哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」

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西紀2020年3月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。


2020年3月1日(日曜日)

今日からNHKプラス登録が始まったのでアクセスしてみたらアクセスが集中したのか、登録を中止していた。夕方アクセスし直したら登録できるようになっていたので、諸元入力。これ、改めて葉書(!)で送られてくる登録コードを入力して完了らしい。

なんともはや。

Webでニュースなんかを時間と関係なく見れるのは良いですね。まだ今ひとつ何をどうしたら目的の番組に辿り着けるのかよくわからないのですが……。

NHKオンデマンドの方も今日からコース変更となり、UIが大幅に変更されて、ブックマークしてたURLが使えなくなったりして。

リダイレクトくらいして欲しかった。


2020年3月2日(月曜日)

COVID-19関連でデータをグラフィカルにマッピングしているサイトを三つくらいメモがてら。

それぞれ表示される情報が違うので、相補的に見るのが吉かな。

ただ、実際のところはこういった確定検査数よりも、統計的な推計後日追加)の方が実態を正確に反映してそうなんだよね。


2020年3月3日(火曜日)

桃の節句だからか、春が来た!って感じの陽気だった。でも天気予報によると明日にはまた冷え込むとかで、体調を崩しやすそうな。

メールクライアントをBecky!からThunderbirdへ移行しようかと検討。UTF-8やHTMLメールが増え続けていて、“モダンな”メールクライアントじゃないと追いつかない感じになりつつあり。しかしメールアカウントがやたらとあって、振り分けルールもあれこれ複雑に設定されていて、これを移行するのは大変なんだよなー……。

移行ツールがあれば良いのに。


2020年3月4日(水曜日)

COVID-19対策に新型インフルエンザ等対策特別措置法緊急事態措置を適用できるよう、法改正の検討に入ったとか。

現状、COVID-19は感染症予防法第6条8項にある「指定感染症」として政令で指定されていて、新型インフル特措法をそのまま適用することができないのですよね。なので、それが可能なように法改正しようという話で、緊急事態措置自体は既にあるものです。

イチから新たな法案を練っている時間もないので、既存法を適用できるようにしようというのも、時間を考えれば妥当な提案です。欲を言えば、首相がワケの分からない「要請」をする前に法改正を通していれば良かったですね。

それにしても新型インフル特措法は、ほぼ完全に“新型インフルエンザ等”に限定された特措法になっていて、今回のようにインフルエンザウィルスを原因としない伝染病には対応できないとか、完全に緊急事態法制のパラドクスに嵌っていますな。緊急事態だからといって闇雲になんでも出来たりはしないように制限を強めておくと、ちょっと外れた類似の事態に対応できなくなってしまう。かと言って裁量権を大きく取ると、悪用された時の影響が大きくなり過ぎる。

勿論この問題には「正解」などなく、均衡点を探っていくしかないのですが、日本は少々慎重に過ぎる嫌いがあるように思えます。


2020年3月5日(木曜日)

駅前にあったスーパーがジャパンミート卸売市場としてリニューアルオープン。行ってみたらとんでもない人出。文教堂が入っていた二階は百円ショプのSeriaに。

レジに並ぶ長蛇の列を見て、こりゃあかんわと買い物はせずに売り場をチェックして歩くだけにする。

ジャパンミートって肉のハナマサとグループ企業なのね。ミートって言うだけあって、肉の売り場が広かった。人出が落ち着いたら、ちょっと物色してくるのも良いかも知れぬ。


2020年3月6日(金曜日)

1月に出る筈だったものがRCを3回も出して延期されていたPowerShell 7ですが、いよいよ正式公開されたのでインストールしてぼつぼつ試用してみる。

PowerShellにはWindows専用だった5系列に対して、マルチプラットフォーム化されたPowerShell Core 6系列があったわけですが、かなり多くのコマンドレットが廃止されたため互換性が低く、代用品にならなかったのですよね。

そんでオープンソース化されてPowerShell 7となった今バージョンでは、5系列との互換性確保が一つの課題になっていたとか。

で、使ってみていくつかのスクリプトを走らせてみると、やはり廃止された機能が引っかかったり。WMI回りの機能はWindows固有ということでCIMへと統合されてしまったので、どうしても書き直しが必要。

個人的に一番難渋していたクリップボード周りは、テキストのみの扱いでGet-Clipboard / Set-Clipboardが復活。ただ、5.x系ではWindowsのクリップボードオブジェクトの取り扱いができたので、ファイルそのものや画像それ自体をクリップボード経由でやりとりするなんてことができたのが7ではできなくなったので、一部は書き直しが必要そう。

BOMなしUTF-8の扱いも変わっている(5.x系まではデフォルトはUTF-16LEで、UTF-8もBOM付きだった)らしいので、これまで無理くりUTF-8Nを出力するためにあれこれいじってた部分を見直す必要があるかも知れない。(そのままでも動くかもだけど)

暫くは両用して、どっかで覚悟決めて移行だな。


2020年3月7日(土曜日)

トイレットペーパーなどの買い占め、9割が「デマと知りながら」殺到」とか。

どの程度信用できる調査なのかはともかく、買い溜めに走った人が1/4程度で市場から商品が消えてしまうというのは、一体そこ人達はどんだけ買い込んでいるのかと首傾げたくなるな。あるいは、買い溜めまでは行かなくても、普段より早いタイミングで購入した人まで含めるともっと多いのか。

腐るものではないとは言うものの、トイレットペーパーなんぞ家に大量に溜め込んでも限りがあるわけで、早晩需給は元の平衡状態に戻ると推測されるわけですが、問題はそれまでの間に家のトイレットペーパーが切れてしまった運の悪い人をどう救済するかですかねぇ。

まあ、普段から余裕を持ってトイレットペーパーを買い足しておくのが肝要、という話になるわけですが。


2020年3月8日(日曜日)

横浜で検疫のため係留された“ダイヤモンド・プリンセス”号と同じプリンセス・クルーズ社が運営する“グランド・プリンセス”号が、これまた船内でCOVID-19の感染が確認され、米カリフォルニア州サンフランシスコで検疫とか。

グランド・プリンセスには乗客2,422名、乗員1,111名、計3533名が乗り合わせており、規模としても乗客2666人、乗員1045人、計3,711名だったダイヤモンド・プリンセスと同程度ですね。

日本では乗客を收容できる施設が陸上にないという理由で船上での隔離となり、様々な議論が沸き起こりました。

本来的には感染防止に適当とはいえない船内環境から離脱させて経過を観察するのが適当なのは言うまでもないのですが、何しろ3,500人超という数の暴虐の前には立ち向かえませんでした。

一方、日本よりも恵まれた体制を持つとされる米国ですが、乗客の下船を決定、居住地の州へ移送してそこで隔離する方針だとか。乗員は船内で隔離とのことですが、それでも2,500人近い人数を陸上で隔離する施設が確保できるということに驚きを禁じ得ません。

物量の勝利だなぁ……。

しかし真似できないという点では余り参考にならない気がする。日本だってそれができるんだったら最初からやってる、って話だから。

いや、その程度の備えを平時からしておくべきだ、という教訓にはなるのか。


2020年3月9日(月曜日)

土曜日に放送されたBS1スペシャル独占告白 渡辺恒雄~戦後政治はこうして作られた 昭和編」は大変興味深い内容だった。戦後昭和の政治劇の舞台裏に食い込んでいたナベツネという男の証言として、非常に価値のあるものだったと思う。

戦後昭和期の政治の猥雑さ、出鱈目さが良く表れていたとは思うし、そこに食い込んだナベツネは果たして政治記者としての職分を踏み越えてはいなかっただろうかとか、色々思うところはあるわけですが、それ故に彼の語るものには価値があるわけです。透明性なんかなくて、政治ってものが極めて属人的な人間業だった時代の最後の光芒といいますかね。勿論、現代ではとても肯定されるものではありません。

歴史学徒が史料批判の上でその証言を用いるのならばともかく、電波で垂れ流して良いものかという気はしないでもない内容になるわけですな。

ところでこの番組、どうも「平成編」があるようなんですが……。


2020年3月10日(火曜日)

「緊急事態宣言」国会の事前承認を与党側は拒否」とかいう記事を見て、野党は正気なんだろうかと疑問に思う。

緊急事態はいつ襲ってくるかわからない。国会の会期中ならともかく、閉会中であれば事前承認など求めていては間に合わなくなる。というかそういう“緊急事態”に対処するための法制なんだから、そんなものは事後承認(もしくは否認)に決まってるだろとしか言い様がない。もっと極端な例を出せば、衆参同日選挙の選挙期間中だったらどうするんだとか、色々なケースが考えられる。

野党は法制を実質的に骨拔きにしようとしているわけだ。

この辺、以前も書いたけど、現在の日本国憲法は「平時」しか想定してないのだよね。

衆議院が解散して衆院議員が失職しており、衆参同日選挙で参議員の半数が失職していて国会は閉会中、なんてタイミングで南海トラフ地震最大想定が起こった場合とか、どうすりゃいいのか私にも分からんよ。選挙どころじゃない状況に陥っているだろうに、なにせ選挙を延期する法的規定も、議員任期を一時的に延長する規定も何もない。

緊急事態法制が必要なのはまさにそういう場合であって、その場合は機能している組織だけで国家をとりあえず運営していくしかない。

非常事態は通常のやり方で間に合わないから非常事態なんだ、という話が了解されないのは大変残念なことだなぁ。非常事態法制は言わば拔け穴になるから厳重な安全装置をかけたいという感情は理解できるが、それでは「鍵のかかった消火器」になってしまうのですよね。非常時には躊躇なく使えなければいけないものは、平時は善意で管理されていないといけないのですよ。

その善意が信用できない、というのも理解はできるのですが。


2020年3月11日(水曜日)

とうとうWHOがCOVID-19についてパンデミックを宣言、

まあ、国際ニュース見てると、もう世界各地で手の付けようがないくらい感染が広がってて、あとは自然に終息を待つばかり、って感じになってる。ついでに各地でパニック気味になった市民がトイレットペーパーを買い込んだり銃弾を買い込んだりと、平常を失ってる感。

しかし先進国がこの状況だと、碌に現状把握もできない発展途上国では一体どんな様相になっているのか不安ではある。

ともあれ、早いとこ治療薬ができることを期待するしかないんですが、どう考えても半年~数年オーダーでしょうからねぇ……。


2020年3月12日(木曜日)

「ウイルスばらまく」 男性と濃厚接触で女性発熱 新型コロナ感染者1386人に」と、保健所から自宅待機を要請されていた男性が飲食店で飲食をしていた事案ですが、不幸にも感染者が出てしまったようです。

これ、傷害罪に問われる可能性がありますね。

日本の刑法の解釈では、傷害罪は何も物理的な怪我だけではなく、身体の生理的機能を毀損するものが傷害とされるので、過去には性病やPTSDが傷害として成立したことがあります。

性病については昭和25(あ)1441という古い判例がありまして、性病を感染させる懸念のあることを認識しながら婦女子に対し詐言を弄して性交し、その結果病毒を感染させた場合、傷害罪が成立する。となっています。

当然、問題の男性がウイルスばらまく意図を持って(つまり犯意を持って)、他者に病気を伝染させ、被害女性の健康を損ねたことは傷害罪を構成しうるわけです。

刑事裁判的な問題は、飛沫感染であるCOVID-19が本当に問題の男性から伝染したのかを証明することですが、これはSARS-CoV2ウイルスの遺伝子型を確認することである程度は立証できるのではないかと……。

ただまあ、民事での損害賠償の方が楽そうではあります。


2020年3月13日(金曜日)

改正新型インフルエンザ対策特措法が可決成立。

実は数日前からずっと法案本文を探しまわっていたのですが、内閣法制局でも衆議院でも参議院でも厚生労働省でも官邸でも見つけられず、一体どこに法案が公開されているのかと思っていたのですが、今日可決後になってようやく探し当ててみれば内閣官房でした。

で、法案本文を読んでみて、うーん……。

この法案に反対する人は、一体何に反対しておられるんでしょうかね?

現行法で新型インフルエンザに対して準備されている措置を、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)にも適用できるようにする、というそれだけです。しかも指定されているのは今回武漢で発見されたウィルスを原因とするものに限られているため、将来似たようなケースが発生しても流用はできなくなっています。

正直言えば、現行法にしろ改正法にしろ、対象を限定し過ぎではないかという気がしてなりませんが……。

今回の改正が必要になったのも、現行法が「新型インフルエンザ」に余りにも限定していたため、COVID-19へ適用するのが困難だったからなわけですが、その改正としてとりあえずSARS-CoV2に限定して適用できるようにした、ということになります。

余り病気の種類を限定せずに、もうちょっと広範に網をかける法律にした方が柔軟性が増すのではないかという気がするのですが、結局は非常事態法制のジレンマですよね。


2020年3月14日(土曜日)

危惧していた通り、PowerShell 7で文字コード周りが大分変わっていた。

5まではDefault=カレントのコードページ(日本語環境なら大抵CP932)、だったのが、UTF-8になってしまったため、ファイルの読み込みから書き出しまでトラブル満載だぜー。

これで.NET Frameworkの文字コード判定が素晴らしければ良いのだけれど、判定が恐ろしく精度が低いので(トルコ語とか判定してくれる)、どうしたら良いのか分からんわー。

さらにこれまで無理くりUTF-8 w/o BOMを出力するために.NETの方で文字列を変換して、そのバイト列を取得してファイルに書き込むなんてワザを使ってたんですが、今度はバイト列をみなしテキストとして書き込めなくなったー。

つまり「Shift-JISファイルをエンコード指定して読み出して、BOMナシUTF-8で書き込む」のがとても楽になった反面、これまでそれを補うために工夫されてきたあれこれの技法は使えなくなったんですな!

PowerShellのバージョンで分岐するように書き直さないといけないんだろうけど……もういっそNKF使っちゃおうか……。


2020年3月15日(日曜日)

NHKプラスの確認コードが来たので入力。

特に何かが変わった様子もなく……。

1枚だと危険なテールローターを4枚の電動にしたヘリコプター。燃費も向上」という記事があった。

通常のヘリコプタにおいてテールロータは危険でエネルギー効率を悪化させるものでもありますが、“必要不可欠な”機構なんですよねぇ。ヨーイングをテールロータで行う関係上、回転翼は可変ピッチになっていますので、それなりに複雑です。

これを電動化した場合、回転数可変制御とすればプロペラピッチ機構が必要なくなりますので、機構の簡素化が期待できますし、それに伴う軽量化等も考えられます。

ただ、記事中の試作ヘリのテールロータが4発なのは、信頼性が原因ではなく、モータの出力(トルク)が足りないせいでしょうねぇ……。大トルクのモータはどうしても重くなるので小型軽量のモータを高速回転させたいのですが、その場合トルクを稼ぐためには減速ギアが必要になり機構の複雑性が増してしまいます。折衷案として四発化というのは……まあアリなのかな。対障性の向上は事実ですしね。

しかし、本質的にテールロータである以上LTEは避け難く、個人的にはツインロータ方式の方が大変好みです。

とはいえ、カモフ同軸反転ロータバートルタンデムロータカマン交差ロータなど、ツインロータ機はその効率性に対してヘリコプター界においては少数派です。そりゃローターヘッドが二組必要ですからねぇ……。

あ、現行のティルトロータ機(V-22AW609V-280)は、ヘリコプタモードの際はパラレルロータのツインロータ機ですね、実質的に。


2020年3月16日(月曜日)

この3月から料金体系が変わって「見逃し見放題パック」「特選見放題パック」が統合され「まるごと見放題パック」が発足したNHKオンデマンドですが、どうも内部での区別は存続してるっぽい感じ。

これまでは、放送翌日から2週間の間公開される「見逃し番組」と、その後アーカイブとして登録される「特選番組」の二種類があって、視聴コースはそれぞれを対象として定額制となっていました。時論公論視点・論点クローズアップ現代といった時事系の番組は「見逃し番組」にはなるけれども「特選番組」にはならないのが通例でした。

で、視聴コースが統合されたんで、番組配信の方も統合されるかなぁ……と思ってたら、どうも変わってないようだ、というのがこの2週間の観察の結果わかった。番組出演者等との契約形態の問題なのかねぇ……。

つまり番組に表示されたりする「NHKオンデマンドで配信されます」という案内は、通常2週間の見逃し配信だけを指し、その後の特選番組化については運を天に任せるしかないわけだ……。NHKオンデマンド、一度アーカイブに入った番組でも容赦なく削除するので、観たいと思った時に自由に観るという程でもないんだよなー。それでも大変便利なんだけども。

あと、ニュース類はNHKプラスに移管されちゃったので、サイトが分割された形になったけど、これはまあ仕方ない面もあるか。NHKプラス、ストレッチ再生サポートしてくれんかなぁ。


2020年3月17日(火曜日)

宇宙で全天球画像撮影に成功。JAXAとRICOH開発のカメラが観測ロケットに」とか、RICOH THETAは面白い使われ方が多いカメラだなぁ。

個人的に一番凄いと思ったのは、視覚障害者の方が写真を撮るのに使ってるって話で、360度を撮影するTHETAなら、フレームがないわけだから、目が見えなくても写真が撮れるんですよね。なかなか面白い着想でしてた。

あと、APIが公開されてて、あれこれ使い勝手が広がっているのも面白いところですね。

どうせなら一眼レフのKマウントの仕様も公開すれば良いのに……。(確か最初のKマウントは公開だったけど、現在のKAF系マウントは非公開)


2020年3月18日(水曜日)

三菱航空機、型式証明可能な「三菱スペースジェット M90」10号機の初飛行を完了」と、いよいよ最終試作機が初飛行、と。

頑張って欲しいけど、上手くいくとも余り思ってないんだよなぁ……。

MRJとかつて呼ばれていたこの飛行機が開発されている間に、リージョナルジェットの二大巨頭だったエンプラエルとボンバルディアは、それぞれボーイングとエアバスに買收されてしまい、三菱は世界の二大旅客機会社に蹂躙された市場に裸一貫で乗り出すことに相成りまして……。これで成功したら、それこそ奇跡というもの。

ただでさえウリという程のウリのない三菱スペースジェットに、せめて幸多からんことを。


2020年3月19日(木曜日)

BSの世界のニュースを観ていたら、ドイツでは移動制限、フランスでは野戦病院展開、英国では学校閉鎖と、西欧が凄いことになってた。

メルケル首相が「移動の自由は我々の勝ち取った大切な権利ですが」とか言ってて、東独出身だけにやりたくなかったという思いが透けて見えました。フランスではテント式の野戦病院システムが国内展開するそうで、さらに予備役医療従事者の召集も始めているとか。英国は学校閉鎖を決定し、ジョンソン首相が「やりたくなかった」と言っていたけど、先週まで「やらない」と言っていたのはなんだったのか。

一方震源地であった中国では、「湖北省の新規感染者と感染疑いが共にゼロに」とようやく鎮火の様相。

とはいえ、世界規模の事態になってしまっているので、全世界で鎮火するにはまだまだ時間がかかるでしょうけども。


2020年3月20日(金曜日)

朝、微妙に目が腫れぼったくて、頭痛があって、首周りに違和感があったので熱を測ってみたら36.9℃。微妙。

ただ、安静にしておくことにした。

夜になると体調は大分平常に。熱も下がった。目や首にはまだ違和感があるけれども。


2020年3月21日(土曜日)

先日のBS1スペシャルウイルスVS人類~未知なる敵と闘うために~」の中で、司会側の瀬名秀明が国立環境研究所の五箇公一氏に日本版CDCを造った方が良いという議論があると水を向けたところ、「CDCは半分軍隊みたいな組織で」と言って、「そういう組織を作るとしたら自衛隊に作るしかない」って続けてた。

米CDCは米保健福祉省公衆衛生局に属する研究施設ですが、一応文民組織です。公衆衛生局には他にアメリカ公衆衛生局士官部隊(PHSCC)という組織がありまして、こちらの方が武官組織となっています。つまり、軍人としての地位と階級を持っているのですね。そんで大統領の命令一つでどこにでも、海外にも派遣される。防疫も仕事だけど、生物兵器対策なんてのも仕事のうちだったり。

PHSCCは元々海港での検疫組織が発展した歴史的経緯から実働部隊としての性格が強く、一方CDCは1992年設立の組織ですが、元は国防省下のマラリア対策局を前身とするように、伝染病対策を本来的な業務とします。

なんで似たような組織がいくつもあるのかと言われると米国の複雑な成り立ちのためとしか言い様がないのですが、ともあれ、その他の保険福祉省隷下の様々な組織が合同でこのような問題に対処し、その際にCDCが言わばヘッドクオーターを務めるわけです。

米国の組織を真似る時には、できればそういった歴史的経緯とかは取っ払って、最終的に必要なサービスを提供できる組織を検討して欲しいなぁと思うわけです。


2020年3月22日(日曜日)

気がつけば桜が咲いていた。こんな状況じゃ花見に行く人も少ないんだろうか?と思っていたが、そうでもないっぽい。まあ、屋外で風通しの良いところなら、それ程リスクも高くはないか。

個人的には、図書館も博物館も美術館も軒並み閉館してしまっているため、どうにも出不精になってしまって……。特に図書館が事実上閉館(予約書の受取のみ可)では、調べ物が思うに任せず。予定では30日まで休みなんだよなー、もう。


2020年3月23日(月曜日)

グルメ情報サイト、「年会費を払うと評価が上がる」は事実か 公取委が調査結果を発表」と、噂はあったけど公取委が裏付けしちゃった、と。

あの手のサイトって便利は便利なんですよね。土地勘のない所でお店を探して外れを引きたくない、とか、需要としては間違いなくあるわけでして。ただ一方でこのように金の次第で評価が上下するとなると、信用が置けなくなるのでね。

最終的には美味い不味いとは別に味の好みというものがあるので、自分の舌で確かめなければならないのだけれども、挑戦してアレだった時の精神的ダメージって結構馬鹿にならないんですよねぇ……。


2020年3月24日(火曜日)

とっちらかっていた録画Blu-ray、DVDの整理をしながら、DVDをISOファイルにしてBlu-rayに焼いたら枚数減るかなぁとかアホなことを考える。DVD-VideoなんかをリッピングしてBlu-rayに焼いて……でもプレイヤーがそういうファイルをマウントできるようには作られてないだろうからなぁ、とか。

でもなんかUSBマスストレージやSDカードに入れたMPEGファイルなら読めるとか、マニュアルに書いてあったような。

というわけで、実験がてら、DVDをリッピングしてVOBファイルを連結したMPEGファイルにしてレコーダで読んでみようとしたが、タイトルまでは出たけど読み出すことはできなかった。

うぬぅ。

オーサリングソフト使ってVOB→MPEG2→BDAV/BDMV仕様のファイルをきちんと作れば良いのかも知れないけど、そこまでする手間を考えるとなぁ……。

ただ、DVDのメディアは自分が考えていたより遙かに脆弱っぽい様子なので(15年くらい前のDVDは読めないのがちらほら)、なんとかメディアコンバートは果たしておきたいのだが。


2020年3月25日(水曜日)

昨日の件、やる・やらないはともかくとして、できるようにはなっておこうと考えて、とりあえず一枚、実験がてらDVDをBlu-rayへ変換してみた。

今回はアナログ放送時代のDVDで、しかもファイナライズされたDVD-Video。これが一番楽そうだった。その後ビデオ録画用にDVD-VRが生まれ、一部ではDVD+VRが使われていたわけだけど、-VR(with CPRM)は一応なんとかできる環境を昔整えたが忘却の彼方であり、+VRに至ってはどうしたら良いのか見当も付かない。

やり方としては、まずDVDをリッピングする。プロテクトもかかってないからただファイルをコピーするだけ。しなくても良いけど作業速度の関係で一度HDDにコピー。

んで実際の動画ファイルはVideo_TSフォルダの.VOBファイルなんだけど、これ実体としてはMPEG2。ただし、当時の技術的制約からファイルが適当なサイズで分割されているので適宜連結しなければいけない。昔VOB2MPGなんてあったよなぁ、と思って探していたら、DVDBOB2MPGというソフトを見つけて、こっちの方を選択。

これでVOBを連結したMPEGファイルができたら、次はBDAVのオーサリング。というわけでMakeBDAVを……と思ったら、これは配布元が閉鎖とか。手元のPCにはインストールしてあったけど、これの代替ソフトはちょっと見つけられなかった。とりあえず動くから使うことにした。

んでMakeBDAVで作ったBDAVファイル群をBD-REに焼いてみてレコーダで読んでみたら、見事に再生できた。4:3の画面がストレッチされたりもしていない。これは悪くないな。

というわけで、状態の怪しいDVDをBDへメディアコンバートする準備だけは整った。

ところで今回変換したのは2008年のNHK BS2「ザ・ベストテレビ」で記念すべき第一回だった。

「ザ・ベストテレビ」は毎年6月頃に、その前年度の各種映像杯で選賞されたものをダイジェストで、大賞を獲ったものをフルで、NHK・民放の別なく放映するという剛毅な番組なわけですが、なかなか見れない地方発の秀逸な民放ドキュメンタリーが見れる機会として毎年楽しみにしていました。

で、何故か第一回が手元に残っていたので改めて見なおしてみると、大好きだった「裁判長のお弁当」が入っていた……って、よくよく見たらこれ東海テレビ制作でプロデューサーは阿武野勝彦じゃん! 「ヤクザと憲法」(過去日記)とか「さよならテレビ」(過去日記)とかの人や!

うーん、本当に、東海テレビのドキュメンタリーは素晴らしいんだな……。


2020年3月26日(木曜日)

昨日の続きで、DVD-VideoのBDAV化をあれこれ条件を変えて試してみたり。

そういうことをしていると、Blu-rayってのはDVDの反省に立って作られたんだなぁ、というのが良くわかります。

DVDは、元々がパッケージビデオメディアとして企画されたため、大凡、動的に中身を書き換えるという用途に向かないのですよね。いわゆるアプリケーションフォーマットとしてのDVD-Videoですが、DVDというメディア自体がリードイン/リードアウトを持つ静的なデータ記録媒体だったことが見て取れます。

当時既にCD-RW(規格検討時にはCD-Eという名前だった)が進行していたことを考えると、もうちょっと考えても良かったんじゃないかという気もしないでもないのですが、そのCD-RWにパケットライトが登場するのはもう少し後のことでしたから無理だったのかも知れません。そのDVDにしたところで、ファイルシステムすらなかったCD-DAの反省に立って、最初からUDFというフォーマットを盛り込んでいたりと、進歩はしているのですけれどもね。

ともあれ、リード・オンリーを前提として静的なデータ記録メディアとして出発してしまったため、後の記録型DVDは混乱を極め、DVD-R、DVD-RAM、DVD+RW、DVD+Rと百花繚乱の呈をなしてしまったわけです。DVDフォーラムとしては書換え型はDVD-RAMを推進したかったようですが、DVD-RAMは当初DVDとは名ばかりで、その実松下のPDだったとか対応機器が増えなかったとか様々な事情から一部メーカが反旗を翻してDVD+RWを送り出すなどの混乱が生じたわけです。

その点Blu-rayは真っ先に書換え型であるBD-REを策定し、そこから派生させる形で追記型のBD-R、読出し専用のBD-ROMをを策定したという辺りが、本当に“反省に立って”いるなぁ、と。

果たしてBlu-rayの“次”が登場するのかどうか、見当も付かないわけですが(4K/8K用のUltra HD Blu-rayを次世代とするかどうかは微妙)、その時には是非ともシェル(殻)を復活させて欲しいものです。


2020年3月27日(金曜日)

上下巻で注文した本が下巻だけ届くとか……。

仕方ないから下巻から読み始める。

ちなみに、なんで物理本を買ったかというと、この本、物理本を買うと電子書籍データ(EPUB)がダウンロードできるようになる、という触れ込みで、どうも電子書籍の単体販売がなさそうだったから。

……で、まだDLパスが送られてこないので、久しぶりに物理本を持ちながら読書という体験をしている。


2020年3月28日(土曜日)

BS1スペシャル東京ロストワールド 秘島探検の全記録」の再放送が予告なしであって、巧く録画に成功。

本放送時に失敗して、再放送時にはBlu-rayに書き込み失敗して消失。三度目の正直!と思ってようやく撮れたぜー、さあBDに焼くべ……と思って編集作業をしようとして……操作を誤って……消してしまう……。消したかったのは、途中に挟まってるBSニュースだけだったんじゃー……。

いや、NHKオンデマンドで配信されてるから、なにも必死に録画しなくても良いんだけど、なんというか、こういう失敗は心にクる。


2020年3月29日(日曜日)

天気予報が雪と言ってたけど、本当に東京でも降ったよ……。

昨日放送のBS1スペシャル自衛隊が体験した“軍事のリアル”~密着世界最大級の軍事演習場」は、密着取材という割には余りガッツリと訓練は映してなかったなぁ。正直、鎌田靖やらコメンテータやらの意見は不要で、もっとしっかりと訓練とその結果を二部構成でやってくれればそれで良かったのに、という感じ。これがNHKスペシャルなら、完全版がBS1スペシャルで……と期待もできたんだけど、BS1スペシャルでこの量ではなぁ……。

なんというか、訓練自体を取り上げるなら政治側の話はアウト・オブ・フォーカスだし、政治側の話をするなら訓練の内容なんかどうだっていいわけで。その辺、番組で何を扱いたかったのか、制作側自身が摑みきれていなかったような印象。

ただ、それでも番組中で流された範囲だけでも、自衛隊が散々な成績に終わったらしいことは見て取れました。

勿論、国土防衛を第一任務とする自衛隊が日本の国土環境に特化している面はあるでしょうが、あっさり砲撃喰らったり、目標を達成しつつも敵に与えたダメージ以上の損害を被ったり……。

米軍の演習方法が非常に実戦的であるように見えることを考えると、自衛隊の有事対処能力に多少の疑問符を付けられるところが見えるかと思います。特に、こちらの狙いを外されて、想定外の事態に陥った時の柔軟な対応については、普段から余り力を入れていないのではないかと思われる節が、自衛官の言葉から感じられました。

なんで人間の指揮官がいるのかと言われれば、結局は戦場には不確定性がつきまとい、どれほど備えていても想定外が発生し、そしてその場でその時に対処しなければいけないから、というところに尽きるわけです。物事が想定の範囲内に収まっている場合は、指揮官の仕事なんてないのですよ。

それにしても米軍は訓練にお金かけてるよねぇ。演習場の設備もそうだし、エキストラを含めた“状況”の作成、対抗部隊の育成、裁定官とデブリーフィング……。

私は日本近現代史を専攻した関係で、どうしても第二次世界大戦期を考えるわけですが、米軍の学習能力、フィードバック能力というのは本当に凄まじい限りです。前線で学んだことを後方で分析し、対策を講じ、装備を開発したり訓練を施したりし、前線へ持ち込んで対抗してくる。なので、米軍相手に最初の数回は成功した作戦が、すぐに通用しなくなる。それを可能とする組織力であり、兵站能力の卓拔が米軍の強さなんですよね。

日本も決して戦訓の習得を怠っていたわけではないのですが、その回転速度は米軍に遠く及びませんでした。そして最後は貧すれば鈍す、精神論で対処するしかなくなるわけです。

自衛隊と米軍では要求される仕事が異なるので、全くそのまま米軍を見習う必要はないでしょうが、教育訓練については、見直しが必要なのではないか。そう思える番組でした。何よりまず予算が必要そうですが。

予算といえば先日令和二年度予算が成立したので防衛省で次期戦闘機を開発することが本決まりになったようです。大臣会見でもステルス性能についても高いものを要求したいと思っております。また、F-35と比べてもミサイル搭載数を多くする、そうした要求があるとのことで、どうも自衛隊はF-35の性能に満足してない様子が窺えます。この場合はF-35が日本の要求に合致していない、というべきか。

F-35の導入は順調に進んでいるわけですが、一方で実際に運用してみた時に不満もあったのでしょうな。

もっとも、その不満を解消できる機体が作り上げられるかどうかは未知数なわけですが……。


2020年3月30日(月曜日)

ふと昨日F-35の話題が出たので確認してみたら、最新のF-35の単価って8000万ドル以下とかになってるのね……。勿論これは米軍納入価格なので、諸外国が買おうとすればもっと値段は吊り上げられるんだろうけど、量産効果って恐ろしいな。

第4世代のベストセラー機であるF-16の最新Block 70/72(V型)が輸出時のユニットコストが1億ドル超えています。

国内調達価格と海外販売価格(それも導入コスト込)を単純比較することはできませんが、いわゆる4.5世代機と大差ない価格帯に降りてくるとあっては、政治的にF-35を選択できる国としてはF-35を買うでしょ、これは。

別の言い方をすると、現在第5世代機を求める場合、西側の場合F-35一択、それ以外の場合Su-57くらいしかなく、中国のJ-20FC-31辺りになるとかなり博打的要素が大きくなります。ロシア機の場合、エンジン寿命が短く、結果として運用コストが嵩むという指摘が採用国内からありまして、悩ましいところです。

一応西側でも第5世代機は仏独のFCAS、英のテンペストが計画として上がっていますが、どちらもやはりF-35では間に合わない用途を考えているのでしょうけれども、問題は費用でしょうね。特にF-35がこれ程までに廉くなると、高価な高性能機を少数導入するより、安価で程々な性能の機体を大量に擁した方が良いという意見がどうしても強くなるものですから。

当然、日本でも同じ議論が出るでしょうな。


2020年3月31日(火曜日)

なぜ超えられないのか! 中国の自動車が日本に劣っているのは「エンジン」だ=中国」とかいう記事があって、この手の記事は中国でよく見るのですが、じゃあどうしようか?という方向に余り進まないのが……。

自動車用のガソリンエンジンは高度化が進み過ぎて、今や熱効率40%を達成とか、熱力学の限界に挑戦しつつあります。内閣府の革新的燃焼技術研究では50%とかちょっと信じられない数字を叩き出しています。

勿論そこに到達するまでには一足飛びとはいかない地道な蓄積があったわけでして、科学・工学の高度な止揚が必要とされます。

あと、実は燃料というのも見逃せない要素でして、直噴や希薄燃焼ではガソリンも選びます。世界で初めて実用車に搭載された某社の希薄燃焼エンジンは、日本国内でこそ完動しましたが、諸外国で大変な目にあったとか……。

ガソリン内の硫黄分の規制などは日本が世界で先行していたという事実があったりしまして、日本のガソリン品質を前提に作られたエンジンでこそ達成できる性能というものもあるのです。

視野を世界に広げると、欧州などは近年ユーロ5、ユーロ6の排気ガス規制に伴いガソリン品質も向上させていますが、一方で米国は比較的緩いままである、なんて話があったりしますね。さらに発展途上国となるとガソリンの品質など……という話になります。こういう国ではランクル70系のように少々アレな燃料でも動くエンジンが要求され、当然そのようなエンジンは先進国の排ガス規制をクリアできないので先進国では販売できないわけですね。

他には低転がり抵抗タイヤの寄与もありまして、コイツは当然舗装道路を前提としますから、オフロードやダートを走ることはできません。当然、舗装道路が完備されていることは前提となるわけです。

とまあこのように、低燃費を追究する果てにはエンジンのみならず周辺環境に至るまで様々な要素が複雑に影響しあっており、さらに一筋縄ではいかない様相を呈するのですよね。

こう言ってはなんですが、途上国が自動車技術で先進国に輸出可能な車を作るのは、不可能に近いという状態だったりするのです。