哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2011年3月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2011年3月1日(火曜日)
 Macintoshを使う者に古くから伝わるおまじないがある。>画伯
 「Three-action, One-Save」。
 かつてOSが漢字Talkと呼ばれていた時代からの、由緒正しい呪文である。

 それは恐らく、新宿講中の供養塔でしょう。(何の説明にもなっていない
 「講中」ってのは、要は「」でして、高尾山の護摩檀家に新宿講中という地域講がかつて存在していたというので、恐らく新宿講中が高尾山一帯の寺社に奉納した供養塔の一つではないでしょうかね。
 余談ながらこの手の講は全国に様々な種類があり、伊勢参りをする伊勢講や富士山信仰の富士講、民間金融であった頼母子講などがよく知られています。私の住んでいる辺りでは庚申講が盛んだったようで、庚申塚があったりします。
 江戸情緒ですねぇ。

 ニュージーランドの地震に際して、国際緊急援助隊と機材を乗せて運ぶ政府専用機に、行方不明者家族を同乗させるとか放言した大臣がおったそうな
 検討もせず、根拠もなく、政府内の連絡すら疎にして、己の願望だけで目の前の有権者に媚を売るような言を放つのは、極めて悪い癖ですね。しかもこれが初めてではなく、毎回、事態を混乱させ、悪化させている。
 一度なら大目に見ても良いのですが、何度も懲りずに繰り返す所を見ると、学習能力に重大な欠陥があり、その上本人に自覚がないのでしょう。
 この悪癖が修正されない限り、私はその人物を凡暗として見做すでしょう。


2011年3月2日(水曜日)
 日本郵政にサンバーEVを納入する予定だったゼロスポーツが昨日、破綻と聞いたときには、バッテリ調達でミスったのかな?と思っていたけど、Responseの記事を見ると……これはひどい。一方で「かなりショッキングなニュースです!→ 電気自動車開発「ゼロスポーツ」破産へ 郵政に1030台納入計画頓挫」を見るとこれまたひどい。
 正直、ゼロスポーツに1,000台の納入能力が元々なかったことと、日本郵政がそのことを無視して契約したことが問題の原点だとは思うのだけど、もうちょっと穏当な結末は迎えられなかったものか。
 それはともかく、スバルと三菱はここが商機だと思うな。

 本日職場で、コイツのせいで何台ものPCが不調を来たし、原因を突き止めるまで時間を取られた。ノートンのIE用アドオンを止めれば良いことがわかったので、とりあえずそれで対処した。


2011年3月3日(木曜日)
 見た目がどれほど変わろうと、iOSのQuartz 2DのPDF処理が修正され、PDF 1.7がサポートされない限り、私にとっては燃えないゴミ以上の価値がない>iPad 2

 「はやぶさ」微粒子の鉱物組成を発表、と。KEKの分析サイトでは「素晴らしいデータ」と言ったっきり放置プレイだったけど、学会を前にアブストラクトが公開された。

 この日記でもほど採り上げたキアヌ・リーヴス主演のハリウッド忠臣蔵「47 RONIN」だが、とうとう制作発表がなされた
 どうせやるなら徹底的に、堀部安兵衛をローレンス・フィッシュバーンに演らせるとか、吉田忠左衛門にデンゼル・ワシントン、原惣右衛門にロバート・デ・ニーロとか、突き拔け果てた作品にすれば良いのに。絶対その方がウケるって。
 もちろん吉良上野介はヒューゴ・ウィーヴィングな(おい)。

 Googleの実用主義には涙が出るな。

 多分「新宿講中」の新宿は、現在の東京都新宿区の新宿じゃないと思う。江戸時代には新しく開発された村落を一般に「新宿」と呼称したので、今でもそこらじゅうに○○新宿という地名がありますよね。東京の新宿は、元々は“内藤新宿”。件の石碑の近くに三ヶ木新宿があるということですので、その新宿である可能性が高いと思います。
 現在では都県を分かっていますが、多摩地区がかつては神奈川県だったように、多摩・相模原は天領・旗本領など事実上の幕府直轄地として一体感があった地域なので、高尾山との関係は強かったと推測できます。


2011年3月4日(金曜日)
 「2011年の中国国防費、12.7%増の6011億元との報道。
 よく知られているように、中国の公表する「国防費」は実態を反映しておらず、実際には公表されている数字以上の金額(約1.5倍)の「軍事費」が使われていると、中国国内において暴露されています。
 そして中国は兵器装備を強化・近代化し、空母を建造するなど、軍事力の遠方投射力を強化する方向へと向かっています。また、沖縄についても、その日本への帰属に異議を唱え始めています。琉球は中国の自治区であるべきだ、と。
 どこまで本気か知りませんが、あの言論統制国家に於いて「自由に」発言できていることは間違いないようです。
 日本には今切実に軍拡が求められていますが、果たしてその決断を下し、国民を説得しうる政治家はいるでしょうか。

 さてその中国ですが、「日本のほかにも…「世界第2の経済大国」に援助をやめた国=中国」という話があって、元記事を探してみたところ「中国成世界第二大经济体 多国减停对华援助」らしい。
 率直に金額等を記載しているのが目新しく、また「賠償」の文字がないことも、過去の中国の国内向け報道と路線が変わってきていることを窺わせます。(この流れは2008年頃からですが)
 経済発展が進んで社会が豊かになったので、過去に日本からの援助を受けていたことを暴露しても、今更政府批判が起こるような状況ではない、という判断でしょうか。それとも記事の最後にあるように、対中ODAの終息による混乱を未然に防ぐ目的でしょうか。
 どちらにせよ、正確な情報が中国国内に向けて知らされるのは良いことですが。


2011年3月5日(土曜日)
 3月になったというのに、陽が落ちるとまだまだ寒い。

 きしもと君が「この記事を日記で採り上げて僕達鉄ヲタを詰って下さい」(意訳)というので。
 えーと、軌道に侵入した人(敢えて転落したとは言わない)を含めてホームに集まった鉄ヲタは、列車運行妨害で処罰しとくと良いよ。事故じゃなくて、犯罪だから、それ。
 こういう、鉄ヲタが集中する日には、入場券による新幹線ホームへの入場を規制するなどの対策が必要だろうね。
 もっとも、下手にそういう事をすると、途中の立体交差に陣取ったりして余計社会の迷惑になるから、頭が痛いんだよね。どうして鉄ヲタどもは、自分たちが社会の迷惑になっていることが分からないんだろうか。
 暴走族とかと同じなんだろうけど。

 なんか外相が地雷を踏んだらしく。
 本っ当に、懲りない人だな。


2011年3月6日(日曜日)
 ニュージーランドでの地震に際し、一旦は救出、という報も流れた、中学時代の恩師・平内好子先生の死亡が確認された由。
 瞑目して、その死を悼む。
 中学時代、部活の顧問の先生として、大変な迷惑をおかけしたことを、懐かしく思い出す。不義理を続けている不肖の教え子ではあるが、このような形で消息を知ることとなり、大変残念としか言葉がない。

 前原外相辞任。
 故意ではない(過失の)違法献金は不問に付すべきだと私個人は思うのだけど、民主党はそれすらこれまで追及してきましたからね。自業自得ですな。

 今日のNHK特集「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第4回 開戦・リーダーたちの迷走」は素晴らしい出来栄え。最終責任者なき日本のグダグダな意思決定がズルズルと戦争への道を滑落して至った対米開戦という、救いも糞もヘッタクレもない実情がよく描き出されていました。
 これに先週の放送を併せて観ると、自らの組織を利さんとマスコミを利用して民意を煽り、煽った結果の大衆を御しきれず、望まぬ決断をさせられる方向へ流されていったんですな。
 で、一体これ、どう教訓にすりゃいいんでしょうかね?


2011年3月7日(月曜日)
 朝から、東京は、雪。

 なんか米国務省日本部長のケヴィン・メア(Kevin K. Maher)氏が何やら怪しからん発言をしたとかなんとか。
 経歴を見る限り、メア氏は知日派であり、日本に対する理解が深いと考えられます。日本語にも堪能だと聞きます。そのような経歴の人が、このような認識を持っていることを、激しく危惧します。それは彼個人を糾弾するものではなく、彼にそのような認識を齎したものが日本側にあることに対してです。
 日本と米国の間に認識や見解の相違があることは、それ自体は自然なことです。しかし、外交交渉を行うに際して、相手の考えを把握していなければ問題です。向こうの出方を予測することができなくなりますし、過てば、相手の出方を見誤るでしょう。
 沖縄メディアは一斉に反撥していますが、それは正しい対処なのでしょうか。メア氏が沖縄総領事であった時に、幾つかの事件があったようですが、その際に解消できなかった軋轢が、この結末を招いているのではないでしょうか。
 沖縄は、日本は、相手に理解できる方法で、自らの主張を伝えようと努力したでしょうか。
 昨今、相手の反応も省みずに自らの正義のみを声高に叩きつけ、理解を示さない相手に憎しみを募らせることを是とする風潮が強すぎます。
 琉球新報の記事いったい何を沖縄で見、聞いていったのか。もう何をか言わんやだとの仲井真知事の発言が掲載されていましたが、彼が沖縄で見聞きしたものこそが、彼をあの様な考えに導いたのだと、認識すべきです。


2011年3月8日(火曜日)
 ソマリア沖の海賊問題。商船三井が運航するバハマ船籍のタンカー「グアナバラ」が5日、海賊に襲撃されたのですが、近くにいた米軍がこれを開放。海賊4人を逮捕したのですが、これについて、海賊の身柄が日本に引き渡されることになったようです。
 これから日本国内に移送され、海賊対処法に基づき裁判員裁判を受けることになります。
 正直、こんな裁判の裁判員は、なぁ……。
 相手はソマリ人だろうから言語はソマリ語なんだろうけど、日本にソマリ語の通訳者なんて何人いるやら。調書取るのにしても弁護士が接見するにしても、すげー面倒臭そう。
 そのあと5年以上の懲役を国内で科すとか、もうね、刑務所も嫌だろうなー。
 そういえば昨年10月に襲われた船は、2月28日EU部隊の作戦で解放されたそうですが、詳細は伝わってきていません。
 しかしなんせ、海賊の活動は低下する徴候が見られないので、今後、もっと悪い状況に遭遇する可能性はあるんでしょうね。
 ソマリア、いい加減どうにかならんものかね……。

2011年3月9日(水曜日)
 先頃ゼロスポーツ破綻でEV集配車計画が頓挫した日本郵便ですが、懲りずに今度はadivaに手を出すんだとか。導入するのはCargo3というモデルだそうですが、これ、日本の法律では原付にならないですな。普通乗用車扱い。価格は128万円。
 正直、ホンダと提携してジャイロ・キャノピーのEV版を作って貰った方が色々と安上がりなんじゃないかと思いますが。
 ホンダにしても、訳の分からないEVバイクより、ジャイロ・キャノピーEVの方が絶対に受けると思うのですがね。
 それにしても、日本郵政グループのEV関連部門の担当者ってのは、オッズの高い賭けに張り込む不思議な性癖があるようですね。

 こういうのが、相手の反応も省みずに自らの正義のみを声高に叩きつけ、理解を示さない相手に憎しみを募らせることの典型。
 彼が閣僚であるならともかく、議員である以上、言論表現思想信条の自由は保証される。彼を選んだ選挙区民(兵庫3区)の見識を質すのが筋である。


2011年3月10日(木曜日)
 先日来問題になっていた米国務省の日本部長ケビン・メア氏の発言ですが、結局更迭ということになったそうで。
 勿体無い……。
 考えていることが確実に読める人間が交渉相手の中に一人いれば、こっちはそれだけ交渉で楽ができるというのに。
 喚き立てて当たり散らして相手を馘首に追い込んで、さらに謝罪しろと強要し、果ては交渉における譲歩を迫れば、相手がこちらをどう思うだろうかと、少しは考えれば良いのに。
 日頃隣の国からやられてることを、今度は米国にやってやるんだ!とか、嫌だよそんなの。

2011年3月11日(金曜日)
 いやぁ、大きな地震でしたね。
 東京震度5弱。余震も多数。
 取り敢えず私は元気です。
 問題は帰宅難民状態であることですが、徒歩での帰宅を決意しました。自宅の書庫の惨状を考えると頭が痛い所ですが、とにかく北区を目指します。
 推定帰宅時間は2200〜2300頃。それでは、また。
 1745時、記す。

2011年3月12日(土曜日)
 皆さん、お早うございます。
 昨夜は日記を更新するところまで手が回りませんでした。
 昨夜は1830時頃に五反田の研究所を出発しまして、時速5kmで進行を考えていたのですが、なんと品川まで30分、三田・田町まで1時間と、歩道に溢れる人波によって進行速度が上げられず、思ったより時間を食いました。
 当初は途中で電車が復旧したら乗り換えるつもりで京浜東北線沿いに進行しようと思っていたのですが、品川到着時点で「本日中の復旧はなし」とのアナウンスが聞こえ、それではと都営三田線沿い(日比谷通り)に切り替えました。延々日比谷通りを歩き通して、本郷通りに切り替え東大前に到着した時点で南北線が復旧したと聞かされ、地下鉄に乗って帰宅しました。
 自宅着は2210頃でした。
 自宅の中は……書庫が……酷い有様で……。大漢和辞典など辞書数十冊を入れていた辞書本棚が棚板崩壊を起こしてしまっていて、中身が全部ぶちまけ状態。他にも一本の両面本棚の中仕切りが破壊され、本が反対面に押し出された結果中身ぶちまけ状態。当初は書庫の中に入れませんでした。今ようやっと書庫の中に入れるようになったところ。
 昨夜は余震があったので復旧させなかったガスも先ごろ復旧させ、とりあえず人間が生きる為の空間を確保したところです。

 私は筋肉痛が多少ありますが、それ以外はマメもなし。>ささのさん
 靴は普段からスニーカーですし、靴下も五本指の奴で、「いつでも走れること」を前提に服装は選んでいます。普段から自転車20kmやらや神保町→秋葉原徒歩移動をやっているからか、30km程歩いた割には肉体には損傷がありません。
 あと、マメ対策にはガムテープを貼るというのが昔からよく知られています。にわかに長距離を歩く必要に駆られた時は、足裏にガムテープを貼って歩くのが非常手段です。

 辞書本棚は片付いたけど、文庫本が全部崩落した本棚は、手がつけられない。床に30cm程も積み上がった文庫本の山を見ると、これをもう一回配架し直すのかと絶望的な気分になる。


2011年3月13日(日曜日)
 さて、日曜日。ようやく文庫本の山に手を付ける……が拾いあげて著者別に積み上げていくと、何故か巻が飛んでたりする。同じところに並んでいた筈なのに、落ちたときには順番には落ちなかったんだろう……。
 しかし……終わんねぇ……。やっとこ1/3と言ったところ。とにかく冊数が多いから厳しい。

 米国地質調査所の地震リストを見ると、なんというか、これは凄いな、と。
 これでまだM7級の「余震」が来るというのだから、堪ったもんじゃない……。
 再建する街については、かなり考えて作らないとな……。

 ブーメランブーメラン……。

「あい続く天災をストップさせるには昔なら元号でも変えるところだが、今必要なのは政権交代ではないか。」
菅直人2004年10月23日

2011年3月14日(月曜日)
 通院のため有給を取っていたのが、良かったのか悪かったのか。
 病院では一部の明かりが消えていて、節電かな、と思ったら、燈具が天井から外れかかっていた。やはり震度5ともなると無傷とはいかんね。
 私の住んでいるマンションも、壁に亀裂が走っていて、余震の度に亀裂が広がっていくのが分かるもんだから、気が気じゃない。
 そういえば家の中の片付けは着々と進んでいるのだけど、今困惑しているのが、鋏が一挺、行方不明なこと。刃に触れると皮膚が切れるような切れ味の逸品なもんで、一体どこに転がっているのか、これまた気が気じゃない。

 東京電力の輪番停電が混乱している模様。昨夜輪番停電が発表されたと思ったら、今日になって鉄道各社が運行を間引いたり自粛したりしたもんだから電力需給が改善されて、実際に行われた輪番停電は一部だけで済んだ。批難する声もあるようだけど、停電がないならないほうが良いわけで、需要が絞られたことは悪いことじゃない。
 ライフラインの維持、という点を鑑みれば、多少電車を間引いたり運休したりして交通網が混乱したとしても、電気が供給された方が社会の安定に寄与するので、今後もこの調子で進めるべきだろうね。電気がないとテレビも見れないから、情報伝達に問題が生じるから。

 地震といえば流言蜚語が付きものですが、原発についてのデマや、節電についてのデマなど、ちょっとした知識で防げるデマが多すぎます。
 国民の科学技術についての知識水準は絶望的にまで低いな。

 流言蜚語より人の悪意を強く感じるのが、石原都知事の「天罰」発言ですな。
 こりゃ小池さんかな。


2011年3月15日(火曜日)
 石原都知事が「天罰」発言を撤回。減税日本なんかを批難するのは結構だけど、地震を「天罰」呼ばわりはないよな、やっぱり。

 朝、通勤途上の大手町辺りで、Leafタクシーと遭遇。
 おお、ファンの音が案外聞こえていたi-MiEVより遙かに静かだ。まさに無音。タイヤのロードノイズしか聞こえない。

 なんか昨夜から今日にかけて福島第一が酷い有様で、報道が過熱気味。
 ただ、反応を見ていると「専門用語を並べられても分らない」とか「素人にも分かるように説明しろ」とか、どーしよーもない意見が見られる。そんな暇があったら勉強すればいいのに。

 取り敢えずこんくらい押さえておけば、政府や東電の発表のうち、放射線関係は正しく判断できると思う。
 放射線と放射能の違いが解っていない報道記事は、その時点で信じるのをやめるべき。放射線は距離の二乗に反比例して減衰するので、距離を開けていれば問題は少ない。大気中に放出された放射性物質は、今のところかなり微量で、頑張って摂取しても内部被曝で深刻な症状を発生させるのは難しい。
 もちろん、無用な被曝は避けるべきであり、上記記事にあるような対策を講じることが望ましい。
 決して楽観できる状況ではないが、慌てて逃げ出したり、恐慌を来すような状況ではない。

 なんではくほーさん原色屋知ってんねんな?と思ったが、そういえば彼は同人誌即売会に参加するために台湾にだって行く漢であった。
 何の不思議もない。


2011年3月16日(水曜日)
 とりあえず私の家は、18日までは計画停電の範囲からは外たようだ。
 そうそう。行方不明になっていた鋏を発見。これで一安心だ。

 節電のためなのか、街灯が消されている地区があって、ちょっと通勤の帰りに難渋した。
 日比谷通りの皇居前の辺りとか、白山通りの巣鴨の辺り。街区ごと街灯が消えていた。
 自転車だとこれはかなり怖い。
 南北線も全線復旧したみたいだし、明日はどうするか考えものだな。


2011年3月17日(木曜日)
 今日は地下鉄で出勤してみることにした。
 駅構内は薄暗い。節電のために燈りを落としているのだろうと思ったのだが、よくみるといくつかの燈具には破損が見られる。
 地下鉄の混雑は、思っていたほどではないが、やはりやや混雑率は高めに感じた。
 これなら大丈夫かな、と思っていたらば、なんと夕方になって経産相が大規模停電の危機を表明。突如職場でも不要不急の仕事は早仕舞いして女性職員、家が遠い所員は帰ってよろしいと言われる。
 どうしようか迷ったのだが、即座に帰宅を決意する。まだ混み合わない電車を乗り継いで自宅に戻るが、地下鉄の車内は空調が切られていただけではなく、インフォメーションディスプレイも消灯していた。その後ニュースを見ると、鉄道の間引き運転が始まって凄いラッシュになったらしい。
 暫くは、自転車を選ぶことになりそうだ。

2011年3月18日(金曜日)
 そんなわけで、今日も自転車通勤。
 金曜日は元々車が多いのだけれど、マイカー通勤が増えたせいか、朝から明治通りは渋滞していた。
 スピードを出すような環境でもないので、少しゆっくり目に走っていく。ここ数日、何度も「自転車は左側通行!」と叫んだ效果か、往路ではとうとう逆走自転車とは出会わなかった。
 しかし、夕刻の帰り道。品川から田町の間で二台遭遇する。両方共若い女性が運転していたのだが、ヘッドホンステレオとか片手携帯とか、緩慢な自殺に他人を巻き込むのは非常にタチが悪いと思う。

 そういえば日本では忘れられた感のあるリビア。
 どういう拍子にか、中国とロシアが安保理決議に拒否権を発動せず棄権してしまったため、占領以外の武力行使が認められる安保理決議が通ってしまい、即日EU諸国が飛行禁止区域を設定、攻撃準備に入った。
 カダフィ大佐の反攻に西部ギリギリにまで追い詰められていた反政府組織は息を吹き返し、エジプトからの武器供与を受ける。
 この事態に直面し、リビア政府は国連決議を受け容れ、即時停戦を宣言。見事な変り身を見せた……。
 急転直下っていうか、本当、凄いな。


2011年3月19日(土曜日)
 朝起きてちょっとだけニュースを確認して状況が悪化していないことを確認して、また寝て、起きたら16時とか。うーむ。良く寝た。
 短縮営業中のスーパーへ出かけてみると、相変わらずの品薄状態。しかし、オイルショックのような有様というのは一体どう解釈すれば良いのか。
 コンビニの方へ行くと、結構商品が復活している。外食は大抵営業を続けている。とりあえず問題はない。

 父に聞いた話では、福島県の非被災地域から富山まで逃げてくる人が増えているらしい。ご苦労なことだ。
 確かに富山には原発はないが能登半島に志賀原発があるので大した違いはないのだがな。
 しかしねぇ、チェルノブイリですら、住民の退去範囲は30km圏だったんで、それ以上はどこへ逃げても大差ないと思うよ。疫学的に多少の影響は生じるかも知れないけど、それ言い出したら60〜70年代に大気圏内核実験をボコスカやったことの方が余程影響は大きいって話になっちゃうしね。


2011年3月20日(日曜日)
 大分商店に商品が戻りつつある。とはいえ、品薄の原因は消費者の買い溜めなので、心理的平穏が訪れるまでは、入荷即売り切れなんだろうけど。

 自転車のタイヤを交換。溝が無くなってスリックタイヤ状態になっていたのを、新品に。
 さて、シェイクダウンに……と思ったら、福島第一から蒸気放出とかいうニュースが聞こえてきて、ちょっと様子見。数時間の後に、蒸気放出取りやめと聞いて、家を出る。
 しかし、屋外に洗濯物から布団まで干しているご家庭が多数あり、一体この国の人々はどの程度の危機感を持っているのかと訝しく思う。
 そりゃぁ今のところ健康に問題がない範囲ではあるけど、長時間屋外に布製品を干しておけば、それだけ付着するリスクは高まるんだけど。


2011年3月21日(月曜日)
 これはないわ……。

 なんか都知事が節電を叫んでいるようなんですが、「節電条例検討へとか的外れにも程がある。
 今足りないのは昼間のピーク電力需要に対する供給量なのだから、コンビニの深夜営業を自粛して夜間の電力を節減しても何の足しにもならない。
 誰かまともな意見を言う側近はいないのか。まさか周囲がイエスマンばかりになってしまっていたりはしないだろうな。


2011年3月22日(火曜日)
 都知事選はM-1グランプリじゃねぇんだぞ。

 今日は雨で電車通勤だったので、一時間早く会社に行って、一時間早く帰ってきた。オフピーク、もしくはタイムシフト。これもまた省エネの一つ。
 何もサマータイムだけが省エネ方法ではないと思うのだが。


2011年3月23日(水曜日)
 Firefox 4.0がリリースされたので入れてみたが、新UIって余り使いやすくないなー。洗練されていない、というべきか。タブを最上段に持ってくるのは流行りなんだろうけど、OperaやChromeに比べるとイマイチ感が。
 やはりUIに関しては、強力なリーダーシップがあった方が綺麗になるのだろうか。

 東京の水道水からI-131が210Bq/ℓ程出たとかで、水の買い占めが起こっているらしい。「内部被ばくに関する線量換算係数」とか使って計算した上で、WHOのガイドラインIAEAの安全基準を読んでみて、まあ問題なかろう、と。
 というか、日本人の1/3が癌で死ぬご時世なんで、自分が癌になったとしても、放射能のせいにするのは難しい気がするわ。
 それにしても、自販機のミネラルウォーターまで売り切れているのには苦笑するしかない。
 発表されたのは、「昨日の朝の数値」だからねぇ。恐らく雨の影響だろうから、そう長くは続かないと思うのだが。


2011年3月24日(木曜日)
 都知事選スタート。候補者は十人。
 週末にでも情報をまとめよう。

 東京電力の「電力の使用状況グラフ」とか見ていると、私のような社会活動とは関連の薄い研究職は、夜出勤して翌日午前に帰る夜勤体制にした方がいいんじゃないかとか思わないでもない。

 食品の放射能汚染に関して、過去の対応を確認したい(なにせ歴史学徒ですから)と思って、原爆マグロの際の対応を確認しようと岸本くんにも協力してもらって資料を探しているのだが、現代の科学的知見から役立つ質の資料が出てこない。
 謎だ。


2011年3月25日(金曜日)
 米国はユタ州から「州の樹」や「州の虫」などに並び、この度「州の銃」が制定され、M1911拳銃が州の銃としての栄誉に浴したそうな
 天才的銃火器設計者として名高いジョン・ブローニング縁の地であることや、多くの米兵に愛用されたことなどに因むようです。M1911は通称「ガバメント」と呼ばれ、今でもあちこちの会社から製造・販売されていますが、よくよく考えると100年前の銃なんですね。
 ジョン・ブローニングはガバメントの他にも多くの銃火器を設計しており、拳銃設計の一つの究極とも言われる「ブローニング・ハイパワー」や、今も世界各国で使われているM2重機関銃など、銃砲史に大きな足跡を残しました。
 郷里の偉人としてユタ州が誇りに思うのはよくわかりますし、この選定も分らなくはありません。しかし、日本ではちょっと考えられない「州のシンボル」ではありますね。

 スイスの公用語は(高地系)ドイツ語、イタリア語、フランス語、そしてロマンシュ語の4つであるというのは常識ですが、そのうち最も話者人口の少ないロマンシュ語については、公用語化と並行して標準化が行われていたのですが、それに対する抵抗もあるという話題が「標準ロマンシュ語に反旗を翻す五つの方言」という記事に。
 近代化の過程において、「言語の近代化」として標準語の制定や浸透、正書法の確立、辞書の編纂などが行われます。社会や経済の規模が拡大し、交通範囲が広がる場面においては、相互に誤解なく通じる言語の存在が不可欠と看做されるからです。日本では江戸時代に江戸の武家社会と、大坂の商人社会においてそれぞれの共通語が自然発生的に誕生し、明治以後、東京を中心とした標準語を推進するようになりました。今や過去のように「全く通じない」レベルの方言は激減し、日本全国どこへ行っても標準語が通じるありがたい世界です。
 しかし近代化が一区切りついて落ち着いてくると、今度は文化的多様性に重点が移されるようになり、標準化への抵抗という形になって表出するといったところではないかと。
 結局この話はおらが言葉を愛する感情と、言語の標準化が齎す利得という二律背反の問題であり、両方の利益を一気に得るというのは難しいのではないかと思わずにはいられません。

 「東電、7月末までに1260万キロワットを追加供給 とか。
 ガスタービン発電機の増設かぁ。日本の化石燃料消費量と炭酸ガス排出量が増えますね。已むを得ませんが。
 ガスタービン発電機は、始動性の良さ、単位重量当たりの発電力の高さなどの特徴を持つ反面、熱変換效率の悪さ、燃費の悪さといった不利を持ちます。この不利を補うため、通常は単なるガスタービンだけではなく、高温の排熱(1,300℃〜)を使って水を沸かして蒸気を発生させ、蒸気タービンを回して発電を行う、コンバインドサイクル発電を行います。(当然応答性の良さは失われますが)
 現在、コンバインドサイクル発電では熱效率が60%に到達するものもあり、效率だけなら原子力発電所も越えますが、じゃあ原発の代わりにこれをじゃんじゃん作れば良いのかと言われると、オイルショック以来営々と続けてきた石油依存脱却の取組が後退するという問題もあるわけなんですな。

 画伯が東電の今夏850万kWの電力不足という報に接して今から太陽光発電を強力に推し進めても850万kWを埋めるのはキツイな。とか呟いているわけだが、そもそも常識的に考えて無理。正直、気が狂っているとしか。
 元々、太陽電池は0.15kW/m²くらいしか出ないわけで、850万kWを太陽電池だけで賄うためには56.7km²の面積が必要ということになる。ちなみに東京23区で最も広い大田区が59.5km²だから、大田区を太陽電池で埋め尽くしてようやくなんとか、という話になる。東京都千代田区千代田一番一号を太陽電池で埋め尽くしたとしても、21万3,000kWにしかならない。
 太陽電池発電の問題点はまさにこの発電密度の低さで、人跡疎らな広大な砂漠が地平線の果てまで広がっているような国ならともかく、日本ではとてもではないが主力の発電方式として期待はできない。福島第一原子力発電所は敷地面積380万m²で総発電力470万kW。1.24kW/m²。これだけの差があると比べるのも難しい。
 結局のところ節電や輪番停電、事業所の西方移転、ピークシフトなどで対応するしかないわけだが、アニメ業界の場合は、まず労務管理から手を付けてみては如何だろうかと思わないでもない。

 江草女史曰く今日、とあるスタバ(東京某所)でみかけたシーン。今日のコーヒーを飲んだら喉が痛くなった。このコーヒーには水道水を使ってるの?。これは放射能の影響ではと大変深刻なかんじで店員に相談(?)されていた方がいた。
 直ぐ様そのお客様を病院にお連れし、丁重に隔離入院させるべきであろう。勿論受診科は精神科で。


2011年3月26日(土曜日)
 今頃気づいたわけだが、来週のさとみくんの結婚式、輪番停電とぶつかったりしないだろうな。
 今のところ中止や延期の知らせは来ていないから、やるんだろうけど。

 東京都公報を見る。呆れる。

届出順 氏名 性別 年齢 経歴 党派・支援団体 Wikipedia
1. 谷山ゆうじろう 38 映画監督 無所属 [有]
2. ふるかわ圭吾 41 会社役員 無所属 [無]
3. わたなべ美樹 51 会社経営 無所属 [有]
4. 石原慎太郎 78 無所属 現職 [有]
5. ドクター中松 82 国際創造学者 無所属 [有]
6. マック赤坂 62 財団法人会長 スマイル党 [有]
7. 東国原英夫 53 無職(前宮崎県知事) 無所属 [有]
8. 小池あきら 50 政党役員 無所属(共産党) [有]
9. 姫路けんじ 59 建物管理業 平和党核兵器廃絶平和運動 [無]
10. おがみおさむ 69 僧侶 東京維新の会 [有]
11. 杉田健 43 政治団体代表幹事 新しい日本 [無]
 なんか纏めただけで力尽きそう。
2011年3月28日(月曜日)
 昨日はとうとう本で埋まっていたクローゼット扉前をクリアにできた。これで礼服を発掘。さとみくんの結婚式に着ていく服が用意できた。本やCDが詰め込まれた箱が積まれていたクローゼットの中の状態については見なかったことにする。
 発掘疲れというわけでもなかろうが、18時に仮眠を取ろうと横になったら、結局翌日まで寝てしまった。最近は5時頃にはもう明るいんだなー。

 mixiの方では紹介したのだが、寺田寅彦の「津浪と人間」が素晴らし過ぎる。今日の朝刊を飾っていたとしても全く違和感がない。寺田寅彦恐るべし、というべきか、人の変わらなさを嘆くべきか。

 住んでいる集合住宅は築40年モノで、今般の地震で壁に亀裂が入ったりしていて、大丈夫なんかいの?と思っていたら、今日告知が出ていて、大丈夫という診断だったらしい。確かに亀裂が入っているのは壁だけで柱は無事だったから、補修すれば大丈夫なんだろう。


2011年3月29日(火曜日)
 福島第一の敷地内の土から微量のPu-238が出てきたそうな。出てきて欲しくはなかったが、出てきてしまったか。今後はもっと厳しい判断を迫られるだろうなー。
 キツイ。

 「上海  285 トン新鮮野菜が日本に緊急輸出」なんてニュースがあったわけだけど、この話をしたら会社の女性陣が異口同音に「それなら福島産を食べる」と言った。
 どんだけ中国野菜信用されてないのかと。

 Genesis先生の息子の英才教育進みすぎている件について。
 後生畏るべし。

 SIM-Drive先行開発車1号「SIM-LEI」が完成。アウターローター式ダイレクトドライブインホイールモーターってのが、凄く清水教授らしくてイイね。
 写真を見ると……なんというか、バージェスモンスターを思わせる面構えが面白おかしいというか。
 Cピラーが既にピラー(柱)というか構造体化していて、後方視界が悪そうなのが気になる。


2011年3月30日(水曜日)
 昨日のSIM-LEIを表にしてLeafi-MiEVと比べてみると、こんな感じ。
電気自動車の比較
SIM-Drive
SIM-LEI
Nissan
Leaf
Mitsubishi
i-MiEV
全長 4,700mm 4,445mm 3,395mm
全幅 1,600mm 1,770mm 1,475mm
全高 1,550mm 1,550mm 1,610mm
ホイールベース 不明 2,700mm 2,550mm
車重 1,650kg 1,520kg 1,100kg
最大出力 20kW×4(65kW/30sec) 80kW 47kW
最大トルク 不明 280Nm 180Nm
電池容量 24.9kWh 24kWh 16kWh
航続距離
(JC08モード)
333km 200km 160km
最高速度 150km/h 140km/h 130km/h
駆動輪 四輪
 全幅1,600mmという細さと、それに似合わない4,700mmの全長、という細長さが特徴ですか。理屈から言えば空気抵抗は前方投影面積に比例するので、横幅が細いほうが空気抵抗は小さくなるとは言うものの、日本の小型車枠(全長4,700mm、全幅1,700mm)を考えれば、もう少し幅は取れたのではなかろうか、とか。まあ、定員四名ならこれでも良い、という判断か。
 全高1,550mmってのは、一般的な立体駐車場に入るサイズで、よく使われる数字ですね。
 ともあれ、バッテリ容量に対して非常に走行距離が長いことは読み取れるので、一体どのような技術がそれを可能にしたのか、実に興味深いところ。より詳しい技術面でのレポートが待たれるところです。

 自転車通勤をすると、飯は旨いわ眠りは深いわで良いことが一杯あるんだけど、ただ本を読む気力が損なわれるのがキツイ。途中で寝落ちしたりしてしまったりして。
 とりあえず今日はなんとかデルフィニア戦記の新刊を読み切った。


2011年3月31日(木曜日)
 なんか画伯がまた電子化が進むかと思いきや進まないのが日本の不思議。とか謎めいたことを言っているが、電子書籍端末が日本語の書籍を扱うのに必要とされる能力を未だ獲得していないから、というのが答えだろう。結局のところ、基盤がないところに商売は立たないわけで、ケータイ向けに最適化されたコミックのような、端末依存型のコンテンツを用意するしかない。そんなものが広範に売れると思っているなら、相当能天気な話だ。
 一時的な代替商品としての電子書籍は登場するかも知れないが、主たる收益を上げるようになるには、まだまだ時間がかかるだろう。

 「ニューズウィーク 日本版」今週号の「そのとき、記者は......逃げた」は、僅か見開き2ページにして日本版編集部の怒りが伝わってくるような、色んなモノが籠った記事だった。
 勿論、人間自分が可愛いから逃げるのは構わない。だが、逃げるなら逃げたことを正直に書いて伝えて欲しい。あたかも最前線で取材をしているような振りを装って、西日本で記事を書かないで欲しい。