哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2011年6月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2011年6月1日(水曜日)
 愈々内閣不信任案が提出。
 可決にしろ否決にしろ、少なくない数の造反議員が見込まれる以上、民主党の政権基盤は一層弱体化することが予想される。

 「勤務外で救命処置 停職6か月という毀誉褒貶の難しそうな話。
 救急救命士の制度が出来て20年になりますが、成立以前から紆余曲折があった、色々と難しい問題を孕んだ制度です。
 救急救命士は、救急救命士法第44条に書かれているように、救急車の中で医師の監督下に於いて限定された救命措置を行うことができる資格ですが、それすらも実態を反映しておらず「気管挿管問題」などが持ち上がったことがあります。
 正直なところ、救急救命士の立ち位置が曖昧である、という事情はあると思います。理想を言うなら医師と看護師を乗せて救急車なりヘリなりで現場に急行したほうが良いに決まってるわけですが、それが間に合わない状況下や、まさに現場に非番の救急救命士が現場に居合わせるなど、当人が救命活動を行うことがベストな選択肢である場合における行動は、緊急避難的に認められても良いのではないかとは思います。
 ただ、本件に就いて言えば、法令に反することは明確であり、また備品の持ち出しなど罰を免れえない面がありますので、処罰は致し方ない所。
 しかし、その職務にかける熱意や、事故に居合わせた際に救命行為を行った行動力などに見るべきものがありますので、何かその熱意が活かせる方策があればよかったのにと思わずにはいられません。


2011年6月2日(木曜日)
 内閣不信任決議案は、菅首相の一定のめどが付いた段階での若い世代への引き継ぎを果たす。との意志表明によって否決、と。まあ今解散総選挙ができる情勢ではないですからね、被災地は特に。民主党としてもボロ負け必至の戦いに身を投じなくても良くなるのですから、この辺が落とし所ですかね。
 これによって民主党内ではポスト菅レースが始まるでしょうし、逆に菅首相は「辞任」という言葉すら口にしなかったことで保身に走ることでしょう。
 状況が必ずしも良くなっていないところがなんともかんとも。

 「今年も「トイレLOVEサミット」がやってくる 水音で型番当てる“利きトイレ”も」と、この世に「トイレLOVEサミット」なるものがあることを知る。
 O.I.J。


2011年6月3日(金曜日)
 震災後の電気自動車/ハイブリッド車の動向として面白い話題が。
 震災直後から、トヨタ・エスティマ・ハイブリッドのサービスコンセント(AC100V×2 1500W)が非常に役に立ったとの意見が見られ、HV/EVを自走式発電機/自走式充電池とする新しい運用方法が見出されました。
 HV車の場合はガソリンでエンジンを回して発電することができますし、電気自動車であれば一般家庭一日分以上の蓄電容量があります。電気が復旧しているところまで自ら往復ししつつ、電気を運ぶという使い方ができるわけですな。それがMINICAB-MiEVのような車であれば、物資を積んで電気も運ぶ、という使い方ができそうですな。

 モビリティ系の話題としては、つくば市が申請していたモビリティロボット特区が2日から始まったそうで、「セグウェイが歩道を走る つくばでロボットの公道走行実験スタート」とか記事になっていました。
 ただ、正直今頃セグウェイかよ、という感もなきにしも非ず……。未来感というかツクバ感が足りない。
 やはりツクバらしく、早稲田大学/テムザックWL-16RIIIとかトヨタi-REALとか、色々ブッチギリな機械を投入すべきだと思うんだ。


2011年6月4日(土曜日)
 先月末に「サイバー攻撃は戦争行為…米国防総省が報復示唆という記事があって、実際どんなもんよ、とか思っていたのですが、今月になって「サイバー攻撃は戦争行為とみなす…米国防長官とどうも本気臭い匂いがしてくる。
 マジですか。
 先日もロッキード・マーチンへのサイバー攻撃が中国からあったとか、中国はサイバー部隊の存在を認めたり、ネットワーク上の攻撃が物理的な戦鬪に準ずる行為として扱われつつあるらしい。
 電子世界上だけでやっているならともかく、それが物理的な攻撃を誘引するとなると、話が色々面倒になるな。そのうちハッキング元に向かって巡航ミサイルが発射されるようになるんだろうか。

2011年6月5日(日曜日)
 玄関の電球型螢光燈を更新するのに、人感センサー付き電球型LED照明に変えてみた。壁スイッチの位置が帰宅時に操作し辛いのが以前から気になっていたので、いっそ自動点燈にしてしまえと。
 センサー範囲は思っていたよりちょっと広くて、玄関に用事が無い時でも点いてしまうことがあるのが些か難だが、照度そのものには不満はない。
 で、お出かけして帰ってきたら……あれ? 点かない……なんでや? と思って壁スイッチを見たら見事にOFFになっていた。いつもの癖で、明かりを消してから出かけてしまったようだ。考えて見れば、自動消燈機能があるので点けたまま家を出るのが正しい動作なんだなー。
 慣れるまで気を付けないといけないな。

2011年6月6日(月曜日)
 今日、公道で初めて白ナンバーのLeafを見た。これまで見たの、みんなタクシーだったからなー。
 ちゃんと一般にも売ってたんだ、とか感心した。
 それにしても今日は、足場の鉄板を3m以上積み上げて結束がギシギシ言っているトラックとか、後輪トレッド広げて普通車にしてるのに原付ナンバーのジャイロ・キャノピーとか、ロクでもない車とよく出会った。

2011年6月7日(火曜日)
 The Voice of Russiaに「ロシア空軍の救急救助カタパルト」というビデオがあって、興味深く視聴。
 「緊急救助カタパルト」なんて訳になっていますが、日本語では通常「射出座席」と呼ばれます。英語では「ejection seat」ですね。
 西側諸国では英マーチン・ベイカー社の射出座席が主流ですが、業界でトップの評価を得ているのは、ロシアのNPPズヴェズダ社製の射出座席です。
 ズヴェズダK-36射出座席は、1999年のパリ・エアーショーで地表近くで背面に近い状態のSu-30Mk.Iから無事二人のパイロットを脱出させ、その優秀さを証明しました。

 2002年7月、ウクライナでのSu-27UB墜落事故の際も、観客80人以上が死亡する大事故だったにも関わらず、パイロットは無事脱出しています。

 他にも1993年のエア・タトゥーでMiG-29の空中衝突事故なんてのもありますが、この際もパイロットは無事脱出。着地後に煙草を吹かす余裕ぶりでした。

 このような度重なる大事故にも拘らず操縦士を無事生還させたズヴェズダの射出座席は、世界最高の性能との評価を得るに至ったのです。
 かつてのソビエトロシアが生み出した最高の性能。信頼のブランドです(苦笑)。

 先日の救急救命士の件でGenesis先生が開陳していたご意見について考えていた。
 救急救命士に期待されるものとか、救急救命士という資格によって保証される能力の高低とか、色々厄介な問題はあるよなー、と。
 確かにGenesis先生が書くように上のグレードの認定を受けられる道筋をつけるのは望ましいと思う。これは救急救命士に限らず、他の資格においても考えるべき問題だろうね。

 医療関係で思い出しましたが、日本では余り報道されていないようですが、欧州では今、腸管出血性大腸菌O104の集団感染が進行中ですね(Wikipedia)。
 最初はキュウリという話だったのが今はもやしになって、未だに感染源が不明。しかも抗生物質耐性を持っているとかで治療が難しいというアレさ加減。
 まだ外務省の渡航情報のページには情報がないのですが、日本とドイツの間にも少なくない交流がありますから、気を付けないといけないでしょうね……。
 とりあえず検疫の強化はされるみたいですが。

 「メルシス社(オランダ)と株式会社サンリオの係争和解合意についてメルシスとサンリオは訴訟を行うことにより費やす両社の諸費用をむしろ日本の復旧・復興のために寄付すべきであるという結論に至りました。そのような考えからメルシスとサンリオは、和解することといたしました。
 すげー……。


2011年6月8日(水曜日)
 韓国から「米韓FTA協定文、韓国語版に296件の翻訳間違いが見つかる」という笑って良いのかどうか悩むニュース。近代以来、条約に悩まされ続けていた日本としては、実にいい加減なものだと呆れるべきか。
 国家間の条約がどの言語で締結されるかは色々な歴史的経緯や両国の力関係、当時の思想的潮流など、様々な要因が絡みます。
 たとえば、安政五年(1858年)に日米間で締結された日米通商修好条約は日本語、英語、蘭語で作成され、全て同じ内容であるが蘭語を証拠とするとされています。事実上、蘭語正文ですね。長崎の阿蘭陀通詞に英語を学ばせたり、江戸に蕃書調所を設置したりして当時の日本にはかなり高度な英語‐日本語翻訳技術があったようですが、蘭語が正文となっているのが珍かなところです。
 第三国語による条約締結には、仏語や英語がよく用いられます。特に仏語は19世紀頃までは国際語でしたから、日露戦争の講和条約であるポーツマス条約が仏語正文などという事例があります。
 このように単独正文の場合は、翻訳に纏わる誤謬や解釈の相違を避け易い反面、締結国内での条約への理解を困難にする面があります。とはいえ、多言語正文は翻訳がやはり難度が高くなります。
 国連では英仏露中西にアラビア語が公用語で、基本公文書はこの6言語に訳され、すべてが正文という扱いを受けます。
 これがEUとなると加盟国の全公用語が原則として公用語なので、23言語に等しく翻訳されるという凄まじい労力を消費しています。当然翻訳間違いは顕在化し問題となっていますが、もう面倒だからラテン語にしとけよ、とか言いたくなります。
 ともあれ、外交上の翻訳というのは誤訳一つで戦争が起こってもおかしくないものだけに、慎重には慎重を期さねばなりません。そういった基本が出来ていないのではないかあの国は、と思われるのは国家として良いことはないと思いますね。

 児童ポルノ絡みの対策は、実際の效果よりも、心理的效果や、悪影響、副作用が大きい物が好んで実施される傾向がありますが、日本で4月から始まったブロッキングも、早くも「ブロッキング開始後 初のトラブル 児童ポルノ以外のサイトも遮断として問題が発生したそうな。
 私自身はこう言った対策は十分な検討のもとに慎重に效果を推し量りつつ進めるべきだと思いますが、どうも児童ポルノ問題に強くコミットしている方々は、そういう合理的な議論がお嫌いなようなのですよね。
 私は效果がない、もしくは效果が薄い、效果より害が大きいなどといった対策は、予算の無駄遣いだと思っているのですが。


2011年6月9日(木曜日)
 最近ハッカーによるソニーグループへの攻撃が世界的に問題になっていますが、「ソニーポイントでなりすまし不正利用の可能性 28万円分」は直截は関係がなさそう。ただし、実害は生じていますが。
 米国がサイバー攻撃への対応を強化する方針ですから、近い裡に、このようなサイバー犯罪に対する国際的な枠組みが作られる可能性もあるんでしょうかね。その時には、枠組みに参加しない国や、取組が不十分な国が何らかのペナルティを負うことも考えられます。そして最悪それが武力行使を招きかねないとなると、話は色々ときな臭くなりますね。

 3月11日の東北地方太平洋沖地震以降の電力供給の減少により、社会におけるバリアフリーの後退が懸念されています。節電による照明の減少は視力に問題を抱える人々を直撃していますし、エスカレータやエレベータの稼動停止は足腰の弱い人達を襲っています。
 無論、ただ単に電力を供給すれば良いという問題ではありません。原発が稼動しない限り、今後の日本のエネルギー問題は、決して好転はしないからです。
 で、7月2日にTRONイネーブルウェアシンポジウム「3.11以降のバリアフリーの後退を考える」が開催されるというので、参加しようかと思っている。


2011年6月10日(金曜日)
 南シナ海での中越の衝突が厄介な様相ですね。
 南シナ海では現在、西沙諸島と南沙諸島を巡って周辺各国による領有権争いが進行中で、キープレーヤー中国の伸長により軍事バランスが崩れ、潛水艦の増勢などの軍拡競争が進行中です。
 この地域の不安定化は、3.11以降化石燃料依存度が増えている日本にとっては、決して小さくない問題です。ご存知のとおり、中東からの化石燃料は、マラッカ海峡を通り、南シナ海を経由し、バシー海峡を通過して日本にやって来ますから、南シナ海は日本にとって数多いチョークポイントの一つなのです。
 日本が化石燃料への依存度を深めるということは、産出国のみならず、途中の海域の安定にも、これまで以上に気を遣わなければならなくなることを意味します。
 別に原子力を推進しろと言うつもりはありませんが、化石に燃料に頼るということは、血で対価を支払う覚悟が必要だと、弁えておく必要はあると思います。なにせ我が国は70年前に、それで戦争を始めたんですから。

 「平成22年の山岳遭難件数、過去最多の1,942件に」という深刻な記事。
 昭和30年代から40年代にかけての山岳遭難の多発が、山岳警備隊などの結成に繋がったのですが、その当時よりも山岳遭難が増えているというのは、現在の延長や対処療法ではない、改めて何か根本的な対策が必要とされているのではないかと思われます。
 しかし……55歳以上の遭難者が多いってのは、困りものだなぁ。本質的に山登りができる体力がなかったんじゃないかという気がする。


2011年6月11日(土曜日)
 川口にて、クレヨン社の加藤さんの新作映画試写会へ。
 「FtM」が良かったなー。

2011年6月12日(日曜日)
 ボーマスへ行ったのだが、なんというか、空調が弱められた会場にあれだけ人を詰め込むとどうなるか、という一種の実験場になっていた感あり。
 というか、あのイベントであの感じだと、夏の本番はどうなることやら。
 何か本格的な対策が必要なんじゃなかろうか。

2011年6月13日(月曜日)
 月一ペースの病院通いで、医者を悩ませてくる。
 ロキソニンもボルタレンもブスコパンも薬局で買える良い時代になったのに、医者に通うペースは増えているのが不思議ー。

2011年6月14日(火曜日)
 終業後に神保町へ向かい本日発売の「2:46 Aftershocks─午後2時46分 すべてが変わった」を捜すが見つからず。カウンターで尋ねても入荷していないとのすげないお返事。
 已む無く、「困ったときのジュンク堂」というわけで池袋へ移動。
 ジュンク堂で二冊のみ並んでいた目標を捕捉、これを確保することに成功する。
 あまり刷ってないんだろうか……。

24時間テレビの今年のテーマは節電なんだってね。 じゃあ放送しなくていいよね。less than a minute ago via jigtwi Favorite Retweet Reply

 24時間電波を止めると、とても節電だと思うよ!

 「高信頼性リアルタイムOSがいよいよ宇宙へ!」と久しぶりのTRON & 宇宙ネタ。
 HIREC HR5000って調べてみたらMIPSの64bitチップなのか……。宇宙用にも64bitなんつーチップが使われる時代なのか。


2011年6月15日(水曜日)
 日本エネルギー経済研究所の「原子力発電の再稼動の有無に関する2012年度までの電力需給分析」をざっくり眺める。
 1ページ目の主な結論の時点でかなり酷い結論が出ているが、今年の夏が乗り切れても、このままだと来年の夏は越せない、ということになってる。石油火力の稼働率が100%以上必要とか、無理だし。
 このままだと、どこかの段階で必ず、現在停止中の原発の再開を決定せねばならないわけだ。
 無論、日本経済なんか崩壊してもいいし、弱者なんていくら困窮しても構わないから原発を即刻廃止すべきだ、という意見もあるだろうが、私は残念ながらそのような社会に住みたいとは思わない。
 なにせ健康で文化的な最低限の生活はしたいからね。
 しかし、この報告書を読んで「全原発停止なら…家庭の電気代1千円アップと試算」という記事を書く読売の記者の質はどうしようもないな。この報告は「来年の夏は金を出しても必要な電気買えなくなるよ」と言っているのだが……。

 「女性用トイレは男性の2倍必要と考えた萩市役所という記事を見て思う。
 計測の結果、利用者の母数が女性の方が多く、平均利用時間も女性の方が長いのであるから、女性用トイレの方を多くすることに異論はない。
 が、観察や計測が忘れ去られて「女子トイレを倍作る」だけが一人歩きし始めなければ良いけど。
 場所によっては逆になるところもあると思うんだ……。


2011年6月16日(木曜日)
 「国内初 リチウムイオン二次電池搭載のコンテナ型大容量蓄電システムを開発 出力1,000kWで移動が容易、長崎造船所で電力安定化実証試験を開始」……。
 三菱先生、パネェっす。
 容量408kWh、出力1MWとか、なんか「電池」という単語で表現する存在ではない気がする。
 このようなご時世じゃなければ生まれなかっただろうが……これは本当に日本はピークシフトに邁進して訳の分からない国になってしまうんじゃなかろうか。
 それはとっても、素敵だなって。(おい)

2011年6月17日(金曜日)
 「戦前日本が建設した“東洋最高のダム”、全面再建で奇観も失う見込み—吉林省吉林市」とあり、満州国に建設された豊満ダムが全面再築となるとかで、中国でも議論が起こっているらしい。
 まあなにせ稼働開始が1942年と70年も前の話なので、老朽化については否定すべくもなく、近代建築の文化財としての価値はあれども、安全性を持ち出されると反論は難しいところ。建築時にどのくらいの設計寿命だったのかについては、資料を見つけられなかった。でもまあ、日本国内でも布引五本松ダムとか、100年以上前のダムが補修しながら利用されているわけで、適切な補修をすればまだ使えるんじゃなかろうかと思わないでもない。どっちにしろ、既に日本の手を離れた問題で、結論を見守るしかない。
 さて、豊満ダムは重力式コンクリートダムで、高さ91m、長さ1,110m、最大貯水量125億m³で発電力70万kW(当時)という、日本国内には例のないスケールだった。ちなみに国内最大の貯水量を誇る徳山ダムが6億6,000万m³、最大発電量を誇る奥只見水力発電所が56万kWなのでその規模が分かろうかと思う。
 しかし何と言っても、これだけの規模の土木工事の果てに生み出される電力が、最新の原発1基分にも満たないという事実に慄然とする。

 「スタジオジブリ自社ビルの屋上に「スタジオジブリは原発抜きの電気で映画を作りたい」の横断幕」というネタ。
 原発は拔きだけど、石油焚くのも石炭くべるのもOKってことだな。ダムを作って村を沈め海岸線を削るのもOKだし、地熱発電のために温泉をじゃんじゃん汲み上げるのもOK。
 全ては脱原発の名の下に許されるのだー。
 ……自家発電で全部賄ってみたらどうかね。
 幸い、大容量の蓄電池もあるし、再生可能エネルギーの不安定な発電力も、余裕を見て平滑化させればなんとかなるだろう。どれだけの土地面積が必要になるかは、分からないけど。

 かつてから色々と問題になっている「広島市長」問題で、今年の統一地方選で当選し、就任した松井一實広島市長が「被爆者援護めぐる広島市長発言に批判の声として叩かれていた。
 恐らく、広島(と長崎)以外の人間からしてみると、松井市長の発言はそれ程おかしなものとは受け取れないのではなかろうか。私も、至極普通の発言だと思う。
 被爆者に感謝を強いるつもりはないが、感謝のない擁護の要求は、いずれ反感を買う。そうなってからでは遅いと私は思うがね。
 「広島市長」は永遠かつ無限に被曝者を擁護し続けなければいけない職務だと、決められているわけでもなし。


2011年6月18日(土曜日)
 「東北電、発電所に一般家庭5万世帯分の蓄電池 冬の需給対策で」と、出力2MWの日本ガイシ製ナトリウム硫黄電池を火力発電所に併設し、負荷平準化を図るそうな。
 通例、この種のナトリウム硫黄電池は、太陽光発電や風力発電といった、需要に応じた発電ができない発電方法に対して発電の過不足を吸収する目的で併設されるのですが、今回は火力発電所に装備することによって、夜間等に充電し、昼間のピーク時に給電する、という使い方になるようです。
 本来であれば、火力発電所は変動する電力需要に追従して発電を行うものですから、これをほぼ全力でフル稼働させようという目論見もまた、危うさを感じるところです。

 大震災の影響で放送が延期になっていたハイビジョン特集フロンティア「ドキュメンタリードラマ カティアとモーリス 〜雲仙・普賢岳 火砕流に挑んだ夫婦〜」を視聴。
 あの1991年当時の記憶が色々と蘇った。
 今思えば、非道い時代だった。
 マスコミは避難勧告に従わないわ、傍若無人に避難所を撮影するわ、火砕流に巻き込まれた遺体だろうがなんだろうが写していた。
 さらに遡れば、1985年の日本航空123便墜落事故では、墜落現場にカメラを入れて、無惨な遺体(というよりはその一部)を報じていた。
 それに比べれば、現在はかなりマシになったとも言えるし、そのような時代があったことを忘れてしまっているとも言える。
 とりわけ歴史学徒としては、忘れないこと、を大切にしたい。


2011年6月19日(日曜日)
 自宅で使っているCRTディスプレイの調子が悪くなり、時に全く映らなくなる(OSDも出ないので、ディスプレイ本体の問題)ようになってしまったため、急いで代替品を探しているのだが、流石にCRTディスプレイは新品などあろうはずもなく、中古品も状態が良い品は下手な液晶ディスプレイより高い始末。
 愈々液晶モニターにしないと駄目かな……と思って値段を調べていたら、今や4:3のUXGAモニタより、16:10のWUXGAモニタの方が廉いという事実に行き当たる。
 なんということだ……。
 個人的には、UXGAでいいから120ppiのディスプレイが欲しいのだが、適当なものが見当たらない。医療用のレントゲンモニタがこちらの要求に一番近いのだが、値段が一桁違うからなー。

2011年6月20日(月曜日)
 日本の「京」がTOP500にて1位を奪還
 リストを見ると、他には上位にTSUBAMEが5位にランクインしていた。地球シミュレータは67位。
 やはり一位じゃないと駄目なんだよ!(苦笑)

 目黒区立図書館節電法が面白いと話題に。
 火〜金曜日の13〜16時を閉館する、というのは、組織のシエスタみたいなもんですな。
 どのくらいの節電効果があるのか、ちょっと興味がある。

 International Business Machines社創業百年とかで、Gizmodoに「IBMがこの百年で実現した9大技術」なんて記事があったんだけど、個人的にはこの中に「マークアップ言語」を入れておいて欲しいところ。
 現在我々がweb等で毎日利用しているHTMLもXMLも、IBMが生み出したGMLが元になっている。GMLがSGMLとなり、XMLが生まれる過程には様々な歴史があったが、それらを踏まえてなお、私達はIBMのお世話になって暮らしていると思うのであった。

 台湾から「中国の簡体字排除せよ…台湾当局が通達という面白おかしい記事。
 別に簡体字を擁護するわけではないが、目を三角にして排除を叫ぶほどのものでもなかろうという気がする。どうせ教育とかでは使っていないのだから。
 果たして簡体字が大陸における教育の普及にどの程度の力を発揮したのか、門外漢であるので断ずることはできないのだが、台湾や香港の事例を考えるとそれ程支配的な要因ではなかったのではないかな、と思わなくもない。(それは日本の新字体にも言えることなんだけど)
 寧ろ歴史的連続性を断ち切ってしまった悪影響の方が、“今となっては”大きかった気がする。尤も、その当時今のような電子技術の発達を予想していた人間がいたとしたら、それは気狂いの類だろうけど。


2011年6月21日(火曜日)
 自宅のマウスを新調してみた。
 別に壊れたわけではないのだが、プラスチック表面の塗装が剝げてスイッチも大分ヘタってきていたので。真新しいカチカチというクリック感は気分が良いね。
 思わぬ副産物としては、これまで不調に喘いでいたアプリケーションとの連携が、ドライバが新しくなって改善されたことだろうか。

 首相が「参院自民党は信用できない」と発言している
 そりゃ自業自得だわな、と。
 以前にも書きましたが、民主党は野党時代から自分たちが与党になったときに野党との協力連携を考えているとは思えない行動を採っていましたし、衆院選に勝ち「政権交代」とやらを成し遂げた後には露骨な報復人事を行って、これまた再び野党に戻ったときのことを考えているとは思えない行動を採りました。
 日本の政治文化では与野党間の合意が重視されて来ました。国会の委員会は全会一致を原則とし、たとえ与党が圧倒的多数であっても議論を尽くすのが、民主党が擡頭して来るまでの通例でした。たとえ少数野党であっても委員会では発言機会が与えられ、議論を尽くすことが出来るという信頼関係があったればこそ、与野党の間での協力連携もあったわけですが、それらを破壊したのが民主党だったわけです。
 なので、民主党が野党が信頼できないのは自業自得以外の何者でもありません。そのための努力をこれまでしてこなかったのですから。

 松坂屋上野店で「被災した会社の缶詰などセール」と、石巻で被災した水産加工工場から発掘された缶詰を販売しているらしい
 28日までということなので、暇を見て行ってみよう。


2011年6月22日(水曜日)
 国会の会期が70日延長。
 この「70日」という数字が実は重要なマジックナンバーなんじゃないかと思います。
 まず、憲法の規定により、予算は衆院で可決成立してから30日で自然成立します。
 しかし、予算だけが成立しても、歳入を保障する赤字国債の発行など予算関連法が可決成立しないと、予算は執行不能な机上のものとなってしまいます。
 予算関連法は予算ではなく通常の法律ですから、衆院だけでは自然成立はせず、参院で可決するか、衆院2/3による再可決が必要になります。
 衆議院の勢力でいうと民主党が301議席、国民新党が3議席、その他与党系議員を足しても、定数(480)の2/3(320)には僅かに届きません。しかし、社民党やみんなの党が賛成に回れば、2/3を超える可能性が出てきます。
 予算関連法を衆院で特急で可決成立させれば、最大60日間の参院での審議期間を見込んでも、衆院再可決の時間がある、という話になります。
 直前まで与野党間で合意されていた50日という延長会期はこの日数には足りず、参院での野党の協力がない限り、予算関連法案は成立させることができません。それ故に、野党を信頼する、という意思表示になっていたわけです。
 それに対して70日では、野党が参院で協力しなくても、非自公(主に社民党とみんなの党)を取り込むことによって予算関連法を成立させられる余地があります。復興に関する予算であれば、少数野党の取り込みも、比較的簡単でしょう。つまり、参院での自公を信用しない、という態度表明となっています。
 自公両党が態度を硬化させたのは、よく理解できます。
 与野党間の信頼関係が大事である、とされる国会情勢に於いて、信頼を醸成する努力を自ら蹴っているわけですから、他所の国の出来事であれば、大いに笑っていたところでしょう。

2011年6月23日(木曜日)
 昨今流行りのミラーレス一眼にペンタックスが「PENTAX Q」にて参戦。
 なんというか、コンセプトが凄くとんがってて、素晴らしく趣味的。オート110のデジカメ版、という印象。
 撮像素子はコンパクトデジタルカメラと同寸のものを用い、シャッター機構を省き(レンズ側に持つものがある)ボケはソフト任せ、と、見事な割り切りというかなんというか。交換レンズにも魚眼があったりして、さすがペンタックス、考えていることがさっぱり理解不能だ(笑)。
 総じて言えば、ユーザ層が見当もつかない製品で、上手く行けば新たなジャンルを切り拓くのだろう。

 19時〜21時で時間指定した荷物が、23時になっても届かない佐川急便。
 今から来られても困るが、明日になっても困る。何のための時間指定か。


2011年6月24日(金曜日)
 4月に注文した自転車がようやく到着。
 軽いー。
 サドルの位置やブレーキの調整をしたりして時間を潰し、昨日届くはずだった佐川の荷物を待つ。
 ……今日も来ませんでした。
 不在票もないままに、トラッキングステータスは「配達中」から「持ち帰りました」に。
 佐川はウチに荷物を届ける気がないのか。

2011年6月25日(土曜日)
 ようやく佐川がウチに荷物を持ってくる。
 届いたのは液晶ディスプレイ。
 長年使っていたCRTディスプレイが危篤状態に陥ってしまい、急いで代替品を調達したというのに、佐川は二日間もウチをスルーしてくれやがりました。
 流石に三日目ともなると持ってきましたが……それでも指定時間の下限ギリギリとか。
 ともあれ、WUXGAの液晶ディスプレイが備わりました。
 廃用になるCRTは情報機器リサイクルセンターでの回收待ち。最近は捨てるのも大変だ。

2011年6月26日(日曜日)
 曇り空。降りそうで降らない、僅かに雨滴を感じることもあった、程度の日曜日。

 Genesis先生談「Quartz XL Lightで検索すると小熊さんのtwitterがトップにヒットする。」とのこと。
 ミヤタは本気であの自転車を売る気がないのではないか……?
 軽くていい自転車なんですがね。まあ、注文してから納品されるまでに二箇月半とか掛かっていては、売れるものも売れないでしょうけど。


2011年6月27日(月曜日)
 久しぶりのチャベスたんネタで「チャベス大統領、深刻な容態か」という話題が。
 民心を摑み、政敵を駆逐し、憲法を改正し、永遠の権力者としてベネズエラ史に君臨せんとしたチャベスたんであったが、病に倒れ、今や風前の灯火とか。まさに驕れる者は久しからず、である。死後、チャベスたん一代記を琵琶法師に唄わせると宜しからん。
 有史以来何度となく繰り返されてきたものであり、たとえ不老不死の霊薬を求めて東の果てに道士を送り込んだとしても、その死を逃れたものは未だ嘗ていない。いかなる野望も、権力も、名声も、死を前にしては等しく無力だ。
 ここまで典型的独裁者の道を歩んできた彼の、最期の日々を興味深く見守りたい。

2011年6月28日(火曜日)
 梅雨も明けきってないというのに真夏日、熱帯夜と、体力が消耗気味。
 どこかで回復を図らんとなるまい……。

 「中国人でも読めない? 難解すぎる漢字」……。
 ようし、見なかったことにしよう!


2011年6月29日(水曜日)
 ディスプレイを変えたので、ビデオカードも変えてみることにした。
 これまではアナログ接続のディスプレイだったので、アナログの発色が良いカードを、という選択で、グラフィックチップの能力は二の次三の次にしていたのだが、どうせHDCP対応のデジタルモニタになってしまったので、この際ビデオカードもHDCPに対応したものに変えてしまえ、と。
 で、性能は求めていないので、玄人志向ファンレス品を買ってくる。カードも小さくなったしヒートシンクも小さくなった。多分消費電力も減ってるんじゃないかな。能力的には、これで充分。

 6月だというのに、関東では日中最高気温が35℃を超える酷暑日に。電力消費は跳ね上がり、午後には90%を超える。
 一方で電力供給の逼迫に伴う節電によって「節電熱中症」なる症候群も現れたようで、昨年同期の5.3倍の2,996人が熱中症で病院に担ぎ込まれているらしい。
 ぶっちゃけますと、これは電力供給が満たされない限りは、状況は改善しないでしょう。
 原発止めたい人は沢山おられるようですが、この数字を見てもまだ同じことが言えるのであれば、それは弱者より反原発の方が優先という、素敵な思考回路の持ち主なのでしょう。
 ま、とりあえず当面は節電で凌ぐしかないわけですが、私の家では、今週末に冷蔵庫が新品へと更新されます。20年選手の冷蔵庫なので、これで多少は節電になるのではないかと。
 もっとも、同時に玄関から台所まで、冷蔵庫を運搬する道を週末までに作らなければならないという、難題が生まれてしまったわけですが。

 今日のNHKクローズアップ現代に、ドナルド・キーン先生が出演していた。
 番組中で高見順の戦中の日記にある、東京大空襲後の東京駅で、じっと順番待ちをしている人々を見て私はこうした人々と共に生き、共に死にたいと思った。と書いた一節を引いていたのが、実に感慨深かった。
 私も震災後に感じたが、ここを死ぬべき土地と定め、共に死ぬことを覚悟した集団が、日本人という集団なのではないかと漠然と思うようになった。
 多分、日本人という自覚は、昔からそういうものだったんだろうな……。


2011年6月30日(木曜日)
 ロシアから「ロシアも新規空母建造へ…太平洋配備もというニュース。
 実際に造るかどうかは今ひとつ定かじゃないというかロシアなんで予算切れて終わりとか結構あるのですが、その意志を見せているという点は軽視すべきではないでしょう。極東は、今や火薬庫の様相を見せています。
 残念なことに、我が国も何らかの形でお付き合いを続けざるを得ないわけです。
 日本列島の位置を動かすことができない以上は。