哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2008年10月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2008年10月1日(水曜日)
 経済問題、とりわけ現在進行形のそれについては全くの門外漢なので、現在の世界経済の状況をとやかくは言いません。私は歴史学徒ですので、終わった後に分析するのがお仕事です。
 それはともかく、現下の状況はJapanologyウォッチャー(笑)としては実に観察しがいのある状況でして、久方ぶりの「Look East」風潮であります。
 んで、これ「のろのろ「日本式」金融がまた流行するのか——フィナンシャル・タイムズ」。
 断っておくと、私は記事の内容の当否については全く見識がありません。当を得ているのか見当違いなのかも、分からない。分かるのは、アメリカが危機にあり、その時日本が(比較的)順風であれば、このような論調が必ず擡頭する、ということだけです。
 歴史は繰り返される、という訳ではないのですが、つまり日本がもてはやされる季節がやって来たというわけなんでしょう。勿論ただの季節ですからいずれ過ぎ去るのですが。

 しかし……物の見方とは面白いものですね。
 日本人からすると、物理的に小切手を送り合う米国の決済システムは非常に非效率的なものに見えますが、逆にクレジットカードの利用しやすさでは日本は劣っているように見える、と。
 一方で日本ではEdyやらSuicaといったプリペイド/ポストペイ式の電子マネーの普及によって、小銭の流通量が億円単位で減っていたりと、発展というものは一様ではないのだなぁとかなんとか。


2008年10月2日(木曜日)
 特に事故などもなく順調にミッションをこなしたのでこの日記では採り上げなかったのですが、中国が“神舟7号”で三度目の有人宇宙飛行を成功させました。今回は宇宙遊泳も行い、より意欲的だった一方、使用した宇宙服は中国製とロシア製を比較して後者を採用するなど、きちんとした判断の下に行なわれていることを感じました。
 正直、見習うべきところが多く、批難するべき点はないように思うんですがね。
 ただ、画伯に教えられたのですが、なぜか松浦さんのblogが炎上しているよーで。
 大部分の人はネタとして遊んでいるだけなんだろうから、マトモに相手しなきゃいいのに……とか思いますな。
 やらなきゃいけないことは他にも沢山あるでしょーが。

2008年10月3日(金曜日)
 三菱化学より「3.5型FD(フロッピーディスク)販売終了のお知らせ」。
 それまでの5.25 inchフロッピーなどのぺらぺらだったパッケージ対して、堅いプラスチックのシェルに入り、金属シャッターを備えた3.5 inchフロッピーディスクの登場は、単価の高さもあって賛否両論でした。
 しかしその後のパーソナルコンピュータの普及に伴い、5.25 inchフロッピーなどに比して扱いに気を配らなくても良い3.5 inchフロッピーは占有率を伸ばしていきました。
 一方でプロセッサの高速化、主記憶、外部記憶装置の大容量化に対してフロッピーディスクの容量は足止めを喰らい続け、商用ソフトがフロッピー7枚組とかで頒布されるに至り、90sに入って普及を始めたCD-ROMなどに立場を奪われ、徐々にその勢力を失い、BIOSアップデートや緊急起動用途、DSP版Windowsのオマケなど、常用しないデバイスとなり果て、昨今では最初から積まれていません(笑)。
 いずれ、「そういうものもあった」と語られるようになるのでしょう。
 祇園精舎の鐘の声〜〜〜〜。

 以前はくほー氏の脳内世界地図では中国が日本海に面しているという素敵な形状をなしていると書いたことがあったが、先日職場でも同じような話があった。一体日本の地理教育はどうなってるのだろうか?
 とはいえ、私も主要国以外は位置関係が大分怪しいですが。バルト三国を北から順番に、とか言われると、南端がリトアニアだけと、残る二箇国はどっちがどっちだっけ?となりがちです。
 しかし、地球の裏ならともかく、すぐ庭先の地理くらいは憶えておきたいものです。

 注意喚起です。
 ASUSから発売されたEee Boxですが、Dドライブにマルウェアが感染しているそうです
 ASUSは確か前はリカバリCDにクラッキングツールを入れてたんだっけ? ……なんでこういう間拔けなことをするんだ?


2008年10月4日(土曜日)
 うっかり本を読んでいたら、近所のスーパーの閉店時間を過ぎてしまった。買い物があったのに……。
 明日は横浜へ行っちまうから、今日買い物しとかなきゃ、だったのに。
 ま、いっか。

2008年10月5日(日曜日)
 そして国際航空宇宙展2008へ。
 まあ、航空産業界では日本なんて場末もいいところなんで、新機種の発表とかあるわけもないわけですが、四年に一度しかやってないので、内容がびみょーであっても行かざるを得ない(笑)。毎年だったら多分行ってないな。
 それにしても、朝の待ち合わせ場所に、全員同じ電車で到着したことにはちょっと笑った。

2008年10月6日(月曜日)
 午前休取って通院。
 ぼんやりと診察券を見ていたら、ちょっと驚いた。
 生年が和暦で入っているんだけど、元号を示す頭文字が「T」「S」「H」の三つしかなかった。
 「M」はどこへいった……?!
 大正元年が1912年だから、当然明治45年も1912年だ。1912年生まれの人は今年で満96歳……。
 確かに明治生まれは居ないとは言わないが、最低でも96なんて歳なんですな……。元気よく外来に通院してくる明治生まれというのは、最早存在しないと言うことか……。

2008年10月7日(火曜日)
 ハリセン本の第2版が12月発売、と。メモメモ。
 しっかし、この本もVがなかった頃のから何冊持ってるんだか>自分

 パリモーターショーでPininfarinaが電気自動車「B0」を発表したそうな。2009年より量販予定とかいう話だけど、ほんまかいな。電池回りは仏Bolloré社(の子会社のBatScap社)らしいけど。
 最高時速130km、航続距離は250km。バッテリ重量は300kgで容量30kWh。バッテリとは別に回生用のキャパシタを積む、と。バッテリ/キャパシタは床下レイアウトで、モータはフロントに置いて、前輪駆動。
 ふむ。手堅いというべきなのかな。
 i MiEVの場合、バッテリ重量が165kgで容量が16kWh。航続距離が160kmくらいだったと思うので、特に何か技術的に凄いというわけではないのですな。
 モータの配置もガソリンエンジンを置換した格好で、In-Wheelモータとかいうわけでもなく。折角のモータ駆動なのに等速継手とか使うなんて……とか思うのだけれど、現用の自動車技術の流用ができるという点では手堅い。
 結局のところ、この手の電気自動車って、バッテリ生産量の問題に帰結しちゃうんだよな。

 サイバーダイン社、10日よりHALを販売開始
 なんか各国軍部のダミー企業が次々と発注をかけそうなんだが……。

 ノーベル物理学賞に南部陽一郎、益川敏英、小林誠の三氏が選出。事由は対称性の破れについて。(プレスリリース
 素晴らしい!


2008年10月8日(水曜日)
 物理学賞に続いて化学賞でも日本人受賞者が。“緑色蛍光タンパク質GFP の発見と開発”に対し、下村脩、マーティン・チャルフィー、ロジャー・ツィエンの3氏に対して。
 素晴らしい!
 個人的にはスウェーデン王立アカデミー日本語のプレスリリースを用意していたことに驚いたわ。
 しかし、親子揃って著名人とは恐れ入る……。

 マンナンライフ「蒟蒻畑ポーションタイプ」の製造を一時中止
 低能が権力を握ると碌なことにならないな。
 岐阜1区の有権者は激しく反省してくれ。


2008年10月9日(木曜日)
 10月9日は「ハングルの日」らしい。1443(正統8)年に李氏朝鮮第四代国王である世宗が「訓民正音」を発布した日にちなんでいるらしい。
 文字の歴史の中で言えばかなり新しい文字に分類され、新しいだけにそれなりに合理的で、よくできている。韓国語に特化して生み出されたため、他の言語を記述するのには向かないが、それは利点の裏返しでもある。運筆が少々書きにくいが、漢字程でもない。
 韓国人がこの文字を大いに誇ることには、一定の理解ができる。
 もっとも、その文字でどれだけの文学的蓄積を行ったか、については、目立った物がないのがなんとも寂しい限りなのだが。

 今年のノーベル物理学賞受賞者のうち、南部博士を巡って、日本人だとかいや違うだとかいう言説を散見して思う。
 以前書いた記憶があるけど、日本人と日本国民は似ているようで違う。
 南部氏は米国籍を取得し、その際に日本国籍を放棄しているので日本国民ではない。これは間違いがない。
 では彼が日本人ではないのか?と言われると、日本人の定義に依る。日本人≠日本国民という定義なら、彼が日本人に含まれていても何らの不思議はない。大体、そういう話は日本だけの話ではなく、世界に枚挙に暇がない。
 南部氏本人が自分を日本人と思っているかどうかは、残念ながら私には知る術もない。
 個人的には「日本国民の」と書いて精確な記述を心がけるのも悪くない思いますが、曖昧なままにするのも日本的で良いかも知れません。


2008年10月10日(金曜日)
 「掃除機用 吸引ノズル」というものを見かけた。
 蒟蒻畑を販売中止にするより、こういった器具をご家庭に配備するほうが良いのではないかと思う。例えば置き薬の箱の中や、救急箱にこれを入れておく、それだけで救われる命があるのではなかろうか。

 え? ジャイアンツ優勝? なんでまた?(おい)
 でもCSがあるからな。


2008年10月11日(土曜日)
 起きたら11時。
 まったりと日暮らし、夕方には自転車に乗る。
 買い物に行って珍しく甘味を買い、家に帰る。
 本を二冊読み終え、三冊目に取りかかる。
 充実とした一日。

2008年10月12日(日曜日)
 なにやら南部氏の受賞に伴って、国籍法の改正が俎上に上がっているらしい
 現在の日本の国籍のあり方については、私自身疑問に思っているところが多々あるのだが、それはそれとして、安易な二重国籍の容認もどうかと思う。
 世界のニュースに目を通していると、オーストラリア国籍とイスラエル国籍の二重国籍者と、オーストラリア国籍とレバノン国籍の二重国籍者が戦場で殺し合う、なんて話題にぶち当たったりする。オーストラリア政府は国として国籍保有者を保護する目的で脱出用の飛行機を両国に派遣とか、そんなことになる。
 元々移民国家で原理的に多重国籍な国家と、元々が血統主義の国では、二重国籍の意味合いが違ってこようかと思う。むしろ私としては、日本に居住する両親から生まれた子供は親の国籍に関わらず日本国籍を与え、20歳までに国籍選択をさせる制度(生地主義)を先に成立させるべきだと思う。
 幾ら血統主義で両親共に日本国籍でも、外国生まれの外国育ちで日本語も碌に喋れない輩に日本国籍をほいほい与えるのは如何なものかと、切に感じているもので

 なんか米国が対北テロ指定国家解除とか流れている。
 まあ、アメリカにはアメリカの事情があろうし、恐らく、外交チャンネルでは日本側と非公式の交渉が事前にあったはず。この辺の外交ってのは公式なやり取りだけでは分からない部分があるので、関係各所の動きを注意深く見守る必要がある。
 外務省の発表を見る限り、慌てた様子もないので、日本側も承知の上での既定路線だったのだろう。
 ていうか、米国が譲歩するのは暫く前から見えていたので、どうやって日本の内国感情を刺戟しないように発表するかに腐心した感がある。


2008年10月13日(月曜日)体育の日
 考えてみると、こんな涼しい時期にやったんだな>東京五輪

 「形は国が決める? こんにゃくゼリー 自民、議員立法へ 消費者行政迷走とな。
 モチはのどに詰まるものだという常識を多くの人が共有しているで済むんだったら、「蒟蒻ゼリーは喉に詰まるものだ」という常識を共有するのが一番楽な対処だよ。圧倒的に死者が多いのは餅なんだから、規制するなら餅からだろ。
 馬鹿馬鹿しい。阿呆に権力を持たせると碌なことにならんな。


2008年10月14日(火曜日)
 北海道から「北方領土で日本のTVもう見られない!? BSデジタル化で受信困難とかいう奇天烈な記事。
 北方領土の帰属問題はさておき、旧ソ連領のテレビ放送はSECAMじゃねぇのか、と。既存のBS放送にしたところで、アナログ放送はNTSCで送出していることには変わりないわけで、お前らそもそもどうやって観ているのか、と(苦笑)。
 観たかったら、頑張って観るでしょう。
 一昔前の秋葉原といえば、露西亜人が家電製品を求めてうろついていたものですが……。

 経団連が「経団連:移民受け入れ提言…人口減対策 定住前提にとか言っているらしい。
 私は移民受け容れの考え方そのものに反対はしない。
 が、受け容れに伴う社会コストの増大を、雇傭企業側が全面的に負担することを条件としたい。過去にも書いているが、現時点でも碌でもない状況に陥っているのに、ただ無策に移民を受け容れれば結果がどうなるかは推して知るべし。
 それよりまず現状をどうにかするために金を出せ>経団連

 「「eポルシェ」が2009年に登場か、独誌が報じるとな。
 ポルシェ博士の夢が100年の時を越えて実現するのかッ……!


2008年10月15日(水曜日)
 歯医者の予約があったことを、職場に着いてから思い出した水曜日。

 どうもここのところ物忘れが激しい。
 早く隠居しろとのお告げに違いない。


2008年10月16日(木曜日)
 「金融危機で米国共産党が「意気軒昂」とかいう、なんと評したらいいか困るニュース。
 アメリカ共産党という組織が存在したことは、近現代史専攻であるため知っていたのだが、主な活動時期は戦前期であって、現在も活動していたことにそもそも驚いた(おい)。確か冷戦期に一度非合法化されていたような気がしたのだが……。
 まあ、曲がりなりにも自由と民主主義を標榜する国のことだから、暴力革命さえ否定していれば存在は許されるのかも知れない。
 それにしても、党員3,000〜3,500人という数字を多いと見るのか少ないと見るのか、微妙なところだ。
 ゴールデンエイジの最盛期には数十万の労働者を動員して米国にデモの嵐を吹き荒れさせたかつての面影を思えば憐憫の情を抱かずには居られないが、ソビエト崩壊にもめげず、あの自由貿易主義の砦の中で4ケタの党員を維持していると考えれば凄いことのような気もしなくもない。
 それにしても、のっけから「マルクス・レーニン主義の時代がとうとう到来した」というのは凄いです。ある種尊敬の念を抱きます。
 どうか永遠にそのままで居て下さい。世界遺産に登録しますから。

2008年10月17日(金曜日)

 芸団協CPRAのウェブサイトで「放送番組に出演された著作隣接権者を捜しています」という呼びかけが。
 その昔国会図書館著作者情報 公開調査を行ったことがありますが、こういった著作権処理に関わる高コスト体質が、過去番組の配信を拒んできたわけです。
 当り前ですが、配信を行うことによって得られる利益よりも、著作権処理にかかる費用が上回れば(上回ると予想されれば)、誰もそんな赤字商売はしないわけです。かくして番組はライブラリの奧深くに仕舞い込まれ、再利用されることなく朽ちていくことになります。
 そして現行法においては、著作権処理にかかる費用、それも調査、交渉にかかる費用は膨大になり勝ちです。そりゃそうだ。権利者を草の根分けて探し出し、何度も交渉を重ねるんだから、人件費だけで馬鹿にならなりません。
 本人が生きていればまだしも、本人が既に故人の場合、誰が権利者なのかそもそも遺族にも分からないなんてことはありがちな話です。本人が生きていても、かつての芸能人人生を隠している場合など、複雑な事情が絡むこともあります。
 可能であれば法改正による対応が望まれるところです。
 とりあえず、お心当たりの名前を見かけた方は、CPRAへ協力してやってください。

 「公明「障がい者」表記を推進とな?
 寝言は寝て言え。
 私の見解は過去に言及済みだが、このような言葉狩りを率先して行おうという公明党の意見には全く賛同できない。
 どうしても「害」の字を使いたくないというのであれば、「障碍者」へと戻すべきだろう。

 最近また農薬入りインゲンで問題になっている中国産品ですが、デモ吹きすさぶタイ王国から韓国経由で「殺傷武器に突変した中国製催涙弾」なんてニュースが。
 催涙弾だとして買ったら、RDX入りの破片爆弾だった、という……。
 一瞬、「いや、中国だったらこれで催涙弾として通用するのかもしれん」と思ったことは一応内緒。


2008年10月18日(土曜日)
 月曜日は健康診断。

 下野新聞から「パラオの慰霊碑守りたいと来日という記事。
 これはとても大切なことだね。
 OWSってのはこちらかな。まだサイトには公式の情報がないようだけど、準備され次第、些少ながら寄付をしたいと思った。
 私の母方の祖父は南方だったが、激戦になる前に内地に帰ってきたため、戦中戦後の、一番ひどかった時分を経験せずに済んだらしい。しかしその祖父と入れ替わりに南方に赴いた人がいるわけだ。一国民としても、慰霊碑の手入れ費用くらい、負担しても罰はあたるまい。


2008年10月19日(日曜日)
 読書三昧の日曜日。
 飯を喰う以外は、殆ど読書に宛てた。
 毎日こうだととても嬉しいのだが。

 朝っぱらから実家からメール。なにやら画像が添付されている。
 まぁた孫(私の甥)の写真か?と思ったら、古文書。
 母の友人が所蔵する手紙らしいが読めないので読んでくれとか。
 署名を見ると「山本五十六」……。おい。昭和の文献じゃねぇか。
 しかしそこそこの能筆でかつ漢語の引用句が多く、なかなか読み解けない。
 実家に電話をかけ、書道をやってる母と二人でで読み進めるが、戦陣訓というか、戦にあたっての心構えみたいなものを書いているだけ。一体誰に(どういう関係の相手に)宛てた手紙なのかさっぱり分からなかった。日付は年号がなかったが、恐らく昭和16年1月。その時点で日米開戦を意識した文面だったのが印象的だった。
 母が言うには、地元で五十六の筆を見るのは地元で二度目だという。五十六は長岡の人なので新川とも縁があったのだろうか。


2008年10月20日(月曜日)
 朝っぱらから健康診断。
 バリウムのんでぐーるぐる……。
 こればっかりは何年やっても慣れない。

2008年10月21日(火曜日)
 「男児パンを詰まらせ死亡 千葉・船橋とな。これは大変だ。早速パンを規制すべく野田大臣が動き出すに違いない。

 キングジムの「ポメラ」が各方面で興味を引いているようで。
 ネットブックよりも更に割り切った仕様に驚きながらも、昔のNECのモバイルギアなんか思い出して、出先でメモるだけならこれでもなんとかとか思ったり思わなかったり。
 個人的にはdocomoのポケットボード様のものの方が良いように思うのだけれども。

 文化審議会国語分科会漢字小委員会の傍聴に。お題は前回から漢字の読みについてなんだけども、あれだね、結局の所、表だけ作って音だ訓だって書いても、結局同音訓異義語だの使い分けだのについては、読み手の常識に頼らざるを得ない。
 それこそアカデミー・フランセーズのような組織で辞書でも作った方が良いのではないか、と狩野さんに感想を漏らしたりした。


2008年10月22日(水曜日)
 時事通信から。
夜会合、今後も続ける=ホテルのバー「安い」−麻生首相

 「(夜の会合を重ねるのは)これまでのスタイルだし、これからも変えるつもりはない」。麻生太郎首相は22日昼、毎晩のようにレストランや料亭、ホテルのバーなどで秘書官らと会食していることを記者団に質問されて、「逆切れ」した。
 「庶民の感覚と懸け離れているのでは」という記者団の指摘に対し、首相は「たくさんの人と会うとき、ホテルのバーは安全で安いところだという意識がある」などと反論。逆に「周りに30人の新聞記者がいる。警察官もいる。(ホテルなどよりも)安いところに行って営業妨害と言われたら何と答える」「今聞いてんだよ。答えろ」と、得意の逆質問を連発した。
 飲食費については「わたしは幸いにして自分でお金もありますから、自分で払っています」と、ポケットマネーであることを強調した。 (了)
(2008/10/22-13:18)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008102200409

 正直申しまして、記者の質問がおかしい。というか、一国の首相に庶民感覚なんざ求めてどうする、と。庶民感覚で国政を操れるなら、籤引きで首相を選べばいい。
 首相の言うように、秘書官、SP、警察、記者、その他関係者を引き連れた首相やら閣僚やらが、普通のファミレスとかに入ったらそっちが迷惑だって。店もそうだし、居合わせた客も迷惑だよ。
 大体ね、記者も何訊いてんだよ。お前一体何のためにそこで取材してんだよ。ゴシップ紙の腐肉漁りじゃないんだから、もうちょっと記者として面目の立つ質問しろよ。
 一問一答が全部垂れ流しにされる時代に、脳が足りない記者はそれだけで罪だと思うぞ。

 東京で、妊娠中に脳内出血を起こした妊婦が、掛かり付けの産婦人科からの転送先を見つけるのに1時間半かかり、最終的に死亡した件。
 正直、事情を聞いた段階で、どうにもならんわ、って思った。


2008年10月23日(木曜日)
 ソマリア沖で発生している海賊被害の対策として、海上自衛隊を派遣することが検討されているらしい。まあ、そのこと自体には反対はしない。問題は人と金がきちんと付くかどうかだよなぁ。あと、装備。
 当り前だけど、全体的に海戦を想定している海自の装備は海賊対策には大袈裟に過ぎる嫌いがあるのだよね。海賊に向かっていきなり127mmもある艦載砲をぶっ放すというわけにもいかんし。
 一応特攻ボート対策としてM2は積んでるけど、海の上という環境を考えると、些か命中精度に疑問が付く。海保が巡視船に積んでいるようなFCS付きの20mmとかが丁度いいんだけどね。
 あと、移乗戦鬪もありえるから、ドアガン付きのヘリコプターと特警隊を積んでいくことになるだろうか。相手が自動小銃からロケットランチャーで武装とあっては、通常の立検隊では間に合わんまい。
 こう考えていくと……いかにもしんどい。
 そこまで積んで行ってパトロールしてても、事件発生に際しては後手に回らざるを得ないわけで。
 US-2にドアガンつけてガンボートにしてパトロールするとか?

2008年10月24日(金曜日)
 なんで通院日に限って雨が降るんだ?
 歩くと15分もかかるのに……。

 「橋下知事、女子高生を泣かす…意見交換でマジ反論とかなんとか。
 記事の書き方については悪意染みているなぁとは思うけど、内容についてはまあ橋下府知事の意見は至極真っ当だと思います。高校は義務教育ではないから、教育を受ける機会は“能力に応じて平等”なのであって、能力がなければ機会は失われるわけです。
 また、生徒個々人については奨学金制度が用意されているところですので、私学助成金の削減によって困るのは直接的には生徒じゃない筈なんだが……。まあ、生徒が学校の行く末を憂いて行動することを否定するつもりはないけど、私学助成が減らされてもなんとかなるような財務体質の改善とかをまず校内で訴えてはどうだろうかと思わないでもない。


2008年10月25日(土曜日)
 BTRON Club参加。五反田へ走る。
 自己ベスト更新、ジャスト60分で現地到着。平均時速は24km/hなり。
 到着後暫く身動きが取れなかったが(笑)。

2008年10月26日(日曜日)
 馬鹿馬鹿しいお話を一席。
もうこうなったら麻生の家に行くしかない!!の巻
 10月26日、午後3時、渋谷駅ハチ公前広場に集まってほしい。みんなで渋谷駅から徒歩15分の麻生の家に行くのだ。
(略)

http://www.magazine9.jp/karin/081022/

 結末。
「首相宅見学」ネットで呼びかけ 無届けデモ 3人を逮捕 警視庁
2008.10.26 20:06
 インターネットなどで麻生太郎首相の私邸見学を呼びかけていたグループが26日午後、東京都渋谷区で麻生首相宅に向けて無届けのデモ行進を行った。中止の警告を無視したことなどから、警視庁公安部は、デモに参加していた男3人を都公安条例違反や公務執行妨害の現行犯で逮捕した。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081026/crm0810262011022-n1.htm

 何と申しますか、どこまで行っても「馬鹿でなかろうか?」としか言えないわけですよ。「憲法九条」を金科玉条にするのは結構なんですが、その一方で「集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例」は丸ごと無視して構わない、というのでは筋が通らないと思うのですよ。
 こういうことを続けていれば、自然、支持を失っていくと思うのですがね。
 はてさて、お仲間一同の対応が興味深いところです。
 あと、個人的に思うのですが、公邸や官邸ならともかく、私邸を物見遊山に行くというのはいかにも下品だと思いますな。芸能人の豪邸に取材をかけるワイドショーのレベル。そんな品性で語られる言葉が聞くに値するのだろうかと。

 橋下氏が府知事になってから大阪府の教育で色々揉めているようですが、学力調査試験の結果を公表するかどうかでかなり激しい軋轢があったようなので、ちょっと考えてみました。
 普通に考えていくと、税金を使って実行された学力調査の結果を公表することは、理に適っています。
 けど、重要なのは剥き出しの試験結果じゃなくて、その結果をどう分析し、いかなる対策を講じたか、の方なんですよ。更に言えば講じた対策は効果が上がったのか、も読み取ることが出来るようになるでしょう。(まだ2回目なので效果は確認しきれないだろうけど)
 結果の分析からは、その他調査と組み合わせて因果関係や相関要因の洗い出しを行うことが大切ですし、それらにある程度目処が付けば、原因の推定や対策の立案などが可能になります。
 そも、調査ってのはそう言う目的で行うわけですからして。
 なので、試験結果の公表はそれ単体での意味というよりも、各自治体の教育委員会の分析・対策が妥当であるか外部の人間が評価することができるようになる、という点により大きな意味があるのではないかと思います。


2008年10月27日(月曜日)
 「6歳女児を連れ回し 未成年者誘拐容疑で男を逮捕とかいう報道に接して、どうしようかと思うわな。
 なんかにも似たような話はあったけど、善意が完全に仇になる社会になっちゃったね。
 被疑者男性は些か軽率に過ぎたとは思いますが、今後は泣いている女の子を見ても放置ですね、放置。声かけて親切心を発揮した挙句に逮捕拘留前科持ちでは全く割に合わない。
 げに世知辛い世の中よ。

2008年10月28日(火曜日)
 Gizmode経由、自転車の横向きライト。ホイールにつける反射板とかライトとかありますけど、横からの視認性を高める目的でライトというのが珍しいってところですか?
 個人的には舷灯と同じように右舷に緑、左舷に赤としたほうがより良いように思いますが。そうすれば一発で進行方向もわかりますからね。

 小形さんInternet Watchでの連載「“情報化時代”に追いつけるか? 審議が進む「新常用漢字表(仮)」」の第3部がスタートしたらしいので、見に行った。
 追加漢字の字体については、コンピュータとの関係はさほど重くないんじゃないかなぁ。国語分科会がかつての国語審議会当時の情熱を維持しているのならともかく、現実問題として、新規に追加する文字に対し略体化を推し進めることはないと思う。昭和56年の常用漢字制定後の流れからも、その方が自然じゃないかなぁと。
 だからといって略体をいわゆる康煕字典体に戻すこともないと思うけど。
 個人的願望を述べさせてもらえば、両字体を併記して「当面の間略字体の使用も認める」として「当面の間」を無限にするとかだととても嬉しいけど、そんなことにはなるまいて。
 なぜその方が良いかと言われれば、過去にも述べたし、小形さんの記事にもあるように、その方が漢字学習上の論理性が高くなるから。
 とりあえず第2回宿題を頂いてしまったので、連載が終わったあとに少し纏めて何か書こうかと思う。
 第2回単体の感想としては、「でも常用漢字表って、『この表は、固有名詞を対象とするものではない』って前書きに書いてあるじゃん」くらいですか(苦笑)。いや、だからああいうことになるんですけどね。常用漢字表の解説にあるデザイン差の同一視などは、まさに固有名詞には適用されないのだ!
 そう。まさに小形さんが書いているように、積み重なった問題のツケを払うはめになっただけだと。その点は全く同意。
 ただ、一体いつごろからこのような字体意識が生まれたのかについては、浅学にして知らず仕舞いなのだが……。


2008年10月29日(水曜日)
 遅れましたが、ドナルド・キーン先生、文化勲章受章おめでとうございます。

 ちょっと前の話題になりますが、講談社が漫画雑誌「モーニング・ツー」をオンライン上で無料公開するという情報が流れました。
 部数や流通上の、「モーニング・ツー」誌特有の問題も絡んでいるようですが、単行本を売るためのフリーペーパー化というのは、漫画雑誌の未来の形の一つなのかもしれません。
 私の場合、作家を追いかけているので掲載誌をそもそも知らないなんてケースもありますんでね……。


2008年10月30日(木曜日)
 Think Cのイベント。申し込みしてたのに、てっきり明日だと思いこんでいて、帰宅してしまった……。

 米国から、GMクライスラーの合併の報。
 まあ、已むかたなき話かな、と。
 これが80年代なら猛烈な日本叩きが起こったことだろうけど、今や日本の自動車会社は北米に多く工場を持ち現地生産をする、言わば「地場産業」化しているので、日本車メーカを叩く奴もいない、と。
 しかし、GMとクライスラーかぁ。日本では両方とも余り力のある会社じゃないから、合併してもやっぱりシェアは取れないだろうなぁ。

 「中国で銃器約188万丁など押収」という記事を読んで啞然茫然とする。
 押收銃器が187万9000挺、爆薬2583トンとか、一体なんの単位だと。放射性物質2176個に至ってはもう……。
 本当に政府が存在するんだろうな?

 8月1日に1010デノミを実施したジンバブエですが、気がついたら……
1USD=3,949,870,500,674ZWD(2008-10-30 pm)
……という途轍もない数字になっていました。(Old Mutual Implied Rateによる)
 1米ドルが三兆九千四百九十八億七千五十万六百七十四ジンバブエ・ドルであります。どこぞの仏典にでも出てきそうな数字でありますが、果たして為替相場として意味をなしているのかどうか、はなはだ疑問であります。
 伝え聞くところによると、既にジンバブエ・ドル紙幣は流通しておらず、発行されているのかも不明。市中では専ら米ドルを使っているとか。中銀の公式によれば現在の最高額紙幣は50,000ジンバブエ・ドル札なので、もし1米ドルを両替したならば、七千八百九十九万七千四百十九枚の紙幣が必要という計算になるわけですが、それだけの枚数が出回っているとはとても思えませんしね。
 南アのニュースを見ていたら、南ア‐ジンバブエ国境でニセ米ドル札が出回っているとかいう報道が暫く前にありましたが、一体現地はどうなっているのか、知りたいような、知りたくないような
 年頭の選挙以来政道は混乱を極め、与野党の連立政権は合意はすれども形は見えず、電気も止まり、放送も止まっているらしいとあってはね……。


2008年10月31日(金曜日)
 いかなる等時性か、昨日書いたジンバブエのインフレがGigazineでも採り上げられていた。
まさに天文学的数字、インフレで1ドル=約4兆ジンバブエ・ドルに
 ただ、記事の内容に少々古いところがあって、年間インフレ率が220万%というのは、既に更新されています。10月9日のジンバブエ中央統計局(Central Statistical Office)の発表によれば、昨年7月から今年7月までのインフレ率は2億3,100万%です。
 もはやパーセントという単位の意味を見失ってしまいそうな数値ですが、三ヶ月経った現在はもっと悪化しているものと予想されます。どこぞの民間の推計では10.2 Quadrillion (1015)パーセントとか書いてありますな……。Quadrillionなんて単位、初めて見たよ。えっと、1京200兆パーセント? なにそれ?
 当然このような状況下でまともに政治経済行政その他が機能している道理もなく、首都ハラレでは現在コレラが絶賛流行中。
 ちなみに、デノミ前、今年7月末時点でのジンバブエ・ドル最安値は1USD=758,530,000,000ZWD(七千五百八十五億三千万ジンバブエ・ドル)だったようです。

 追記。
 10月の最終為替レートは、1USD=11,851,630,480,952ZWDでした。
 十一兆八千五百十六億三千四十八万九百五十二ジンバブエ・ドル。