哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」

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西紀2017年1月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。


2017年1月2日(月曜日)

東京に戻ってきた。

実家に帰るや、またネットワーク周りの作業であれこれ。

しかし、有線LANと無線LANの両方に対応しているプリンタで、有線/無線同時使用不可ってのは普通なんだろうか? 単純に不便だと思うんだが……。

両者を別のネットワークに所属させて別々のネットワークからプリントジョブを飛ばしたい、とか、普遍的要求だと思うわけなんだが。勿論、ネットワークアダプタに複数のIPを振れるようにするのでも構わないが、常識的機能ではないのだろうか。


2017年1月3日(火曜日)

実家にいる間に風邪が悪化してしまったので自宅で療養する一日。

16時間くらい寝てた計算に……。


2017年1月4日(水曜日)

風邪が腹にーっ。


2017年1月5日(木曜日)

NHKの時論公論の新年第一回「2017年 動く世界 日本の針路」を見ていたら、島田敏男解説委員が気になる言い方を何回かしていた。

南スーダンのPKOについて「現地の安全が確保できないという状況になったら、粛々と活動を終了して、撤收するのが政治の責任ですね」とか言い放ってたんだけど、そんな単純な情勢じゃない、ってのは常識だと思ってたんだが……。

日本の事情として撤退をしたい、というのは間違いないし、日本法はそれを前提にしているのは確かなんだけど、PKOの実態としては南スーダンには強制介入旅団が派遣されるような状態で、国連側は住民虐殺を防ぐためには実力介入も辞さず、という姿勢を明確にしてる。これはかつてルワンダでの虐殺をPKOが防げなかった反省に立っていて、当然PKO派遣国は眼前で住民の被害が生起されている事態があれば、これを見逃さないことが前提となる。そういう前提で結集している部隊において、「内戦が始まったから撤收します」という態度が許されるか?という所が南スーダン派遣では問題になっている。

勿論、究極的にはPKOは各国の善意の供出によるので、本国が判断すれば撤收は可能だ。困難だが、技術的には可能だろう。

問題となっているのは政治的・外交的影響の方で、UNMISSが多国籍で形成されている以上、日本が負う責任が他所の国を支えているという現実である。日本は先進国として最多の要員を派遣しており、これが拔けることがUNMISSに与える影響は、ぶっちゃけ、“南スーダン”という実験の失敗だろう。

南スーダンは、スーダン内戦の解決策として国際社会によって持ちだされたプランであるが、スーダン内戦は(ダルフール紛争を含め)国際社会から見捨てられた戦争として、その間に多くの民間人の犠牲が看過された。国際社会は民族自治、住民投票による地域独立という方策を東ティモールに続き南スーダンでも用いたが、これが失敗することになれば、爾後の国際紛争への影響は計り知れない。

有力な先進国の撤收が何を産むかについて、興味深い先例は、米国のソマリア派遣からの撤退だろう。俗に「ブラックホーク・ダウン」として知られるモガディシュの戦いによって米国が撤退を決意、結果としてPKO(PKF)は失敗し、現在もなおソマリアは事実上の無政府状態が続いている。

無論、日本の撤退が南スーダンPKOを破綻させるとは確言できるわけではないが、恐らく日本の撤退は現地住民の人権をないがしろにしたと後ろ指さされる程度には指弾されることだろう。それは日本が国際社会で築いてきた信用を毀損するし、結果として国際影響力の低下を齎すだろう。それが貿易立国を自認する我が国の立場を悪化させることは論を俟たない。

そのような判断を軽々に下せるのか?という厳しい選択を政府は迫られているわけだが、そういう点をすっぽり無視して“粛々と活動を終了”と言い放ってしまうのは、実に不可解だ。

プロフィール見ると、島田解説委員の担当は政治・外交・安全保障ってなってるんだけど、こんなんで大丈夫か……?


2017年1月6日(金曜日)

日本政府が駐韓大使を召還とか、日本としては珍しく強硬な措置ですね。

日本が大使を召喚するのは過去の例からしても相当なことで、通貨スワップ交渉や経済協議も延期。日本側の本気度が伝わってくれると良いんですが。

問題があるとすると現在韓国の大統領は弾劾手続き中で、職務停止していることなんですよね。代行の国務総理がこの問題に当たらなければいけないわけですが、支持率も何もない人だけに、“決断”は難しかろうと思われる所です。

ところで、慰安婦合意が米国の仲介だった、というのは既に米側関係者の証言等で明らかになっているところですが、この事態を退任間際のオバマ大統領はどう見ているんでしょうかね。オバマ大統領は就任前から外交について不安視されていましたが、八年間、はかばかしい成果を上げたとは言えなかったと私は考えています。

まあ、オバマさんの外交が悪かったからと言って、次が良くなる保証もないわけなんですけどね!


2017年1月7日(土曜日)

ちょっとtwitterに呟いたことを日記でまとめとこうかと。

昨日のアレの件について、国家間の合意は(一方的に)破棄できるか?という話がtwitterで流れていて、究極的な話をすると「できる」というのが答えになります。なぜなら、国際社会には法の支配が及ばないから。

我々は日常、法の支配の下で暮らしています。犯罪を犯した者は警察が捜査の果てに逮捕拘禁され、検察が起訴して裁判にかけられ、判決に基づいて刑務所に收監され、罪を償うことになります。あるいは民事でも当事者同士において合意が得られなければ、裁判に訴え出て法的拘束力を持つ判決を得ることができます。判決に基づいて強制執行を行い、他人の財産を差し押さえることもありますよね。

こうした「法の支配」は、国がそれを保証しているわけですが、その背後にあるのは国家による「正当な暴力の独占」による強制力の担保であります。警察、軍隊その他の暴力装置は国家やその分権体によって正当に独占され、法に基いて適切に運用される…と信じることができる環境が日本では整っているからです。

これが所謂“失敗国家”などと言われる国になりますと、独占されざる暴力が国内を割拠していたり、国家政府に独占されている暴力が法に基づいて運用されていない(誰かの恣意で運用される)といった有り様になります。そうなると社会の信用が毀損されますので、発展を阻害されることになります。無政府状態になって警察も裁判もなくなった土地では、力こそ正義となるでしょう。真面目に働くのがアホらしくなりますわな。

さて、視点を国内から国際社会に転換しますと、実は国際社会には法の支配がありません。国際社会には裁判所はあれども警察も軍隊もなく、国際法も条約も、その強制力を担保してくれる絶対的な何者かは存在しないのです。従って、常設仲裁裁判所で自説が否定されようとも、意に介さず事を進めることだって出来る訳です。無論、そのようなことは“すべきではない”のですが、それはあくまで道徳論に留まり、強制力を持ち得ないのが国際社会の限界ということになります。

かつては、このような状態を憂い、国際社会に法の支配を齎そうとした試みも無かったわけではないのですが、残念ながら結実しませんでした。

では現在の国際社会では約束事など無意味なのか?と言えばそうではありません。実際多くの条約や協定が結ばれ、機能しています。ではなぜ強制力もないのにそれらは機能しているのでしょうか? それは勿論“信頼”や“信用”が作用しているから…でもありますが、究極的には締結国同士の軍隊がそれを担保しているのです。一方的に条約を破ったり反故にしたりする行為は、最終的には武力の行使を呼びます。近年は経済制裁がよく用いられますが、経済制裁に対して武力で対抗することも珍しくないわけで、結局最後は腕力頼み、というのが国際社会の実情なのです。

日本と関係が深い所で「条約を一方的に破棄してそれが最終的に確定した例」としては、満州善後条約が例に挙げられます。

満州善後条約は、日露戦争後のポーツマス条約によって決まった、ロシアの持つ滿洲権益を日本へ移譲することを日本と清国の間で取り決めた条約です。この条約が、日本の滿洲権益(満鉄の営業権や関東軍の駐屯等)を法的に保証するものでした。つまり日本の滿洲経営は当時全く合法で、この条約に基づいて日本は滿洲に進出し、様々な経営を行っていたわけです。

しかし奉天軍閥張学良がこれを否定し、中華民国政府は満州善後条約の継承を拒否し、条約は一方的に破棄されてしまいます。(他にも日清通商航海条約などが破棄された)

これに対して日本側は満州事変を起こして満州国を建国し、実力を以って権益の確保を図ったわけです。

ご存知の通り、国際聯盟による調査の結果日本の行動は一部不当とされ、日本側は妥協案を呑まずに国際聯盟を脱退します。かくして日本と中華民国(蒋介石政権)は互いに実力による交渉を行うようになり、戦争ならぬ戦争を延々と続けることになりました。日本は日露戦争の莫大な犠牲の上に手に入れた滿洲権益を“滿蒙は日本の生命線”と唱えてこれを譲らず、一方の中華民国は不平等条約を糺す国権回復運動と言って憚りませんでしたから、最早交渉の余地は無かったとも言えます。

盧溝橋事件/第二次上海事変を期に日本は動員を行って本格的に中華民国を武力で制圧しようとしましたがこれを果たせず、汪兆銘政権などの傀儡政府を樹立するも思うに任せず、長引く戦争に出口を見いだせないまま太平洋戦争へと突入していくことになります。

1945年、日本は降伏し、長い長い滿洲権益を守る鬪いは、遂に全てを喪う形で決着したのでした。

これは極端な例なのですが、しかし条約の当事者の誰かが、武力に訴えてでもその解消を願った時、それを守らせる力は唯一、軍事力だけということになってしまいます。戦争も辞さぬ、との覚悟を決めてしまった国に対しては、できることは少ないのですな。


2017年1月8日(日曜日)

予算成立に全力、解散考えず=慰安婦問題「韓国は誠意を」−安倍首相」とかいう記事がありまして、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊部隊に関しては、「PKO参加5原則が守られていても、安全を確保して活動を満足に果たせる状況でなくなれば、ちゅうちょなく撤収したい」と語った。ということで、どうやら本気で撤退が視野に入っている模様。

これは、国際的に非難を浴びてでも自国事情を優先するという点では、将来に禍根を残すでしょうが、はっきり言えば今の南スーダンの情勢はどういう決断をしても禍根が残るので、首相として犠牲にするものを定めた、ということなんでしょう。


2017年1月9日(月曜日)

何やら日経に「マツダの新エンジン 3割省燃費」とかいう記事が出たらしく、話題になっていた。

以前から情報が出ていたHCCI(Homogeneous-Charge Compression Ignition; 予混合圧縮着火)エンジンのことかと思って図書館まで日経を読みに行ったんですが、実際そうだった。

HCCIエンジン自体はあちこちのメーカで研究されている“未来のエンジン”なんですが、マツダが市場投入一番乗りになるんですかね。

ただ、この種の「理想のエンジン」は理想だけに“実験室では巧く動くけど”みたいなことにならないか心配ですね。昔某社の直噴エンジンなんか、結局フェードアウトしましたし……。


2017年1月10日(火曜日)

そういえば、と思って調べてみたところ、フランス内務省のプレスリリースを見つけまして、年末年始恒例の大火祭に際し、大晦日の夜に警官等10万人を動員し、454人を逮捕したとのこと。焼かれた車は650台で、昨年の602台をやや上回るものの、過去5年間で20%の減少と謳っております。

かつては毎年1,000台を超える供物が捧げられていた事を考えれば、祭りの退潮は最早覆い隠すべくもない所ではありますが、今年こそは新勢力の参加によってかつての栄華を取り戻すものと考えていた当方としては、大変残念な結果と言わざるを得ません。

このまま愛すべきフランスの伝統は消え失せてしまうのでしょうか。


2017年1月11日(水曜日)

朝食を運んでいる時に、ちょっとノートPCをどかそうとして腰をヤってしまう。

久しぶりの本格的なぎっくり腰に、一日ひっくり返っているしかなかった。というか布団に横になったら立ち上がれなくて、トイレに行くにも難渋する始末。 そういうわけで、ずっと椅子に座っていた。


2017年1月12日(木曜日)

一日経って大分良くなった感はあるけど、まだ家の中をそろそろとしか歩けない。

それにしてもロキソニンは偉大である。

效いてる間は身動きができるんだもんな……。


2017年1月13日(金曜日)

今朝も、寝床から身体を起こすのに苦労する。

けど、ロキソニンを飮んで薬が效き始めると、昨日よりも動ける。薬が切れない限りは、そこそこ大丈夫そう。

なんとか明日には出かけられるようになると良いのだが。


2017年1月14日(土曜日)

BTRON Club。


2017年1月15日(日曜日)

朝は昨日の反動か、ちょっと症状が搖り戻していた。とはいえ、大分楽にはなっていて、ボルタレンは使用せず、ロキソニンだけで過ごせた。もう何日かあれば完全復帰できそうな感じ。


2017年1月16日(月曜日)

今日はロキソニン拔きで過ごそう、と思ったんだけどやっぱり駄目で途中で服用。口の中が乾く副作用と共にすっと痛みが遠のいていくのは見事という他ない。


2017年1月17日(火曜日)

今日はなんとかロキソニンなしで過ごせた。

なんか英国のメイ首相が「Soft Brexitは無理」と発表したとか

向こうの報道を追いかけていると、EUから政治的に離脱しつつも欧州単一市場には残留する、という、所謂「Soft Brexit論」が幅を利かせていたのですが、外から見る限り、どうにもそんなことは成し得ないように見えていたのですよね。EUからの完全離脱を「Hard Brexit」と呼んでいたようなのですが、EU側の姿勢は常に一貫してHard Brexitでしたから、一体如何なる成算があってSoft Brexitが叫ばれていたのか、日本にいる私からはよく分かりませんでした。

実のところ、英国の閣僚もSoft Brexitは不可能と早い段階から悟っていた臭い発言があって、時折火消し発言を繰り返しておりましたが、結局やっぱり無理だった、という結末になったようです。

この手の内国/外国への二枚舌外交は大抵の場合碌でもない結果を招来するのですが、英国はどうなるんでしょうかね。離脱派に騙された、と言っても始まらないわけですが。


2017年1月18日(水曜日)

今日もロキソニンなしで過ごせた。

なんか目眩はするけど、これはなんだろうねぇ。


2017年1月19日(木曜日)

オバマ政権の千秋楽の日。

長かったなぁ……。

明日からはトランプ政権か。

アメリカ合衆国大統領って、日本の首相と違って行政権を独占してるから、悪くなる時はガッツリ悪くなるんだよねぇ。


2017年1月20日(金曜日)

ヒトラーの忘れもの」(原題:Under sandet / Unter dem Sand – Das Versprechen der Freiheit / Land of Mine)を観てきました。

第二次大戦後、ドイツ占領から解放されたデンマークで、ドイツ軍が連合国軍の上陸を防ぐために埋めた220万発の地雷の処理に、ドイツ軍捕虜が動員された、という史実に基づくお話。

デンマーク映画なんですが、かなりドイツ語。というか殆どドイツ語。デンマーク将兵ってあんなにドイツ語に堪能だったんでしょうか。堪能だったんだろうなぁ……(隣国だし)。

それはともかく、地雷処理に投入されたのは少年兵で、当然殆どは地雷処理などやったことがない素人。研修中に死者が出て、現場に投入してもまた事故が起きる。

指揮するデンマーク軍の軍曹(英軍の空挺徽章付けた恐らく亡命デンマーク兵)は当初はドイツ軍への憎しみに凝り固まっていたが、徐々に子供たちの境遇を不憫に思うようになってしまい…という物語。

捕虜に地雷除去をやらせるというのは国際法に抵触する気がしますが(腕組ませて地雷原を歩かせるとか)、戦争直後なんてそんなもんだろうという気もしますな。勝ったとは言うもののデンマークは特に何もしてませんし(ドイツの侵攻を受けて即降伏)、どっちかというとドイツの占領統治に協(ぶつっ)

ちなみに作中で軍曹の下に付けられた少年兵14人は最終的に4人にまで減ってしまうのですが(おい)、全体でも動員されたドイツ兵の約半数が死傷した、とか最期にキャプションが出てました。本当にどうしようもない話です……。

シネスイッチまで行ったので、そのまま足を伸ばして「Eye in the Sky」をはしごしました。

これ英国映画なんですが、「シン・ゴジラ」との類似性が指摘されるかも知れませんね。一見戦争映画なんだけど実は政治的戯画、という辺りが……。

6年がかりでようやくケニアで居場所を捉えた英米出身のテロリストが着々と自爆テロの準備を進める中、軍の司令部と政治の中枢、そしてMQ-9のパイロットが、標的近くにいるパン売りの少女・アリアをCDE(附隨的損害領域)に巻き込むとして、ひたすらに責任の押し付け合いを続けるという筋書きです。

情報部のパウエル大佐は千載一遇の好機にMQ-9からのヘルファイアでテロリストをぶっ飛ばしたいと思っているのですが、法務士官は交戦規定を外れると言い出し、内閣の委員会では意見が割れ、やれ外相に判断を仰げの、米国務長官の許可を取れ、最期には首相に許諾を求めろと言い出す始末。お前ら何のために権限持たされてそこにいるんだと……。果ては米空軍のパイロットは近くに少女がいるとか言い出し事態はひたすらに混迷していくという、実にアホな展開。少女を巻き込めばプロパガンダ戦で負けるが、テロリストが自爆テロで80人を巻き込めば自分達が有利に立つとか、いやここで自爆テロを見逃したらどうするんだとか、じゃあ少女がいることを承知でミサイルぶっ放す命令を出すのも批難されるだろ、とか、とにかく、英国米国(本土、ハワイ)中国などを股に掛けてハイテク回線で責任の押し付け合いをたっぷり楽しめます。

なんというか、自分達の政治的な立場のために現場(ケニア)の工作員に不要な危険を犯させたりとか、下っ端は辛いよみたいな話になってる。

これ、多分に「戦争」じゃないからこういうことになるんだろうねぇ。戦時中であれば軍に判断が委ねられるので、そう言った判断は政治の仕事じゃなくなる。しかし対テロ戦争は警察活動と軍事活動の境界線が曖昧なところがある。本作でも作戦は元々英米人テロリストを確保する作戦だったものが、事態が急変して自爆テロが切迫してしまい、攻撃せざるを得なくなるところから歯車が狂い出す。政治家たちは、テロリストの逮捕劇に立ち会う筈が、いきなり本番の攻撃の判断を委ねられる。

甘いといえばそこまでですが、これがある種、現代の戦争の一シーンなんでしょうな。


2017年1月21日(土曜日)

遠藤周作原作・マーティン・スコセッシ監督「沈黙」を鑑賞してきました。

流石暴力描写に定評のあるスコセッシ監督だけあって、迫真の迫害風景というのでしょうか。延々と続くキリシタン弾圧がちゃんと迫害に見えるというのは凄い事です。日本側が日本なりの理を以って弾圧を行っていることが明確に描かれ、主人公ロドリゴ神父はキリスト教の真理を信じながらも神の沈默に耐えられなくなっていく。

何度も何度も神に問いかけ、多くの信徒の死を目撃し、僚友を失い、棄教したかつての師と向き合い、最後の最後に、眼前の信徒の命を救うために棄教するか、己の信仰のために彼等を見殺しにするかを迫られる。

ただひとつ個人的に不満なのは、スコセッシ監督の解釈で付け加えられたラストシーンでしょうね。あれが加わっていては、小説の余韻は……という感じがしますが、バチカンでの聖職者向けの試写会が良好だったというのはこのせいじゃないかなんて思ったり。

どうせ付け加えるのなら、1865年の信徒発見でも付け加えれば……とか思った。


2017年1月22日(日曜日)

糸野くんの結婚披露宴へ。

立食形式だったんですが、やっぱ3時間は立ってられなかった、まだ。


2017年1月23日(月曜日)

NHKドキュメンタリーWAVE希望と絶望のティファナ〜トランプ就任 国境の町は今〜」を観ていて不思議に思ったんですが、メキシコ人が米国へ不法入国を試みることについて、全く疑問が呈されていないんですよね。

いやまあ、不思議はないんですけども。

しかし、例えば米加国境などは米墨国境と違い、フェンスも無ければ不法移民の街もないわけですよ。となれば、問題の大部分はメキシコ側にあるわけでして、メキシコの国内問題について全く触れずにこの問題を語ることは不可能ではなかろうかと。

米国やカナダと同じような地理的環境に置かれながら、メキシコは米加両国のような関係性を築けなかったのか?について検討した方が良い気もするんだよなぁ。最終的には、メキシコの経済力を向上させる以外に、この問題を解決する方法はないだろうとも思うのだ。


2017年1月24日(火曜日)

トランプ大統領閣下、「日米摩擦再燃を懸念=トランプ氏「不公平」発言−トヨタ」と宣うなど。

どこぞのドイツ副首相のように「もっと良い車を作れ」って言い返したくなりますよね。

日本の自動車市場においてアメ車が競争力を持ち得ていないことは全く事実ですが、その原因を日本側に求められると困惑します。以前にも書きましたが、まずは商品ラインナップを見てから口開けという感じですよね。ドイツ車はそれなりに売れているわけですから、アメ車に問題があるのは明らかだと思うのです。

トランプ大統領が来日することがあったら、世田谷辺りをドライブさせてみたらどうですかねぇ。


2017年1月25日(水曜日)

シネマートデイとかで割引がある日だったので、シネマート新宿まで「太陽の下で —真実の北朝鮮—」を観に行きました。

色々曰くつきの作品ではありまして、ロシアのドキュメンタリ映画監督が「平壌の平凡な家庭の一年」を追うドキュメンタリを作る話が、撮影班には監視が付き、演出家が演技指導を行いリテイクを繰り返す素敵な撮影現場だったため、秘密裏にメイキングを撮影して作品にしてしまったというシロモノ。

なんというか、「剱岳 点の記」は「剱岳 撮影の記」というメイキングを撮るために作られた作品だ、というアレに似た感じの……。

いや、北朝鮮市民の皆さんの演技力は素晴らしいですよ。工場労働者の人達に演技指導の人が「笑って!」というとみんな笑えるんですから。長セリフも楽々こなすし。日本じゃ無理ですよね!(おい)

今や数少なくなってしまった社会主義国家として、手厚く保護されて欲しいものです。


2017年1月26日(木曜日)

昨日の映画の件、色々書き落とした点があったので追記。

色々と監督の執念が滲む画が素晴らしいのですよ。

例えば、教室の中の授業風景。

授業風景としてみれば、教師が教壇に立って延々反日扇動を繰り返している図なんですが、よくよく見ると生徒の口から僅かに白い息が見えたり、悴んだ手を擦ってる子がいたりするわけです。平壌のエリート校、という触れ込みなんですが(それのどこが「平壌の平凡な家庭」なのか?という疑問は置いとく)、オイルヒータはあるのですが、燃料が足りていないことが推察できます。

他にも電燈の点いていない廊下や、日暮れ時の町並みからは、電力事情の悪さが垣間見えます。

きらびやかな衣装を着て踊る若者たちの後ろに、路上のゴミ箱を漁る子供たちが写っていたり、フレームワークの妙を見せつけます。

当然わざとやってるわけですが、撮る方も最初からヤル気満々だったんですなー。


2017年1月27日(金曜日)

2012年に日本の対馬で盗まれた仏像が翌年韓国で発見された事件は、仏像の返還を韓国司法が止めて問題になっておりましたが、この度、14世紀に倭寇によって奪われたものだと主張していた韓国の浮石寺に引き渡すよう、韓国の裁判所が命令を下したそうな。韓国政府は控訴の方針だとか。

分かんないのは、日本の場合憲法98条2項日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。と書いてあって、国内事情の如何を問わず「文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約」に基き速やかに返還されるとしか思えないわけですが、韓国では内国法が条約に優越するんでしょうかねぇ。(なお、大韓民国は当該条約の締結国)

条約より国内法が優先されるとなると、その国と条約を締結する意味が無くなり兼ねないわけですが、韓国は最近各種条約を蹴とばすことにご執心です。

勿論、法の支配なき国際社会の話ですので、それを押し通す力があれば構わないのですが、逆を言えば押し通す気がある、即ち覇権国家たる意図があると看做されると思うわけですが、まあ、今やその時代が近づきつつあるとは感じなくもなく。

時代の最先端を行っているのかも。


2017年1月28日(土曜日)

春節。

米国のトランプ大統領が矢継ぎ早に大統領令を出してるんですが、米国の大統領令の範囲というか権限って特に規定がないのか……。

いや、凄いな、それは。

現在の日本では勅令は出ませんが、かつての勅令にしろ現在の政令にしろ、かなり制限が強いものですから、日本では行政権者が好き勝手にできる余地は殆どありません。そういう意味では立法府の権限が強い制度であるとは言えるかも知れません。

米国の場合、行政と立法が完全に分離しているので、行政側が暴走した時、立法側から止めるには予算を止めるとか、かなり副作用が伴う方法しかないんじゃないかと心配になります。

他所の国のことではあるのですが、世界に影響が出ますからねぇ……。


2017年1月29日(日曜日)

NHKの経済フロントラインで米国で最も売れている車のランキングを紹介してたんだけど、

  1. フォードFシリーズ
  2. GMシルバラード
  3. FCA Ram P/U

……ビッグスリーのピックアップトラックが三位まで独占とか、米国の自動車市場ってのはホント特殊ですわな。

四位以下十位まで日本車でしたが、所謂乗用車が殆どで、多少SUVが入ってたかな。

日本の場合

  1. プリウス
  2. アクア
  3. シエンタ

ですからねぇ……。シエンタもハイブリッドモデルがあって半分くらいはハイブリッドが売れてるそうなんで、四位以下のラインナップを見ても、日本ではハイブリッドモデル(好燃費モデル)の設定がないと売上上位に食い込めないという感じではなかろうか。

それに対して米国自動車会社が日本市場に対して適合性・競争力のある車種を商品として持っているか……という話になるわけですが、せいぜいフォード・フィエスタくらい。それもこれフォード・ヨーロッパが設計製造する欧州車ですからねぇ。

米国企業だけに、米国を第一に考えちゃうと、やっぱピックアップトラック優先の思考になっちゃうんですかね。


2017年1月30日(月曜日)

航空自衛隊那覇基地の第9航空団第204飛行隊所属のF-15DJ(機番92-8097)が、前脚のタイヤが外れるトラブルで滑走路を塞ぎ、2時間ばかり滑走路が封鎖されたそうな。離陸前で良かったと言うべきか……。

那覇基地那覇空港と軍民共用空港なので、こういうことは起こり得ますわな。そして那覇空港は日本でも上位に入る繁忙空港なため、各方面に影響が及んだ由。第9航空団も某国機に対するスクランブルで今や最も忙しい部隊ですから、軍事面への影響も小さくなかった筈。

那覇空港は2020年を目処に並行滑走路を増設する予定ですが、事態を鑑みれば、下地島あたりに自衛隊を移転させるのもアリではないでしょうか。

それはともかく、前輪が外れてしまうというのは、着陸時だったら機体全損も覚悟しなければならない大事故です。原因の究明と再発の防止を期待したいところですが、根本的なところで第9航空団の多忙さを解消する必要があるのではないかと思う所です。


2017年1月31日(火曜日)

久しぶりの血尿。

結石の季節である……。