2025年10月1日(水曜日)
本日からNHKのネットサービス「NHK Plus」が「NHK One」へ模様替えしたのですが、初日から苦難の船出となったようです。
私も漏れなく巻き込まれまして、なかなかサービスへの登録ができませんでした。
正直言えば、10月1日開始のサービスの登録を10月1日から始めればこうなるのは目に見えていたというか……。
実際、そっち系のメディアでは「想定内」という報道も見られました。
上掲記事にもありますが、普通はこういうのは移行期間を設けるものだと思うのですが、放送法の縛りがあるNHKのネットサービスではその方法が採り難かったことは想像できます。次回以降の放送法改正に際しては移行期間について定めるべきでしょう。しかし旧サービス終了/新サービス開始のタイミングは仕方ないにしても、アカウント移行については事前登録などができたと思うんですけどね。
あと個人的には、「.nhk」というブランドTLDの実運用を開始したことですかね。防衛的目的で取得していたと思っていたのですが、まさかの運用開始に驚きました。
ところで、wwwはWorld Wide Webの略なので、www.webというサブドメインは意味が重複してるように見えるわけですが……。ともあれこれでNHKはnhk.or.jp、nhk.jpに加えて.nhkというドメイン名を運用することになりました。流石にどこぞの自治体のようにどれかを手放したりはしないと思うのですが……。
ともあれ、NHKには今回のトラブルをクローズアップ現代あたりでネタにして欲しいものですね。新プロジェクトX…いや、これが我が社の黒歴史かも知れませんけども。
2025年10月2日(木曜日)
Amazon kindleのwebリーダが日本語の縦書きに対応したらしい。
ちょこちょこと試してみた感じ、それ程悪くない印象。とりあえず使い物にならない、というレベルのものではない。時々読めない本があるけど……どういう条件かは不明。とりあえず小説や新書くらいなら問題なさそう。
こうなると次にやって来るのはkindle for PC(K4PC)とかのデスクトップアプリの廃止かなぁ……。あの辺はデータをPCにダウンロードする関係でDRMの突破口になって久しく、Amazonとの鼬ごっこが続いている。AmazonとしてはK4PCを廃止してしまえれば安心だろう。
PCで書籍データをダウンロードしてUSB経由で転送といった機能も廃止されたし、やはり生のデータをユーザに触れさせたくないという傾向はずっと続いているんですよね。
でもそれだとユーザの手元にデータが残らないので、アカウントが失効すると全電子書籍が読めなくなるという、恐ろしい危険性と裏腹なんだよな。せめてDLしたデータくらいは読み続けられる、という形にはならんものか。
2025年10月3日(金曜日)
そういえば最近Windowsのcopilotで画像からテキストを抽出させると、既存のOCRでは起きないような妙な読み間違いをしばしばすることに気づいた。
既存のOCRの場合、形状が似ている字を判別間違うことがあったんだけど、copilotは似たような図形的な単語やフレーズに置き換えて出力する感じ。なので固有名詞を頻繁に間違えてくる。人名地名の有名どころならいいんだけど、ファンタジーの片仮名地名・人名なんかはかなり高確率で適当な文字列を返してくる感触。
なので使い所が限られるな、という感想。ビジネス文書や公文書みたいなのは結構行けると思うんだけど、読ませる物によってはハルシネーションだらけで自分で手入力した方が早いなんてケースも。
OSにビルドイン状態なので使い易いところはメリットだけどねぇ……。
2025年10月4日(土曜日)
自民党総裁選は高市早苗が勝利。順当に行けば、日本初の女性総理となる予定。
個人的には松下政経塾出身の政治家は信用できないと思っているのですが、それはそれとして、今回立候補した5人の中から選べと言われたら消去法でこの人だろうな、という感はあり。ただ、決選投票になったら小泉進次郎に負けるんじゃないかなぁと思っていたので、決選投票で競り勝ったのには多少意外感はあった。
得票の内訳を見ると、進次郎、党員党友にここまで嫌われたか、という……。議員票を集めるのには成功して、1回目投票では議員票1位、決選投票でも高市とほぼ同数の票を手にしながら最終的に一敗地に塗れた原因は、どう見ても党員・党友票が集まらなかったからだとしか。
もともと進次郎の支持層は60代以上のリタイア世代が中心だったのですが、“現場”に嫌われましたかな。
進次郎が次回以降のために臥薪嘗胆するにしても、相当な覚悟を持ってドサ回りしないと駄目でしょうねぇ……。
ところで、日本憲政史上初の女性総理が誕生しそうだというのに、フェミニストの人たちの反応がイマイチなのはなんでなんでしょうかね。
2025年10月5日(日曜日)
新PCのCPUは所謂big.LITTLE構成なんですが、GUIアプリだと余り気にならないけど、コマンドラインからスクリプト組んでバッチ処理やらせてると、処理がEコアかPコア、どちらに割り振られるかで明らかに処理速度が変わるのが目に見えるな……。
PNG最適化処理とか、当たるコアでマジで処理速度が違う。毎回Pコアに当たれば良いんだけど、どういうスケジューラになってるのか、Eコアに当たった時は旧PCよりマシな程度の速度になったりして。
中にはEコアしか割り当てられないソフトもあったらしく、厄介な面もあったりして、CPUを割り当てるスケジューラがまだこなれてないのかも知れない。
まあなんというか、体感的にはキモいね。
2025年10月6日(月曜日)
ノーベル医学・生理学賞に阪大の坂口志文特任教授が選出、と。
「選択と集中」「事業仕分け」など日本の基礎研究に逆風が吹き荒れる中、基礎研究の重要さを国民に知らしめるものになれば良いのですが……直接の受賞対象は2003年の研究だそうなので、研究費削減の前の成果なんですよね。最悪の場合、「なんだ、削減しても成果が出ているじゃないか」なんて思われてしまわないことを切に願うところです。
2025年10月7日(火曜日)
ふと「マ・マー レンジで2分 もちもち生パスタ」なんて商品を見つけてしまい、試しにひとつ買って食べてみた。
うーん……。
電子レンジで2分で出来る、という点を鑑みれば、ギリ許せる味かな、という印象。これ麵だけでパスタソースは自分で用意しないといけないんですが、まあこれも「和えるだけ」系のパスタソースを使えは、火を使わずにパスタができあがる……のはその通りなんですが、だったら冷凍パスタの方が具が多くて良いよね、という……。
電子レンジを使うなら、乾燥パスタにダイソーとかで売ってるような電子レンジ用パスタ調理容器を使っても良いわけで、というか味はそっちの方が良い。
もちろん、この製品の良さは分かるんです。洗い物を出さない所は良いですし、熱湯を扱わなくて良いのは比較的安全です。そういう要求がある場面は間違いなくあります。ただ、自分にはちょっとニッチを外れるかな、という感触でした。
2025年10月8日(水曜日)
先日の医学・生理学賞に続いて北川進京大特別教授がノーベル化学賞に選出。
素晴らしい研究なんですが、これもやっぱり1990年代の成果なんですよね、「選択と集中」「事業仕分け」の前の。
喜びはあるのですが、一方で今後のことが気になる受賞でした。
2025年10月9日(木曜日)
ネットで話題騒然だった「支持率下げてやる」発言ですが、時事通信が自社カメラマンの発言であったことを公表。
素早い火消し対応と一定程度評価できるかと思います。
ただ、これ以外の発言もありますが、このカメラマンの発言ではないことを確認しました。
とのことなので、他社に火種は残っている模様。他社が自分の身内をどの程度きちんと調べられるかで、今後の時事の評価が上がることもあるかと。
はてさて、他社は時事に続く報道機関は出てくるのか。Webメディアや週刊誌あたりの取材で発言者が特定されて火達磨になるまで放置するか、時事には遅れても損切りに踏み切れるか。
注目ですね。
2025年10月10日(金曜日)
公明党が連立離脱ですか……。条件闘争だと思ってたんですが、そうではなかった、と。
公明党としては自公足しても衆参両院で過半数を下回っている現状、自党の政策が実現される可能性が低くなったという事情はよく分かるのですが、じゃあ野党になったら高くなるかというとそうでもないんだよなぁ……。多分に政策的な問題ではないのでしょう。ここ数回の選挙で、これまでなら考えられなかった落選が相次ぎ党勢の退潮が明らかになってきているので、党の立て直しを図るのに、自民党と連立したままでは困難といった事情があったのではないか……と憶測するところです。
ただ、じゃあ自民党にとって痛手なのか?という話になると、これまた自公で過半数を割っている現状、どこかの野党と政策毎に合従連衡しないといけない関係上、“身内”の公明党に配慮しなくて良くなったという点では、政治的自由度は増しちゃったんですよね。
もっとも、現首相がやらかしたせいで野党の信頼を取り戻すのは大変でしょうけども。
さてこの状況を作った首相ですが、退任を前にして好き放題思いの丈をぶちまけましたな。「内閣総理大臣所感」ですよ、アホかと。
一応解説すると、日本の行政権は「内閣」に属し、内閣総理大臣は内閣の首班ではありますが「一人内閣」を除き通常内閣そのものではありません。合議体である内閣の意思決定には閣議による決定(閣議決定)が必要でして、これは全員一致を原則とします。
つまり閣議決定を経ていなければ総理大臣の言葉であろうとも法的な裏付けを持たず、「ただの個人の感想」以上の意味を持ちません。
それを敢えて発表することにどのくらいの意味があるかと言うと、細川護熙元首相の「国民福祉税構想」や菅直人元首相の「革新的エネルギー・環境戦略」くらいに意味があることなわけです。
最初から最後まで駄目な人物だったな。
2025年10月11日(土曜日)
昨年12月に起きたアゼルバイジャン航空8243便墜落事故ですが、ロシアが誤射を認めたそうな。
これは珍かなことですね。
ロシアは2014年のマレーシア航空17便撃墜事件などは未だに責任を認めていないので、自らの過失を認めてでもアゼルバイジャンとの関係を維持したいという思惑でしょうか。
かつてであれば言を左右に韜晦して白を切り通したであろうロシアがこのように悄然たる姿勢を見せる辺り、内情は相当苦しいんでしょうかね。
2025年10月12日(日曜日)
「PCの物理破壊を外部委託→なぜかネット接続を検知 個人情報漏えいの可能性 「ぼんち揚」製造会社が謝罪」とかいう記事があって、難しい問題だなぁとか。
仕事や私事でPCの消去はやったことがあるわけですが、ツールは複数用意しとかないと動かないこともままあるとか、本気でやると時間が膨大に必要とか、SSDはウェアレベリングの問題で完全には消せないとか、とかく手間なんですよ。さらに産業廃棄物として適正処理の証明が必要となると、業者に頼むというのは間違いなく選択肢としてアリなんですが、その業者が信用できないとなると頭が痛い。
自衛策としては、業務用PCのストレージは暗号化するとか、そもそも端末にストレージを搭載しないVDIにするとかになるんですかねぇ。(VDIは一時期流行りましたけど、最近はまた下火になっているのかな)
どっちにしろ情シスの管理業務は増えるだろうなー。
それよりなによりまず、問題の業者名公開してくれないかなぁ。
2025年10月13日(月曜日)
旧twitterで「宇宙データセンタ」とかいう投資話が流れてきたんだけど、どうも虹の根元は「宇宙データセンター、20年以内に実現=アマゾン創業者ベゾス氏」らしい。
地上のデータセンタが「隣に原発を作らないといけない」みたいな話になってきていたり、生成AIが消費している電力が小国家並みになってるとか、色々とブレイクスルーが必要な局面になってきている、という事情はわかるんだけど、宇宙は難しいんじゃねぇか。
太陽電池で電力が賄えても、データセンタのもう一つの課題である熱の問題が現用技術ではどうにもならない。
件の投資話では宇宙では豊富な太陽光と天然の冷却(-270度)を常時利用できる。
とか吹いてたんですが、真空の宇宙には熱を伝える媒体(つまり空気や水)がなーんもないので、熱を棄てる方法が熱放射(ぶっちゃけ赤外線放射)しかないんですよ。宇宙空間に放熱板を並べて弱々しく赤外線を出す一方で、太陽からの輻射熱で炙られる(電源が太陽電池なので日光からは逃げられない)という状況で、データセンタ内のサーバがガンガン電力を熱に変換するのである。
地獄かな。
というわけで、控え目に言っても投資詐欺じゃねぇのかと思うわけですが、気宇壮大な構想をぶち上げて投資を募り、そのお金で技術開発をしてなんとかしようとかいう話なのかも知れません。そこで開発された技術が、たとえ宇宙データセンタ構想がポシャっても、何か他の分野で活かされるかも知れませんしね。
……やっぱり詐欺のような気がしますが。
普通に考えたら、極圏に原発とデータセンタをペアで作るのが手っ取り早いと思いますね。
2025年10月14日(火曜日)
シコルスキーが暫く前からS-70の無人機を開発していたのですが、その成果となるS-70UAS“U-HAWK”が発表されました。
なんというか、そうかー、コックピットがなくなると前部にランプドアを付けられるのかー、的な驚きがありました。
純粋な輸送ヘリとして見ると室内高が低いのが難点とはなりますが、ベストセラー軍用ヘリであるUH-60とエアフレームを共用することを考えると軍では使い易い機体だと感じます。
日本でも輸送用無人ヘリの研究は始まっていて、川崎のK-RACERが使われているのですが、なんかもうコレでいいんじゃないか、って感じですね。(お値段を考えなければ)
2025年10月15日(水曜日)
自民党が「自民党、記者会見の全文書き起こしをXで公開」と積極的に一次情報の発信を始めたと話題に。
トヨタイムズとかニンテンドーダイレクトとかと同じ潮流ですよね。これまで“取材される側”だった組織が、ネットの力を利用して自ら“発信する側”へと舵を切りつつある。勿論、言うは易く行うは難しで、相応の影響力を持つにはかなりの人的・金銭的投資が必要になりますが……。
先日も時事通信がやらかした件もあり、報道機関への信頼性が低下の一途をたどる昨今、このような形で検証可能な一次情報が公開されることは、有権者・国民としては大変ありがたいことであるわけですが、一方で報道機関としては、報道機関名が明記された状態で質問等が白日の下に晒されるわけで、今以上に厳しい状況に置かれることは間違いありません。
報道機関には報道機関の機能・必要性があって、それは民主主義社会を正常に運用するためには必要なものなのですが、それがどのような機能であるべきかを、報道機関は取り違えているように感じられます。これを機に、自分たちの役割を見直してくれれば良いのですが。