哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2011年8月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2011年8月1日(月曜日)
 slashdot.jp経由「近年注目を浴びつつある「電気飛行機」、ただし実用化にはまだ遠い」。
 自動車よりもまだ重量に対する要求が厳しい飛行機では、まだまだ電気駆動ってのは遠いだろうなぁと思っているのだけど、動力装置のバッテリー駆動化にはバッテリーの電力容量を現在の4倍にする必要があるという。って書いてあって、意外とハードルが低いなと思った。
 それなら実験室で達成しつつあるレベルだから、意外と早く電気駆動飛行機って登場するのかも知れない。

 BMWEVとPHVのコンセプト車を発表したとかで、とりあえずEVのi3 Conceptを見てみる。
 ハシゴ状のアルミフレームの内側床下にバッテリを積んで、125kW/250Nmのモータに一段減速ギアを組み合わせたパワートレインをリアトランスアクスルに配置、という配置は、i-MiEVに似た様式で電気自動車らしいものと言えます。
 居住部の材質を炭素素材とすることによって軽量化を果たし、3,845mm×1,537mm×2,011mmという小型車サイズで車重を1,250kgとし、130〜160kmの航続距離を達成する、予定。
 あと、実際にどういう仕組みかわかりませんが、アクセルペダルによる「single-pedal control」と書いてありますね。アクセルペダルに0トルクポジションがあり、それ以上戻すと回生がかかるとかなんとか。
 電池容量は不明ながら、レンジエクステンダを用意しているとか。個人的には要らん気がしますが。
 2013年市販予定と言うことなので、徐々に情報が出てくるでしょうけど、多少、搭載しているであろうバッテリの容量に対して、走行距離が短い気がします。搭載量を少なく抑えている(=重量を軽減している)可能性もありますが。
 そういえば、日産Leafは1万台を超えたそうで。2009年7月に販売開始したi-MiEVが2011年3月末で1万台突破であることを考えれば、順調な伸びと言えるんじゃないでしょうかね。日産が目論んだほどは売れていないのかも知れませんが。

 そういえば、韓国鬱陵島を視察しようとした自民党新藤義孝稲田朋美佐藤正久議員に対して、韓国が入国を拒否した問題。
 個人的にはこの三議員が鬱陵島へ行く必要があったとは思わないのだけど、それに対して入国拒否なんてカードを切る韓国の対応は常軌を逸している。韓国にしてみれば「何もしない」のが最善手なのに。韓国でも同様の意見があるようだが、ともあれ、手は打たれてしまった。
 逆に日本では、島根県までわざわざ抗議行動をしに来る韓国の議員でも自由に入国し、移動し、抗議行動を行うことが出来る(その途中で違法行為を行えばそれなりに対処されますが)。非対称的に韓国へは入国すらできない。これが国際的に明示されてしまった。一国の国会議員に対してテロリスト並みの扱いをすることに全く躊躇がない。何を考えているのか。韓国は言論表現が不自由な国であることを世界に示したいのか、日本を敵国と看做していると公言したいのか。
 尤も、現在一方の当事者である日本政府については、ちょっと圧力をかければ簡単に屈する政府であるので、強気で押せば大丈夫、との見通しなのかも知れない。その点は、否定できない。


2011年8月2日(火曜日)
 今朝、初めてLED照明の山の手線に遭遇。
 やっぱ色温度が高いせいか、車内が青っぽく見える。

 朝のNHKニュースで「海自次期哨戒機 強度不足判明というニュースを聞いてがっくり来る。
 早々に強度不足が発覚したXC-2と違って、ここまで順調にテストを消化してきていただけに、正式配備を目前にしての延期に落胆も一入。
 勿論、強度不足が露見せずに制式化されてから問題を起こすより、事前に見つかったほうが遙かに良いのですが。
 その後の続報を見ていると、どうも地上静強度試験機での過負荷試験での結果のようなので、大きな変更は必要ないんじゃないかなぁと楽観的になったりする。


2011年8月3日(水曜日)
 気温は低いが湿度が高くて、自転車で走ると汗が全然乾かない。
 夕方にはゲリラ豪雨まで襲ってきて、雨雲を縫うようにして帰る羽目に。

 Slashdot.jpに「パキスタン、データの暗号化を禁止」という面白おかしい話題が。
 暗号化通信をすると傍受にコストがかかるから、暗号を使用するなという、通信の秘密もクソもヘッタクレもない国の、オカシイようで一応論理的なご命令。
 ただしその結果、誰のどの通信でも誰もが傍受できるようになるという、盗聴天国が誕生するようにしか思えない。
 まあ、どうせ政府(や軍)だけは暗号が使えるとか、そういうことになるんだろうけど。


2011年8月4日(木曜日)
 朝からニュースでは、三菱重工と日立製作所の統合と報じていた。
 日経新聞のスクープなんだけど、スクープなのか飛ばしなのか……。

 今年の防衛白書の内容に、韓国と中国が反駁しているらしい。
 お気が済むまで勝手にどうぞ、と言ったところ。何を言ってみせたところで、一国の国会議員を入国拒否したり、空母こさえたりしてたら、どうにも仮想的にしかなり得ないよね。

 「九電、苅田火力が停止 供給余力ほぼゼロに」、と。
 素直に玄海原発を再稼働させてりゃぁ……。


2011年8月5日(金曜日)
 IT Mediaに「英政府、著作権法改正へ CDリッピングなど合法に」という記事。
 法と現実に不整合があるならば、法の方を実態に即するべきだ、というのは一つの考え方。余りに実態と乖離した法律は、無意味に犯罪者を増やすことになります。それを“柔軟に”運用すれば、執行者の恣意が入り込む余地が大きくなってしまいます。「困った時の著作権法違反」では困るのです。
 世界で最も先進的な著作権法を持つとされる我が国の方向性にどのような影響を与えるものか、注目しておきたいところです。

 「Googleストリートビューで原爆ドーム内部を公開」という、技術の有效利用。
 素晴らしい。
 壁も天井も、そして瓦礫の転がる足許も見れる。
 こういう所だと、ラジコンヘリみたいなものから撮影して、高さも変えられると良いよね。


2011年8月6日(土曜日)
 旧暦七夕の本日は、朝からヨコスカサマーフェスタ2011へ。
 午前9時に横須賀に着く電車は、山手線かと思うような混み具合。子供が多かったけどね。
 公開されていたひゅうがしらせいかづちあすか、やまゆきをハシゴして、ヘリコプターによる救難展示を見て、タグボートによる放水展示を見て、第2術科学校を見学して、海軍カレーを食ってきた。
 ああ、疲れた!
 興味深かったのは「やまゆき」(はつゆき型8番艦)でしたね。1985(昭和60)年就役の現役護衛艦としては最古参の部類ですが、まだまだあと10年くらいはお勤めしなければならないそうで……。
 海自の艦らしく、掃除は行き届いているし、丁寧に保守されているのはあちこちからも分かるんだけど、それでも隠せない艦体の老朽化が私のような素人にも分かるっちゅーのは、些か悲しいものがあるなー。

2011年8月7日(日曜日)
 降雨、稲妻、夏の午後。

 朝日に「競技用自転車の摘発急増 ブレーキ不備のまま公道走行という記事があって、なんか「競技用自転車」がいけないような見出しになってるなぁ、と。問題なのは「ブレーキ不備」の部分なんだけど。
 記事にもありますが、自転車の制動装置については道路交通法同施行規則に規定がありまして、ブレーキのない自転車で公道を走ってはいけないことになっています。
 ピストは競輪やトラック競技で使用される自転車で、ブレーキがありませんが、一方で後輪ハブも固定ハブで、一般の自転車のようにペダルを逆回しにしても空回りしません。つまり、ペダルを逆回しに踏めば、その分ブレーキになります……が、これがブレーキとして認められないのは、上記の通りです。
 一定レベル以上の技量を持つ自転車選手たちだけが走るトラックの中だからこそノーブレーキでも走れるわけでして、トラックなどとは比較にならないほど不確実性の高い(何が起こるか予測し辛い)公道で、ブレーキのない自転車に乗るのは自分だけではなく他人をも危険に晒す行為です。
 自転車は歴とした車輛でして、スポーツ用の自転車なら時速30kmは楽に出ます。その速度は原付自転車と大差がありません。そんなものがブレーキなしで公道を走るというのは、はっきりと道路交通上の迷惑以外の何者でもありません。
 数年前から公道上でノーブレーキピストに乗っている人を見かけますが、自殺なら一人で首を吊るべきだと常々思っています。
 また、一部の自転車便の会社のロゴを背負ってノーブレーキピストに乗っている人を見かけることがありますが、その会社は何を考えているのでしょうかね。企業の社会的責任を考えたら、社員(や傭員)に整備不良の自転車を使用することを認めるべきではないと思いますが……。


2011年8月8日(月曜日)
 立秋。

 ロンドンで、黒人暴動が起きているというニュース
 ただ、報道される断片的な情報を見る限り、射殺されたマーク・ダガン氏については、射殺に至る十分な理由があったのではないかという気がするな。
 イギリスでは数年前から銃規制が強化され、一般市民の銃所持は難しくなっている。また、スコットランド・ヤードの警官は通常拳銃を携帯していない。
 このことから、銃を持った武装警官が何らかの確信の下に容疑者を捕縛しようとした際に銃撃戦になったというのが推測される事象であるから、恐らく容疑者は無謬ではなかっただろう。
 とはいえ、暴動に参加している人間にとっては、既に射殺された人がどのような氏素性であったかなどはどうでも良いことになっていそうだが。


2011年8月9日(火曜日)
 なんかロンドンの暴動が留まるところを知らない状況に。
 多文化共生の行き着く所は、結局こんなものなのかも知れないな……。

 蒟蒻ゼリーでまた児童が窒息したとかで、消費者庁から注意喚起のための情報提供が行われています。
 私自身は、蒟蒻ゼリーによる事故が重大問題だとは思っていません。餅やご飯に比べれば圧倒的に危険性は低いことが明らかなのですから。
 ただし、事故は起こりうるものですし、十分注意すべきでしょう。袋にも大々的にそう印刷してあるわけで、あれを見てなお子供に蒟蒻ゼリー塊を与えたのだとすれば、それは保護責任者の問題であろうかと思います。


2011年8月10日(水曜日)
 「石島・井島の山林、大半が焼失 消火活動再開、けが人なし」は、最初は普通の森林火災のニュースだと思ってたんですが、記事に島には岡山県、香川両県の県境があり、北側が玉野市「石島」で、南側が香川県直島町「井島」。とあって、なんじゃそりゃぁ?って。
 で、Google Mapさんで調べてみると、確かに県境が島の中を走っている。
 一体何でこんな変なことに?と思ってWikipediaさんで調べてみると、「井島」という項目に説明があったが、江戸時代から続くよく分からない理由があるらしい。
 余所者としては、どっちか譲れよと思わないでもないのですが、歴史が絡むと難しそうですな。

 米Aviation Weekの表紙をHTV-Rが飾ったりして話題を呼んでいるそうですが、JAXAにもHTV-Rのページが。
 しょーじき現在日本の手持ちの技術ではハードルは高いのですが、挑戦しなければ超えられる道理もなく。
 しかし「菅さん宇宙戦略、日本版GPSが最重要課題といきなり梯子外されていたりする。


2011年8月11日(木曜日)
 コミケの前日設営。
 例年のフォークを使ってトラックから降ろされる鉄製の固定パレットが減って、キャスター付きの台車に置き換わったらしく作業が楽になる。あれ担ぐの、大変な労苦だったんだよね。
 猛暑日の館内で椅子や机を運ぶ集団は、さながら砂糖に群がる蟻の如し。
 それにしても、スカートにサンダル履きで設営にやってくる女性ってのは、一体どういう料簡なんだろうか。毎年何人か見るんだが、設営がなんだかわかってないのか?

2011年8月12日(金曜日)
 コミケ1日目。
 昼から重役出勤。今日はりんかい線が使い物にならないことが事前に告知されていたので、東京駅からバスを使う。非常に空いていた。
 企業ブースでCDを中心に渉猟。
 相変わらず夏のビッグサイトは、日差しは強く、気温は高く、湿度は高く、人口密度は高く、人類の棲息環境とは思えない。
 帰りは水上バスの時間を摑んで優雅にクルーズで日の出桟橋まで。水上バス、数年前から時間一本になってしまったので、輸送力としてはほとんど機能していないが、時間さえ合わせられればまだまだ使えるな。

2011年8月13日(土曜日)
 コミケ2日目、決戦の土曜日。
 ……しかし、田中公平のCDは入手できず。
 というか、完売が10時50分とか、搬入量少なすぎだろ、それはっ。サークル入場か始発組直行でないと手に入れられないレベル。
 とりあえず音楽系をまったりと攻略。

 帰宅後、第1類の常備薬が切れていたことを思い出したので、近くのドラッグストアまで出かけてみたら、薬剤師が居なかったでござる。カレンダーが掛かっていて、罰印が付いた日が延々と……。それでOTCが義務付けられている第1類は当然売れないにしても、第2類とか平然と売ってていいのか?
 というわけで、少し遠出して薬剤師の居る薬局まで足を伸ばしましたとさ。


2011年8月14日(日曜日)
 コミケ最終日はりんかい線で侵攻。
 外周大手で、あとで書店委託があるようなところはとりあえず回避して、コミティアで買えそうなところも回避。それでも出向くと既に完売、というサークルさんがちらほら。というか、もう少し多めに搬入して欲しいなー、とかなんとか。
 それが難しいのは分かってるのだけれども。

 琉球新報が「終戦66年 今も続く米軍の占領/再び沖縄を戦場にするな」と題した社説で、武力侵攻に対しての自衛権行使に反対したそうな。
 読んでも良く理解できないのだが、憲法九条は国の自衛権を否定しない、というのが確か現在の解釈であったと思うわけで、武力侵攻があればこれに武力で対抗する、そのために自衛隊が存在している。
 そうしなければ、傷つくのは結局のところ身を守る術を持たない一般市民じゃないかと思うわけだが、琉球新報はそうは考えていないらしい。
 平和裡な交渉は、当事者全員がこれを望んでいなければ実現しないが、武力行使は、極端な話、当事者の誰か一人でもその気になればおっ始めることができるという意味で、容易だ。平和的な解決への努力は怠るべきではないが、それが破られる事態は「想定内」でなければならない。
 それこそが沖縄の平和を維持するために必要なものだと思いますが。
 それとも、中国との平和的な交渉が失われたならば、沖縄全部を中国に差し出してくれて良いと思っているのかも知れませんが。

 先日の「石島の山火事、やっと鎮圧」とか。
 五日間燃え続け、島の面積の87%が消失して鎮火とか言うのは、消火したというよりは燃えるものが無くなったんじゃないかという気がしなくもなく。
 延焼を食い止められなかった事情は、調査すべきかも知れませんな。
 ロシアの航空森林消防隊(アヴィアリェソオフラナ)か米国のスモークジャンパー部隊みたいなのを結成して、火災現場にパラシュート降下して、スコップとチェーンソーで消火活動……とかいうのはまだ必要ないだろうから。


2011年8月15日(月曜日)
 敗戦記念日。

 どうも世間様では「青年の部落離れ」が問題になっているらしく
 個人的には、それって部落解放活動が必要だと感じられない程に差別が薄れてきているからじゃないの?と思うのですが、組織としては運動の継続に関わる問題だけに、是が非でも部落が存続しないといけないのでしょうねぇ。
 無くなった方が良い筈じゃないの?とは思いますが。
 ぶっちゃけ、活動の終着点が見えたことを喜ぶべきではないのかとは思いますな。

 中国経由「朝鮮に世界最高層ホテルが完成 倒壊の危険も?」とかなんとか。
 隨分長いこと建設してたなぁという印象があったんですが、記事によれば24年も建設にかかったんだそうな。
 せめて建設にかかった時間くらいは立っていて欲しいものだが。

 「とどかぬ白衣〜外国人看護師候補者の現実〜」なんて番組の情報をここに書いておけば、きっと日記で採り上げてくれるに違いないと思っておく。


2011年8月16日(火曜日)
 三菱重工「パイロットの話 コックピットから」が約10年振りの連載再開とか。この連載のF-15の話にドキドキしたのが、もう10年も前か……。

 「イギリス暴動の裏にある鬱屈と絶望について」を読む。
 どうしてこうなった?という感想以外出てこない。
 手厚い保護って結局の所人を墮落させるだけなのか。

 昨日のNHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 戦中編 果てしなき戦線拡大の悲劇」はやるせない内容だったなー。
 戦争おっ始めてから終わらせ方を議論するも、意見は集約せず、迷走する……。
 大日本帝国における制度上の不備があったとは言え、余りにも酷い。
 ところで、この時期になるともはや政治の出る幕はなくなっているわけだが、それとて、大正期に政策そっちのけで党派抗争に明け暮れた政党政治への国民の失望が軍部への期待を盛り上げた結果なわけで……。
 もう少しでいいからマトモな政治ができる制度ってないものかと思ってしまうねぇ。


2011年8月17日(水曜日)
 「見れば見るほど… 北海道・羅臼岳にパンダ?」という記事。
 この色薄羆を選別して交配させていけば、いつかパンダのような羆が生まれたりするのだろうか。

 やや旧聞ながら「EVから家庭への給電、規格統一へ…日産・三菱という話。
 話自体は悪いことじゃないのだが、CHAdeMO規格という話になると、やはりコネクタの統一は、ちと早かったんじゃないかと思わなくもないな。アップデートで対応できればいいけど。
 まあ、現行の充電ガンのデザインも余り良いとは思わないのだけれども。

 「1987年ブラジルのゴイアニアでのセシウム汚染事故」を読んで、なんともはや、と。
 この世界には教訓が溢れているな。


2011年8月18日(木曜日)
 陽が落ちてから走ったけど、汗だくになった。
 余りにもしんどかったために、出かけた先で買ってこようと思っていたものをすこーんと忘れて帰ってきてしまった。
 予報では、この暑さは今日までとのことだが……。

2011年8月19日(金曜日)
 朝から、降雨。衛星放送の電波が減衰するくらいの、無茶な雨。
 降るにしても、程度ってものが……。

 「【インタビュー】ホンダジェット藤野社長…エンジンが翼の上に落ち着くまで」を読む。
 技術の世界では、理には即しているのだけれども、なにかおかしいと感じる設計が時々あって、ホンダジェットの主翼上面エンジン配置(OTWEM)もソレの一つに思える。
 胴体容積を稼ぐために胴体内にエンジンマウント用の桁を通したくない、乗り降りの便を良くするために最低地上高を低く抑えたい、異物吸入(FOD)を避けるためにエンジンは高くに置きたい、強度的には主翼桁にエンジン重量を負担させたい……という要求を確かにOTWEMは全て満たすわけだが、それにしても重量物であるエンジンを上から吊るならともかく下から支えるのは強度/重量的には厳しい筈。
 早く市販機がデリバリーされて、レビューされんものか。

 NHKで放送された「朝鮮遺産 百年の流転」は、一体どこの部署が作ったんかのう……?
 「朝鮮王朝儀軌」が日本へ渡った経緯と目的、そして果たした役割を追う非常に硬派な部分と、現在放映中のドラマ「イ・サン」のファンタジィな物語が一つの番組に混在していた。
 正直、「イ・サン」のパートがなぜ存在するのかよく分からない……。
 というか、全体的に韓国側を描いたパートが創作とか裏取り不十分とか、一体どう評価して欲しい番組なんだろうなー。韓国パート外して日本側だけで構成した方が良い番組になったんじゃないかと思った。
 番組中で李王家の当主として紹介された李源氏ですが、現在正統性を別の人物と裁判で係争中だったりするんですよね……。なんせ、直系正統は2005年にお亡くなりになっておられましてね。その死に様を思うと、現当主が儀式の復活とか、へそで茶を沸かすような話ですけれども。


2011年8月20日(土曜日)
 18日に中国で衛星の打ち上げの失敗があったのですが、今のところ原因は不明っぽい。
 落ちたのは長征2C型で、1975年の初打ち上げ以来32回連続で成功している、極めて実績の高いロケットだったのですが。
 実のところ、有人宇宙飛行を成功させているように、中国のロケット技術の信頼性は非常に高く、枯れた技術による手堅い設計はそれなりに高く評価されています。
 1996年に起こした大事故以来は目立った事故もなく、米ソに次ぐ第三の有人宇宙飛行達成国の名に恥じない宇宙技術を有しているとされていただけに、事故には大きな関心が寄せられています。
 言うまでもありませんが、いつまでも無事故・無謬というわけには行きません。特に航空宇宙分野となれば、技術的なトレード・オフが厳しいだけに、万全を期すのにも限界があります。
 その中で、失敗を恐れず、それでいて失敗に謙虚に学ぶことこそが、必要な資質なのです。

 先月5日に墜落した那覇のF-15Jのフライトレコーダが見つかった
 なお、パイロットは未だ発見されず。


2011年8月21日(日曜日)
 コミティア

 「ミスチル公演予定の熊本KKWING 課題も」なんてネタを紹介されてどうしようか、と。
 スタジアムの席番号に♠♥♦♣を使ったらば、チケット会社の発券システムが対応していませんでした、というしょーもない話なわけですが、個人的には東西南北を仮定しておくなどの対応策を取らなかったKKWINGの手落ちかな、と。何か目新しいことをやってみたかったんだけど副作用まで頭が回らなかったという話か。
 発券システム側としては、Unicode対応して端末にフォントを用意すれば済む話ではあるのだけれども、作り込み方によってはとてもじゃないけど対応できない可能性はありそう。ただ、国外のチケットを取れるように、などという機能拡張を考えると、対応しておいて損はないとは思うけど。


2011年8月22日(月曜日)
 「「浮島太陽光発電所」のデータを元に太陽光発電の現状をグラフ化してみる」が非常に良い記事だった。
 太陽光発電そのものは決して素性の悪いものではないが、電力基盤の主力発電として使うのには向いていない。適性の話なのだ。
 各種発電方法にはそれぞれ性格というか適性がある。利点もあれば欠点もある。費用対效果も様々だ。
 だからこそ、各種発電方法を組み合わせて安定した電力供給を実現しているわけで、原子力を太陽光で置き換えよう、というのは、上の記事を見ても分かる通り、暴論も良いところ。

 で、こっちも暴論なんですが「海外から電力輸入を=小沢元環境相なんて言い出している人がいるそうで。
 国と国間に海底ケーブル一本とか言ってますが、信号を送るケーブルじゃなくて、電力を送る高圧ケーブルを海底に敷設するのがどんなに難しいか分かってて言っているのか……。本州‐佐渡島にすら送電線は敷設されていないというのに。
 また、こういった電力輸入についてはエネルギー安保と絡みますので、一朝有事に電力を遮断したり、外交カードにしそうな国からの電力購入は、安全保障上好ましくありません。日本の周辺国では、ロシア、中国、韓国、北朝鮮が該当しそうです。
 あと、ドイツについて良く指摘されることですが、自国での原子力発電を減らしながら、他国から原子力発電による電力を買うというのは、ご都合主義ではないかという話です。日本の近隣国では韓国、中国、ロシアは原子力推進国ですからねぇ。
 総じて、何も考えていない軽はずみな発言なのか、思慮の足りない発言なのか、どちらかではないかと思われるところです。
 いずれにしろ、民主党の代表候補というのは、知的水準だけは問われないもののようです。


2011年8月23日(火曜日)
 「外国人に日本語の壁 看護師候補 離日相次ぐ 極端な低合格率 在留延長実らず インドネシア第1陣と、当初から予想されていたことが予想通りの経過を辿り、予想通りの結末に至った、という救いようのない話。
 何のためにEPAで看護師の受け入れを決めたのやら……。
 どのような人材が必要か、そのためにはどのような受け入れ態勢が必要か、選拔の方法と教育課程の編成など、すべきことは山程あったが、何一つ目ぼしいものを見出さずに終わりそうな気配。

2011年8月24日(水曜日)
 23日17時51分(UTC)に米バージニア州MineralでM5.8の地震が発生したそうな。この地域でこのクラスの地震が起きるのは1875年以来とのこと。
 アメリカ地質調査所発表を見ている限り、搖れはメルカリ震度階級最大でVIIIといったところらしいが、街からは離れたところなので、多くの市街では同IV〜V程度。日本の震度と直接の対比はできないのだけど、震源付近で最大震度5強、市街地では3〜4って感じだろうか。ワシントンDCがメルカリIV=5.0〜10galだから、いいとこ震度3だなや。
 その割には、被害が大きそうな感じだけど。

 なんか21日に国後島沖をゴムボートで漂流していた日本人がロシア国境警備隊にとっ捕まったそうなんですが、なんでもサバイバルゲームの最中に流されてしまったものだった、と。
 そーゆー危ない地域でエアガン持って誤解されやすい遊びを……間違われて銃撃を受けてもおかしくないんだぞ、その辺は。

 慶應の清水教授らが試作したEVバスの試乗会があった由。

 航続距離は120kmだけど、バッテリも応分に120kWh積んでまして、充電には急速充電器でも2時間半かかると。まあ、蓄電容量が増せばそれだけ電気を送り込まねばならんわけで、高速化にはより大電流を流すという恐ろしい解決策しか存在しませんなー。
 ともあれ、車内の写真を観る限り、全体的に低いな、と感じますね。特に通常のバスであればエンジンルームに向かって雛壇になる後部が低いのが目立ちます。
 実用性がどの程度か、気になるところですね。

2011年8月25日(木曜日)
 「無人宇宙貨物船「プログレス」 所定の軌道に達せず」とロシアのプログレス輸送船が射上げに失敗とか。
 実用化以来、宇宙でドッキングに失敗したことはあっても、射上げそのものに失敗したことはなかったんだが……。射上げロケットはソユーズUで、これもかつては有人宇宙飛行に利用されていたロケットで、これまで745回の射上げで724回成功、21回失敗という、人類が有する最高の信頼性を誇る逸品だったのですが……。
 墜ちるときは墜ちるとは言うものの、ロシアは先日プロトンロケットでの衛星射上げにも失敗しているので、事故調査等で宇宙開発の速度が鈍る可能性はありますね。

 そういえばAppleのスティーブ・ジョブズがCEOを退くそうな。
 彼の退任によってAppleの顧客対応が向上するなら、歓迎するけどね。
 最悪の場合、態度は変わらないままでイノベーションだけが失われる。


2011年8月26日(金曜日)
 朝の天気予報で夕方から雷雨なんて言ってたけど、雷雨は雷雨でもゲリラ豪雨だった罠。
 職場近くの目黒川は警戒サイレン鳴らすわ、自宅近くの石神井川でも避難判断水位を超えるわ、……ほんの一時間半程で通り過ぎていったのですが。
 自宅近くのコンビニで、入り口に土嚢が積んであって、どんだけ降ったのかと。

 首相がようやく辞任表明とか。
 しかし、次の首相が現首相よりマシである保証が何もない(むしろ期待薄)というあたりがなんともかんとも。


2011年8月27日(土曜日)
 三ノ輪の辺りを自転車で走ってたら、対空砲火の音。
 ああ、そうか。今日は隅田川花火大会か……。
 通りで街中で浴衣姿をよく見かけると思った。

 家に帰り着いたら、サーバがディスクエラー吐いて死んでた。
 愈々ご臨終の日も近いか。なんとか夏を越してもらいたかったが……。

 「「福島第一原子力発電所におけるロボットオペレータの手記」がめちゃめちゃ面白い」があんまりにも素晴らしいのでウチからもリンク。


2011年8月28日(日曜日)
 酒井さんのお誘いを受けて、総火演こと陸上自衛隊総合火力演習へ行ってきました。何のコネもない私は毎年のように応募しては落ち続けているという窮状を見かねた酒井さんが救いの手を差し伸べて下さったもの。
 9時頃に御殿場駅に着いたものの、なんとバス待ちの列が1時間半かかって、送迎バスに乗った頃には総火演が始まっているという……。途中で、自衛隊の兵員輸送トラックでいいから人員詰め込んで運んだらどうかと。
 とまれ、初っ端の長距離砲類が見れなかったけど、その後のプログラムは観覧できたので、個人的には大満足。
 戦車砲の一斉射撃の肚に響く衝撃とか、機甲部隊が疾駆する振動が地面から伝わってきたりとか、現場で見ないと知れないことを感じられた。
 酒井さんに感謝。
 演習終了後は装備の展示があって、10式戦車は人だかりに。展示は試作一号車。

 調達が中止になったAH-64アパッチ。

 老兵、AH-1コブラ。

 UH化が噂されるOH-1。

 個人的に大好きな87式自走高射機関砲、通称「ガンタンク」。

 他にも今回は震災関係の装備品の展示(出動時の写真パネルなど)もあって、興味深いものでした。
 ……そしてたっぷり堪能した後は、復路もバス待ち行列が1時間半。行列の中では「CH-47で運んでくれよ」などとぼやく声が聞こえた。

2011年8月29日(月曜日)
 愈々、松下政経塾から首相が誕生か。
 極めて個人的な見解ですが、松下政経塾出身の国会議員は、議員としてはともかく、為政者としては恃むに足りないと思っています。
 野田さんは今求められていることを為せる人なのか、成したいと思うことに手を出してしまう人なのか。どうも後者が多いのですよね、松下政経塾出身者は。

 「なぜこれほどの尊い命が失われてしまったか 検死医が目の当たりにした“津波遺体”のメッセージ ——高木徹也・杏林大学准教授のケース」は傾聴に値する内容。
 こういった情報は、最終的にきちんとした報告に纏め上げて、対策へと繋がるようにしたい。

 結局の所、労働力不足の問題には特效薬的解決はなく、外国からの労働力受け容れは副作用が大きいんだ、と合意されないといけないと思うのだよねぇ、いい加減。
 ぶっちゃけ、90年代に受け容れが始まった日系ブラジル人デカセギとその子弟たちの問題が何一つ解決していないのに、新たな問題の種を播こうと考える人達の気が知れない。


2011年8月30日(火曜日)
 毎日に「岡山空港:米軍の訓練用戦闘機2機が緊急着陸という記事があったんですが、写真を見ると民間ナンバーが付いてる。
 機種はホーカー・ハンターで、米軍での採用実績はなかったと思うのだがな……と思っていたら、民間軍事企業(PMSC)であるATAC(Airborne Tactical Advantage Company)社の所属機らしい。
 Wikipediaによるとこの会社、米軍との契約で仮想敵業務を請け負っているらしい。所属機はF-21クフィルA-4スカイホーク、そしてMk-58ホーカー・ハンター。
 民間ナンバーなので武装していることはないけど、元軍用機をこんなに運用している会社があるんだな、世の中には。

 「福島第1原発:作業員が白血病で死亡 東電が発表という、時節柄、色々涌きそうな話題。
 外部被曝量0.5mSv、内部被曝量ゼロでは、急性白血病と放射線被曝の因果関係を立証するのは極めて困難だと思います。というか、常識的には関係がないということになるかと。
 8月上旬に1週間働いただけで、もし放射線の影響で白血病になったとするならば、急性放射線障害に他ならないわけで、だとすれば他の臓器にも影響が見られる筈。そういう所見がなければ、無関係な急性白血病であろうという話になります。
 急性白血病は10万人当り約6人が発症し、年間7,400名以上が死亡している病気ですので、これもまたそのひとつ、ということでしょう。
 なお、晩発性放射線障害であるとするならば、この8月以前の職歴、それも十年くらい間のものを洗った方が良いでしょうね。


2011年8月31日(水曜日)
 朝の天気予報を信じて傘を持って出かけたのに、雨が降らないうちに家に帰ってきた……。

 「ガスト:120店の営業自粛…食事した14人が赤痢発症」……海外で拾ってきたんじゃなくて、国内でしかも外食チェーンでってのは、ちょっと規模が大きいねぇ。
 一応重症化した患者さんはおられないとのことなので、経路の追究と原因の究明が望まれる所。
 今年は……なんか食中毒の大き目な事件が多いな……。