哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2009年10月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2009年10月1日(木曜日)
 サモアに続いて、昨日の夜にはインドネシア スマトラ島沖で地震。

 本日、英国に最高裁判所(Supreme Court of the United Kingdom)が設立されました。
 この日記の読者なら承知のことと思われますが、英国に於いてはこれまで貴族院の12人の常任上訴貴族(Lord of Appeal in Ordinary)で構成される貴族院上訴委員会(Appellate Committee of the House of Lords)が最高裁の役割を担ってきました(ただしスコットランドの刑事裁判を除く)。なんでそうなってるのか?三権分立は?とか疑問はあっても、長い伝統のある話なので、最早「そういうものだ」としか言い様がないのですが、ブレア前首相の改革により、上院と最高裁が分離されることとなり、本日より別棟で運営されることに。
 ただし、現任の常任上訴貴族がそのまま最高裁の判事にスライドしますんで、いきなり何かが大きく変わるわけではないとは思われます。

 そういえばそろそろ東京モーターショーの季節ですね。
 今般の不況の影響を受けて、出展者が半分になったとか、海外からの出展がなくなったとかなんとか。
 海外からの出展者の取りやめについては、理由は想像が付きますね。日本は市場として見た時に、あまりにも小さすぎますから。日本自動車輸入組合の統計を見ても、日本自動車販売協会連合会の統計を見ても、国外ブランドの売上は惨憺たる有様、という表現しか思いつきません。VWとメルセデス・ベンツが健鬪しているとは言うものの、それとて下手するとトヨタのレクサスと勝負になってしまう辺りをうろついています。2,000台/月以上の販売台数を記録しているのは2ブランドだけ、残りは3桁どころか、ヒュンダイですら2桁とかいう話になると、一体このマーケットはどうなっているのかと訝しみたくなるくらいです。
 まあ、世界で活躍する乗用車メーカが9社もひしめくホームグラウンドに食い込むのが相当難しいというのはわからないでもないのですが……。
 この販売状況を見て、敢えて東京モーターショーに出展しようという海外企業がいたら、それはそれで経営者としての感性を問われるのではないかと。
 では、東京モーターショーの役割は終わったのか、と言われると、販売のための宣伝戦略媒体としてのものではない、別の形を目的にしていくしかないんじゃないかなーと思うわけですが、その辺は私の得意ではないので。

 で、現在各社から出展内容の発表が相次いでいますが、個人的に気になったものを。
 まずは、本田技研EV-Cub。電動スクータといえばヤマハのPassolが販売中止になって、現在市場から姿を消しています。本機は残念ながら走らないモックアップということですが、エコが叫ばれるこの季節に、是非とも本田技研の力での実現をお願いしたいところです。
 あと、三菱i-MiEV CARGOですが……なんですか、このニコイチ車。ここまでやるなら、普通のワンボックスワゴンにしちまえよ。


2009年10月2日(金曜日)
 よくわからないが、はくほー氏の偉業を称えるために作られたものらしい。
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 朝のNHKの「おはよう日本」内の「まちかど情報室」で小林製薬の「チンしてこんがり魚焼きパック」なるものが紹介されていた。
 一人分の切り身をグリルで焼くのも後片付けが大変なもんで、便利そうだなと思った。こんど探してみよう。

 前回(2007年)の参院選における“一票の格差”が違憲状態だとして選挙無効を争った裁判の最高裁判決が出ていたので判決文を読でみた。
 厳しい内容ですな。
 一応多数意見では選挙有效ということですが、補足意見や反対意見などが多くの部分を占めていて、拔本的改革を求められていることは明らかです。
 個人的には、“一票の格差”を重視するなら、参院は全国一区の比例代表のみとするしかないのではないかと思います。逆に、敢えてその姿勢を崩すなら、各都道府県に一律6議席で282議席とする、各自治体での選出方法は自治体に任せる、などの方法を採るのもありでしょう。
 折衷案としては、各都道府県において人口比で参院選挙人を割り当て、これを選挙で選び、選ばれた選挙人が参院議員を全国区選挙で選ぶ間接選挙、というのもありでしょうか。

 MRJに100機以上の大型受注との報あり。


2009年10月3日(土曜日)
 近所のスーパーで小林製薬の「チンしてこんがり魚焼きパック」を買ってきて、鮭の切り身を焼いてみた。
 焼けることは焼けたのだが、焼け過ぎてしまった。
 焼き時間などに工夫の余地があるな。
 しかしこれは手軽なので、今後も使おうっと。

2009年10月5日(月曜日)
 昨日は体調が悪く、寝て起きて食べて寝て起きて食べて寝て、みたいな生活になってしまった。頭痛と眩暈が酷く、立っているのが辛いという状態。熱はないので、流感ではなかろうと思ったが……。
 そんなわけで、日曜日は寝て過ごした。
 しかし月曜日になっても容態は改善されず、頭痛と眩暈を抱えたまま出勤。
 午後には頭痛は治まってきたが今度は腹下し。家に帰り着くと悪寒。
 やっぱ風邪かのう。
 夜になって熱が出てきた。

2009年10月6日(火曜日)
 漸く体調は元に戻ってきたのだが、なんか筋肉痛が……。

 亀井金融担当相が『「家族間の殺人事件増加」で経団連を批判したんだそうな。
 本当にこの人、元警察官僚か?
 警察庁の統計ページに資料がある平成12年〜20年を表に纏めると、以下のようになります。

被疑者と被害者との関係別 検挙件数
実父母 養父母 継父母 配偶者(内縁含む) 実子 養子 継子 兄弟姉妹 その他の親族 知人友人 職場関係者 その他 面識なし 法人・団体・被害者なし
H20 1,120 134 6 3 200 125 3 2 36 49 283 63 86 123 7
558 562
H19 1,052 122 7 4 192 99 1 2 42 37 251 61 92 137 5
506 546
H18 1,155 149 1 4 179 139 1 3 38 28 290 71 114 132 6
542 613
H17 1,224 123 6 4 218 106 3 2 50 29 273 74 144 189 3
541 683
H16 1,224 116 2 3 206 129 3 3 57 38 300 65 147 154 1
557 667
H15 1,258 120 10 3 215 109 0 1 47 25 333 71 134 184 6
530 728
H14 1,238 100 6 5 197 122 3 3 41 35 325 68 133 193 7
512 726
H13 1,157 90 5 3 191 117 3 1 47 35 282 77 134 162 10
492 665
H12 1,219 116 9 6 197 115 2 3 34 32 304 84 140 172 5
514 705
 この表を見て、「親族間殺人が増加している」と一概に言うことはできないと思います。確かに増加傾向は示しているようにも見えるのですが、殺人総数と連動しており、変動範囲内という見方もできようかと思います。
 もっと長期的な傾向が分かる資料が欲しいところですが、残念ながら警察庁の統計資料はこれ以前はオンラインでは公開されていないようです。
 さて、ではそれ以前はどうだろう?と調べてみると、丁度良いことに昭和52年の警察白書に「増加した親族殺」という項目がありました。
 過去5年間における殺人事件の面識関係をみると、図3−29のとおりで、親族による殺人事件は、件数、割合ともに増加傾向にあり、昭和51年は889件(44.5%)となっている。
 なんと、昭和51年(1976年)、今から33年前には現在の1.5倍以上の親族殺人があったということになります。しかも当時増加傾向を示している。
 穴あきだらけの統計資料ですが、ざっくりと30年前は年間800〜900件だった親族殺人は現在500〜550件台に落ち着いてきている、といった所になるのではないでしょうか。

2009年10月7日(水曜日)
 7月に話題になった漱石財団だが、解散となる由、朝日に報じられていた
 反対運動の先鋒となった夏目房之介氏のblogにも「1)一般財団「夏目漱石」の解散」「2)漱石財団の経緯と財団解散を巡る議事録」「3)「夏目漱石」登録商標の申請について」というエントリが。

 東京モーターショーで発表される電気自動車に、トヨタからFT-EV II本田技研からEV-N。
 どちらもVWのE-Up!と同じような超小型車ですね。EV-Nは一応軽自動車枠ですが。
 まあ、これで大体のところ、“とりあえず”電気自動車の向かう方向は決したのではないかと。
 ああ、そういえばに設立された慶應の清水教授率いるSIM-Driveの作る車を、中古車販売大手のガリバーが販売を手がけるのだそうで
 こっちも頑張って欲しいですね。

 そういえば、三菱自工i-MiEVですが、英West Midlands警察にパトカーとして採用されて、12月から使われるんだそうな。
 英国では25台のi-MiEVを使ったテストが今月11日から始まるらしい。


2009年10月8日(木曜日)
 2004年の逮捕、2006年の一審有罪判決を受けての、Winny作者47氏の大阪高裁での控訴審は、逆転無罪判決。
 まだ判決文が公開されていないので論評は差し控えますが、報道による要旨を読む限り、幇助の要件を厳しく見積もり、本件に於いては要件を満たさないと判断したようです。
 最高裁への上告があるのかどうかは分かりませんが、何らかの道筋が早く着くことが期待されます。

 フランスから、「フランスのイスラム系サッカーチーム、同性愛者との対戦拒否という、これまたどうしようもない話題。
 個人的には、“公共の場における宗教的姿勢の発露はこれを禁ずる”というフランスにおける“政教分離原則”は何か考え違えをしてるんじゃないかとは思います。宗教的信条によって試合ができないと言うのであれば、しなければ良いのであって、この場合であれば当然The Creteil Bebel Muslimは不戦敗としてParis Foot Gayに勝ち点3を与えれば良いのではないかと思います。
 無理矢理試合をさせて彼らの宗教的信条を傷つけることもまた、私としては好ましい対応だとは思えませんので。


2009年10月9日(金曜日)
 なんか岡田外相が、日中韓で共同の歴史教科書を、とか言っているらしい。
 無理だろ。
 厳密な資料批判を以ってなす歴史学者の共同研究ですらあれだけ揉めてるのに、教育用の教科書なんて合意の取りようがない。日中、日韓、中韓のどの国家間にも問題がある。
 一部の人間は「仏独では共同の歴史教科書を使用している」とかしたり顏で言ったりするけど、あれは18歳学齢時に使う戦後現代史の教科書のみで、しかも合意が取れない部分は両論併記になってる。
 それでいいなら日中韓も「共同の」教科書は作れるかも知れんが、それは教科書を三冊作るのと大差ないだろうな。
 ただし、共同研究についてはその意義を私は認める。
 日韓共同研究の報告書は、研究レベルも決して低くはなく、また報告には座談会や討論、論文には反論・再反論が記載されたものもあるなど読み応えは充分であり、さらに成果が両言語で等しく提供されることは、高い評価を与えるべき点である。
 韓国並びに中国は、日本に比べると言論表現の自由について極めて不自由な社会であり、一般言論に於いて「正史」と異なる史的視点を提することは自殺行為に近い。そういった社会から自由に閲覧できる、彼らの言語に訳された日本の史学研究が存在することには極めて大きい価値があり、また逆に日本人が日本語によって彼らの史学研究の見地や方向、手法、内容を知ることができることもまた、同様に重要である。
 日中の研究報告は政権交代の煽りを受けて今もまだ公開されていないが、日韓の報告は読むほどに味わい深いものに仕上がっている。
 このような共同研究は一見無意味なものに見えるかも知れないが、長期的視座に立つとき、小さくない影響を与え得ると信じる。

 一日経っても、Winny事件の高裁判決文が裁判所のサイトに公開されない。この辺のスピードアップも待たれるところなんだけど、そんな予算はつきませんかね?


2009年10月10日(土曜日)
 BTRON Club
 蔵元から振舞酒。

 Bクラ後の二次会で、πちゃんより、タイ産美少女ゲーム「Re:Angel」を日記で紹介しろと強く請願されたので、ここに紹介する。
 「Re:Angel」はタイの同人サークル(?)「Studio Gu」が鋭意開発中のギャルゲで、現在日本語体験版がダウンロードできる。
 見るからに日本の影響を強く意識させる絵柄と画面構成だったりするわけですが、まあ、どう見ても日本のギャルゲを模してますね。別に悪いことではありませんし。
 タイ王国は、近代を通じて日本と同じく独立を保ち得た数少ない東アジアの国家であり、君主制の誼や、流派の違いはあれ仏教が盛んな国でもあり、日本との友好が深い国です。日本がいち早く近代化と先進国入りを果たしたことから、日本を見習うことにも積極的であり、様々な分野で日本の影響を見ることができます。
 まあ、中にはかなり間違った理解からおかしな影響が及んでいる側面も無いわけではないのですが、「Re:Angel」をここに分類すべきか否かについては議論が分かれるところではないかと思われます。
 なお、重要な注記として、「Re:Angel」はあくまで全年齢対象のギャルゲであって、18禁要素は含まれないそうです。理由は、タイにおいてはポルノの製造は違法だからだそうです。
 案外、世界というのは窮屈に出来ているものだと、感心する次第です。

 そういえば隣国韓国でもポルノの製造販売は違法だそうで、それ故に日米のポルノ会社が韓国のネットワークユーザを著作権法違反で告訴した際に、「違法わいせつ物は著作権法の対象外」という判断を検察が下していたりします。
 ちなみにこの判断は国際法的には誤りではありません。著作権法は属地主義ですので、本国では認められる著作物が外国では消滅したり、認められないなどのケースはあり得ます。この場合はより上位の法律(多分刑法)に於いて所持流通そのものが違法であるものを取得もしくは所持、配布したことが罪になる、ということになります。
 ただし、個人的な意見としては、法が実態に即していない虞が大ですが。

 「広島・長崎が20年夏季五輪招致へ 「平和」アピールという実に奇妙な記事。
 スポーツと政治の分離は原則として維持されるべき事として認識されており、スポーツの政治利用は厳に戒められているところ。その点から見て広島・長崎が「平和」やら「核廃絶」をアピールしながらオリンピックを招致するというのは、笑いを誘っているのでなければ気違い沙汰としか言いようがない。平和を訴えることが政治的行為だと思っていないのだとすれば、頭が鈍いのか、頭が弱いのか、頭が悪いのかのいずれかであろう。


2009年10月11日(日曜日)
 M3行ってきた。

 今政権は「立法と行政の一体化」とかいう方針を打ち出しているそうで、与党議員による議員立法の禁止や、質問の禁止を打ち出しているそうな。
 あのさー。
 三権分立って知ってるかー?

 最近読んだ中でのスマッシュヒット。
 「「規制に反対するヲタクは認知障害者」(東京都青少年問題協議会)」。
 「有識者」がどう見ても「有識」に見えない。
 どういう基準で選任されているのだろうか。都議会で誰か質問してくれないものか。

 今朝の日経に「小型ジェット次世代エンジン、燃費を3割向上 IHIなどとか威勢の良い記事。
 なんでもファンに炭素系素材を使い軽量化し、エンジン後方にファンを配置するんだそうな。所謂アフトファン形式のターボファンってことなんだと思うのですが、それでも3割向上ってのは豪儀ですな。


2009年10月12日(月曜日)
 軍事評論家の江畑謙介氏が死去。60歳。
 政権が交代し、防衛大綱改訂の先送りが決定される中、日本の軍事評論家の第一人者がこの世に別れを告げた。
 謹んでその死を悼む。

2009年10月13日(火曜日)
 日本には軍事評論家に値しない自称評論家が多い
 無論、その名に値しない人間が職を得ているのも国民の選択というものだろうが。

 ヤマハ発動機から、電動スクータ復活のお知らせ。
 電池のリコール問題から2007年に発売中止となったPassolの後継機種ですね。
 あと、基本的にパワーアシスト自転車には興味はないのですが、「PAS er」はスタイルが好みです。元々シャフトドライブ好きなんで、こういう形の自転車がツボだったり。
 これでパワーアシストがなければなー。
 HEADのSS700-SPEED1.0とか好き。ブリヂストンサイクルトランジットカーボンTS200STとか大好き。


2009年10月14日(水曜日)
 あさりよしとおの新刊「アステロイド・マイナーズ」を探し回ったのに見つけられなかった。終いにゃ雨に降られた。

 「Dyson、“羽根がないのに風が出る”扇風機を発表」と、季節外れの新製品発表。いや、南半球ならいいのか?
 それはともかく、原理は確かに流体力学(航空力学)的で別に的外れというわけではないのですが、ダイソンらしいといえばらしい製品。
 来年の夏に日本で現物が売られるようなら、店頭で確認の上で、購入を考えても良いかと思いました。
 既存の扇風機もこれに対抗すべく、ハミルトンが設計したプロペラをつけた扇風機とか開発してみたらどうでしょうか。

 国立情報学研究所NACSIS-CAT(目録所在情報サービス)における特殊文字・特殊言語資料の入力規則改訂案が公開されたというので眺めてみた。
 真っ先に思ったのだが、「特殊言語」の定義が日本語および英語等のラテン文字以外で書かれた資料のうち,別途規則の定められている文字・言語(中国語,韓国・朝鮮語,アラビア文字,タイ文字,デーヴァナガリ文字)を除いた文字・言語で書かれたものというのは些か範囲が広すぎやしないだろうか。こう言っては何だが、世界の言語のうち、「特殊」な言語の方が多いぞ、それじゃ。
 一例を挙げれば、ロシア語などキリル文字で書かれたものや、ギリシャ語文献などが含まれてしまう。この程度は司書なら読めて欲しいと普通は思うだろう。せめてギリシャ語とロシア語は別途取り扱い規則を定めるべきだと思った。(キリルについては「特にご意見を頂きたい点」とされているが)
 あと、どこの言語とは敢えて言わないが、原語文字列からローマ字翻字形が一意に導けない言語がこの世界にはあったりするわけだが、その辺の手当てってどうするんだろうかと思わないでもないのだが、恐らくそれは個々の司書とALA-LCの担当だろうという気はする。
 この規則でも扱えない言語としてどんな言語が考えられるか、と言われると、未解読語や死語ではないもの、とすると、某東巴文字のような純粋表意文字や、論文タイトルに頻出する甲骨文字などが挙げられようか。一部には神代文字を持ち出す人間もいるかも知れないが、どれも無視してよかろう。
 ただ、トルコアルファベットを用いる言語については特記して扱いを決めたほうが良いとは思う


2009年10月15日(木曜日)
 IT Mediaの「公共性とビジネスの狭間で 国会図書館、書籍電子配信の取り組み」という記事で、国会図書館の電子化プロジェクトについて言及されていた。
 昨年、麻生政権下での補正予算で過去10年分の10倍と言われる予算が付き、戦前の書籍の電子化を一気に進めようと関係各所が動き始めていたところでの政権交代で、先行きが怪しくなってきているのだが、ともあれ、電子化そのものは必須であろうと考える。
 ただ、記事中にあるように、既に電子化が終わっている明治期の書籍についても、裁定制度の利用が約75%と、著作権法にまつわる問題が小さくないことが読み取れる。
 また、新法に基づく電子化についても、館内でしか使えないなどの問題が指摘されているところ。
 個人的には技術的問題についても議論したいところで、果たして書籍の電子化に向いたデータフォーマットとはいかなるものであろうかと、考えることしきり。
 今年PFU fi-5530C2を導入して様々なスキャニングを行った結果、現行の画像フォーマットは本質的にスキャニングによる書籍電子化に向いていないのではないか、と思うようになってきている。
 モノクロ書籍について言えば、JPEGは論外だが、JPEG2000もモスキートノイズを完全に排除しようとするとそれほど圧縮できない。JBIGは悪くないのだが、二値化にまつわる閾値問題の対処に難しいものがある。特に紙の劣化が進んだ文献の場合、地の紙が茶ばんだ上にインクが滲むなどして経年変化によるグレースケール化が進行している場合があり、このような文献を二値で読み込むには試行錯誤が必要になる。しかるに多くの場合、このような文献は試行錯誤に耐えない。かといって256グレースケールでは情報量が過大。
 色々試した結果、状態が良いものであれば4値グレー、比較的悪いものでも16値グレーというところで落ち着いた。問題は、それに適した画像フォーマットがないことだ。
 色原稿になると話はもっと面倒になる。
 印刷技術から考えれば、カラー印刷物は単色、二色、CMYK四色、四色+特色といった具合に分類される。単色というのは墨版に代えてカラーインクで単版印刷するわけで、RGBやYCbCrではなくHSVやHLSで扱えばデータ量が少なくできる。所謂単色カラースケール。
 二色も同じようなもので、通常は墨プラス一色で印刷されるため、フルカラーとして分解するとデータが過大になりやすい。スキャン時はフルカラーであれ、保存データとしてフルカラーを使うのは、あまりにも無駄だし、余計なノイズが混入する虞もある。
 印刷物のスキャニングという前提に立つと、既存の画像フォーマットとはまた違ったデータフォーマットがあった方が效率が良いのではないか?と思うようになったのだが、どうもドキュメントスキャナ各社はそのような意志を持っていないようで、別件もあって実は彼らは自分たちで作った製品でスキャンをしてないのではないかと疑いを持っている次第。

 モナコ公国ワシントン条約事務局にクロマグロを絶滅危惧種として、国際取引を禁止するよう正式に提案した
 記事にもあるとおり、クロマグロの8割は日本で消費されることから、事実上日本と取引国をターゲットにしているわけで、締結国内でも賛否が分かれている問題。
 他にも何故大西洋まぐろ類保存国際委員会のような水産資源管理機構ではなくて野生生物保護を対象とするワシントン条約なのか、とか、疑問点はないではない。
 幾分、政治的な匂いはするが、鮪の濫獲が進んでいる点については同意できようかと思う。
 日本の場合、近大マグロという完全養殖技術を確立しているので、最悪の場合でもそれなりの供給はできるんじゃないかね。現状、生存率が3%台なので、コストの問題は厳しいのだけど、生産量が倍増しているとの報道もあった。
 あと、日本文化の輸出は斯様にあまり世界のためにならないのではないか、と思わないでもない。


2009年10月16日(金曜日)
 ハイブリッド車や電気自動車への擬音装置の搭載を義務付ける対策案が国交省ハイブリッド車等の静音性に関する対策検討委員会で纏まったんだそうな
 個人的にはこれは「現代の赤旗法」であると思っているので、反対。意見募集を待って、反対意見を提出しようと思う。
 検討委員会のページに公開されている実験結果を見ればわかるが、エンジン擬音の認知性が基本的に高い。これは勿論エンジン音にそのような認知特性があるのではなく、人間の側の問題である。つまり人間はエンジン音を選別して意識しているので認知性が高いのであって、それは環境適応の問題であり、解決策として採用するのはHV/EVの特性を殺すだけだ。
 社会的にHV/EV、あるいはFC車が増えるという前提で対処を行うのであれば、敢えて音を鳴らすより、人間の側が近接感知するための手段を別途考えたほうが適切であるように、私には思える。
 もっと無茶苦茶を言うならば、HV/EVが一定割合を超えれば、人間の側が適応するだろう。

2009年10月17日(土曜日)
 阿佐ヶ谷にて、小形さん講話を拝聴してくる。
 最近漠然と考えていることがあって、常用漢字表や新常用漢字表(仮称)が、対象を見失っていることこそが、深刻な問題なのではないか、と。
 NHKの調査に拠れば、漢字書きの好悪傾向には学歴差が歴然と存在する。学歴が高い方が、漢字表記を求める傾向が強い。NHKの調査では大卒/非大卒の分類だけだが、サンプルを多くし、分類を増やすともっと傾向が明確になるのではなかろうか。また、調査はされていないが、恐らくこれは漢字の読み書き能力と相関関係を有しているであろう。
 ここで問題になってくるのは、現代日本では少数派となっている「中卒」レベル、あるいはそれ以下の学歴しか持たない人をどこで救済するのか?ということだ。
 高校進学率が90%を越えたのが1974年ということなので、現在50歳以下のどの年代人口に於いても、最終学歴中卒というのは、人口の10%を切る。統計の取り方は違うのだが、若年無業者における中卒の比率は20%を越える。これが刑務所の受刑者になると40%を越えてしまう。
 さらに言えば、これらの多くが貧困世帯を出自としている。
 これヤバいんじゃないの?と思いつつ、あれこれの数字を追いかけている段階。
 かつて、当用漢字は、こういった人達を主たる対象として制定された。1950年の高校進学率は40%で、大学進学率に至っては統計が存在しない(恐らく10%以下)。当用漢字が常用漢字になった頃の1981年を見ると、高校進学率は90%超、大学進学率は35%超。高校進学率は上げ止まり感があるが、大学進学率はその後も順調に伸び続ける。
 社会構成員の高学歴化は、漢字使用の増加を許容する方向に動く。
 それはいい。ではその社会で少数者となってしまった低学歴者はどうするのか? 無視されても仕方ないのか? 救済手段は充分なのか?
 そう振り返った時、外国人労働者への日本語教育問題も絡め、“平均的な国語力”から下側の人への手当がとても充分とは言えないのではないか……と危惧を抱くように、最近なりつつある。
 確かに戦後日本は国民の学識レベルの全体的な底上げに成功した(そして当用漢字がそこに果たした役割は決して小さくない)と思うのだが、問題はそのために底辺レベルが瘦せて学歴ピラミッド構造が崩れ、その結果として底辺レベルの負のスパイラルからの脱出が余計難しくなっているのではないか……と。
 現状、ただの思い込みであり、数字的な裏付けもない、ただの感想。当然対策も思いついていない。

2009年10月18日(日曜日)
 「自動運転の小型電気乗用・貨物車という記事を時事が配信していて、慶大ということなので恐らく清水研究室SIM-Driveだろうと当たりを付けたのだが、プレスリリースなどはなく、慶大のwebサイトにも情報がない。
 困ったものだ。

 三菱自工のi-MiEVだが、個人への販売はリース方式になると言う話
 補助金が存続すれば月6万程度ということだが、実はその補助金の方が先行き不透明になってきている。EVが増えれば増えるほど、財源が必要になり、現状その財源には宛がない、と。
 バッテリの量産が軌道に乗れば、価格も大分違ってくると思うのだがなぁ。


2009年10月19日(月曜日)
 新型流感のワクチン接種がいよいよ始まるそうだが、接種優先順位に些かの疑問が。
 最優先が医療関係者(医師、看護師、救急隊員など)というのは当然として、次が妊婦や基礎疾患持ち、続いて小学校低学年以下の子供、乳児の保護者、その後小学校高学年〜高校生と高齢者というのは何なんだろう。
 私だったら医療関係者の次に消防・警察を入れるし、その次は自衛隊、流通関係者という優先順位にするが。少なくとも、高齢者よりは先にする。人が死ぬ、という現実の前に、何を優先すべきかを考えれば、社会基盤の維持のための人員を優先するという判断が、“冷たい方程式”の解となる。
 自然界に於いて、子連れの親獣が子育てが困難な環境に陥った時には、子供を殺す。理由は簡単で、親が死んだら子供も死ぬから。どちらか一方となれば、単独では生きられないほうを見捨てるのが、合理となる。
 乳幼児の死は一人の死に過ぎないが、消防士の死はより多くの死を誘発する。これは警察、自衛隊にも同じことが言える。
 より多くの人命に責任を負っている人間から救わなければならない。命に貴賎はないが誰も彼も全てを救うことができないとき、そこに重みをつけなければいけないことがある。
 そして政治家/為政者は、時にその判断を下さねばならない、外道の職業なのだ。
 今般の優先順位を見る限り、この判断を下した政治家は覚悟に不足がある疑いがある。

2009年10月20日(火曜日)
 なんか厚生労働省が“貧困率”を発表したとかで話題になっておりますな……。
 ただ、今回公表されているのは“相対的貧困率”であることは注意点。
 相対的貧困率は世帯年收を個人に振り分けた個人年收分布における中央値、それの半分以下の收入の人数、という定義になるので、所得格差が大きい社会では大きくなり易い。また、日本のような国民総所得が大きい国では、“貧困”であってもそれなりの生活ができていたりします。なので、それが示すものは“貧困”というより相対的な所得格差であるという見方をしたほうが無難ではあります。(絶対的な貧困とはまた違う)
 また、世帯ではなく個人を単位とするところも注意点。世帯年收が同じでも世帯人数が多いと分布位置は下がりますね。この点、世帯を単位とするジニ係数との違いにはよく留意しなければなりません。
 日本ではこれまでジニ係数による所得再配分については注意されてきましたが、相対的貧困率に基づく議論はされてこなかったという事情があります。
 個人的にはこう言った指数類は、適切に扱われる限り有用だと考えていますので、調査と発表自体は歓迎しています。
 ただ、問題はその後で、一体何が起きているのか、どう対処するのが良いのか、については議論が必要です。補助金や支援金といった現金の形で再配分するよりも、所得層毎の課税配分の見直しなどの税負担構造全体の見直しを行うべきではないかという気はします。

 これはないわ。

防衛相、給油代替のアフガン支援で自衛隊派遣の可能性示唆
 北沢俊美防衛相は20日の閣議後の記者会見で、来年1月に期限が切れる海上自衛隊によるインド洋での給油活動の代替案となるアフガニスタン支援について「民生支援だけで代替案になるのかという懸念は少し持っている」と述べ、自衛隊の派遣もありうるとの認識を示した。ただ具体案については「(政府内)でまだ突っ込んだ話はできていない」と述べるにとどめた。(15:04)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091020AT3S2000O20102009.html
 連立当初の合意の時点で“気が狂っている”レベルでしたが、ここまで来ると開いた口が塞がりません。
 直接戦鬪に関わらない海上給油を取りやめて、どう見ても戦鬪地帯であるアフガン本土に自衛隊を派遣しようというのは、自衛官の命を何だと思ってるのでしょうか。政治の道具か?
 度し難いというのは、こういう連中に対して使う言葉なんだろうな。
 ちなみに、文民による支援の拡大がなぜ歓迎されないかといえば、文民を送り込めばその文民を護衛するための戦力が必要になり、現地に展開している多国籍軍に護衛を依頼したり、「警備会社」である民間軍事企業を雇ったりせざるを得なくなるからです。
 現在外務省の職員がアフガンに送り込まれており、その護衛には主に民間軍事会社が利用されているそうですが、参加しているPRTそのものはリトアニアやクロアチア、デンマーク軍といったNATO軍の活動です。自衛隊を送るのは駄目で、文民がNATO軍と共同したり、民間軍事会社を雇傭するのは良し、というのでは訳が分かりません。まあ、多分九条の精神とやらは民間軍事会社には適用されないのでしょう。私には理解できなませんが。
 現状、インド洋における給油支援は、直接戦鬪に巻き込まれる可能性が低い上に、日本の装備が活かせ、かつ感謝もされるという費用対效果的にお得な作戦活動です。そんな活動を中断して、より危険度が高い任務へ邁進しようとする現政権の行動には、賛同できません。

2009年10月21日(水曜日)
 2006年、港区芝の公営住宅で起きたエレベータ事故に絡み、前原国交相がエレベータ事故を運輸安全委員会の担当とすることを検討している旨、発言したそうな
 賛成します。
 現在の昇降機等事故対策委員会は権限もなければ専従の委員もいない組織であり、その能力は極めて限定的というより無いも同然です。独自の調査員と調査権限を持つ運輸安全委員会にこれを附託することは、理の当然と言えましょう。
 この辺はさとみくんがフォローしてくれることを期待しながら書き散らしますが、事故においては、その責任を追及し、刑罰を与えることが必ずしも事故防止に繋がらないことは、能く知られています。司法制度は法治による社会正義の達成を旨としますが、それが必ずしも社会利益に適うとは限りません。特に飛行機事故や船舶事故、鉄道事故のように一旦起きれば被害が甚大となり易いものについては、原因の究明と再発防止策の策定については、責任の追及は余り役に立ちません。特にシステムに由来する事故については、個人の責任追及は全く無意味になります。
 このような事情から、日本では特に上記の三つについては運輸安全委員会、さらに海難事故については海難審判所が設けられ、事故原因の究明と再発防止、過失者への懲戒という制度が出来上がっています。
 ここにエレベータやエスカレータ、ジェットコースターなどの事故についても同じように扱い、再発防止を優先する体制とすることは、好ましいものであると考えます。
 個人的な意見を表明させて貰えば、一部の自動車/交通事故についても、責任を追及するよりも、運輸安全委員会で取り扱った方が良いものがあると思料します。また、無闇な刑事訴追を避ける意味からも、海難審判所の拡充による、運輸事故審判への発展を期待したいところです。

 産経に「「確認のためサイン得た」 台湾問題でNHK放送総局長」という記事があったのですが、本家NHKでのプレスリリースと大分内容が食い違っているような気が。
 まず産経の記事。

「確認のためサイン得た」 台湾問題でNHK放送総局長
2009.10.21 18:24
 日本の台湾統治を扱ったNHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー 第1回『アジアの“一等国”』」をめぐり、出演した台湾の人々に抗議の意思がない旨の文書にサインするよう番組スタッフが求めた問題で、日向英実放送総局長は21日の会見で、「抗議の意思がないということを確認したかった」と説明した。
 日向総局長は「放送直後の台湾の方々のリアクションは非常によく、抗議するつもりはないと聞いていた。(後に抗議があり)それまでに聞いていた話を確認したい気持ちでサインをいただいた」と説明した。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/091021/biz0910211824022-n1.htm
 続いて、NHKのプレスリリース。
放送総局長会見 2009/10/21
Q:「JAPANデビュー アジアの“一等国”」の一部新聞報道ついて
A:(日向総局長)
  番組担当者が放送後、出演者に会って感想を聞いたり、改めて番組内容を説明したりするのは当然のことと考えている。
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/toptalk/soukyoku/s0910.html
 えーと。
 こういうのって不毛なので、記者会見は全文文字起こししてくれませんかね。そうすれば、実際にどんな質問があって、どう答えたかが明確です。
 テレビ局なんだから、動画で配信したっていいじゃないか……。
 こんなことしてたら、また痛くもない腹を探られることになりかねないと思うのですが。

2009年10月22日(木曜日)
 先日打ち上げたHTVのISSランデブーに用いられた近傍接近システムが、NASAの次期往還システムへと搭載される見込みとか。三菱電機から、米オービタルサイエンシズへ。
 元々自動ドッキングを想定していないCBMへの自動接近という、考えてみるととんでもない技術なわけですが、地道な技術が花開く瞬間というのは、胸がすくものですな。

2009年10月23日(金曜日)
 漢字小委の傍聴へ。
 紆余曲折の果てに、ほぼ改定案が定まりました。細かい文言の修正などを経て、11月に「改訂常用漢字表」として2回目のパブリック・コメントに附される予定です。
 しっかし……審議の途中に何人もの記者さんがノートPCを手に会議室を出たり入ったり。議場の外のソファで記事を書いてはせっせと送っている……。
 そんな速報しなきゃいけないような内容だったか?
 気分的には、「お前ら、少し落ち着け」と。

2009年10月24日(土曜日)
 とやかくは申しません。天皇を政治利用しようとした以上、岡田外相は速やかに辞すべきです。

 昨日、職場で「顏色悪いよ」と何度も言われたのですが、今日になってバタンキュー。


2009年10月25日(日曜日)
 今日も体調は今ひとつ良くならず。熱っぽいが、熱は無し。

 参院補選は民主党が二つとも持って行った。
 しかし、政権成立後の最初の選挙まで所信表明演説すらしていないというのに、この支持率は一体何事なのだろうか。
 少なくとも私は、及第点を付けるに躊躇われる政権だと、この一月で思いましたが。
 まあ、宇野内閣よりはマシと言いたいところなのですが、このまま行くと「何もしない方が良かった」と言われかねないところが、なんともはや……。
 今頃になってレク始める大臣とか、正直勘弁してくれと。

 新型流感のワクチンですが、医療機関に満足な数が行き渡っていないと仄聞しておりましたが、どうも事実っぽい
 正直、駄目だなこりゃ、って感じです。
 正面戦力を維持するためには後方支援が欠かせないと、65年程前に嫌と言うほど味わったのではなかったでしょうか、この国は。
 医師、看護師といった正面戦力が十全の能力を発揮するためには、薬剤師に医療技師や介護福祉士、事務職員、果ては警備員に至るまで、「医療」というシステムを運営するための後方要員が不可欠です。そういった人達がいなければ、ほんの一時だけの緊急的な医療なら提供できるでしょうが、継続的な医療サービスの展開は不可能です。
 病院側がそういったスタッフの分までワクチンを要求するのは当然ですし、彼らは優先される人であると納得できます。
 ましてや、医療スタッフにワクチンが行き渡らないと言うのであれば、厚労相は矢面に立って国民に訴え、説得すべきでしょう。まず最優先は医療スタッフです、優先順位二位以下の人達は、当面ワクチンは回ってきません、と。
 それが出来ないというのであれば、厚労相の椅子に座っているな。


2009年10月26日(月曜日)
 先週・今週のNHKスペシャル「自動車革命」は、面白くなかった。産業としての自動車の側面ばかりを追っていて、技術的側面や社会的側面については等閑だったので、特にそう思ったのだろうと自己分析。
 どうせなら清水教授に密着して、教授の描く未来図()とかを垂れ流しにした方が面白かったのに。“未来予想図”を視聴者に提供するなら、このくらいエキセントリックな大風呂敷の方が面白い。
 清水教授のSIM-Drive構想が当たれば、自動車製造は今のPC業界のような様相になるでしょうね。果たしてそうなるかどうかは、わかりませんけれども。

 「IPアドレス、現行体系での新規割当10年10月終了 管理団体という、X-Day Comes!な話題。
 まあ、いずれ来ることが分かっていた日が、いよいよやって来たというだけの話。もっとも実際のX-Dayの日付については異論もある様子。ま、どちらにしろ遅いか早いかの違いで、枯渇することは間違いがない、と。
 一部の識者の方々のIPv6不要論にもめげず、回線問屋のレベルでのIPv6対応は着々と進んでいるようですので、究極的にはIPv6へ移行するんじゃないかなと、個人的には思っています。
 問題は寧ろサービス提供側で、2chがIPv6全面対応になる、とかすれば劇的に変わるんじゃないかと思うのだけど。

 そういえばやっとこさ臨時国会が開かれて、首相の所信表明演説があったそうな。
 官邸のサイトに全文が掲載されていた。

 ははあ。さては学校への電子黒板の導入を「無駄」として切ったのは、チョーク工場へ視察に行ったからか。
 冗談はさておき、自ら「維新」を任ずる人間など、私は信用しません。そんな奴は自らの正しさに酔ったロマンチストで、己の無謬性を信ずるが故に独善し、他者を犠牲にすることを厭わない狂信者です。かつて「昭和維新」の名の元に行われた数々の愚行を思えば、「平成維新」などと叫ぶことの危険性を、幾許かでも感じるべきです。
 「無血の平成維新」とやらの影で、どれだけの血が流れることか、想像もできない低能と言うわけでもないでしょうに。

2009年10月27日(火曜日)
 19時56分頃、関門海峡にて海上自衞隊の護衛艦くらま(DDH 144)と韓国の貨物船(リベリア船籍)が衝突し、くらまは艦首を損失し火災。火傷1名他、3名が負傷。原因は、報道に拠れば、韓国船が無理な追い越しをかけ、対向してきた護衛艦を避けられなかったというものらしい。
※記事が改変されたため、私が見た時点の記事を全文引用。
海自護衛艦とコンテナ船が衝突、双方炎上 関門海峡
2009年10月27日21時47分
 防衛省海上幕僚監部に入った連絡によると、27日午後7時56分ごろ、本州と九州の境にある関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」(艦長・柏原正俊1等海佐、5200トン)とリベリア船籍の韓国のコンテナ船「カリナスター」(7400トン)が衝突、双方が炎上した。「くらま」側に負傷者が3人出ているという。
 第7管区海上保安本部によると、「カリナスター」は午後8時35分ごろ鎮火したといい、けが人や油漏れの情報は今のところない。
 カリナスターの韓国人の船長(45)は「前を走っていた船を追い越そうとしたときにぶつかった。前から(自衛隊の護衛艦が)来ているのはわかって、早めにかじを切ったがぶつかった。大きく揺れて、すぐに火が出た」と話した。コンテナを韓国・釜山から大阪に運んでいる途中だったという。
 防衛省によると、「くらま」は艦首部分が激しく損傷し、炎上しているという。消火作業の際に乗員1人が右足にすり傷を負った。このほか2人が煙を吸って気分が悪いと訴えているという。
 「くらま」は長崎県の佐世保基地の第2護衛隊群に所属するヘリ搭載型護衛艦で、進水は79年。25日に神奈川県の相模湾であった観艦式に参加したのち佐世保に戻る途中で、296人が乗っていた。
 下関地方気象台によると、午後8時ごろの関門海峡の天候は快晴で風はほとんどなかったが、空気の乾燥のため乾いた微粒子が空気中に浮いて視程が妨げられる「煙霧」の状況にあったという。ただ、防衛省側は「くらま」からの情報として「視界も3〜4キロで悪くはなかった。波もほとんどなかった」としている。
 北沢俊美防衛相には、海上幕僚監部から午後8時10分ごろ衝突の一報が報告された。

http://www.asahi.com/national/update/1027/TKY200910270381.html

 関門海峡は事故の多い航路で、かつ韓国船はその中でもトップレベルの事故数を誇っていたと記憶するところ。
 最終的には海難審判待ちですが、一報を見る限りは過失は韓国船にありそう。

 厚生労働省中央社会保険医療協議会の委員選定に於いて、日本医師会からの委員をゼロにするという報復人事を行った由。日本薬剤師会からの委員は入った模様。
 ここまで露骨だと、いっそ清清しい。
 以前から思っているのですが、民主党のやり方って、後先考えてませんよね。報復人事を行えば、自分たちが次に野党に落ちたときに同じことをされるだろう、という頭がないんですかね。
 「囚人のジレンマ」くらい一度体験したほうが良いと思うのだけど。


2009年10月28日(水曜日)
 寒くなってきたのでガスストーブを引っ張り出してきた。
 都市ガスを使うガスストーブでちと不満なのは、ガスホースの他にコンセントに電源ケーブルも繋がなければいけないこと。しかも二本とも向きが違ったりした日には……。
 着火や室温センサ、制御マイコンなどに電力が必要なのはわかるのだが、ここは一つ、ガス動力燃料電池を内蔵して、ガスのみで動くようにしてみたらどうだろうかと思わないでもない。

 連立与党が復興支援を企図しているアフガニスタンですが、「タリバンが宿泊施設を襲撃、国連スタッフら6人死亡 カブールとかで、国連職員が犠牲に。
 相変わらずどうにもならん地域だな……>アフガン


2009年10月29日(木曜日)
 先日別件で書きましたが、事故においては原因の究明と再発防止が第一とされ、運輸安全委員会と、とりわけ海難に於いては海難審判という形で、責任追及・処罰とは違った対応がなされます。
 今回のコンテナ船の事故も運輸安全委員会の手によって仔細が明らかになり、必要であれば海難審判によって処分が行なわれるでしょう。
 しかしそれは責任追及のために行なわれるものではないのです。
海自護衛艦衝突で首相「責任を明らかに」
 鳩山首相は28日朝、海自護衛艦と韓国籍コンテナ船の衝突事故について、「責任を明らかにしないといけない。国民の皆様にご迷惑をかけたと思います」と述べ、事故原因の究明を急ぐ考えを示した。都内の自宅前で記者団に語った。
 また、平野官房長官は同日午前の記者会見で、政府の事故への対応について、「(政権交代後)初めての事案だが、首相の指示のもと、万全に対応できたと認識している」と語った。
(2009年10月28日13時18分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091028-OYT1T00646.htm
 敢えて言うなら、「事故は誰にも責任がなくても起こりうる」ってところでしょうか。
 一国の首相なら、弁えておいて欲しいものです。

2009年10月30日(金曜日)
 宵に、全国図書館大会を口実に上京し、鷲宮神社へ行っていた某糸野氏を捕まえに神保町へ移動。取り敢えず連絡なしでコミック高岡に行ったら居たので捕獲。晩飯を一緒に食う。
 窓辺ななみを購入したのに、聖地巡礼で忙しく、まだ崇めているだけである由。
 食後秋葉原まで歩いて移動し、Comic ZINを知らなかった糸野氏を店に放り込んで帰る。何やら同人誌を前に荷物が重くなるとか煩悶していたようだが、迷いは断ち切れたであろうか。
 善行を行うと気分が良い。

2009年10月31日(土曜日)
 昨日糸野氏と話していたことなのですが、将来的にWindows 7への移行時に、Windows XP環境をどうするか。
 もっとも、Windows 7のProfessional / UltimateにはVM上で動くXPモードがあるのですが、クリーンなマシーンを用意されてもねぇ……。それに、DirectXを使用するようなものは全滅必至。
 で、やはりここはVMWareだろうと。
 つい最近、VMWare Workstation 7とPlayer 3がリリースされましたが、Playerはとうとう単体でVMを作れるように。Workstationの意味ってなんなんだろう? 他にもUnityモードというXPモードの“アプリケーション実行”相当機能とか。
 それはともかく、VMWareはVM上でWindows 7を動かせるという代物なので、DirectXを含めた再現度は高い。どうせならコイツを使った方が良いに決まってる。
 既存環境をVMware vCenter Converterでも使ってVM化して、プロセッサとメモリを山と積み込んだ64bit版Windows 7で動かせば事足りるのではないか、なんて思ったりしたわけです。
 こっちの方が後腐れないよなぁ、やっぱ。