH —翔子—」内のセリフをもじれば、「シューズの改良の結果縮められた0.1秒と、義足の改良の結果縮められた0.1秒と、この0.1秒に何の違いがあるというのですか?」って感じか


2008年1月15日(火曜日)
 NHKがとうとうNHK 有料で番組ネット配信 08年度にも 過去の作品などと、配信事業に乗り出すらしいことが報じられています。
 遅すぎたとはいえ、歓迎します。
 特に記事中にある「見逃しサービス」については、BBCiPlayer(旧iMP)として2005年から試行していたのに比べると、立ち遅れた感は否めないのですが、やらないよりは遙かにマシです。
 可能であれば次はCreative Archiveを真似て下さい。

 MiAUに対抗して、ということなのか、コンテンツホルダー側が「Culture First」なる運動を繰り広げるそうな(IT Media,Impress Watch,日経BP IT Pro)。
 私は補償金制度とDRMを並立させようという権利者側の意見には与しない。補償金なら補償金、DRMならDRMで、どちらかにすべきだ。
 また、補償金は末端利用者から徴收し続けるべきで、それは機器製造者側に押しつけるべきものではない。なぜなら、私的複製を行うのはあくまで末端利用者だからだ。現在ただでさえ機能していない返金制度を、完全に消滅させることになる。そのような制度は、設計上許容しがたい。
 むしろ徴收‐分配過程の透明性を高め、末端利用者が納得できる補償金のあり方を提示すべきであり、それがそもそもできないところに、支払い義務者を変更して矛先を変えようという姿勢は、姑息だ。
 補償金を国税化し特別会計を編成する、くらいのことは言ってもいいんじゃないか? それなら文句も出まいて。その代わり、DRMは全面廃止だけどな。


2008年1月16日(水曜日)
 南氷洋での捕鯨反対運動について。
 あれって国際法的には、実力で排除しても構わないケースなんじゃないかなぁ。もちろん、政府傭船である調査捕鯨船は武装してはいないんだけど、護衛のための艦船を派遣しても良いケースなんじゃなかろうか。
 捕鯨船に体当たり、スクリューに向かってロープや網を投じ、挙句移乗して酪酸を撒くなどの異常行動……もとい、危険行為に及ぶというのでは、日本国内へ連行しても良いくらいだと思うが(日本旗国船上は、日本法の配下ですからね)。
 今後の豪洲との友好関係を続けるにしろ縮小するにしろ、豪州側の態度が気になります。

 靖国神社に来ていた中国人が狼藉を働いた件について。
 低脳過ぎる。わざわざ逮捕されに日本に来たのか?
 日本の刑法には外国の国旗を毀損する罪はあるのですが、日本国旗については規定がありません。こういう馬鹿が増えると、そのうち日本国旗国章毀損罪とか作らないといけなくなるかも知れません。
 何より、わざわざ靖国神社に火を付けに来日する阿呆とかが出そうで怖いですよ。


2008年1月17日(木曜日)
 東京で初雪が観測されたらしい。積雪はゼロだけど。

 画像ちゃんねるの運営者が逮捕されていたについて、わいせつ図画公然陳列罪などで懲役2年、執行猶予3年の有罪判決
 今更FLMASK事件を引くまでもないが、日本では斯様にして、言論表現の自由は刑法によって制限されている。
 憲法改正の折には、21条の大幅な強化が望まれるところです。

 同姓同名ニュースを二つほど見つけたのでメモがてら。

 日本における人定のいい加減さというのは、一体なぜこのような状態が横行しているのか疑問でならない水準なので、このような事態は実は「よくあること」だったりするのですが、誰も改善しようとは思わないらしい。
 米国の社会保障番号のような、全国民に一意の戸籍番号でも振れば、相当軽減される話なのにねぇ。

2008年1月18日(金曜日)
 知らない間にはくほー氏の要請によってfolomyに「バケツプリン2008」トピが作られていた。
 彼らのバケツプリンにかける情熱には、驚嘆ただ一言である。
 参加希望者はfolomyへどうぞ。
 そういえば怪しからぬ話としては、最近彼らはバケツプリンの愚挙を催すに際し、“黒幕”なる人物の暗躍があると主張している。実に典型的な陰謀論と言えよう。そのような人物が存在しないことは、私のような一参加者から見れば明々白々。彼らが、自らこそがバケツプリンを計画した首謀者であると知られたくないがために、そのような架空の人間をでっち上げていることは自明というものだ。
 もっとも、そのようなことは指摘せずに生温く応対するのが優しさだと言われればそれまでなのだが。

 昨日倫敦ヒースロー空港で起きたBA所属B777-200の着陸失敗事故だが、着地20秒前、高度120メートルで両エンジン停止という事態だった模様。機長の証言によればエンジンストールの上発電機も停止だったそうで、グラスコクピット&フライバイワイヤ機体でその瞬間のコクピットの様子を想像すると、怖気が走る。


2008年1月19日(土曜日)
 民事再生を目指していた新風社が、経営再建を断念。破産へ。

 17日の墜落事故の第一レポートが出ていた。
 こういったものがwebで素早く公開され、地球の裏側からでも閲覽できるなんて、ホント、良い時代だなぁ。
 とりあえず現時点では、着陸直前(高度600ft、距離2マイル)に両エンジンが停止したことしか確認できないか。しかしそこから滑空で空港敷地内に落とした副操縦士(事故当時、操縦桿は副操縦士が握っていたそうな)は称えられて然るべきだな。
 なお、事故機のエンジンはR&R Trent 800シリーズの895だったそうな。


2008年1月20日(日曜日)
 米大統領候補者指名党員選挙が着々と進行しているようですが、民主党ヒラリー・クリントン女史が、共和党ジョン・マケイン氏が一歩リードといったところのようです。個人的にはジョン・マケイン氏が三度目の挑戦をものにするかどうか、興味深く見守っています。
 現在壇上に登っている候補者の中では、一番変哲のない人、言っていることがまとも、という印象を持っています。もっとも、それ故に米国大統領に求められる“奇矯さ”や“奇拔さ”に欠ける嫌いがあり、その点外連味豊富な対立候補に比して一歩劣るのが不安材料ですな。

 slashdotに「読売テレビの違法動画削除支援ツール「とりし丸」」というアーティクルがあって、興味津々。近場で「放送技術」誌を定期購読している図書館はないかなー。(北区立図書館にはなかった)
 本来的に著作権侵害が親告罪である以上、違法動画の削除申請は権利者が行わなければいけないのですが、それに際してYouTube側が提供したツールではなく、独自ツールを構築したことが興味深いところです(参考)。


2008年1月21日(月曜日)
 大寒。
 予報では20日夜から21日午前にかけて東京でも降雪という話だったのだが、降らず。

 F-2がまた事故った模様
 大事故にならなかったのは僥倖ですが、操縦桿が外れるというのはなんともかんとも……。
 FBWのHOTASだから何とかなったけど、油圧の飛行機だったら墜落してたね。

 昨年8,000万円でティー・ワイ・オーに身請けされた円谷プロですが、株式の33.4%が9億円バンダイナムコホールディングスに売られるのだそうで
 TYOぼろ儲けだな……。


2008年1月22日(火曜日)
 今日はまた冷えるな……。
 雪、降るのか?
 早目に寝てしまおう。

2008年1月23日(水曜日)
 今度こそ、ってわけでもないだろうに、今日は雪。
 なのに、仕事で外へ出ることに。
 寒かった……。
 雪が降って喜ぶのは静岡県民だけだーっ
 寒いから寝るっ。

2008年1月24日(木曜日)
 毎日新聞の報道によれば、警察庁が富山と志布志の冤罪事件について捜査の問題点を纏めた報告書を公開したとのことだが、警察庁のサイトには該当文書はまだ上がっていない。
 そういえば日弁連も独自の調査を行っていただが、どうなっているのだろう。報告は昨年内に出る予定だったようだが、サイト内を検索しても情報が出てこない。

 日弁連のサイトを見たら、一昨日「日弁連コンピュータ委員会シンポジウム2008 P2Pネットワークと法的問題 〜Winnyをめぐって〜」というシンポジウムを開催していたようだ。興味があったので、どこかに記事はなかろうか、と探したらImpress Watchに記事を発見。
 「開発を続けていればこんな状況にはなっていないと考えている」という47氏の発言は吹きすぎにしろ、被害の拡大を抑える術は生まれていただろうねぇ。個人的には、京都府警は功を欲して公益を損なったと思う。

 その京都府警ですが、原田ウイルスの作者として大学院生を逮捕したとか
 それはいいんですけど、なんで容疑が「著作権法違反」なんでしょうか?
 適用法がなくて苦肉の策とは言うものの、これじゃぁ別件逮捕ですよ。京都府警は点数を稼ぎたいのか熱烈なる正義感に駆られているのか知りませんが、このようなやり方は著作権法への印象をも悪くしかねないと危惧します。
 法は正義ならずとは言いますが、適切な法で適切に取り締まるべきだと思います。

 slashdot.jpで紹介されていたので知ったのだが、折り畳みヘルメット「タタメット」なるものがあるらしい。
 webサイトの説明によれば、ちゃんと衝撃試験などをパスしているそうな。素晴らしい。
 非常用ヘルメットはその收納場所に困ることが多いので、これならば家に一個、職場に一個置いておいても邪魔にならない。
 早速購入を考えることにする。


2008年1月25日(金曜日)
 谷川史子の新刊を拾ってきたりして。

 「ほんとうにスゴイ論文は日本語で書いても外国で読まれる」を読んで思ったこと。
 結局は内容が大事、と。
 私のような日本史畑の人間は英語で論文を書く必要がそもそもなかったりしますが、そこはそれ。国文学(日本文学)の人も、まあ滅多に英語で論文は書かんでしょうなぁ……。あとは日本をフィールドとする民俗学とか地理学とか。
 英語で書く意味がそもそも極めて低い研究分野はともかく、科学技術などの場合は、英語で書くことが(基本的には)栄達への道でしょうな。特に一定以上の注目を浴びる必要がある場合には。
 そうでない場合には翻訳する労力が勿体ない、という意見は当然ありえるわけで、果てはキャベンディッシュ卿のように、論文を書いている時間が勿体ない、面倒くさい、とかいう人も居るかもしれません。
 漢字についての研究については、英語による論文がどの程度あるか私ゃそもそも知りませんが(苦笑)、何語で書いても角が立ちそうなところは最悪ですね。


2008年1月26日(土曜日)
 なんか中国で、高速鉄道が保線作業員を轢いて18人死亡、9人受傷とか報じられている
 高速鉄道の運行中に線路内に入ればどうなるか、考えなかったのだろうか。見てから避けられるようなもんじゃないんだが……。

 Technobahnソースだけど、「携帯業界に衝撃、米国企業が多機能携帯の基本特許を取得」という、実に米国らしいニュース。
 自分たちでモノ作らないでパテントだけで訴訟起こして巨万の富、というスタイルが、どうにも気持ち悪くて仕方ないのは、私が日本人だからですかねぇ。


2008年1月27日(日曜日)
 今後4年間の大阪芸界を仕切る大一番は橋下氏の勝利と相成った模様。実に大阪的な撰択だと思った。
 インドネシアではスハルト元大統領が死去。死後の評価が気になるところです。

 昨夜のチャット中に、日本の捕鯨船を追い回していたグリーンピースの船が燃料切れで帰投する、との話を聞いて、ふと思った。
 環境保護団体の船なのに、なぜ純帆船じゃないのだろうか、と。
 いや勿論ガレー船でも構わないし、湾内航行のために補助動力を持つ帆船でも良いとは思うのだが、とかく内燃機関を積んだ船というのは環境保護には不向きなのではないだろうか。
 まあもっとも、帆船となると操帆要員が大量に必要になり、水も食料も余計必要になるという意見はあるかと思うが……。


2008年1月28日(月曜日)
 「あーむかつく(`Δ´)!!! なーにが切迫流産よ!!! 交通事故相手の妊婦をネットで罵倒してブログ炎上!!」。
 人は学ばぬ葦なれば。

 正直、去年の今頃には“終わった”と判断していたので、今頃「米国市場でHD DVDプレイヤーの販売数が激減、事実上の販売停止状態に」とか言われても、落ち武者狩りにしか思えません。先だってのWBの決断もHD DVDの敗北を決定付けたとはいえ、Blu-ray Discの勝因ではないと思っています。
 ワーナーが決断したその理由こそが真なるBlu-rayの勝因であり、結局の所正面からのガチンコ勝負で東芝が競り負けたから、ということになります。ワーナーの決断は徳川慶喜の江戸開城みたいなもんで、放っておいてもBlu-rayが勝ったでしょう(ただしその場合の犠牲は遙かに大きかったでしょうが)。
 さて、ではなぜ東芝はSony/松下との正面対決に敗れたのか、という話になると、結局の所ハード造る奴が東芝の他に居なかったから、ということになります。Sony、松下に加え、シャープ、パイオニアが国内でプレイヤ/レコーダを出荷しており、日立はカムコーダまで出しています。この状況に東芝一社で対抗するのはどう見ても不可能。当に蟷螂の斧。
 では何故東芝は他の家電屋を巻き込めなかったのか。
 それについては、東芝の当初からの戦略である、「DVDの製造技術を流用し、廉く上げられる」点が、支持されなかったからではないか、と私は考えています。
 今や中国企業でも作れるようになったDVDの延長線上の技術で廉く造れる、というのは、確かに一般消費者にとってはメリットでしょうが、それを造る側から見ればあっという間にキャッチアップされる可能性が高い、旨味の少ない技術ということになります。パテントで縛り上げることは可能であっても、製造工場がどこにでも造れる、というのは、特に先端技術の研究開發に投資を絶やせない垂直統合型の家電企業にとっては面白くありません。キーテクノロジーを独占し、容易に真似できないようなものである方が、造り手にとっては好都合なのです。
 最初から廉く造れるものをより廉く造ったら、食っていけないわけです。その上東芝は初っ端から赤字商売を繰り広げましたから、誰がそんな馬鹿気た市場に参入したいと思うでしょうか。
 東芝が一体どの様な考えに基づいてHD DVDを推進したのか、部外者である私には想像するしかありませんが、結局は予想通りに終わったわけで東芝側にこの結末を予想した人間がいなかったも思えないのですが。
 あとはいつ東芝が白旗を揚げるのか、ただそれだけですね。


2008年1月29日(火曜日)
 雨が降るか降らないか、といった感じの、微妙な天気。

 バンダイナムコソウルキャリバーIVにゲストキャラとしてダース・ベイダーとヨーダが登場するとか話題になってますが、むしろシステムだけ使ってジェダイ騎士&暗黒卿総出演、ライトセイバーによるぶった斬り合いゲームを作ってくれと強く主張したい。1Pアナキン/2Pベイダーとか考えただけで笑える。
 ダース・モール使ってみてぇ〜〜!(本音)


2008年1月30日(水曜日)
 「中国産冷凍ギョーザで一時重体 千葉・市川 製造過程で薬物混入か
 多数の続報が出ていて、輸入元のJTフーズからもプレスリリースが出ています。
 極めて危険ですので、当該商品を買った人は、すぐさま廃棄もしくはJTフーズへ送付して下さい
 まったく、冗談じゃねぇぞ。
 会社の記者会見で通常の細菌の検査はやったが、サンプル品には異常はなかった。化学物質をチェックすることは通常やっておりませんでしたと会社側が説明したようだけど、当たり前だよな。普通化学物質のチェックはしねぇって。化学物質のチェックをしなきゃいけないような食品は、そもそも輸入すべきじゃない。

 朝日新聞日本経済新聞読売新聞の三社が共同で「新s(あらたにす)」なるサイトを立ち上げるらしい
 面白い試みだとは思うけど、果たして賛同を得られるかな。
 今ネット側に最も適応しているのが産経新聞だと思う。特にMSN産経では、これまでの新聞とは違う「ソース垂れ流し」とも言うべきスタイルを確立している。
 例えば今回の中国産餃子事件では、JTと生協が共同で行った記者会見を、殆どライブ中継状態で垂れ流している。

  1. 【毒ギョーザ会見(1)】「サンプル品には異常なかった」(17:00〜17:10)
  2. 【毒ギョーザ会見(2)】「においがおかしいと年末に申告」(17:10〜17:25)
  3. 【毒ギョーザ会見(3)】「工場の消毒薬などの可能性」(17:25〜17:45)
  4. 【毒ギョーザ会見(4)】「商品は昨年10月1日と20日の製造」(17:45〜17:55)
  5. 【毒ギョーザ会見(5)】「現物回収できず反省している」(17:55〜18:05)
  6. 【毒ギョーザ会見(6)】「明確に商品を特定できず、公表せず」(18:05〜18:15)
  7. 【毒ギョーザ会見(7)】「首都圏中心に流通」(18:15〜18:35)
  8. 【毒ギョーザ会見(8)】「農薬検査しなかった」(18:35〜18:55)
  9. 【毒ギョーザ会見(9)】不明部分多く、会見中断(18:55〜19:18)
  10. 【毒ギョーザ会見(10)】「問題商品、定期検査で見つからず」(20:17〜20:45)
  11. 【毒ギョーザ会見(11)完】「苦情時、保健所に報告せず」(20:45〜21:30)
 恐らく記者も現地の空気にまみれながらタイプしているのだろうが、会場の生々しさが伝わってくるようだ。
 勿論旧来の、要点を的確にまとめた記事の必要性は薄れない。しかし一方で「確かな一次ソース」へのアクセスを保証するのがネットのやり方だと私は感じる。
 よりエキセントリックな方向を考えるなら、記者が撮ったメモ代わりの写真や音声、ビデオなどを取材ノートとして晒し上げるなどが考えられるか。
 まあ、流石にそんなことまでする会社は少ないだろうけど……。

2008年1月31日(木曜日)
 続報。
 味の素グリコ加ト吉マルハの4社が、JTフーズと同じ天洋食品からの輸入食品を回收に。
 グリコ・加ト吉、マルハからは既にプレスリリースで商品一覧が出ています。ご確認の上、対処願います。

 厚生労働省からも、発表文が出ています。

 英語では餃子のことを「dumpling」と訳すのか。

 なんか一部の英語blogには、「南京大虐殺から70年後、中国は復讐を果たした」とか書いてあったが、冗句にしろ笑えない。なにせ、本当に「故意で」やった可能性があるんだから。

 昨日紹介した「新s」だが、行ってみたがRSS配信もないようなので、あしげく利用することもないだろうと。これならGoogleニュースで事足りる。

 一向に終わりの見えない年金問題で、面白おかしいニュース。

 三紙を総合すると、社会保険庁が電算化されていない古い台帳(マイクロフィルムで保管)の入力を行うのに際し、コンピューター入力用紙に転記(作業効率向上のためだろう)する作業を行った。この作業にはアルバイトを雇い、派遣大手フルキャストから約170人の派遣を受けたが、この中に50人の中国人が含まれていた(人数が延べか実数かは不明)。昨年12月10日から20日迄の作業期間に転記された約25万件のデータの中に、姓名の区切りを間違えるなどの誤転記が大量に含まれていることが分かり、社会保険庁はこの契約を解除した。再度日本人による作業を行い、誤転記の訂正は終了している。社会保険庁は支払額を減らすことも検討している、と。
 中国人アルバイトについて「日本語を話せるし、漢字も書ける」と説明を受けていたっちゅーことですが、インド人にテレホンオペレータやらせたり、豪洲にコールセンター作るような話と一緒で、全く前車の轍だよね。
 言語は文化的背景を孕んでいるので、ただ単にコトバを勉強しただけではどうしても身に付かないものがあるのです。

 24日に発表されたという警察庁の報告がwebに上がっていた
 日弁連の方の報告は、昨30日に公表されたそうだが、まだwebには載っていない。
 どうでも良いことだが、件の富山での冤罪事件だが、警察では「富山事件」、日弁連では「氷見事件」と呼んでいるようだ。個人的には「富山事件」では富山全体を指してしまいそうで「氷見事件」にしといてもらいたいところだが、それだと今度は「氷見ってどこよ?」ってことになってしまうのかなぁと取りとめもなく考えた。