このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。
なんか東電に対する批難やら責任の押し付けを見てて思うんだけど、「地震と津波で原子力発電所が木っ端微塵になっていた方がマシだった」なんて状態に陥らせるのは良くないと思います。
東電社員だって普通の人ですから、給料が大幅に下がればモチベーションは下がるでしょうし、下がり過ぎれば人生設計に不都合が生じる人も出るでしょう。それは東電という会社の力を削ぎます。そうなれば、私たちの生活を支える電力基盤が弱体化します。
私は自分にできそうもないことを他人に押し付けることについては慎重になるべきだと考える人なので、余りに過重な責任を東電に負わせれば、結果としてより悪い状態を現出しかねないと危惧します。
東電が会社更生法を申請するような事態は、極めて望ましくないことです。
米国が、アルカイダの首魁オサマ・ビン・ラディン容疑者を殺害したと発表。
これが対テロ戦争の終わりの始まりになるのだろうか?
何かが突然変わるわけではないものの、一つの区切りではあった。それ以上の意味はないけど……米国は10年かけてでも殴り返す、絶対に!という意思表示にはなったかな。
恐ろしい国だで、まったく。
某仕分けを食らった国立メディア芸術総合センターの蒐集機能について、国会図書館が担うことになった由、「マンガ・アニメ保存に国が本腰 文化庁と国会図書館、協定へ」として報じられていた。
個人的には、日本には図書と美術品以外の著作物の蒐集に当たる専門組織がないことは問題だと思っています。音盤や写真、映画、放送番組、その他動画、コミックや果ては同人誌まで、とにかくまず集めよ、と。以前からこの日記でも、24時間放送電波を全部録音録画しとけと言っていますが、とかくそういう「放っておけば散逸して二度と手に入らない物」に対する蒐集体制が弱いです。
国会図書館がそれに適した組織であるかどうかについては、法律の絡みもあるので何とも言い難いわけですが、どうせなら法の改正も睨んで、国会図書館のあり方を大きく変えるべきなのかも知れません。
Wikileaksでの日本絡みの情報はそれほど多くないのですが、「民主党の外交政策「愚か」 斎木局長が米側に」という面白おかしい情報が。
本来政治に従属しなければならない外務省の高官がこのような意見を述べることは「あってはならないこと」ですが、実際問題として鳩山政権の外交政策は余人に理解できるものではなかったため、外交を徒に混乱させただけで終わった。
現場のプロや、外交に就いての常識的な知識のある人間からは、最初から無理だと判断されるような外交政策を掲げていることを、どうして事前に周知できなかったのかが問われるだろうね。
まあ、外交政策だけじゃなかったわけだけど。
「筋力補助スーツで復旧作業支援 北大発のベンチャー開発」とかいう趣きのある記事。
件の会社「スマートサポート」社のページを探して見るに、サイバーダインのHALのような外骨格というよりは、コルセットや弾性素材などを利用した負荷軽減を目的としたもののよう。
フィッティングに手間はかかりそうだけど、逆に外部動力を必要とするものではないようなので、長時間に亙って使用できるメリットがありますね。
あと、blogの方に載ってた「UDスコップ」が凄いと思った。これ、ちょっと使ってみたいくらい。
米国のホルダー司法長官が上院司法委員会にて「敵の司令官を標的にすることは合法だ。第2次世界大戦中に行った山本五十六の殺害もそうだ」と述べ
たそうな。探したけど議事録がまだ出てないみたいなんで正確にどう言ったのかは不明なんだけど、とりあえずそういう発言をしたことは間違いないみたい。
米軍が第二次世界大戦中に、大日本帝国海軍聯合艦隊司令長官であった山本五十六海軍大将を、乗機ごと葬り去ったことには、全く批難の余地はない。当時米国と日本は戦争中であり、互いに交戦者と認め合った上での話なので、この件に就いては疑問の余地はどこにもない。(作戦の費用対效果などの疑義はあるかも知れんけど)
しかし、アル・カイダと、その指導者であったオサマ・ビンラディンに関して言えば、これを大日本帝国と山本五十六に擬えることが適当であるかどうかについては、異論がある。
国際法上戦争とは、基本的に国と国、軍と軍が行うものであり、アル・カイダが軍ではなく“テロ組織”である以上、その構成員であるビンラディンが交戦者と看做し得るかについては、法的正当性が確立しているとは言い難い。9.11が軍事攻撃ではなく、巨大な犯罪であるという立場に立てば、ビンラディンは逮捕され、法の裁きを受けるべき犯罪者である。
この点に就いて米国の立場は矛盾している。
アル・カイダを交戦者として認めるというのであれば、戦時国際法に保証された交戦者に認められる権利を保障しなければならない。例えば、捕虜の取り扱いについて、これを国際法に従って行わないといけないが、グァンタナモ收容所での扱いが捕虜に対するそれであったとは、米国自身認めていない。
では犯罪者として扱ってきたのかというとそうでもない。グァンタナモが合衆国外であることを良い事に、赤十字からもアムネスティからも指弾される扱いを行ったことは、米国においても問題になった。
そのような経緯があるにも拘らず、今回の作戦に関しては、ビンラディンは交戦者であり軍事的行動の対象であったと発言するのは、些かならずご都合主義が過ぎるのではないかと思わなくもない。
米国でも適法性に関する議論はあるようだが、ただ、既にビンラディンは死んでしまった話なので、悲しいかな深く究明されることはない問題だろう。
首相閣下が突然浜岡原発の停止を「要請」したとか、頓狂なニュースが飛び込んでくる。
中部電力における原子力発電の比率は15%と決して低くないから、全部なくなれば発電力は数字上ですら需給限界ギリギリになる。全発電所が常に全力稼働できるわけではないわけから、供給力が需要を下回る可能性が出てくる。当然、現在東電に対して行っている送電支援は難しくなるだろう。それでなくても泰阜水力発電所を50Hzに改造して東電への送電を行うなどの支援を行っていたので、これらを60Hzに戻すなどの対応が必要になる。当然、東電の夏場の供給計画に影響が出てくるのは避けられないでしょうねぇ。
関西電力は夏場に四国電力から電気を購入しているくらいに需給に余裕が無いので、夏場に中電が電力支援が受けられるかどうかは怪しいところだろう。
果たして首相は、よくよく需給を見通してこの決断を下したのだろうか。「多少の電力不足が生じる可能性があるが、この地域をはじめ、全国民の理解と協力があれば夏場の電力需要に十分対応ができると考えている」
と言っているようだが、正直言って無理が過ぎると思いますな。
「英下院の選挙制度変更、国民投票で大差の否決」とかいう記事があって、選挙制度ってのはどの国でも議論が尽きないものだな、と。
英国が採用している単純小選挙区制度は単純で分かりやすい所が長所ですが、死票が多くなる欠点が以前から指摘されています。フランスなどでは選挙区での最高得票者の得票率が過半に達しない場合は上位二名による決選投票を行います。このためフランスでは一度で決着がつかない選挙区が生まれ、選挙は長丁場になります。
日本の衆院で採用されている小選挙区比例代表並立制は、一体こんな制度を誰が産み出したのか?と首を傾げる複雑さが売りです。その代わりに、小選挙区で僅差で敗れた候補が比例代表で復活当選するなど、より民意を反映しやすくなっている、ことになっています。
しかし死票を少なくしようとすればこのような複雑な制度よりは、比例代表制の方が適切になります。特に全国を一区として比例代表制による選挙を行えば、理論上、死票は最低限になります。
ただし、比例代表制では政党が事前に名簿を作成する性格上、政党に属さない無所属議員や、政党内での力関係に対して有権者が影響力を行使しにくいというデメリットがあります。この点に就いて日本の参議院では非拘束名簿方式を採用していますが、逆に集票マシーンとしてのタレント候補を増長させている面があります。
このように、選挙制度というのは様々な制度が存在し、それぞれ長所と短所を持ちます。個人的には、英国自民党が今回提案した方法は、複雑さが増す一方で、あまり利点を感じられない制度だったのではないかという気がしますね。
それだったら、かつての日本が採用していた中選挙区制(単記非移譲式投票)を提案した方が面白かったのではないかと思います。
日本人のテクノロジーの利用法は何か根本的に間違っている気がする、脳波で動くネコミミ。
次はきっと脳波で動くしっぽが登場するのであろう。
Wiredに「最も進化したセクシーなトイレ」(原文)が、機能的にTOTOのウォシュレットと大差ないのに価格が6400USDとか、TOTOの最高級モデルネオレストより高いとかどうしろと。
日本では設置率が50%を超えた温水洗浄便座ですが、米国での普及はまだまだ遠い未来の話のようです。
シンガポールから「シンガポール総選挙、野党6議席で過去最多 外相は落選」という、驚きのニュース。
シンガポールは人民行動党による事実上の一党独裁を建国以来続けている言論の不自由な国ですが、一応野党の存在は認められてはいます。ただし、選挙制度の関係で、これまで議会で2議席程度しか獲得したことがなく、6議席というのは過去になかったことです。
シンガポールの選挙制度は「集団選挙区制」という世にも珍しいシステムで、定数5〜6の選挙区において定数と同数の候補者グループに対して投票する、というシステムです。つまり、5人区であれば、候補者は5人グループを構成し、有権者はこのグループに対して投票するわけです。受かるも落ちるもグループ単位。当然このようなシステムは第一党に圧倒的に有利でありまして、過去に集団選挙区で野党が勝利したことはなかったと記憶しています。
ちなみに、申し訳程度に小選挙区もありまして、これまで野党は小選挙区で勝っていました。
それが今回、なんと集団選挙区の一つで野党が勝利するという事件が。
無論、議会定数84のうちの6議席ですから、政治的影響力がどうこうという問題にはならないとは思わますが、過去磐石と見られていた人民行動党の治世に翳りが見えてきたのかも知れません。
「世界人口、10月末に70億人到達 国連が予測」とかなんとか。推計によると、今年中に、地球人口は70億人になるそうな。たしかつい最近65億を超えたとかで話題になってたと思ったが、調べてみたら2006年のことだったらしい。60億を越えたのが1999年、50億を越えたのが1987年というから、多少人口増加の勢いに翳りは出てきたのか。
思い出されるのは20億のバルタン星人が地球に亡命を求めてきた時、科特隊のイデ隊員が地球人口だって22億だとか言って共存の話を蹴った記憶が。そうかあの当時は20億かそこらしかいなかったのか、地球人。交渉決裂の果てにウルトラマンはバルタン星人を皆殺しにしたのですが(……)、子供心に生存競争って悲惨ね、とか刻みこまれたものです。
今思えば、バルタン星人の20億くらい共存可能だったのかも。
どうでもいいですけど総天然色ウルトラQって素晴らしいですよね!
昨年10月に発表されたJaguarのコンセプトプラグインハイブリッド車C-X75が限定生産となるそうな。
仕様は当時から少し変更が加わっている模様で、モータは四輪独立から前後各1機になっているそうな。また、ガスタービンも小型ガソリンエンジンに。色々つまらない車になりましたね。
それで価格が70万〜90万£っちゅーのは、どうかと思うけど……。
2009年に在宅起訴されていた、護衛艦あたご乗組員二人の無罪判決が、横浜地裁で出た由、慶賀に堪えない。
ただ、裁判の内容そのものは海難審判とは異なる事実認定をしており、問題が残る。
個人的には、このような事故の原因究明や再発防止については海難審判などの専門機関に任せ、故意や犯意などに基づく犯罪などのみを、検察は起訴すべきではないかと思う。
日本の法律は、過失に罰を与えること重すぎるのではないかと思う今日この頃。
ところで、上の日経の記事だけではなくて、いくつかの記事で「士官」という単語が踊っていたのですが、いいんですかね。諸外国の軍隊で言う「士官」のことは、自衛隊では一応「幹部」と呼ぶんですがね。ええ、「当直士官」という仕事をしていた「幹部」なんですよ。
まあ、いい加減面倒なので、呼称も改めたほうが良いような気がしますけどね。
今日のNHKひるブラに母が出演するというので、昼休みにテレビの前に。
父は出ないと言っていたのに、結局二人並んで映っていた。(笑)
ちなみに、一緒に観ていた同僚からは父と似ていると散々言われた。
番組の内容などはどうでも良かったんだけど、細工蒲鉾よりも普通の巻き蒲の方が美味しいんだよ、と言いたかったり。まあ、地元の本当に美味しい物ってのは、大抵紹介されないものだけど。
今週末の「はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH」劇場公開を前に、JAXAからはやぶさ2の射上げが2014年になると発表された由。
計画責任者の吉川真准教授の「当たり前のように行って戻ってくることを目指したい」という言葉が重いですね。
沖縄タイムスに「米軍属「免停5年」に憤る遺族」という記事があって、色々思うところが。
まず、弁護士の日本であれば刑事裁判にかけられる事件で、今回の結果は日米地位協定の不平等さが露骨に出た
というのは失当です。軍隊が他国に進駐する際には、公務中の事故や犯罪に就いて、現地法が適用されない免責を盛り込んだ地位協定を締結するのが通例です。日本の自衛隊もPKO等での海外派遣に於いては、相手国との間で同様の協定を結びます。
ですので、もし現地法で裁くべきだ、という主張をした場合、その影響は日本自身にも及ぶことになってしまいます。というか、国際社会のルールに反します。凄いですね。
次に、量刑が軽すぎるのではないか、という話ですが、それに就いては相手国の法規(この場合は米軍の軍法)に依存します。米軍は、平時の公務中の過失、事故、犯罪に就いて、非常に処分が軽いことで知られています。たとえば1998年にイタリアで起きたロープウェー切断事故でも、死者20名という大惨事であったにも拘らず、パイロットは無罪となっています。でまあイタリア国民は当然憤ったわけですが、何が出来る訳でもなく。
「納得できない!」というご意見は理解できなくもないのですが、これが国際社会のルールなのです。
特に日本は国際的に見ると過失による運輸事故に対し重い量刑を課す国である(参考)ため、このような国内で起こった事故・犯罪を他国の法規で裁くことになった際に、不満が起きやすい傾向があるように感じます。
この辺の事情が浮き彫りになってきたのが、日伯間での代理処罰問題などで、2007年に始まった浜松の轢き逃げ死亡事件では、ブラジルで裁かれた容疑者は最終的に禁錮4年の判決を受けています。しかも罰金23万円。日本ではちょっと考えられない量刑ですよね。
平たく言うと、各国で罪の重さは違うのだ、ということになってしまいますが、国家間に跨る司法手続きの場合、その点をきちんと認識していないといけないと思います。
在日米軍将兵の裁判は一般的に国家間に跨る司法ですから、日本の法理や事情が全面的に押し通ることはない、という前提で話をすべきではないかと思います。
先日impressで「アドレンズ、もしもの時に自分で度数が調節できる防災用メガネ」という記事があり、紹介された「アドレンズ・エマージェンシー」に興味が涌いたので購入してみた。
で、商品が本日届いて、試してみた。
目一杯までマイナスにネジを回すと、私のようなド近眼でもちゃんと見えるようになった。
ただし、視野はほぼ正面のみで、周辺視野は殆ど駄目。まあ、これは原理的にも当然といえば当然なのだけれども。
しかし、眼鏡がなければ歩くこともままならない身としては、こんな物でも緊急時にはないより遙かにマシ。落下物などによって眼鏡を損壊した場合でも、これを非常持ち出し袋などに入れておけば、とりあえず応急の用には足りよう。
値段も5,000円以下と、普段使いの眼鏡の10分の1以下なので、緊急用の予備として買うにも負担は少ない。
眼鏡がないと生活に困るレベルの人にとっては、備えておいて損はないものではないかと思う。
家電量販店の扇風機売り場が凄い人出になってるのですが、個人的には扇風機は、従来型なら三菱電機、でなければダイソンが選定対象だと思っていたのですが、今年の新製品、東芝のSIENTが素晴らしいやり過ぎ感ですね。
扇風機に直流‐インバータ式のモータを投入するとか、首振り機構が上下左右とか、もうやりたい放題。次は可変翼とか合体変形でも導入するのかと。
ただ、個人的には安全性等の観点から、扇風機はダイソン型の方がいいんじゃないかと思っているので、特許さえ問題なければ、国内のメーカも同様の扇風機を開発して欲しいものなのですがねぇ。例の特許の問題ってどうなったんだろう、結局?
「ヤマト運輸がEV100台発注 三菱自動車に」とかいう記事。
2012年3月期中にMINICAB-MiEVを100台発注、と来年の話ではありますが、きちんと自動車メーカを選定する辺り、日本郵政の轍は踏まない、と。
ただ、試作車はあちこちで紹介されているMINICAB-MiEVですが、そろそろ先行量産車も見せて欲しいところですね。
そういえば震災以降の電力不足禍進行中の中で、電気自動車の普及が進むという意見と、電気自動車は終わったという意見が交錯していて面白いですな。前者は蓄電池によるピークシフトや效率の良さをその理由に、後者は純粋に電力消費を低減しなければならない中での電力消費の拡大を理由にしているように見受けられます。
どちらもそれなりに説得力はあるのですが、分析するなら、ガソリン車を電気自動車が代替するなら前者、電気自動車がガソリン車+αとして導入されるなら後者となりましょうか。
電気自動車の普及と共にガソリン車が漸減していくのであれば、ガソリン車よりエネルギー效率の良い電気自動車は、国全体として見たときの化石燃料依存を減らすことになるんじゃないかと思います。一般に、原油段階から最終的に走行エネルギーとして使われるのは、ガソリン車の場合15%程度、電気自動車は20%以上とされますから(資料)、よりエネルギー效率の高い社会を目指すというなら、代替できるところから電気自動車に置き換えていく、というのは一つの指針になるでしょう。
現有の自動車が数を変えないままに、電気自動車だけが増えていけば、それはエネルギー需要の純増という形になりますから、電力、なかんずくエネルギー全体の供給体制が不安視される中で、電気自動車の増加はネガティブとされるでしょう。
ただ、後者のシナリオは考えにくいような気がしますね。
「法相、更迭と認める…福島地検検事正の異動」という記事を見て目を剝く。
事は震災直後の3月15日に、福島地検が身柄を勾留していた起訴前の容疑者31名を処分保留で釈放していたというもの。現行法上、勾留日数は最大20日(+α)で、その間に起訴しなければ釈放しなければなりません。捜査活動が困難である状況下に於いて身体を拘束し続けることは、法の趣旨から言って、望ましいことではありません。
これは現行法に於いて、激甚災害が起ころうが戦争状態になろうが、勾留期間を延長するといった規定が存在しないのですから、ある意味仕方がないことなのです。
類似の例としては、刑務所ですと、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第83条に「災害時の避難及び解放」として災害時における一時的な解放が規定されています。
これは江戸時代の牢屋に於いても行われていたことで、当時は主に火災ですが、火の手が牢屋に迫った場合は、「切り放ち」と呼ばれる一時解放を行う制度になっていました。(参考)
今回の件は、釈放された被疑者が再び罪を犯して逮捕されるなどの問題が生じましたが、これは有事に於いては一定程度已むを得なかったのではないかと思います。
問題であるというのであれば、有事法を制定すべきであろうかと思います。
ここで一つ、歴史上の悲劇をご紹介。
時は元治元年(1864年)、所は京都。池田屋事件によって藩士を殺された長州藩の強硬派が挙兵、伏見長州屋敷に陣を構えるという事件が起こります。長州藩兵と幕府連合軍の対立は武力衝突に発展。後にいう蛤御門の変(禁門の変)です。
この際、京都市内に火事が発生し、その火の手は六角獄舎に迫りました。六角獄舎は京における幕府の管轄する牢屋敷で、中には政治犯が多く囚われていました。本来であればここで「切り放ち」を行うべきだったのですが、当時六角獄舎を管理していた京都町奉行滝川播磨守具知(のちの具挙)は逃亡を恐れ、全員を斬首してしまったのです。(ちなみに、結局火の手は六角獄舎に至りませんでした)
中には仕置の決まっていない、現在で言う「未決囚」も含まれており、多くの維新志士がここで一生を終えました。
このことは当時ですら問題となり、滝川播磨守は京都守護職松平肥後守容保(会津侯)の𠮟責を受けたと伝えられています。
3月に完成が発表されたものの記者発表会が延期されていたSIMドライブのSIM-LEIですが、この度正式な記者発表会があったそうな(Car Watch、Response)。
3月の時に比べて車載電器に違いが見られ、ヘッドアップディスプレイが搭載されるなどしているようで。
ここまで来ると運転装置の方も革新的なものにして欲しいなぁとか思い始めてきて、円形のハンドルや二本のペダルもどうにかならんものかとか思えてくる。特にペダルは、踏み間違いの原因(加速/減速という逆の作用が「踏む」という同じ動作になっているため)とされるので、ここいらで一発、変えてみてはどうかと思う次第。
ちなみに自動車の歴史の中では、ペダルが今のような配置になってから一世紀も経っていないのでした。(参考)
航空自衛隊松島基地で津波に洗われたF-2Bですが、「水没F2戦闘機「復活は3分の1」 修理費は1機あたり50億〜60億円」という悲しい記事。
F-2Bは教育訓練用の複座機ですから、これが足りなくなるとパイロットの育成に影響が出ます。それは時間を置いて、防衛力の減退に繋がります。
復活できないよりは6機でも復活させられる方が良いことは確かなのですが、金があれば、再生産でも何でもできるんだろうけどなぁ……。
「隅田川花火大会、8月27日開催へ 警備態勢にめど」と。
よく知られている通り、隅田川の花火は、元を辿れば享保の大飢饉(wikipedia)の慰霊を目的に始まったものでして、まさに原点回帰の開催と言ってよいでしょう。
まあ、実際のところは、警備要員ですとか、仮設トイレですとか、そういった実務面での障害が大きいという話だったんですけど。
ともあれ、省電力で暗い夜空に、綺麗な華が咲くと良いですな。
「次期戦闘機、F35絶望的に 開発間に合わず」とかいう記事。元は「米F35、開発コスト10年で倍増 「負担できない」と米国防総省」の辺りっぽい。
F-35が空自の次期主力戦鬪機選定に間に合わないというのは以前から言われていたことなので今更感が漂います。先日空軍向けのA型の量産機が空軍に納入されたばかりですが、初期作戦能力を獲得するのが2016年とか言われているので、日本のF-Xには間に合わないのは明白です。時間を操る能力でもあるならともかく、ね。
日本のF-Xはともかく、一応スケジュール的には比較的順調とされているF-35ですが、開発費の高騰によって計画自体が見直しを受けねばならない所まで来ている、と。
しかしF-35は11箇国による共同開発ですから、米国が計画を変更すると、多くの国に影響が波及してしまいます。米議会が見直しなどと言い出すと、世界中で蜂の巣を啄いたような騷ぎになるでしょうねぇ……。
幸いにもというべきか、日本はF-35の開発プログラムには参加していないので、F-X候補が一機種減る、という影響に留まりそうですが。
しかし、防衛省の提案要求書を受け取ったのはLMのF-35、ボーイングのF/A-18E/F、ユーロファイターのタイフーンの3機種。F-35が脱落するとライノとタイフーンという二択に……。
なんか気が早いのですが「インテル、x86版とARM版「Windows 8」の違いを説明--自社の後方互換の強みを強調」とかいう記事。
「エイズ発症者、過去最多…中高年の新規感染増加」とあって、年々どうにもならない状態が深まっている……。
この手の問題は徹底した検査による早期の発見と早期の治療によって対策を行わないといけない。それはまさに政治主導が必要となるものなのだが、ここ十数年、殆ど成果らしい成果を見ないまま、じりじりと状況が悪化し続けている。
もう、学校や職場の定期健診で性感染症の検査を義務付ける段階に来ていると思うのだがな。
他国の事例から考えれば、顕数がこれだけなら、暗数はかなりになるぞ。
読売に「自転車は原則車道通行…知らない人4割に」という記事があって、こりゃ酷い、と実際の交通安全白書の当該部分を読んでみると、もっと酷かった。
統計的に有意ではない方法によるインターネットアンケートで、母数が2,000で、しかもそのうち自転車利用者が1,500とかいう……。
インターネットアンケートは、その問題に興味のある人間が能動的に受ける率が高いので、実態より良い数字が出るもんなんだが……それで4割も……。
これで統計的手法でアンケートを取ったら、どんな結果が待っているか、頭が痛い。
スペースシャトルのラストフライトを控え、「NASA、有人宇宙船「MPCV」の開発計画を発表」とNASAが次期有人宇宙船の計画を発表したそうな。
MPCV(Multi-Purpose Crew Vehicle)は、月・火星を目指したコンステレーション計画(中止)で開発されていたオリオン宇宙船の技術を流用して開発され、ロッキードマーチンで製造される。
乗員は4名で内容積は8.9m³、21日間の運用が可能。
スペースシャトルの十倍の安全性がある、と。シャトルは百二十数回のミッションで死亡事故が2件ですから、十倍と言っても、ちょっと普通の交通機関では遠慮したいくらいの確率ではありますが(苦笑)。
米国としてはアポロ以来のカプセルですが、様々な技術の進歩をフィードバックした、手堅いデザインかと思います。その名前同様、面白味の無いものではありますが。
ところで、「再生可能エネルギー」は再生するからどんだけでも使って良いのかというとそうでもないわけで。再生可能エネルギーは主に太陽の照射エネルギーが形を変えて地球を循環する現象の一部を電気として抽出するわけですから、時間軸方向には無限と言っても過言ではない総量がありますが、単位時間・単位面積当たりの抽出量には上限が存在します。
ぶっちゃけ、これまでみたいに発電所を作れば総供給量が増えていくような想定は難しくなります。
社会全体の構造転換が必要になる、というのはこの点からの分析なんですね。
「アップルがかき立てる「宗教的反応」、BBCが科学実証」という記事があって、言われてみれば、Apple製品の問題点を指摘したり、Appleの顧客対応の問題を論じたりすると、いきなり激しい攻撃を食らったりする。最近ではアクセスをブロックするといった行為に出る人もいる。AdobeやMS製品には見られない特異な現象といえよう。
しかしそれもこれも、Apple信者が真実信教の心を以てAppleに仕えているのであれば、理解できる反応といえなくもない。神を冒瀆する行為は許し難い、という主張は理解できる。贊同はできないが。
なにせ、宗教とは争いの種なのだな、と改めて思い知った次第。
NHK教育テレビが6月1日から「Eテレ」へと改称するらしい。
元々視聴率を余り気にせず番組を作るため、ややもすると暴走気味の番組制作が行われたりするチャンネルだったが、とうとう名前まではっちゃけてしまうらしい。
どこぞのE電のようにひっそりと消えていかないことを祈るばかりだ。
NHK教育テレビの功労は非常に大きいが、一方で放送大学がBSにチャンネルを持つようになり、全国で一律に非常に質の高い授業番組が受けられるようになるこの際、教育テレビの存在意義を見直す時期である、という意見には一理はあるんだろう。
某ソフトバンクが太陽光発電事業に参入するとかで、なにやら資料を公開していた。
各所でツッコミの嵐なんで今更私が付け加えることなんてないんだけどさ、関西広域連合の知事さん方は、この資料を見て本当に納得したのかね? したんだとしたら、頭の具合が疑われるところなんだけど。
別に太陽光発電を否定しているわけじゃないし、私自身は太陽光発電は再生可能エネルギーの中では一番有望だろうと思っている。ただ、それでも出来ることと出来ないことがあって、適材適所で他の発電方法と組み合わせて使っていかなければならない「選択肢のうちの一つ」でしかない。やたらめったら太陽光発電ばかり増やしてもしょうがないのだ……。
昨年起工式をやっていたジブチの自衛隊基地ですが、この度完成を迎えたそうな。
震災後の化石燃料需要の増大から、シーレーン防衛は今後の日本にとってより重要な問題となっていきます。ジブチの自衛隊は恒久的な基地を得て、今後ともより一層、アデン湾からインド洋にかけてのシーレーンの安全確保に力を発揮することでしょう。
そしてそのことが、日本のエネルギー安保の一翼を担うわけです。
日本がシーレーンへの依存度を深めれば深めるほど、日本が負担しなければならない軍事的役割は大きくならざるを得ません。
金さえ出せば燃料は買える、なんて甘い話です。そのことを日本は、日本だけは肝に銘じておかねばならない筈です。
そういえば暫く前に地位協定についてぐちゃぐちゃ言っていた人がいましたが、日本とジブチの間の地位協定はこんな感じ。部隊の要員には免責特権があるとしっかり書いてありますね。
そういうものなのですよ。
中国内蒙古自治区で蒙古族によるデモが拡大、戒厳状態にあるとの報道。
内蒙古自治区における蒙古族の割合ってのは、漢族移民政策のせいで下がりっぱなしなので、これが最後の一撃にならなきゃいいのだが……。
中国では、チベット自治区、新疆ウイグル自治区、内蒙古自治区と、大手少数民族による暴動がここ数年立て続いていて、中国政府としては対応に苦慮しているように見える。一体どの辺に着地点を置いているのかは判らないが、国内に鬱積した不満を解消するために外征、なんて手段を選択する前に何とかして欲しいものだ。
「震災犠牲者 身元確認システム」という記事。
このようなシステムによって、一人でも身元が判ればそれはそれで喜ばしいことではあるが、一方で、日本は天災の多い国であるから、行政機関による科学的な人定方法の担保は、考えても良いのではないかと思う。
大規模な災害(含む戦災)では、一つの町がまるごと壊滅し、親類縁者一同が全員死んでしまい、身元を確認できる人が誰もいなくなる、などという事態が発生しうる。日本の人定制度は、紙の上に記載された人間と、実体としての人間の結びつきを行政側が持たないため、このような事態に陥ると、大量の行旅死亡人を原理的に発生させてしまう。先日のサーチナに「【中国ブログ】日本人は奇妙だ?! 日本に身分証がない理由」という記事があったが、今のままでは、行政事務の停滞をも生みかねない。向こう三軒両隣皆顏見知り、なんて時代では無くなってきているので、最早行政がある程度人定情報を持たないといけない時代だ、というのが私の持論。
これも安心と安全を履き違えた話の笑えない話なんだけど、「浜岡停止の発電費 国負担拒否の岡田氏に愛知知事反発」という、首相閣下の要請とやらに纏わる狂想曲。
首相閣下の要請は法に基づかないものだから、中電の浜岡原発停止に就いて国は責任を取らないというか取れない。補償も当然できない。だって中電が自主的に停止させたんだから、ということになる。
こう言うことになりかねないから、法に基づき適切に処理する必要があるわけ。国会において定められた法こそが私達の権利を預託するところであって、菅直人個人にそれを恣にする権利が与えられているわけではない。内閣総理大臣は専制君主ではなく、法に基づき行政を管掌する最上位の公僕でしかない。
もし国が浜岡停止に纏わる補償を行おうというのであれば、その名分は何になるのか。当然そのようなものは存在しない。国が命じたわけでもなく、その根拠も何も存在しないからだ。
あるとするならば、首相の失政のツケ、ということになろうか。