哀愁日記
底に哀はあるの。

西紀2000年5月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクトは関与しておりません。
また、守秘義務の関係上、伏せ字が多くなっています。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2000年5月1日(月曜日)
 今日から五月です。日中は素晴らしい日和で、今日は一日、作務衣姿でした。
 しかし、和漢混淆文、それも訓点の振り方が現代と違う文章って、読むのが辛いわ。どうやっても読めない単語も存在する……(^^;

 パトレイバーのDVDを買った。それも、最初のOVAシリーズの奴。懷かしいですね。あの頃私は丁度高校生くらいだったか。98年はおろか、もう2000年になりましたが、人型多脚歩行作業機械は実用化してない……。夢のない世界になってしまった。

 竹下元総理が引退を表明したのだが、病気で入院して一年近く、国会に登院することもままならない人間が、議員を辞することもなく、次の選挙への不出馬という形で“引退”することの方が異常だと思うがね。


2000年5月2日(火曜日)
 調べものをした後に、図情大へいって竹居さんに会った。先日のTIBFトッパンブースでBook On Demandの実演サンプルとして配っていた『鉄道唱歌』の冊子を進呈するためである。
 冊子を渡されて、大変喜んだ後、竹居さんはかく宣った。
竹居「よく知ってたね、僕が鉄道のこと好きだって」
小熊「……。なんで知らないと思うんですか? 日記見れば一目瞭然じゃないですか」
 いやはや、人間、自分のことになると驚くほど鈍感なものである。

 巨人ファンとして、今シーズンの優勝など期待していない……というより、はやいとこ首脳陣が全部入れ代わってくれないかと切望しているというのが正直なところだ。無能を通り越して有害なだけの経営陣、確率を制御できない監督、そして失策を繰り返す野手。
 私が見たいのは、オーソドックスでシンプルな、そしてアグレッシブな巨人なんだ。

 愛知県の豊川市で、高校三年生が刃物で殺人。殺された60代の女性はメッタ刺し状態だったらしいので、通常なら怨恨か衝動殺人と推定するところだが……当の少年は「人を殺す経験をしてみたかった」と供述しているという。
 素晴らしい。見事な確信犯だ。できれば逃げ出さずに、その場できちんと逮捕されていれば完璧だったな。
 我々は彼を、正しく裁かねばならない。彼は確信犯である以上、更正を期待してはいけない(注:更正が不可能だと言っているのではない)。殺人という行為に見合うだけの刑罰を、彼に負わせねばならない。罪と罰を正しく配分することで、彼の行為に応えなければならない。


2000年5月3日(水曜日)
 ……。今度はバスジャックですか。

 今日から本格的な連休ですが(苦笑)、私は恐らく趣味に時間を費やすことでしょう。しかし半分趣味だったはずの多言語や漢字が趣味でなくなりつつある現在、私としては新しい趣味を開拓しなければならないのではないかと思わなくもない。

 勝った試合に文句を付けたくはないが、今日の巨人の試合はひどい試合だった。全得点がホームランだなんて、見てくれはともかく、戦術もなにもあったもんじゃない。


2000年5月4日(木曜日)
 今日は[ピー]MCのK元くんと会って愚痴りあってました。ええ、内容についてはお話できませんとも(苦笑)
 食って飲んで歩いて話してって感じですか。酒精も入らずにあれだけ盛大に愚痴りあえる現状にカンパイっ。

2000年5月5日(金曜日)
 COMITIA in ビッグサイト
 事件続きで疲労が溜まっていたらしく(CSのNNN24を延々見ているからだ)、家に帰りつくなり寢てしまいました。

2000年5月6日(土曜日)
 なんだか不思議なことに、頭痛と吐き気があります。無理矢理食事を食べて藥を飲んで頭痛を抑えたら、今度は関節が痛み出しました。風邪、きちんと治ってなかったのかな?

 昨日のコミティアで、サークルの友人から最後に「次の即売会までには髭を剃ってこい」と申し渡されてしまった(笑)。というわけですので、私の髭面は、どんなに長くても夏コミまでです。


2000年5月7日(日曜日)
 昨日の今日なので、ゆっくりと休ませてもらいました。輕い本や同人誌を中心に10冊くらい本を消費。善哉善哉。

 バスイジャック犯の少年の供述。
「電波に命令された」
 真犯人は月島兄妹か!?(意味不明)
 バスジャックの後数日で、金槌で老人を殴り倒す奴とか、放火する奴とか、常軌を逸した行動を起こす少年が立て続けに登場している。困ったもんだ。


2000年5月8日(月曜日)
 さてコピーをとってきた論文を処理しよう……と読み始めて、途中のページが拔けているのに気付いて、図書館へ逆戻り。間拔けです。

 許されざる罪、それは公共物たる図書館の收蔵書に書き込みをすることである(爆)。誤字脱字誤植誤謬の指摘くらいならまだ許せるが、どう考えても私的なマーキングやチェックを堂々と書き込んであるのを見ると、タイムマシンでもタイムスクリーンでもサイコメトリーでもいいから、とにかく過去を覗いて犯人を暴き出し、首まで土に埋めてやりたくなる。
 そりゃあ現代のように手輕にコピーが取れる時代じゃなかったことは分からなくはないが、だからといって貴重書(あるいは将来貴重書となるであろう書物)に私的な書き込みをするなど、公私混同も甚だしい。
 ええい忌々しいっ。

 最近すっかり、筑波大学中央図書館1階、旧東教大蔵書庫通いが板に付いてしまった。いやはや、素晴らしいばかりの蔵書であり、一日居ても飽きないというか、もう既に溺れているというか……。
 最近読んでいる本が、大抵大正年間から昭和一桁という辺りに、運命的なものを感じざるをえない。そう、私は現代史を専攻しているのだ……。


2000年5月9日(火曜日)
 京都寂光院が燃えた。なんでも放火らしい。
 形あるものはいつかは壞れるものではあるが……こういう失われ方をするとやるせない。罪が重過ぎて、罰を与える気にもなれない。たとえ犯人を捕まえて八つ裂きにしたところで失われた文化財は戻ってこない。深い悲しみだけが残る。

 長野県警の巡査部長が、二人乗りの原付き自転車を追跡し、一人を捕まえた後に、「なぜ止まらなかった、一回死んでみるか?」と実弾入りの拳銃を突きつけたという。
 気持ちはホントに良く分かる。
 命を粗末にしている人間に対して、「そんなに死にたいのなら殺してやろうか」的な感情を持つのは、なにも私だけじゃないと思う。


2000年5月10日(水曜日)
 報道される、豊川の少年殺人犯の供述を聞いているが、私には別に取り立てて不可思議には聞こえない。単純明快で、実に分かりやすい。だから、対処も簡単だ。彼は殺人を経験したかった。我々は彼に、その対価を払わせる。それで終わりだ。
 再犯を防ぐ、あるいは類似犯を防ぐのはかなり難しい。なぜなら、確信犯だからだ。彼は咎を受けることを承知で罪を犯しているのだから、有効な対処はないだろう。

 TIBFで見た移動棚の業者が見積を取りに部屋に来た……のだが、書庫を見て呆れ果てていた。
 20万円台に收まるかと思っていたのだが、さにあらず、35万円くらいかかるという結果が出てしまった。これではちょっとコストパフォーマンス的に厳しいように思う。現在より、高さ180×幅150×奧行き60の本棚が一本分増える計算にはなるのだが、そのために35万円とあっては……。

 今日は図情大の田畑・杉本・阪口研の新歓バーベキューにお呼ばれして飲み食いしてきた。
 バーベキューの前に研究棟へ行ってかつての同輩と歓談。髭の評価は真っ二つに別れる。はてさて。


2000年5月11日(木曜日)
 なんとなく仕事に身が入らなかった一日。
 時間だけかけて効率は悪かった。反省。

 夜は東京シューレの学生ゼミに参加。東大からゼミ一教室が丸ごとやってきて、もの凄い盛況ではあった。内容的には、苦笑いを隠せないものもあり、なかなか難しいところ。


2000年5月12日(金曜日)
 [ピー]MCへ行って打ち合わせ。
 自分でも呆れるような資料を持っていったと思うが。

 “1983年生まれ”が“犯罪者予備軍”の同義語になってしまいそうな今日この頃。こんどは「夢の中で人を殺せといわれた」少年がJR根岸線の車輛内において、金槌で男性を襲った。幸いにもというべきか、人は死ななかった。
 何か感想を書かねばならんのだろうか? 自衛のために武術でも身に付けて、とりあえず反撃できるようにしときましょ。

 月曜日に、ACCSがやってきて、ようやくケーブルモデムが入るらしい。ACCSの不手際に不動産屋の無関心が重なって、一月以上放置されてしまった。なんてこったい。


2000年5月13日(土曜日)
 気がついたら土曜日が終わっていた。

 というのも、某所で引き受けた作業に昼から没頭していたためで、6時間くらいぶっ通しで編輯作業をやっていたのだ(笑)。しかし相変わらず、色んなことやってるな、俺。

 夜になって慌てて買い物に行く。朝から雨が降っていたつくばは、各所で例によって冠水しており、水没した道を三回ほど渡河することとなる(うち一度はスタックしかかる)。まったくこの街は……ぶちぶち。
 買い物はしたものの、料理をする気が失せてしまい、外食と相成る。ああ、間拔けだ。

 大学から引き上げて来たマシンにNICをもう一枚追加してLinuxをインストールする。月曜日に主尾よくケーブルモデムが入ったら、こいつをプロキシサーバとして使う予定。しかし置き場がないです。電源も不安だ……。

 民主党が、小渕前総理の病臥に際しての臨時代理指名、解散手続きに疑問があるとして法廷に打ってでるという。
 民主党からすると格好の付け入る隙というものだが、有権者としては釋然としないものもある。理由は単純で、官房長官の臨時代理就任から解散までの流れが、総理昏倒から24時間以内に行われていれば、その手続きの違法性をわざわざ問い質したりはせず、「危機対処のための超法規的処置」として許しただろう(そうそうあることじゃなし)。しかし現実には二日以上の時間がかかっており、なおかつ権力の空白まで生んでしまった。これでは何のための内閣なのかと疑問を持たざるを得ないではないか。


2000年5月14日(日曜日)
 小渕前首相が亡くなった。
 衷心よりお悔やみ申し上げる。

 今日は何かと忙しかった。あっち行ったりこっち行ったり。最後には棚の組立やらケーブルの敷設やら。プリンタをプリントサーバを利用したネットワーク接続に変えて、各種設定を終える。
 これで明日の準備は殆ど終わったか。
 ああ、あとLinuxの方に必要なソフトをインストールしとかんとあかんか……。


2000年5月15日(月曜日)
 朝一でACCSがやって来た。
 大体、申し込みしてから二月以上放置されたあたりでもうこっちもいい加減疲れがきていたんだけど、今日の結果は素晴らしい限りだった。屋内配線の関係で、予想通り信号レベルが既定値に到達しておらず、ケーブルモデムでの交信は不可能ではなかったが保証の限りではないという話。そんなあやふやなものに金を払うのもアホらしいので、とりあえず引き払ってもらった。
 問題の根源はこの建物にあって、屋内配線に際してブースタを付けていなかったことにある。おーおー。最初の話ではブースタが問題ではなかったのか? 蓋を開けてみたら付いていなかった、と。きっと施工した奴は、信号を分配したらレベルが低下することを知らなかったのだろう。多分「モータって何で回ってるの?」とか質問するような奴だったに違いない。
 不動産屋に電話をかけて事の次第を説明して、ブースタの取り付けてもらう方向で話を進めてもらうことにした。
 疲れた。

 Linuxの方は、印刷が上手く行かない。プリンタまでデータは来るのだが、データが不正らしく、プリンタが踊り出す(笑)。フィルタの設定が上手くいってないのだろうか。うーむ……?


2000年5月16日(火曜日)
 理屈の上からは存在していることが予想されていたものを、実際に発見してしまった時の気分というのは、一瞬の喜びと深い絶望の絶妙のブレンドだということを知った。
 つまり、見つからなければそれなりに幸せだったかもしれない、そういうものをみつけたというわけさ。今更驚くほどのことではないのだけれど。

 9日の日記に書いた、単車暴走犯に拳銃突きつけて懲戒免職になってもうた警察官だが、地元住民から不起訴処分を求める嘆願書が出されたという。
 気持ちはとてもよくワカる。

 「日本は天皇を中心とした神の国」と森総理が発言したそうな。そう考えるのは個人の自由というものだが、こっちに押し付けられるのは困る。そういう考えを持った人間を総理に据えてしまったのは、我々有権者の不明というものだな。
 注意を喚起しておくと、神国思想そのものは別に悪いとは思わない。その程度のことで目くじらを立てていたら、宗教国家とは付き合えない(笑)。大抵の宗教国家は、自分たちは神に選ばれた民だと思っていたりするものだ。
 問題は、そう言った思想が、他国を不当に落としめ、侵略や横暴、時には自らの過失を隠蔽するために使われることがまま見られることである。


2000年5月17日(水曜日)
 10日に来てもらった移動棚の業者が、詳細な見積を持ってやってきた。見積は三種類。30万から50万まで。どこ叩いたらそんな金出てくるねん。
 一番現実的なプランは30万コースだが、それだってかなりきついぞ。っちゅーか、有り体に言って無理。
 しかし本の收納能力が限界に到達しつつあるのも事実だし、なかなかに痛し痒しってところ。
 はあ、真面目に地道に働くしかないのね。

 去年12月に栃木で起きた少年による恐喝暴行殺人事件も、何やら話がキナ臭くなってきた。殺された少年の両親は、何度も警察に掛け合っていたにもかかわらず、警察は動いていなかったと報道されている。犯人の一人の親が、栃木県警の搜査官だったというのは、クリティカルだと思う。たとえ因果関係がなかったにしろ、痛くもない腹を探られることになるだろう。

 滋賀県で、「社会を許さない、汚いものを消す」などと記された脅迫文を小学校の周りに張って歩いたとして、中学生が逮捕されたそうな。

 バスジャックの少年は「自分は何も悪いことはしていないので謝る必要はない」と言っているという。好きにしたらいい。反省する気がない人間には、情状酌量も与えられんというだけだ。何か勘違いしているようだが、罪に善悪は関係ない。たとえ善意からであっても罪は罪だ。あとは適切な量刑を与えるだけというものだ。


2000年5月18日(木曜日)
 ストーカー行為を対象とする規制法が成立したそうな。私も人のことは言えないが、コミュニケーションに不全をきたす人間が多い世の中、いよいよ世界はイェマドへ向かっているのだろうか(謎)。

 少年法の改正案の方は、どうやら継続審議になるか廃案になるか、とにかく可決成立はしそうにない。
 私はいつも思うのだが、法律というものは、六法も含めて全て、時限立法とすべきではなかろうか。理由は簡単で、社会は動的に変化し続けるが、一度明文化された法律は、固定化され搖らぎを失うからだ。もちろん法律にもある程度の幅は持たせてあるものだが、時の流れは容易に現実と法律との間を引き剥がしていく。
 少年法は、日本がまだ貧しかった時代に、青少年の健全育成を主眼として定められたものだ。ところが今や、少年犯罪者が少年法を盾にとって「死刑にならない」ことを知った上で犯罪に走っている。
 法を悪用するのも人の業だが、それに合わせて法を改正するのも人の役目だ。
 保護すべき罪を、ある程度選別できるようにした方が良いと私は思う。


2000年5月19日(金曜日)
 調べものの仕事に於いて、作業内容は大きく二つに分けられる。一つは、まさにその対象を調べている調査作業。もう一つは調べ集めたものを分類整理して、報告の形にまとめ上げる編輯執筆作業である。
 前半戦は知的欲求の赴くままに作業に没入することができるので、私としては苦が余りない。問題はやはり後半戦にあって、こいつがなかなかに厄介だ。何しろ私が扱う事物には、言葉で説明しにくいものが少なくないし、前提とする知識が複雑怪奇であることも少なくない言うまでもないが、これは私の知識構造が複雑怪奇であるということではない
 どこまで説明したら良いか、よく分からないことが少なくないんだよね。

 ふと書店で『日経Mac』を買ってきてしまう。「Mac OS X時代のフォント新環境」という特集記事が目にとまったからだ。
 私は既に多言語処理の最前線から一歩身を引いた身分であるので、現在の最先端がどうなっているのか良く分からないのだが、Mac OS Xは、Unicode系の多言語処理の一里塚となるもののはずである。細かいことは次回のBTRON Clubの発表とも重なるので詳しくは書かないが、Unicoderの言うところの多言語処理の姿を、Appleの力でどこまで実裝するのか、興味は尽きない。
 逆にBTRONはどーすりゃいーのかということについては、そろそろ真面目に姿勢表明をしないといけないと思うのだが、私には当然そんな権能はない。

 民主党は、なんというか少々外連が過ぎるような気がする。かつての国会審議ボイコットもそうだったが、今回の森総理への退陣要求についても、外連味がきつい。困ったことに、このような外連に対して、民主党の顏たる鳩山さんはそぐわない所がある。つまり「外連をやってる」と見えてしまうのである。オーソドックスな政治家スタイルを持っているが故の問題か。
 どっちかというと大衆扇動家のような人を表に立てると面白いのだが。

 台湾こと中華民国の総統の就任式は、明日。歴史が動く気配がびんびんする。中台関係において、日本が与える影響は大きい。それを思えば、積極的に動くことによって、日本の利益を考えるのは悪いことじゃないと思うのだが……。
 ああ、言うまでもないことだが、中台が中台なりの未来を選択するのを妨害しようと言うのではない。


2000年5月20日(土曜日)
 土曜日だが、頭だけは使っている。いよいよ土日なしの体制か?(笑)
 スキャナが要るなぁ。

2000年5月21日(日曜日)
 日曜日。
 電気街を歩きながらスキャナを見てまわる。私の用途ではAuto Document Feederを必須とするので、必然的にEpsonのスキャナだろうなぁ。大体、目星はつける。あとはこれが秋葉原でどのくらいの値段か、だね。

 休みということもあって、ラテン語の文法書とか、六法とかを読んで暮らす。……などと書くと、小熊の脳の中身を疑う人間が続出しそうで恐い。
 ラテン語の方は、前々からちまちまと勉強している。なんでも印欧語系屈折語を勉強するなら、ラテン語古典ギリシャ語サンスクリット語が必須なのだそうだからだ。あとはセム語系を勉強した方がいいのだが……。
 六法の方は、少年法を読んでいた。全体的には、あまり問題はない法律と見える。幾つかあるとしたら、無条件で死刑が無期に減刑されるところや、記録情報が非開示になるあたりか。


2000年5月22日(月曜日)
 徹夜して朝を迎える。
 へろへろのふらふらになって、朝9時頃寢たら、起きたのが13時っつーんだからたまらないね。起きちゃったものは仕方ないから、用事を済ませて、仕事にかかる。そして夕刻、とうとうスキャナを買ってくる。EpsonのGT-7600Sを選択した。ADFは後回しとして、とりあえず集めた資料をがーごがーごとスキャン。

 新潟で、少年が生きたまま焼き殺されるという事件があった。特に感想なし。

 へたれ駄目駄目ミツルんのところで紹介されていた山手線占いなんぞをやってみると、「上野」なんて結果が出た。


2000年5月23日(火曜日)
 なんか朝から晩までスキャナが動いていた一日って感じ。それでもまだやっと半分くらいって辺りに、仕事の効率の悪さが見え隠れする。単に量が多いという説もあるが。
 最初はモノクロ2値で取り込んでいたのだが、閾値の設定ができないため、思ったような結果が出ないことが分かり、グレースケールで取り込んで加工という手続きになったため、余計時間がかかっているのだ。

 今週のプロジェクトX海洋科学技術センターしんかい6500であった。
 三菱重工のテストパイロットだった山内満喜男さんが「夢は捨てるな。“そんなの夢物語だよ”って言われそうなことでも捨てないこと」と言っていたのが、心に染みた。
 夢は見るものじゃない、と私は信じている。夢は叶えるものだ
 高校時代、この言葉を教えてくれた本が、長らく絶版になっていたのだが、来月、再版される。その名を『星虫』という。


2000年5月24日(水曜日)
 ああ、資料整理って苦手。
 もともと、有り余る記憶力にモノを言わせて、全部頭に詰め込むタイプであるため、それを他人に開陳するためとはいえ、集めた資料を整理するのが不得手なのだ。でも仕事だから。
 ふう。©ny

 時間は少ない。頑張らねば。


2000年5月25日(木曜日)
 鹿児島で、スーパーの惣菜店に勤めていた少年が、注意されたのに逆上して店長を刺し殺すという事件があった。
 ……これだけの文章を書くのに、隨分疲労を感じる。
 言いたいことは一杯あるのに、言葉にならないものの方が大きい。これら少年犯罪を社会の問題とみなすのは簡単だが、僕にはやはり個人の問題の集合体にしか思えない。社会に対して対処法を施すのではなく、個個人を見据えて対処を考えないと、何か間違いをしでかすような気がする。。

 毎日毎日資料の整理と検討。
 苦行だ。
 なるほど、多言語の世界に限らず、先駆者がきちんとした資料を残さないわけだ。そんな時間があったら、新しい知見を求めていた方がよほど建設的だと思うもの(爆)。


2000年5月26日(金曜日)
 私はやっぱり前進するのが好きで、後ろを振り返るのが苦手なんだな、とレポート書きながら思うのであった。一日かかっても殆ど進行してないじゃないか。

 森首相の釋明会見を見ていて思ったこと。
 この人、実は結構一本気な人間なのではなかろうか。
 もし釋明会見で発言を取り消していたりしたら、それこそ興ざめだ、と私は思う。政治家の責任の取り方として、謝罪はしても取り消しはしないというのは、好ましいと思う。へらへら笑いながら前言を翻すよりは、よっぽど良い。
 しかしこれは森さんが総理としての相応しいかというのとは違う。一本気で、自分の発言姿勢を堅持し、臆するところがないことは確かに政治家の姿勢として得難い資質であろうが、中身が中身であるからな。
 すでにあの発言があった時点で、撤回も弁解も無用だったと私などは思うのだが、いかがなものだろうか?


2000年5月27日(土曜日)
 BTRON Clubの日。
 少し早めに東京へ出て、秋葉原に寄る。ATAPI仕様の640MB MOを3万ちょっとで購入する。富士通製、MCC3064AP。家に帰ってから繫いでみたのだが、最初超漢字から認識しなかった。
 そこでふと思い付いて、セカンダリ・スレイブからセカンダリ・マスタにしてみたら、見事動作する。もしかしたら、スレイブでの認識に問題があるのかも知れず。(但し、セカンダリ・マスタがCD-ROMだったことに起因する問題かも……)
 とりあえず、tottoさんがMCB3064APで動作確認をしているので、これで今のところ、富士通製ATAPI MOは大丈夫みたいだ、と言えるのかな?

 BTRON Clubでの発表は……「TRONコードとユニコード」などというお題だった。まあ、要するに両者の設計思想の違いなどを説明し、現場の超漢字のことに思いを巡らせてもらおうという趣旨だったわけだ。
 メタ文字コードというシロモノがいかに破綻しているか、という言い方でも良いが。
 これについては坂村先生が何かアクションを起こしてくれることであろう。

 この前回のBTRON Clubで坂村先生が叫んでいたとおり、TRONWARE vol.63では「CRAZY TRON」が実現しわけだが、その元ネタたる「Crazy English」を標榜する人物が、月曜日のNHKニュース10で紹介されるそうだ。BTRON Clubの例会に参加できずに、「Crazy」というキーワードに引っ掛かっていた人は、一見あれ。

 まだ陽も暮れぬ裡に呑み会が始まった関係で、九時くらいには二次会まで終わってしまっていたわけだが、今日はとかく疲労している人が多いこともあって、徹夜カラオケがパスされたのであった。


2000年5月28日(日曜日)
 未明。FTRONの月例チャットを終えた後、午前5時頃までATAPI MOをDOSから認識させる作業に費やす。MOの認識自体は大したことなかったのだが、ATAPI CDドライバがMOまで認識してくれるため、これを止める方法を搜して右往左往していたというのが正しい(笑)。ドライバにスイッチを説明したドキュメントが附属してないため、試行錯誤するハメになった。馬鹿みたい。

 寢て起きて、昨日買い忘れたモノを買いに秋葉原へ。ついでにそのまま杉勇ファンクラブOFFへ。中野駅からnyちゃんに電話をかけて場所を訊いたら、目印に教えてくれたコンビニが違っていたため、迷う。
 之吟ではFTRON SysOpの王様夫妻、茨木さん逆転写RNAさん金田さんが待ち受けていた。
 しばし店長との歓談の後、要町駅近くの寿司屋・宣で飲み食い。22時を回ったところで、お先に失礼させて頂きました。

 さ。寢よ。


2000年5月29日(月曜日)
 フィジーがきな臭い。
 今月半ばに、先住民系武裝組織が議会を占拠、首相をはじめとする閣僚・議員を人質に取った。これに対して先住民の首長大評議会とやらが、武裝組織の権限奪取を認めたあたりから話がおかしくなり、昨日とうとう放送局が襲われた。これを受けて本日軍が蜂起、国軍司令官が戒厳令を敷くことを宣言した。
 一。正当な選挙で選ばれた議会・行政府を、言論ではなく武力で制圧しようとしたことは、民主主義に悖る。
 二。不当な方法での政権転覆を是認した首長大評議会の判斷。
 三。さらにその武裝勢力を排除するために軍が戒厳令を発動する。
 過誤の三段重ね。だがしかし、状況がこうなると、どこかで誰かが泥を被らないと正常化への道筋さえ付けられない。軍の挙兵が、これであることを今は祈るばかり。

 ペルーの大統領選挙も大変らしい。フジモリ大統領とトレド氏の決選投票になったはいいが、トレド氏の方は公正な選挙が行われる状況ではないとして選挙をボイコット。外国から来ている監視団も匙を投げた状況でフジモリ大統領への信任投票と言う形で選挙は肅々と進行し、なんとかフジモリ大統領は過半の得票を得そうだという話。
 他国のことでもあるし、私は状況を状況を確かめうる立場でもない。しかし、個人的には、フジモリ大統領は三期目を目指すべきではなかったと思う。

 報告書を作っている間に思ったこと。
 基本文書エディタなどの読み込み動作は、改善の余地があると思った。特に開いた仮身が十数個も入った文書を開くと、読み込みと表示に時間がかかってしょうがないや。


2000年5月30日(火曜日)
 ううっ。報告書かんせー。疲れた。

 何が疲れたかって、そりゃあんた、完成を目の前にして超漢字が起動しなくなったんだから。
 原因は、MOドライブ。MOドライブ接続後に時折、B-right/V R2、と表示される画面で起動が停止することが見られたのだが、今日の夕刻になって、何回やってもそこで止まって、先に進まなくなったのだ。
 いろいろやってみたが、MOを外す以外の方法では復旧せず、PMCへ報告することとなった。
 そういうわけですので、MCC3064APについては、要注意です。

 今週のProject X。1986年の大島・三原山噴火時の、島民全員の避難作戦。
 各組織の見事なまでの連係と自己犠牲。当事者全員が危機意識を持って、一丸となったときの素晴らしき強さ。特に、天才不要であったところが。

 新宿の京王百貨店の屋上から飛び降り自殺……までは良かったのだが(良くないって)、下を歩いていた無関係な歩行者に激突。歩行者が重傷を負ってしまったそうな。
 死んでしまった当人はきちんと死ねたからそれで良かったのかも知れないが、巻き込まれた方はたまったもんじゃない。お願いだから、自殺に際して、他人を巻き込むのだけはやめてくれ。

 書き忘れていたわけではないのだが、数日前、自称超能力師に、死んだ息子の皮を剥いだら生き返ると言われて、鋏で死体を切り刻んだ両親が逮捕された。もちろん、その自称超能力師も逮捕されている。
 愚かしい事件だ。
 思い起こせばあんなことこんなことがあったなぁ。
 同根の問題であるような気がする。

 つくば市内で発砲事件。迷惑駐車を注意したら、銃で撃たれたそうな。幸い、輕傷で済んだようだが……。おちおち道も歩いてられねぇやな。

 故郷、魚津で蜃気楼が見えたそうな。土地に住んでいる人間でもなかなか見る機会のないものだが、今年は特に回数が少ないらしい。


2000年5月31日(水曜日)
 高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する法律が今日可決成立したそうな。
 人間は後先考えないことが多いものだが、核に関する事柄は、その最たるものだろう。人類史がまだ三千年とか四千年とか言っている段階で、保管期限が数万年単位の廃棄物を出すなどということを平然と実行するのだから恐れ入る。
 この先見性のなさこそが、人類技術の発展を推し進めてきたわけでもあるので、こと近現代の歴史学というものは、あたかも失敗学の様相を呈することとなるのである。

 一週間ほど、調べものの最前線から遠ざかっていたため、自分が一体最後に何をどうやって調べていたのか忘れてしまい、一日かかって思い出すような羽目に。
 人間の脳味噌って、あんまりよくできてないよなぁ。