哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」

西紀2003年11月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2003年11月1日(土曜日)
 まずは上野へ赴き、東京国立博物館伊能忠敬展を鑑賞。
 この日記でも過去にほど伊能忠敬を採り上げていますが、いやもう、尊敬に価する業績を残した人物です(微妙な書き方だな……
 一昨年、これまで焼失したと思われていた伊能大図が米国議会図書館で発見され、そのデータの提供を受けた国土地理院が着色等を施して出力したものを、平成館1Fの床に貼り合わせて展示してあったのが圧巻でした。余りに大きいため、京都以東関東までの東日本だけでしたが、皆さんあっちに集まりこっちに集まり、自分の今住んでいるところを探していました。私はとりあえず王子村を見つけて(笑)、その後故郷を探すと、結構大きく「魚津」の文字が。扱い大きいじゃん、意外と、とか思ったり。
 特別展を見終えると、平成館の考古学展示を眺め、最後に東洋館を一巡りして東京国立博物館を後にする。

 続いて有楽町の東京国際フォーラムに移動し、「人体の不思議展」へ。
 この手の人体標本展は大好きでして、過去に何度も足を運んでいます。そんなもんだから、展示されている標本の2/3以上は見たことがあったり……(^^;
 とりあえずカタログとDVDを買ってくる。
 しかし老若男女、観覧者が多くてびっくり。入場者に女性の比率が高いのは、過去の同種の展覧会と一緒ですね。不思議なもんで、こういった標本に興味を示すのは、なぜか女性の方が多いようです。
 標本をたっぷり堪能して、心が和みました。

 して、一旦秋葉原へ。別に何か買い物があるわけではなかったのですが、ICレコーダなんぞを物色。私の理想とするような商品はないようだったので、何も買わずに終わる。
 そのまま歩いて神保町まで。
 神保町ブックフェスティバル神田古本まつりへ。すずらん通りやら靖国通りやらにワゴンが並び、新刊の割引販売から古書の投げ売りまで、ただ素通りするだけで、財布からは万札が消えていき、バッグがどんどん重くなる謎の神保町現象を体験。バッグのスリングが肩に食い込んで痹れがきましたよ(阿呆)

 自宅に戻ってきてビデオを確認したら、「ふたつのスピカ」第一話の録画に失敗したことが判明して鬱に浸っていた。ところが、その直後、大学時代からの友人・中馬康博くんが亡くなったと連絡を受ける。
 明日通夜、明後日告別式の段取り。
 彼はBTRONユーザだった頃があり(もちろん、僕の影響だ)、PMC障害者優遇制度で購入したのではなかっただろうか。ここ暫く僕の方からは連絡は取っていなかったけど、この日記を毎日のように読んでいたらしい。
 最後に会った時、腕が上がらなくなってね、なんて言ってたのを思い出す。東京に戻ってきた後、一度遊びに行くなんて言っていて、とうとう最後まで出向かず終い。不義理している間に永別するなんて、祖父の時もそうだったが、相手が死んでから後悔しても遅いってんだ!>自分


2003年11月2日(日曜日)
 上京してきているてつまよしとう氏と対談の予定があったのですが、そうも言っておられないので、色々予定が変更された一日でした。でも、仕方ない。

 正午に一度てつまさんと秋葉原で落ち合って、秋葉原ジャンク屋巡りツアーを敢行し、アキバ=オタク街という先入観を払拭して頂く。てつまさんは、なんか自宅のビデオデッキのリモコンが壊れているとかで、怪しい露店でリモコンを物色していた。他にも、キーボードへの愛が足りないてつまさんに、様々なキーボードを比較して貰うことによって、キーボードにお金をかけることの意義を知って頂く。
 秋葉原から神保町へ移動し、神保町ブックフェスティバルの中にてつまさんを放り込んでから、私は通夜の会場へ。

 中馬康博くんと知り合ったのは、大学に入学した93年だった。300人だかいた同科同期の中で、車椅子は彼一人だったので、よく目立った。教養で同じ科目を取ったのが縁で友人付き合いをするようになって、たまたま私がコンピュータに強かったこともあり、パソコン関係の相談に乗ったりもした。
 大学を卒業して、進路が別れて、その後はたまにメールを出したり、掲示板に書き込みをしたりというくらいの関係だったけど、彼はずっとこの日記を読んでいてくれたらしい。ご家族の方から、よくこの日記のことを話題にしていたと伝えられた。
 この日記が、彼の人生に何らかの良い影響を及ぼしていたのだとすれば、それは僕にとっても望外のことだ。心残りもあるけれど、彼の人生が豊かであったことと、その一助となれたことを喜びたい。
 棺の中の彼は、僕の知っている最後の顏から窶れてしまっていた。不義理を詫びて、夏の新刊をご家族にお渡しした。生前の彼に託されたことを、遂げ果たして供養としたい。

 20時半に再びてつまさんと合流し、一旦私の自宅に荷物を置いて着替えてから駅前のファミレスでご飯&駄弁り。話題は色々ありましたが、「便利さ≠善」が深く追究されました。
 今の社会では、「便利である」ことは殆ど無条件に「良いことである」と認識されていて、そのことに疑問を挾む余地が殆どありません。もちろん不便より便利が好ましいことは確かなのですが、その便利さは必要なのか、必要とされているのか、という問いかけがあってもいいんじゃないの?などと話しておりました。


2003年11月3日(月曜日)
 てつまさんと午前5時まで駄弁り。内容は色々。ただし、中にはやや非道徳的なものも含まれていたようないなかったような。

 米聖公会で同性愛者の主教が誕生したと、CNNがトップニュースで伝えてたんですよ。それを見て、この辺やはり感覚の違いというのは結構根深いものがあるな、と。
 日本で、例えば「同性愛者の門主が誕生」とかニュースにならんでしょう。ていうか、歴史的に僧門って衆道の発祥地だし……。今更驚くことでもないというかなんというか。
 記事によると世界中からの反発を喰らっているそうですが。もっとも、聖公会(≒英国国教会)ってのは旧来のローマ・カトリックの秩序に対して反旗を翻した連中なので、このくらいはあってもおかしくないような。過去にも何度かこんなことがあった記憶もあるし(聖職者の妻帯や女性聖職者とか)。
 まあ、私にとっては、「所詮キリスト教のこと」だからねぇ……。

 ホークスの小久保選手がジャイアンツに無償トレードと聞いて、暗然とする。ま、また内野手ですか……。バファローズのローズを欲しがってみたりと、この球団は一体どういうチームを作りたいのかさっぱり判らん。


2003年11月4日(火曜日)
 昨晩、イトノ君が逗留。
 連日、石川原産オタクTop 10に入ること請け合いな人物が泊まったウチの電界強度は、セントエルモの火が見えるほどに高まっていた……。
 朝、一緒に食事でもしてから別れるか、と駅前に出たら、いつもの店が閉店のお知らせ(笑)。その場で糸野くんとは別れた。少し早めの道は妙に混雑していて、いつもより時間がかかった。

 仕事で某セミナーへ参加。
 講演資料をぺらぺら捲っていたら、どっかで見たことあるようなネタが使われていた。
 んん?と思っていたら講師から直接「使わせて頂きました」と告げられた(^^;。まあ私も見つけてきただけで、自分で創作したわけじゃないので全然構いません♪
 「唐草がなくてスーツだと、誰だか判りませんでした」と言われたり。そりゃそうだろう。坂村先生も判んなかったくらいだからな(爆)
 小熊善之。唐草なければ唯の人、なのである。

 仕事帰りに神保町に寄ったら、竹居さんと遭遇。NIIのセキュリティ講座のために上京してきていたのだそうで。講座の後、山本毅雄教授に会ってきたとか。山本先生というと……大学院受験の件で副学長室に呼び出された記憶が……(汗)。いやぁ、三年次からいきなり大学院受験して、受かった後に書類不備が発覚したんですよ、実は(笑)。それでちっとお小言をば。
 竹居さんとは一緒にいもやで天丼を食す。

 TBSサンデーモーニング」による石原都知事発言の歪曲問題については、過去に既に言及したことの繰り返しになります。
 故意だったのか事故だったのかはともかく、今は報道が置かれている状況は、過去に例がないほど厳しいものだということを認識して欲しいものです。
 ついでに言っとくと、報道を受ける側がまた気をつけないといけないのは、「報道しない」という手段が報道側にはまだ存在することです。
 したこととしなかったこと、両方について責任を追及できるようにありたいものです。


2003年11月5日(水曜日)
 何となく体調が今一つだった水曜日。曇り後雨の予報も、帰宅まで殆ど降らずに損した気分。

 ロイター電で「North Korea, at UN, Refers to Japanese as 'Japs' とか報じられていて、おいおいおい、と。
 世が世なら、戦争になってもおかしくないぞ。私の記憶でも、最悪期の米ソですら、お互いを「Yankee」だの「Red Bear」だのと国連の場で呼びあったことはなかったと思うが、一体何を考えとるんだ? 開き直って、悪の樞軸でも演じる気になったとか言うんじゃないだろうな。
 しかし……北の態度見てると、明治新政府からの国書に「天皇」と書いてあったのに言い掛かりをつけて、最後にゃその相手に併呑されてしまったという歴史から何も学んでいないのだなぁと、歴史学徒としては情けなく思いますな。
 ところで、記事の中に「Korea was seized by Japan from China in 1895(Koreaは1895年に日本によって中国から割譲された)」なんて書いてあって、南北両国が如何に主張しようと、欧米一般の認識はそんなもんなんだ、ということがありありと分かりますネ。

 レギュラーシーズンもとっくに終わって、今や遅しと待ち構えていた野球ファンも多いでしょう、「アジア野球選手権2003」決勝リーグ開幕!
 四チームによる総当たりリーグ戦で、上位2チームがアテネ五輪への参加資格を得ます。決勝リーグを戦うのは、日本、韓国、台湾に、予選を圧倒的な強さで勝ち上がってきた中国。下馬評では、日本・韓国のワンツーは堅いという感じでしたが、なんと緒戦から大番狂わせ。
 韓国‐台湾戦で、台湾が5-4とサヨナラ勝ちを收め、韓国がここで一敗を喫してしまったのです! 台湾としては、これは五輪出場への希望が見えてきたわけで、俄然面白くなってきました。申し訳ないのですが、実力的に中国の全敗は殆ど確定的ですので、残りの三つ巴……他の試合も含めて楽しみです。
 ……ってよお、なんで日本の試合しか放映せんねん>テレビ中継 韓国・台湾の試合も観たかったのに……。ていうか、なんでスコアすらロクに載ってないんや!>各報道

 今、宇宙は凄い状態です


2003年11月6日(木曜日)
 今日は朝からちゃんと雨。

 「南極観測、中断の危機 しらせ後継船に予算の壁との報に、いきり立つ。いい加減にしろやーっ。
 気象庁の予算枠がどうのこうの言って気象衛星の予備機を作らせずに観測体制に大穴開けた挙げ句、GOES 9のレンタル料金1,700万円/月かかってる現状を招いたかつての判断を、全然反省しないのな。そうやって今度は南極観測体制に穴を空けてロシアから碎氷船借りてくるつもりか?
 建造費400億円か……募金でもする羽目になったら笑えないぞ。

 大体にして、日本の南極探検そのものが、個人の行動に端を発していることはよく知られています。現在の碎氷艦「しらせ」にも名前が取られている白瀬矗陸軍中尉は、20世紀初頭当時の北極・南極探検の気運に乗って南極探検を計画、帝国議会に陳情しますが、援助を得られず、新聞等へ広告を打って支援者・探検隊員を募り、全くの手弁当で船を調達し、南極へ向かいました。苦難の果てに南極上陸を果たすも極点は余りにも遠く、大和雪原に国旗を立てて帰ってくるに終わったわけですが、その偉業は現在も「白瀬雪原」の地名に残っています。
 余談になりますが、南極観測船「しらせ」の艦名はこの「白瀬雪原」の地名から取られているというのが公式見解なんだそうです。まあ、陸軍軍人の名前を艦名にしましたとは言えんわな……。(注:「しらせ」の所属は海上自衛隊です)
 さらに余談になりますが、この白瀬中尉の名前、「矗(のぶ)」。第二水準漢字なのですが、これ以外の用法は通常まずありません(笑)。彼の名前を記述するために採録されたといっても過言ではないでしょう(おいおい)
 最後に。船の調達から全て自前で賄った白瀬中尉。南極探検を果たした彼に残されたのは、当時の金額で4万円にもなる借金でした。
 どうも日本ではこのような偉業を成す人物は、身代を潰して事を成すというのが伝統であるらしく、この白瀬中尉も余り恵まれない晩年を過ごしたようです。
 こういうプロジェクトX的な伝統はさっさと消えてなくなって欲しいものです。

 文科省文化審議会国語分科会で、来年1月予定の答申案がまとまったと報じられていました。
 この国語分科会は、かつては「国語審議会」という形で、国の国語政策に大きな影響を与えてきました。戦後の国語改革、つまり現代仮名遣いや當用漢字/常用漢字の制定です。
 その国語審議会が、最後の最後に「表外漢字字体表」というこれまでの政策を転換したような形になって幕を引いたのに続いて、文化審議会国語分科会ではさらに漢字教育の推進や古典教育の充実なんぞを打上げているようです。
 目的はともかく、手段には非常に好感が持てます(笑)。最近「携帯メールで「ギャル文字」流行とかなんとか読んだ瞬間に、「嗚呼、私が今始皇帝だったら!」と慨嘆したものです。ちょっとしたメールに故事成句を引くとかいうなら解らんでもないのですが、ごく普通に古語を書くと読めないとか言い出す人が続出する御時世ですからね。困ったもんです。
 今から答申が楽しみです。多分、パブリックコメントの募集とかあるでしょう。


2003年11月7日(金曜日)
 アジア野球選手権2003は日本が全勝で一位、台湾が二勝一敗で二位、韓国が一勝二敗で三位、中国が全敗で四位という結果に終わりました。日本、台湾がアテネ五輪へ進出決定です。
 台湾が二位というのが、番狂わせでしたね。
 正直、対日本戦を見る限り、台湾より韓国の方が強いと感じました。勝負は時の運も絡みますのでね……。
 今回の日本の勝因は、投手力、打撃力でほぼ拮抗する相手に対し、守備力と走塁力で優り、繫ぐ野球に徹したことだと思います。シドニー五輪で優勝した米国代表チームみたいなもんです。堅実かつ基本に忠実、外連味のない、実に渋い野球。素晴らしい。
 さて、次の問題はアテネ五輪のチーム編成ですな。またMLBに選手をごそっと持っていかれてしまうと、困りものですから。

2003年11月8日(土曜日)
 しかし、アテネ五輪予選は、各地で波乱が巻き起こってますね。なんと米国がまさかの予選落ち。キューバがいますが、日本チーム金メダルが狙えますよ(笑)。

 先月の19日に名古屋市で起きた、幼児虐待死事件。容疑者の男の方が18歳少年ということで話題になったが、この事件について、ずっと考えていたことがやっとまとまった。
 哺乳類や鳥類など、子育てをする動物において、子殺しは多く見られる現象だ。雄が子供を殺す事例としては、ハーレムを形成する哺乳類において、ハーレムの雄が交代した場合、新たな雄が前の雄の血を引く子供を殺すことが、能く知られている。靈長類でもこの行動は観察されており、人間も所詮動物であることを考えれば、前出の少年の行動は、実に「自然」である。まさにサル並みと言えよう。数年前に一世を風靡した「利己的な遺伝子論」を思い出す。
 継父・継母による虐待というのは、文学において一分野を形成するほど作品がある通り、恐らく太古の昔より事例が見られたのだろう。そういう視点からも、殊更に騷ぎ立てる程のこともないように思われる。
 問題があるとすれば、昨今、こう言った「動物的」な行動を取る人間が多くなっとりゃせんだろうか、という危懼を抱く点だ。
 私は「人間よ、自然に返れ」などとほざくナチュラリストではない。人間は群れて社会を作り、その中でその脳に物を言わせて発展してきた種で、その点、非常に不自然な存在である。社会が効率的に働くためには、相互の信用・信頼が不可欠で、そのためには仮面も被るし嘘も吐く。最大多数にとって最大利益になる選択が、個人にとって、とりわけその選択を強いられる個人にとって不利益になる場合も少なくない。公共の福祉、などと言われる類の問題である。勿論、よく話し合って納得して貰うのが一番だが、不幸にも実力行使になる場合もある。
 最大多数の最大幸福を追究する場合、どうしてもこういった問題を解決していかねばならない。しかし相手が動物的に自己利益を追究する輩となっては、これらの問題解決が物理的手段に依ることが多くなってしまいかねない。そんなことをしたら、社会維持コストが馬鹿にならなくなってしまう。
 でもそんな社会も、きっと到来は間近なんだろうな。

 社団法人日本映像ソフト協会が最近のDVDコピーソフトに対し、法的対処を含めた対処を検討しているそうな。「DVDコピーソフトに関する見解」pdf
 現行著作権法の枠内においてこの対処は実に正当なものですが……現行法の枠組みそのものを疑っている私としては、なんとも言いがたい行動だと思います。
 過去にも言及していますが、知的生産を行った人間(この場合法人も含むが)が、その生産物により正当な手段で正当な対価を得ることは保護されないといけませんし、その対価を得るべき資格を持たない人間が不当に利益を上げることは妨げられなければいけないのですが……そのための技術的手段を保護するのは如何なものかと。
 手段の目的化に見えますな。
 問題を更に面倒臭くしているのが、現行のDVDに使われているCSS(Content Scrambling System)が、事実上無効化されていることです。有効性を失っている技術手段を法的に守ることが果たしてコンテンツビジネスの発展に寄与することなのかという疑問を払拭できないわけですな。
 例えばSACDBlu-ray Discの場合、ディスク一枚一枚に固有IDがあって、それらの組み合わせを暗号解読キーの一部にしていますんで、DVDとは比べ物にならないくらいに暗号強度が上がっています。回避は不可能じゃないとは思うのですが、そこまでやる必要があるのかと考えさせられる程度には強いと思います。
 まあ、著作権が絡む商売については、色々な意見があって、一概にどれが正しいとは言えないとは思いますが、真の権利者ではなくて、権利で商売をしている側の意見が強いことが残念です。


2003年11月9日(日曜日)
 丸紅ダイレクトの一件、結局予約者には19,800円で売ることになったそうで。男気って言うんですかね、こういうのも……。

 選挙、イマイチつまんない結果になりそうですね。小選挙区じゃねぇ……消去法で投票するしかないし、死票が多くなるし。比例代表はその点いいんだけど、これまた地区分けされた挙げ句重複立候補ありだから訳わかんないんだよなぁ。
 個人的には大選挙区制限連記制が好みなんですが、その次くらいに参院で採用されている順位なし比例代表が好きですね。
 しかし……先の埼玉参院補選程じゃないにしても、投票率が50%そこそこってのはかなわんわ。夜の20時まで投票所が開いている上に不在者投票制度や海外投票制度も整っていて、陸上自衛隊の東ティモール派遣部隊の隊員が投票できないことが問題になるくらいの至れり尽せりなのに……。せめて投票所まで行って白票を投じて欲しいと願うのは贅沢なんでしょうか。

 実は私、今日は投票に行ってないのです。水曜日に不在者投票済ませて、今日は駒沢大学まで、法科大学院の適性試験を受験しに行っておりました。もっとも、取り立て法科大学院へ進む意志があるとか言う訳じゃなくて、「可能性の担保」のために受けただけ。
 試験問題は……うーん、びみょ〜な問題だったなぁ。なんというか、時間さえあれば間違いはしないような問題が殆どだったけど、中には珍妙というか奇天烈というか、論理破綻している内容にピンボケした内容で反駁して、それに対する更にぶっ壊れた反論とか、えっらく時間かけて悩まされるような問題もあったり(というか、その問題だけにかなり時間食われた)。大前提が間違ってる文章のイカレた問答なんて答えようないと思うのだが、しかし法廷では確かにそういうこともありうるしなぁ……。
 適性試験ですので、これにまともに答えられないような奴はそもそも法曹界を目指すな、というシロモノの筈。よって解けて当然という難易度であるのは妥当だとは思いました。


2003年11月10日(月曜日)
 今日も冷たい雨が降る〜♪
 雨です。今週一週間天気が悪いとかいう予報にげんなりです。朝から満員電車に詰め込まれると、疲弊しますな。

 保守新党解党とか聞いて思う訳よ。あんたら、それでええんか?と。これで自民は、(場合によっては)公明党の意思を無視して本会議でごり押しが出来るようになった訳で、見た目は二大政党制に近くなりますわな。潮流っちゃぁ潮流なんだろうけど、彼らの公約はどこへ行くんですか、敢えて保守新党に票を投じていた人達の想いは?とか思っちゃうよ。
 二大政党制って、嫌いです。極端なことを言えば、「消去法による選択」以外に選択肢が無くなるってことなので。できれば積極的に選択できる選択肢があって欲しいと思う。特にこんな御時世なら。


2003年11月11日(火曜日)
 秋雨と共に気温がぐっと下がって……先週末風邪気味だったのに、今は元気なワタシ(複雑)。

 MLBRookie of the Yearの発表がありましたNYヤンキース松井秀喜選手は選に漏れましたが、MLB一年目で充分な成績を残したと思います。ただ、失策が多かったのはちとマイナス要因だったかと。
 今回私が特に注目しているのは、彼が新人王に漏れたことではなく、彼を新人と看做すことについて疑問を投げかける報道が目についたことです。これは野茂佐々木イチローと続いた日本人選手の受賞の影響と言えましょう。
 私は個人的に日本プロ野球でプレーしていた選手が米国で新人王の対象となることに当初から疑問を抱いていたので、ESPN「新人の定義を変更すべきだ」という意見に深く賛同し、また日本もそれに合わせるべきであると考えます。

 NETPRO JAPANの調査によると、「電車内での携帯マナー統一」を知っている人は24%……関東地区に限っても35%。ひでぇ。
 非ケータイ族の私としては、一体何が楽しくて移動時間中にまで携帯電話を使ってメール出したりせにゃならんのか、忙しい人の多いことだと首を捻ることしきりです。電車の中や映画館くらい、切っても別に大したこともなかろうに。電源のON/OFFが逐一面倒臭いというのは多少分かるけど。
 電源を入れたり切ったりするのが面倒なので、ずっと切りっぱなしにしとけば煩わしくなくて良いんじゃないかな(微苦笑)。

 北朝鮮外務省報道官が11日に「日本による植民地時代の強制連行などの被害に対する補償問題を協議するため日朝政府間会談を可能な限り早く開催するよう提案した。」と発表した、と朝鮮中央通信が報じたんだそうですが……日朝平壤宣言にある「双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。」という文章はどういう意味なんですかね? 外交的牽制にしたって余りにも幼稚なんですが……それとも、この程度の威嚇でへこへこ頭下げる国だと思われてるんですかね。
 そっちがそーゆーつもりなんでしたら、思い切り日本もやりましょう♪ 敗戦後日本から不当に接收・鹵獲したあらゆる日本財産を補償してもらいましょうや。いくらになるか、とても楽しみ。

 石原都知事、被害届を提出。場合によっては告訴へ。
 ま、今回TBSはそれだけのことをしたってことです。同情の余地なし。


2003年11月12日(水曜日)
 「ACCS運営ホームページのセキュリティ問題について(2003/11/11)」。よりにもよって、「著作権・プライバシー相談室」に大穴が開いていたって辺りがもう笑えません。セキュリティに問題があるCGIスクリプトを使っていたという事情のようですが。
 こりゃぁ他山之石ですな。社内での個人情報取扱規則をどれほど厳格に運用しても、Webサイトに大穴開いていると何にもならない、と。
 誰が責任取るんだろう?
 ACCSは公益法人なんだから、ことの顚末を子細に記録したレポートでも出して欲しいものだ。

 松井選手が新人王を獲れなかったことについて、NYヤンキースのオーナー、Steinbrenner氏が声明を出しとります。松井に投票しなかった記者二人を名指しで非難……。ESPNでも同様のコラムが掲載されています。
 それはともかく、確かに第1回の新人王であるジャッキー・ロビンソン黒人リーグで活躍していた選手だったわけだし、その後彼に続いた黒人選手が次々と新人王を獲ったこともまた事実。
 しかし、一つ気をつけて欲しいことがある。
 黒人リーグは現在は存在しないのだ。
 日本プロ野球MLBに吸収合併されるという事態にでもならない限り、今後もMLBへの「人材供給」は続くと思われる。そして毎年とは言わないまでも、新人王候補となり実際に新人王を取る選手も出てくるだろう。申し訳ないが、日本で10年活躍した選手とマイナーリーグから上がってきた選手を比べるのは、いかにも不公平とは思えないだろうか。
 日本としてもこういう形で人材が引き拔かれ続けることが日本球界の未来にとって良い影響を齎すとは思えない。新しい野球のあり方を、日米双方とも真剣に考える時期にあるのだと思う。

 ところで、アテネ五輪野球の予選ですが、アメリカ大陸からはキューバとカナダになりましたね。ヨーロッパからはオランダとイタリアです。どこも強敵です。特にオランダはシャレにならんくらい強いので、気を拔かずに最強チームをもう一度編成してもらいたいものです。
 だから少しは日本球界全体のことを考えろと言っているんだ!>某球団

 なんだか話題先行で延期しまくってる「もえたん」。そのもえたんによる英語力実践の場となるであろうAnime Expo: Tokyoですが、気がついたら日本語サイトオープンしてたんですね。
 要するに、太平洋の向こうから聖地巡礼にやってくるヲタの群れが来年一月に池袋に集結するというイベントなんですが、日本側の受け入れ体勢が大変なようです。ぜひ有志の方は手伝ってさしゃげて下さい。
 僕はヲタじゃないから。


2003年11月13日(木曜日)
 ベンツのドアをぶつけられる。周り見てドア開けんかい!

 七難八苦を乗り越えて、火星へ向かっていた「のぞみですが、いよいよ駄目かもしれないという報が。このままいくと、来月14日にも火星に墜落してしまう可能性が出てきたそうな。それまでに電源回路が復活しなかった場合、火星探査を諦めざるを得なくなる……と。
 ウルトラC級の運用回避で、予定を大幅に越えたものの満身創痍で火星へ向かっている「のぞみ」。奇跡が起こるなら起こって欲しい。
(いや、本当に祈る以外他にできることがない。俺の名前も乗ってるんだわ、確か^^;

 宇宙というと、先般有人宇宙飛行に成功した中国が、アジア太平洋宇宙協力機構などというものの設立に走っているようです。言いたくないけど、本来その中心には日本がいてもおかしくない筈なんだよな。
 技術の未熟じゃない、金の不足でもない、その意気のなさが日本の問題なんだ……。
 大国には大国たらんとする意思が必要だと思う。その意味で、この国はまったく大国ではない。

 参加各国軍に多くの犠牲者を出しているイラクですが、自衛隊がイラク派遣時のROE(交戦規定)を策定したという報道がありました。まだ防衛庁のページには掲載がないのですが、そのこと自体は極めて当然です。
 悲痛ですが。
 正直言いますが、現状で自衛隊がイラクに派遣された場合、犠牲者ゼロで帰ってくるという楽観的な予測はとても立てられません。自衛隊としても許される最大限度の努力は払うでしょうが。勿論、そういう場所であるからこそ、軍事組織が派遣されねばならないのですが、そういう所へ軍事組織を派遣するということの意味を、戦死者という形でしか知ることができないのだとしたらそれは悲劇です。
 もし、本当に、戦死者の発生を前提としてでも、イラクへ行かねばならないと言うならば、それだけの説明をちゃんとしてくれ。そして自衛官の前でそう言ってくれ。


2003年11月14日(金曜日)
 再配達を頼んだ荷物が届かない……ずっと待ってるのに。郵便局からも定型外を取りに来いとか言われている……。眠い……。

 なんだかソニー電子ブックに参入するとか言ってますね。さしておっきくもないパイの取り合いって感じがしないでもないんですが、大丈夫なんでしょうかね。
 ただでさえ端末機の精々120dpi程度の画面で読まなきゃいけないというストレスがあるんだから、メディアが違うだの著作権保護機構が違うだのと非互換なコンテンツを増やしたりはして欲しくないんですが。
 私がこういう端末で読んでもいいかなと思っているのは、実用書や新書、報告書や白書なんかだったりするんですよ。小説、隨筆は概ね駄目ですね。平成明朝で組んであるだけでかなりの負荷を感じるので、ディスプレイ上で利用できる程度の解像度の書体では、とても読んでいられなくなって、紙の本を買ってしまうでしょう。
 ディスプレイの解像度が、もう一桁上がればいいんですけどね〜。
 游明朝体とか使えるようになると、垂涎なんですが(笑)。

 どこぞで誰かも言ってましたが、最近だとMS明朝で組まれた本なんかが真面目に売られてたりするんで、美しい書体がどうこうとかいうのも、そのうち「普通の人にはわからないマニアの拘り」みたいな扱いを受けるようになるんだろうなぁ私個人の意見としては、オーディオマニアよりよっぽど分かりやすいと思うんですが。

 荷物待つのに疲れた。寝てしまおう。


2003年11月15日(土曜日)
 昨日今日で、ヤマト運輸郵政公社佐川急便西濃運輸と四社の配達を受けたわけなんですが、私的顧客満足度ではやはりヤマト運輸がダントツ一位です。二番手は僅差で郵政公社でしょうか。
 個人的には郵政公社にもっと頑張って欲しいものです。

 「イラク派遣:「自衛隊、重要視せず」 米国防副長官」なんて報道がありました。
 個人的には尤もだと思いましたが。
 私がアメリカの軍事関係者だったとしても、同じように考えるでしょう。有り体に言って、正当な評価ってもんです。日本は、こと軍事的側面に関しては、多大な貢献を期待できる国じゃありません。
 問題はその先でして、果たして将来的に本当に日本が軍事的な貢献を積極的に果たす国になった方が良いのか、ということですな。
 私個人は、ある程度その必要性を感じています。国際的にも、その圧力は大きいように思えます。少なくとも報道を見ている限りは。
 しかし、一方で日本国民の多くはそれを望んではいないように見えます。特に今回は、米英の我が儘の後始末に駆り出されて犠牲者を出すのは、どう見ても割りが合わないと思いますし。
 米国は米国にとって都合のいい同盟国(というか属国)を求めているようですが、本当に軍事的貢献を果たすとなれば、日本は日本の意思でその軍事力の使い道を決める国にならねばならないでしょう。私はそうあって欲しいと思います。

 MLBネタが続いて居ますが、今度はMLBの全監督によって選ばれる「All-Rookie team」から松井が漏れたとCNNが報じてました。賞を獲ったことが話題になるならともかく、選に漏れたことがニュースになるというのが既になんだかな、ですが(^^;。ま、それだけ向こうでも問題になってるってことでしょう、「新人」の定義についてね。
 しかし、野球ってのは本当に面倒くさい組織構造をしてるわ……、歴史的経緯とは言え。

 明日はコミティア


2003年11月16日(日曜日)
 ここ数日続いていた左目の違和感は、ものもらいであることが判明。明日医者へ行くことにする。

 というわけでコミティアでした。
 ビッグサイトの東6ホールを一ホール使う、実に大きなコミティア。初期のノンジャンル配置の頃を知っている人間としては、ここまで大きくなると全サークルを回ることが困難だなぁと……。これはこれで一つの進化の方向性だとは思うのですが、サンシャインあたりでの猥雑な雰囲気も捨て難い。全てを満たす解などないことは承知の上で。
 今回新刊がなかったのですが、既刊本の講評を色々伺えたことが收穫でした。冬コミには気張って新刊を出したいと思います。

 あちちち。眼が痛くてやっぱ長時間ディスプレイ見てられないや。


2003年11月17日(月曜日)
 朝一番で眼科に出向いたらば、行列ができていた。
 王子近辺って、眼科が少ないのか?
 ただのものもらい=麦粒腫ですんで、診察はものの数分。抗生物質を二種類、飲み薬と点眼薬を処方されて終わり。
 普通の瘭疽なんかだったら自分で切開しちゃう私ですが、流石に眼球の近くに自分で針を刺すのはね(笑)大人しく薬のお世話になることに。
そんなこんなで、午後から出勤でした。木枯し一号が吹きすさぶ中、南に向かって走るのは眩しかったです〜。

 スーパーコンピュータTOP 500の更新がありましたね。
 相変わらず地球シミュレータが一位を保持しましたが、下位との差は縮まってきています。果たして半年後、一年後はどうなっているのか、米国の意地は炸裂するのか、興味は尽きません。
 米国の期待を一身に背負って(?)、地球シミュレータから一位の座を奪還すべく開発されているIBM Blue Geneですが、C NETの報道によるとプロセッサを131,072箇束ねて360 teraflopsを目指すという、気宇壮大過ぎて開いた口が塞がらないようなシロモノのようです。プロセッサが十三万ですか、そうですか。
 流石にそれに対抗しなければならない理由ってのが見つからんなぁ、日本では……。
 個人的には、中国のマシンが14位にランクインしてきたのがトピックかと思いました。

 帰り道、信号待ちをしている私の横を、ふらふれと過っていく自転車……。手元のケータイを操る(恐らくメールであろう)のに夢中で、信号見てないバカが一匹。幸い、事故にはなりませんでしたが、蹴倒した方が本人のためかも知れんと思いましたわ。
 現行法では、運転中の携帯電話等に罰則はありませんが(事故を起こした/誘引した場合は、安全運転義務違反となる)警察庁では罰則を定める方向で法改正に動きだしているようです。
 自転車も勿論軽車両ですから、同様の罰則を適用して、ケータイを使用しながらの運転を取り締まって欲しいものです。
 本当に危ないんだって。

 自分の死後に、生前登録したメールを出してくれる「Mylastmail.com」などという会社があるらしい。是非はともかく、昨今では生前の付き合いがオンラインのみ、なんて相手も少なくないだろうし、たとえ家族であってもオンライン上の付き合いを把握できているわけじゃないとなると、遺言状に縷々連絡先のメールアドレスが並ぶことにもなりかねない。ちなみに一番最初に書かなきゃならないのは、パスワードだったり(爆)。
 そうでなくても、遺された家族が必ずしもコンピュータに詳しいとも限らない。
 実は私も、先日亡くなった中馬君から、死後の彼のパソコン関係の事後処理を託されている。四十九日の後にしようとは思っているのだが、本来NIFTY会員規約などでは、死んだらすぐに解約しないといけないことになっている。
 でも、Webしか見てない人だって居るわけじゃないか。一ヶ月くらい、周知のためにWebページを残しておきたい、という希望だってある筈。たとえば私が明日交通事故で死んだとして、見事なまでの手腕で当日中に契約が解除されて、このサイトが丸ごとなくなった場合、404が返るばかりで何が起きたのかはまるで分からないことになる。なぜかこの日記などは1,000hit/dayくらいのアクセスがあるので、もはや私には誰が見ているのかなんて把握できてない。たった一言でも、説明があるかないかで大分違うと思うのだが。
 今後、ネットワーク社会が広まりを見せれば見せるほど、そういった「現実の反映」が必要になるだろうと思う次第。


2003年11月18日(火曜日)
 TRONSHOWのレジスト開始日。

 「ハンセン病:元患者らホテル宿泊拒否される 熊本」という報道を見て、啞然とする。投宿を拒否したのは、黒川温泉にあるアイレディース宮殿黒川温泉ホテルだそうですが「他の客の迷惑になるので宿泊を遠慮してほしい」ってのは、まるで問題客のような扱いですな……。
 ハンセン氏病なんて、そもそも原因のレプラ菌の感染力が非常に弱く、その上今ではどんな方法を使ってでも治せるような病気でしかない。かつて特効薬と言われたプロミン等のサルファ剤はもとより、抗生物質でも当然オッケー。こういう態度で投宿を断らねばならないような病気では断じてない筈です。
 まあ、一方的な物言いは私の好むところではないので、ホテル側の言い分も聞かないではないのですが、県や地元組合の説得を撥ね除けての今回の仕儀を納得させるだけの説明ができるとは到底思えませんな。

 TBSの石原都知事発言の歪曲報道問題、日テレプロデューサーによる視聴率操作……元々あまりテレビを観る方じゃないんですけど、ますます観なくなるな、こりゃ。
 しかしテレビの問題もさることながら、前回の選挙ではあちこちの選挙管理委員会で不手際が続出し、無効票を出したくらいならともかく、沖繩ではそもそも投票者数より有効票数が多いなんて異常事態まで発生している。本当に公正な選挙が行われたのかどうかすら怪しいときたもんだ。電子投票システムでも票の数が合わなくなったそうなので、絶望的な気分になれそうだ。
 ルールに則って公正であること、は極めて重要な道徳だと思うのだが、今それが危機に瀕しているのだと思う。
 俺が道徳を語る時代が来るとはな……。


2003年11月19日(水曜日)
 昨日のハンセン氏病元患者団体の宿泊拒否の件ですが、朝日新聞の報道によると法務省人権擁護局が告発を検討しているとのこと。報道に拠れば、ホテル側経営する会社側も自身の判断に誤りがあったとは思っていないようなので、当然の処置でしょうな。
 一応関係する法令を調べてみたんですが、まず旅館業法第五条により、「宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかつていると明らかに認められるとき。」は宿泊を断っても良いことにはなっています。が、それはまさに今伝染病に罹っていることが明らかな人の話であって、今回は元患者ですから関係しません。
 よしんば全員が現役のハンセン氏病患者だとしても、ハンセン氏病は現在は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の指定すら受けていません。それどころか、前文で「我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。」とまで書かれてるんですがね。
 ともあれ、今回の一件はちょっと私としては寛恕できない内容なのです。

 以前から話は聞こえてくれども姿は見えず、だった中国製のポストDVD規格(?)EVD」がようやくお目見えしたそうで。
 $A11>)879zJ}WV<が開発していたものではあるんですが……なんというか、Webに公開されている情報をざっと読んでみても、技術的な話よりも「とにかく外国に特許料払わなくていいんだ!」ってことが強調されてます(爆)。技術的に面白そうな所はないっぽい。
 ざっくばらんに言って、Super Video CDのDVD版って感じ……。
 推測するに、DVDプレイヤを生産しても生産しても、ランセンス料をDVDフォーラムに吸い上げられて自分の国に還流しないことに含むところがあるんでしょう。んなこと言われてもなぁ……という気はしますが。次世代を狙うBlu-ray Discにしても日本、韓国、オランダ、フランスの四カ国10企業がライセンサですからねー。まあ、今んとこそんだけの技術を持った企業がないんだからしょーがないじゃん。
 中国側は自信満々なようですけど、コンテンツホルダたるハリウッドの映画会社どもが首を縦に振らない限り、国際市場での主流にはならないと思いますがねぇ……。まあ、Super VCDくらいに普及すればいいのかなぁ。(Super VCDに関しても、普及度については意見が分かれそうだが)

 うちの都知事の発言も色々アレですけど、ロンドンの市長は米大統領を「この星で一番の危険人物」呼ばわりですか(^^;。どうもKenという名前の方は舌禍の相があるらしく(違)。


2003年11月20日(木曜日)
 Justsytemから、「日本語をとりまく環境についての調査」の結果が発表されてました。母集合の偏りは致し方ないとして、それでも面白い傾向は見え隠れしますね。
 年齡が上がるに連れて、手書きよりもパソコン使用比率が上がるというのは、目新しい統計だと思います。逆に、学校に通っているであろう十代の方が、せっせと手書きで帳面付けしているというわけですな(笑)
 また、これまでと大きく変わらない知見としては、やはり漢字の使用が増えた、という辺りでしょうか。戦後日本に吹き荒れた漢字制限は、その根拠も実態も、そして成果までもが失われつつあるようです。変換キー一発で出るのであれば、略字を使う必要も少なく、技術的な障害さえ解消されれば順次伝統字体への回歸すら戯言ではなくなりそう……。極めて個人的には、伝統字体がどうこうよりも、漢字の歴史的・構造的観点から、より論理的に妥当な字形を選択的に使えればいいなぁとは思います。
 現状を示す面白いデータとしては、「意味がわからない言葉に出会ったとき、まず何で調べますか?」という質問に対する答えの一位が「国語辞典(紙)」であることですね。私も常々、日本の電子辭書には良い物がないと憂いているので、この結果には納得がいきます。せめて日本国語大辞典大漢和辞典が電子的に使えるようにならないものかと、十年近く願っているのですが、なかなかそうはならないようで困っています。一体いつになったら私の望む環境がパソコン上にやってくるのやら……。
 大体ですね、紙の辭書ってのは重いんですよ。今はそりゃぁ若者ですから、大漢和だろうが大言海だろうが片手で持ち上げられますが、老いればそれも困難になることでしょう。OEDのように手軽に辭書を引きたいと願うことが、それ程大それた望みだとでも言うのでしょうかね。
 電子上の日本語環境が整備されて、後顧の憂いなく隠居できる日が早くやって来ないものかと一日千秋の気持ちです。

 「「WinMXで自由に交換してください」 〜NTTコムのP2P動画サービスとは?」。
 いよいよ来ました、超流通モデルですね〜。実験が成功すれば、またこれまでとは違ったコンテンツビジネスの分野が拓けるものと期待できます。使っただけ、観ただけ、お金を払うという、かつてテッド・ネルソンが提唱したスタイル。っつーか、一番古いアイデアがやっとこ実現への端緒についたって辺りがなんともかんとも(笑)。

 いい加減書くの止めようかとも思ったんだけど、一応続々報。ハンセン氏病元患者団体の宿泊を拒否したアイレディース宮殿黒川温泉ホテルですが、黒川温泉観光旅館協同組合を除名され、法務省厚生労働省熊本県が敵に回ったのを見て流石に観念したらしく、全面降伏の様相。ホテルの総支配人が陳謝、菊池恵楓園へ謝罪に出向くも謝罪文の受け取りを拒否されたとか。問題は親会社にも飛び火しそうな勢いですが、こうなるのは火を見るより明らかだったと思うのですがねぇ……。


2003年11月21日(金曜日)
 朝方まで雨が降りつんで路面が濡れていた上、出勤時の曇り空に空気が湿っていたので、電車で通勤。しかし午後には太陽まで出て実に歯痒い思いをした。

 大学入試センターから先日法科大学院適性試験(追試)の結果が届いた。
 一部43点二部43点の計86点だった。
 『平成15年度法科大学院適性試験(追試験)試験結果について【確定値】』によると平均点が59.80点、標準偏差が14.77ということですので、偏差値は、(86−59.80)÷14.77×10+50=67.7ってところですか。成績上位3%に入っとりますな。なんの勉強もせずに出たとこ勝負で受けた割りにはそこそこの点数だったかなぁと。
 自分で思っているより適性高いのかも>法学
 しかし、どこの大学院の足切りも余裕で突破できるような点数貰っちゃって、どうしようっていうのかね?>自分

 NIFTY/FTRON伝言板で恒例の忘年会の受付が始まっています。阿鼻叫喚の地獄絵図へ立ち向かわんとする勇者は集へ。

 帰り道、神保町で、19cブリティッシュメイドさんコミックの3巻とか茅田砂胡オールスターズの最終巻なんぞを拾ってくる。


2003年11月22日(土曜日)
 “日本映画”を三本ほど観てきました。「東京ゴッドファーザーズ」「KILL BILL vol.1」「MATRIX REVOLUTIONS」の三本です。ちなみに原産地:日本なのは「東京ゴッドファーザーズ」だけですな(爆)。

 まずは「東京ゴッドファーザーズ」。今日観た三作の中では一席かな。ホームレス三人組がクリスマスの夜に捨て子を拾って、そこから始まる親捜しとその渦中でのドタバタを描くスラップスティックコメディー。要するに、ツボなんですが、私の。キヨコと名付けられた赤ん坊の親を探す道程で、三人の三様な「事情」が明かされ、そして解きほぐされていって、最後は「ちょっといい話」的に終わる辺りが、まさに。
 私が「ちょっといい話」を書くと、てつまさん辺りから「ヒドい話だな、これは!」と言われてしまうのですよ、何故か。そんな私ですもので、色々勉強させて頂きました。
 アカデミー賞取れるといいですね。(まずはノミネートされないと話にならんが。現在のエントリーリスト

 続いて「KILL BILL vol.1」をば。初っ端に故・深作欣二監督への献辭が出るのですが、それが全てを物語っていると言って過言ではないでしょう。とにかくありとあらゆる映画技法を詰め込んで、ひたすら殺し合いを二時間ぶっ続け。タランティーノ監督やりたい放題。監督の熱いパッションは伝わってくるのですが、勘違いして向こうの高校で日本刀を振り回すバカが出てこないものか心配になります。
 ところで、この作品。日本以外のどこの国で受けるって言うんだろうか?

 最後に「MATRIX REVOLUTIONS」。今日観た三本の中では末席。二作に分けるほどの作品だったのかね、これ。
 中庸にして勝者なし、って辺りがジャパニーズテイストって所でしょーか。
 いや、深夜興行で少し料金廉かったから、感想もこのくらい。


2003年11月23日(日曜日)
 勤労感謝の日、らしい。というわけで、今日は自宅で一日本を読んだり文章を書き散らしたりする。
 冬コミの原稿を頑張るが、思ったほど進まない。
 リハビリが要りそうな感じ。

 読売に「トラブル続きの日本の衛星、大丈夫?」なんて記事が。
 読売の宇宙関連の記事はレベルが低いのですが(ただしこれは読売に限ったことではなく、日本の主要報道各社はどこもレベルが低い)これもあまり良い記事ではありませんね。
 この記事がどういう意図を持って書かれたのかは読み取れませんが、私に言わせりゃ、ないない尽くしの中でプロジェクトXが常態化して、その上組織統合だ予算削減だ人員整理だと組織を骨拔きにして、おまけに最優先プロジェクトが「情報収集衛星」ではねぇ……。基礎開発の経験値が足りないと記事は言いますが、そのための予算措置も人員確保もないのに成果だけを求め続けてきたからじゃないんですかと反問したくなります。宇宙開発なんて経験積んでナンボなんですから、もっと基礎開発のためのロケットや衛星の打ち上げを増やさないといけないと思うのであれば、それ相応の体制を敷くことが必要です。もっとも、今の日本にそれだけの意思が存在するかどうか、既に疑問ですけど。
 大国たらんとする意思があるかどうか、ですが。


2003年11月24日(月曜日)
 8月19日以来、頭の片隅にずっと引っかかっていた本をようやくジュンク堂で購入してくる。みすず書房の「拒絶された原爆展」。94年の、原爆展の中止に絡んだ、当時のスミソニアン航空宇宙博物館館長によるドキュメンタリ。
 未読書塔がまた一段と高くなる……。

 夕刻、川口市某所で鋤焼きを頂く。しかし、心理的にはスキヤキどころではなくて、上を向いて歩こうでも歌ってしまおうかってなもので、緊張でガチガチになってました。
 小熊にもやはり会うのに緊張する人というのはいるわけでして、ずっと遠くから眺めるだけだった雲上人と卓袱台挾んで差し向かいで鋤焼きを食べるのに緊張するなというのは無理ってもんですわ。
 あー、緊張した。

 明日は終業後、横浜の故・中馬君のお宅へ赴く予定。


2003年11月25日(火曜日)
 都合がいいくらいに、雨。

 終業後、横浜へ。
 僕が引っ越しをして、彼が引っ越しをして、一度遊びに行くよなんて言っておいて、結局生前は一度も訪問しなかった彼の家に、最初に訪れるのが彼のPC回りの整理という辺りが、なんともやりきれない。
 ここ数年というもの、直接顏を合わせることがなかったにもかかわらず、もしもの時はと指名しておいてくれたわけだから、期待には応えねばなりますまい。
 しかし……急なことだったとはいえ、あっちこっちのパスワード、せめてどこかに控えておいて欲しかったヨ。思わず遺影に向かって、「これはちょっと大変だぜ……」とかぼやいちゃったり。
 一度で片づくような話ではないので、この後も、折を見て何度か足を運ぶことになると思う。

 帰ってきたら午前様。


2003年11月26日(水曜日)
 樹川さとみの新刊やら小川一水の新刊やら、買ってくるのはいいんだけど、いつになったら読めるんだろーねー……(夏見正隆の新刊とか野尻抱介の再刊やら)
 うぎょ〜。時間が足りねぇって。

 この日記も、ネタ帳のストックが増えてきて困ってるし。本腰据えて書くと、こんな駄文でも数時間はすぐに過ぎていくし。まあ、僕のネタ帳の場合、裏取り待ちだとか情報公開待ちとかいうのも結構あるんだけど。

 アル・カイダが日本を名指しでテロの標的にした関係で、皇宮警察がぴりぴりしてるという報道がありました。皇居って、案外と出入りが多いから大変だよね。しかも扱いが難しい客も少なくないし。皇宮警察のみならず、国家公安委員会警察庁以下、各都道府県警も一段とぴりぴりしてんだろうな……。
 そういえば、日本と同じようにアル・カイダにテロ予告されたノルウェーですが、首相専用車としてBMWの対爆仕様車を導入したそうです。アーマープレートに防弾ガラス装備で、重量が4トン。で、ノルウェーの道路当局の重量制限を超えてしまって、公道を走れなかったとか(おい)
 いやはや、間拔けな話もあったもんですな(笑)。
 首相の車がどうなってるのか知りませんが、我らが都知事辺りだったら問答無用で装甲車あたりを借り出しそうですね。

 国連食糧農業機関が、「飢餓との戦いに敗退」なんてレポートを出してるみたいです。食糧問題は、一番根源的かつ残酷な問題ですからね……。人口問題(この地球にどれだけの人間が住めるか)というのは即ち農業生産力の問題です。もっとも、富の偏在の問題もありますけど。
 それはともかく、国連食糧農業機関によると、世界人口のうち8億4200万人が栄養不足状態であるとのこと。大体、世界人口の1/7〜1/8くらいか? 想像もつかない数だ。
 世界が100人の村だったら、みんなで食料を分ければめでたしめでたしだけれども、残念ながらそうもいかないんだよね、現実の世界だと。善意だけじゃ駄目で、実効力が伴わないといけない。しかして経済という魔物に対して、善意による実効力は余りにも弱い……。
 話は変わりますが、農業問題でホットな話題と言えば、遺伝子組み替え作物を思い出しますが、去る11日にバチカンが遺伝子組み替え作物の倫理性について「GMO: Threat or Hope?」とかいう会議を行っていました。
 この場合、全世界に10億人近くいるというカトリック信者が遺伝子組み替え作物を受け入れるか拒否するかの瀬戸際ですから、恐らく議場の外でのロビー活動にも凄まじい物があったのではないかと邪推してしまいますが、それはともあれ、賛成派の意見は、遺伝子組み替え作物は飢餓から人々を救う可能性があるということだったらしい。
 普通に考えれば、食糧援助と人口統制…と言いたいところなんだけど食糧援助は根本解決にはならないし、人口統制の主たる方法である避妊に至ってはカトリックの教義に反するわけです。なにしろ「神ノアと其子等を祝して之に曰給ひけるは生めよ増殖よ地に滿てよ」(創世記9-1)ときたもんだ(創世記1-28の方でもいいけど)。カトリックの教義は教義として、現実には対処せんとあかんわけでして、食料の増産がこの場合は選択肢ということになるようです。
 本当に遺伝子組み替え作物が飢餓に対する良手たりうるかについては、僕は些か疑問に思ってるけど。飢餓の原因って、結局食料不足だけじゃないから……。


2003年11月27日(木曜日)
 Winny関係については、現時点では講評不能。もう少し情報が集まってから。
 でも、来るべくして来た事態だとは思います。これからの法廷鬪争が、Winnyを筆頭とするファイル共有ソフトたちの未来を決定づけるのでしょう。

 可視光通信コンソーシアムという名称から最初に導かれたイメージは、「昔々の発光モールス信号?」でした(爆)
 勿論違います。
 しかし面白い発想ですね。電灯など、既存の照明器具を使ってデータを搬送しようというのは。そのうち電灯線にデータ線の端子が付くようになったりして。
 しかし坂村先生、最近ホント、「ユビキタス」と名の付くところにはどこにでも居ますね。まさに、「遍在する坂村健」。
 なんか明らかに「名前が売れているうちにやっちまえ」って感じで活動してる坂村先生ですが、どうも世間様では「TRON・Microsoft連合 v.s. GNU/Linux」という対立構造を作りたくてしょうがないようですね。TRONと縁の極めて深い門田さんもコラムで指摘してますが、LinuxだってT-Engineの上で動くという意味ではWindowsCE.NETと一緒なんだけどねぇ……。記者が理解できないのか、読者が分からないと踏んでいるのか、世論を誘導したいのか。
 まあ、過去の経緯が経緯だけに、坂村先生も古川氏もどうしても演技している感じはするだろうけど、そこはほら、オトナですからね(爆笑)。
 坂村先生と言えば最近日経新聞ITビジネス&ニュースの「坂村健のユビキタス日記」の中で「国をあげて規格競争に取り組んだり、技術の日本発にこだわるなど過去の発想だなどと言う「グローバル」な人が日本にいるが、そういう人こそTELECOM WORLDに行ってみればいい。すくなくとも奥の展示館では、相手にもしてもらえないだろう。」なんて書いてましたなぁ。まあ、誰のことを論ってるのかは敢えて記しませんが……。
 でもこの程度じゃ、泥仕合になるだけなんと違う〜?
 まあ、坂村先生の言っていることの方が正しいと私は思うけどね。技術力なり政治力なりの裏づけがなければ、グローバルスタンダード獲りの現場なんてやってらんないっしょ。あんなとこじゃ、正論なんて紙より軽い扱いだからね。「日本発」にこだわるってのは、キャスティングボードを握るための手札の一つなわけで、それ自身が目的ではないという意味では、他の方法で主導権が握れるというのであればそれに拘る必要はないのだけれど。

 小柴教授のニュートリノ観測に厳しい評価を出したことで一躍名を轟かせた総合科学技術会議ですが、『「南極地域観測事業」評価検討会』は南極観測について「概ね妥当」という結論を出したそうで、ほっと胸を撫で下ろしております。もっとも、予算獲得はまだこれからなんですが。

 週末のBクラで、アレの先行発表とかあるのかなぁ……?


2003年11月28日(金曜日)
 本日発表になったPSXの仕様変更を見て、購入回避を決定する。+RWのサポートがないんじゃぁ、意味がない。
 ウチ、+RW派なんです(なんだそりゃ)。
 というわけで、一旦HD+DVDレコーダの選定を白紙に戻して見渡してみる。
 +RWって時点でかなり選択肢が狭いのだが(^^;、とりあえず見渡してみると、NECからAX300なんて面白そうなのが出ていた。NEC製のくせに±RWじゃないって辺りにミソがつきますが、アイデア的にはSharpGallileoの系譜ですな。よっぽど使いやすそう。チューナもNECなら定評あるし……。+RWサポートしてないけど、こいつならLAN経由で分捕れば良いわけだし。
 いっそのこと日本電算機Big Channelに走って世間を呆れさせるというのも、一生に一度くらいはいいかもしれない。しかし繊細な私の精神は「Big Channelを買った男」などというレッテルに耐えられるわけもなく、精々iBOXでしょうな。外部USBマスストレージが使えるのが良いね。ただ、いかにPCでございますという作りがねぇ……(中身PCだからしゃーないんだけど)。
 ±RW対応ってことで一応候補に入れたのはSONYスゴ録。でもこれ選ぶなら、PSXだよなぁ……。
 ちなみに、超売れ筋の松下Digaは最初から箸にも棒にもかかりませんでしたとさ。

 Winnyの件。
 逮捕された二人に関しては、別になんの異論もない。問題は、作者の方。
 古い話になるが、FLMASKの件を思い出している。あの時は、FLMASKの作者が幇助の咎で逮捕起訴され有罪判決を受けている
 もし今回、またWinnyの作者が幇助罪で起訴されるようなことになったら、流石に抵抗せにゃならんと思っている。
 だから今は、情報收集と分析と思考。


2003年11月29日(土曜日)
 新組織になってから最初のH2Aの射上げは、残念ながら失敗に終わりました。載っていた衛星が、JAXAの業務に割り込んで最優先で進められていた情報收集衛星であったことが、皮肉に思えてなりません。
 当分、日本の宇宙開発は茨の道を歩まざるを得ないようです。

 そんなこんなで、BTRON Clubでした。
 内容は……内容は……あまりにもなんといいますか、公にするのは憚られるようなものでして……。
 あと、多分センセが口にしちゃったから、もう機密解除だとは思うのですが、TRONSHOWで公開されるBTRON(超漢字)用の新しいアプリケーションソフトは、古いユーザなら覚えているであろう、アレなんですよ。え? アレってなんだって? TRONWAREとかに「開発中」とか大々的に載ってたアレでございますよ。

 普段なら食って飲んで喋って徹夜で歌うというスケジュールなんですけど、明日があるので、今日は撤收。


2003年11月30日(日曜日)
 まず最初に、亡くなられた二人の外交官、奥克彦参事官と井ノ上正盛三等書記官のお二人の冥福を祈りたい。
 いつかこのような事態が起こるであろうと覚悟はしていたが、今はただ、お双方の死を無駄にせぬように、決意するばかりだ。
 奥参事官は、外務省の「省員近思録」に「イラク便り」を連載していたことで知られる。最後の筆となった21日分では、テロで大きな犠牲を出したイタリアから派遣されているササーリ旅団を採り上げ、「ササーリ旅団は、]今まで以上にイラクの復興に取り組んでいくそうです。」と結んでいた。
 井ノ上書記官は30歳。アラビア語が専門の方と伺っている。私と一つしか歳が違わない人物が、かの危険な地で職務に精励していたことに、純粋に敬意を抱く。
 多くの国の、軍人、官僚、民間人がイラクでは犠牲になっている。これまで日本人に犠牲が出なかったことは唯の僥倖であった。
 我々は、日本は、如何にすべきか、如何にあるべきか、より一層真剣に考えたい。それと、せめて遺されたご家族には、充分な補償を願いたい。

 願わくば、憎しみを以って悲しみを贖うことのなからんことを。

 NHKが12月18日、19日、20日の三日間に亘って「シリーズ安全保障」という特集番組を組むらしい。ご意見コーナーもあるようなので幾つか考えていることを送ろうと思う。

 神保町で、会議。時間がなくて、原稿を精読できなかったのが痛恨。最近、可処分時間の不足が深刻だ……って、いつものことじゃないかと突っ込まれそう。