哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2009年4月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2009年4月1日(水曜日)
 エイプリルフールでジョーク日記書こうと思ったが、朝日が素ン晴らしいギャグを咬ましてくれたため、とても太刀打ちできないと脱帽したのでそちらを紹介する。

本社編集局員、差別表現をネットに投稿

2009年3月31日23時4分

 朝日新聞社内のパソコンからインターネットの掲示板に不適切な内容の書き込みがされていたことが分かった。本社は31日、この文章を書いた社員を特定し、事情を聴いたところ、投稿を認めた。

 社員は東京本社編集局の校閲センター員(49)で、掲示板サイト「2ちゃんねる」に断続的に投稿していた。部落差別や精神疾患への差別を助長する内容が含まれていた。3月30日夜、外部から指摘があり本社が調査を開始した。

 このセンター員は「他の投稿者と応酬するうちにエスカレートしてしまった。悪いことをしました。釈明の余地はありません」と話している。

◆本社「厳正に処分」

 朝日新聞社広報部の話 弊社社員が2ちゃんねるの掲示板にきわめて不適切な書き込みをし、多くの皆さまに不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしたことをおわびします。事実関係をさらに確認した上で、厳正な処分をいたします。

http://www.asahi.com/national/update/0331/TKY200903310332.html

 朝日新聞といえば言葉のチカラを信じるジャーナリスト宣言こっちの写真が素晴らしいと思う失笑を買ったことが思い出されますが、2ちゃんで荒し行為を行ってアクセス禁止とは……個人が行った行為とはいえ、朝日新聞の内部統制が問われそうです。
 実際、どんな書き込みだったのよ、と「痛いニュース」あたりを参照してみると……これは酷い。とても49歳が書いた文章だとは……。
 それにしても、その後にある指摘が興味深いところですね。
221 : しらね(catv?):2009/03/31(火) 23:36:58.86 ID:j5BC1HGK
●朝日新聞社内からの書込規制が始まって起こった事実●

 ・大量にあった「ネトウヨ」レッテル張りが無くなった
 ・大量にあった自民叩きのAAが無くなった
 ・「小沢さん」を擁護する書込みが無くなった
 ・民主党を擁護する書込みが無くなった
 ・北朝鮮・韓国を擁護する書込みが無くなった
 ・日教組を擁護する書込みが無くなった
 ・「ニート」レッテル張りが無くなった
 ・マスゴミ擁護の書込みが無くなった
 ・上から目線の加齢臭漂うネット批判書込みが無くなった
 ・低レベルな論争が減り非常に静かになった(N+,ν速,東亜,極東等)
 ・主に携帯からの「アク禁は2chらしくない」等の単発工作書込みが異常増加
 ・丑記者(反日反自民・親民主)がスレ立てをしなくなった ←●重要●
 まさか、ねぇ……。
 それこそエイプリルフールネタだろうと信じたい。

 こちらもエイプリルフールネタであろうと思われる、常用漢字への意見。

新常用漢字に「鷹」入れて…東京・三鷹など4市町が意見書

 文化庁が3月に公表した新常用漢字表の試案を巡り、東京都三鷹市は31日、「鷹」の字を追加するよう求める意見書を同庁に提出した。

 同様の意見書は、山形県白鷹町(しらたかまち)が3月26日に出したほか、北海道鷹栖町と長崎県松浦市(旧鷹島町)も近く提出の予定。同庁は「自治体がそろって意見書を出すのは異例」としており、文化審議会の議論に影響を与える可能性もありそうだ。

 新常用漢字の選定にあたり、「鷹」の字は使用頻度が高いため、1次素案に盛り込まれたが、固有名詞に使われる機会が多いことから、昨年6月に公表された2次素案から除外された。

 三鷹市では同11月、同庁に再考を求めたが試案に復活しなかったため、2007年3月まで「鷹」にちなんだ自治体間で、「ホークスサミット」と名付けて交流を図ってきた白鷹町など3市町に意見書の提出を呼びかけた。

 同市の意見書では「『能ある鷹は爪を隠す』など、鷹の字は古来から多くのことわざや格言に使われ、文化的、教育的にも重要。誰でも読み書きできる漢字であるべき」と主張。江戸時代の名君・上杉鷹山が町内の白鷹山から名前を取ったとされる白鷹町も「我々にとって大切な字」と訴えている。

(2009年4月1日06時25分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090401-OYT1T00035.htm

 一々ンなことやってたら、切りがなくなるわい。
 三鷹市の話題は今年の1月にも朝日新聞に記事が載っていましたが、一つ通せばまた一つ、と全国1,778自治体を網羅しなければならず、現実的には不可能というか、旧字体を使ってる自治体があるぜこことかこことか)やら、鹿島市が既にあったからウチは鹿嶋市にしましたとか、別の問題も発生してしまうのでお願いですから止めて下さい。
 今回の試案でも、「都道府県名及びそれに準ずる字」が例外として採録されているに過ぎません。別にこれまでも常用漢字ではなかったのだから、新漢字表から漏れても別に何か変わることはないと思うのだが。

 漢字の本家・中国からは「中国、漢字の使用規範を発表として「現代常用字規範」なるものが国家语言文字工作委员会なる部署から出されたことが報じられています。ニュースリリースはこれかな?
 表本体は見つけられなかったのですが、どうもこれは教育用のもののようですね。

 これもエイプリルフール・ジョークと思しき「南京大虐殺を描いた『ジョン・ラーベ』、日本で上映禁止」という記事。
 日本では「上映禁止」という処置を行政が取ることは、犯罪行為が絡まない限り実質不可能なので、多分に映画会社と国内配給会社との間の交渉に難があったものと思われます。
 日本では「靖国 YASUKUNI」だの「日本鬼子 日中15年戦争・元皇軍兵士の告白」だのといった問題作が上映されており、規模を求めなければ充分に上映は可能だと思います。
 諦めずに上映の道を探って欲しいものです。なんせ私は観てみたい。

 明日になったら全部ジョークになってたら最高だよね!


2009年4月2日(木曜日)
 定額給付金給付のお知らせが来た。
 結構手続きが面倒だな……。
 個人的には、これって景気浮揚策なんだから、振込よりも現金手渡しの方が效果があるんじゃないかと思わなくもない。通知持って役所に来たら現金の入った封筒が手渡され、帰り道に飮屋で散財、とかが良いのではないかと(おい)。
 振込だと貯蓄に回ってしまいそうで、それって給付金の意義としてどうよ、と思うわけだ。
 もっと無理矢理な感じにするなら、住民にカタログギフトを送りつけて○月×日までに商品選んでね♪とかにすると、とにかく消費に回るので宜しいかと思うわけだが。

 そういえば2009年春のテポドン祭りがいよいよ佳境に入っているそうで。
 北が射上げると言っている飛翔体が軌道ロケットなのか弾道ミサイルなのかは正直分かりませんが、前回2006年に失敗して日本海太平洋に落ちていることを考えると、また失敗して日本領域内に墜ちる可能性は否定できないわけで、備えること自体は悪くないと思います。
 良い訓練にもなるしね。
 ロケットを射上げるに際しての手続きに関しては不備もありますし、日本だったら危険水域を指定したら漁業補償するんだけどねぇ。
 まあ、後のことは後のこととして、まずは備えよ、ですわ。故事に曰く「Si Vis Pacem, Para Bellum」と。


2009年4月3日(金曜日)
 朝、山手線が人身事故で停まっていた。田町駅で人身事故とのアナウンス。
 目黒から五反田まで歩く。
 鉄道人身事故の統計は見当たらなかったのだが、仄聞するところによると地下鉄南北線は開業以来人身事故ゼロだそうだ。あのホームドアを突破して飛び込もうという人間は流石にいないらしい。
 乗り入れている都営三田線は高さ1.2mくらいのホームゲートだが、確か去年人身事故が一件起きていた筈。よくもまあ、と呆れた記憶がある。
 とまれ、有效な対策手段が分かっているのだから、できるだけ速やかに実行して欲しいところです。

 slashdot「ドコモ、メールアドレスの仕様を修正」によると、以前から散々指摘されていたNTT DoCoMoのRFC非準拠が改められた由。
 それ自体は歓迎されるべきことですが、最初の指摘以来5年もこの問題を放置し続けてきた悪影響が何処まで広まっているのか、考えると頭が痛いところです。
 自社システムを直すなり、新しいRFCを書くなり、やれることは幾つもあったでしょうに。


2009年4月4日(土曜日)
 ミサイルは飛ばざるや?
 なんか誤報が飛び交ったりなんたりと、いやぁ、日頃の訓練って大事ですね、という感想くらいしか。
 いや本当に、訓練って大事なのよ。

 ソマリアでは、海自が他国船のSOSに応じて行動を起こしたようで。「ソマリア沖護衛艦「さざなみ」、光と音で4隻追い払うとか「ソマリア沖、海自が初の不審船対応 大音響で追い払うとか。
 当然の話なんですが、国内法がどうあれ、現場に出てしまえばこういった事態は起こるわけで、起こってしまえば「でも日本の船じゃないと護衛できないんです」とは言えないわけです。今目の前で困っている船があったら助けるのが常道だろう。
 今回は幸い不審船は警告段階で去っていきましたが、それでは済まない事態も考えられるわけです。
 一刻も早い海賊対策法の整備をお願いしたいところです。


2009年4月5日(日曜日)
 1130時に北がロケットを発射したと一報。

 で、情報收集もそこそこに、川口へ自転車でGo! クレヨン社の映画「オムライス」完成記念試写会へ。受付でなぜかSTAFFの名札を渡される(笑)。
 映画は多少の問題を孕みつつも、全体的には良い出来だったかと。もうちょっと良い機材が使えればなぁ……。
 その後、懇親会、二次会と喰ったり飮んだり喋ったりして過ごす。

 で、家に帰ってきて、ロケットの情報收集。
 うーん。
 とりあえず一段目が切り離せたので、日本海に沈んだ前回よりはマシな結果だったみたいだけど、二段目は切り離せず、そのまま太平洋に没したようだ。
 この程度の技術水準のロケットを他国の上に射つのは止めて下さい、ですね。


2009年4月6日(月曜日)
 ベネズエラのチャベスたんが来日中。

 イタリア中部で現地時間未明にM6.3の地震が発生し、多数の死傷者が出ている模様。
 日本政府の動きは不明。

 小形さんが「なぜ「飛行体」でなく「飛翔体」なのか?」と吼えていて、びっくらこいた。いや、「飛翔体」って航空宇宙分野ではよく使う用語で、私自身は特になんとも思ってなかったから。JAXAでも「宇宙飛翔体技術の研究」とか書いているように、「飛翔体」という用語は航空宇宙技術分野では珍しくもなんともない用語。ちなみに、この「飛翔体」にはロケットやミサイルだけじゃなくて飛行機や衛星までも含まれる。ボイジャーなんかは「惑星間飛翔体」なんて言い方をしたりする。言わば空や宇宙を飛んでる人工物は大抵「飛翔体」。
 「翔」の字は確かに常用漢字表外の漢字なんだけど、専門用語なんだからいいんじゃね?と思う一方で、これだけ大々的に広報される政府文書に専門用語が混じっているのは適切なのかという疑問はあるかとは思う。


2009年4月7日(火曜日)
 イタリア中部の地震は、死者が150名を超えた大災害に。
 日本政府は……お悔やみの電報を送ったそうな。
 いや、そうじゃないダロ……。緊急援助隊捜索チームを送るとか、あるでしょ……。

 米国防長官が戦鬪機F-22の発注停止を大統領に進言との報が。現在発注済の187機で調達を終了し、その後はF-35の配備に振り分けると。
 これで日本のF-XにF-22という目はほぼなくなったと見て良いのかな?

 NHKで現在進行している年間シリーズ「プロジェクトJAPAN」の日曜放送の『シリーズ「JAPANデビュー」 第1回「アジアの“一等国”」』の中で、下関条約後の台湾鎮定作戦のことを「日台戦争」と呼んでいた。
 ……。
 聞いたことねぇよ、ンな用語
 台湾征討は、司令官であった北白川宮能久親王以下多くの犧牲者を出した戦いであったが(ただし、多くは戦病死者)、しかし、それを「日台戦争」と呼ぶのは今日録画を見て初めて聞いた。日本近現代史を専門としている私が、だ。
 通常、この戦いは日本側からは「台湾鎮定」、台湾側からは「乙未戦争」と呼ばれることが多いが、法的には日清戦争の一部となっている。なので戦死者も「日清戦争の戦死者」として扱われている。
 とりあえずメールフォームから問い合わせを出しておいた。果たして返事は返ってくるだろうか?
 他にも色々気にかかる点があり、プロローグからかなり気になっていたのだが、このシリーズには作り手からのかなり強い圧力が感じられる。正統な学術用語を使わずにオリジナルな用語を作り出している辺りは、かなりの危うさを感じる。メッセージ性が強すぎる。
 NHKの大型シリーズだけに、問題になってからでは遅いと思うのだが……。


2009年4月8日(水曜日)
 先日の「飛翔体」騷動だが、小形さんのblogに新エントリ「ロケットでもミサイルでもなく——再び、なぜ「飛翔体」なのか」が掲載され、一服した感じ。
 要するに、政府広報に見慣れない専門用語(というか業界用語か?)が雑じっていた、という話なわけだが、小形さんを差し置いて私が勝手に纏めたところでは、
  1. 航空宇宙・軍事防衛分野の専門用語「飛翔体」を政府広報において使用することの是非
  2. 使用を是とした場合、表外字「翔」の扱いは適切であったか否か
  3. 使用を否とした場合、適切な置き換え語は何か。あるいは新語を作ることの是非
……あたりが論点になろうかと思う。
 「飛翔体」の語そのものは、航空宇宙や軍事防衛の分野では珍しい語ではなく、この日記でも2000年7月には出てくる。私のような航空宇宙ウォッチャーにとってはお馴染の単語で、ロケットかミサイルか断じ難いから包括名詞を使うというのは理に適っていると感じられる。
 で、“飛翔体”の語は元々専門用語であり、常用漢字表適用範囲外だから「翔」を使っていても問題はない。
 ただし、それはあくまで専門用語として使用していた場合の話であって、「飛翔体」を政府文書や広報に於いて使用するに当たって「飛しょう体」としなかったことは、常用漢字表の精神からすると些か外れたものであると言わざるを得ないとは思う。
 ただ、「公用文における漢字使用等について」(昭和56年10月1日 事務次官等会議申合せ)の中には
1 漢字使用について
(1) 公用文における漢字使用は,「常用漢字表」(昭和56年内閣告示第1号)の本表及び付表(表の見方及び使い方を含む。)によるものとする。
 なお,字体については通用字体を用いるものとする。
〈略〉
3 その他
〈略〉
(3) 専門用語又は特殊用語を書き表す場合など,特別な漢字使用等を必要とする場合には,1,2及び3(2)によらなくてもよい。
とあるわけで、航空宇宙・軍事防衛の専門用語である「飛翔体」を書き表すのに常用漢字に従う必要は特段にはなかったものと思われる。
 また、2000年の表外漢字字体表や現在試案が意見募集に附されている「新常用漢字表(仮称)」などを見れば分かるとおり、常用漢字表の“目安”の意味は、制定当初より更に後退し、「破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に係る信用保険の特例に関する臨時措置法」の「綻」のように、法律名からして既に表外漢字が使用されている現実というやつがあるわけで、今更常用漢字を墨守することにどれほどの意味があるのかは別に一考の余地があるだろう。

 で、その問題の飛翔体の射上げの方に話を移すと、なにやら朝のニュースで射上げの動画が流れていた。
 まあ、多分衛星打ち上げのためのロケットなんだろうけど、松浦さん指摘している通り、衛星の射上げだとすると足りないものがいくつもある。追跡体制も整えないでロケットを射上げるというのは、頭が足りないとしか思えない。
 はっきり言えばこんな射上がるかどうかも怪しいものを他所の国の頭上に射上げようというのは迷惑極まりない。日本が先に温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」を射上げたH-IIA F15でも、フィリピン上空を避けるために一度東に射上げてから南南西に進路を変更してる。(軌道に乗ってしまえばどこの国の上を飛ぼうが構わないのだが)
 衛星を射上げる国は、このくらいの配慮はしないといけないんだ、ということが守れないうちは、まともな国の扱いは受けられないだろうよ。

 昨日の「日台戦争」について、NHKから返答があった。典拠を示した当該部分を拔き出すと、以下の通り。

「日台戦争」という呼称についてですが、台湾全島「平定」までに、 日本軍だけでも死者は5000人近くにのぼっており、日清戦争の 死者の過半を越えています。1990年代に中京大学檜山幸夫教授が 「日台戦争」と呼称し、以後多くの研究者がこの表現を使っています。 ご参考になれば幸いでございます。
 中京大学檜山幸夫教授ですか。ほほう。我が師・小林英夫先生とは確か東アジア近代史学会でご一緒であったと思うわけですが、どの著書が出典なのだろう。90年代の刊行書だとすると、「日清戦争 — 秘蔵写真が明かす真実」だろうか。
 NHKは「多くの研究者がこの表現を使っています」と言っているけど、できて10年ほどの用語で、私が接したことがないということからも、決して一般的な用語ではないと思う。CiNiiでの検索結果もゼロだ。
 それと、5,000人近い死者って言ってるけど、殆どが脚気とマラリアによる病死なんだよね。直截の戦死者は164名に過ぎないんだよ。「日台戦争の死者約5,000名」と「台湾鎮定戦の戦死者164名、戦病死者4,000名以上」だと受ける印象は相当異なる。意図しているなら誘導的だし、意図していないなら問題だ。
 はてさて、どうしたものか。
 ああ。台湾総督府文書の公開と目録作成に、小林先生に「お前ちょっと行ってこい」って言われたのを思い出したよ……。あの時断らずにいれば、今頃史学の人だったのだろうか。

2009年4月9日(木曜日)
 小形さんのInternet Watchの記事からウチにリンクが貼られていた。
 あんまり有意義な内容の日記じゃないんだけどなぁ(苦笑)。

 さて、北の飛翔体が終わったばかりですが、次は南の射上げが7月にあるそうな。記事によれば、沖縄本島那覇の180−200キロ上空を通過するらしい。先年、羅老宇宙センター(Google Map)からの射上げルートが日本上空を通過するとして協議に入っていましたが、結局本土ではなく沖縄上空を選んだようです。
 ロケットはKSLV-Iと命名された低軌道ペイロード100kgの中型ロケットで、一段目がケロシン/液酸、2段目が固体という、ちょっと変わった構成をしています。ロシアのアンガラロケットの技術を流用しているとのことで、一段目が推力2,094.7kNのAngara UM(RD-191)なんだそうです。カタログによれば燃焼時間は300秒、比推力は338秒。
 信頼も実績もある国のエンジンなので、そうそう落ちて来たりはしないと思うのですが、何分彼の国のやることなので、それなりに備えたほうが良いと思います。とはいえ、沖縄県民の方々はPAC-3の配備などには反対されますかね?
 しっかし……なにも狙って那覇上空を飛ばさなくても、ちょっと西にずらせば海の上を行けそうなものだけど、韓国も変なことするねぇ??

 NHKアレの件。
 番組中で一中時代の差別の話題(弁当のおかずに豚の尻尾とか)を喋っていた柯徳三氏が、あの番組は本意ではないと語った模様
 まあ、元々柯徳三氏は「母国は日本、祖国は台湾—或る日本語族台湾人の告白」なんて本を出版しておられる方なので、証言の選択にかなりのバイアスがかかっていたことは承知の上で見てはいましたが、いよいよ碌でもない方向に転がり始めた感じ。
 知らねぇぞ、このままどうなるか。


2009年4月10日(金曜日)
 天皇皇后両陛下、御成婚50年祝賀。
 宮内庁特設ページで動画なんか配信してんじゃん!
 時代は変わったなぁ。

 先日起きたイタリア中部地震について、在日イタリア大使館が義捐金の窓口を開設している模様。

アブルッツォ地方地震について

07/04/2009 -

昨日(6日未明)イタリア中部アブルッツォ州を直撃した地震につきまして、親族や知人の安否確認情報等は次のローマ市民保護当局(Protezione Civile di Roma)までお問い合せください(tel: +39.06.68201 又は +39.06.68203229, e-mail: salaoperativa@protezionecivile.it )。また、イタリア国内からの場合は次のアブルッツォ市民保護当局が用意したフリーダイアルまでお問い合わせください (800.860146)。当大使館でも現時点でのできうる限りの対応はいたします。尚、当大使館は地震で被災された方々への真心の義捐金を募っています。振込み先は下記までお願い致します。 振込先銀行名: 三菱東京UFJ銀行 本店口座番号:当座0143319 名義(カナ):インテーザサンパオロ エッセ ピー ア トウキョウシテン* *振込みに際して、送金者の氏名欄には氏名の後、次の7桁の3001 100の番号(募金目的番号)を付け加えてください。

http://www.ambtokyo.esteri.it/Ambasciata_Tokyo/Archivio_News/Terremoto_Abruzzo.htm

 急いで書いたのか、読みにくい文章だな……。

 なんか「どうなる?繁体字復活論、新しい「規範漢字」近く発表か—中国とかいう記事があって、うーん。
 にも書いたけど、多分蒸気だと思うんだけどなぁ。
 ただ、考えてみるとあの国でそのような議論ができていることが、画期的かもしれない。基本的にはお上が定めたことは〜の国だからね。
 ただ、それ故に過去の政策の失敗を認めるような政策転換は、権力構造の変化がないと難しいと思うのだが。

 NHKの『シリーズ「JAPANデビュー」 第1回「アジアの“一等国”」』の件。
 ドキュメンタリそのものは別に中立でも公平でもなく、プロデューサ/ディレクタの著作物なので、当然何らかの偏りがあります。誰にとっても中立公正な番組なんて、事実上存在しません。
 問題になるのは常にバランスで、その点について、NHKは以前から何度も(左右両岸から)槍玉に挙げられています。
 今回の番組について言えば、加害視点とでも言うべき視点に立脚し、それ以外の情報を思い切り排除した辺りに問題の根源を見るところです。歴史とはそれほど単純なものではありませんし、もし加害視点に立脚するなら、日本からだけではなく、関係諸国を含め複数の加害視点に立脚して番組を作るのが正道だと私は思います。
 たとえば、プロローグにも登場するジョン・ダワー氏は確かにリベラル系の歴史学者ですが、彼は日本を批判するのと同じくらい米国をも批難します。それは氏の著書を読めば分かることで、彼は決して日本だけを論っているわけではありません。等しく両者を批難できるその心性こそが彼の真骨頂であり、その中から一部だけを取り出してしまえば平衡を欠きます。
 NHKの制作班が犯した間違いは、そこであろうと私は思います。日本が台湾で犯した過ちを論うのと同じくらいの情熱を持って、当時の世界のありとあらゆる過ちを指弾すべきでした。一番組で納まらないというのなら、シリーズにしてでも「殖民地支配とは? 一等国とはなんだったのか?」を追究することこそが、歴史学的に意味のある番組作りに資することだったのではないかと。
 あ、でも「シリーズ殖民地支配」って作れるなら観てみたいかも。
 ただ、“プロジェクトJAPAN”として日本からの視点として固定されるのであれば、加害視点だけではなく、台湾支配の功罪をバランスよく詰め込むほうが良かったと思いますけどね。
 で、「日本李登輝友の会」とかいう組織が抗議声明をNHKに手交したそうな。取材する相手との信頼関係の醸成に失敗するとどうなるかは、過去経験した筈だろうに……。

 民主党が政府提出の「海賊対策法案」への修正点4点を対案としたと報じられたのだが、民主党のサイトには情報がない。
 報道をベースにすると、

  1. 海賊対処は海保の管掌とし、海保では対処が困難な場合に、海保あるいは国交相の要請に基づき首相が海賊対処本部を設置する
  2. 対処本部において自衛隊員による「海賊対処隊(仮称)」を編成する
  3. 派遣については国会の事前承認を必要とする
  4. 各国の海上警察機構との連携を促進する
という辺りになるらしい。
 海賊対策法案現法案でも海賊対処は海保の業務と書いてあるけどなぁ。ただ、海保で対処が困難な場合や喫緊の場合には防衛相が首相の承認を得て海賊対処行動を命令できるようになっている。
 印象だけで言えば、民主党の案は迂遠だなぁと思う。閣法も基本海保で、特別の事情が必要なときだけ海自を出すとしているだけなので、行政権の範囲内であって、特に国会の承認とかは必要ないと思う。報告だけで充分でしょう。
 個人的に閣法で気になるのは、対処要員を海上自衛隊に限ってしまっているところで、場合によっては陸自、空自の要員が必要になる場合を想定したほうがいいんじゃないかな?って所でしょうか。
 あと、海自の出動が決まったあとの海保との協同行動については何も規定されていないのは大丈夫なんだろうか、とか。

2009年4月11日(土曜日)
 横須賀へ行く。
 DDH-181ひゅうがの一般公開があるとさとろみくんに教えられたもので。
 いやもうとにかく、「大きい」の一言ですよ。隣に並んでいる汎用護衛艦が小さく見えます。
 飛行甲板上の人間は豆粒のようです。
 思わず「守るも攻むるも黑鐡の〜浮かべる城ぞ賴みなる〜」とか歌い出したくなります。
 就役後初の一般公開ということもあって人だかりはもの凄く、乗艦まで1時間待ち。行列は営門の外まで続いているという、ここはどこの有明だ?という有様。
 グラサンにスーツ姿の中国語を喋るご一行様とかいて、お仕事御苦労様ですと……(昨日、各国駐在武官を招いての特別公開があったそうですが)。
 素晴らしい一日でした。

2009年4月12日(日曜日)
 昨日から一転、引き籠もりな一日(笑)。

 韓国から「日本統治時代の建築物、文化財として保護可能かという面白おかしいニュース。
 学問の世界に政治が介入することが常態となっている国では、こういう馬鹿馬鹿しい議論も真面目にしないといけないわけですね。
 もっとも、学者だけにやらせると、何でもかんでも遺跡になりかねないので、ある程度の抑制は必要になるのですが……。
 まぁなんにせ、民族のナントカ、とかいうものが学問的良心に優先する社会は息苦しくてしょうがないですね。私だったらご遠慮申し上げたいところです。
 ちなみに日本の場合、GHQ/SCAPが利用した第一生命館(現・DNタワー21)が、その後の改装はあるものの、現在都の歴史的建造物に指定されていますね。他にも原爆ドームとかさ。
 韓国人の言う「歴史」って、日本語で言うと“美しい思い出”に近いんじゃないかと思っている今日この頃。


2009年4月13日(月曜日)
 昨年のErnest Gary Gygax氏に続き、David Lance Arneson氏が7日逝去された由。謹んで弔意を表す。
 D&Dのサイトも再び漆黒に。

 土曜日にさとろみくんと帰り道に話してたことなんだが、日本ではとかく近現代産業製品について公立博物館の蒐集状況が宜しくない。もちろん金がない、人がない、空間がないというどうしようもない状況があることは確かなのだが、一方で「アニメやゲームに国の「殿堂」 東京都内に設立構想と見た目が宜しい分野には金を注ぎ込むアンバランスさがある。
 ゲームというなら、スペースインベーダーくらいからのアーケードゲームを基盤から筐体まで集めて動態保存するのが望ましいし、個人的にはそれ以前にまずまともな自動車博物館作ろうぜとかいう話になる。
 不況でこれまで個人で頑張ってきた人達の体力が尽きそうだから、今こそ国の金を投入して欲しいところなんだけど……。


2009年4月14日(火曜日)
 文藝春秋文学界新人賞にイラン人女性シリン・ネザマフィさんの「白い紙」選定。非漢字圏からの初の受賞というのもあるけど、来日したのが9年前というのが、素直に凄い。
 最近、文章力がめっきり落ちて、自分に愕然としている……。

 防衛医大教授が痴漢容疑で逮捕され、一審二審と有罪判決を受けながら、最高裁で逆転無罪。
 判決文を読んでから落ち着いてコメントすることにする。


2009年4月15日(水曜日)
 で、昨日の件、判決文読んでみた。
 最高裁が独自の調査を行い、先審を覆すことは通常ないのですが、判決文を読んだ範囲で思ったのは、「証言のみに頼る立証は弱い」ことを明確にしたかったのではないかと。
 起訴された防衛医大教授が本当に潔白なのかは分からないものの、罪を犯したという客観的な証拠もまた得られず、被害者・被疑者の証言が真っ向から食い違う中では、どこまで行っても水掛け論にしかならず、判断を下すことができません。
 これまで痴漢犯罪においては被害者の証言を重く見て、有罪判決を下すことが多かったのですが、その動きに一定の歯止めをかける意図が最高裁にあったものと思われます。
 被害者の証言が真実で、被疑者の証言が虚偽であったとしても、客観的に判断の材料となるべき傍証がなければいけない、という、当たり前といえば当り前の話でありました。

 「僕はパパを殺すことに決めた」の調書漏洩事件の裁判(過去日記1,2,3)ですが、一審判決が下り、調書を草薙氏に見せたとして精神科医が有罪判決となったそうな。
 已むを得ませんな。
 私は草薙厚子氏が取材源の秘匿に充分な注意を払わなかったことを指弾しますが、警察・検察の行動は彼らの存在原理に沿っていると思います。捜査は人を幸せにするためにするものじゃないしね。罪は罪、罰は罰です。
 それ故に草薙氏には取材源を秘匿する責務があったし、それを果たし得なかった以上草薙氏はジャーナリスト失格の烙印を押されても抗弁できないと思う。

 興味深かったので、メモ。


2009年4月16日(木曜日)
 「著作権制度の根本的なあり方を議論する委員」を読んで、露骨だなぁ、と。現在の利害関係者じゃなくて「利益関係者」が圧倒的に多い小委員会がどのような結論を出すかについて、ドラスティックな変化は望めまい。
 まあ、あんまり劇的な変化があっても困ることは困るのだけど。
(参考:「文化庁が委員会から外した人・団体の発言を検索してみたですよ」)

 日本文藝家協会が「グーグル・ブック検索についての声明」を発表。
 米国法に基づくGoogleの行為を日本法に基づいて批難するというのは妥当なのか失当なのか、私には判別つかない。
 ただ、文藝家協会が書籍のデジタル化は急務と考えていることは、幸いかと思った。


2009年4月17日(金曜日)
 海自P-3C部隊にソマリア沖海賊対策活動への派遣準備命令が下ったそうな
 駐留地がジブチってのは既定路線なんですが、海賊の活動海域がアデン湾内から、ソマリア沖インド洋となってきていることを考えると、ちょっと距離があるかなと思わないでもない。単純に地理的な話になると、今となってはイエメンソコトラ島辺りの方が良かったかも。
 ただ、ジブチは昔からフランス軍が駐留していて、現在では米軍の基地もあり、外国軍の受け容れに対してある程度の体制が整っているのが良い点です。イエメンだと、南北統一後の内戦のごたごたが未だに続いていたり、アデン港でUSSコール(DDG-67)への自爆攻撃があったような国なので、おちおち休んでもいられなくなる。協力はこれからでしょうね。
 とはいえ、今回の派遣でも警備要員として陸自隊員を送り込むと記事にあるので、ジブチであってもそれほど気楽な話ではなさそうですけど。海自の警備隊ではなく、陸自を擁するってことは、相応の危険はあるんでしょうな。
 それにしても、防衛省特設ページの「活動の実績」を見てると、海自の皆さん、休み取ってないんじゃないかと心配になるのですが。

 一方の海保は「海保巡視船建造見送り 補正予算 対海賊派遣 当面自衛艦が役割とかで、大型巡視船の建造を見送り、予算は本来任務のために供されるようです。
 常識的に考えると当然の決定だと思いますが、東京新聞はなにやら不満があるようです。良く分かりませんが、ソマリアには現地政府が存在しないのに「沿岸国と協力」とか書いているので、多分想像上の別世界の話をしているのだと思います。
 新聞なんだから、物語を載せるのは連載小説だけにしてくれないと困りますよね。
 海保自身ができないって言っているのに、無理矢理海保にやらせようってのは、人命軽視に他なりません。また、記事中にもあるように、海保は基本的に日本近海(とはいうものの、「海上における捜索及び救助に関する国際条約」に基づき太平洋の公海上にも担当範囲を持ちますが)を活動域とする組織で、遠洋での活動は例外的なものです。遠洋に大型の巡視艇を複数隻派遣できる規模も体制も出来ていません。それを今から作るというのであれば、海保の組織の拡大を含めて考えるべきことで、実現するのは恐らく十年は後でしょう。
 海保の少ない予算は本来任務のためにまず優先して使われるべきもので、旧式化した巡視艇の更新に振り分けることは、理に適っていて、批判の対象になるとは思えません。大型巡視艇建造のための別枠予算を流用したとか言うならともかく、そうじゃないんだから。
 東京新聞の編集方針にとやかく言うつもりはありませんが、現実を見ないで空想小説を記事として垂れ流すのは如何なものかと思います。


2009年4月18日(土曜日)
 ちょっと飯田橋の印刷博物館まで、もじもじカフェに。今回のお題は「活版印刷の時代」。印刷博物館内にある活版印刷工房で、インストラクタさんの説明を聞いたり、その後レストランに移って質疑応答など。ただし、やたらと業界人が多い集まりのため、専門用語が平気で飛び交う魔窟状態に。
 その後の懇親会は言うに及ばず。

 先日ネタにした南のロケットが沖縄上空を通過する件が、共同で「韓国ロケット日本領海上空通過へ 初の人工衛星搭載と報じられていた。
 色々と情報を集めてみたのだが、色々不安はあるけど、ロシア製の一段目がきちんと燃焼すれば、まず大丈夫だろうと。ただ、初物らしいので、嫌気はある。
 最悪の事態には備えなければいけないが、流石に事前に日本の関係機関に協議もしないで射ち上げることはしないだろうと信じたい。
 しかし、開発意図も、その手法も理解しがたいロケットだ。
 ICBM技術の会得を目的にするならば、全てを自国開発・生産しなければ意味がなく、かといって購入するのであればロシアの射場を借りてしまう方が楽だし、何も発射台を建築してまでやるほどのことじゃない。大体、韓国の南端に射場を作っても、日本が邪魔で東向きに射上げは(政治的に)できないのはわかりきっている。そんなものを購入したロケットを射ち上げるためだけに作るのは無駄なことこの上ない。
 本気でやるなら太平洋上の島、クリスマス島あたりに射場を作った方が良いし、そこまでやらないのであれば、衛星だけ開発して射上げは他国に任せても現実問題として構わない。


2009年4月19日(日曜日)
 ……。
IOC、東京の現地調査を終了 16年夏季五輪招致で
 2016年夏季五輪の招致都市を現地視察する国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員会は19日、立候補都市の東京に対する調査を会議形式で行い、4日間の調査を終えた。最終日は警備、メディア対応、医療・ドーピング、技術の4つのテーマについて招致委員会などから説明を受けた。
 警視庁の米村敏朗警視総監が、警察庁や海上保安庁などと協力して警備に当たるとし、東大の坂村健教授は入場券や資格認定証に最先端技術を使い、警備や海外からの観客への道案内などに生かす計画を披露した。
 調査終了を受け、陸上の女性五輪金メダリストのムータワキル委員長と、IOCのフェリ五輪統括部長が総括記者会見を行う。会議の合間に水泳の五輪金メダリスト、ポポフ委員らが五輪開催に反対する2グループからヒアリングを行った。
 評価委は20日に離日。29日からリオデジャネイロ、5月5日からマドリードを調査。開催地選びの重要な資料とされる報告書をまとめ、開催地を決めるIOC総会(コペンハーゲン)が開かれる10月2日の1カ月前までに公表する。
2009/04/19 15:50 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009041901000252.html
 東京落選祈願〜〜〜。

2009年4月20日(月曜日)
 あの日から、20年の歳月が流れた。

 朝日に「宅配に新兵器「エコチャリ」とかいう記事があって、このエコチャリの荷台に座席をつければいいんじゃないかね?と思った。>三人乗り自転車


2009年4月21日(火曜日)
 文化審議会著作権分科会基本問題小委員会の面子に先行き不安を感じていたらば、案の定というか。
 権利者ばかり呼べば、こうなるわな。
 議論が紛糾するのを避けたかったんだろうけど、法律家や研究者を中心に据えた方が良かったんじゃないかな。

 「日台双方で批判続出…NHK「偏向報道」政界に波及」だそうで、政治が動いちゃったなぁ(溜息)。
 以前にも書いたことがありますが、その存在を放送法に依拠するNHKは、政治介入を極めて受け易い体質を持っています。予算を国会で審議され、承認されるという構造上、主権者たる国民の代表である国会の意向を無視した運営はできません。
 故に、政治的問題を惹起するような番組作りは、避けねばならないわけです。(与党に阿ろと言っているのではない)
 多くの人が「問題だ」と思う番組は、政治家を動かし、結果としてNHKを搖るがしてしまうのです。
 外部から介入される事態はNHKとしても避けるべきことで、本来この状況に至ることがNHKにとっては失態に近いわけですが、ここからいかにリカバーするかが思案のしどころでしょう。

 最近声優ヲタ阿澄佳奈ファンであることをカミングアウトした画伯が「自転車三人乗りについて」というエントリ(現在は消滅)で個人的にはご隠居の提案通りトレーラーしか無いのではと思いますがトレーラーて自転車の要件から外れちゃうのですよね。と書いていた。
 いえいえ、自転車ではあるのですけど。ただし、普通自転車の要件からは外れちゃいますけどね。
 軽車両⊃自転車⊃普通自転車、という関係で、歩道を通行できるのは「普通自転車」だけですので、自転車であっても「普通自転車」ではないものは歩道を通行できません。
 個人的な意見としては、「普通自転車」の枠内で安全に+2乗車が可能だとは思えないので、素直に諦めましょう。

 「ネーミングで、とりかえしのつかない一歩を踏み出さないために。とかいう記事について、DQNネームを付ける親の周囲はこれを止めないのか?という疑問があるだろうが、個人的経験から言わせて貰うと、周囲がどれだけ「ヤメロ!」と言っても、こういう親は話を聞きやしないのである。
 恥ずかしながら我が妹夫婦がコレなのだが、甥たち(複数形であるところに注意)の名前を見るたびに、伯父としては内心忸怩たるものがある。
 正直、お前らアホだろ、とか思うのだが、当人たちは素晴らしい名前を付けたとか信じてるんだから始末に負えない。少なくともここに、漢字の仕事で飯食ってるような親族が頭から反対してたってのに。
 正直、彼らの名前が周囲に知られると、酒会でネタにされること請け合いなので秘密にしておきたいものだ。
 というわけで、「周囲にストッパーがいない」というのは、本来ストッパー役になるべき人たちが匙を投げてしまった結果でもあるのだ。そして一度投げられた匙は返ってこない。覆水盆に戻らず、見捨てられた親は見捨てられっぱなしだ。
 親の自業自得といえばそこまでだが、子供に罪がないのも確かなんだよな。なので、改名の自由をもう少し認めてやってはいかがかと思うのだ。将来のあの子達のために。


2009年4月22日(水曜日)
 刑事裁判に於いて、被告の動機ってそんなに重要なもんなんだろうか、と私なんか思うのですがねぇ。分かったところでどうしようもないと思うんだが。
 “如何にして行為を行ったか”、すなわち“HOW”については立証要件として極めて重要ですが、“WHY”については、なくても特に問題はないと思うのです。あればあったで情状酌量の材料にはなるでしょうが、その程度の存在じゃないかと。
 正直言えば、動機なんて理解できるケースは稀ですし、納得できる事例はさらに少ないでしょう。
 いかなる事情があろうとも「でも犯罪だし」で処断しなければならないのが法治というものですから、あまり動機に拘る公判というのも如何なものかと思うのですよ。

 護衛艦あたご昨年起こした海難事故で、搭乗幹部二人が在宅起訴された件について。
 海難審判も終わって裁決も出ているってのに、一体検察は何を考えて裁決取消しではなく、あえて刑事訴訟に踏み切ったのだろうか?
 海難審判は海難の発生の防止に寄与することを目的とし、刑事罰を与えることをしない。この辺はさとろみくん詳しいが、個人の過失に刑事責任を求めるあまり、萎縮效果やら隠蔽やらによって原因追及と再発防止が疎かになり、結果として事故の再発を招いてしまった過去の苦い経験に基づく。
 もちろん、故意や未必の故意、認識ある過失によって事故が発生した場合、これを刑事処罰することには異論はないが、本件については海難審判に於いてそれらが認められてはおらず、検察がどのような考えに基づいて起訴に踏み切ったのか、疑念がある。
 別件ではあるが、先月成田空港でのFedEx80便着陸失敗事故においても、千葉県警が業務上過失致死容疑で捜査を行っており、一時期相次いだ医療事故の刑事立件を含め、日本における過失責任のあり方を考えさせられる。


2009年4月23日(木曜日)
 朝、結石の発作。
 薬を飮んで暫く悶えるも、痛みが引かないので、会社に病欠の連絡をして、布団へ。そのうち鎮痛剤が效いてきて眠りに落ちる。起きると午後。

2009年4月24日(金曜日)
 昨日変な時間に寝起きしたせいで、体内時間が少々おかしい。

 なんか議員の世襲を禁じようとかなんとか言っているらしい。
 個人的には禁じるのは民主主義的にどうよ?と思うのだけど、禁じるというのであれば単純な血縁による世襲だけじゃなくて、養子や秘書による組織の継承も禁じないと片手落ちだろう。というか、むしろ重要なのは議員本人の血筋よりも、事務所組織の方じゃないかと……。
 世襲議員そのものが悪いとは思わないが、世襲議員が生まれにくくしようというのであれば、単純に立候補を禁じるよりも、選挙制度全体を見計らった方が良いのではないかと思うな。世襲の候補を引っ張り出すのって、結局その方が「選挙に勝てる」からなわけだから。


2009年4月25日(土曜日)
 BTRON Club
 先生から五輪の話なんぞ。

 北米から、豚インフルエンザの人‐人感染の報あり。
 外務省でも注意喚起を開始(1,2)。
 他動物からのインフルエンザは人間側に耐性がないため、被害が大きくなりがちです。
 今後の推移は注意しておく。


2009年4月26日(日曜日)
 日頃の疲れを取るかのように、熟睡。というか、前夜も4時までチャットやって、その後も色々やってから寝たので、最終的に起き出したのが16時とかいう状態に。折角の日曜日が……(笑)。

 購入以来トラブルに悩まされてきたPFUfi-5530C2だけど、とうとう原因を突き止めた、かも知れない。
 偶然解析しやすいデータがバグった結果からの帰納的解析という、怪我の功名。これでPFU側でも原因が突き止められれば、長きに亙る苦鬪も報われようと言うもの。


2009年4月27日(月曜日)
 朝っぱらからNHKのニュースで「中古PC用 基本ソフトを提供とか報道されてた。
 OSナシのPCが欲しい人にとっては、碌でもないニュースだな……。いい加減、公取委はOSバンドル販売を「抱き合わせ販売」と認定して欲しい。
 あと、気になるのは、ハードウェアは中古流通するけど、OSは何で中古流通しないんですかね?(所謂中古ゲーム訴訟の結果を考えれば、OSが中古流通しても適法だと思うのだけど)

 連続してMicrosoftの話題だけど、「MS、Windows 7でXPアプリを稼働できる「Windows XP Mode」発表」とかいう話。仮想ソフト「Windows Virtual PC」のWindows 7版とその上で稼働するWindows XP環境「Windows XP Mode」ということなので、実に懐かしいOS/2上のMVDMやWin-OS/2とか、MacintoshのMac OS X上のClassic環境などに近いですな。
 しかし、結局のところこう言う解決をするのであれば、なにもWindows Vistaで無理に互換性を維持する必要もなかったんじゃなかろうかと思わないでもない。
 64bit WindowsもWin16 APIの切り捨てが問題になるくらいなら、32bit環境は全部仮想マシン上で動かして、OSは厳然たるWin64環境のみにしてしまえば良かったんではなかろうか。
 ハイパーバイザとVM使って新旧OSを同時に動かすのでも良いけど、それってなんて汎用機?

 先のチャットで濃厚な会話を繰り広げていたのは茄子ちゃんとはくほーであったと記録されているところであるので、画伯の記憶は間違っている。
 夜も遅かったから、寝惚けてたんでしょう。


2009年4月28日(火曜日)
 WHOによる米墨豚インフルエンザのパンデミック・アラートが、Phase 4に
 日本にも既に入り込んでいる可能性があるが、間が悪いことに黄金週間という民族大移動が目前に迫っている。
 しかしなんというか、舛添厚労相もなんでまたこう、次から次へと問題が振ってかかってくる時に厚労相やってるかねぇ。
 宿命というやつなのかもしれないけど、ちっと同情するわ。

2009年4月29日(水曜日)
 昭和の日。平成も21年になった……。気付いてみると、人生の半分以上は既に平成だった。

 これまでメキシコ以外での死者が出ていないことが一つの謎だった今般の豚インフルエンザですが、米国にて死者発生。
 事態は拡大の一途を辿っておりますな。
 昼のニュースでは、黄金週間初日ということで成田も関空も出国ラッシュというニュースを報じていたが、彼らが帰ってきた時のことを考えると、頭が痛い。
 舛添厚労相に、後藤新平が如き働きを期待するしかありません(注)。
注:後藤新平は日清戦争帰還兵に対する検疫業務において水際立った手腕を発揮し、これが認められて台湾総督府民生局長へ拔擢された。

 さて、全世界がインフルエンザ対策に奔走しているため、放置プレイとなってしまった北の某国は「構ってくれなきゃヤだ!と駄々を捏ねています。
 はいはい。今忙しいから大人しくしててね。


2009年4月30日(木曜日)
 米国での患者死亡を受けて、WHOは米墨豚インフルエンザのパンデミック・アラートをPhase 5に。ちなみに、Phase 6は“パンデミック”そのものの状態を指す。
 このGWに国外へ旅行へ行くってことは、帰国時に最長10日間の勾留を受ける可能性がある、ってことわかってんのかなぁ?
 今は弱毒性だから命の危険は小さいとは言うものの、いつ毒性を獲得するか分からん状態でもあるわけで、なるだけ感染を広めないことを求められる時期なんだけどなぁ。
 あと、ヒト‐ヒト感染が確認されたためか、呼称も“豚インフルエンザ”から“新型インフルエンザ”へと切り替わりつつある模様。