哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2008年11月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2008年11月1日(土曜日)
 田母神俊雄航空幕僚長がアパグループ第一回「真の近現代史観」懸賞論文に応募し、最優秀藤誠志賞を受賞したんですが、当該論文「日本は侵略国家であったのか」の内容がアレで更迭されてしまった件。
 とりあえず内容を知りもしないで批判してはいかんだろう、と思って論文を読んでみたわけです。
 あー。これはなんというか。
 日本には思想良心の自由言論表現の自由がありますので、田母神氏が個人としてどのような考えを持ち、それを発表しようと自由と言うものであると思います。
 しかし、公職、それも航空自衛隊を束ねる航空幕僚長として、国の見解と異なる主張を行うのは、軽率の誹りを免れ得ないと思います。退役してから心ゆくまで筆を振るえば良かったのではないかと思わざるを得ません。任期中は、個人の考えは横に置いておいて、政府見解に従うくらいの辛抱はなかったものか。
 そう言うわけで、田母神氏の解任については、已むを得ない面もあろう。政府見解を公に堂々と否定する者を、高位公職者としておくのは、混乱に繋がりかねない。シビリアン・コントロールが良く利いていることが確認できた、としておくのが良いかと。
 しかしこれが言論表現の自由を掣肘するものであってはなりません。田母神氏に於いては、退官後のご活躍を祈ります。

 ただ個人的には、論文内容については、非常に程度が低いと感じた。自ら資料を当たって文献を渉獵したわけでもなく、参考文献の一覧もなく、検証可能性が最初から顧慮されていない「感想文」のレベルでしかない。この程度の文章を堂々と公表するのは恥晒しに近いかと。
 私が査読担当者だったら問答無用でゴミ箱行きです。
 ですので、賞のレベルも相当アレですな。

 神田古本祭&神保町ブックフェアに行く。自転車で出かけたのは、「このリアサイドバッグに入りきるだけしか買わない」という戒め。
 吉川弘文館が選書を500円で投げ売りしている〜とかすずらん通りをハァハァして歩いてあれこれ本を買った。
 ああ、幸福。


2008年11月2日(日曜日)
 今日は図書館を梯子。
 面白そうな本を何冊か見つけていたのだけど、入手困難だったり絶版だったりで、図書館で借りることにしたのだ。
 まずは北区立滝野川図書館へ。分館が沢山あるのは地域にとっては良いのだろうけど、蔵書も分散してしまうのが難点。勿論取り寄せは出来るのだけど、それを待っていると本への興味を失ってしまいそうなのだよなぁ。
 ともあれ、西ヶ原駅で降りて、徒歩数分。ここから思い立って田端駅まで歩いてみる。北区在住とはいえ、旧王子区住まいで旧滝野川区側にはとんと縁がないので散歩がてら。
 そして南下し、新馬場駅近くの品川区立品川図書館へ。ここでちょっとしたハプニングが。なんと貸し出しカードが期限切れと言われる。前回使用時から時間が経ちすぎていたのが原因とか。品川区立図書館は職場の最寄りなので参考図書の閲覽ではよく利用していたのだが、貸し出しは殆ど利用していなかったため。カードを更新して、無事本を借りる。
 その足で職場へ出向いて、PCのバックアップを開始。こればかりは平日にやるわけにもいかんからねぇ。バックアップ作業中に、品川区立図書館で借りた本を読み終え、帰りに職場最寄りの五反田図書館へ返却しに行ったら、建物が無くなっていた(爆)。
 看板によると、TOC地下一階で営業中らしい。てくてく歩いてTOCの裏側から入り込み、本を返却。
 五反田駅から山手線で秋葉原へ。つくば時代からの酷使の果てに臨終を迎えてしまったイメージスキャナの代替機を購入。特に性能要求もなかったのでCanon CanoScan LiDE 200を体積だけで選ぶ。USBバスパワー駆動ってのも良し。
 しかしこれが1万円切ってるとは……。この度廃品になったGT-7800Sの立場がないね!
 家に帰って取り付けようと思ったら、PC本体のUSB端子が埋まっていたのはご愛敬。
 今日は結構歩いたなぁ。

2008年11月3日(月曜日)明治節
 昨日どこかで風邪でも拾ってきたらしく、頭痛。
 大人しく家で安静にしていた一日。

 4月29日の「みどりの日」が「昭和の日」になったくらいだから、「文化の日」も「明治の日」に変えりゃ良いのに……とか思う。
 最近、文化の日が明治大帝の誕生日であることを知らない人が増えているのは問題だと思うのよ。
 高校くらいまでの日本史では、近現代史はどうしても手薄になってしまって、明治以降の近代化における様々な課題とその克服、それに絡んだ人間模様は省略される傾向が強い。しかし、日本の明治以降の近代化プロセスは世界史的に見てかなり特異な事例に分類され、その間の政治経済社会の激変は“歴史”として学ぶだけでも驚嘆に値する。
 そして明治近代化の中心に、欠くべからざるキーパーソンとしての明治天皇の政治的な働きを知るにつれ、あの時季にあの人物が戴冠していたことに感謝する他ないと思わせられるのだが。


2008年11月4日(火曜日)
 空幕長を解任された田母神氏はそのまま定年退職と相成ったそうな。そしてその後は舌鋒いよいよ鋭く、弁舌冴え渡っているらしい。
 まあいいんじゃないでしょうか。
 日本には言論表現の自由がありますよって。
 問題だったのは田母神氏の立場を弁えない行動だったわけですので。
 しかし最近どうも、公務員が立場を弁えずに勝手を恣にする事例が目に着きますね。
 地方公務員の教員が国旗掲揚・国歌斉唱に反対してみたりとか。
 公務員ってのはそういう自由が認められない職種なんだと、何故わからんのか。上から下まで。

2008年11月5日(水曜日)
 米大統領選は、民主党のバラック・オバマ候補が大差で当確。
 対米外交が難しくなるかもしれませんな。
 それにしても、上院下院も民主党一色になってしまったなぁ。なんか碌でもないことが起きそうな予感。

 オーディオ機器には色々と怪しい商品というか科学的に立証不能なプラシーボに塗れたブツがかなりあります。1mン万円のケーブルとか。CD一つとっても、ガラスのCDだとか反射層に金を使ったCDだとかクランプが不透明だとか縁に緑のマーカを塗るだとか液体窒素に浸すだとかSuper High Material CD(SHM-CD)だとか、それはそれはワケが分からない有様です。霊感商法ならぬ音感商法とでも言うんでしょうかね。
 で、ソニー・ミュージック・エンタテイメントからも登場するらしく、その名も「Blu-spec CD」だそうな
 CD-DAの音質なんて逆立ちしたって44.1kHz/16bit以上ではないわけで、CDの材質を変えたり冷やしたりして音質が上がったりはしません。所詮CDの盤面に記録されたデジタルデータに過ぎないんだから、冷やしたり塗りつぶしたりするのは無意味極まりないですね。
 そんなことやってるくらいなら、DACとアンプとスピーカ(あるいはヘッドフォン)変えてみろと。音なんてその辺であっという間に変わるから。(要は好みの問題)
 CDに記録されている音の良し悪しということについていうなら、寧ろレコーディング技術とか、DAWの性能、マスタリング技術の向上とかの方が貢献しているはずで、同じ音源でも最新の機材で編集したほうが音が良く聞こえるなんてことはあると思います。
 残るは、精度の高いスタンパが作れれば、読み取りの際にジッタが減らせるから、サーボ回路などの負担を減らせて、多少はノイズが減るかも知れないのですが、それって所詮は誤り訂正の範囲内じゃないかと思うのだよねぇ。
 あと、ガラスとか金は、媒体寿命には大きく貢献すると思います。はい。


2008年11月6日(木曜日)
 午前中ちょっとだけ「ディジタル図書館ワークショップ」へ。なにやら懐かしい顏と再会してくる。

2008年11月7日(金曜日)
 筑紫哲也氏逝去。

 「日本でゲームをする子供の暴力性はアメリカの子供より低いという記事を読んで思う。
 研究報告を読んだ訳ではないのでこの記事に基づいて話を進めると、ゲーム(恐らく暴力的内容を含むゲーム)は子供の行動に影響を与えるが、それが原因の全てではない、という常識的な結論に辿り着く。
 当り前だが、子供の凶悪犯罪はビデオゲーム登場以前から存在している。増減というなら、日本においては減少傾向を示している。
 さて、ではなぜ凶悪犯罪とビデオゲームを結びつけるような報道がままなされるのか、と考えると、“因果関係”と“相関関係”の違いをきちんと理解していない人が多いからではないか、と思ったりする。
 教育の力の無力さを感じるところだ。

 日本の犯罪に限ると、常に問題になるのが“団塊の世代”の犯罪で、彼らが若年の時に少年犯罪が増え、学生になると暴動を繰り広げ、社会に出てからも常に犯罪率の高い世代として統計上に君臨しているわけですが、とうとう老人になって「「団塊の世代」の犯罪増加に警鐘 法務省が犯罪白書」という有様に。
 高齢者人口が約2倍なのに受刑者が6倍とか、もうどうにかしてくれと。
 細かい数字は犯罪白書が公開されてから改めて分析が必要でしょうが、老人犯罪をどう押さえ込むかは、結構重要な問題となりつつあるのですな。


2008年11月8日(土曜日)
 あちこち出歩いて、細かい用事をこなしていた土曜日。

 最近、寝る時にブリーズライト+蒸気でホットアイマスク+時々ひえピタとかいう重装備なわけですが、ぐっすり眠れるのはいいのだが、寝るためにコストがかかるというのにどうにも納得いかんものが。
 まあ、酸素チャージとか言い出さないだけマシなのかも知れないが……

 筑紫哲也氏に絡んで。
 筑紫氏について強く記憶に残っているのは、まだインターネットが普及する前、パソコン通信の時代に、ネット内議論に疲れて(本人談)、以後距離を置いたこと。その後も東芝クレーマー事件ではインターネットでの発信を「トイレの落書き」と評するなど、常にネットワーク言論へ批判的な立場でした。
 朝日ジャーナル、そしてTBSという強力な発信力を背景とした“言論”が通用しない世界が近づきつつあるのを、彼は感じ取っていたのではなかろうかと、今にして思います。
 マスメディアの落日が現実の物となりつつあるこの時季に、終焉を見ずに済んだことは幸せだったのかも知れません。


2008年11月9日(日曜日)
 先に王手をかけておきながら……逆転負けとは。
 ともあれ!
 ライオンズ日本一おめでとうございます。
 くやしーっ。

 本田技研が「体重支持型歩行アシスト」の試作機を公開したそうな
 今年の4月に公開したものより、また進歩してますね。
 旧歩行アシストやサイバーダイン社のHALが体の外側にフレームを持っているのに対して、この歩行アシストは脚の内側にフレームを持ってきたところが斬新です。
 動画を見ると、なんというか……もうこれは実用段階なのではなかろうか。


2008年11月10日(月曜日)
 家電製品とか家の備品とかが、土日で一斉に壊れてくれてどうしてくれようかと(苦笑)。中には10年以上使っていたものもあって、愛着はあれども修理は難しく、廃毀と相成ったものも。
 心理的なものだろうけど、壊れる時って立て続けに壊れるような気がするよね。

2008年11月11日(火曜日)
 漢字小委員会の傍聴へ。
 既に小形さんエントリを起こしていますが、いよいよ議題は字種の問題から字体の問題へと移り、委員の間で激しい意見の対立が見られました。
 会議冒頭に氏原調査官から北海道新聞の「一部字体が変わります」が紹介されるなど、文化庁側は表外漢字字体表を踏襲したい意図が明け透けで、阿辻哲次、納屋信委員、林史典副主査らがこれに賛成の立場。
 一方甲斐睦朗、金武伸弥、武元善広委員がこれに反対し、常用漢字表内字との食偏や之繞の部首の一致を訴えた。
 議論は完全な平行線で、落としどころなどないように思えたが、他の委員の意見が出てこなかったので、期待と不安を抱きつつ、次回25日を待ちたい。

2008年11月12日(水曜日)
 TBSのニュースらしいんですが、「参院で田母神前空幕長を参考人招致
文民統制をする政治の側にも田母神氏と同じ意見が根強くあることがわかり、政治がコントロールする文民統制が危ういものであることが浮き彫りになりました。
 この一文の意味が全く分からないんだけど、私がおかしいんだろうか?
 政治の側に田母神氏と同じ意見があることと、文民統制が危ういことが、どこで繋がるのか? 文民統制っての制度の問題であって、思想の問題じゃないぞ?
 TBSには制度理解に問題がある記者がいるんじゃないか?

 小形さんの「“情報化時代”に追いつけるか? 審議が進む「新常用漢字表(仮)」 第3部 印刷文字から符号化文字へ 第7回 『議員氏名の正確な表記』と人名表記の位相文字」の記事に、ちょっと補足したほうが良さそうな点があったので。
 脚注2の梯子高の件ですが、書道をやっておられる方になら自明でしょうが、筆書で「高」は梯子高「髙」に作るのが普通です。
 以前にも書きましたが、「筆記体」と「印刷体」における字体の相違の一パターンです。
 で、官庁等の銘板表札の原字は書家に依頼することが多いので、結果として梯子高になることが多いのではないかと思われます。
 とはいえ、「最高裁判所」の場合「所」の字は筆書風じゃないなぁ。

 ところで役所に提出する書類とかに「楷書で」って書いてあることがあるのですが、本当に“楷書”で書いた場合、上記のような事情が分からない人が読み取ると余計な混乱が巻き起こるという罠があったりします。
 まあ、「アラビヤ数字」とか、似たようなネタはあちこちに転がっているのですが。


2008年11月13日(木曜日)
 NHKオンデマンドの料金体系が決定したそうな
 この体系の場合、私は見逃しパックは選択せずに、特選ライブラリー単品販売/パック販売を主に利用することになりそう。「みんなのうた」@105円とかは、値段の割には需要が高いと思われます。
 ああ、光ファイバー……。

2008年11月14日(金曜日)
 ソマリア沖の海賊に対してNATO軍はかなり大掛かりな対応部隊を派遣しているのですが、この度英海軍のHMS Cumberlandがロシア海軍と共同で、デンマークの貨物船に襲撃を仕掛けていた海賊と交戦、追撃の果てに捕縛することに成功したそうな
 写真にはゴムボートに乗って海賊船を取り囲む英海兵隊なんぞが写っておりますが、やはりやるときはこのくらいまでやらないといけないですよね。

2008年11月15日(土曜日)
 夕刻、雨の匂いを感じながらも強行して走ったら、やっぱり雨に降られた。
 でも実はほぼ10日ぶりのサイクリング。
 風邪を引いてもいい。どうせ仕事はアレだし。
2008年11月16日(日曜日)
 コミティア
 思わぬ人と出会い、本を見られた(笑)。

 コミティアからの帰りに、新木場で降りて、夢の島公園内第五福竜丸展示館へ閉館間際に滑り込む。
 個人的にはこの船を保存する意味は殆ど無いと思うのだけれども、第五福竜丸が罹災後に他の用途に使われていたことを知ることが出来たのは良かったかも。っちゅーことは、廃船になった船をわざわざ“第五福竜丸”に仕立て戻したわけで、いよいよ意味のないことだったんじゃないかと思わないでもない。
 展示を見ていると、なんというか、解説の視点が非常に一面的に固定化されていて、もう少し当時の世界情勢とか米軍側の事情とか書いとかないと、若い人達に誤った先入観を与えやしないか、些か心配だった。

 その後ふらふらと本屋に寄ったところ、GA文庫の「迷宮街クロニクル① 生還まで何マイル?」に眼を惹かれる。
 なんだろう。
 この作者名に見覚えがある……。
 暫く考えて、「ああ、『和風Wizardry純情派』の人じゃん!」と思い出す。どうやら中身は『和風Wiz』のリライトらしい。
 即買い。


2008年11月17日(月曜日)
 共同電で「ブログで日本の国民性称賛 修学旅行で中国の高校長などという記事があり、原典を探してみたところ、どうやらこちららしい。
 翻訳サイトを使ってざっくり大意を摑んでみましたが、本人と学生が日本を訪問して受けた衝撃を正直に綴っているように読めました。
 良いことなのではないでしょうか。できるだけ若い裡に、日本を見聞することは、中国の学生さんたちにとっても、日本にとっても、良い影響を及ぼすと思います。特に、言論の自由が著しく制限されている側にとっては。
 他国の良いところ、悪いところを学ぶことは大切ですが、それよりなにより、自分たちが暮らしている社会とは違う文化を持った社会が存在することを、肌で実感することは極めて重要です。この認識はなぜか非常に難しく、相当な教養を積んだ人でも、うっかり異文化を自文化の尺度で判断してしまいがちです。
 引いては、これは歴史学習においても重要である「現代の尺度で過去を測ってはいけない」に繋がります。たとえ自国の歴史であっても、過去は現在とは違う尺度で動いていたということは、常に記銘すべきことです。
 私たちは相互に理解しあえないという前提の上で、言葉を重ね交渉を続け、粘り強く落とし所を探っていかねばならないのです。

 Genesis先生も注目している某かたわ少女ですが、公式サイトがオープンとかなんとか。
 今年の2月頃話題になっていたやつですが、果たしてプレイアブルになるのはいつの日か。
 遅々として進んでいるところは好感が持てます。

 「ソマリアの海賊活発化、クリスマスのプレゼントに影響とかなんとか。
 ソマリアのアデン湾に面した地域というとソマリランドとプントランドですかね。どちらも独立を宣言してたりするわけですが。後日注:どうやらプントランドが主たる海賊の根城らしい
 一日辺り4件というのは最早看過し得ないレベルだとは思うのですが、ソマリアの政府が事実上機能していない状態では、現地政府による取締りは全く期待できず、結局のところ利害のある諸国連合による海上治安維持活動が必要になるわけです。当然、日本も「利害のある諸国」に含まれます。
 民間軍事企業のブラック・ウォーター社がソマリアの海賊対策“事業”について参入する意向とかで、全長55mでヘリコプターを搭載した警備船を派遣するとかなんとか言っていますが、やはりまだこう言うのは軍隊がやるべきなんじゃないかと思わないでもないです。はい。


2008年11月18日(火曜日)
 「NARUTO海外同日配信クランチロールで ク社違法投稿全面停止」とかなんとか。
 昨年来そのような動きが活発化してきたのですが、本件の場合放送局が自らやっているところが目新しい点です。赤字転落で危機感があるんでしょうかね。
 手後れのような気もしますけど。

 東京電力から「東電、電気自動車300台を導入 09年度というニュース。
 一度東電のi MiEVを街で見かけたことがあるのですが、試験結果が良かったんでしょうかね。
 しかし……生産台数2,000台(予定)のi MiEVの分捕りあいが起きそうな勢いなんですけど、大丈夫なんでしょうか。
 日本での販売開始は来夏を予定していますが、一方で米国でのモニターテストも予定されているんですよね。英語サイトまであったりして。

 韓国から「「訓民正音、モンゴル‘パスパ文字’の影響受けた」…高麗大教授」とかいう記事。
 記事中にもありますがパスパ文字とハングルの類似性は、韓国国外では隨分昔から指摘され広く知られているところです。
 さらに言えば、当時の音韻学そのものが、パスパ文字の基盤ともなった印度学問の影響を受けているので、当時の学者が先行研究を参考したとするなら、それらの影響がなかったと考えるほうが乱暴です。
 それと、実のところ「訓民正音」(1446年)そのものが、当時既に存在した古ハングル文字を纏めて整理したものという側面が見られるわけでして、世宗による創案とかいうのも神話伝説の類ですね。
 もっとも、だからといってオリジナリティに欠けると言っているわけではなく、以前にも言及しましたが、ハングルは韓国語を表記するのによく考えられた構造を持っており、彼らが誇るに足るものであると考えます。
 ただ、言うに事欠いて、神話伝説を騙られても困るというだけでして。


2008年11月19日(水曜日)
 なーんか中国から偽造100円玉が入り込んでいるそうな
 以前、偽造500円玉も大量に押收されたことがありますが、どうも中国に大掛かりな通貨偽造団があるようですな。
 100円玉なんて偽造しても利幅はたかが知れているとは思うのですが、かといって放置もできません。ここいらでデザインを一新するというのも、一つの手かもしれませんね。

 米澤穂信新刊が21日発売なので、今日辺り出回っていないだろうかと神保町へ行ったが、なかった。


2008年11月20日(木曜日)
 昨日の偽造百円硬貨件。考えてみると硬貨デザインの変更って、経済效果もあるんですよね。自販機など硬貨を扱う機器が対応しなければならないためなんですが、この不況の折、内需の刺激が求められているわけですから、思い切った変更は良い案かもしれません。とはいえ、大きさ(直径と厚み)は維持しないと不便のほうが多くなりそうですけど。ですので、材質の変更とそれに伴う重量の変化、そして意匠の変更ですかね。
 製造法を変えるってのもありかな。爆発圧着で別の金属を仕込むとかいうのも面白いかも。

 一昨日テレ東の海外向け配信を話題にしましたが、今度は日テレとか。日テレとテレ東は今期赤字に転落したテレビ局なので、それなりに必死、ということなのか。
 手後れ感が凄いのですが。

 米澤穂信の新刊「儚い羊たちの祝宴」は無事確保。


2008年11月21日(金曜日)
 ハワイ沖で行われていた弾道ミサイルの迎撃試験で、失中があったそうで。
 記事を総覧したところ、標的弾の発射時刻を教えないできちんと迎撃体勢が取れるかどうかを含めた試験だったらしく、DDG-176ちょうかいはSM-3ミサイルの発射までは順調にこなしたものの、最終誘導段階で迎撃ミサイルのセンサーが標的を失探し、失中したというものらしい。
 まー、それならしょーがねーべ。
 日米合わせて16回の試験で失中が4。今のところ成功率は75%ですか。であれば一度に2発射てば取り敢えず94%くらいの成功率になる筈ですな。性能が足りない分は、数で補うしかないわけでして。

 「NHK-FM「サウンドストリート」の録音テープをネット配信」という記事を見て絶望感に浸る。
 ただし、著作権の関係で残念ながら選曲部分は中抜きし、DJのトーク部分のみを編集。番組じたいは40〜50分だったが、15分前後になっている。
 一体、なんのために……。

 「神奈川県立高生の個人情報流出で、Share放流者を日本IBMが特定へ」の記事で凄いと思ったのが、Shareネットワーク上で検索・入手可能な状態にあるデータを削除する方法を確認したという点で、何処まで本当かは分かりませんが、IBMが本気になると凄いな、とか思いました。


2008年11月22日(土曜日)
 土日を利用して帰省。
 実家のコンピュータ回りのサービスマンになる予定。
 そんなの本職じゃないんだけどなぁ。

2008年11月23日(日曜日)
 帰京。

 私ゃSIerじゃないんで分かりかねるんだけど、実家の電子カルテ/デジタルレントゲンシステムを見て、一体これはなんじゃいな?と疑問には思った。特にデジタルレントゲンシステムの方は、サーバもクライアントもWindows XP Proで、診療椅子の側にHP製のPCが鎭座坐していた。クライアント側でやることは精々画像の表示と簡単な入力くらいなんだから、こんな作業にPC一台用意するのは資源の無駄というものではなかろうか。サーバ側を少々増強して、クライアント側はシンクライアントにするのが良い構成なんじゃないかと。その方がトータルコストも抑えられるだろうし。
 コンピュータに詳しくない顧客を適当にだまくらかしてるんじゃないだろうなぁ?

 産経に「離島間輸送に活用 沖縄に水上飛行機なんて記事があって、一体誰だそんな趣味的なことをやってるのは、と調べてみたらこちららしい。
 個人的にはUS-2民生型の方が有望なんじゃないかと思わないでもないですが、フロート付きの水上機も悪くない上に、上記試験機は推進型という趣味丸出しで素晴らしいですね。
 是非とも頑張って下さい。


2008年11月24日(月曜日)
 徳島から目を疑うような記事が。
 「徳島空港:「徳島阿波おどり空港」に−−利用促進協・愛称選考委 /徳島」ですと。
 何パーセントくらい本気なんでしょうか。ほくほー氏に訊いてみたい。

 冬コミも近づいてきましたが、準備会からお知らせがありましたので、こちらからもリンク。
 「有限会社木内印刷の搬入企業登録をお断りすることについての告知
 木内印刷を利用しようと考えていたサークルさんは、ご注意下さい。


2008年11月25日(火曜日)
 今年相次いだ硫化水素自殺の“原材料”として知られるようになった六一〇ハップを製造・販売していた武藤鉦製薬が廃業、解散とのこと
 あまりにも酷い結末。
 自殺者本人は元より、報道によって被害を拡大したマスコミ各社の責任は決して軽くない筈。

 郵便配達に電気自動車導入という話が以前ありましたが、「三菱自、郵便事業・銀座支店が新世代電気自動車「i MiEV」を試験導入と実験配備が始まった模様。
 しかし、先日東電が300台導入と放言したばかり。果たして郵便会社は一体何台仕入れるつもりなのか。既に2千台の分捕りあいが発生しそうな勢いです。

 漢字小委員会の傍聴へ。
 小形さんが速報を出すと思うけど、今回は白熱した……というか灼熱の議論だった。更には委員のぶっちゃけすぎた「本音」まで飛び出し、傍聴していた人は実に得をしたと言わざるを得ません(笑)。
 特に阿辻先生の「自分たちが飲み食いしたわけでもないツケを払わされている」発言は、恐らく関係者一同深く肯んずる所ではないかと思料致しますです。

 ホワイトリング終了のお知らせ
 とうとう滅亡したか。善哉善哉。

 昨年独裁者になり損ねたチャベスたんですが、「チャベス大統領、終身大統領を可能にする憲法修正案の提案を検討とまだまだ諦めてないご様子。
 素晴らしいですね。
 やはり権力を握った革命家というやつはかくあらねばなりません。赤い貴族となって身内を登用し、軍や警察を用いて粛清、弾圧を行い、市民には幸福を強要するわけです。
 嗚呼なんと言うステレオタイプ。
 マスゲームでも始めねぇかな。


2008年11月26日(水曜日)
 昨日漢字小委員会だが、産経がとりあえず「「しんにょう」の点は1つ?2つ? 結論持ち越し 文化審漢字小委として記事にしていた。
 之繞が一点だろうが二点だろうが「辵」(7画)の省略形であることには変わりないので、好きにしたら良いんではないかと思わずにはいられないわけですが、ぶちまければ、昭和24年の当用漢字字体表がそもそもの出発点であり、当時の「手書き字体と印刷字体を一致させる」「漢字制限から最終的には漢字廢止へ」という方針が現在抛棄された以上、どこかで誰かが泥を被らねばならない問題であります。
 60年前の施策を「誤りであった」として全否定できればそれはそれで筋が通るのですが、当用漢字/常用漢字で採用された略字体は既に世間に浸透しており、今さら逆転できるとも思えません。
 結局、過去にやっちまったものは仕方ないからそのままにして、新しく追加するものについては出来るだけ意図的な操作を行わない(現在の使用実態に合わせる)のが、妥協点として浮上するのは帰結という気がします。
 無論、妥協点には多少の揺らぎはあるでしょうから、今般の「曽」「麺」「痩」の三文字のみ簡易慣用字体を採用、というのもアリでしょう。

 知らなかったのだが、「国立国会図書館法の一部を改正する法律案」が審議中らしい。
 でだ。
 法案を読んでみた。
 ……。
 金の無駄遣いだ。
 だこんな馬鹿気た法案を提出したイカレポンチは?


2008年11月27日(木曜日)
 小形さんとこの「[文字コード] Googleが携帯電話の絵文字をUnicodeに提案」から、kazamaさんの「[I18N] 携帯の絵文字のUnicodeへの収録」を経て「絵文字のユニコード符号化: 符号化提案用のオープンソースデータ」へ到着。
 2002年にキャリア間での交換が始まった絵文字ですが、いよいよ海を越えますか。そして行く行くはUnicode登録ですか。
 夢は広がりますね(棒)。
 ところで絵文字は大抵カラーなんですけど、Unicodeのコードブックも多色刷りになったりするんでしょうか。ていうか、フォントデータってカラーデータ持てないよなぁ、とか。
 全て忘れて酒飮んで寝るのが一番かね。

2008年11月28日(金曜日)
 航空自衛隊イラク派遣部隊へ撤收命令が発令されました。
 これにより、5年前、陸自・空自(それと外務省)によって始まったイラク復興支援はひとまず終了することとなります。
 イラクの情勢はこの5年、一進一退の観がありながらも、それでも治安はひとまず好転と言って良い段階に入ったかと思います。
 しかし日本にとっては、これは一つの終わりというよりも次なる始まりであるように、私には思えます。
 インド洋での補給活動は、ソマリア沖における海賊対策へと拡大が取りざたされていますし、オバマ次期米政権はアフガニスタンへの陸戦兵力派遣を日本に求めてくると囁かれています。そして現在もなお混沌を極めるアフリカ大陸への介入はいつ要請されるか分かりませんし、それよりなにより、極東周辺の緊張度は全く下がっていません。
 一つの山を越すと、次の山はもっと険しいという、些か閉塞感すら感じる状況ではありますが。

 来年五月施行の裁判員制度の裁判員候補者に登録通知書が発送されたそうで。その数29万5027人。確率352分の1ということですが、果たしてウチには送られてくるでしょうか……。まあ、あくまで候補者であって、実際の公判に於いては更に抽籤・選拔が行われるのでそうそう裁判員になるものではありませんが、もし運命の悪戯が作用した暁には、謹んで拜命したいと思っております。
 法律の素人による社会の常識を反映した司法、と言うコンセプトなら私は適任でしょうしね。
 それはともかく、長らく停止されていた市民の裁判への参加が今後日本の司法に与える影響は、要注目ですね。


2008年11月29日(土曜日)
 もじもじカフェへ。
 チベット文字については概略しか知らなかったので、色々知見が広がって良かった。

2008年11月30日(日曜日)
 昨夜は糸野氏が当家に投宿。今日は朝から横浜
 帰ってきてから自転車で20km走ったりする。

 朝っぱらからNHKでも、0系新幹線車輛が引退とかいうニュースを垂れ流し。ほのぼのとしていて良いんだけど、他に伝えるべきことはないのかと一抹の不安を抱かんでもない。
 ただ、今思えば、1964年にあのような時速200km以上で走る鉄道を走らせていたんだよな、この国は。
 未来への夢や希望の種撒きをすることはとても大事なことですからね。是非とも中央リニアは着工して欲しいものです。