高エネ研吶喊レポート

その2


前段加速器

陽子を、最終的に光速の99.7%にまで加速する陽子加速器だが、もちろん一気にそこまで持っていくことはできないので、4段に分けて加速する。これはその最初の一撃。
まずここで負水素イオン(H-)を光速の4%にまで加速する。
見ての通り、むちゃくちゃデカい。そのうえ、こいつは直流電源で、とにかく高圧をかけて加速する単純な奴。撮影者側の壁に回路図が書いてあったが、恐ろしく単純でコワイくらいだった。見学者達の足元に、使用されているダイオードが展示されていた。直径15センチ、全長1メートル強。
なお、こいつにかかる電圧は75万ボルト。最大出力は、交流100kV、350Hzの入力に対し、800kV、5mA。
このとき、ふと日立の重電での恐怖譚を思い出した。「ある日仕事が終わって点呼を取ったら、一人足りないんだ。みんなで必至になって捜したら、絶縁の靴だけが見つかって……」。
シャレにならんと、初めて思った。


線形加速器

陽子加速器の第2段。ここで負水素イオン(H-)を光速の28%まで加速する。
ちなみに加速器本体の長さは29メートル。この施設を最初に見学したので、なんてデカいものを作るんだと舌を巻いたが、後々考えればこんなもん序の口だった。
写っているのは松沢くん。


ブースターリング(その1)

陽子加速器の第3段。ここで負水素イオン(H-)は初めて電子を剥ぎ取られ、むき出しの陽子になって加速される。到達速度は光速の76%。
リングの直径は12メートル。


ブースターリング(その2)

このアングルだと、円形であることが良く分かると思う。
ここで光速の76%に加速され、さらなる加速のために主リングへと陽子は送り込まれる。


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