哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」

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西紀2020年5月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。


2020年5月1日(金曜日)

昼間、マイナンバーポータルで新型コロナウイルス対策の定額給付金の申請が始まっていたことに気づいたので、いざ挑戦……したら、アクセス集中で手続きできず。

でもまあ、Webからの申請なら24時間営業だろ、と思い直して夜を待つ。

そんで夜大分遅くになってから再挑戦したら無事入れた。

用意するものは確定申告と同じで、マイナンバーカードと対応したカードリーダー、そしてIEかEdge。もしかしたら新しいEdgeには対応していないか?と思ったけど、既にアドオンが用意されていた。

そんでログインして暗証番号入れて……とぽんぽんと進む。

ちょっと時間がかかったのは、振込先の証拠写真を用意しろと言われたところで、これ、普通の人はどうするんですかね。スマホのカメラで撮影したりするんだろうか……。いやまあ、氏名・振込先口座番号に間違いがあった時のための確認手段として用意したのは理解できるのですが。

そんで最後に電子署名して終わり。

簡単だったな。

準備が整っている人にとっては。


2020年5月2日(土曜日)

黄金週間突入と同時に気温が鰻登り。今日は東電管内で瞬間的な電圧降下があったらしく、あちこちで悲鳴が……。みんな一気にエアコンつけたりしたんだろうか。

こういう過去に例のない特殊な状況下だと、電力会社も需要を読み切れなかったりしたのかも。


2020年5月3日(日曜日)

以前作ったPowerShellスクリプトに手を入れる必要が出て、あれこれと思い悩む。

なんかイチから作り直した方が良い気もしながらも、小手先であれこれいじり倒して、ひとまず思い通りに動くように。もう使わなくなった分岐とか残ってるけど、面倒なのでそのままに……。

ぐちゃぐちゃになったコードを見ながら、やっぱり整理したいなぁとか思いつつも、今動いている物をイチから作り直したくないという面倒くささが先に立ち、先延べにするのであった。


2020年5月4日(月曜日)

以前この日記で採り上げた北海道島牧村の羆駆除を巡る騷動ですが、2年を経て再び目にしたニュースがこれ。

島牧村 猟友会のクマ駆除できず

えー、なんと申しますか、なるようになったな、としか。

なんかもう、そのまま絵本にして子供たちに子々孫々伝えていきたいくらいの寓話性の高さに眩暈がします。

彼らが出し渋った金額は、彼らの生活や生命の値段だったのです……!(おどろいたなぁもう)


2020年5月5日(火曜日)

ここんとこkindle Voyageの不調が続いてて困りもの。

突如操作を受け付けなくなってしまう……。画面に表示させている時計も進まなくなるので、何かしら処理がデッドロックしているものと思われるのだが、一体何が起こっているのやら。再起動以外に手がなくなるのが困る。

特に新しい本をUSB経由で放り込んだ後に起こるので、どうも蔵書が増えたためにストレージのスキャンか何かに大変な時間がかかるようになっているせいではないかと推測されるところなんだけど、だとすればkindleのOSの問題なので、新機種買っても改善しない可能性があるのだよなぁ。


2020年5月6日(水曜日)

欧米でロックダウン解除の動きが本格化してきましたなー。なんというか、一気に感染が広がって死亡者が増えて結果として早く收束する、みたいな……。まあ、日本は2月の段階で既に山の頂点を下げて、その代わり收束までの時間がかかるモデルを採用しているので、欧米より時間がかかるのは既定路線なんですが……それにしても特に米国は早過ぎじゃないか、些か心配ではある。

経済を回さないと病気じゃなくて貧困で人が死ぬ、というのも正しいのだけれども……本当にちゃんとバランスを見ているのか?について、あの国の現大統領様はさっぱりアテにならないのだよね。

相手は自然なので、政事の力では太刀打ち出来ないのだ、ということが分かっておられないのではないか。どれだけ中国を悪者にしても、ウィルスは引っ込んでくれないのよね。


2020年5月7日(木曜日)

PowerShellの移行作業で引っかかった所をうんうん唸りながら調べる。

これ、バグだよな……。

PowerShellの仕様では、ダブルクォートで囲った文字列では変数やワイルドカードが展開され、シングルクォートの場合は展開されない、ことになっているのですが、PowerShell 7のNew-Itemコマンドレットで、これが一部正常に働いていない。シングルクォートなのにワイルドカードが展開されてエラーが起こってる。

じゃあエスケープすりゃ良いじゃないかと思ったんだけど、エスケープ文字「`」がエスケープされない。ああ、シングルクォートだからか……と思ってダブルクォートに変えてもエスケープされない。一体どうなっているのか……。

PowerShell 5.xでは正常に機能していたので、7に移植する際にバグを作ったものと思われるのだが、どうにも回避策がない。

ワケガワカラナイヨ……。


2020年5月8日(金曜日)

「本末転倒」10万円給付ネット申請なのに…役所に行列、手続き6時間も」とかいう記事。

いやあ、マイナンバーポータルとか結構頑張って作ってあると思いますよ、ええ。対応機材さえあれば、結構円滑に手続きはできましたもの。

私はPCから手続きをしましたが、iPhoneやAndroidで対応機種が結構あるのも悪く無い感じでした。

ただ、難度が低いか?と言われると……もう少し容易であっても良かったんじゃないかという気はします。もっとも、そのあたりはセキュリティとの兼ね合いになってしまうのですが。

今後も同様の給付を同様にして行えば、マイナンバーカードの普及率も上がっていくんじゃないですかね。そのうち「マイナンバーポータル対応」とか謳うようになるかも知れず。


2020年5月9日(土曜日)

COVID-19対応で遠隔授業や在宅勤務が増えた結果、ネットワークトラヒックが逼迫しているようで、NIIなどは「データダイエットへの協力のお願い:遠隔授業を主催される先生方へ」なんて資料を公開していたり。

情報通信回線は全国民が共有する有限の資源ですというのは、当たり前とはいえ、近年見過ごされていた視点のような気がしますね。

そう考えるとネットワーク・インフラの構築・維持は電気ガス水道のような社会インフラですから、純粋な営利企業ではなく、半官半民や公社の方が良いのかも知れませんね。

とは言え、このような状況というのは想定が難しいとは思いますけれども。


2020年5月10日(日曜日)

スーパーで濃縮紅茶ベースを見かけたので、そろそろ暑い季節になってきたからいっちょ買ってみるかと試してみたんだけど、個人的にちょっと甘すぎた。かなり薄く割っても結構甘い。

類似商品で微糖か、無糖はないかのう……と思って探した所、日東紅茶に該当品があった。無糖なら自分で甘さ調節できるものね。

ただ、これスーパーで見かけたことないのよね。業務用な感じ。Amazonだと4本セットか……。


2020年5月11日(月曜日)

暑いなぁと思っていたら、日中最高気温28℃とか言われて、もう夏かよ、と。予報見たら明後日なんか29℃とかになってる。

熱帯夜じゃないのが救いだけど、すぐに耐えられないほどの気温になるんだろうなぁ……。


2020年5月12日(火曜日)

A380に改修を施した貨物機仕様が近く誕生へ」とかなんとか。

A380のフレイター(貨物機)は設定こそされましたが受注がなく、実際には製造されずに終わりました。Wikipedia見たら大体問題点は書いてあるんですが、余り旨みがないのですよね。

その点B747は胴体の原設計が貨物機を由来とする関係で、旅客型が振るわない-8シリーズでもフレイターはそこそこ受注があったりします。

さて、フレイターとしては問題含みのA380ですが、それでも現今の情勢においては旅客よりも貨物を運んだ方がまだマシ、なのでしょうね。こんな巨大機を満たす旅客需要が復活するにはかなりの時間がかかるでしょうが、一方で航空貨物輸送の方は相応に需要があるものですから、最近は客を乗せずに貨物コンテナだけを運ぶ旅客機もあるなんてを聞いています。

航空貨物では専用の貨物機だけではなく、一般の旅客機の貨物室も利用して様々な物品が輸送されていたので、便数が減少すると輸送力が減ってしまうのですよね。それに飛行機は駐機しておくだけでお金がかかるので、それだったらいっそ客席を取っ払って荷物を積めるようにした方がまだしもマシ、という判断は理解できるところではあります。

しかし……A380が貨物機に向かない、という本質的問題は解決しないと思うんですが、それはどうするんだろう?(一階部分だけを貨物にするとか?)


2020年5月13日(水曜日)

Windows Updateの日……だけど、今月はこの後に予定通りなら半年に一度の大型アップデートが控えてる……はずなんだよな。

いつ頃一般向けに配信開始されるのかわからんけども。


2020年5月14日(木曜日)

今月に来るというWindows 10の大型アップデートの情報を観ていたら、WSL2が入ってくると……。

WSL(Windows Subsystem for Linux)はNTカーネル上のサブシステムという、Windows NTの設計が活かされたものでした。NTカーネルを利用したWindows NT系は、かつてはOS/2サブシステムやPOSIXサブシステムなど、同一カーネル上で様々なAPIを実装していた、技術的に凄まじい代物だったんですよね。院生時代、SFU (Services for UNIX)を結構使っていました。

よくこんなもの設計したな、そして実現したなとデヴィッド・カトラーの偉大さを感じずにはいられないシロモノなのですが……WSL2はサブシステムを辞めてしまうのですよねー。

VM技術を利用して本物のLinuxカーネルを動かしてしまうので、これまでの「Linux(ただしLinuxカーネルを除く)」という実に面白い構成が無くなってしまうのが大変残念です。

もっと根性入れてやれよ、と思うのですが、その点、無闇に技術に拘らないのがMSなんでしょうね。


2020年5月15日(金曜日)

Updateを終えたAcrobatがPCの再起動を要求してくる件について。

お前は単なるユーザランドアプリケーションじゃないのかッ!


2020年5月16日(土曜日)

突然腹を下す。

なんか悪いもの食べたっけ? 全然心当たりがないんだけど……。


2020年5月17日(日曜日)

微妙に部屋干し臭がする衣類があったので、大鍋を取り出す。

意外と近年まで分かってなかったらしいんですが、あれってモラクセラ菌が作る4-メチル-3-ヘキセン酸とかいう物質が臭いの本体なんだそうで、抗菌とかなんとかの洗剤を投入するより、高温に曝して菌を殺しちゃった方が早いんですよね。

調べると、65℃で15分くらいやれば死ぬらしい。

というわけで、鍋でお湯を沸かして盥でお湯漬してやるのであった。(なお、生地の耐熱性には別途注意のこと)

コインランドリーのガス乾燥機でも良いんだろうけど、あっちは結構まとめてやらないとコストパフォーマンスが悪いので……。


2020年5月18日(月曜日)

自衛隊の新小銃・新拳銃の報道公開があったそうで、あちこちの報道で映像が流れてました(時事)。お陰で以前の写真より遙かに情報量が多くなりました。

二脚が無くなったと思っていたのですが、これ前方握把(フォアグリップ)に内蔵できる“グリポッド”(Grip-Pod)になってますね。2010年頃から良く見るようになった品です。

弾倉も単純なプレス鋼板製ではなく、米マグプル社PMAG Windowに良く似た物になっています。鉄製より軽く、変形に強く、透明窓が付いているため残弾数の確認もしやすいと評判の品です。

いわゆるレールシステムが上面のピカティニーに加えM-LOKと思しきシステムを持ち、ディオン光学Marchスコープを載せた姿が見れたりと、非常に多彩なオプションを取っ替え引っ替えできる銃に仕上がっている様子。(先述のグリポッドもレールに取り付けている)

銃床もこれまた伸縮、頰当も可動式と、近年の小銃が備えている特徴を持っています。これは兵士が防弾ベストを着用することが多くなり、防弾ベストは危険度に応じて耐弾プレート等を増やしたり減らしたりする関係上、体格が変化しやすくなったことに由来すると言われています。(自衛隊の防弾チョッキ3型などはまさにそういうシステムになっています)

遊底を操作する槓杆は、展示品では左側面に付いていましたが、右側面にも溝があったため、恐らく左右入れ替えが可能。安全・単発・連射の切り替えレバーは左右両側に備えるようになり、三点射がなくなりました。これは元々が戦闘中に弾の消費を抑える目的だったので、充分に訓練が行き届くのなら不要という意見は以前からあったもので、近年の諸外国の自動小銃ではバースト射がないものも多いですな。

とまあ、なんというか89式小銃以来30年間の世界の小銃の進化を全部取り込みました的な銃になっています。

少し気になったのは、展示机の上にアドオングレネードランチャーが一緒に展示されていたことです。自衛隊はこれまでアドオン式グレネードランチャーに対して消極的で、もっぱら小銃擲弾を採用してきた経緯があります。M203等既存のアドオン式グレネードランチャーは取り付けに際して銃のハンドガードを取り外すなどの作業が必要なところ、展示品は伊ベレッタ社GLX160とマウントレールに固定できる品ですね。これならば射手が限られる、という問題がクリアされると考えたのか……?

単純に新型というだけではなく、用兵思想の変化を伴う大きな変化だったのではないでしょうか。


2020年5月19日(火曜日)

親指シフトキーボードおよび関連商品の販売終了について

おお、NICOLAよ、死んでしまうとは情けない……。

キーボードの歴史は日本語のみならず英語環境であってもデファクト・スタンダードの力が強く、現行のキーボードが機械式タイプライタ由来の不合理な配置・配列を継承していると批判されつつも、根本的な改良が加えられずに現在に至っています。そしてキー入力の機構は現行キーボードにべったりとなっていて、非標準的な論理配列を持ったキーボードを使うことは著しい困難を伴うようになってしまっています。

世界から多様性が失われた、残念なことです。


2020年5月20日(水曜日)

床屋が営業を再開しているのを見て散髮。

うっかり緊急事態宣言前に髮切るの忘れてて、頭もさもさだったのよね。

すっきりした。

香川県高松市、10万円給付金のオンライン申請を中止 手作業による確認に限界」とか、電子申請された申請内容と、住民基本台帳ネットワークの情報を手作業で照合してるとかいう話題。

法律上、住基ネットは他の行政ネットワーク(例えばLGWAN)と接続できないのでこういう仕儀になるんでしょうなぁ。

ただ、それでも完全手作業、Mk-Iアイボールセンサで照合するとか、アホくさくないんですかねぇ。

例えば、照合するために必要な情報をJSONか何かの型式にして一方向関数でハッシュ化してQRコードに落としこんで画面に表示したものをQRリーダで読み取って照合する、とかすれば、効率は数百倍になると思うわけですが。

まあ、そんなこと想定していないし、する気もなかったっていう話なんでしょう。


2020年5月21日(木曜日)

Windows Terminalが正式に1.0となったので、現在使っている0.9.433を更新しようとしたけど「既にインストールされています」と表示されて果たせず。

これ、一回アンインストールしないと駄目なんかな。

それと、やっぱり非ラテン文字周りで色々トラブルが起きてるみたいで、サロゲートペアの処理がうんたらとかいう話も見かけたり。

やっぱりこういうコアなターミナル環境でUnicodeフル実装とか無理があるよな、色々と……。


2020年5月22日(金曜日)

狂犬病の患者を確認 国内で14年ぶり」の最初の一報を受けた時、国内感染かーっ!と色めき立ったのですが、すぐにフィリピンで感染して国内で発症した模様、との続報が入って一安心。

いや、発症しちゃった人にとっては何の慰めにもならないけど……。

狂犬病は発症するとまず助からない病気で、ワクチンで予防するしかない恐ろしい病気ですが、日本は世界でも珍しい「清浄国」となっています。

しかしだからといって油断してよいわけではなく、例えば過去50年間日本同様に清浄国だった台湾が2013年に国内で狂犬病が確認され、大騷ぎになったことは記憶に新しいところです。当該ウィルスの遺伝子解析から中国本土から持ち込まれたことが強く疑われています。

物流が激しさを増す昨今、意図しない動物の行き来が増えており、同時にそれは病原菌・ウィルスの伝播も広がっているということです。少しでも防げる病気は防ぐという意識の下、狂犬病の予防接種にご協力下さい。

というかですね、なんで狂犬病の予防接種に反対する人がいるのか、かなり本気で理解できないんですが?


2020年5月23日(土曜日)

毎年夏に開かれる、陸上自衛隊の総合火力演習。今年は五輪とかち合うというの五月に行われることになっていたのですが、COVID-19騷ぎで無観客興行……じゃなくてネット配信のみ、規模も縮小して行われた。

19式自走榴弾砲は発射準備までしたけど、実射はなかった。

あと、去年はいなかったと思うんだけど、今年は60mm迫撃砲実射があった。見ての通り、二脚もなければ照準器もない、個人携行モードでの射撃でしたが、案外と集弾していた様子。陸自ではこれまでこの手の用途には06式小銃擲弾を利用していたので、60迫が採用されたことは知っていたのですが実射は初見。

ところでこの手の個人携行の砲火器というと旧軍の八九式重擲弾筒という先行事例があり、米軍を苦しめたという逸話が残っていたり。


2020年5月24日(日曜日)

NASA、スペースX初の有人飛行を最終承認 27日打ち上げ」と、SpaceX社のドラゴン宇宙船の初有人飛行が決定、と。一応今回の射上げがDemo2として、最終デモンストレーションの予定で、その次が初の商業射上げということになり、野口聡一宇宙飛行士が乗り組むことが決定しています。

ここまで長かったとはいえ、本当に辿り着いてしまったことに驚きを隠せないところがあります。無事な航海を祈りたいところです。

ただ、SpaceXは最近Starshipで少々迷走している感があって、常に新しいことへ挑戦し続けることの難しさを思わせます。新プロジェクトは、もう少しドラゴンを熟成させてからでも良い気がするのですけれどもね。


2020年5月25日(月曜日)

Amazonのカスタマーサービスに連絡する用事があったので、ついでにバグを報告したらクーポン券貰った。バグを報告してこんなの貰えるなんて、Amazonは古き良き時代に生きてるなぁ……。

バグの詳細はさておき、原因は恐らく文字コード周りで、以前某所で発表した「文字の制限」のパターンを誤ったケースと推測された。

「その言語の書記に必要な文字(記号)の範囲」を特定するのは実に難しく、うっかり公的に提供されているプロパティからその言語の名前が入っているスクリプトだけを抽出して使ったりすると、酷い実装になってしまったりするわけです。

例えば、「Hiragana」「Katakana」だけをを選択すると「ー」(長音符号)が拔け落ちたりします。最近では「佐々木」の「々」が受付されないゆうちょのサービスなどが話題になりました。「々」は記号ですからね、見落としたんでしょうねぇ。

逆に「漢字」を範囲に含めようとすると、日本のみならず中韓越の漢字が全部入ってくるなどという問題もあり、実に「正しく使うのが難しい」Unicodeの典型的様相を呈しています。

ちなみにこの手の間違いは致命的ではないもののWindowsにもあって、例えばExplorerのロケーションバーでは、「Ctrl-BackSpace」でパス名を単語区切りまで削除するという一見便利そうな機能が実装されているのですが、この単語区切り文字として「ぁぃぅぇぉゃゅょ……」(捨て仮名)や「ー」(長音符号)が含まれているという奇天烈な実装がなされています。なお、「・」(中黒)は単語区切りとして看做されません。なかなか理解に苦しみますね。

しかしUnicodeで書記できる全ての言語において正しく単語区切りを見出すことは、実は文字コードからは不可能で、この手の実装はどこかしら便法に頼らざるを得ず、また動作に致命的な障害をもたらすものでもないため、長年放置されています。

とまあこのように、「言語処理を自然なように実装する」というのは大変難しいのですよね。


2020年5月26日(火曜日)

通帳を記帳したら、の定額給付金が入金されていた。

思ったより早かったなぁ。

しかしその背後に手作業での照合作業があったと思うと、苦難の程を思ったりして。

ところで、オンラインでの申請ではこのような対応時間だったのですが、当北区ではオンラインでの申告と、あとは区役所からの郵送による申請書の到着を待っての申し込みという、二つの方法しかないそうです。そんで申請書の送付が始まったのが昨日25日……。

一度に申請が殺到して事務処理能力を超えるのを厭うたのかも知れませんが、些か遅いんではないでしょうかね……。

22日現在でオンラインでの申請が1万人って書いてあるけど、北区の人口35万人を考えると、オンライン申請をした人は人口の3%未満ということに……。


2020年5月27日(水曜日)

先日報告したAmazonのバグ。今日修正されていることを確認したのですが、代わりに新しいバグが実装されていた。

なんと検索文字列がフレーズとして処理されずに、単文字のOR検索となるという素敵実装になっていました!

凄い! 検索結果がノイズだらけだ!

他にも「コンテンツと端末の管理」画面で1万冊以上表示されなくなるという素敵バグも作りこまれ、ヘビーユーザーはテスト対象外となっている様相が窺えます。

Amazonのプログラマって本気でどうかしてるんじゃないか?


2020年5月28日(木曜日)

昨日書いたAmazonの検索バグ、その後色々調べて行ったら、興味深い挙動をしていた。

全ての検索文字列が正規表現でいう[]で括られた扱いを受けるのではなく、片仮名列はちゃんと文字列扱いになってることに後で気づいたんですよ。ラテン文字列も同様。

で、検索結果をよく見ていると、どうも片仮名列とラテン文字列は単語単位で前方一致した結果が返ってきているようだった。「hat」を検索しても「What」は引っかからない、って感じで。

この結果を見て常識人である私はピンと来たわけです。

これはUnicode Annex #29だ、と。

UAX #29はUnicodeコンソシアムが提供している簡易的な単語区切り検出法で、注意事項としてreliable detection of word boundaries in languages such as Thai, Lao, Chinese, or Japanese requires the use of dictionary lookupと特定の言語では確実ではないことが示されています。

んで、飽くまで簡易区切り検出法として定められた「4.1 Default Word Boundary Specification」の中に、「Katakana」があるんですな。これは平仮名が送り仮名等に使われ単語をそれのみで形成することが少ないのに対し、片仮名は現代日本語表記では外来語を表記することに用いられることが多く、それのみで単語を形成することが比較的多いために、このような規定になっているものと考えられます。

それ自体は、まあ、理解できることです。これは飽くまで書記素クラスタを検出し、選択範囲や改行時の区切りを検出することが目的ですから。漢字列や平仮名列はそのどこで切って改行しても問題ありませんしね。

しかしそれを単語区切りと看做して検索に使うとどうなるか?

勿論、漢語は一文字ずつ分解されて単語と看做され前方一致されるわけです。

凄いな。馬鹿じゃないのか?

Unicodeがまとめている言語処理にまつわる諸情報は非常に有益で、それさえあれば当該言語を実際に知らなくても実装ができるくらいなのですが、でもやっぱり、実際にその言語を知らないと、こんな訳の分からない実装を許してしまうんだろうね。

Unicodeの落とし穴だよな。


2020年5月29日(金曜日)

空自のブルーインパルスが東京上空を展示飛行。

ちょうどタイミング悪く空が開けていないところにいたもので、音は聞こえど姿は見えず……な状況だったので動画見といた。

そういえばT-4も初飛行から35年を経た機体となりつつあり、後継機についても考えなきゃいけない時期に来ているわけですが……なんも聞こえてきませんな。以前にも書きましたが米国では先年T-7が採用され、この辺は訓練体系全体の問題とも絡んでくるので、果たしてそのまま採用するのかどうか。

米空軍の場合、次世代の主力戦闘機となるF-22、F-35の両方共に複座型がないため、実機の複座型で行われていた訓練を全て練習機で行う必要性があり、そのためにT-7はかなり高度な機能を積み込んだ機体に仕上がっています。

日本の場合、これまではT-4の後にF-15 / F-2の複座型で訓練という段取りだったのですが、F-35が導入され始めている現在、今後どうするかという問題にも絡んでくるのですよね。

次期戦闘機の開発も始まりそうな昨今、この辺で決めとかないといけない問題ではないかと思うわけです。


2020年5月30日(土曜日)

配信が開始されたらしいWindows 10の大型アップデート、あんま気にしてなかったけど、VMwareとHyper-Vの共存ができるようになるのか……。

Hyper-VはWindows標準の仮想化機能だけど、これをONにするとCPUの仮想化機能を専有するという問題があって、他の仮想化ソフトと共存ができなかったのよね。VirtualBoxはコアの部分をHyper-Vに置き換えて実行するモードを用意して対応していたけれど。

歴史的経緯でVMwareを専ら使っているので、これは有難い限りなんだけど、Hyper-Vそのものを積極的に使う事情はこちらに余りないのだよねぇ……。(Windows SANDBOXとかの機能を使うためにHyper-Vを有効にしないといけないという……)


2020年5月31日(日曜日)

午前4時台まで粘ってCrew Dragon Demo2の射上げ配信を観る。

真新しいピカピカの宇宙船に二人の宇宙飛行士が乗って綺麗に射ち上がっていった。

そんで19時間後の23時過ぎにISSに到着。IDSにドッキング。みっしょんこんぷりーと。なお、ハッチ開放には気圧や温度の調整で1時間くらいかかるそうな。