哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2004年7月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2004年7月1日(木曜日)part 1
 貫徹お仕事明け。もっとも、金にならない仕事だけど。
 で、今(0700時)何やってるかというと、先方から送られてきた分割メール受信中なんですが、分割数が70ばかりあってですね、一時間くらいずっと受信中なのですよ。
 次の連絡は15時くらいということなんで一眠りしたいのですが、それまでにメールで送られてきたブツの確認etc...をせにゃならんわけで、しかし受信がいつまでたっても終わりそうになく。
 なんか私の編集中にまた方針が変わったらしく(よくあること)、少なくとも15時までにその辺擦り合わせの修正はしとかねぇとマズいしな。
 ご飯でも食べようかと思いつつも、それほど空腹感もないのでとりあえず眠気覚ましのコーヒーだけ。
 いい生活だなぁ……無職って……。
 これだけ無茶苦茶やっても、なんの問題もない。

2004年7月1日(木曜日)part 2
 4時間くらい寝て、連絡を受けて、少し仕事して、そして本格的に寝た。

 海上保安庁海洋情報部の倉庫から伊能大図が発見されるという朗報がありました。
 旧海軍水路部から引き継いだ141枚の中に、これまで未発見だった4枚が含まれていたというもの。これで原図が焼失した伊能大図214枚が全部揃ったことになるようです(過去日記関連1関連2)。
 歴史的偉業の全てが覧ぜられるようになるのは、幸せという他ありませんね。

 三菱・RVRに乗っているはっぴぃさんの2004/06/2の日記の記述を読んで色々考えました。
 三菱自工が起こした今回の一連の事件は、雪印より深刻ですよね。せいぜい食べた人がお腹を壊したり最悪亡くなったりするのは充分に問題でしたが、それでも取り敢えず雪印製品を回避することで影響の拡大を防ぐことができました。
 しか三菱自工の場合、現在もなお何万台という車輛が走っており、それらの中にリコール対象車が含まれています。勿論事故は確率的なものではありますが、事故を起こせば、死傷するのは運転者のみならず同乗者や無関係な周囲の人なわけです。これは車の所有者が気をつけていてもどうしようもない問題です。道を往く誰もが等しく危険性を負わされています。
 所有者が「三菱車を手放す」という選択が必ず取れる訳でもないということもまた問題を根深くしています。また、車輛の運用は経済活動と直結していることが多いので、運用を停止するのも困難です。
 こういった事情を勘案すれば、三菱自工の責任は責任としておいといて、社会としてはその危険性とどう向き合い、受容していくかを考えねばならない訳です。
 ところが昨今の報道は、三菱車の事故であればリコールに関係あろうがなかろうが抽出して報じ、三菱車を運用しなければならない側への洞察にかける対応をしているように思われます。よしんば三菱車に乗っている方が悪い、などと言うのであれば、買い替えのための資金を全面補償するなどの提案くらいはしても良い筈です(それが良いとは毛頭思わないが)。
 実のところを言えば、リコール発表前と後で、自動車交通における事故率が大きく変わっている筈はないので、心理的に状況を悪化させるような報道は如何かと思います。


2004年7月2日(金曜日)
 午前1時くらいにてつまさんから電話があり、夏コミ新刊の打ち合わせ……が午前4時まで。
 なんか途中から打ち合わせというより討論会の様相を呈しておりましたが、てつまさんが私に対して抱いている誤解と偏見を今回も打ち破ることができなかったのが残念です。

 風に誘われて、自転車に乗ったら、タイヤを駄目にした……。
 Tservに穴が……!
 一体何を踏んだんだ? アラミドベルトなのに……。
 しょーがないのでチューブだけ直してタイヤを注文。もう4,000kmも走っているタイヤなので、どうせだからと前後ともに新調することにした(とはいえ、同じタイヤだけど)。
 しかし流石に仕事辞めてから距離が減りましたね。通勤でほぼ毎日乗っていた頃と比較してもしょうがないんだけど(苦笑)、最近は丸一日自宅のPCの前で仕事なんてのも当たり前になっちゃって、まるで引き籠りですよ、最近流行りの。
 うーん。いいかもしんない。
 無気力青年引き籠り中♪とか。

 Acrobat 5.0でどうしても描画が正しく行われなくて、困り果てて、6.0にしたら解消した。
 はふぅ。


2004年7月3日(土曜日)
 今日が土曜日と言われても、なんの実感もない生活(笑)。おお無職。

 今日も川口。しかし過去の反省を踏まえ、地下鉄がまだ動いている時間に帰って来ることに成功する。
 自転車で行けば良かったんだけど、穴開いているタイヤで走りたくなかったもんで。

 こちらに「作家さんって、作品以外ではなるべく語らない方が良いのではないかと言う気がします」とか書いてあって、うーん?と。
 別に作家が人格者でならねばならんというわけでもないと思うし、実際問題私の過去の経験からして[検閲]だし、かの隨想の主も言っている通り、人格言行と作品は無関係だよなぁと。私もよく、こんな人間があんな作品を書くとはとても思えない、とか言われるけど……。
 いや、勿論、「あんな素敵な作品を書く人だから、ご本人も素敵な人なんだろう」と思うのは読者の自由なのですが、それで幻滅するのもまた責任は読者の責任だろうから、それに作者の側が迎合せにゃならんという道理もない。否、それどころか「そんな営業戦略なんざこと知ったことか」と突っぱねるのが小説家らしいと私なんかは思ってしまったり。
 どちらかといえば、作者に作品を投影したりするのはやめましょう、というべきなのではないかなぁ。
 「作者の人格はアレだが、作品は大したものだ!」と言われて作家という職業はナンボではないかと。


2004年7月4日(日曜日)
 精神的にちょっと落ち着いたのか、たっぷり寝れた。
 もっとも、眠りは浅く、三時間毎くらいに目は覚ましていたけれど。

 今月、日本評論社から「法廷の星条旗 BC級戦犯横浜裁判の記録」なんて本がでます。
 横浜裁判というと、日本国内で行われた唯一のBC級戦犯の裁判なのですが、殆ど資料がなく(公開されていない)、法的正当性やその判決の妥当性に長らく疑問が呈されています。A級戦犯を対象とした東京裁判を見る限り、勝者によるやりたい放題であってまともな裁判ではなかったろうことは想像に難くないのですが、横浜弁護士会BC級戦犯横浜裁判調査研究特別委員会による長年の研究によって本書が纏められることにより、国際司法のありかたを問い直す一助になると考えています。
 国際的な刑事裁判所として国際刑事裁判所(ICC)を設立する、国際刑事裁判所条約を日本は批准しておりません。ICCが国際正義を代表するとは信じておりませんが、このような国家間合意に基づく法廷が機能しなければ、世界は某国のやりたい放題になるだろうとは簡単に予測できます。ちなみに世界最大の軍事力を誇る某国は当然のようにこの条約に参加しておりません
 憎悪の連鎖を断ち切るために、せめて勝者も敗者も納得できる戦後裁判の体制づくりは、重要であると思います。


2004年7月5日(月曜日)
 Mozilla Firebird 0.7 for 超漢字が公開されていますが……本家のFirefoxが既に0.9まで来ていることを考えると、隨分悠長なことだと思ったり思わなかったり。
 ていうか、そもそも去年のTRONSHOWに出てたものじゃないか……。

 バファローズ/ブルーウェーブの合併問題について、日本プロ野球選手会がようやっと動いたようで。
 バファローズの選手会は合併反対を打ち出しているようですが、労組的視点に立てば、球団減少=雇用喪失ですんで、選手会としてはもっと激しく抵抗しても良いのではないかと。
 なにしろ、一球団は70人の選手を支配下に置けるので、1球団なくなれば70人、もしどこぞの連中が言うようにもう1球団なくなれば140人、8球団に減らされれば280人のプロ野球選手が職を失うわけです。どっちにしろ一割以上の選手が失職に晒されているこの危機的状況下において選手の権利を守るために彼らが動かないでどうするのか。
 一年先送りなんて条件は温い。野球協約の変更を求めてストを打つくらいの意気込みが欲しいです。

 特に興味がなかったのですが、群馬県太田市って英語教育特区とやらで、全カリキュラムを英語で行う学校とか作るらしいですね。
 なんか明治の初期に逆戻りしようって感じの政策に感じますわ。
 明治の初期に日本は西洋科学技術の導入のため、多くの“お雇い外国人”を招聘したことはよく知られていますが、彼らの殆どは日本語を解しなかったので、授業も全て彼らの母語あるいは英語で行われました。当然、授業を受ける学生は英語や独語や仏語や時には羅語で受講し、帳面を付け、課題を提出し、論文を書いたわけです。このような苦難の道を歩んだ先人達が、世代交替の中で母語教育に注力し、翻訳を整え、今や日本語は世界でも希有な、母語によって哲学から最新科学までを教育することができる言語系になっています。
 言語カタログであるEthnologueには6,800以上の言語が登録されていますが、この中には初等教育ですら母語で行うことができない言語が多く含まれます。キリスト教の聖書が出ている言語ですら、この中の2,400にも満ちません。ちなみに、全聖書が完訳されている言語は400言語ほどです。
 英語に堪能であることは個々人の技能としては勿論評価されるでしょうが、日常的に英語を不要とする社会や教育体系をもつ言語圏と比べてどちらがより重要か、言い換えればどちらがより失った時に取り返しがつかないか、議論するまでもないでしょう。
 日本語を母語とする幸福は、世界のあらゆる名著典籍が翻訳され、母語によって読むことができることです。千年に及ぶ古典、数千年に亘る漢籍の蓄積を享受することができることです。
 私であれば逆により日本語の国際的地位を高める努力をすべきではないかと考えます。それは日本語を鍛えることであり、日本語を操る人間を育成することです。
 個人の英語教育なんぞは駅前留学でもできますが、言語の育成、陶冶、普及等の言語政策はもっと大きな単位でしかできません。そういう観点から、私はわざわざ自治体がこのような政策をとることに疑問を抱きます。
 同じ金を使うなら、在日外国人等に日本語を無料で教育する学校でも作った方がマシというものでしょう。


2004年7月6日(火曜日)
 「三菱車の火災次々…大半は欠陥と無関係?という記事が出ました。やっぱそうか。
 先日話題にした時に偏向報道による誘導を感じていましたが、事実そのようですね。知らなかっただけで、車輛火災事故というのは日常的に結構起きているもので、三菱車の炎上を殊更に取り上げているだけだったようです。
 記事の中で国交省のお役人の言葉として「もとはと言えば欠陥隠しでユーザーの信頼を失ったことが根底にある。」と書いてますが、普通お役人なら逆のことを言わねばならんと違うか? パニックを誘導するような報道に対して釘を刺すのが仕事だと思うんですがね。

 あ〜。中国が日本に戦争吹っ掛けてきてますな。排他的経済水域内での測量なんて、一歩間違えば宣戦布告に同義ですよ。ちなみに、領海内でやったら即開戦です。
 沖ノ鳥島は、実は現在争議の対象になっていて、「あれは島ではない、岩礁である」という意見があり、日本はそれに対して反対しており、岩っつらの周囲をコンクリで固めて消波ブロックを沈めておったりします。観測施設もありますが、今は無人だったと思います。ちなみに島には三角点もあります。まあ、これが島であるか岩礁であるかで、半径200海里、40万平方kmの排他的経済水域の存続がかかってしまうわけで、日本としても真剣にならざるを得ないところです。
 なお、中国は沖ノ鳥島は島嶼ではなく岩礁であると主張しています。岩礁の場合排他的経済水域を設定できないので、日本は当然島嶼であると主張している。
 で、中国は今回沖ノ鳥島海域の排他的経済水域で測量を行ったわけで、さあこれが日本の排他的経済水域内なのか公海なのか、両者の見解は真っ二つに別れるわけです。
 通例、これまでの国際社会においては、この種の領土問題が発生した場合の解決策は、鉄拳による殴り合いと相場が決まっております。
 ほら、戦争になりそうでしょ。


2004年7月7日(水曜日)・ポニーテールの日
 コンテンツ海外流通促進機構が、海外で販売される日本製のDVD/CDに「日本産」統一マークを発行するそうな。
 方法論としては面白いですね。このマークを各国で商標登録することによって、単純な「MADE IN Japan」にはない法的拘束力を持たせようというのは、なかなか智慧が廻っております。
 この辺の件については過去の日記に設立前の話を書いたことがありますが、とにかくこういう形でも、供給による対応が始まっていることは、一つ評価すべきでしょう。
 極めて個人的な意見ですが、これらに加え、考えて欲しいことがあります。
 海賊版の駆逐と同時に正規版の流通を行わなければいけない、しかも現地に於いても適価と判断される程度の値段で、というのはなかなか両立が難しいことは承知の上です。しかし、今以上に価格を下げる努力というのはあって然るべきだと思います。少なくとも、この通信が発達し、相互連絡する市場において、地域毎に同一コンテンツの値段が大きく異なることは、海賊版の温床となり、理が少ないと考えます。
 少なくとも、輸送費に関税を加えても北米版のDVDをamazonで輸入した方が廉いソフトがある、などという現状はイカレています。
 商売に於いては、高い品質でより廉く、より多くの人に、を念頭に置いてほしいと思うのですよ。

 プロ野球界再編の動きですが、ファンや選手の意向を全く無視して進んでいるところが凄いですね。今日の目立ったところでは……

  1. 近鉄の山口社長が合併反対の署名活動に加わった近鉄選手を「プロテクトしない」と発言。
  2. 読売新聞のナベツネが球団合併問題で選手会と話し合う必要はないと発言。
  3. コクドの堤義明会長が、ライオンズの別球団との合併を発言。
 これほどまでに観客や選手の意識を逆撫でして、商売になると思ってるんですかね? 客商売をやっているという認識がなんでしょうか。

2004年7月8日(木曜日)
 茹だるような暑さの中、東京シューレへ。
 久しぶりに身の入った議論ができた。

 画伯が「白票だけは入れるな!!」と吠えてます。
 公職選挙法を読めば分かりますが、白票は無効票です(第68条七号ほか)。投票率には影響しますが、当落は有効投票しか関係ないので、全くの無駄です。誰にとっても関係ない票ということになり、何の力も持ちません。行くだけ無駄です。
 本来であれば、投票率がある一定割合を下回った場合、全自動で選挙無効などの規定があっても良い筈ですが、現状公職選挙法はそうなっていないので、投票の99%が白票でも選挙は成立しますね。この辺はシステムの不備というか、埼玉県民のような連中は顧慮されていないのでしょう。
 ここ数回の選挙で、埼玉県の地を這うような投票率と、続々と噴出する選挙管理委員会の不手際が個人的な注目点です。いつぞやの沖縄のように、投票総数が有権者数より多かったとか、信じられないようなミスが横行しているので、注視に価するでしょう。今回も既に間違って選挙権のない在日外国人に期日前投票をさせちゃった、なんていうのもありましたし。
 大勢に影響がない範囲だから問題ないのか、それともとっくに大穴が開いていて氷山の一角なのか、レポートが欲しいところです。


2004年7月9日(金曜日)
 この暑さ、どうにかならんか?!
 マシンが熱警告でシャットダウンするんですけどっ!

 相次ぐチームの廃部から、国境を越えたリーグ作りに生き延びる先を求めていた日本アイスホッケーですが、昨日、日中露韓の四ヶ国8チームとなるアジアリーグの拡張が成りました。一応去年も韓国の1チームを加えた5チームでやってたんですが、これに中国2チーム、ロシア1チームが加わり、ほぼ「極東リーグ」と呼べるものになってきたと思います。

 翻ってみれば野球は……。
 どこぞの阿呆オーナーが、ストライキできるもんならやってみろと言ってみたり、たかが選手が分を弁えろとかトンデモナい発言をぶちかましてたりするわけです。
 いやもう、アレ、どーにかしろよ。
 G型トラクター13台注文するとかさ(ヲイ)。
 選手会と球団代表者との懇談会は全く実りなく終わったようですし、日本プロ野球の存亡を賭けて真剣に議論してもらいたいものです。

 タイヤを新調したので、ひとっ走り40km程走りました。最初10kmくらい走ったところで空気圧を調整して、もう30km。同じタイヤの筈なんだけど、なぜか空気圧の指示が前と違う〜(謎)。
 前より200kPaほど上限が上がってるよ……。本当に大丈夫なのか? バーストしないだろうな?
 チェーンもかなり磨耗してきているので、チェーン交換に合わせてフロントギアをもうちょっと大きいものに変えようかと画策中。

 そういえば、やけに路上に警官を多く見ました。交通取締も強化しているようです。なんかあったっけ?
 単に通勤しなくなったので見慣れなくなっているだけかもしれませんが。
 それはともかく、先の国会で成立した道交法改正による、運転中の携帯電話使用などについての罰則案がパブリック・コメントに附されています。
 運転中の携帯電話使用については、減点1に加えて反則金が6,000円(普通車他)ですか。自転車でも5,000円ってのは素晴らしいので、ジャンジャンバリバリ取り締まって欲しいですね。


2004年7月10日(土曜日) part 1
link:世界がもし12人のオーナーだったら

2004年7月10日(土曜日) part 2
 坂村城へ行った。
 疲れた。
2004年7月11日(日曜日)
 参院選の日。
 久しぶりに8時間以上の睡眠をとって、起きたら午後4時。私のような不規則生活者にとっては、20時まで投票所が開いているので、急がなくても良いのが嬉しい。選挙管理委員会の方々には、負担をかけていると思うが。(期日前投票をするべきなのだろう)
 結果についての論評は明日以降に回すことにする。

 三菱自工ならびに三菱ふそうの隠蔽問題で、また新たな隠蔽が発覚しております。今回は部長級社員による隠蔽と言うことですが、一体どういう人事考課制度を敷いていたのか、気になりますねー。いや、元々、組織的隠蔽工作を指示するような奴が社長だの会長だのに座っていたわけですから、そういう人物こそ栄達するような人事制度だったんでしょうけど……。
 雪印のときも、さらに以前の山一證券のときもそうだったのですが、経営陣の個人としての責任は勿論追及の対象でしょうが、その会社の栄達制度も失敗学の対象として追究しなければならなかったろうな、と思っています。私個人は組織というものとほぼ無縁の生活を送っているのですが、企業の社会影響力の大きさを考えれば、いかに適切な人間に強大な権力を与えるか、その決定プロセスとしての人事制度には注目しなければならないでしょう。

 で、三菱自工の責任は責任としておいて、それに対する報道についての問題。

「三菱デリカ」炎上=福島
 11日午後7時ごろ、福島県猪苗代町の磐越自動車道下り線鞍手山トンネル内で会津若松市の会社員(49)ら家族4人が乗った「三菱デリカ」が走行中、エンジン部分から出火し全焼した。乗っていた4人は避難し無事だった。 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20040712k0000m040126000c.html
 現行車種の三菱デリカは、マツダ・ボンゴのOEM車です。
 現行のマツダ・ボンゴはマツダからリコール届けが出ています。
 事故内容からしてリコールと関係があるとは思えませんが、記事の意図がリコールに対する啓発だというならば、この記事には三菱デリカがマツダ・ボンゴのOEM車であることを書くべきでしょうし、あるいはマツダ・ボンゴのOEMになる前の、三菱自社製だった頃のデリカであるならば年式を書くべきです。そうでなければ記事の意味がありません。
 「誰もがカモを狙ってる報道」だというならば、読者を舐めるのも大概にしろと言いたい。

2004年7月12日(月曜日)
 昨日の「「三菱デリカ」炎上」記事ですが、今日になって確認してみたら、内容が書き足されていましたね。年式とリコール対象車でないことが付け加わっていました。これでまともな記事になりました……が、最初からこのくらい書けよと言いたいところ。まあ、こっそり訂正しただけでもマシか。(最初の記事に対する訂正/補足記事という形をとる方がより良いとは思いますが)

 選挙。
 民主党は躍進したんだけど、自民党の議席を奪ったというよりは、これまで社民党共産党に入っていた批判勢力の票を集めたって感じになっていて、結果、公明党の与党内発言力が増しました、ってところに終わってしまったように思える。
 しかし、二大政党制かぁ……白黒鮮やかな、一見分かりやすく、それでいて暮らしにくい世の中になるなぁ。


2004年7月13日(火曜日)
 暑いですね。
 まさか関東平野でフェーン現象が体験できるとは思いませんでした。
 困ったことにPCを置いてある部屋には冷房機がなく、通気も悪いため、熱が籠ります。扇風機で風を送るものの、1.65v 2GHzの発熱体thoroughbredの前には正に焼け石に水。
 これほどまでに暑いと、脳の方も相当能力が低下しまして、警告音を鳴らすPCを前に益体もないことを延々と考えてしまいました。

 外部熱交換機を用いない冷房器具としては、水の気化熱を使う冷風機があります参考。しかし当然水を蒸発させますので、湿度が上がります。PCが置いてある部屋は書庫兼用ですので湿度が上がるのはよろしくない。
 となれば、酸化水素以外の液体の気化熱を利用しようという話になるのだが、一体何を使えば良いだろうか。
 手軽なところではやはりフロンであろうが、これをばらまくのは、流石に環境によくなさそうだ。
 固体化二酸化炭素、つまりドライアイスは素敵そうだ。入手性も結構良い。ただし、二酸化炭素自体が有害であるので、大量に炊くと部屋の中で酸素マスクを使う必要が出るのが難点だ。副次的に火災防止になるかもしれないが。
 では無害なところで液体窒素はどうだろう。-196℃という温度も素敵だが、基本的に無害であるところが良い。もちろん、大量に気化させれば酸素分圧が下がって酸欠になるが、換気に気をつけておけばなんとかなるだろう。
 液体窒素。
 これは結構いいアイデアかもしれない。
 昔の記憶だと、確かリッター数百円だったし、なんたって-196℃だ。空気から取り出せるし(というか、液体酸素や液体水素を抽出する過程で山のようにできる)、基本的に無害。冷房のみならず、冷蔵庫なんかに使ってもいいだろう。料理にだって使える(使えません)。
 エコロジィが叫ばれる昨今、室外機からの排熱がヒートアイランド現象の元凶と叫ばれて久しいわけで、電力による熱交換システムに変わって、都市に液体窒素を供給するというエコロジィクーリングプランとかいうのはどうだろうか。ビルヂングやマンションに液体窒素タンクを作って各部屋に供給、冷房や冷蔵や料理(まだ言うか)に供用するのですよ。
 もちろん使い終わった(気化した)窒素は大気に棄てるのですが、元々大気中から抽出したモノですので、環境への影響は全くない、素晴らしくエコロジィィィィ〜。
 問題は、冬場に全く使い道が無いことくらいであろうか……。


2004年7月14日(水曜日)
 日本では殆ど報道がないようですが、現在タイのバンコクで国際エイズ会議が開催されています。それに先立って「Report on the global AIDS epidemic」が公開されていて、相変わらずAIDSの拡大に歯止めが掛からないことが示されています。
 日本に於いては、AIDSのみならず、性感染症全体の増加傾向がここ数年続いておりますが、対策予算は減少を続けております。一体この国はどうなっているのかと首を傾げたくなりますが、この手の話は日本には大量にありますからねぇ……。
 目を背けたくなるような現実ってのは確かにありますが、そこから逃げることが許されないのが、政治家であり官僚だろうよ。有権者も本当なら逃げちゃダメなんだけどね。

 今日はてつまさんの同人誌の表紙デザイン。
 しかも、データが届くのが今日で、入稿日も今日とかいうスケジュール……。幸い、入稿日は翌日にずれたが、このデータ、本当にきちんと印刷できるんかいな……心配だ……。


2004年7月15日(木曜日)
 英国では独立調査委員会が対イラク開戦事由となった大量破壊兵器の報告書について、その内容が正しくなかったと断じ、ブレア政権が防戦に立っておりますね。ブレア首相側としては、根拠たる情報が間違っていたのであって、それに基づいた判断そのものは間違っていなかったと主張するでしょうが、果たしてそれで説明できる様相だったでしょうか、当時? イラクの大量破壊兵器について、それがあると強硬に主張していたのは米英両国だけで、欧州各国などは(米英への対抗意識があったにしろ)外交的解決を摸索しようとしていました。
 結果論で語るのは愚者の仕儀ですが、過程に問題があったならば是正しないと、過誤が繰り返されますからね。
 さて、そういえば米国の上院でも似たような報告(墨塗り済み)が出ていたと記憶しますが、米国では大統領が不倫をしたら弾劾手続きに入りますが、デッチアゲで国を一つ潰しても責任は問われないわけです。素晴らしい国です。きっと真の開戦理由は後宮の存在だったに違いありません。

 先日国際司法裁判所が、イスラエルがパレスチナで建設中の分離壁について、取り壊しを勧告しました。法的拘束力はないのですが、こう言った国際的にある程度合意された手続きによる国際司法のあり方は、今後も摸索されねばなりません。
 主として、どこぞの超大国のやりたい放題を掣肘するために。時のその子分による我が儘を嗜めるために。


2004年7月16日(金曜日)
 青山ブックセンター全店閉鎖……。

 タイガースを中心として、2リーグ制存続への動きがあるようですが、セントラルリーグ5球団って辺りが非常に分かりやすい意図を透かし見せてくれています。要するに、巨人戦が減るのが嫌なんだろう、と。
 必要なのは、競争と協調です。12球団全てが幸せになる方向を摸索し、かつ選手、観客、引いては野球界全体への福祉を考えねばなりません。そのための機構でありコミッショナーでなければならないのですが、現状機能してませんね。
 特にどこぞのアホが奇天烈な言行を繰り返してますし。
 私はジャイアンツファンで、正力松太郎が日本の職業野球を立ち上げた際の信念や理念、行動をとても貴重なものだと思っていますが、そうして生まれた球団の現オーナーが、その遺産を食い潰しているのを見ると悲しくなります。

 なんかあちこちで話題として採り上げられていますね、「ブロガーに蔓延する「燃え尽き症候群」」。
 この日記はどこまで行っても個人的な日記で、blogではございません。trackbackもコメント機能もありません。私自身BBSなぞは運営しておりませんし、サイト全体のメンテもサボり気味です。時々気が向いた時にやってますが……。
 適当にやるということが大切なんでしょう。身の丈にあったやり方で。
 日記の感想を頂くこともありますし、アクセス数がサーバランキングに入ったりしますが(^^;、本質的にこの日記は私的なもので、読者を強く想定したものではありません。
 じゃあなんでそんなもの書いてるんだ、というご質問に対しては、古人の言を引いて答えとしたいと思います。

言ひつゞくれば、みな源氏物語・枕草子などにこと古りにたれど、同じ事、また、いまさらに言はじとにもあらず。おぼしき事言はぬは腹ふくるゝわざなれば、筆にまかせつゝあぢきなきすさびにて、かつ破り捨つべきものなれば、人の見るべきにもあらず。

兼好法師「徒然草」第十九段より

 上記の文を現代語に訳せ。(3点)

 米国陸上界ではまたもやドーピング問題で記録がどうなるか怪しいところですが、先日南アフリカで100歳のご老人が30.86sec/100mという100歳クラスの新記録を出したそうな。この記録を樹立したPhilip Rabinowitz氏は100歳にして娘さんの簿記係として働き、毎日4マイルの距離を歩いているというから凄い爺さんだ。
 100まで生きることよりも、100を迎えてなお軒昂というのは、幸せなことですね。


2004年7月17日(土曜日)
 朝から国立科学博物館へ。今日から「テレビゲームとデジタル科学展」という特別展が開催されているので、覗きに行った。
 自転車で明治通りを時計回りに南下、昭和通りに入って上野へ。最後に上野の山を登って寛永寺へ辿り着く。
 みどり館が取り壊されてしまった国立科学博物館は、現在本館と新館のみの営業で、新館も増築分はまだ開館していないらしい。常設展示は非常に手薄になっている。教育目的を考えると、特別展よりも常設展に力を入れて欲しいところですが……。独立行政法人になって大変なんだろうなぁ。
 展示そのものは大して面白くないのですが、展示されていた物品の数々が、もう素晴らしい限りでして。ENIACの部品とかは笑えますが、Altoの実物とか、Wozのサイン入りApple Iだとか、懐かしのTK-80だとか、初期のパーソナルコンピュータが目白押し。後半に入るとゲーム機が並んでいるのですが、ATARIのPONGはもちろん、パイオニアのレーザーアクティブまで展示されているのには苦笑を禁じ得ませんでした。
 ちょっと展示方法や説明などに不満が無いわけではないのですが、とりあえず並んでいるコンピュータやゲーム機を冷やかすだけでも十分面白いと思いました。
 展示を見に行く時には、割引クーポンをお忘れなく。

 秋葉原を回ってコミケカタログなんぞ買って帰ってきたら、頭痛が。考えてみると、光化学スモッグ注意報が発令されている炎天下を、自転車で走ってたんだよなぁ……(^^;


2004年7月18日(日曜日)
 Sioさんとご友人が本を借りに来る。
 大量に本やDVDを貸し出すことになった。果たして貸したものを憶えていられるであろうか。

 なんか報道がえらい騒がしいなぁと思ってたら、例の曽我ひとみさんのご家族が日本に来たんですね。
 米国は旦那さんを脱走兵として訴追するといっておりますが、当たり前ですな。日本は訴追しないように働きかけているとか聞きましたが、法治国家のすることじゃないですね。情状酌量や恩赦ってものは刑が定まってから行われるものです。訴追するなというのは情実でしょう。それが通ったら法治国家は成り立ちませんがな。
 もっとも、本件に関してはこれほどまでに事情が複雑化した原因が日本政府にあるので、日本政府としては多少の横車も押さねばならないのが難しいところです。

 補足。
 言うまでもないけれど、無理矢理日本人を拉致して、“地上の楽園”での生活を強要したのは某共和国の国家犯罪であり、その罪はいずれどのような形であれ清算されねばなりません。この点については、ようやく被害者の原状回復が端緒についたばかりであり、北の連中の犯罪については今後も追及の手を緩めてはいけません。
 その上で、この問題がこれほどまでに複雑化したのは、事件後の日本政府の動きが緩慢だったためです。そのことについて、日本政府は責任を負っているということです。それだけではなく、なぜ多くの拉致被害者を救うことができなかったのか、私たちは真摯に考えなければなりません。
 国際社会(国家間外交)は残念ながら民主的でもなければ公正でもなく、多数決すら通らないのが現状です。国内のように、警察がいて司法が機能している社会とは異なります。そのような化外の地で、国家の利益や都合を貫くことが、どういう意味を持つのか、見直す契機になればと思います。


2004年7月19日(月曜日)
 海の日だったんですね。いやぁ、無職生活なもんで、曜日感覚以上に祝祭日の認識が衰えております。

2004年7月20日(火曜日)
 東京の日中の最高気温が39.5℃とか言われると、脳がかなり朦朧としてしまい、思わず日本を脱出して、北海道にでも移住したくなりますね。
 あれ? 北海道って日本だっけ……?(熱〜)

 北海道といえば、中川町とかいう町の中川町エコミュージアムセンターってところで「魅惑のアンモナイトII〜横井活城氏アンモナイトコレクション〜」という展示をやっているらしい。横井活城氏といえば世界有数のアンモナイトコレクタとして有名な方だったのですが、そのコレクションが町に寄贈されて展示されているというので、是非とも北海道産のニッポニテス類なんぞを拝観しに行きたいと思ったりするわけなのだが、金も時間もない。
 特に時間が……。
 なぜだろう……。
 国会図書館関西館にも行きたいと思っているのに……。


2004年7月21日(水曜日)part 1
 夜の最低気温が30度を下回らなかったらしい。
 やはり液体窒素しかないのか……(違)。
2004年7月21日(水曜日)part 2
 日中、あまりに暑さに映画館に逃げ込んだ。
 観た映画は「スチームボーイ」。これまで大友克洋監督作品を格段に面白いと感じたことはなかったけど、これは素晴らしかった。殆どケチのつけようがない、見事なジュブナイル冒険活劇でした。
 僅かなケチとしては、やはりこういう作品でこそ、実力のある声優を起用して欲しかったなぁと。はっきり言って、下手なのが何人かいて、気に障りました。あと、作中で「科学」「科学」って連呼してるんですが、実は扱っているものは技術だったり。まあ、この辺の混同は日本語のデフォらしいので。
 存分にお楽しみいただける一作かと思います。

 ここ数日、生活サイクルが約30時間単位です(笑)。昨日寝たのが10時(起きたのが15時)で、今日寝たのが15時(起きたのが20時)。とすると次に寝るのは明日の20時前後ってことだろうか?
 地球外惑星に移住した人類のような生活だと、そこはかとなく思った。
 なんか健康に悪そうだから、頑張って正常に戻そう。

 実は投票が始まってから生暖かく推移を見守っていたのですが、「GunParade March署名特設掲示板」に結構票が集まってますね。
 発売後3年くらい経ってるソフトがこれだけの支持を集められるという所に、素晴らしいものを感じます。
 しかし、売り手としてはGPMのようなロングプレイ・ロングセラー型のソフトウェア商品ってのはあまり有り難くないのではないかと思ったり。なにせ手離れが悪いくせに売上は遅々として伸びず、時間がかかるから管理費用が出る分利鞘も小さかろう。
 本当なら、こういうロングセラー型の方が收益が大きくなるように、收益モデルを構築しなければならないのではないか……と思わなくもないが、アイデアも無し。

 リンク集に特設しようかと思って集めていたネタが、ネタ帳の下の方で腐っていたので発掘して虫干し。

 なお、間違っても真似をしないことを強く強く推奨します。

2004年7月22日(木曜日)
 正直爺さんの話。
 『渡辺オーナー、他紙世論調査「関係ない」なんて記事が紙面を賑わしていたりするわけですが、凄いなぁと思うのは、このナベツネって人は、読売新聞社の代表取締役会長なんて職にあるわけですよ。その人が他紙の世論調査に対して「何がファンの声だ。君らが勝手に扇動しといて、そんなことは関係ない」と言い放つ。読売新聞では世論調査は扇動と同義語らしいですよ(笑)。
 正直な人だ(炸裂)。
 いちマスコミの長として、そういう正直さってどうなのよ?

 で、その読売新聞を俎上に乗せようかな。
三菱自動車の欠陥隠し、新たに5件…合わせて33件になんて見出しがありまして、この見出しだけを見ると、また欠陥隠しがあったのかと思ってしまいそうですが、記事本文を読むとリコール・改善対策の届出があったという話で、発覚自体はとっくにしていた問題。記事の本文と見出しがかなり乖離しています。
 隨分扇動的な見出しだなと私なぞは思いますけれど、きっと会長的にはオッケーなんでしょう。
 もう一つ追記しておけば、欠陥の発覚(あるいは欠陥隠しの発覚)からリコールまでには、原因の追究やら、対策の考案やら、対策の評価試験やらが入りますので、当然ですが時間差が生じます。それ自体を問題視するのであれば、リコール制度そのものを見直す必要があるでしょうね。


2004年7月23日(金曜日)
お読みになる前に注意:私はオーディオマニアではありません。
 最近ですが、オンキヨーの外部USB音源・SE-U55GXを衝動買いしてしまいました。実はそれまでもSE-U55Xを使っていたのですが、クロックが内蔵されて96kHz/24bitに対応と聞いてしまい、その瞬間判断力が停止してしまったのです。
 音源を変えてプレイヤを走らせた途端、これは!と驚く。
 音の解像度が段違いでした。これまでは表の音に被って聞こえにくかった背景の音が凄くクリアに聞こえる……。
 こうなって来ると、古びてきているヘッドホンの起こす僅かなヘタれが気になり始めてしまい、思わずTechnicsRP-HDA100をゲットしてしまいました。for DVD Audio仕様のかなりオワッテる奴です。
 そーなると、年季物の安物CDプレイヤからSE-U55GXに光デジタルをつないでDACにしてみたくなるのが人情というものでして、DACとしても良い性能を持っていることを確認したりしました。
 そして今日、ふと思い付いてこんな聞き比べをしてみました。
  1. CDからリッピングした生WAVEファイル(44.1kHz/16bit)
  2. 1.をFLAC圧縮したもの
  3. 1.をOgg/Vorbis圧縮したもの(ABR 224kbit/s〜320kbit/s)
  4. 1.をMP3圧縮したもの(VBR 224kbit/s〜320kbit/s)
 2.と3.はオフィシャルで提供されているツールを使用。4.は午後のこ〜だを使用しました。
 聞き比べ用のプレイヤにはLilithを使用し、96kHz/24bitへのアップコンバート再生をやらせました。
 使用曲はクレヨン社の「痛み」(4分20秒)です。
 なお、各ファイルサイズは次の通り。
  1. wave:45,981,644 byte
  2. FLAC:25,436,866 byte (55.3%)
  3. Ogg/Vorbis:8,220,478 byte (17.9%)
  4. MP3:7,445,325 byte (16.2%)
 1.と2.の違いがわかんないのはともかく(可逆圧縮なんだから当たり前といえば当たり前)、Ogg/VorbisもMP3も聞き分けられませんでした。流石にこのビットレートじゃ違いはわかんないかー。というか、前の環境で自分が聞き分けられないところまでレートを上げた結果行き着いた設定なんだけど。機械変えたら分かるようになるかと思ったんだけど、やっぱ駄目だった、と。
 128kbps/CBRくらいなら、はっきり分かるんですけどね>ogg/vorbisやmp3
お読みになった後に注意:私はオーディオマニアではありません。

2004年7月24日(土曜日)
 BTRON Clubの日。
 会場に着いたらたまたま玄関ホールで坂村先生と鉢合わせしてしまい、そのまま階上に連れ去られて説教されました。
 曰く、「若い奴は働かないと駄目だ!」。
 人生って転がる石のよーです。

 先日意見公募に付されていた法務省法制審議会人名用漢字部会の「人名用漢字の範囲の見直し(拡大)に関する意見募集」ですが、意見募集期間が終わって最初の委員会について「不評の人名用漢字9字、追加案から削除とかいう報道が出ていました。
 特定文字への反対意見が100件以上というのは、文字選定の意図を理解しない人が100人以上いたってことですかね?(苦笑) 追加候補が578字あって、そのうちの480字に削除要求があったという辺りで、既に「ンな意見聞くだけ無駄」という気がしますよ。
 ちなみに私は、部会の「当該漢字が専ら「常用平易」と認められるか否かの観点から選定を行った。漢字の意味(人名にふさわしいか否か)については一切考慮しなかった。」という姿勢を評価しています。ある程度統計的に判断できる「常用平易」ならともかく、10人しかいない小部会で「人名に相応しいか否か」の判断なんかできっこないし、してほしくない。まあ、使った統計に問題はあるのですが
 個人的見解としては、とっとと戸籍法第50条を廃止すべきですな。大体にして、法律で「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」「常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。」とか決めたから、出生届けの窓口に辞書を置いたりして届け出を持ってきた親と騒動になって裁判が起きたりしてこんな部会を作って侃侃諤諤の議論をせねばならんわけで、上記条文を削除してしまえば万事解決、世はなべて事も無し、ということになるじゃん。たった一条ばかり条文を削除するだけで、どれだけの人的資源・労力と金銭と時間が節約できるかを考えれば、こんな部会を開くくらいならさっさと戸籍法改正案を国会に提出する方が合理的ってもんですがな。
 そもそも、「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」って法律の意図が不明ですよ。ウルセェバカヤロウヨケイナオセワダコンチキショーってなもんでしょ。字だけ平易でも、「海太」って書いて「しーた」って読ませるような親が実在するわけで、文字が常用平易かどうかって些細な問題だと思うぞ(現行戸籍法では名前の読みについての規定はありません)。
 問題解決法を摸索する時は、どこに原因があるのか慎重に見定め、適確かつ効果的に対処を施すのが吉です。場当たり的な対処療法は、徒に病を長引かせますからね。


2004年7月25日(日曜日)
 がーっと寝た。

 本屋に行ったら、やけにギリシア関係書が目に着くので、何事かと思っていたのですが、アテネ五輪が近いからなんですね。24競技37種目(細かく分ければもっとあるんでしょうが)ってことですが、思ったより競技って少ないもんですね。まあ、陸上や水泳とかは細分化されてますし、予選から考えれば結構時間も食いますからね。
 しかし、一覧にして見ると、球技と格鬪技が多いですね。スポーツというと球技・格鬪技ってのが定番なんでしょうか。確かにぱっと頭に思い浮かぶスポーツでも球技は特に多いですけどね。

 実家の近所に雷が落ちて、電話がやられたらしい。たしかこれで二回目だ。昔、私が高校生の頃、落雷で電話がやられたことがあって、帰宅したらパニックになっていたっけ。
 ちなみに私個人としては、最初の大学にいた頃、落雷で自宅のPCやらプリンタやらが吹っ飛ばされたことがある。バイト代が修理代に消えて行って、非常に哀しい思いをした。
 雷に好かれているとは思いたくないけど、運不運って偏在するっぽいから気をつけないとね。


2004年7月26日(月曜日)
 内閣府の「外国人労働者の受入れに関する世論調査」を読んだのですが、世の中が悪い方向へ向かっているのではないかと悩まされる内容でした。
 外国人労働者、とりわけ単純労働従事者の受け入れに対して否定的の意見が増えている上に、現状の不法滞在外国人労働者についても厳しい扱いを求めています。単純労働外国人労働者の受け入れが治安の悪化を招くとの心配は74.1%の高率。
 確かに、留学生が学業を放擲して労働に身をやつしたり、あまつさえ犯罪に手を染める事例が増加傾向にあることは確かですが、個別には犯罪として対処し、総合的にはその経緯を分析し誘引となる問題を解決していくべき問題で、留学生の受入れ拒否などには繋げてはいけません。同じことで、外国人の就労目的入国は、日本が豊かな国である以上、根本的には止められません。受容して折り合いを付けていかねばならない問題でしょう。
 ぶっちゃけ、不法就労外国人を半減させる最高の手段は、不法就労外国人の半分を合法にしてしまえばいいんですよ(笑)。
 賃金格差っていうか、経済格差がある限り日本に来ようとする人は減らないでしょ。日本がそれをとにかく防ごうとしたとしても、国内にそれなりに需要(合法・非合法)があって、金貰って手引きする奴がいて、まあとっ捕まえて片っ端から本国送還ってのは対処療法としてはアリなんでしょうけど、やっぱもう一回渡ってきたりするわけですよ。そういうのが地下ビジネスに金を供給するなんて勿体ないじゃん。非合法外国人労働者自身の人権問題もあるしね。
 合法的かつ健康的に働いて貰って、日本国に税金をがっぽり納めて、できれば家族ごと日本に暮らして生活して内需にも貢献してもらうってのがより良い施策なんじゃないかな。
 毛嫌いする必要ってどこにもないように思うのだけれど。

2004年7月27日(火曜日)
 先週の金曜に、「法廷の星条旗 BC級戦犯横浜裁判の記録」を購入して考え考え読んでいるもので、漸く2/3を過ぎた辺り。
 勿論、日本側に問題があった事件もあるのだけれど、それよりも戦勝国が自ら主張する正義とやらを踏みにじっている姿と、それにも負けず必死に被告人を弁護する日米両国からの弁護人の鬪いが印象的です。
 戦争に負けるってのはこーゆーことなんだなーとひしひしと思う一方で、戦勝国軍の法務官でありながら全力を以って日本人被告の弁護に当たる米国人弁護人の姿など、考えさせられるところも多いです。
 横浜裁判は恐ろしいことに判決文すらない(判決はあるが判決事由はない)裁判といえないシロモノで、しかも司法ではなく軍令に基づくものであったようで、公正な裁判など求むべくもないものであったことはよく分かりました。戦争のお題目など、勝敗の前には微塵の効果もなく、戦時国際法すらも平等には適用されない。それは敗戦国にしてみれば不公平感を募らせ、新たな憎しみを生みかねないものです。
 今後の世界秩序のあり方を考えた時に、戦勝国・敗戦国の別なく公平に戦争犯罪を裁く法廷が必要なのだということをひしひしと感じました。

2004年7月28日(水曜日)
 『「フィリシエラと、わたしと、終わりゆく世界に」が打ち切りになりました。』……。
 おいおい。初巻に堂々と〈1〉とか書いといて打ち切りかい……って憤ってみても、商売の世界ですんで、売れなければこーなることもある程度仕方ないことではあるのですが……実際の本を読んだ人間として言わせてもらうと、そんなに売れなかったの?と。
 一年にライトノベルと言われる本だけで100冊以上読んでる私ですので、ある程度、目利きとまでは言いませんが、作品の善し悪しくらいは分かりますよ、好き嫌いとは別に。そんな私の目から見て、それ程悪い作品には思えなかったのですけれどね。作品の善し悪しと売れ行きも別問題だと言われてしまえばそこまでですけど。
 二巻の原稿は完成済みということなので、なんとか救済したいところですが、500部くらいだったら、「続・大地」の例もあることだし、私家版として刷っちまった方が楽かもしんない。

2004年7月29日(木曜日)
 なんか雨が降ったのって久しぶりのような気がする。
 それは良いんだけど、この蒸し暑さはどーにかならんか……。元々浅い眠りが一層浅くなって、寝不足気味が加速して頭痛してますよ。
 空梅雨明けて猛暑となったと思えばすぐさま颱風とは、一体今年の夏はどうなっとるのやら。
 つけるオチもない。

2004年7月30日(金曜日)
 産経新聞の報道によると、「交通機関案内に外国語表記 国交省、義務付けの方針とあり、そのこと自体は一応評価できるかな、と。しかしJRなんかだと駅名の平仮名表記も進んでいるわけでして、平仮名くらいは読んで欲しいなぁとか思わなくもなかったり。
 ところで、外国語表記というと日本では概ね英語表記のことを指すようですが、記事ではこれに加えて中国語と韓国語を併記するようにするらしいですね。できればもう一声、スペイン語とアラビア語があると良いでしょう。
 しかしこの施策がまず日本を訪れる観光客向けとされているのは非常に不可解です。私だったら日本在住の非日本人向けなどと考えますが……。

 いつか俎上に乗せようと思いつつ、タイミングを見計らっていたのですが、「凍結精子で出生の男児認知訴訟で、高松高検が上告とあったので重い腰をあげることにしました。
 ことの経緯は、98年に夫であった人物が精子を凍結保存。99年に夫であった人物が死去。00年に凍結精子を使って妻であった人物が人工授精で妊娠。01年5月に男児を出産。
 この生まれた男児について、死んだ夫であった人物との間の親子関係(死後認知)を係争しているのが本件裁判。
 ちなみにこれに先立ち、この死んだ夫であった人物を父親とする出生届けの受理についての裁判があり、これについては最高裁まで係争して不受理が確定しています。
 ここんとこ何件か起きている代理母出産の出生受付けなんかと根っこのところは同じ問題で、生殖医療技術の発達に、法制度の方が追い付いていないことが原因とされています。しかし原因はそれだけではなくて、における親子とは何かという問題でもあります。
 日本の民法ならびに戸籍法は婚姻関係にある夫婦に生まれた子供を優遇していて、悪い言い方をさせてもらえば、それ以外の出生は「例外」であるかのような扱いになっています。よく知られているように、民法には嫡出/非嫡出子間に相続差別が存在し、それが合憲判決を受けているなど、制度そのものが現在の家族認識とそぐわなくなっているところがあるように思います。(ただし本件については見直しが遅々として進んでいるらしい)
 現行の戸籍制度は、日本国民の人定を行う最も根源的な制度ですが、そこで管理されているのは家族です。個人は家族の構成員として記録されているに過ぎず、管理単位はあくまで家族です。正確には「家族」ではなく「核家族」とした方が良いのですが、これは戦後の戸籍改編によるもので、それ以前はより大きな家族、民俗学用語で言う「イエ」を中心とした管理でした。
 この「家族が最小単位」というあり方に基づけば、個人とは家族の構成員であり、イエを誰が継承していくかが重要という考え方になり、嫡出/非嫡出の別や、婚外子の別を記載することに意味が見出せるようになります。極端に言えば、現行制度における親子関係とは血縁ではなく、家族内の続き柄関係であり、家の相続序列であるわけです。現行法体系下においては、結婚とは新たな氏を持った家(=戸籍)を興すことであり、夫婦別姓が認められ難いのはこの辺にも理由があります。結婚とは個人と個人の関係ではないわけですな(苦笑)。
 こういう制度下においては、「例外」たる出生は家族制度の枠組みを脅かす行為となるわけです。それでも単純な人工授精などは制度の中に押し込むことが可能でしたが、代理母出産や死後人工授精などは、遺伝的血縁的問題以上に「当事者の認識と戸籍の記述がまったく一致しない」という問題を持っているわけです。これを「倫理的問題」と言っている向きもあるようですが、私の見る限り制度上の問題ですな
 もちろん現行制度の枠組みを持たせたまま、例外やら特例やらと言う形で解決を図ることは可能です。しかし、今少し制度と現実を見渡せば、制度が見直しの時期に来ているのではないかと思います。
 裁判が長引くのは確かに不幸なことですが、この場合、何らかの結論を最高裁に求めることは必要なのではないでしょうか。


2004年7月31日(土曜日)
 「多くの解凍ソフトに指定外の場所へファイルが解凍されてしまう脆弱性が存在
 うわっ。やーらしー。
 参考:「圧縮ファイル解凍の脆弱性
 link: Common Archivers Library
 普通アーカイバなんて、一回インストールしたら、バージョンアップなんて確認しないもんなぁ。