哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2011年11月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2011年11月1日(火曜日)
 「後世の教訓に…津波到達ラインに桜1万7千本とかなんとか。
 311箇所に石碑を立てるとか、ご苦労なことではあるが、以下の文章をちと見て欲しい。

三陸災害地を視察して帰った人の話を聞いた。ある地方では明治二十九年の災害記念碑を建てたが、それが今では二つに折れて倒れたままになってころがっており、碑文などは全く読めないそうである。またある地方では同様な碑を、山腹道路の傍で通行人の最もよく眼につく処に建てておいたが、その後新道が別に出来たために記念碑のある旧道は淋(さび)れてしまっているそうである。それからもう一つ意外な話は、地震があってから津浪の到着するまでに通例数十分かかるという平凡な科学的事実を知っている人が彼地方に非常に稀だということである。前の津浪に遭った人でも大抵そんなことは知らないそうである。

寺田寅彦「津浪と人間」昭和八年五月『鉄塔』より

 これは1933(昭和8)年の昭和三陸地震津波災害に際しての寺田寅彦の筆である。勿論この昭和三陸地震津波災害の後にも石碑は作られた。その後も、チリ地震津波など、同地方は大津波に襲われており、その都度、大きな被害を出していた。
 これから判るように、記念碑だの教訓だのといったものは、大凡役に立たない。人は忘れる葦である。
 じゃあ法で規制したらどうかという話になるが、宮城県のように「宮城県、78年前に津波防災条例 大地震教訓に居住制限と罰則付きの居住制限令を定めた筈だったんだけど、いつの間にかなくなっていたなんて笑えない話まであったりする。
 記念碑を立てるというのは人間誰しも思いつく方法ではあるのだが、残念ながら效能もその程度ということらしい。

 「小金井市長、ゴミ収集危機で引責…辞意表明という切実ながらも同情できない記事。
 元はといえば小金井市、府中市、調布市の境界にあった二枚橋焼却場の老朽化に伴う廃止問題だった。府中、調布両市は廃止スケジュールに即してそれぞれ他市との組合での対応を取ったが、なぜか小金井市では問題解決が先送りにされ続けて廃炉を迎えてしまう。当時の市長(前市長)がこの問題について消極的だったらしいのだが、一体どのような解決策を考えていたのかは良く分からない。
 已む無く、新清掃工場の設立を条件に周辺市町にごみ処理を委託する形になっていたのだが、当たり前のように新工場の設立計画は迷走を続けた。あまりの見通しのなさにごみの引受に難色を示す自治体も出てきた。
 そこに颯爽と登場したのが、今般辞表を提出した佐藤和雄氏で、今年4月の市長選において、焼却しないごみ処理方式の導入を掲げ、周辺自治体へのごみ処理依頼費用20億円/4年を無駄遣いと指摘した。まあ、確かに速やかに代替清掃工場を建てていれば払わずに済んだ金ではある。しかしどう考えても身から出た錆であって、無駄として切り捨てられる金ではない。
 当然ながら、これが小金井市のごみを受け入れている自治体の神経を逆撫ですることとなり、燃やさないで処理できるんならもう受け入れねーよ、という話に。新市長のお詫び行脚にも拘わらず、新規のごみの受けの契約が締結できず、今月にも前市長締結分を使い切り、ごみ搬出が停止しかねない状況に追い込まれ、此度辞表を提出するに至ったわけである。
 支持母体たるこがねい・市民のチカラにはまだ何の情報もないが、前市長にしろ現市長にしろ、何処まで行っても先の見通せない小金井市民の自業自得にしか見えない辺りが、実に悲しい問題である。


2011年11月2日(水曜日)
 世田谷区八幡山にあるスーパー「パワーラークス世田谷店」の敷地内で高放射線地点が見つかった問題。
 昨日、駐車場の高放射線地点(110μSv/h)のアスファルトを剝がして掘削した所、地表から40cmの所に瓶が埋まっていて、40mSv/hまで放射線量が上がったとか。
 核種はラジウム並びにラジウム由来元素ってことだけど、40mSv/hってのは尋常じゃない。一体何埋めやがった……。
 土地所有者の弁に拠れば、現地にはかつて協同組合短期大学があったらしいが、いくら農業系の短期大学でも、これほどのラジウムを使う用途は考えにくい。
 となると不法投棄か?という誠に困った話になってくる。
 いやぁ、日本には意外とこうやって放射性物質が不法投棄されてるんじゃないの?と……。
 とりあえず危険なものが見つかるようになったのは、みんながガイガーカウンターを持ってうろつき回るようになったことによる、数少ない良いことではありますな。

 トヨタが自前のロボット技術を利用して介護ロボットを開発、と。
 実に素晴らしいですね。
 このような機械的な支援によって要介護者のアクティビティが上がれば、それだけ色んな人の負担が軽減されますし、社会全体にとっても有益なことです。
 まだまだ時間は掛かりそうですけども。

 「「人間の非合理性」を科学する」というのは絶望的な印象のある記事だな。
つまりわれわれは、つまずく原因を知っていてもなお、転んでしまうようにできているのだ。
 歴史はそのことを僕達に常に教えてくれているが、それが科学的にも証明されてしまうというのは、今後も改善される見通しはない、と言われているようで、甚だ残念だ。
 歴史家の飯の種がなくなることがないことが分かったことだけが慰めか。


2011年11月3日(木曜日)
 明治節。

 昨日、福島第一の2号機建屋から放射性Xeが検出されて、臨界の可能性も否定できないとか発表されたもんだから大騒ぎになっていた。主に反原発な人達が。
 でも冷静に考えれば、臨界よりも自発核分裂による生成物である可能性が圧倒的に高いわけで。臨界になってたら中性子線は出るし温度は上がるしで、すぐに気づくと思うんだわ。
 で、一日経って自発核分裂の可能性が高い旨発表されて、おしまい。
 騒いだ人達は信じられないとか疑わしいとか自発核分裂だって危険だとか言っておられるようだが、いい加減大学の聴講生にでもなって核物理学とか放射線医学とかを学習して欲しい。


2011年11月4日(金曜日)
 本日始まった自称ソマリア人年齢不詳職業不定の公判において、いきなり一人が公訴棄却となるという椿事が
 児童ポルノの裁判の時みたいに、医者でも呼んで年齢推定させてみたらどうだろうとか思わなくもないわけだが、この裁判、実に前途多難である。
 この裁判の裁判員に選ばれた者は、余程に珍らかな体験をすることになるな。

2011年11月5日(土曜日)
 自転車のサドルを交換した。
 自転車を見た人から、なんかサドルだけボロいね、とか言われるような年季物で、実は前の自転車からの移植品だったりして。サドルはケツとのマッチングがあるので、なかなか簡単に交換できませんもので……。
 ただ、流石に皮が破れてきて土台のプラスチックが露出している所が何箇所が生じると、これ以上は無理だろうと思って、代品を物色していたのだ。
 可能なら同じモデルを……と思ったのだが、とっくにディスコン。已む無く、似たような大きさ、形、硬さのものを探してウロウロと。
 なんとか今のとほぼ同じサイズで似たような硬さのものを見つけてくる。
 試走したかったが、雨が降ってきた。

2011年11月6日(日曜日)
 天皇陛下が、気管支炎のため、東大病院に入院。
 御歳が御歳であらせられるだけに、無事な平癒を祈念したい。
 それと同時に、やはり少し御公務の一部を皇太子殿下と分担されてはいかがかと思料する所。

2011年11月7日(月曜日)
 新サドルは微妙に前のより硬かった……。ケツが……。

 台湾(中華民国)で売春が再び合法になったらしい。
 元々合法だったのですが、1991年に社會秩序維護法という法律が制定され、売春が違法に。2001年に最後の公娼が廃止され、その後10年が過ぎた上での復活です。
 その間に売春が地下経済化して裏社会の收入源になってしまったり、社會秩序維護法の該当条項が違憲と裁判で決したりと色々あったようです。
 正直、この手の人間の欲望と直結した商売ってのは、規制したらなくなるというものではないので、上手にコントロールするのが良いと思うのですがね。

 「韓国沖で漂流の脱北者21人を保護、韓国・海洋警察庁」と。
 今年は多いな……。
 恐らくは悪い兆候だ。


2011年11月8日(火曜日)
 立冬の朝。

 サイバーダイン社のHALを利用した原発作業用ロボットスーツの記事がYOLに。
 タングステン製の防護板などを装備すると人間身動きが殆ど取れなくなりますからね、こういうパワーアシストの方向はあっても良いでしょう。
 しかし、もう一歩進めると、そもそもそんな危険な所に人間を入れないほうが良いわけで、人型ロボットなどを遠隔操作した方が良いんじゃないかという気もします。
 と思っていたら本田技研が「さらなる進化を遂げた「新型ASIMO」と、ロボティクス研究および応用製品の総称「Honda Robotics」を発表」しておりました。
 個人的に今回のASIMOで注目したいのはマニピュレータの改良で、これで工具が使えるようになれば応用範囲が一気に広がる可能性があります。作業ロボットとしては電源は有線で供給してもいいので、転倒しても破損せず、自力で立ち上がれるようになると良いかと思います。
 理想を言えば、人間以上の膂力があると嬉しいですが。


2011年11月9日(水曜日)
 東京モーターショーが近づいてきて、あちこちから新車やコンセプトカーの発表が聞こえてきていますが、日産からPIVO3の話題が。
 これ迄のPIVOからすると、がらっと「自動車らしく」なってますね。些か残念なところと、相変わらずの四輪制御で信地旋回可能なところはニヤリとさせられます。
 個人的には、操縦システムの見直しも行なって欲しい所で、ハンドルとアクセル・ブレーキペダルをやめてジョイスティック一本で操縦とか、新しい操舵系の提案も行なって欲しいところです。
 自動運転とか。

 ロシアが火星の衛星・フォボスからのサンプル・リターンを計画して射ち上げたフォボス・グルントですが、どうやら地球軌道上でトラブっている模様
 まだリカバリーは可能だと思うのですが、何分遠い所まで行く機体だけに、問題解決に時間がかかると予定の軌道が取れなくなる恐れが。
 しかし、これがロシアにとってソビエト時代から数えて21回目の火星探査機であるという事実に驚く。
 それも殆ど失敗……。
 惑星探査のなんと困難なことよ。

 えー、馬鹿馬鹿しい小噺を一席。
 「被曝は嫌です!!」。
 実話でないことを祈るばかり。


2011年11月10日(木曜日)
 「サイト「あらたにす」は終了」と、始まったのが2008年1月だったので、終了まで4年と少しですか。
 最初から先は見えていたとは言え、この先の新聞メディアの生き残りが心配です。
 私は彼らの取材力は買っているので、それが失われるのは嫌だなと思っています。

 世の中の技術には、ホンダジェットのOTWEMのように、要素条件を全て満たしているにも拘らず、実際のブツを見ると何かが間違っているようにしか見えない物があったりします。
 これもその一つだと思います。
 「新たな土地へ、クロサイの“空輸”」「安全な輸送方法、クロサイの“空輸”
 これほど単純な方法なのに、なぜもっと早く考えつかなかったのかなどと、プロジェクトリーダーのジャック・フラマンド氏はコメントしているようですが、どう見てもおかしいだろう……。


2011年11月11日(金曜日)
 Adobeが本業不振でリストラとか報じられていたところ、これを補うためか、増税のお知らせが舞い込み、もうバージョンアップしねぇ、などの声が聞こえる今日この頃。
 GIMPInkscapeでPhotoshopとIllustratorはある程度代替できるだろうけど、InDesignだけはどうにもならんのが痛い……。

 先日、衛星軌道からの離脱に失敗したロシアの火星探査機フォボス・グルント(Фобос-Грунт)ですが、リカバリが困難な情勢に。
 地上からのロケットでの射上げには成功し、パーキング軌道から地球の重力を振り切るべく噴射を行おうとしたのですが、この時に何らかのトラブルが発生し、フォボス・グルントはセーフホールドモードになってしまった。
 その後、通信が回復したとの報道もあったのですが、どうやら殼に閉じ籠ってしまった様子。
 困るのは、このフォボス・グルントが火星行きのための燃料をそのまま残していること。
 非対称ジメチルヒドラジン+四酸化二窒素の手堅いエンジンなのですが、ヒドラジンは有害物質。しかもその量は7tにもなるそうな。宇宙機全体でも13.2tと、先ごろ落下した米独の衛星を遙かに超えます。
 2日ほどで高度が下がって火星行きが不可能になるとのことでしたが、この際火星行きが駄目になっても、安全な落下のために何としてでも制御を取り戻して貰わないといけない事態です。

 英国で開催された「Future Car Challenge」なるレースで、ゴードン・マレー大先生のT.27が「350MPG」相当の燃費で走って優勝したとか
 最も效率良く走るのが主眼のレースらしいので、当然のことながら、重量を減らし、空気抵抗を減らし、転がり抵抗を減らした車が優勝するでしょうな。つまり、T.27に圧倒的に有利ということですわ。
 そういう意味では勝つべくして勝ったT.27ですが、早く一般公道を走っている姿を見たいものです。


2011年11月12日(土曜日)
 首都圏外郭放水路一般見学会が開催されると聞いて、春日部の果てまで行脚。
 遠いのう……。
 久しぶりの地下迷宮物件探訪。見学会の案内に、100段の階段が登り下りできない人は不可、と書かれていた。
 飾りも何もない、コンクリート剥き出しの階段は実に良い雰囲気。
 これが地下神殿こと、調圧水槽。ここは言ってしまえば最終調整池で、実際に水を流しこむのは、五箇所にある、直径30メートルの立坑。で、その5つの立坑は直径10メートルの水路で結ばれていて、最終的にこの水槽(「水槽」という言葉が一般的に指すサイズではないが)に流し込まれる。ここから、ガスタービンで駆動されるポンプによって、江戸川に水が排出される。
 スケールの大きさに圧倒されるわけだが、よくテレビや映画等の撮影に使われるらしく、管制施設の入っている「龍Q館」の廊下に、びっしりと色紙が並んだコーナーが(笑)。
 柱一本高さ18m。水が達した高さが汚れで分かる。
 そういえば、河川の泥水を流し込んでいる割には内部は非常に綺麗で、泥なども見当たらず不思議なものだと思っていたら、高台の底から影になっている所なんかに泥が溜まっていた。モップなどもあったので、見学会に合わせて掃除しているものと思われる。
 どうも見学会は「彩龍の川まつり」とかいうイベントに合わせて行われているらしく、地上では埼玉っぽい感じの祭りをやっていて、ヨサコイとかが踊ってました。

2011年11月13日(日曜日)
 一転、今日は殆ど外出しなかった一日。

 土曜日のNHK「海外ネットワーク」でモーリタニアの蛸漁の話題があったのだが、何でも日本人指導員が出かけて行って、日本人向けに蛸を獲ることを教えたんだそうな。なので、獲りはするけど全量輸出。
 冷凍倉庫にびっしり積まれた蛸を前にして、記者に「あなたたちも食べますか?」と聞かれた業者さんが「食べるわけないよ!」と間髮入れずに答えていたのが印象的だった。
 まあ、多分に宗教的な問題だろうけど……。(「鱗のない魚」は禁忌だから)
 最近では欧州での寿司ブームも手伝って、日本への輸出量は減っているとか。あと、資源枯渇の問題も起きているらしい。
 長年食べられずに暮らしていたアフリカ大陸西岸大西洋の蛸たちは、まさか地球の裏、日出る国の食卓に送られるために乱獲の憂き目に合うとは思ってもいなかったろうが……。

 ふと、先日買ってきた星海社文庫を開いたら、スピン(栞紐)がなかった。あれー? 星海社文庫ってスピンが付いてたと思ったけどなー?
 そのために文庫の天を断裁してなかったんじゃなかったっけとか。天断ちは相変わらずしていないのに、スピンはない。
 単なるコストダウンか……。
 スピンなくすんだったら天断ちもして欲しいなー。


2011年11月14日(月曜日)
 陛下の御容態がなかなか好転せず。
 来月77歳となられるだけに、悪いことにならなければよいが。
 ブータン国王の応接は皇太子殿下が、陛下の名代として行うことに。これからはそういう機会も多くなろう。

2011年11月15日(火曜日)
 陛下の御容態は、熱が39℃程にもなるとか。うむむむ。寺社仏閣に加持祈祷でもさせようかという感じ。

 「無関係の中学生をネットに犯人として掲載 容疑の自称フリー記者逮捕とかいう記事があって、どうしたもんかと。
 言う迄もなく、未成年であり、また少年法で保護されるべき触法少年の素性を暴こうというのが、そもそもの間違い。
 実情はともかく、触法少年についてはより多くの甦生機会があるという前提で、厳刑ではなく、矯正教育によってこれを甦生せしむ、というのが今の日本の制度です。
 にも拘らず、これの実名や顔写真を報じようというのは、触法少年の社会復帰を困難にさせる意図があると思われても仕方ありません。それは社会全体の利益に反します。
 触法少年が長じて碌に税も納めない大人になり、果ては犯罪を犯して刑務所に入って税金で養われるようになるというのは、忌むべき未来です。そのような将来を招来しないよう、努力するのが社会の努めではないかと思う次第です。


2011年11月16日(水曜日)
 私は、大凡自分に思いつくようなことは他人も思いつくものだと思っているのですが、以前、電動バイクを作るならジャイロ・キャノピーのようなのが良いんじゃないかと書いたら、本当に作って来ました本田技研
 まあ、飽くまでコンセプトカーですが、元々ジャイロは業務用の三輪原付で、配送業務が主な用途ですから、EV化がし易い面があります。このE-CANOPYは仕様にもよりますが出したらそれなりに売れるんじゃないかと思います。
 ジャイロはピザの宅配などでよく使われていますが、その使われ方は、店から出発して配送先まで行って、そして店まで帰ってくる形で、配達範囲から一回あたりの走行距離は読めますし、毎回店に戻ってきますから充電はそこですれば良い。そしてこの使い方なら給油が必要なくなるという利点が生まれます。
 EV化による重量増と高価格化のデメリットを吸収できるかどうかが、普及の鍵となるでしょうか。

 読売に「10分で危険な状態に…室内で発電機使わないでと恐ろしい記事が。
 絶対やるなと注意書きされていたと思うわけだが……。
 練炭や炭団による暖も、気密性が圧倒的に高くなった現代の住宅では自殺行為になります。石炭を使うならちゃんとストーブにして、煙突を付けるべきです。
 しかし、屋内で炭を使った事故が計画停電中に起きていたとは……これも節電による事故の一つなんでしょうね。


2011年11月17日(木曜日)
 「木星の衛星に巨大な湖か 生命の可能性高まるとエウロパに大量の水という心躍る発見なのだけど、行って調べてくる、というのが絶望的な距離なのが……。
 ぶっちゃけ、外惑星探査に成功しているのって、米国だけなんだよね……。
 他の国を見れば分かる通り、金星や火星の衛星軌道に宇宙機を送り込むのに四苦八苦しているのが実情。
 それを考えると、米国ってやっぱり世界の最先端を行っている国なんだよ。

 twitterにおける「菊池誠(kikumaco)氏に絡む自称地方紙記者」を見て、これは酷い、と。相手方の身分が詐称であることを望みたい。
 今回の原発事故に絡んで色々と思うのは、ただただ自分の感情を満足させたいだけの人達ってどう処遇したらいいんだろう、と。


2011年11月18日(金曜日)
 「ピザは野菜です!——絶望的なアメリカの食育。」というblogを読んで、いくら何でもそりゃネタだろう……と思っていたら、AFPでも「ピザソースは「野菜」?学校給食めぐる米議会の驚きの見解と報道されて沈鬱な気分になる。
 匙二杯のトマトペーストを「野菜」と見做すとか、だからトマトペーストさえ塗ってあればピザでも野菜とか、いくら何でも頭がオカシイだろう。
 「Jamie Oliver's Food Revolution | Best and Worst Lunch」を見た時に、あまりにもあんまりなんで、ジェイミー・オリバーに深く同情したものですが、蔑んだほうが良いのかも知れない。
 四季折々の食材を味わって食べることを知らないなんて、人生の半分くらいを損していると思うね。
 あー。栗ご飯食べたくなってきた。

 えー、なんかよく分からないんですけど……。
 福島県から環境省に土が送り付けられて来て、特に問題ないだろうってんで、職員が持ち帰って自宅近くの空き地に捨てたら、総務課長が更迭されて環境大臣は給与を返上するとかなんとか。
 えーと?
 特段の理由もなく見知らぬ相手に土なんか送りつけたら、普通は軽犯罪法か迷惑防止条例か何かで送り主が処罰されるんじゃないの?と思いますけど。
 送りつけられた土の放射線量は0.18μSv/hということで、ぶっちゃけそこら辺の土のレベルと大差なくて、放射性廃棄物として処理しなければいけないものでもなかった訳で……。
 なんか環境省側は「送りつけた気持ちはわかる」とか言っているようだけど、私には全く理解できません。


2011年11月19日(土曜日)
 一日雨で、肌寒かった。
 こんな雨の日は一日出歩かず、家で本を読んで過ごすに限るね。

2011年11月20日(日曜日)
 昨日片せなかった所要などを片しつつ、夕刻には雨が降る。

 セブン・イレブンで取り扱いが始まった自転車保険に加入。
 これまでも普通の傷害保険には入っていましたが、基本自分の怪我だけのものなので、これなら物損や人身もカバーできる、と。
 勿論、こんな保険が役に立つことがなければ、それに越したことはないのですけれども。


2011年11月21日(月曜日)
 オウム真理教元幹部の上告棄却があり、これで一連のオウム裁判が全て終わったんだそうな。1995年の地下鉄サリン事件から数えて16年。1989年の坂本堤弁護士一家殺害事件から22年。長い長い時間が過ぎた。

2011年11月22日(火曜日)
 ホリカレスキューフーズの注文に成功。
 震災以来ずっと売り切れ状態だったけど。

 「VW eT!…自動運転も可能な未来の商用EV」と、諸元は不明ながらドイツポストとの共同開発ってのが良いですな。
 電気自動車は、その技術的特性(もしくは技術的制約)から、当面このような商用車から普及が始まるものと考えています。
 印象としてはトヨタ・クイックデリバリー/アーバンサポーター的な車ですが、イン・ホイール・モータというのが目新しい所。駆動系が車輪の中に入ってしまえば、床の設計は更に自由になるわけで、このような商用車の場合、メリットは小さくないと思われます。
 コンセプトカーですが、実用化を願わずにはいられない車です。

 朝日に「〈ニュース圏外〉放射能恐れ沖縄へ」という記事があったんですが……。
 記事にもある通り、これ、精神衛生上の問題ですからねー。
 「私の体調は悪くなったんだ!」って叫ばれても、体調が悪くなるほど放射能を浴びたんなら即座に入院すべきだよ、としか言い様がないわけで、そうでないなら大凡は精神的なストレスによる体調悪化でしょう、としか。
 心療内科や精神科のお世話になるのも良いかも知れませんけど、無理に関東に留まって精神的ストレスを溜め込むくらいなら、沖縄でも移住すれば良いと思いますよ。転地療法ですね。
 その際には、船で移動することをお忘れなく。

 そう言えば、ISSに長期滞在していた古川聡宇宙飛行士が無事地球に戻って参りましたが、ISSでの被曝量は大体1mSv/日だそうです。半年近く滞在しましたから、150mSvくらい被曝していることになりましょうか。
 過去にはソビエト時代の宇宙ステーション「ミール」で438日間滞在(ヴァレリー・ヴラジーミロヴィチ・ポリャコフ宇宙飛行士)なんて記録もありますので、人間って頑丈だよね、としか。

 ロシアといえば、フォボス・グルントは失敗宣言を出すに至りました。
 残念なことですが、続く問題は、総重量13トンになる巨大宇宙機がどこに落下するかですね。


2011年11月23日(水曜日)
 「RANGER 陸上自衛隊 幹部レンジャー訓練の91日」を観に行ったらば、満席で立ち見まで出ていた。
 ドキュメンタリでひたすら訓練にカメラが付いて行っているだけなんですが、自分ではやりたくないと思えること請け合い。しかもこの訓練は言わば入り口で、この後、人によっては空挺やったり冬季レンジャーやったりするわけで、一体どれほどの練度を維持しているのか頼もしいことこの上ありません。
 無論、実戦など一生経験せずに退役する方が幸せなのは言う迄もありませんが。

2011年11月24日(木曜日)
 陛下御退院を祝す。

 三菱自工から、MINICAB MiEV正式発売の
 既にテストを行なっているヤマト運輸や、日本郵便などでの利用が見込まれるところですが、離島など、ガソリンの輸送・備蓄に手間取るところでも勝手が良いかも知れません。
 個人的にはトラックモデルダブルキャブモデルがあると面白いと思います。
 なお、このMINICAB MiEVですが、日産とスズキへのOEM供給が検討されていることが発表されています。
 この際、軽自動車は全部電気自動車化するように法で規制してみたらどうですかね?

 火星へのウィンドウが閉じてしまった後になって、「火星探査機「フォボス・グルント」応答あり」とは……。
 まあ、落下制御とか今からでもできることはあるだろう。


2011年11月25日(金曜日)
 イオンが「店頭での放射性物質“ゼロ”を目標に検査体制を強化」とか発表して笑いを呼んでいる。FOOCOMによる批判を読むまでもなく、放射性物質ゼロは実現不能だ。あらゆる食品には、K40やC14と言った放射性物質が一定量含まれている。それは極当たり前の話で、それらも売らないとなると、いつぞやのジンバブエのスーパーマーケットのような光景が見られること請け合いだろう。おっと、あらゆる商品を撤去したとしても、空気中にはC14が含まれる。
 これは、息を止めねばなるまいて。
 イオンの経営者諸氏は、被曝を避けるために是非とも息を止めて頂きたいものだ。

 「横浜のストロンチウム、核実験で降下…文科省とか
 別に良かった話ではないのですが……。
 自然界には過去の大気圏内核実験などによって撒き散らされた放射性物質が一定量存在していまして、それらが濃縮しやすい場所のサンプルを取れば、それなりの量が見つかるでしょうが、実際のところは広く薄く分布しているものに過ぎません。ただ、福島第一由来のものは、核実験ほど高くには舞い上がらなかったため、気象の影響等によってそれ程均質には降って来ません。つまり、ホットスポットができるわけです。
 ホットスポットを探して封鎖し、除染を行うことには意味はあるのですが、それはまず福島第一の近郊から始めるべきものであって、横浜で、しかも濃縮しやすい場所をわざわざ測って歩くことに意味を見出すのは困難だと思います。というか、大凡「意味のない検査」になろうかと思います。
 この検出して回っている「市民グループ」さんとやらが善意で測定を行なっていることを否定するつもりはありませんが、科学的知見、手段に欠ければ、信を失い、最終的には害悪とされることでしょう。それは自らの首を絞めて回る行為だと私には思えます。


2011年11月26日(土曜日)
 nyと連れ立って、JAMSTECの一般公開へ。
 お目当ては勿論地球シミュレータ……なんだけど、通常は入れない建屋に入れる見学コースは抽選制。4回並んだけど、当たらなかった。
 仕方なく、通常のガラス越し見学。
 ちんまりとSX-9が稼働する姿は、なかなかに見応えが。
 それにしてもどこにでもいる萌えキャラ。

 羽毛田信吾宮内庁長官が今後の皇族の減少について首相に懸念を伝えたそうなのですが、なぜか報道各社によって相当内容が違うんですよね。

 ぶっちゃけ、宮内庁長官が女性宮家について言及したのかどうか、各紙で別れておりますな……。
 まあ、小泉政権期の有識者会議で女系容認論が出ていることは出ているのですが、個人的には1,500年以上男系でやってきたので、ここで終わらせるのも惜しいな、と思うところです。
 やはり皇籍を離脱した世襲親王家(並びにその直系子孫)の皇族復帰など、尽くせる手は未だあると思うのですよ。

2011年11月27日(日曜日)
 昨日買ってきた小川一水の新刊を読み耽りつつ過ごす有意義な日曜日。

2011年11月28日(月曜日)
 予定通りというべきか、「ロシア大統領選 「統一ロシア」 プーチン氏擁立決定」だそうな。有力な対立候補もいないようなので、プーチン退任時に予想された通り、メドベージェフを中継ぎとした、プーチン王朝はまだまだ続くよ!と。
 憲法を改正し終身大統領を目指したチャベスたんの方がアグレッシブさでは勝るのですが、2008年の退任時に4年後の復帰を予定し、その通りの帰還を果さんとする辺り、スケールの雄大さでプーチン氏が勝ると言えましょう。
 あとは有終の美を飾れば満点なのですが、果たして果たして。

2011年11月29日(火曜日)
 今更だけど、糸井メソッドは色々な方面に応用が利いて素敵だな。

ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。
Apr 25 via webFavoriteRetweetReply

 なんというか、「五訓」にしても良いくらいだね。
 また、自分の発言を省みる時にも、外せないポイントになるでしょう。

 ソマリアの海賊対処について「EUの海賊対策が窮地=ユーロ危機影響、艦船不足との報。
 EU主導のOperation Atalantaは現在も10隻近い船を派遣し、現地の安全の確保に大きな貢献をしています。
 OAだけではなく、米軍主導のCombined Maritime Forces(特にCTF-151)や、我が国の自衛隊や中国の人民解放軍海軍、ロシア海軍、インド海軍などが艦を送っていますが、何分被害海域が広いために、全域で安全航行を実現するには至っていません。
 当然、何処かの戦力が拔ければ網の目がその分粗くなり、被害が増加するでしょう。
 そうなれば船舶保険の掛け金が上がって、保安費用が嵩み、それらの上乗せによって運送コストが上がり、当該航路を使う輸出入に打撃となるでしょう。
 となれば、その航路に大きな利益を預託している国が、その安全により大きな貢献をすべきである、という主張がなされることでしょう。
 ソマリアには現在、隣国のケニアとエチオピアが、自国への難民の流入等を理由とした侵攻を行なっていますが、はかばかしい成果が上がっているという話は聞きません。また、首都の一部で暫定政府を守って戦っているアフリカ連合(AU)部隊も、部隊の増強という話は聞こえてきますが、統治の回復となると目処すら付いていないのが実情です。
 本当、特效薬が欲しいものです。そんなものないと分かっていても。

 先日書いた米国における野菜を巡る戦いは、農務省提案が完全敗北を喫したそうな


2011年11月30日(水曜日)
 ブリヂストンから「非空気入りタイヤ(エアフリーコンセプト)を開発」という発表が。
 ミシュランが開発したTweelは、製造コスト等の問題があるそうで、まだ市場には出てきていませんが、ブリヂストンのこれはどの辺りに新規性があるのか、興味があります。まさかタダのパクリではあるまい……? ちなみに、横浜ゴムも「CONCEPT Youmyaku」という類似品を発表しています
 しかし、ミシュラン、ブリヂストン、横浜ゴムが同じようなものを出してきたとなると、やはりこれが「タイヤの未来」なんでしょうかねぇ……。

 「ある若者の死が“原発事故の犠牲者”としてネットで広がり、否定されるまで」と「ネットに広まる「白血病患者急増」、日本医師会は「発表した事実ない」」という記事を読んで思うに、虚偽の風説が蔓延ること自体は、別にネットがどうこうという問題ではなくて、人間社会では広く見られる現象に過ぎないかと。それによって悲劇が引き起こされることも、別に関東大震災後の朝鮮人襲撃や、ルワンダの虐殺の例を挙げるまでもありません。
 インターネットは流布の速度と範囲を圧倒的に速く・広くするという意味で、被害を拡大する側面があります。一方で、既存の報道媒体にはなかった双方向性により、素早い対抗措置が可能ともなっています。
 デマが生まれたら即叩く、という対症療法的対処は、拔本的対策にはならないのですが、人類社会が数千年に亘ってデマを根絶できなかったことを思えば、根治療法は不可能と割りきって、地道なモグラ叩きを根気よく続けることが良い対応なのではないかと思いました。