哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2010年9月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2010年9月1日(水曜日)
 朝の読売新聞の一面に「鳩山氏「ボクはなんだったんでしょう」なんて見出しが踊っていて吹いた。
 我に返った道化程虚しいものはないな。

 国が変われば選挙制度も違うものですが、スウェーデンから「スウェーデン総選挙、王女ら知らぬ間に「立候補」という愉快なニュースが。
 日本人からすると、王族が選挙に出れるのかとか、本人の同意なく指名できるとか、突っ込みどころがあちこちに。
 ちなみに日本では戦前の貴族院に皇族議員が制度上存在しましたが、実際には皇族は政治に関わることを善しとしなかったため、実際に登院したことはなかったと記憶します。なお、現行憲法では皇族に政治参加をする権利はありません。それもどうかと私は思うのですがね……。

 岡崎市立中央図書館事件(librahack事件)について(過去日記1,2,3,4,5,6,7,8,9,10)、岡崎市立中央図書館声明を発表

岡崎市立中央図書館のホームページへの大量アクセスによる障害について

 平成22年3月から4月にかけて、新着図書データベースへの大量アクセスがあり、中央図書館のホームページ(蔵書の詳細情報)につながらない、又はつながりにくい事態が、何度も発生していました。市民の方からその旨のお問い合わせをいただくことも何度かありました。

図書館が導入しているコンピュータシステムのソフトウエアを開発した会社に連絡し、調査したところ、本を検索したり予約したりする一般利用とは異なり、短時間に大量のアクセスが行われていることがわかりました。これによって、それまでは問題なく閲覧できていた図書館のホームページが閲覧できない現象がたびたび発生していたということですが、誰が何のために行っているのか不明なため、図書館も対応に苦慮していました。

しかし、このような状態を放置しておくことは、より多くの方にご迷惑をかけることになるので、警察に、このような事例が他にも存在するのか、犯罪性はあるのか、また相談窓口はないか、といったことについて相談し、最終的には被害届を提出しました。

その後の捜査により、大量アクセスを行った人物が逮捕され、報道によりますと、起訴猶予処分となっているとのことです。

このコンピュータシステムは平成17年に導入しましたが、その時点で自動プログラムを用いて短時間に大量の図書データ情報を入手できるような事態は、想定していませんでした。今回の事例により、そのような情報入手の方法があることを認識し、本年7月、大量アクセスに対応できるよう、コンピュータシステムの改善を行ったところです。

ホームページは誰にでも開かれています。もちろん事前の申請の必要もありませんが、利用者の方におかれましては、情報収集のために使われる手段が、他の利用者に迷惑をかけていないかどうかについて、ご配慮をお願いいたします。

 なお、平成23年1月初旬には、サーバーの入替を主とするシステムの更新を行います。これにより、図書館業務の機能強化を行うとともに、今回のような、大量アクセスへの対応はもちろんのこと、市民の皆さんの使い易さの向上を図ってまいります。

平成22年9月1日

岡崎市立中央図書館

 恐ろしいくらいに何の内容もない。
 というか、当事者であるという認識が希薄な文章で、かなり他人事モードというか……。
 敢えて書くなら被害届出したら利用者が逮捕されちゃった。てへみたいな。
 まとめサイト管理人の電凸とか見てると、まだまだ明らかになっていない「根」がありそうにも思えてしまう。

2010年9月2日(木曜日)
 先月蓮田市の件だが、無事というか無益にもと言うか市議会を通過したと読売新聞が「意見1件もなし…蓮田市名の「しんにゅう」問題と報じていた。
 実に馬鹿馬鹿しい話で、市民から意見がなかったことを良しとすべきなのかも知れないと思わなくもない。
 もし今後の国語政策によって「やっぱ之繞は全部二点ね」とか決まったりした場合は笑い話になるであろう。
 というか、常用漢字改訂に伴って必然的に表外漢字字体表も改訂されねばならんわけで、それに際して何が起こるか分からない現状でこういう判断は色々と危ういと私は思いますけども。

 これまた先月ニュースで知った中国山東省にお住まいの𢒉族ご一族様改名騷動の続報が毎日に「世界の雑記帳:中国の町が住民200人に改姓要求、「漢字変換」理由にと。
 先月の報道ではやむなく自ら改姓したような話だったのが、今度の記事では無理矢理に変わっていた。
 どちらにしろ、Unicodeはもとより、中国の国家規格であるGB18030(これへの対応は義務である)にも收録されている字であるから、パソコンで出ないと言うことは考えにくい。
 改姓を迫った役人のコンピュータ・リテラシに原因が求められるのかも知れない。
 権力を低脳が握っていると大抵碌なことにならない。それは日本も中国も変わらないのだろう。


2010年9月3日(金曜日)
 昨夜、ちょっとムシャクシャしていたので自転車を普段の倍・42kmほど漕いだ。今朝は太股が……(笑)。

 今朝のNHKのニュースで知ったのだが、昨日、民主党の代表選挙の候補者(菅首相と小沢元代表)による公開討論会があったらしい。
 しかし、聞いていると、昨年の衆院選で掲げた公約の実現方法を戦わせているとかで、正直頭がおかしいんじゃないかと。
 そういうことは、公約を掲げる前にやっておくべきことであって、政権をとってからそれも一年近くを過ごした今になってすべき議論であるとはとても思えない。泥縄にも程がある。

 岡崎のlibrahack事件(過去日記1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11)の当事者の一人であり、岡崎市立中央図書館のシステム開発元である三菱電機インフォメーションシステムズがプレスリリースを発表。
 「弊社「図書館システム」について
 先日岡崎市立中央図書館の声明文も大概だと思いましたが、これは輪をかけて酷い。
 このlibrahack事件や、蓮田市の之繞の件、中国での𢒉一族改名事件、どれも「取り返しの付かない決定をする前に、一言専門家の意見を聞いていれば」と思わずにはいられない。
 librahack事件であれば、常識的な能力のあるSEならば、MDISのシステムを疑うだろうし、最低でもプロバイダを通じた迷惑行為への警告を発するよう提言したことだろう。
 蓮田市ならば、「之繞の点は一つでも二つでもいいんですよ」と漢字の歴史や国語政策を提示して啓蒙してくれたことだろう。
 𢒉一族の改名ならば「辞書登録しましょう」で済んだ話ではないか。

 家に帰ってきたら、サーバに繋いである外部HDDから異音が……。たまんねぇ……。


2010年9月4日(土曜日)
 それはもう、情操教育のために来週末、種子島に連れて行くしかないでしょう。>Genesisさん

 宇宙ネタと言えば、小惑星探査機はやぶさのカプセルが全国巡業の先頭を切って近鉄百貨店阿倍野店で17日から21日まで公開されるそうですが、展示品目にヒートシールドがない件。
 以前から、ヒートシールドは解析へ回すため公開は初期だけと言われていたので、驚くことではないのですが、残念と言えば残念。
 もっとも、秒速12km超で大気圏に突っ込み、当初の設計以上の性能を発揮したヒートシールドの解析は、今後の再突入体開発の上で不可欠ですので、致し方ないの所。
 というわけで、相模原まで観に行った理由もそこら辺にあったのであった。

 小沢さんって自分に行政手腕があると思ってるのかなぁ。思ってるから代表戦に出てるんだろうけど……。
 ないよね。


2010年9月5日(日曜日)
 対ドラ三連敗……。しかも全く勝てる雰囲気なし。三戦とも先取点を取られて逆転の芽も作れずずるずると9回を迎えるという肅々たる負けっぷり。
 やってられんわ。俺の観戦時間を返せ。

2010年9月6日(月曜日)
 昨年大容量規格のSDXCが出たと思ったら、新スピードクラスUHS-Iが登場して、規格組み合わせ絶賛爆発中のSDカードですが、今度はピンを増やすそうな。
 いやだからさ、もうちょっと先々を見越した規格作りってやつが必要なんじゃないかと思うんだ……。

 某広域指定暴緑団の組員が鯨肉を宅配便業者の倉庫から盗んだ事件(過去日記1,2)の一審判決が青森地裁で出た
 結果は執行猶予付きの有罪判決(懲役1年執行猶予3年)。
 まずまず妥当な線ではなかろうかと思う。
 如何に目的が正当であろうとも、法を犯せば犯罪者であって、それ以上でもそれ以下でもない。
 言論の自由がなく、民主国家でもなく、主張を行うことが著しく困難な社会であるというのであればグリーンピースの手法が正当化される余地があろうかと思いますが、今回の一件であれば、証言をまとめて警察に告発状を出せば済む話を、わざわざ運送業者の倉庫に入り込んで箱を盗み出しているのですから、弁解の余地はないかと。
 だからこそ、GPは日本側を「アパルトヘイト的」と評せざるを得ないわけですな。まあ、控訴するそうですので、頑張ってくださいとしか。
 ただ、勾留期間が長いこと(&代用監獄制度)と、弁護士の同席しない取調べはどうにかした方が良いと思います。librahack事件なんかもそうですが、あれは本当に良くない。


2010年9月7日(火曜日)
 librahack事件(過去日記1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12)について、岡崎市議会9月定例会において梁瀬太市議が質問を行った
 音声もネット上にUpされていた
 凄い時代になったな……。昔は議事録が公開されるまで何日も待たされたものだけど。
 質疑応答の中で#librahackだとか「アクセス巡回の自動化プログラムと業務妨害罪」が紹介されていたりして聞き応えのある内容だった。実りはあまりなかったけど。
 最近では日経パソコンのコラム「岡崎市立図書館事件に見るネットと法執行機関のズレ」で採り上げられたりと、この問題が広がりを続けていることに安堵する一方で、これがもっと広く、もっと一般の人にも知られるようになって欲しいと切に願って已まない。
 しかし、高木浩光@自宅の日記の9月5日まとめサイトの「電凸情報その2」あたりを見ていると、本事件において最大の過失を犯しているのはMDISっぽいな。

2010年9月8日(水曜日)
 久々のお湿り。
 旧暦が葉月に入ったと思ったら颱風ですか。
 でも渇水の心配をしなければならないような状況だったので、恵みの雨の面もあり。
 ただなぁ、極端なんだよな。

 狩野さんが氏原主任国語調査官の欠席裁判みたいな一幕があった。書いていた昨日の「常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応に関する専門家会議」(第5回)ですが、NHKのカメラが入っていたな、と思ったら夜の「視点・論点」で採り上げられていた。今朝の読売朝刊にも記事があった。
 CSの日テレG+「読売ニュースナビ」でも梅村雅裕・社会部記者の解説で「新常用漢字で何が変わる」という番組を流していて、番組後半では教育の問題に触れていた。
 「視点・論点」ではNHK放送文化研究所が高校生を対象に行った調査についても触れていたりして、短い割に内容が豊富だった。

 librahack事件(過去日記1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13)の被疑者だったlibrahack氏(もうこの呼び名が定着したと見ていいだろう)が久しぶりにTwitterでつぶやいていた
 librahack氏に反省すべき点がないとは言わないが、その過失責任がMDISを上回るようには思えない。取調室から何度もMDISのソフトの疑問点を問い合せてくれと訴えていた氏に対して、MDISが誠実な回答をしなかった点で、MDISは民事で訴えられても仕方ないレベルだと私は思う。
 この問題の当初から技術的検討を先導してきた前田勝之氏が情報公開条例を使って手に入れた書類についてのtweetを見ていると、MDISと図書館の不作為責任は訴訟に値すると思う。マジで。
 あと、公共図書館員からなる図書館問題研究会が声明を発表したそうな。
 この事件が起訴猶予という形で雪隠詰になってしまったことが、大層悔やまれる。公判が開かれていれば、法廷の場ですべてを詳らかにできたであろうに。


2010年9月9日(木曜日)
 「米のアジア同盟国格付け…日本は韓国より下ですか。
 まあ、下手したら来週にも首相が替わりかねない国でここ一年の信頼度も下がりっぱなしですからね、米国の決断には已むを得ない面もあろうかと思います。
 それより何より、どうしてこうなった?と問い質したい。力一杯問い質したい>現政権

2010年9月10日(金曜日)
 何を仰る。宇宙機は今やロボットですよ。そしてロケットがロボットなのはマグマ大使の頃からの伝統です(大違)。
 実に将来有望と言えましょう。今のうちから二進数計算を仕込んでおくことをお勧めします。
 そういえば「借りぐらしのアリエッティ」でスピラーが二進数で指折り数えるシーンがあったな。あれはきっと二進数演算を広めようというジブリの意志に違いない(茫)。

 日経メディカルに「存在意義薄れる医系技官 退職者相次ぐ背景に政治主導の影響?」とかいう記事。
 日本の近代化の過程においてテクノクラート(高級技術官僚)が果たした役割が極めて大きいことは論を俟ちませんが、現代においてその役割が小さくなったとも聞きません。政治家がジェネラリストであるからには、官僚はスペシャリストであることが求められ、相互補完が期待されます。そして大臣がとりわけ凡暗である厚生労働省の中に医官がいなければ小さくない問題が生じるでしょう。
 審議会に現役の医師や医療従事者、研究者がいればよい、という意見もあるでしょうが、その審議会の委員選任過程が、どう見ても論功行賞人事に陥っている現状において、頭のオカシい政治家の意見を、真っ当な専門的知見から止めうるかと言われると、難しいのではないかと思われます。
 もとより私は民主党の言う「政治主導」とやらに全く期待しておりませんが、「実行力のある政治家」というのは言わば毒薬であって、良くて劇薬だと私は思います。それだったら、何の效果もないプラシーボの方がマシではないかと思う次第です。

 沖縄の海兵隊にV-22オスプレイが配備されるいう話で、現地は盛り上がっているようです
 なんで盛り上がるのかよく分かりませんが。
 説明も何も、米海兵隊が次期主力輸送ヘリとしてMV-22を使用することは既定路線であって、日本とは本質的に関係がありませんし、日本が米軍の装備について文句をつけることも基本的にはできません。
 それに、オスプレイが墜落事故を起こしていたのは専ら開発段階の話で、制式配備が始まってからの事故は空軍のCV-22が今年4月にアフガニスタンで墜落したのが一件だけ。それも機体の欠陥ではなく、ブラウン・アウトと呼ばれる砂塵が原因であることが報告されています。開発段階で航空機が墜落事故を起こすのは珍しいことではありませんし、また事故を起こしたからこそ制式化までに改良が進んだ面もあります。
 私には、オスプレイには欠陥機と呼ばれなければならないような欠陥があるようには思えません。現在までの配備数が100機を超えることを考えれば、他の機体に比べて著しく事故率が高いとも言えないと思います。
 沖縄の人たちの主張を見ていると、時折、知識や情報の更新を怠っているのではないかと疑われる節があります。米軍憎しの余り、現実が見えなくなっているのではないかと危惧されるところです。


2010年9月11日(土曜日)
 H-IIA F18射上げ成功☆
 今回も非常に精度が高いですねぇ。
 積み荷に関しては……正直、あまり良い印象は持っていないのだけれど、射上がったことは目出度い。

 巨人‐広島戦。
 勝つには勝ったが、勝っただけ。酷い試合だった。
 取ったり取られたりで見事な投壊戦。
 最後に阿部の満塁本塁打で突き放したけど、次に繋がらない勝ち方。
 こういう勝ち方しかできないようでは……。


2010年9月12日(日曜日)
 普段は日没後に走っているのですが、思いついて午前中に走ってみたら、やっぱりしんどかった。すべきではなかったと後悔した次第。だってどんどん気温が上がっていくんですもの……。

2010年9月13日(月曜日)
 苫小牧民報が「本文書体をユニバーサルデザイン文字に」とかなんとか。
 どの位違うものなのか、見てみたいとは思うものの、苫小牧なんて地の果てでは入手のしようもなく。

 夜、家まで後一歩という所で雨を感じる。
 本降りになる前に滑り込みセーフ。
 天気はそのまま荒れ模樣に突入し、雷雨へ。
 長い夏の終わりを感じさせる、荒天。


2010年9月14日(火曜日)
 Hooters日本進出……って、マジだったの?

 なんか「東京マルイがアンダー10万円で電動バイクを発売!」とか。
 東京マルイといえばエアソフトガンメーカとしてよく知られているところですが、一体どういう経緯で電動バイクを発売することになったのやら。会社のページには一切情報がないし、自社開発なのかOEMなのかもわからない。

 電気自動車関連といえば、朝日に「EV普及で補助制度創設へ=バス、タクシー会社対象に—国交省なんて時事の記事がありましたっけ。
 現在の電気自動車の性能を考えれば、バス・タクシーを集中的に補助するのは正解でしょう。私だったら、郵便・宅配業者の集配車辺りを加えますが。

 就任した時には、最大限見積もって9月まで、と見ていた菅内閣ですが、“もう少しだけ続く”ようですね。尤も、こうなると“もう少し”がどの位になるのか見当もつきませんけど。
 代表戦に小沢氏自身が出てきたのが菅氏に幸いしましたね。私は誰か別の人物を立ててくると思っていたので……
 勝つには勝ちましたが、菅内閣には問題が山積。今後も綱渡りが続きます。
 報道では「圧勝」とされていますが、国会議員票に限れば菅氏412票に対し小沢氏が400票を獲得しているため、小沢氏に何か役職を用意しないと小沢支持者が造反(あるいは離反)しかねない危うさがあり、一方では就任以来の無策によって絶賛進行中の経済減速をどうにかすることを求められ、外交的には日本軽視が罷り通てしまっています。
 それでも「無能な働き者」より「無能な怠け者」を選ばざるを得なかった。
 そういう代表選でした。


2010年9月15日(水曜日)
 内閣府のwebサイトで「「障害」の表記についての意見募集」なる意見募集が始まっています。
 前首相がおっ始めた障がい者制度改革推進会議の一環のようですが、悩ましいですね。
 「障害」「障がい」「障碍」「しょうがい」の中で択一と言われたら「障碍」(もしくは「障礙」)を選ぶでしょうが、それは飽くまで表記法的な見地からの判断であって、意味論的な判断ではありません。意味を考え始めると、「障碍」ですら必ずしも悪い意味を含まないわけではないことは調査済みの話です。
 その点から振り返ると「障害」を「障碍」に変更するだけのコストが、その結果に見合うのかという点で疑問を持ってしまいます。単なる言葉狩りの種を蒔くだけで終わりそうな予感が紛々する。
 「誰か「碍」を常用漢字に追加することで生じる社会的不利益について説明してくれよ」ともの凄い喧嘩腰で「碍」の常用漢字への追加を訴えている人もいますが、「碍」を常用漢字へ追加することよりも、「障害[者]」を「障碍[者]」へ変更することに伴って発生する社会コストが、得られる利益に見合うのかという点で、疑問がありますなぁ、と。
 「障害」の表記問題を除いて単に「碍」を常用漢字表へ入れるか入れないかという話であれば、頻度調査に基づく漢字小委員会の決定は否定するほどのものでもないな、なと。
 要するに、最終的には障がい者制度改革推進会議の結論待ちですが、障害者団体の意見すら割れているような状況で、あえて法律上の表記を変えて議論を巻き起こす必然性までは感じないというのが正直なところです。
 結局のところ、「障害」という単語から想起されるネガティブイメージを払拭しなければ、表記だけ変えても負の印象が伝染してまた同じことの繰り返しになりかねませんからね。

 言葉狩りで思い出したんですが、「さくらんぼ小学校問題」。あらりあさんも採り上げていましたが、東根市長の言動が素敵こいてますな。
 「私立さくらんぼ小学校」と言えば私でも知っているくらいの大手外周壁サークルです。当然のように市役所内でも知っている人はいて、昨年12月28日の段階で市役所内部からの指摘があったことが報じられています
 これらの指摘を全て跳ね除けて校名を変えれば、かえってアダルトの世界を正当化することになると言い放った市長の見識は問われようかと思います。
 なお、同市長は翌日には意見を撤回して校名変更の方針を表明しましたが、その際にはネット社会というのはすごいな、怖いなとすら感じたと自身の責任を全否定。挙句には交通事故に例えるなら、(向こうから)ぶつかって来たような感じだと、被害者面してます。
 いやぁ、どう見ても前方不注意でカマ掘ったのは東根市ですよね?
 私自身は別に校名変更をする必要はないと思いますよ。常に「私立さくらんぼ小学校」と関連されてしまうリスクを東根市民が負えるというのであれば。大した問題でもないというのは、事実だと思いますし。
 事を大事にしたのは、どちらかと言えば市長の言動で、実際にはその手の名称衝突はあちこちで起こっているでしょうから、さりげなく気付かない振りをしていれば良かったんではないかと。
 あるいは、「私立さくらんぼ小学校」に負けないキャッチーなサイトを作ってしまうとかね。こんな寺のサイトがあるくらいだから、多分なんとかなるんじゃないか。

 韓国EVネタは価値がなかったので没にしたんですが、日産が次期GT-Rを電気自動車化するかも、というのは面白いですな。
 実際にはエンジンと同等の出力の巨大なモータを一機載せるようなデザインは無理があるので、やるとしたらIn-Wheel-Motorか車輪毎に独立モータを載せることになると思いますが、その場合は現在のように各輪へ出力を配分して融通するということができなくなりますね。合計最大出力が同じであっても、その使い方は今とは違ったものにならざるを得ないかと。
 個人的には、四輪のうち前二輪をモータ駆動化してパワートレーンを整理するのが、当面のやり方としては適切だと思います。
 現行のGT-Rはフロントに積んだエンジンからプロペラシャフトを通じて後部に積んだトランスミッションに出力を導き、そこからさらにドライブシャフトで前輪へ動力を導くという複雑な形になっているので、前輪を左右独立のモータで制御するようにすれば、ドライブトレーンがかなりすっきりとしますから。

 なんかスティーブ・ジョブズ聖下(笑)がプライベート・ジェットで来日し、京都観光を楽しんだものの、最後に保安検査で手裏剣を取り上げられて激怒とかいう記事が出てたそうなんですが、これをBloombergが報じてAppleがこれを否定するという面白おかしい事態に。
 いやまあ、どっちでもいいんですけどね。
 個人的にはBloombergがちゃんと関空に取材して、広報のTakeshi Unoさんのコメントを取っているところに好感が持てました。Unoさんはそのような事態があったことは認めたものの、個人名についてはプライバシー保護を理由に開示せず、また関空にはプライベート・ジェット専用の保安検査場がないことを説明しています。
 ということですので、関空にプライベート・ジェット用保安検査場を作る方向で話を進めると建設的なのではないかと思いました。プライベート・ジェットで乗り付けるような富豪の方でお心当たりのお方は、関空にプライベート・ジェット専用保安検査場を設置するようにと、寄付を行うと良いかも知れません。

 中国が尖閣諸島の領有権について、京都大学の故井上清教授の著作を読めと宣ったそうな
 はあ。左様で、としか。
 日本では学問の自由が保証されているので、講座派マルキシストで毛沢東主義者でも自由にモノが言えます。もちろん、その言説が支持されるかどうかについては、聞いた人個々人に判断が委ねられるところであって、誰もその主張を信じることを強制されません。
 私は日本国民を代表する立場ではありませんが、国民の過半数が故井上清教授の意見に賛同するとは思いにくいですな。


2010年9月16日(木曜日)
 岡田さんが幹事長になっちゃったら、外相はどうするんですか?!
 現内閣で唯一の現実派なのに!

 MRJが製造工程に入った、との記事が報じられていた。
 いよいよか……。
 ここまでの発注は65。オプションが60。当然この数ではお話にならない。
 実績のない機体だけに、飛んでからが本当のセールスという面はあるにしろ、博打にしては金額がでかい。

 女性型で全世界の度肝を拔いた産総研HRP-4Cですが、Cが取れたHRP-4が公開されました。製作はこれまでどおり川田工業
 OSはRT-Linuxかぁ……。ちょっと残念。
 しかし、ハードウェアのこなれ具合が素晴らしく、そろそろ実用品みたいな状態になりつつあるな。


2010年9月17日(金曜日)
 あの内閣を、「赤色内閣」と呼ぼうかと思う。
 あれだけ労組、市民運動系の人間が入閣した内閣は、憲政史上初のことだろう。

 ローマ教皇が英国を公式訪問。
 16世紀、イングランド王ヘンリー8世が離婚問題の拗れからイングランド国教会をぶちあげて以来、教皇庁と英国とは微妙な距離を置いてきたわけですが、以来五百年にして歴史的な公式訪英となりました。
 宗教的和解が進むことは歓迎したいところですが、問題がすぐに無くなるわけではないのは難しいところですね。


2010年9月18日(土曜日)
 木曜日頃から体調が非常に悪く、昨夜は早々に倒れるように布団に入り、途中何度か水分補給を繰り返しながら、合計で12時間以上寢た。お陰で、体調はそこそこ回復。

 一部で知られる中国人漫画家・夏達の「誰も知らない」1巻をようやく読んだのだけど……編集者は今すぐ中国へ出向いて夏達の前で土下座すべきだろ、これ。腹切っても良いくらい。
 恐らく原作は左綴じの横書きの漫画だったのを、日本向きに右綴じに直したんだと思うんだけど、その際の作業で何をやったものか、コントラストは落ちてる(黒のところがグレーに)し、トーンはモアレを出してるし、作品が台無しに。直すべき簡体字が直ってないどころかカナ組み合わせてわざわざ作字してたり(中国の簡体字と日本の常用漢字体の変換ができてない)とか、全体的に編集の酷さが目立つ。
 これ、よく出版できたなぁ。
 編集の力で、作品をより良くすることは難しいが、台無しにすることは余りにも容易だと思い知った。

 TOKYO MXテレビ「ガリレオチャンネル」にて「飛行艇US−2 “空飛ぶ船”が命を守る」が放映されると聞いて、興味深く視聴。
 US-2三号機(量産1号機)をメインに訓練風景だの実動風景だの、コックピットの映像だのが流れる。実に貴重な映像であった。満足。
 消防飛行艇型開発のために頑張って研究開発してるJAXAの様子も流れたりして、それなりに見所は大きかった。
 ただ……消防飛行艇型は売れるのかなぁ。
 番組中では世界でそれなりの数の消防飛行艇が運用されていることを示して、その大部分を占めるカナディア(現ボンバルディア)CL-415より高性能を謳っていたけど、にも書いたけど、性能が良けりゃ良いってもんじゃないんだよね、この場合。
 必要充分な能力があればよいのであって、消防飛行艇に1,000海里の進出能力なんて、どう考えても要らない。民間機だと四発ってのも辛い。エンジンが増えると生存性は増すけど整備費用は増すので、民間機では敬遠される。
 市場に見合った性能と価格を提示できなければ、成功しないと思うのだな……。

 この日本に、火炎瓶は兵器じゃない花火程度の危険性しかない取り締まりは不当だと言い張る人がいるらしい。
 どんな人やねんと思ったらフランス育ちらしい。
 さもありなん。


2010年9月19日(日曜日)
 実家の猫が息を引き取ったと、朝一で連絡があった。
 実は昨日、もう長くなさそうだと連絡があり、この連休中に戻ろうと画策を始めた矢先だった。
 この八月に、23歳となった、規格外の長寿猫だった。
 私の猫アレルギーの元であり実家のヌシであり、実に人使いの荒い猫であった。
 18年前に家を出てしまった私に対してはすっかり「こいつ誰だ」的な反応を返してくれる素敵な奴で、二日目からは下僕扱いをするひどい奴だった。家内での私の序列は明らかに猫の下だった。奴は専用の寢床を持っているが、私は客間。ブラッシングは下僕に与えられた崇高な役割であると、信じて疑っていないようだった。
 そんな猫も20歳を超えるといよいよ老衰は隠しきれず、高台に飛び乗ろうとして失敗して転けたり、目脂が溜まって目が開かなくなったり、爪がしまえなくなってカチャカチャ音を立てて歩くようになったりと、げっそりと肉の落ちた体を引きずるようになった。
 それでもまだ食欲はあって、一時体調は悪くなってもすぐに回復していたので、まだ何年も生きるんじゃないかと、今年の5月、弟の結婚式のために帰省した時は思ったものだった。思えばこの時が、今生の別れになった。写真を撮っておかなかったことが悔やまれる。
 この暑い夏を乗り切って迎えた秋。
 急激に体力を失い、食が細り、自力で排泄ができなくなり……そして永眠した。
 午前2時には生きていたが、朝には息をしていなかったという。
 15年と言われる猫の寿命を大幅に超えての生は、さぞかし満足だったろう。
 珍しく酒を買ってきて、飮みながら想い、想いてまた飮む夜。

2010年9月20日(月曜日)敬老の日
 彼岸の入りの祝日。

 なんか尖閣諸島の問題が風邪を拗らせたかのような様相を呈している。
 日本からしてみると、日本の領海内に於いて日本の海洋警察権に従わずに逃走を企て、あまつさえ巡視船に体当たりしたのだから、逮捕勾留は妥当だし、国内法に従って処罰手続きが行われることになる。
 しかし中国がこれに度を超した反応を示していることで、日本側は些か困惑の色を隠せない。尖閣諸島が日本の領土であることは、1970年代まで当の中国自身が認めていたことで、海底資源が見つかったからいきなり領土権を主張し始める厚顔無恥さに呆れこそすれ、呑んでやる義理はどこにもない。
 中国もこれまでは適当な所で引き下がっていた。
 ところが今回は、妙に中国側の態度が頑なだ。
 最初は中国の国内世論向けのプロパガンダかと思っていたのだが、どうも各種報道を見ている限り、中国国内で反日デモが盛り上がっているという雰囲気でもない。テレビに映ったデモ行列は寒々しいばかりだった。各地で投石などは起きているようだが、襲撃に至るほどでもない。
 となると、中国政府の態度は国内世論向けではない、ということになる。(少なくとも主目的ではあるまい)
 その他の方向となると、中国共産党内部向けの姿勢である可能性と、外交的示威である可能性が考えられようかと思う。
 共産党内部向けとなると我々の与り知らぬ党争のためだろうからそれこそ知ったことではないが、外交向けとなると多少ならずとも面倒ではある。
 ご存知の通り、現在中国は南シナ海の南沙諸島、西沙諸島、南海諸島において周辺国と領土権を争っている。またインドネシアとの間で排他的経済水域を巡る争いがあり、今年6月にインドネシアが拿捕した中国漁船を元軍艦の漁業監視船の機関砲で威嚇して奪還したなんて話があったりする。
 このような覇権主義的行動に対して、7月にベトナムのハノイで開かれたASEAN地域フォーラムで米国のヒラリー・クリントン国務長官が「南シナ海における航行の自由とアジア共通海域へのアクセス、国際法の尊重は、他国と同様に米国にとっても国益である。」と発言し中国の膨脹政策を掣肘、喝采を浴びた。
 この後南シナ海で中国と対峙するベトナムは、過去の遺恨を棚上げして米国の原子力空母を寄港させ、中を見学するパフォーマンスに出る。フィリピンも領有権争いの最中である南沙諸島の軍事施設を改築すると言い出している。
 こういった星の代紋を笠に着た行動に対して中国は有效な手立てを打ち出せずにいるが、一方で外交政策の方針転換や軌道修正と言った話も聞こえてこず、対外的に弱みを見せることができない、という行動原理だけで今回の尖閣諸島問題に対処しているのではないだろうかという虞はないでもない。
 中国政府でちゃんと落としどころを考えていればいいのだけど。


2010年9月21日(火曜日)
 少し遅めの夏休み消化日。

 小形さんのtwitter経由、はてなブックマーク「Togetter - 「学参書体、どうして使うの?」」& togetter「学参書体、どうして使うの?」「引き続き、「学参書体」の話をしよう。」。
 確かに、分かる人間と分からない人間の間の深遠なる理解の壁を感じる。
 学参書体が何故必要とされたかから始まって、学参フォントの性格とデザイン、それが何故一般用途には不向きなのかというバックボーンがあった上で話ができる人と、手書き文字と印刷文字の違いすら認識していない人では、そもそも議論が成立しないだろうという気がする。
 この問題の根深い所は、美しい組版なんてものは嗜好品に過ぎないという点であろうかと思う。
 文字が並んでいれば、人間読むことはできる。これは間違いない。それがヒラギノで組まれていようがMS明朝で組まれていようが、内容情報には違いがない。行間が二分だろうが二分四分だろうが気にもしない。
 単体でそれらの美醜を区別できるのは、それなりの経験と訓練を積んだ人間だけだという事実は、否定しようがない。
 普通の人でも並べて見せればどちらが綺麗か、読みやすいかは間違いなく分かって貰えるのだけど、その美しさや可読性の高さが何処に起因しているかをクドクド説明してもまず理解されない。それは魔術でも催眠術でもない、技術の集積体なのだが、高度に発展しすぎたせいなのか、哲学や美学と区別が付きにくいのだろうか。


2010年9月22日(水曜日)
 中秋の名月。
 お天気は残念だけど、早い時間帯には空に満月が見れた。

 郵便不正事件に絡む検察の証拠改竄事件は、大阪地検特捜部の主任検事が逮捕されるという異常事態に。
 検察は頑張って動いているな、という印象だが、組織防衛的な印象もあり。
 現在日本では、極一部の例外を除き、刑事事件の公訴権を検察が一手に担っている。公訴を起こすも起こさないも検察の匙加減一つで決まり、時には法の死角とでも言うべき隘路に放置されてしまう人もいる。
 ここのところ冤罪事件が相次いだこともあり、検察への信頼が搖らいでいた所に、この事件では、検察も相当な危機感を持っていることだろう。
 私個人としては、公訴権を検察が一手に担う現状を余り良いものだとは思っていないのだが、だからといって公訴権を持つ別組織を作るのが良いと思っているわけではない。公訴権というのはかなり強力な権利で、むやみにそんな権力を持つ組織を増やすのも決して良いことではないからだ。下手をすると、権利侵害を多数発生させてしまう結末を生みかねない。
 というわけで、とりあえずは検察の自浄能力に期待しつつ、検察を監視し、検察に対してのみ機能する組織でも整備することを考えた方が良いのかも知れない。(でも警察を監視する公安委員会は有名無実と化してるけどね)


2010年9月23日(木曜日)
 雨の秋分。

 中国が、尖閣諸島問題に絡んで、日本への希土類元素の輸出停止(否定報道もあり)と、“軍事施設を撮影した”という理由での日本人逮捕を行ったそうな。特に後者は遺棄化学兵器関連事業の関係者ということで、最早中国が何を考えているのか理解できない領域。
 だってねぇ、遺棄化学兵器関連事業なんて中国側にお金落とすための事業でしょ? その関係者逮捕してどーすんのよ……。
 希土類元素についても、輸出停止をしたという報道としていないという報道がなされ、中国国内での錯綜した対応が興味深い所です。
 単に日本をダシに内部鬪争をやっているだけなんじゃないだろうな?


2010年9月24日(金曜日)
 拗れに拗れていた尖閣諸島問題だが、なんと那覇地検石垣支部が詹其雄容疑者を処分保留のまま釈放するという、急転直下の動きへ。
 那覇地検の鈴木亨次席検事の弁によれば、故意に船舶を衝突させたことは明白なれど、巡視船みずきの損傷はただちに航行に支障が生じるものではなく、また乗組員が負傷するなどの被害の発生もなく、計画性等は認められず、被疑者には日本での前科もない。そんでもって我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、身柄拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断したんだそうな。
 それって検察の職分を超えていないか? 確かに公訴の提起は検察官の専権事項であり、起訴するもしないも検察官の一存ではあるが、その判断はあくまで証言や証拠に基づいて行われるべきもので、政治、ましてや外交的配慮などが入り込む余地はない。
 法相は指揮権発動を否定し、官房長官も飽くまで検察の判断と言っているが、検察が外交的判断を独断したとすれば、そちらの方が余程問題だ。
 児島惟謙も草葉の陰で泣いていようよ。
 石垣検察審査会に期待しよう。

 それにしてもタイミング的には余り宜しくないわな。わざと事を荒立てたようにしか思えない。放っておいても勾留期限が来るんだから、それを待って不起訴処分にすれば良かったのに、わざわざ一度延長した勾留を途中で打ち切るなんて、疑って下さいと言わんばかりだ。
 これで地検の判断だなんて、信じろという方が無理だわな。
 検察も証拠改竄の問題で弱い立場だから、政府筋から圧力を喰らって溜まらずよろけたのかも知れないけど、検察の独立を脅かすという意味では、こちらの方が大きな失点だったと思うな。


2010年9月25日(土曜日)
 雨上がり、冷ややかな空気の中、20kmばかり自転車で走る。実に気持ちが良い。

 一歩譲歩したら、相手は二歩踏み込んでくる。
 当然ですね。
 政府は下手踏みましたな。

 Aviation Weekによると日本がグローバルホークを買うということなんですが、本当かいな? 海自と空自の見解の相違とかまで書いてあってかなり具体的なんだけど。


2010年9月26日(日曜日)
 本田、ヤマハに続いてスズキが電動バイクに参入とか。
 市販車ベースの改造車ながら、イン・ホイール・モータ式だったりと、ヤマハEC-03ホンダEV-neoの中間くらいのコンセプトですね。
 飽くまでテスト車ということなので、今後の動きに注目、といったところでしょうか。
 純粋に経済的には、原付を電動化するメリットはない、となってしまうのですが、未来を目指すために必要だと私は思っているので。

2010年9月27日(月曜日)
 「親の経済力と子どもの学歴の相関関係」という気になる記事。
 以前からちらほら言われていたことではあるので、その事実自体には特段の興味はないのだが、低所得者層の固定化が進行しているのは、やはり由由しい事態だ。
 現在の日本は1974年以来高校進学率が90%を超え、戦後世代では中等教育を受けていない方が少数派という高学歴社会(世界的に見て)が形成されている。このような社会において、中等教育を受け(られ)なかった人の就職口は、社会全体に於いて漸減傾向を示している。
 ここから先は負の循環が形成されてしまうわけだ。
 これが固定化すると、貧民層が形成されてしまい、社会的に非常にマズい。日本では「頑張れば報われる」という信仰が社会を支えており、「そもそも頑張りようがない」状況を作ってはいけない。
 文科省と厚労省は速やかにこの問題に手を着けるべきだと思う。

 パナソニックが昨年発表したベッドから車椅子に変形する「ロボティックベッド」ですが、今年は改良型を発表
 さらに洗髮ロボットまで。
 この調子で洗顏ロボットや歯磨ロボットを実用化して、怠惰な人間生活をサポートして欲しいと強く願うところです。

 シャープの電子書籍サービス「GALAPAGOS」の命名に吹いた。
 XMDFにしか対応しない(らしい)その漢らしい姿勢に、素晴らしい諧謔趣味を見た。
 なるほど、「目指してる、未来がちがう」わ、こりゃ。


2010年9月28日(火曜日)
 librahack事件(過去日記1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14)がまた大きな展開を見せている。
 25日、「サーバ管理者日誌」に「三菱電機ISが考える「強固なセキュリティ」」というエントリがupされ、暗号化された他図書館の利用者情報が暗号鍵と一緒にサーバから取得可能という素敵な状態が暴露され、「明日にでも発覚してもおかしくはない」と結語があったらば、本日11時に記者会見があり(同市プレスリリース)、MDISが「弊社図書館システムにおける個人情報の混入及び流出について(お詫び)」とお詫びの文面を掲示。当然新聞に書かれた。
 MDISは以前から常習的によその図書館に納入したシステムを丸ごとコピーしていたらしく、21日の指摘を受けてその後続々とヤミ改修を続けていたらしい。しかし既にえびの市民図書館のサイトでえびの図書館利用者1812人分の個人情報が閲覧可能になっていたことが分かっている
 5月の、一人の人物の逮捕から始まったこの事件は、実に大きく、深くなってきた。そして“誰が一番悪かったか”ランキングのブッチギリ一位が誰であるかも。

2010年9月29日(水曜日)
 金氏朝鮮王朝の次期国王が立太子したとかでニュースになっていた。
 尊名はキム・ジョンウン(김정은/金正銀)。1983年生まれの27歳(26歳の異説あり)で、10月10日付で朝鮮人民軍の大将になるんだそうである。
 ちなみに我が国の昭和天皇は25歳で陸海軍大佐(その後は践祚により大元帥)だったので、なんと昭和天皇より昇進が早い。(なお、今上帝には軍歴がない)
 キム・ジョンウン同志は昨日には朝鮮労働党代表者会において党中央委員と党中央軍事委員会副委員長に選出されたそうで、名実ともにナンバー2の座を確実なものにした、と。
 昨今内憂外患で頭の痛い我が国でございますので、出来れば大人しくしといてくれればありがたいんですんが、天安事件を考えると期待薄かな。

2010年9月30日(木曜日)
 なんか尖閣諸島に自衛隊を配備しろと訴えている国会議員がいるらしい
 頭がおかしいのだろうか。
 尖閣諸島最大の島である魚釣島ですら、その面積は3.8平方km程度なわけで、しかも地形は起伏に富み、兵力の展開は困難。こんな所に兵を置いて何をする気なんだ?
 上陸阻止を考えたら、それこそ地下陣地を構築して全島要塞化でもするしかないし、それでも本格侵攻があれば恐らく耐えられまい。そんなところに死兵を置くのは、そりゃ太平洋戦争末期の硫黄島ならともかく、現状では不合理ではないかと思うのだが。
 自衛隊が想定するように、敵に取らせて奪還する方が理に適っているとは思わないのだろうか。

 ABCニュースの記事によると、ドイツは今週、第一次世界大戦の講和条約であるベルサイユ条約によって課せられた賠償金1320億金マルク、これを支払うために発行した国債の償還を終えるそうである。要するに、事実上ベルサイユ条約の賠償金を完済したことになる。実に92年目のことである。
 この債務はナチ党支配下に於いて支払いが停止されたが、戦後1953年に西ドイツによって償還が再開され、今般、完済に至ったものだそうな。
 実にドイツらしい話だと思った次第。