哀愁日記
底に哀はあるの。

西紀2002年12月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2002年12月1日(日曜日)
 昨日の予告通り、首都高速中央環状王子線の見学に行ってまいりましたよ。暇があったら、特設ページでも作りましょう。
 しかし、JR線の下、地下鉄南北線の上を通るという、場所によっては地下2メートルというのはなかなかイカす構造でした。
 しかし建築に15年ってのは、些かかかり過ぎではなかろうか。

 久しぶりに超漢字ネタを一つ。
 超漢字岩波新漢語辞典なんですが……音訓検索で、なんと「歴史的仮名遣いで検索できない」んですよ、これが。
 最初、「くゎん」って検索かけたら「0件」で、へ?と思って「かふ」だの「わう」だの入れてみても駄目。どうやらできないらしい、と。
 電子漢和辞典だからてっきり旧仮名遣いでの音訓検索ができるもんだとばっかり思っていた私にとっては、結構痛かったですよ。
 だって、漢文読んだりするんだったら、旧仮名は必須じゃん。


2002年12月2日(月曜日)
 雨が降るなんて聞いてなかったヨ。お蔭で洗濯物が……(涙)。

 クリスマスと第九の季節ですね。今日はちょっと冒險して、自転車で上野〜神保町〜九段〜市ヶ谷〜日本テレビ前〜なんぞを走ってみる。別に大した理由はなくて、ふと思い付いたから。そのまま皇居周辺一周というのも考えたんだけど、流石にしんどいかな、と思ったのでそこで引き返した。

 長嶋さんがアテネ五輪の全日本監督に……。
 それじゃ予選突破もできないヨ!


2002年12月3日(火曜日)
 今日まで知りませんでした。
 旧仮名遣いが併記されていない国語辞典があることを……。
 ってゆーか、そんな国語辞典になんの価値があるんだ?
 別に私は旧仮名論者ってわけじゃないんですよ。ただ、現代仮名遣いにも旧仮名遣いにも、それぞれ利点と欠点があり、相補的に使えれば最高だ、と思っているに過ぎません。さらにいえば古文や漢文を読むには旧仮名遣いは必須なので、どうしても学ばざるを得ない、というのが現実だと思っています。
 現代仮名遣いは音から比較的簡単に綴りが導けるという特長があります。がしかし、そのために文法的規則性が失われているところがあります。一番分かりやすいのは、助動詞の「う」でしょうか。本来は未然形+「う」で音韻変化によって[au]→[o:]となります。しかし現代仮名遣いでは音韻変化を伴う表記は最低限度に押さえられているので、未然形でない形で記述されることになります。「走ろう」が、「走る」の未然形「走ら」+「う」であることを現代仮名遣いから理解するのは困難です。この点、旧仮名遣いであれば「走らう」と書いて「ハシロー」と読むのですから、字面から瞭然です。
 旧仮名遣いはこのように規則的であり、また情報量が多い反面、発音からは綴りが導けなくなっています。
 個人的に言えば、読むのは旧仮名遣いが楽で、書くのは現代仮名遣いが楽です(笑)。

 馬鹿馬鹿しい話なんですが、上の現代・旧仮名遣いの問題も、正字・略字の問題も、よかれと思ってやったんだと思うんですよ。戦後の国語改革に悪意があったなんて思ってもいません。でもその結果、なんと私たちは現代仮名遣いと旧仮名遣いの両方を学び、正字・略字の両方を学ぶ必要に駆られているわけで、単純に労苦が倍になっただけだったように思いますね。
 こういった過去の過誤はきちんと評価して学ぶべきでしょう。学ばないと、また同じことを繰り返しますからねぇ……。


2002年12月4日(水曜日)
 と、とうとう魔女っ娘まで登場ですか……>「天国に涙はいらない7」
 と、いうわけで、電撃文庫がぞろぞろっと出てました>該当者各位
 業務連絡、終わり。

 「一橋大生が集団カンニング 26人メール利用」。昔、「ザ・カンニング」なんて映画あったなぁ……。しかし、試験中にメールって、携帯電話使ってたのに気付かなかったのですから、試験監督の方法や実踐に問題があったのではないかという嫌疑が残りますね。見直しなり検討なりが必要でしょう

 テロ対策支援法を延長したと思ったら、次はイージス艦派遣ですか……。
 当初から私はイージス護衛艦の派遣には賛成しています。また、情勢が悪化傾向を示しているので、より強力な軍艦を派遣するというのは間違いじゃないと思うのですが……。ただ、正直言えば、イラク攻撃については、もうちょっと旗色を鮮明にしておくべきかと。第一義は、派遣されている将兵の安全確保なんですから(共同作戦中の各国軍将兵の安全を含む)

 イージス艦いえば、中期防では新型のイージス艦(ミサイル護衛艦)が計上されておりますな。現在のこんごう型と比べて、ぱっと見でヘリコプター格納庫が大きな違いですね。こんごう型には、ヘリの離発着甲板はありますが、格納庫はありません
 しかし……なんというか、あまり変わり映えのしない艦形ですね。まあ、最近のフランス海軍La Fayette級フリゲート艦みたいに前衛的なのもどうかとは思いますが……。噂では搭載砲がオットー・メララ127/54から米国製に変わるとか。折角新規導入した高性能な対艦・対空両用砲なのにねぇ……
 前衛的といえば、次期DDH(ヘリコプター搭載護衛艦)は結構前衛的だと思います(^^;。ここまでやるんだったらいっそ腹括って、純然たる「ヘリ空母」を目指しても構わないのではないかと思いますよ、ええ。色々国内的に説明しなきゃいけなくなるので「空母」って名前の艦を造るのは些か躊躇われるのでしょうけど、ほら、「強襲揚陸艦にそっくりな“輸送艦”おおすみ型」とかあるし。他にも「機雷敷設能力をもった“掃海母艦”うらが型」とかさ。とりあえずネーミングが違っていれば、「自衛隊は軍隊ではありません」式にOKなんじゃないかと……。
註:それでいいのか?とちゃんと考えた方がいい。

 空母と一緒に話題になるのは空中給油機ですが、こいつも空自中期防で要求されておりますな。運用を考えたら必要でしょうが……国際協力も視野に入っていると言うくらいだから、当然プローブ&ドローグ方式なんだろーなーと思っていたら、なんとフライング・ブーム方式なんだそうで。マジっすか?
 一般的に、小型機やヘリコプターへの空中給油にはプローブ&ドローグ方式が、大型機への空中給油にはフライング・ブーム方式が有利とされ、国際的には殆どの国でプローブ&ドローグ方式が採用されています。っつーか、フライング・ブーム方式を採用しているのは米空軍くらいじゃないか? あとはイスラエル空軍が確かフライング・ブームだったか(うろ覚え)。
 導かれるところ、国際協力=米軍への協力ってことになるんですけど。
 せめてプローブ&ドローグ/フライング・ブーム両用にした方がいいと思う。

 国防問題に関心を持つのは国民として自然なことであって、小熊が軍事マニアなのではない、決して。


2002年12月5日(木曜日)
 12月6日は、「STARWARS Episode II」の発売日。ということで、今日は秋葉原に出かけてSTARWARS Episode IIのDVDを捕獲してきました。
 飽きる程にヨーダ師のちゃんばらを堪能。

2002年12月6日(金曜日)
 なんか体調がおかしいなと思っていたら、少し熱があった。そこで、今日は一日「ヨーダ様の日」として、延々chapter 46を再生していました。クリストファー・リーって、やたらいい動きしてるなぁと思っていたら、スタンド・インだったのね。

2002年12月7日(土曜日)
 私のことを軍事オタクだと激しく誤解している画伯のところの新しいトップページを眺めつつ、424×600のjpg画像を451×736に不等辺倍して表示する意図ってなんだろうと首を傾げてみたりする土曜日。

 もうすぐTRONSHOWなので、西荻灯台へ出向いて展示用のパネルなど受け取ってくる。B全版かぁ……私、自分のデザインセンスには全く信頼をおいていないのだがなぁ(笑)。
 売り物は既に用意できた。あとはパネルとフライヤーかぁ。
 もう一踏ん張りやね。

 今日のNHKスペシャルは、「変革の世紀」の最終回だった。
 内容について語り出すと止めどがなくなりそう(苦笑)。とりあえず、中園直樹さんの「オルゴール」は読んでみようと思った。
 技術は可能性を広げてくれるけど、能力以上のことができるようになるわけじゃないんだよ、とふと思った。


2002年12月8日(日曜日)
 きさらちゃんの「今とらのあなで買うと専用ケースが付いて来てとってもお徳! ボブ・サップ並みの体力があれば持ち運びも簡単!」というキャッチに惹かれて冬コミカタログを買ってくる。すると今度はTRONWAREを買ってくるのを忘れてしまう。ま、いっか。会場で買えるしね……。
 なお、標準規格人類である僕は、毎年コミケカタログをばらして製本して持っていきます(笑)

2002年12月9日(月曜日)
 障碍者の日。

 雪です。
 なんかNNN的には「首都圏大雪」だそうですが、積雪1メートルだって珍しくないような地方の出身者からしてみると、2cmで大雪言うなっ!とか思ってしまいそうです。珍しいことだから仕方ないんだけどね。
 日本の国土は南北に広がっていて、なにしろ南は北回帰線の南・常夏の島から、北は樺太を眼前とした突堤までありますので、どうしてもこういうことはありますよ(私の郷里から東京まで3時間だけどね)。
 太平洋側へ出たばかりの頃は、雪を見てイヌのように喜んでいる靜岡出身者を胡乱な目で見ていた私ですが、10年も過ぎた今では、しょーがないかぁと諦めの目で見るようになっています。そういえば、その喜んでいた予備校時代の友人Cは今は秋田。きっと若い頃の自分の行状に思うものもあるだろう。
 子供の頃は、関東積雪の報道で、5cmかそこらで休校になる学校が羨ましかったなぁ。

 特定非営利法人失敗学会が今日設立総会をしたという。
 何度かこの日記でも触れているが、日本ではこの手の失敗の研究が著しく遅れている。例外的に多いのは「太平洋戦争の研究」だが(苦笑)、「成功に学ぶ」姿勢が多数派を占める。無論、成功から学べるものも多いだろうが、私はより多くのことが失敗から学べると思う。
 個人的には興味がそそられているのだが、「失敗を犯したときの対処法」が研究項目に入っていないのが、画竜点睛を欠くと思う。勿論失敗を事前に防ぐことが最善であることは承知の上だが、どうにもなくならないのが人的ミスの始末に負えないところであるから、当然次善の策として失敗が起きたときにどれだけその被害を小さくできるか、拡大を防ぐか、という視点は不可欠だと思う。

 千葉茂氏がお亡くなりになられた。享年83歳。
 現役時代は知らないけれど、ジャイアンツの名選手として存じていた。御冥福をお祈りしたい。


2002年12月10日(火曜日)
 朝っぱらから『IT戦略本部に「情報通信の安全保障対策」を提言 総務省』なんてニュースが飛び交って、わざわざIT戦略本部まで行きましたが、まだ議事録はないようです。
 自前のOSのあたりは、正直、実現すれば大した物だと思うのですが……。
 あちこちで情報が飛び交っていますが、どうも産総研KNOPPIX 3.1 日本語版が絡んでいるようですね。自前でLinuxのディストリビュートができそうだから…と言ったところでしょうか。
 なんか文字コードのことも触れられているようで、なんかほんの1年弱程前に、「e-Japan計画に合わせて文字コードを……」とか文字コードの実情も知らないで勝手にスケジュール決めた、信じられないセリフを聞いたのはたしか総務省からではなかったろうかと、世の中変わったもんだと色々思いましたよ、ええ。

 ローソンの中に郵便ポストが設置されると聞いて、「一体何号が設置されるのだろう」と今からちょっと楽しみ。

 ところで鉄腕バーディー復活って、本当ですか?
 追記:本当だそうです。thanx>里見くん


2002年12月11日(水曜日)
 不合格でした。>教員免許試験
 やっぱ午前の問題かなぁ。
 普通なら「また来年」って言いたいところなんですけど、情報科の免許試験は今回が最後だったんですよ実は(だから受けたんですが)
 残念。

 Kinko'sでひと悶着。
 私より能力的に劣る人間がそこにいるんじゃない!と言いたくなった。プロだろう? プロなんだろう? 客に呆れ果てられるようなこと言うなよ!

 『すべてのモノにID割り当てるプロジェクト 東大・坂村教授
 広がる、広がる、おっきな風呂敷。


2002年12月12日(木曜日)
 世間様はTRONSHOWのようですね。tron.orgは数日前から動いたり止まったりを繰り返していますけど。
 私は今日は職安の認定日だったりしたので、無理をせずに会長講演は録音で聞くことにしました。逗留中の長濱さんにお願いして、録音してもらいましたよ、MDに。
 絶好調なのはいつもの通りか……。

 明日はBTRON Clubもありますし、そこではNortiaの初の成果物もお披露目できますので、一般参加可、ということで、是非ともご参加ください。


2002年12月13日(金曜日)
 はい、BTRON Clubでした。
 Nortia Order TAD Working Group謹製、「Unofficial TAD Guide Book」の販売をいたしました。本体280ページ、TADの全セグメントを網羅し解説を施しております。
 年明けを目処に通販体制を整えますので、BTRON Clubを逃した方は、今しばらくお待ちください。案内チラシ:pdf 601kb
 明日TRONSHOWに極少数部、携行していくつもりですので、もしどうしてもすぐに欲しいという方は、髭面唐草鉢巻をとっ捕まえて下さい(笑)。

 イラクって、この10年でまた隨分外交能力に磨きをかけたもんですね。試練は人を成長させるものですから。米国とイラクの外交を見ていると、どちらが紳士的に事を進めようとしているか(それが単なるスタイルだったとしても)についてかなり差があるように見える。
 一方の来た挑戦は……外交下手っていうか……戦争を望んでいるのか、もしかして?と思ってしまうほどの行動に出ておりますなぁ。米国はイラクにかまけているし、日本中国韓国は本質的に崩壞を望んでいない上に軍事的行動には出ないとタカを括っているんでしょうけども。


2002年12月14日(土曜日)
 その昔、47人の逆恨み武士が……(以下自肅)

 H2A4号機、無事打ち上がって行ってよかったですね。自宅でネット中継を見ていたのですが、-20秒でサーバとの接続が切れ、結局リアルタイムでは見れませんでした。今回は前回に引き続き延期もなく、実にスムースな打ち上げでした。衛星の方も無事軌道に乗った上に太陽電池パネルも展開できているようで一安心です。ピギーバック衛星も無事分離できたようですし、打ち上げ自体は、もうケチの付けようのない成功といえるでしょう。
 それにしても今回はピギーバック衛星が三つということでしたが、隨分廉く上がるらしく、ピギーバックでFedSATを上げた豪洲のCRCSSは地上設備から人員までコミコミで2,000万オーストラリアドルとか言ってますから、相当なもんです。
 他人の不幸ですが、ESAアリアンVが先日失敗していることもあって、衛星ビジネスにまた動きがあるでしょうね。

 宇宙モノといえば、笹本祐一の「ほしからきたもの。」の2巻が出ていました。

 「「私も接種受ける」 米大統領、天然痘ワクチン計画発表」なんてニュースが流れていますが……。
 困ったな。
 天然痘ウィルスは地球上からほぼ根絶されていて……現在「公式に」ウィルスを保有しているのは米国とロシアだけだったりするんですよね。WHOなどの国際機関は米露両国にウィルスの処分を求めていたりするんですが、両国とも国防上の理由からそれを拒否しています。
 穿った見方をすると、「米国政府は差し迫った天然痘ウィルス兵器の脅威を感じている(その危險性があると判斷している)」ということになり、どこかの軍なりテロリストなりが、天然痘ウィルスを入手した疑いがあるのではないか、、、となる。
 こうなると一気に事態の緊迫度が増すのですが、米国もそれ程の緊張感はなさそうなので、一体何が目的でこのような処置を取ったのか、今一つ読み切れない。


2002年12月15日(日曜日)
 FTRONの忘年会へ。
 あちこちで好き勝手に私の伝説を捏造していたようである。

 四川料理を食べ尽くすと、一行はいくつかの小集団に別れ、私たちは秋葉原へ。取り敢えずO'reillyハリセン本を探すが、見当たらず。Nyはしっかりと「ほしからきたもの。」をGetしていた。
 最後に古炉奈でコーヒーやらケーキやらを堪能してお別れしました。

 二日もあんな重いモノ持って歩いてたから、腰が痛くなっちゃったよ……。


2002年12月16日(月曜日)
 半日腰痛と鬪う羽目になってしまった。

 永遠の少数派にして“伝説の捏造者”たる駄目人外画伯が日記で、コミケカタログCD-ROM版を購入して「こんな便利なものがあるのにペーパーのカタログを買う人の常識を疑いますね。」と書いているのを見て思うのよ。
 そりゃ画伯みたいにCD-ROMドライブを内臟してて、生身一つでCD-ROMの中味が読める人はいいですよ。でも遍く世間の一般人(もちろん私を含む)は、パソコンなりなんなりがなければカタロムを閲覧することができないわけでして、カタログと同じ程度の携帯性を要求すると、それこそカタログと同じくらいの重さがありながら3時間程度しか動かないノートパソコンでも持ち運ばないといけなくなりますからね。
 ま、画伯なら内臓CD-ROMから主記憶に全部転送して、GPSと交信しながら会場を泳げるんでしょうけど、そういう非常識を語られても困りますよね。もっとも、この日記の読者の中には、心眼でCD-ROMが読めそうな人とか、体からAC100Vを供給しつつデスクトップパソコンを担いで行動できそうな人とかいますけど。

 IDGから「システム管理者の眠れない夜 新裝改訂版」が出ていた。旧版は過去に取り上げたことがありますが、当時はまさにシステム管理者モドキだったわけで、笑えない内容だったんですが、今なら気楽に笑って済ませられますね。
 自己反省も色々あるんですが、なにせもう辞めちゃったことだし。後任は、前任者を呪っているだろうなぁと思ったり。
 取り敢えずぱらぱらと、旧版から増補されている所(追記事項や、2000年5月以降の部分)を拾い読む。

 そういえば思い出したのだが先週、電車にサイボウズのサイボウズAGの試用版CD-ROMが6枚だかくっついた中吊り広告がありましたが、一体どんな人があのCD-ROMを持って行ったんでしょうね?
 普通、グループウェアを導入するとなれば、ソフトウェアの実際の導入なんて最後の最後で、業務内容の検討やらワークフローの確立やら費用対効果やらのことを考えますよね。職員のスケジュールすら満足に管理していないところに突然グループウェアが入っても、すぐさま業務が効率化したりしないわけで。それだけではなく、ある程度しっかりした管理者も置かないといけないし、何より教育にかかる労力を考えただけで吐き気がします(爆)。
 というわけで、分かっている人がほいっと持っていくとは思いにくいんですよね。かといって個人ユーザが持っていても何の役にも立たないものですし。
 で、CD-ROMがくっついた中吊りを見ながらふと思い付いたんですよ。
 もしかして、よく分かっていない会社のオエライサンなんかがあの広告だけを見て、「ほう、これがあれば業務が効率化されるのか!」なんて感嘆してCD-ROMをひっぺがし、会社に持ち帰ってパソコンに詳しい若手社員なんかに突きつけて「これを使って業務を効率化しろ!」とか言いだした、などという悲劇がどこかで起こったのではないかと……。


2002年12月17日(火曜日)
 R.O.D.の7巻って外伝なんですね。

 夜、てつまさんから電話があり、思わず長電話してしまった。元々作品の批評で知り合った関係からか(?)作風や姿勢の違いは非常に大きいにもかかわらず、何故か語り合うと時間が過ぎてしまう。
 てつまさんが私に対して抱いていた誤解が少しは解けたと思うので、きっと今回の長電話は有益であったのだろう。


2002年12月18日(水曜日)
 国際平和協力懇談会報告書(pdf)が出たんですが……うーむ。今以上の軍事的な国際貢献を行うことができるようにしようという内容は、一定の評価はできると思うのですが、この国の体制や世論が、それを行うに充分な状態にあるだろうかと考えたときに、些かならぬ不安を感じてしまいます。
 名称が自衛隊だろうが日本軍だろうが一部の国を除けば気にしやしないとは思いますが、充分な体制が整っているかどうかは、当事国も友軍も、当の隊員たちにとっても極めて重要です。要するに、今以上に「軍」としての体制をきちんと整えないといけないのではないかと……。
 で、この国に、今、軍政が分かる人って居るのかよ……。不安だ。

 東京地裁国立市にある明和地所高層マンションについて、44mのうち20m以上の部分を撤去せよとの判決が下ったそうな……。多分控訴するでしょうから、すぐさまどうこうってことはないとは思いますが、凄ぇ判決。
 しかし、関係する訴訟で別々の判決が出ているネジレ裁判ですからね、今後の動きに注目です。
 ちょっと気に掛かるのは、20m以上の部分を撤去なんてことが純技術的に可能なのかどうか。
 この点を建築を専攻した予備校時代の友人N(9月に私の家に逗留してGPMに塡っていった彼である)に訊いてみました。

東京国立市で、44mのマンションの上20mを撤去しろって判決が出たんだけど、純粹に技術的に可能なもんなのか?
Nくんできるよ。
ただ、問題がいくつかある。
解体する費用が建設費に近い値になりそうなのと、解体に一年はかかり、その間周辺住民は解体騷音とトラックの往来に耐えなければならないこと。
(中略)
ま、全部壞して新しく作った方がいろんな面でトクだけどな。

 法律といえば思い出しましたが、文部科学省文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の文化審議会著作権分科会法制問題小委員会審議経過の概要(案)(pdf)で取り沙汰されていた映画の著作権の延長が認められて、次の国会に法案提出となるようですね。
 小津安二郎なんかがそろそろ著作権切れとなるのを控えての駆け込み延長ですな。これじゃどこぞのネズミの寄生虫と大してやってることが変わらんなぁ……。まあ、一応名目としては、他媒体の著作権との格差解消ってことだそうですけど。
 報告書読んでると、問題をどう解消したらいいものかと、くらくらしてきますね。


2002年12月19日(木曜日)
 裁判ネタが続きますが……。
電子書籍の著作権破りに無罪評決」。DMCA(pdf)はちょっとやり過ぎの法律だと私は思っているので、まあ、妥当かな、と。

 政治ネタでは、やはり隣国の大統領様ですかね。盧武鉉候補がほぼ当確。一応与党候補ということで、金大中大統領の対北融和策を継承するということですので、アメリカからは歓迎されないでしょうね。
 米国が外交的に孤立感を深めていて、なんかとってもヤバげな感じ。

 今日書店で「MSXマガジン 永久保存版」を買ってきました。ついつい……。
 いや懷かしいですね。
 ここの読者の中にも、青春時代をMSXに捧げたという人も少なくないと思いますが(私は違いますがMSXリバイバルプロジェクトなどの動きは見ていて勇気づけられますね。


2002年12月20日(金曜日)
 ひでぇ予算原案……。援軍の来ない籠城戦みたいだ。この期に及んで歳入のうち36兆円が国債かよ。後始末をどうするつもりだね? インフレ起こしてチャラにするしかなくなるぞ、終いにゃ。
 他にも「オープンソースOS研究は半額」とか見ると、Linuxを推進するとか言うIT戦略とかいうものとどう整合性が取れているのかとか、少々気にはなりますな。
 無駄を省くのは必要ですが、その無駄を省くためにもお金はかかるし、お金をかけなきゃいけないものにはともかく金をかけなきゃならない。キーワードは「効率化」なんだろうけど、はてさて。

 暗いニュースばっかなんですが、刑法犯罪の認知件数は今年も過去最高を上回るそうです。んで検挙率はまた最低、と。明らかに警察力の不足が問題になっておりますな。そのうち民間刑事組織を認可しなきゃならなくなりますよ、この調子だと。
 ちなみに、これらの事情を反映して、刑務所の收容率も100%を超えていたりします。「犯罪白書」を読むと、「行刑施設の約3割が定員を超える收容となっている。」なんて書いてあったりして、冗談じゃない状態です。
 つまりこのままもし検挙率が上がったりすると、それはそれで困ったことに……。矯正施設が矯正施設としての役割ができなくなるということですから、犯罪の連鎖が止まらなくなるわけです。
 ハッポウフサガリダネェ……。

 フィリピンからは「日本に安保面での協力を期待 テロとの戦いで」なんて要求を受けている自衛隊は、統幕の方で「新たな統合運用について」なんて方針を発表していたりして、体制作りに勤しんでいるようです。しかし……やっと今になってかよ、とか思ったり。
 正直、今後日本の軍事的な役割は増えることはあっても減ることはないと思います。嫌な話ですけど。
 そうなると、色んな形で自衛隊を国外に出さにゃならん事態も増えてくるわけで、一々陸自だ海自だ空自だと言ってられなくなります。それどころか、遠征軍を組織せにゃならん事態すら考えないといけなくなるでしょう(つまり、統一指揮下に置かれた自衛隊の分遣部隊を編成するということ)。
 現状の組織が対応できないのは明白ですが、憲法・法制上の問題も含めて、考えないといけない時期に来ていると言えるでしょう。


2002年12月21日(土曜日)
 今日のNHKスペシャルは面白かった。
 「紛争ビジネス 〜知られざる民間軍事会社〜」というタイトルだったんですが、いやいや、南アフリカのエグゼクティブ・アウトカムズは知っていましたけど、今や米国から軍事コンサルタントを民間(MPRI社が紹介されていた)で輸出する時代とはね。
 このまま本当に戦争がビジネスになる時代になってしまうんですかね。やだやだ。

 しまった。アキバからアリーテ姫を回收してくるを忘れた。


2002年12月22日(日曜日)
 あらら。「ソニッククルーザー」は開発中止ですか>Boeing
 やはり夢の不足が敗因でしょうか(違)。

 王子駅前のマクドが、噂のオン・デマンド(笑)化したので、見物がてら食餌にでかけてみました。
 注文を受けてからハンバーガーを作るその工程は、見事に流れ作業化していて、「家内製手工業」なんて単語を思い出してしまいました。なんか見てると、上手くやれば不二越辺りの工業用ロボットで作れるんじゃないかって思いましたよ。もっとも、そんなもの食べたいって思う人がどれだけいるか問題でしょうけど(笑)
 事前にある程度予測されていた通り、待ち時間は確かに伸びていて、待ち行列も伸びていました。マクドのことですから、客を捌くより廃棄される食材のコストの方が馬鹿にならないとソロバンをきちんと弾いた結果だと思うので、客が我慢できる分には問題ないかと。

 昨日忘れていたアリーテ姫を拾ってきたら、一緒に「ヨコハマ買い出し紀行」の新OVAの1巻も入手してきてしまう。


2002年12月23日(月曜日)
 天長節。

 米国と交渉を持つのに、力を誇示するのは下策だよなぁ。少なくとも、現今は。
 這いつくばって靴を舐めるのが、プライドは傷つくかもしれないけれど、良策ってものだろう。とりわけ、仲間がいないのであれば。
 イラクなんか凄いよね。あそこまで徹底的に下手に出るもんだから、どう見ても米国が悪役に見える(笑)
 ただ、米国はそれでもイラクを攻撃したいようです……っていうか、なんかサダム・フセイン政権を本気で潰す気らしいんですけど、一体何があった?


2002年12月24日(火曜日)
 「芸は身を助ける」と言わにゃならん筈なのに、どうしても「芸は身を滅ぼす」と思ってしまうクリスマス・イヴ。
 そうそう、世間はクリスマスなんだそうですね。もうその手のイベントとは無関係な生活を長年続けているので、せいぜい「昨日は冬至」な感想しかなかったんですけど(笑)

 いい加減コミケカタログのチェックをしなきゃなんないんですが(笑)、去年までの既チェックサークルを洗い出しただけでげんなりしています。紙のカタログをバラして製本してぺらぺらめくりながら、CD-ROMの内容をスクリプトで自動チェックしたデータに付け加えていくわけですけど、殆ど三日目に集中してますなぁ。初日は、芦奈野ひとしさんとこくらいかなぁ。
 ところで、参加サークル数がのべで34,977サークルってことは、マイクロカードの処理限界である3万件を超えてるんですね。


2002年12月25日(水曜日)
 新しいバックパックを登山用品店で購入。やはり質実剛健なものは登山用品に限る。

 アキバを放浪して、色々見てまわってきました。200GBのHDDがもう4万もいかないのですか……。恐ろしい時代だ。とりあえずサブマシン用ということでM/Bを一枚調達。もっとも、CPUもメモリも当面あてがない(苦笑)。最悪、メインマシンのM/Bが吹っ飛んだときのための予備ってことで押し入れに。
 アキバで福島さんと偶然遭遇。しばし立ち話す。

 冬コミに出す新刊の製本をせにゃならんというのに(しかも今回のは妙に手間をかけているし)でたまかの新刊はでるわ乙一の新刊はでるわのえるの新刊はでるわでてんやわんや。
 本を読みながらの製本作業は大変です。

 明日のWBSの特集は面白そう。

 はっぴいさん後悔日誌の25日分を見て笑っちゃった。
 SCSIのコネクタは無茶苦茶種類ありますからね。
 確かにSCSIなんか見ちゃうと、USBって素敵♪とか思わないでもないです。IEEE 1394は二種類だっけ?

 eAT'03に坂村先生出没との未確認情報あり。


2002年12月26日(木曜日)
 国立国語研が「分かりにくい外来語を分かりやすくするための言葉遣いの工夫についての提案(中間発表)—「外来語」言い換え提案—」を昨日発表したと、今日の新聞に報道されていましたね。
 本来なら「言い換え」じゃなくて「翻訳」をやってほしいもんなんですが……。
 古来日本語は外来語を大量に採りいれることで発達してきた言語ですんで、今さら外来語の流入をどうこう言っても始まらないのですが、英語系の外来語には漢語系外来語ほどの伝統がないので、今一つ意味が摑みにくい嫌いはあります
 なんというか、委員の中に漢文学者が少ないのが、やや不安ですね。翻訳といっても英語系の単語を漢語系に翻訳しようというのですから、もう少し漢学者を増やしてもよいと思うのですが……。
 明治の頃に、西欧系の外来語を漢語に次々と翻訳したのは、当時の日本人の基礎教養が漢文学に拠っていたからであって、現在、それを真似する必要はありません。なにしろ、漢文の教養はかなり失われており(本家中国でもかなり失われている)、下手に訳すとさらにわからなくなることも考えられるからです。
 しかし現時点をもっても日常的に日本人は2,000を越える漢字を用いており、英語の素養よりは漢字の素養の方が期待できるというわけですね。均衡と節度を考えて使っていきたいものです。
 ところで、私の書いた文章はとにかく片仮名語が少ないとの指摘を良く受けます。別に意識しているわけではないのですが……(意識していたら、もっと少なくなる)

 日本語を操る能力の低下が叫ばれて久しいわけですが、朝日新聞なんざ自らこんな馬鹿をやってるわけです。 私ゃ最初に読んだとき、「ニつの」って何かと思いましたよ。「必要とあれば、ニつの大規模地域紛争」って下りなんですけど、「につのだいきぼちいきふんそう」って何よ? 朝日の記者は片仮名のニと漢数字の二の区別がつかないんでしょうかね。
 もっとも、このミスはネット上に腐るほど転がっていて、Googleで「ニつ」って検索すると凄い結果を得られます。そのうち検索エンジンで漢数字の二と片仮名のニを同一視するようになるかも知れませんね(慨嘆)
 昔、中国の黒竜江省の大学にある日本語文書の文献目録を見たら、長音符号「ー」が全部漢数字の一になっていて驚いたことがありましたが、日本人の文字識別能力も大差ないようになったわけですな。

 この辺の話を語り始めると、文字概念と字体と字形の違いとか人間の文字認識とか記述言語論とかを語らねばならなくなるので、この辺で終わりにしとく。

 WBSの特集は日本企業のコンプライアンス(法令遵守)についてでしたが……雪印食品の不正を告発した西宮冷蔵が廃業したというレポートを聞いて、かなり衝撃を受けました。告発後、取引先が次々と手を引いたといいますから……言葉もない。
 「正義を行えば世界の半分を敵に回す」か……。


2002年12月27日(金曜日)
 鳥より早く目覚めて行軍し、吹き曝しの埋立地でガタガタ震える準備はOK?

 というわけで、徹夜でカタログチェックしてました。毎年思うんですが、どうしてもっと早くから計画的にカタログチェックをできないんでしょうか。不思議です。何かの呪いがかかっているとしか思えません。
 さ。今日は早く寢よう。


2002年12月28日(土曜日) part 1
 起き拔けに新海さんの新作「雲の向こう、約束の場所」の予告ムービーをDLして堪能。
 身仕度を整えて、出発準備を黙々とこなす。
 特に防寒裝備は入念に。水分は昨日から摂取を控えている。
 始発電車まで、余裕を以って準備……。
 いざ、出陣!(違)
2002年12月28日(土曜日) part 2
 寒かったよう。

 事実なら、駆け込みで2002年の10大ニュースに入れないといけませんね>クローン人間誕生。
 とりあえず、事実と看做して話を進めます。(今んとこ肯定要素も否定要素もないが)
 なんか西欧先進諸国を中心に倫理的な観点から反発が巻き起こっているようなんですが、バチカンはともかく、他の所はどうなんでしょうね。できれば政治家には、倫理よりもまず有効利用法を考えて欲しいなぁ。需要があることは確かだと思うんですよ。
 で、今回生まれてきた当の女の子はどうするんですかね。ここで私がこういう言い方をするのは「らしくない」と思うんですが、生まれてきた子に罪はないよね。騷ぎ立てることが、その子の未来によい影響を与えるとは思いにくいのですが。生まれてきてしまったものは仕方ないので、せめて健やかに育ってほしいと思うのですが……。なんかねぇ。


2002年12月29日(日曜日)
 今日はサークル参加。

 っちゅーわけで新刊抱えてピクニック(違)。なんか私がいないときに限って人が来訪する傾向はなかなかなくならないようです。あ、ミツルんは僕がいるときに来たっけ。なんかSF大会の人足に駆り出されてたとか言ってたけど。
 きしもとくんは「クレームあり」と伝言していった。かくしてこの日記のサブタイトルへのクレームは目出度く4件に。しかしたったの4件であるから、まあ、「ない」と言っても差し支えない程度である。
 あと、久しぶりにGenesisさんとも顏合わせ。彼の結婚を寿ぐのを忘れたかも知れず。
 他にも来訪下さった皆様、ありがとうございます。来年もまた、宜しくお願いいたします。この場を借りて御礼申し上げます。

 さあ、これから忙しくなるぞ! 明日の朝までが編集・製本に残された時間だ!(炸裂)


2002年12月30日(月曜日)
 2240時に受け取った原稿が、0400時には本になっているもの凄さ。
 徹夜だヨ。

 会場で、工作者に逢いました。駄目人外画伯に逢いました。竹居さんにも逢いました。デンパ大阪にも逢いました。
 でもきさらちゃんとは逢えないのです。なんというか、めぐり合わせの悪いことよ。
 流石に二日続けて徹夜では体力が保たないので、15時ちょいに撤收です。
 コミケが終わると、一年が終わった、って気になりますね。

 さ、帰省すべ。