哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2006年10月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2006年10月1日(日曜日)
 米澤嘉博コミケット元代表逝去の
 享年53歳。
 若すぎる。まだあと20年はコミケットを引っ張って貰いたかった。
 故人の偉大さに只只瞑黙するばかりです。

 コミケットに、初めてサークルとして参加したのは、1994年の夏でした。直近は、この夏コミ。もう10年以上、断続的に参加し続けていることになります。
 小説サークルなんてものはコミケットの中ではマイノリティもいいところで、A館や新館もとい東館の混雑を尻目に、夏でも閑散としたコミケットを毎年堪能しておりました。
 コミケットが利潤追求の場であれば、私たちの棲む場所など残りはしなかったでしょう。コミケットがここまで巨大化しつつも存続し得たのは、人気のあるものも人気のないものも、等しく表現として取り扱い、それでいて参加者たちが不満を募らせない程度の分配を行い続けた、運営陣のバランス感覚の賜物であり、また米澤代表の手腕であったと思います。
 また、この15年、コミケットは常に開催の危機に直面し続けて来ました。古くは幕張メッセからの追放劇であり、その後は晴海から会場構造が複雑で導線の取り難い有明への移転、三日間開催化に伴う諸々、放火、脅迫、テロへの懸念、増加し続ける参加者、低年齢参加者の増加、企業ブース、地域周辺との軋轢、数え上げれば切りがありません。また、表現規制の強化にまつわる諸問題は、今なお私たちにとっては重大な懸念としてのしかかっています。
 この荒波の中をコミケット丸がなんとか無事に航海を続けてこれたこともまた、米澤元代表以下、多くのスタッフ、参加者の力によるところであり、とりわけ、進路を示し松明を掲げ続けた米澤代表の功績を大とするところです。
 私たちは大切な羅針盤を失いました。しかしそれでも前に進まねばなりません。
 せめてこの航海の先に、健やかな未来がありますように。


2006年10月2日(月曜日)
 以前、米国のコールセンターをインドに作って人件費を廉く上げるとかいう話があったけど、日本向のコールセンターをオーストラリアに作るとかいう話があって、なんだかもうね、なんていうかさ……。この経営陣って、一体何考えてるんだろう? オーストラリアにコールセンターを作って日本人を雇うって、まともな人間の発想じゃないぜ。
 もしこれが実現可能だと思っているんだとしたら、余程経営者は能天気なんだろうなぁ。

2006年10月3日(火曜日)
 韓国の潘基文外交通商部長が次期国連事務総長に当確とかいう報が。
 過去経緯から、私は潘基文氏は「優秀な外交官」ではないかと思っています。つまり、言っていることと考えていることとやっていることをきちんと分離して必要に応じて二枚舌でも三枚舌でも使い分けられる大嘘つきなんじゃないかと。
 言うまでもなく、旧来そういう資質が、外交官には必要とされてきました。
 従って私としては、外交官が喋っていることなんぞ国益最優先で本人の考えとは全く関係ないと考えていて、麻生外相のような正直者は外交官に向かないと、思っておりました。

 最近少し考えを改めたけど。

 しかしまあ、事務総長内定の報に「我が国の国益拡大」なんて言っちゃうようじゃ、底が知れるけどな。
 国連事務総長が出身国の国益を優先させたらいかんだろうに。

 そも、国連事務総長には大国出身者は就けない、ということを考えれば、今回の内定は「韓国は大国ではない」ことの証明でしかない。要するに、韓国は国際パワーバランスに影響を与えない国である、と安保理理事国各国が認めたわけだから、常識的に考えれば悲しむべきことじゃないのかね。

 ただ、日本としては潘基文氏の事務総長就任を喜ぶべきだと思います。
 タフな外交官が、問題を抱える隣国の外交の表舞台から身を引いてくれるというのだから、喜ぶ他はない。

 ところで北の方が「核実験するぞ」とか言い出したそうな。
 このタイミングでこの発言ということは、潘基文の事務総長就任阻止という狙いがあるのかも知れないが、その程度の目的のために核カードを使うのは理解できん。使ったら最後、自滅必至のカードを、なんでそんな馬鹿気たことに使おうとするのか……。
 ブラフにしてもお粗末すぎる。


2006年10月4日(水曜日)
 間接的な情報から考えるに、北はマジでやるんだろうな。

2006年10月5日(木曜日)
 ノートパソコンの次は電動車椅子に電動スクーター、と。Sony EDじゃないらしいけど(日立ビークルエナジーだとか)。
 大容量バッテリーの危険性が、ようやく浸透してきたようで。

 「優秀な外交官」による外交努力は事態を解決するのか? 勿論そういう例もあるだろうが、最悪としか言い様がない結果を招いたこともある。
 第一次大戦の真っ只中、1917年、イギリス外相のA.J.バルフォアはL.W.ロスチャイルド卿にパレスチナにおけるユダヤ人国家建国を認める書簡を送る。俗に言うバルフォア宣言である。
 しかしこれは大戦初期の1915年にアラブ人のオスマントルコからの独立を約束したフサイン・マクマホン協定と矛盾するものだった。ちなみにこのフサイン・マクマホン協定に基づくアラブ独立運動を支援したのがアラビアのロレンスことT.E.ロレンスということになる。
 片方でアラブ人の独立を使嗾しておきながら、反対の手でユダヤ人にパレスチナを与える約束をする。全く素晴らしい外交手腕だ。
 余談だがこのときの英国は印度に対しても独立を餌に参戦を促しており、マハトマ・ガンジーはその約束を信じて参戦運動をやってたりする。(戦後裏切られて運動方針を転換するのはよく知られている通り)
 さて、話がこの二つで終わればよかったのだが、なんと実はもう一つオスマントルコを巡る密約があった。サイクス・ピコ協定がそれで、1916年、英仏露三箇国の間で結ばれたオスマントルコの分割協定。当時北アフリカやアラビア半島にまで広がる広大な版図を持っていたオスマントルコを勝った暁にはどのように分割しようか、という、取らぬ狸もいいところの話ではあるが、最終的にはこの協定が生きることになる。(もっとも、ロシアは途中で革命が起きてしまい、結果的に英仏希でオスマントルコを分割することになるのだが)
 結果として、アラブ人独立もユダヤ国家建国も(ついでに印度独立も)実現しなかった。戦勝後、イギリスが次々と口約束を反故にしていく様は、いっそ清清しいまでだ。「騙される奴が悪いんだよ」という声が史書の向こうから聞こえてくるような気がする。
 しかし結果としてアラビア半島/アフリカ大陸北部は適当に引かれた国境線が乱立することになり、現在に至る民族紛争の火種が撒き散らされることになった。いくら世界大戦に勝つためとはいえ、碌でもないことをしてくれたもんだと思わずにはいられない。

 声かけ条例で一躍犯罪多発地帯となった感のある奈良で、昨年7月に道を歩いていた母を脅迫したとして逮捕された近大助教授が、一審で無罪になったそうな。
 当時の新聞記事によればこの助教授、酒を飲んでいたとか。
 まあ、なんていうか、疑心暗鬼の生んだ悲しい出来事って所でしょうか。普通なら「ヨッパライに絡まれた」で済む話だったでしょうに。
 そういえば昨日バスの中でヨッパライが他の乗客と喧嘩を始めた場面に出くわしてしまい、行きがかり上引き離しに割って入ったわけですが、奈良の例にならえばすぐさま110番通報して逮捕して貰うことになりますね。そのうちその場で民主的な即決裁判を行って縛り首を行うような世の中になったりして。

 何が悪いかって、そりゃ、疑心暗鬼は社会の発達を阻碍する大きな要素だからです。
 社会が発展していくためには、社会の発展が個人の幸福に還元されると信じられることが必要であり、その幻想を共有することによって、個人の力を社会のために使わせることが可能となり、結果として社会の発展を導くことが可能となります。為政者の仕事は、言ってみればこの共同幻想をいかに大きく、かつ確固とするかであって、そのためにあらゆる制度は組み立てられていくというわけですな。疑心暗鬼が蔓延すれば、個々人は社会の利益よりも個々人の利益を優先するようになり、結果として社会が荒廃します。
 牽強付会気味に諺解すれば、警官が職務質問に善意で応じてくれた人の荷物から工具やアーミーナイフを見つけてこれを逮捕立件するようなことを続ければ、当然人は職務質問に応じようとしなくなり、結果として治安の維持に支障を来すようになります。
 こういう悪循環を起こさないようにするのが、為政者の仕事というわけですな。
 私にはとてもできませんが。


2006年10月6日(金曜日)
 最近考え方を改める必要を感じる分野がいくつかあったのだが、宇宙開発についても多少考えを改めた。
 日本は、商業ロケット射ち上げ市場から潔く撤退し、より高度で困難で実現可能性の低く実験的な要素が強いプロジェクトを立ち上げるべきなんじゃないか、と思うようになった。
 ぶっちゃけ、商業射ち上げを考えたら、ICBMを転用できる連中とは勝負にならん。だって連中元手ゼロみたいなもんだもんね。しかもケロシン燃料で固体ブースターなしで飛んでく。液体酸素・液体水素+固体ロケットのH-IIAじゃコストパフォーマンス的に太刀打ち不能。
 液酸・液水の技術は比推力を大きくできる代わりにどうしても推力が小さくなる。代わりに噴射速度が速いので、最終到達速度が稼げるわけだ。つまり、本来であれば上段用向きのエンジンであって、下段は液酸・ケロシンの方が単純に推力があるので有利の筈。H-IIAだって、結局のところリフトオフから重力損失が小さくなるまでは事実上固体ロケットブースタの力で上昇している。
 技術的には固体→ケロシン→水素の順番で使った方が良いのだが、そんな構成にしたところで、ロシアや中国のICBM転用ロケットとは価格では勝負にならない。
 じゃあどうすんだと言われれば、価格勝負ができないなら性能勝負をするしかない。
 いっそ多段ロケットをすっぱり諦めて、単段有翼往還機にシフトする方が、ハイリスクだけどハイリターンなんじゃないか、と思うようになった。その代わり、スペースシャトルのような妥協は不可で、本当に単段でなければならないが。
 本当にその選択が良いのかどうかは、不明。

 状況いよいよ緊迫してきている北朝鮮情勢ですが、「北朝鮮ミサイル「当たれば良い」 京大名誉教授が発言とかいう、隨分と扇動的な見出しが。
 記事を良く読めばわかるのですが、槍玉に上げられている安藤仁介氏は、「もしもの時の備えをした方が良い」と主張していて、その必要がないと主張する人たちを揶揄して言ったわけです。大人気ないところはありますが、それほど問題のある発言とも思えません。寧ろ無防備マンのようにジュネーヴ条約を意図的に曲解して流言蜚語を垂れ流す連中がいることを考えれば、国際法の専門家である氏が口汚なくなるのには同情しないでもないところです。
 このご時世に「備えは必要がない」というのは、些かならず常軌を逸していると私には感じられます。
 もちろん、今月2日に米ペンシルバニア州で起きた学校銃撃事件の被害者となったアーミッシュ教徒のように、犯人に対しても赦しを表明するような、信仰の持ち主であるというならば分かりますが、一方で信仰ならば自分の信仰を他人に押し付けないでくれと言いたい。
 それでも、「I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it」なのですがね。
 正直、真実アーミッシュのような人達ならば、守る甲斐もあるというものなのですが。

 ところで、北朝鮮が核実験を行った場合、日本が核保有に走る、という可能性が(主に外国から)指摘されています。
 私個人としては日本が核保有というのは何かの冗談かと思いますが、結構深刻に危険視している国もあるようです。まあ、その能力がないとは言わないわけですが、国論が纏まるとは思えませんけどねぇ。
 ちなみに私は日本の核保有に反対。
 日本がこれまで築いてきた外交的成果をオシャカにしかねない点で費用対効果が悪すぎます。それに、どこかの国が核を持っているからといって、核を持って対抗すればそれが抑止できるってわけじゃないですしね。


2006年10月7日(土曜日)
 豪洲で「アジア系スーパーで購入した白い粉 調理に使用し5人が重体とかいう事件があったらしい。
 もうどこに突っ込んでいいのか分からないわけだが、やはり世間様的には「硝酸ナトリウムなんかスーパーで売るんぢゃねー!」ってところでしょうか。中学生並みの化学知識があれば、すぐに爆薬が作れますね♪
 思い出すなぁ、中学生の日々。山のように黒色火薬を作って遊んだあの遠い日。
 しかし中国では硝酸ナトリウム100%が“歯のケミカル美白パウダー”として売られているんですねぇ。あな恐ろしや。

 最近ちらほら見掛けていた学力と経済力の関係について、お茶の水女子大学耳塚寛明教授が首都圏についての調査をまとめたとNHKが報じていました。総じて、年收が高い家庭の子供の方が学力が高い、という結果だったそうです。
 これは由々しき調査結果だと思います。すぐさま文部科学省は追加の調査を全国規模で行い、対策を考えるべきだと思います。経済力が子供の学力に影響を及ぼすことが常態になれば、教育の機会均衡が崩壊し、所得格差が固定化され、事実上の階級社会化が進行していく可能性があります。
 社会の発展のためにも、そのような芽は摘まれねばなりません。

 かねてよりロケット部門の売却を表明していたロッキード・マーチンですが、ボーイングに買收されることに決まったようです。これでアメリカで液体ロケットを作る企業は一つだけになってしまいましたな。
 米国ですらこの状況ですからねぇ。商業射ち上げからの撤退は、時間の問題じゃないかという気もするのですよ>JAXA

 NHKの@human米澤元代表が採り上げられていた。本日は氏の告別式が麻布であったはずだ。友人にも駆けつけた人が何人もいたが、私は通夜にも葬儀にも行かないことにした。一つには、恐らく何万人という人間が集まり、混対が必要になるであろうこと。また一つには、米澤さんへの想いを表すのに、僕は葬儀ではなく、次の冬コミを選びたかったから。
 最高の供養は、本を作り、配り、そしてコミケを続けていくことだと思った。


2006年10月8日(日曜日)
 『リアル人体型ロボット「アクトロイド」がスラリ足自慢&小顔に』ですか……。この手のアンドロイドって日本では歴史が古くて、遡れば學天則…(おい)。
 顏はデザイナの作品らしいですが、ボディの方が実物モデルの採寸ということで、なんとなくイマイチ感がありますね。Level-Dの作者さん辺りに造形面で協力を要請してはいかがなもんでしょうか。

 揉めてた割にはあっさりと相互訪問再開が決まっちゃった日中首脳会談。北朝鮮という懸案があったので、歴史問題も華麗にスルー。結局のところ、日本の粘り勝ちって感じかな。中国側が仕掛けた化粧品問題は、逆に向こうが火達磨になっちゃったし。
 日本の得点というより、敵失って感じなのが、今一つ喜べませんが。


2006年10月9日(月曜日)
 やりました総統!(違)
 というわけで、北朝鮮が核実験をやったと公言しとります。たしかにそれらしき地震波は観測されているのですが……規模が小さすぎ。既にあちこちで指摘されていることなんですが、自然の地震でないことは波形からわかるのですが、そのエネルギー量は最大値の推定ですら通常の核実験を大きく下回っています。無論、それが想定通りの結果である可能性もありますが、現状では、要するに、失敗だったんじゃないかと思われます。プルトニウム核爆弾の起爆装置である爆縮レンズが上手く作動しなかったんでしょうかねぇ。フォン・ノイマンは偉大だ(謎)。
 しかし……だとすると、臨界を迎えなかった大部分のプルトニウムが爆薬の力で爆散したってことなので、それはそれで問題なんですよね、環境汚染が。あ、でもプルトニウムは飮んでも平気(by プルト君だから(違)。
 ともあれ、詳しい分析は経験豊富な米露両国に讓るしかないので、日本としては分析結果を待ちながら、次の一手を考えることになりますかね。

 ところで今日日韓首脳会談があったんですが、会談後の盧武鉉大統領の記者会見の大部分は歴史問題と靖国問題に占められ、NHKのみならず、CNNまで会見の中継を途中で打ち切られるという、未曾有の怪挙を成し遂げたとか。すごいですね(棒読み)。
 特に感想はありませんが……そうですね、韓国の人は大変ですね。


2006年10月10日(火曜日)
 世界的にはやはり、日本の核開発が懸念材料のようですな。cnnなんかでもしつこいほど日本の核開発能力に言及してます。
 日本人としては、たとえもう一度核をぶち込まれても核兵器を開発するかどうか怪しいところだと思うのですが、そんな国内事情なんか世界的には理解の果てですからね。客観的になると、現在日本が置かれている状況というのは、核武装を検討するに値する状況であると、一般的には考えられている、と言えるわけですかな。
 となれば、それは外交カードとして使えますな。
 F-22を良い条件で手に入れられるかもね。

 それにしても韓国の盧武鉉大統領凄いですね。日韓共同声明での対北非難声明を歴史問題を盾にしてお流しですか。
 明日も知れぬ国が60年以上前の問題を持ち出すという辺りに、先行きの不透明感を濃厚に映し出しています。
 有り体に言って、外交になってません。

 そういえば、もし戦争と言うことになったときに、日本国内にいる敵国民の扱いはどうなるんだろうか?
 多分ジュネーヴ第四条約(正式名称:戦時における文民の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約)が該当するんじゃないかと思うんだけど、今一つ能く分からん。住居指定と抑留が可能であるように読めるわけだが……。
 実際に戦争ということになったら、双方の安全のために敵国民は隔離せんとマズいわけで、特に北朝鮮籍の方々が多く居住している関西地方は日本でも有数の犯罪多発地域であるだけに、速やかな保護が必要になる面もあるだろう。
 今から関係各所は計画くらいは作っておいてもいいんじゃないかと思う。


2006年10月11日(水曜日)
 昨日マウスを新調したら、あちこちおかしくなってもう大変。
 ……なんでマウス替えたくらいでこんなにトラブらんとあかんねん?

  某尾鷲市尾鷲総合病院で巻き起こった産科医辞職騒動ですが(過去日記1,2,3、その後も産科医が見つからず、辞める筈だった医師をずるずると10月15日までの約束で契約していたそうですが、本日めでたく(?)後任が見つかったと報じられました。津市で開業していた産婦人科医だそうですが、二人体制は組めず、単に給料が下がっただけになってしまったような。
 いいのかね、これで……?
 なんかもう一波乱くらいありそうな気配。

 別件で情報を捜索していたら、以前採り上げた「著作権の最適保護水準」についての続報があった。
 もっときちっとしたペーパー読みたいなーとか思いながら、これだけでも充分興味深い。


2006年10月12日(木曜日)
 なんかミサイル防衛を前倒しにするとかなんとか気炎を吐いておられる方々がおられるようで……。
 過去にも触れているんですが、費用がかかるわりには效果が薄い…つまり、費用対效果が悪すぎやしませんかね、と。
 遠い将来はともかく、現段階では条件が揃ってなんとか撃ち落とせるという話ですから、攻める側は簡単に飽和攻撃で突破できます。寧ろ、飽和攻撃で突破しようと考えるでしょう。少なくとも私が日本を攻める側であれば、ミサイル防衛網を飽和攻撃で突破できるだけの数を揃えようとするでしょう。そしてそっちの方が安上がりなのは言うまでもありません。
 結果的に破滅的な軍拡競争を招くような気がしてならないのですよ。

 「三菱自動車、「i」をベースとした電気自動車の試作車を公開」という記事を見て、ほお、と
 当初から電気自動車化の計画はあったと言うことですが、パッケージングを考えると実に興味深い。
 個人的には、事故った時の対策なんかも今の裡に実験しておいて欲しいなぁ。炎上してても、リチウム系の電池だと水かけたらマズいだろうしね。


2006年10月13日(金曜日)
 「警察の職質追跡で女子中学生がPTSDとな。
 PTSDになっちゃうってのは行き過ぎにしても、人気のない夜の田んぼ道で私服の男性から声をかけられて車で追い回されるってのは、トラウマくらいはできそうな体験ですな。
 以前も書いたんですが、警察と一般市民との間の信頼関係が崩壊していることを真剣に危惧すべきじゃないんですかね。ミランダ警告じゃないけど、職務質問を行う時の手順を明確化して、それを逸脱した場合は違法になる、くらいのことはせんといけなくなってきてるんですよ。
 本当は日本でもミランダ警告はやらないとマズいと思うんだけどね。
 その結果、弁護士が同席しないと取り調べそのものが行えなくなっても、このまま事態が進行すれば、やむを得ないと考えられるようになるでしょうよ。
 そもそも、非番の警官が職務質問を行うのは適法じゃないような気がするけど。

 逆に、市民の側に問題があるのが「「タクシー代わり」の119やめて 策練る国・自治体の話題。
 数年前から問題になっているんだけど、救急車が必要ない患者までもが気軽に救急車を呼びつけるために、本当に必要な人のところに救急車が回らないという問題。
 本来は税金で運用しているので全くタダではないのですが、利用者側にコスト意識がなくなってしまい、この有り様。いや寧ろ「税金払ってんだから使ってもいいだろう」と考えているのか。
 有料化が検討されていると言うことですが、個人的には反対です。支払能力のない人から利用しなくなるのは目に見えているので、結果的により悪い状態をつくると思います。
 記事中に触れられているように、トリアージを行うのが適切だと思うのですが、果たして、電話口で適切なトリアージが可能かどうか、それが難しいところです。
 このネタは多分Genesisさん辺りが詳しく採り上げてくれるでしょう(と言って丸投げ)。


2006年10月14日(土曜日)
 昨日救急車の話題を書いてたわけですが、カリーさんは痛みを堪えて救急車を呼ばなかった結果、気胸で入院と相成ったそうな。
 適切なトリアージこそあらまほしけれ。

 二度ほど採り上げた(1,2)猫クローン会社ですが、廃業に至った由
 考えられていたより、猫クローンの需要は小さかったと言うことのようです。
 ちょっと勿体ない話だけどね。

 酒井さんによる「韓国から見た日韓・日朝関係」のレポートが実に興味深い。趙泰永在日韓国大使館参事官がどの程手腕のある外交官なのかはわからないが、南北問題に、南が主導権を握る形で日本を巻き込みたいと考えているように見えた。韓国と日本は戦略パートナーになることができるだろうが、日本から見た時、韓国を戦略パートナーとする利点が薄いことに触れていないのが、外交官らしい。現状、日韓の連携は韓国にのみ益があるというのが実態で、日本としては譲歩してまで韓国と足並みを揃える必要性を感じない。日韓首脳会談の共同声明がポシャったのも、結局その辺の力関係の問題じゃないかと思うのだが。
 講演者が外交官である以上、国の弱みを見せることはないと思われ、日本人の心証を良くすることが目的の一つだった筈なので、その上で酒井さんのメモのような内容であったとすれば、今後の韓国外交にはやはり余り期待できないと思われる。

 で、その本国では「「潘国連事務総長誕生」で韓国外交に空白」と。今日の国連総会で潘基文氏が正式に次期事務総長に選出されたわけですが、外相の交替時期を見誤ってしまった模様。
 どたばたしてるなぁ。


2006年10月15日(日曜日)
 犠打世界一の記録保持者、川相選手が引退。
 長い間お疲れ様でした。藤田巨人で見せてくれた、あの二番バッターのスタイルは、今でも僕の記憶の中で輝いています。
 ついでにドラゴンズリーグ制覇おめでとう。

 先日の件について識者からの回答が。
 「救急隊が出動してから到着、収容して搬送を終え、次の業務に移れるまでの時間(仮に総出動時間とでも呼びましょうか)の削減をやった方がいいのではないか」という提案はなるほどです。救急搬送に於いて問題になるのは受け容れ先の決定に時間がかかることであることは以前から指摘のある所ですしね。
 しかしこの問題を突き詰めていくと、現在の所謂「医者不足」問題に聚斂していってしまうんじゃないだろうか。
 最近TVでも特集が組まれていたりしますが、伊関友伸氏のblogなど読んでいると、ここまで事態が悪化する前に手が打てなかったのかと思うところが多々ありますね。
 いやしかし、厚生労働省ってのは本当に過去ン十年なにやってきたんだろう?

 国連安保理対北決議は出たわけですが、武力行使は除外された模様。
 日本では周辺事態認定をして自衛隊を全面に出した臨検などを検討していると伝えられますが……。日米と中露の意見の相違が深刻ですねぇ。日本は明に、米国は暗に、北の体制崩壊を狙っています。しかし中露両国は現状維持を求めている。(韓国の意志は無視されている)
 陸上で国境を接しているか否かが大きな違いになっているのでしょう。そりゃ体制崩壊、国内紊乱、難民流入ってのは考えたくない筋書きですよね。
 かといって、中朝国境での国境貿易を封鎖できないと、経済制裁の效果が薄いわけでして、何とかして国境貿易を止めないと日本の目的が達せられません。韓国の開城団地と金剛山観光も止めないといけないのですが、どうも韓国はこの二つの事業を継続する気らしいのが何だかな。
 暫くはじりじりとした鬪いが続きそうです。


2006年10月16日(月曜日)
 職場で「私はアナログ文系人間です」と言っても信じてもらえないのはいかがなものか。

 朝鮮日報に「【野球】原監督に聞く「李と松井、どっちが上?」」とかいう記事があって、何考えてんのかなぁと。
 ンなもん、比べるまでもなかろうに。
 私は李承燁を一流の野球選手であると考えてはいますが、四番を任せるべき打者だったとは考えていません
 特に四球が少ないのがねぇ。本塁打は確かに多いのですが、その割には打点が伸びておらず、得点圏打率が悪い。ついでに得点も少ない。トータルバランスで松井に遠く及ばないというのが、本音です。
 通常の打率と得点圏打率が変わらないってのは、クリーンナップとしては致命傷で、ランナーを溜めて打席を迎えても怖くないバッターだってことなんですからして……。
 やはりベストは三塁小久保・一塁阿部慎之助だったんじゃないかなー。
 果てさて、今offの補強は上手く良くでしょうか……。期待薄だけど……。


2006年10月17日(火曜日)
 亡霊が夜行しているという話を、PDF 千夜一夜読んだ
 何も今の時代に灰色な東風明朝に手を出さなくても良かろうにと思わんでもないわけだが、Googleのことだから何か勝算とか思惑とかあるのかも知れん、と思ってしまうのは深読みのし過ぎか穿ち過ぎか?
 <本音>Googleだったらフォントベンダごと買收できるだろうに……。</本音>

 「【社説】「味方失う」統計の偽造に、もっと危機感を」という社説なんですが、中国の統計値の信用度は卜占にも匹敵すると有名で、輸出入統計が相手国との間で数字が食い違うとか、翌月になると前月の数値が違っているとか、前年の統計が翌年の1月早々には出ちまうとか、きっと中国4000年の歴史が作用していると思われる現象が日常的に発生している神秘の国なのですな。
 可能性としては、一部中枢の連中だけは正しい数値を知っていて煙幕とばかりに虚実折り混ぜた数字を垂れ流しているのか、あるいは中枢を含めて誰一人正しい数値を把握していないのか。
 前者であることを祈らずにはいられません。

 救急搬送の受入先確保なんて話題を俎上に乗せている時に、「奈良の妊婦が死亡 18病院が転送拒否なんて記事が舞い込んで来る。
 もしかして「受け容れを拒否した18病院の名前を全て公表しろ」とかいう意見が踊ったり、週刊誌で暴き立てられたりするんだろうか。
 陣痛促進剤を使ってコントロールされる現在の出産が……とかいう意見も出るような気もするが、論評できるほどの知識も意見もないので、ここまでにしとく。


2006年10月18日(水曜日)
 昨日の一件は元となった町立大淀病院に業務上過失致死の疑いで捜査の手が入ることになってしまったそうな。
 受け容れなかった病院は今頃胸を撫で下ろしてるんと違うかな。
 それでいいのかと、問わなきゃいけないんだけどな。
 やっぱり医療事故審判庁が必要かね

 一応今は亡き図情大出身者(卒業はしてねぇけど)として「司書07年問題:今後5年で半数定年 都立図書館ピンチになんて記事に興味を持ったりするわけですが、つまりこの記事から分かることは、の人事委員会は無能だったと言うことくらいですか? 職員の年齢構成比なんてそうそう変化するもんじゃないわけだから、数十年先に起こることがほぼ確実に予測できるわけで、それを見越して行動しなかったと言うことであれば無能の誹りを免れることはないと思いますね。
 これは別に都に限った話じゃなくて、2007年問題を抱えている組織の全てに言えることですけども。
 人事部ってのは組織における教育コストの適切な配分を任されている部署の筈なんだけど、蔑ろにされているなぁと思うことしきりです。
 もっとも、渡り鳥な私が何を言っても仕方ないんですけども。

 ニカラグアで先月新しい警視総監にAminta Granera Sacasa女史が就任したと外信で伝えられたのですが、この女性、修道女見習から出奔してサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)という左翼ゲリラに参加していたそうな。一応FSLNは、現在は政党として認められているようで、野党ではあるものの、武力鬪争は行っていないようだ。
 だからなんだといわれても困るわけだが、その姿を見たイトノ氏(ヲタク8段)によれば、元修道女で元ゲリラな眼鏡っ娘はポイントが高いらしい。
 さっぱり訳が分からないが、そうっとしておいてあげないといけないだろうと思った。

 「韓日友情の「百済門」竣工 王仁博士ゆかりの史蹟を再整備」とかいうニュースが目にとまった。
 えーと。王仁って伝説上の人物じゃないかとか、どこから突っ込んでいいのか分からん訳だけど、ともあれ、百済って現在の韓国とは縁も所縁もない国だろ、と。
 百済は古墳時代〜飛鳥時代の日本と友好関係にあった半島の一国家です。当時中国東北部から朝鮮半島にかけて高句麗、百済、新羅と国があって、他に任那があったとかなかったとか言われています。勢力関係は色々あったわけですが、百済は余り強い国ではなかったらしく、高句麗に押され、新羅に押され、最終的には新羅に滅ぼされてしまいます。日本はかなりの助力をしていたのですが、663年に白村江の戦いで大敗北を喫し、以後半島での地歩を失ってしまいます。当時の日本には百済の王太子が人質になっていた上、その他の遺臣も日本へ流れてきて、一大百済系帰化人集団を形成し、後には日本へ溶けこんでいきました。
 余談ですが、外征に敗北し、唐・新羅連合軍の侵略を恐れた天智天皇は、北九州に防塁を築き、防人を配置したりしたというのも有名ですな。
 朝鮮半島はこれにて新羅による統一がなされ、また半島統一の際に唐の助力を仰いだことから、向後一千年以上に渡る中華王朝への臣属の始まりとなったのでした。
 新羅は高麗に滅ぼされ、高麗は朝鮮に滅ぼされ、李氏朝鮮は大韓帝国になって…というその後の流れを考えれば、百済って韓国とは殆ど関係ないんですな、これが。むしろ日本の方が縁が深いくらい。
 まあ、日韓友好は結構なことなんですけどね。


2006年10月19日(木曜日)
 祝・ロケットガール再刊☆
 でも航空宇宙分野では今一つ景気の良いニュースが聞こえてこないんだよねぇ(溜め息)。

 中国が唐家璇国務委員を北朝鮮に送り込んで、金正日委員長と会うことに成功したらしい。
 なんか動きがあるか、それとも決裂するか。
 ある意味楽しみだ。


2006年10月20日(金曜日)
 なんだよ明日BTRON Club例会? なんでまた土曜にまで職場へ行かんとあかんのだ、と思うようになってきている今日この頃。

 追詰められると交渉の余地がある振りをして、必要なら交渉の卓に着き、その上で我が儘振り回して協議を散会させて、責任は向こうにあると言い張って、またアクセルを踏む。
 チキンレースやらせたら世界一なんじゃないか?>金正日
 なお、この手のチキンレースに勝つ方法は簡単で、相手を突き落とせばいいんです。

 纏めようと思っている裡に、あらりあさんとこでリンクが幾つか紹介されたので、盥回すことにする。
 簡単に「医者を増やせば良い」という問題じゃなくて、医者が「やってらんねぇ」とか思い始めていることをどうにかせんとあかんのですよ。勿論ここに至った原因には様々な要因が絡んでいて、患者側の問題だけじゃないと思われるのだけれども。
 座視すれば、崩壊が待っているだけだからね。


2006年10月22日(日曜日)
 暦も長月となりまして、朝晩には寒さを感じるようになってきましたね。
 そんな私は中耳炎だそうです(おい)。
 近所に耳鼻科が少なく、三週間ほど放置してたら結構いい感じに抗生物質を処方される羽目に。

 先日ハワイで起きた大地震で様々な被害がでているわけですが、なんと国立天文台すばる望遠鏡故障してしまったとか。
 故障といっても駆動部の精度の低下ということのようですが、言うまでもなく数万光年といった距離を眺める望遠鏡に於いて精度の低下というのは致命傷でして、自然災害とはいえ、最近航空宇宙分野で立て続いている凶報にまた一報が加わった感じです。

 昨日のBTRON Clubの二次会かどっかで出た話題。
 アメリカで開発されているとか言う次世代射ち上げシステム「Launch Ring」。米軍が金出しているそうな。
 常識的に考えれば、地上でロケットの射ち上げ能力に有意な影響が出るほどの速度を出せばどうなるか、わかりそうなもんだけど。
 一般的には誤解されていることですが、ロケットは上昇することが任務ではなく、軌道速度を出すことが使命です。人工衛星になるために必要な第一宇宙速度は7.9km/s。時速に直すと2万9千キロとかいう数字になります。地球一周に一時間半しかかからない速度ですな。
 こんな速度を地上で出そうものなら、あっという間に大気との摩擦で燃え尽きます。
 だから、ロケットはまず、空気のないところまで上昇する訳です。(そんでもって、徐々に軌道方向にも加速して最終的には軌道速度を得る)
 空気のないところまで上昇する行程はロケットの中でも最も無駄の多い部分なので、これをなんとかしたいという意見は以前からあることはあるのですが、目標地点が高度200kmとか言われると、簡単に持っていく訳にもいかんのですよ。空気抵抗がゼロであったとしても、200km上昇させる時の初速は秒速2kmくらいの速度が必要になるので、そんな速度を地上で出せばどうなるか、考えるまでもない。空気抵抗も然る事ながら、円形加速器の外側へかかる遠心力も凄いことになるだろう。
 この計画は色々と「考えるまでもない」部分が多すぎる気がします。はい。

 そういえば、世界最大級のロケット会社・露エネルギア社が先週新型のソユーズを発表したんですが……有翼になってました(汗)。
 うわあ、どっかで見たような構造だぁ。どっちもポシャったモノだけに、これが失敗するとシャレにならんのですが。
 まあ、ロシアの場合見た目は斬新でも、中身は既存技術の塊なんてことが珍しくないので、無事上がるんじゃないかとは思う訳ですが、なにも有翼にする必要はないのではないかと思うなぁ。ロシアの場合、帰還軌道を制御したいという切実な事情があるのはわかるのですが。


2006年10月23日(月曜日)
 Adobeから徴税強化の通達。
 要するに、アクティベーションのない製品をユーザ環境から駆逐しようというわけだな。独占企業が、こすっからい。
 背景にあるのは、バージョンアップせずに旧版を使い続けるユーザの増加だろうな。実際、印刷所とかで「Illustrator 8で入稿してください」とか平気で言われるし。今の最新版はバージョン12だよ(苦笑)。
 それだけ「魅力ある新機能」が提供できていないわけだ。にも拘らず、平均18箇月でバージョンアップはやってきて、ユーザから租税を徴集しようとする。そりゃユーザも離れるわな。
 もっとも、現在Adobeのアプリは全てアクティベーションシステムになったので、今後は旧版のアクティベーションを止めてしまうなどの方法で無理矢理アップデートさせることが可能になろうかと思われるので、Adobeとしても税の取りっぱぐれがなくて良いと言ったところか。
 もしユーザが喜んでAdobeのやり方に賛同しているだなんて思っているとしたら、あとで酷い目しっぺ返しを喰らうだろうなぁ。

 独占企業の利益は顧客には還元されない、絶対に。

 ドイツから、奇特なニュース。

 あー……。
 ドイツ人ってのはあれか、自分の目よりもカーナビを信じて車運転するわけか?
 もしかしてリアル「ドイツの科学は世界一ぃぃぃぃ!!」ですか!?

2006年10月24日(火曜日)
 北より先に南の方が体制崩壊すんじゃねぇか、このままだと。
 正直、いつクーデターが起きてもおかしくないんじゃない?
 笑えねぇ。

 今週から横浜でEVS 22という電気自動車の国際シンポジウムが開催されていて、色々な新技術が発表されたりしています。
 実用化が近付くのはいいのですけど、事故対策などもそろそろ考えていて欲しいものです。
 ガソリン自動車より危険だといってるのではなくて、ガソリン自動車とは違った危険があるという話ね。


2006年10月25日(水曜日)
 韓国閣僚辞任コンボ。
  • 潘基文外交通商部長官
  • 尹光雄国防部長官
  • 李鍾奭統一部長官
  • 金昇圭国家情報院長
 国連事務総長就任のために離脱する潘基文氏に続くようにして三人が辞意表明。いくら外交安保チーム改編ったって物事には限度ってものがあると思うんだが……。
 とりあえず韓国のことは忘れて事にあたりましょう。その方が健全っぽい。

 そういえばその韓国から、なぜか突然「巡航ミサイルを開発した」とかいう発言が出てるね。
 ただ、「開発中」とか「開発が終わっている」とか「配備されている」とか、射程も500kmから1,500kmまでまちまちなんで、なんだかよく分かんないんだけど。
 素朴に理解するところでは、北が核を持ちだしたから「俺達には巡航ミサイルがあるぜ」と言ってみたというところなんだけど、外交カードに全然なってない辺りが哀れ。
 結局のところ周辺国の軍拡の口実にされるのがオチだと思うんだが。

 ハンガリーでハンガリー暴動50周年記念式典があったらしいんだが、暴動の記念式典だけあって式典もそのまま暴動になってしまったらしく、約70人の負傷者が出ることになったとか。路上に展示してあった当時の戦車がデモ隊に乗っ取られて走り回ったとか、もうなんてコメントしたらいいのか。
 T-34だし。
 凄いなー。第二次大戦時のソ連の主力戦車だよ。まだ動くのか。
 そういえば北朝鮮の主力もT-34だと聞いた憶えが。

 姿も形もないうちから駄目っぽいGXロケット。
 ほら見たことかと。
 こうなるとΜ-Vを廃止にしちゃったのが痛いねぇ。誰が責任取るんだろう。それともISAS系の人達が「こういうこともあろうかと!」密かに立案していた新固体ロケット増強プランとか持ち出すんだろうか(笑)。


2006年10月26日(木曜日)
 高岡市にある県立高岡南高校から始まった偽装履修問題は全国に飛び火してしまいましたな。
 教育現場では余りにも「よくあること」なんで蜥蜴の尻尾切りで終わらせると思っていたもので、ちょっと驚いた。
 個人的には、現場の問題よりも、現場でこのような「創意工夫」を生んでしまうような学習指導要領を定めた前回の中教審のあり方を問うべきだと思う。

 「「日本を普通の国に」 台湾・民進党主席が首相に賛辞ですか。
 そりゃぁ北朝鮮の問題が終われば次は台湾だからな。台湾にとって米国はもとより、日本との関係を重厚にするのは必要欠くべからざるところ。
 逆に中国は日本列島から台湾へ至るラインを切り崩そうと躍起になるだろう。最近沖縄で工作を展開しているみたいだけど。
 沖縄の人達の軍事アレルギーも分からんではないんだけど、自分達が次の最前線にいるという意識がなさそうなのが怖いね。

 練馬で29歳の男が下着姿で刃物を振り回して警官三人を傷害。うち一人は重体だとか。警官は拳銃三発を発砲、うち二発が命中し、男は取り押さえられた、と。
 警視庁は今のところ発砲は適切であったと発表しているようだけど、個人的にはどうかと思う。
 警官が三人受傷し、しかも一名重体というのでは、発砲を含め、警官の対処が不適切であった可能性は高い。男が既に刃物を持って暴れていたという記事が正しいならば、警官としてはまず犯人の武装解除を優先するべきであったし、その時点で発砲し制圧するのが適切であったのではないかと思う。
 やはり、拳銃を使用した効果的な犯人制圧訓練などに不備があるのではないかという疑いが消えない。
 ところで報道では精神が不安定だったということなんだけど、どうも行動を見ていると覚醒剤使用者の典型的行動なんだよな……。


2006年10月27日(金曜日)
 Windows Vistaの参考価格が発表されたとか。
 すげー値段だ。
 プリインストールだと価格わかんねぇと思ってやりたい放題だな。私なら「OSなしにしてその分価格下げてくれ」って言うだろうが、それが通用しないのは独占禁止法に触れるように思えてならない。
 しかもインストール先の移動が制限されるとあっては、なんも良いことないやんけ。Adobeですらアンインストールによってディスアクティベーションできるのに、Windowsときたらアンインストールもできなくすると。
 こういうのを独占の弊害って言うんだな。
 仕事しろよ>公正取引委員会

 素朴に考えると、Microsoft自身がハードとソフトをバンドルして売る分には構わないと思うけど、PC屋がOSをプリインストールして販売するのは抱き合わせ販売だと思う。少なくとも「OSなし」のモデルを用意するか、差額を返還する手続きがない限り、抱き合わせと看做されて致し方ない。
 そういう意味ではかなり長いこと公取委は仕事をサボっていると思う。

 あー、大分凄いことになってきたなー>偽装履修問題
 もっと深く、もっと鋭く、病巣を刳ってくれ。
 そこには司書不足の問題と同種の病原が巣食っているから。
 この十年、社会全体で人材教育コストをケチりまくってきたツケが、今回ってきたんだ。


2006年10月28日(土曜日)
 「父親たちの星条旗」を観て来る。
 ちょっと驚いたことに、年配の人がちらほら。それも、実際にあの時代を経験したと思しき世代の方々が。
 ただ、作品はあまりお気に召さなかったのか、鼾かいて寝てた人も。
 戦争映画じゃないんですよ。どっちかというと社会派ドラマ。
 硫黄島の摺鉢山に星条旗を掲げた六人のうち生き残った三人が巻込まれる茶番劇。あそこに、あの島に英雄など一人もいなかったというのに、戦時国債のために英雄へと祭り上げられていく三人。
 この作品は米国社会でこそ価値のある作品で、日本人が見ても多くを感じることはできないと思いました。はい。

 その分、「硫黄島からの手紙」に期待しておく。

 なんか変な意見も出てきたな>偽装履修問題
 ほじるんなら全部ほじくり返せよ。過去に遡って偽装があるのであれば、卒業生の高校卒業資格を剥奪しろよ。今年の生徒だけをなんとかして終わる問題じゃないだろう? その結果現在大学に通っている学生が退学になろうとやむなし、と言わないといけない立場の人間がいる筈だろう。


2006年10月29日(日曜日)
 偽装履修問題だけど、私としては、救済措置を取ることには反対です。落とさなきゃいけない人は落とすべきです。また、過去に遡って必要な単位を履修していないことが判明した卒業生の高校卒業資格も剥奪すべきです。この偽装に関った教職員は公文書偽造虚偽公文書作成で片っ端から告発し、罪を問うべきです。
 それが「法的に正しい」対処であると考えます。
 悪法もまた法なり、を貫くのであれば、それが最善です。下手に救済措置を取って、ことを有耶無耶にしてはいけません。
 教育委員会が偽装に気付いていなかったのであれば無能だったので処罰すべきでしょう。文部科学省が実態を知らなかったのであればこれも無能なので担当者を馘首にすべきでしょう。この事態を招来するに至った“ゆとり教育”の学習指導要領を定めた当時の中教審を指弾すべきでしょう。
 本気で言っているわけじゃないよ。でも、耐震偽装の時に比べると、やけに同情的な空気が気に入らない
 原因の追及だけは、手を緩めないで欲しいところ。

 バブル崩壊以降の不況の中、日本では教育コストが大々的に削減されてきました。察するに、教育コストは成果が目に見えにくいため、抵抗が少なかったのでしょう。資源の投入から成果の発現までの時間がかかることもあったでしょうし、派遣を含め人員の流動が活性化したことも一因かと思われます。自分達で人を育てなくても、金があれば経験者は雇える、という一面では正しい認識が広まったわけです。
 しかしそのために「金で雇えるからうちが教育コストを負担しなくてもいいや」という思考が蔓延すれば、社会全体に於いて教育コストを誰も負担しなくなり、結果として人材難を発生させてしまいます。
 司書不足の問題などは深刻で、2007年問題で人員が減っても、これを穴埋めすべき「即戦力」などどこにもありません。全国どこの公共図書館でも人員の削減は行われており、パートタイマーやアルバイト、派遣によって運用人員を賄っている図書館は少なくありません。それでもなんとかなってきていたのは、核の部分を担ってきた人員の存在に依るところですが、これが失われれば図書館の運営そのものが不可能になります。あとは図書館運営会社へ丸ごと運営を委託するほかなくなるでしょう。
 資源のないこの国は、人材こそが唯一の資源だ、なんて言い方をされますが、それだってどうも枯渇気味のように私には思えるのですよ。
 いや、この場合は「枯死」かな。
 土を耕し種を播き水を与えにゃ芽吹きもしないし花も咲かねば実も成らぬ。

 実を言うとNIEETの問題もその辺に起因するものがあるんじゃないかと思わなくもない。
 高卒だろう大卒だろうが院卒だろうが派遣だろうが何だろうが、一部特殊な研究職だとか言うのでもない限り、一定の戦力となるまで最低1年はかかるし、ベテランとか言われるようになるまではそりゃそれなりの時間とお金がかかる。金を投じて戦力化したんだから、すぐに拔けられちゃ困るんだけど、人材市場が下手に活性化しているので、会社の環境が悪いとすぐに辞められちゃう。だったら育てる側から刈る側に回った方が効率が良いとかいうおかしな話になっていく。
 誰かが教育コストを負担しなきゃいけない話なのに。
 結果的に誰も教育コストを負担してくれない人達が、NIEETという形で沈殿していっているんじゃないか……なんて思っている。


2006年10月30日(月曜日)
 西洋美術館DSだ!
 コメントは差し控えさせて頂きます。

 偽装履修問題で校長の自殺が出たようだ。
 あなかなし。

 「筑波大発ベンチャー、ロボットスーツ量産へとかとか景気の良い話が。
 過去にも何度採り上げているネタですが、問い合わせが400件以上ってのがこの国の凄さなんだろうか。
 トヨタも研究を始めた時に言及しましたが、日本に於いて労働鎖国を今後も継続するためには、人間一人当たりの生産性を上げ続ける必要があり、そのためにもこのような研究が不可欠であると考えます。

 実を言えばフィリピンとのEPAによる看護師の受け容れが決まっています。近い将来、医療現場にフィリピン人看護師が大挙して押し寄せ、労働単価を下げてしまう恐れがあります。それが長期的に見てどのような結果を招くかは、昨日の日記を読んでください。ただでさえ過酷な労働条件で働いているコ・メディカルスタッフに大量離職が発生しても、私はちっとも驚きません。
 廉価労働力の導入は短期的には経済に好影響を与えますが、中長期的に見た時の社会コストの増大は無視できないと考えます。労働鎖国を続けろとは言いません(個人的には解放すべきだとは思っている)が、単なるチープレイバーの導入には反対します。
 日系南米人で散々懲りたんじゃないかと、産業界には問うてみたいものです。


2006年10月31日(火曜日)
 北が取り敢えず六箇国協議に復帰するらしいとか報じられていますな。
 北の戦略は、経済制裁の解除を求めて六箇国協議を空転させる方向へ向かうでしょうから、茶番っちゃ茶番ではあるな。
 ただ、カードの切り方はそれなりに難しくなったね、日本にとっては。

 アメリカでエレベータ死亡事故発生の……なんだが、なんか一気にどうでもいい気分になった。最大積載重量2500lbのエレベータに24人合計3600lbの人間が乗り込んで事故が起きたと言われてもな……。

 「YouTube「3万ファイル削除依頼」の内幕・第2弾は「匿名性排除」要請も」について論評しようかと思ったけどやめた。
 一言だけ。
 「違法コンテンツを野放しにすれば、仮に実害がなくても「合法」スタイルのサービスにとっては視聴者を奪われる「機会損失」にもつながる。」って書いてあるけど、違法コンテンツを蔓延させる最大の原因はその「「合法」スタイルのサービス」がないことなんだがね。