哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2014年2月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2014年2月1日(土曜日)
 「強襲揚陸艦、海自に導入へ=離島防衛・災害対応を強化だそうで。
 現在自衛隊の揚陸艦としてはおおすみ型がありますが、運用上「小さ過ぎる」という問題があって、就役当時自衛隊最大だった艦ではあるのですが、より大型の、本格的な強襲揚陸艦は望ましいところです。
 ただまあ、本当にただ要求を積み上げていくと、米国のアメリカ級強襲揚陸艦の3番艦以降とかいう、排水量5万トンでそこいらの空母より遙かに巨大とかいう艦になりかねないんですよね。あな恐ろしや。
 個人的にはロシア空挺軍みたいに、車輛はもとより装甲車輛だって空挺投下だ!という狂った思想も大好きですが。

2014年2月2日(日曜日)
 コミティア。

 自宅のネットワークに不具合が起こり、原因を探って行ったら、ハブのポートが一つ死んでるっぽいとわかるまで15分程かかった。
 こんなことあるんだなー……。

 自宅の近所のスーパーに併設されていた書店が閉店して、困ったなと思っていたら、同じ場所に別の書店が入った(おい)。
 で開店ということで行ってみた。
 店の形は同じで、物理的な棚の配置も同じようなものだけど、配架は異なっていて面白いものだな、と。
 明らかに以前の書店より、本が探しやすい印象。
 売れ筋の本はレジの近く。女性向けと男性向けの雑誌は列が分かれていて、レジの前には話題の本を積み上げる平台ワゴン。文庫もジャンル比率が変わったせいか、見通しが良くなった感。
 使ってる本棚が違うわけでもなく、本当に配架の違いだけなんだけど、これ程までに印象が変わるものなんだなぁ。特に「見通し」が良くなったと感じるのは良い点だろう。


2014年2月3日(月曜日)
 朝、NHK BSで世界の放送局のニュースを見るのが習いなのですが、CNNは異様な程スーパーボウル一色だった。

 「ビッグデータ分析で、中国政府による検閲の中身が明らかに」という記事に、中国政府は人の手で検閲しています。恐らく、20万人ぐらいの担当者がいて、一つひとつ投稿を読んで取り下げるかどうか決めていると思います。とあって、中国だなぁ……とか。
 20万人の手作業とか、想像を絶するわ。検閲ポリシーを浸透させることを考えただけで破綻しそう。


2014年2月4日(火曜日)
 寒い立春。
 雪の天気予報は愈々当たり、夕刻から雪。
 交通機関が乱れないうちに早々に帰る。

2014年2月5日(水曜日)
 「東京メトロ、非常用地上バッテリー装置による走行実験に成功」と興味深い技術。
 JRなどでは車輛に電池を乗せて走る実験を行っていますが、こちらは地上に電池を置いて回生電流を蓄えたり、非常時にはこれを利用して車輛を移動させようというもの。
 JRの場合は電化されていない区間に乗り入れるという想定でしたが、地下鉄の場合既に電化されてますからね。また車輛側に改造が要らない点も利点でしょうか。
 非常時に電源が喪失しても、とりあえず次の駅まで動ければ、救助や避難が非常に楽になります。これは好ましい技術じゃないでしょうかね。
 ただまあ、地下で巨大なリチウムイオン電池火災とかは考えたくありませんけど。

 朝日新聞に「最古の日本語新聞を確認 「1862年元日」付、京都でという記事があったんですが、突っ込みどころがちらほら。
 天保暦の文久二年正月元日はユリウス暦の1862年1月18日、グレゴリオ暦だと1862年1月30日になります。
 逆に、ユリウス暦の1862年1月1日は文久元年12月14日、グレゴリオ暦の1862年1月1日は文久元年12月2日になります。
 歴史学を学んだ人間にとっては暦日の大切さは説明不要なのですが、日本の場合中等教育(高等学校)までの間に暦法についての教育を行わないため、基礎的な知識が浸透していない嫌いがあります。大学となると、歴史学か天文学でも学ばないと、暦法に触れる機会すらありませんしね。
 現在我々が使っている暦はグレゴリオ暦ですが、これは太陽暦としては非常に完成された正確性を有しています。本来はローマ・カトリックの宗教暦ですが、1582年の公布以来、宗派を超えて、多くの国と地域で採用されています。日本では明治5年太政官布告第337号によって明治5年12月3日(天保暦)を明治6年1月1日(グレゴリオ暦)とする事とし、以後補遺を加えて現在まで使用されています。
 が、既にお分かりの通り、各国でのグレゴリオ暦の採用年次には差異があり、全ての国で一斉に施行されたわけではありません。当然、それ以前のユリウス暦との間では日付に食い違いがあり、文献によってどちらの暦を使用しているかは、注意深く確認する必要があります。
 また、キリスト教暦以外でも、日本の太陰太陽暦は天保暦に至るまで何度かの改暦がありますし、支那の暦も日本とは微妙に異なります。他にもイスラム暦(ヒジュラ暦)という純粋太陰暦もあれば、ペルシャ暦という太陽暦もあります。
 変わったところだと十進法を採用したフランス革命暦だとか五曜制としたソビエト革命暦なんちゅーものもあります。
 この他にも世界各地で歴史上、また現在も、様々な暦が利用されていて、「○年○月○日」という記述が一体何の暦法によって書かれているかを判読しないと、天文学的な暦日の特定はできません。
 とまあ、このような知識は歴史学上は不可欠なものなのですが、必ずしも一般社会において浸透していないというのは残念なことです。
 そして前掲の古新聞は「文久二年正月元日」が「1862年1月1日」と書かれていた、と。著者に暦法への理解が無かったんですかね。
 東スポでも日付だけは正しいとか言われるのに……。

 もう一点、記事中では「木活字組」と書いてあるのですが、一見した所、木活字じゃなくて木版ですよね、これ。
 書誌学を勉強した人なら間違うことはないと思うんだけど。


2014年2月6日(木曜日)
 SonyよりVAIO終了のお知らせ
 今自宅でVAIO GとVAIO Zを使っている身としては、何ともやるせない。でも、納得するところもあり。
 VAIOがかつての505でデビューした時に、大きく業界が変わったことの一つが、天板のロゴが上下逆になったこと。それまで閉じた状態でロゴが使用者に読める向きに書かれるものだったものが、開いた状態で周囲からロゴが読めるよう逆向きにした505のヒットによって、全てのノートPCのロゴが逆向きになったのだ。あの変化は今でも憶えている。
 しかし衝撃的なデビューを飾ったVAIOの歴史は迷走の歴史とも言える。Sonyらしい軽く薄く小さくという要求は、CやらUやらPやらというキワモノを生み出し喝采を浴びる一方で、売れ線からは外れたラインナップを埋めるべくOEMやらEMSやらで“フツー”のVAIOを作っては売り、一方でRだのXだのTP1だのというぶっ千切ったマシンを作り……。
 察するに、「売れない自社製造ぶっ千切りVAIO」と「売れる他社製造並VAIO」の鬩ぎ合いが最後まで止揚できなかったのだろう。
 私は勿論「売れない自社製造ぶっ千切りVAIO」が好きだからGやZを使っているわけで、売れ線のVAIOには興味も無かったわけですが、今後のVAIOがLenovoに買われたThinkPadのようになるなら、もうLet's noteしか選択肢がないいな。

2014年2月7日(金曜日)
 ちょっと必要ができて、古いCD-Rを引っ張りだして読み出そうとすると、幾つかのファイルでエラーが出て読み出せない。やはり台湾製の廉いメディアは駄目じゃのう……。
 というわけで、CD Rocovery Toolbox Freeを使って強引に読み出す。データは壊れていたけど、使えるところだけ再利用して……。
 タイムスタンプは1999年と2000年。こんなもんか……。
 できるだけ国産を使うようにはしてたんだけど、学生時代は廉さに負けてたからなー。
 DVD以降は、特段理由がなければ相変化メディアを使うようになった。初期のDVD-Rは品質に色々問題があって、結構な割合で焼きミスを起こしたもんで……。

 東京で今夜から雪という予報だったので、スーパーで食料品を買い込んでおく。


2014年2月8日(土曜日)
 今冬、天気予報で雪を予報しても降らない・積もらないを繰り返してすっかり信頼を失っていた気象庁ですが、今度は当たりを引いたようで、暴風雪状態。外にでる気も起こらず、ぬくぬくと布団の中に逃げこむ。
 テレビのニュースでは交通機関の乱れや怪我や事故を延々と報じている。受験シーズンだけに、大変な目に遭っている人もいるようだ。
 外の世界は一体どうなっているのか……(苦笑)。

2014年2月9日(日曜日)
 何やら45年振りとかになる積雪で、東京は雪景色。

 投票所への道もご覧の通り。
 投票率も上がらないだろうなぁと思っていたら、20時に即当確が出た。
 結果は順当。
 投票日の天気が悪いと、一般に浮動票が減り、組織票が效いてきますのでね。
 まあ、順当な結果だったんじゃないですかね。

2014年2月10日(月曜日)
 東京都選挙管理委員会から、都知事選の開票結果が出ていたので、ちと加工してみる。
順位氏名政党得票数得票率
1ますぞえ要一無所属2,112,979.00043.40%
2宇都宮けんじ無所属982,594.76720.18%
3細川護熙無所属956,063.00019.64%
4田母神としお無所属610,865.00012.55%
5家入かずま無所属88,936.0001.83%
6ドクター・中松無所属64,774.0001.33%
7マック赤坂スマイル党15,070.0000.31%
8鈴木たつお無所属12,684.0000.26%
9中川智晴無所属4,352.0000.09%
10五十嵐政一無所属3,911.0000.08%
11ひめじけんじ無所属3,727.2070.08%
12ないとうひさお無所属3,575.0000.07%
13金子博無所属3,398.0000.07%
14松山親憲無所属2,968.0000.06%
15根上隆無所属1,904.0000.04%
16酒向英一無所属1,297.0000.03%
有効投票総数4,869,097.974 
供託物没収点486,909.800 
 反原発組(宇都宮、細川)は足しても舛添に及ばず。
 田母神みたいなのに投票する人が8人に1人もいるっちゅーのは、絶望的な気分になるな。

2014年2月11日(火曜日)
 王様の家で熊肉カレー。
 何やら北海道の友人から貰ったという熊肉と鹿肉の処分を集まってやるという話。
 しかし熊肉というか食肉目の肉ってのは、基本的に旨いものじゃないな。カレーなら食えるというかカレーの力の偉大さよ。
 その点、偶蹄目(鹿)は美味で宜しかった。

2014年2月12日(水曜日)
 昨日のカレーの前に朝一番で映画「RUSH」を観てきた。
 1970年台のF-1を舞台に繰り広げられたジェームス・ハントニキ・ラウダのライバル関係を描いた作品なんだけど、古いF-1ファンには非常に良い作品だった。
 それにしてもえらく臨場感溢れる画が多くて、CGも進歩したもんだな、実写と見分けが付かねぇぜとか思ってたら、当時の実車やレプリカを元F-1ドライバーに走らせて撮ったとか読んで吹いた。さらにピットインのシーンなんかは役者にフォーミュラカーを運転させたとか、無茶苦茶や(褒め言葉)。フォーミュラカーって、普通の人間には真っ直ぐ走らせることもできないってのに……。

 半島の方で南北次官級会談が行われるそうで。
 韓国の報道を見ていると、日本と北の接近が危惧されているようです。よく分かりませんが。確かに、日本と韓国の間が疎遠になると、北が接近してくるのが予てからの通例なのですが、今回はそのような気配は無かったような。日本側からの接近というのは、拉致被害者問題があるから難しいでしょうし。
 まあ、どこの国でも外国を“自分たちから見た○○国”として行動を予測するものではありますが、“韓国から見た日本”は実態との乖離が著しい所があるので、気にしても仕方ないのですが、その虚影に基づいて韓国の外交が展開されるというのは、好ましい状態ではないとは思うのですよね。


2014年2月13日(木曜日)
 NHKに「エジプトで日本のアニメ楽しむイベントという記事があったんですが、まあ、言論・表現の自由は素敵なことなんですけどね、地域が地域だけに、急進的な動きが反動を呼びそうで怖いですな。何分、米国でも宗教右派による攻撃があるくらいで、地域によってはアニメに非キリスト教的と批判があるとか人生の葛藤を生み出したりしているようですからして、宗教的圧力の強い地域においては、お目溢しを受けられる規模を超えると、より強い反動が予想されます。
 宗教過激派の場合、それが言論から暴力へ直行してしまうのでねぇ……。
 まあ、日本でもその昔「アニメバイブル」みたいなキリスト教アニメが放映されていた時代もありましたので、「アニメコーラン」とかやってみれば良いのかも知れません。
 日本のアニメによって多様な価値観が学べるのであれば、それはそれで一つ有益なことではないかと思います。はい。

2014年2月14日(金曜日)
 先週末に続いて、東京は雪。
 夕方から厳しくなるという予報だったので、1時間早出している普段よりさらに30分早く会社へ行って、早目に切り上げることにする。
 しかしどうやら早目に業務を切り上げる会社が多かったようで、帰りには混雑に巻き込まれた。

2014年2月15日(土曜日)
 先週末の雪が融け切っていない所に新たな雪が降ったもんだから、あちこちで大きな被害が。東急東横線では列車追突事故が起きたり、関東で倒壊家屋がちらほら出たり。余り耐雪設計してなさそうだもんな……。
 駅や空港で夜を明かした人も多かった模様。
 私は家でお籠りさんをしていたかったのだけど、図書館に本を返却しに行かねばならず、雪中行軍。寒かった……。

2014年2月16日(日曜日)
 今日も寒かったなぁ。雪は大分融けたみたいだけど、暫く路肩なんかの日当たりの悪い所に雪が残りそうな感じ。
 そしてまた水曜日頃に降るとか言ってやがる……。

2014年2月17日(月曜日)
 「車いすのまま運転できる車「Kenguru」、米国で予約開始」なんて記事があったんですが、タケオカ自動車フレンドリーとどう違うんですかね……? まあ、米国法に合わせる必要があるっちゅーのは分かるわけですが。
 勿論こういった製品が世に出ることは歓迎すべき事柄で、障碍者自立を考えれば補助金出せよと思わずにはいられないのですが、一方で、普通車の方ももう少し何とかならんものかと考える次第。
 まー、こういった車輛は健常者にとっては物珍しく、海外から聞こえてきたら載せたくなるのは分かるんですが、まずは国内に目を向けてやれよと。

2014年2月18日(火曜日)
 「アメリカ軍が3年間放置しても食べられる携行型軍事用ピザの開発に成功」という記事に思わず「それは野菜ですか?」とツッコミを入れたくなった。野菜云々以前の問題として食い物かどうかを考えるべきかも知れん。
 優秀な兵士を必要とする米軍の開発であるからにはヘルシーであることは疑いあるまい。
 まず「ヘルシー」の定義を確認したくなるが。

 予算不足で建造が一年遅れたり、その後二年連続で昭和基地に着岸できなかったりと、不運の艦という印象が強くなりつつある二代目しらせですが、今度は座礁……。
 無事離礁できたようですが、無事の帰還を祈りたいところです。

 「野球U18W杯 日本で初開催へという報に接して思うことは、そもそも日本では18Uの大会をやっていない件について。
 現時点では、18U(旧称AAA)ルールに則った公式試合は、日本国内では行われていません。
 毎年春夏に阪神甲子園球場で行われているアレは、日本独自の作法によって行われているある種の神事であって、実は国際的に認められた野球ではないことは広く知られるべきことです。
 それどころか高野連は18U大会への選手の派遣を拒否したことすらあります。
 そのような国で18Uの世界大会を開催するというのは、実に不思議なことです。
 無論、これを奇貨として、古習を改め、因習を断切り、高野連を解体して高校野球を尽く18Uとして再編するというのであれば、それは素晴らしいことであり、私としても同意せざるを能わざる所であります。


2014年2月19日(水曜日)
 「フルSiCインバータとモータを一体化、EV用モータドライブシステム」という面白い情報。
 次世代インバータとしてSiC(炭化珪素)が有望というのは以前から言われていましたが、昨年時点では自動車用はまだ見ぬ所だったわけですが、案外早く出てきたな、という印象。
 こいつの良い所はモータとインバータが一体化しているので、例えば後二輪を駆動させるために左右に積めば、左右を別々に制御できることですね。LSDが要らないですな。
 いち早い実用化を期待したいところです。

 最近、米国発のニュースを見ていて、校内乱射事件の扱いがひどく小さいと思っていたのですが、「校内銃乱射10日に1件 米、12年末以降ということだったようで。そりゃーニュースバリューもなくなりますわな。日常の光景というやつです。
 しかしこりゃどうやって防いだものか、さっぱり見当も付きません。
 勿論、銃の所有を規制するのが手っ取り早いのですが、米国の場合これが憲法の制約上、あるいは社会要求上難しいという事情があります。
 とりあえずライフル協会的には、学校に武装警備員を配置しろというになるのですが、ある程度有效に機能しているようです。最近では教員の武装化が全米各地で進んでおり、専門訓練を受けた武装教員と学校への公的銃配備が話題になっています。となると、次は生徒が武装自警団を編成しろとかになるのかも知れません。


2014年2月20日(木曜日)
 「水上走行もできる4人乗り超小型EVをベンチャーが開発、水害の多いタイで販売」とかいう記事があって、中々面白いクルマだな、とか。
 このFOMM社がどのくらい本気なのかよく分からないのだけれども、アイデアには一定の評価ができると思う。実用車としてどうかと言われると、新興国向けかなぁ、とか。
 操縦システムがバイク式なのは、実は案外良いと思う。

2014年2月21日(金曜日)
 仕事の資料としてILLで手にれた資料が非常に良くて、これは一冊手に入れたほうが良いかも知れんと思ったものの、ネットの古書店にはどこにもない。
 電子化してくんねぇかなぁ。

2014年2月22日(土曜日)
 JSL漢字学習研究会第49回研究会なんっちゅーものに行ってみる。
 日本語学習者に対する漢字教育は、もしも今後日本が本当に移民に道を開くのであれば避けて通れない問題だから。
 で、行ってみて、漢字を要素分解して、基本要素に近い漢字から教える方が合理的とか色々やってたんだけど、常用漢字くらいの漢字を分解して整理して大変面倒なことを今更やってて、思わず質疑応答で「IDS DBとか使わないんですか?」って聞いたら、その場でIDSを知っている人間が一人もいなかったというオチがついた。
 かくして車輪は再発明される……。
 見学した感じでは、漢字学習に付いては学習者のモチベーションをいかに維持するかが重要、という印象を持った。日本人なら小学生から12年かけて常用漢字を習得していくものを、かなり成長してから始めるんだから、そりゃぁ大変だろう……。
 正直、相当なモチベーションがなければ続かないと思うんだよな、漢字学習って……。

2014年2月23日(日曜日)
 文化審議会国語分科会から、「「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)について」が21日に発表されていたらしい。
 段々国語辞典染みて来たな……。
 いや、実際、本気でやろうと思ったら国語辞典になっちゃうんだろうけど、いっその事アカデミー・フランセーズみたいな常設組織による辞典編纂事業にしたらどうかと思うな。
 常用漢字も、事実上機能してないんだから、同様に常設機関による漢和辞書編纂事業に再編して……。

2014年2月24日(月曜日)
 なんか都内の図書館で「アンネの日記」のページを破るという書籍損壊事件が明るみになったそうで、世界的な話題になっている模様。
 この件についての私の意見は以下のTweetと同じ。
 けだし名言であろう。
 それが「アンネの日記」であるかどうかはこの際問題ではなく、図書館の本を故意に汚損する行為そのものが罪悪であり、如何なる理由であれ本に対する憎悪犯罪は一汎に許されない。
 己の正義を信じる者に鉄槌を。
 我ら遍く本を守らん。

2014年2月25日(火曜日)
 ウクライナの件はお先真っ暗感が凄いのでとりあえずスルーすることにして、英国の話題。
 英国ブリテン島北部、スコットランドでは今年9月に独立を問う住民投票が予定されています。
 スコットランドには現在独立した議会があり、連合王国議会に保留されていない権限の範囲内での立法権を持ちます。実を言えば元々スコットランドは大陸法体系をとっており、英米法体系のイングランドウェールズ北アイルランドとは法体系が異なる地域です。
 文化的にも、イングランドとの統合は18世紀と遅く、同君連合ですら17世紀の出来事ですので、色々と独自色があります。もっとも、スコットランド・ゲール語を喋る人間は少ないようですが。
 18世紀にグレートブリテン王国としてイングランドと合併したとはいえ、スコットランドには連綿と独立を求める声があり、近年になって議会の再設置などの動きが加速。本年の住民投票へと繋がっております。
 当然のように問題は山のようにあって、スコットランドとしては北海油田の権益が自分たちのものになるという想定をしているようですが、英国政府は共同開発を主張しています。
 他にも、通貨GBPを継続して使うとスコットランドは主張しておりますが、英政府はこれを否定しています。現在発行されているスコットランド・ロイヤル・バンクから発行されているスコットランド・ポンドはGBPと等価ですが、独立後にどうなるかは不透明です。
 EU加盟についても異論があり、スコットランドは英国から独立し、英国はEU加盟国なんだから加盟国待遇だと言っておりましたが、EU側は新規加盟国扱いになると言っており、加盟プロセスを踏めと言われております。当然これはかなりの事務処理を必要とされます。
 実は防衛に関しても、王立海軍の戦略原潛基地がスコットランドのクライド海軍基地にありまして、これをどうするのかといった問題が転がっていたりします。
 現在の世論調査では独立否定派がやや優勢といった所ですが、今後の動き次第では逆転もあり得ます。
 個人的にはややこしいことは勘弁して欲しいなといった所です。

2014年2月26日(水曜日)
 内閣府が「移民受け入れなら1億人維持=年間20万人で−内閣府人口推計と発表したとかで、元情報まで辿れなかったので報道ベースに考えますが、計算上は人口は維持できるでしょうが、その場合の日本社会の負担を考えてないのが怖いですね。
 欧州の移民受け入れ政策がどうなった、については、実に豊富な事例が転がっています。フランスは言うに及ばず、成功例とされたスウェーデンですら、今や移民反対政党が議会で勢力を持ってきています。フランスなどは移民に対する無償のフランス語教育までやったのに、それでもあの始末なんですよね。
 というかですね、日本もかつて朝鮮人や日系ブラジル人という形で移民を受け入れたのですから、その結果がどうなっているかを仔細に検討してみればいいんじゃないですかね。日本がかつて受け入れた朝鮮人労働者は敗戦時に230万人とか言われていますが、それが残した影響は今でも残っています。
 1990年代に受け入れが始まった日系ブラジル人デカセギは約35万人と言われていますが、そのアフターケアですら碌に出来ていない日本が、毎年20万人の移民を受け入れられると考えるのは、楽観を通り越して阿呆ではないかと思いますな。
 それらが齎す社会的負担を、雇用企業が全部引き受けてくれるというなら、まだわかりますが、賭けても良いけど絶対しねぇからな。

2014年2月27日(木曜日)
 そういえば、アンネの日記の話題に絡んで、アンネ・フランクの著作権ってどうなってるんだろうか?と気になった。
 著者アンネ・フランクは1945年に亡くなっているので、日本国内での保護期間は死後50年+戦時加算3,844日(蘭)で2006年7月10日に満了している計算になりますか。
 オランダの著作権法での保護期間は、1995年のEU指令までは50年、その後は70年らしいので、まさに駆け込みで延長されており、2015年、即ち来年に本国(ここではEUと言うべきか)での保護期間が終了する筈です。
 勿論翻訳には別に翻訳者の著作権が発生しますが、オランダ語原著からの翻訳は自由にできるわけですな。
 正直言えばもっと早くにパブリック・ドメイン、全人類の財産となっていても良かったと思うのですが、財団の收入源と言われると難しい物もありますな。
 ピーター・パン化は勘弁して欲しいですが。

2014年2月28日(金曜日)
 昨年11月にトルコとの防衛技術協力の話題があった時に日本としては第三国への輸出が問題になりそうって書いてたら、本当にそうなってしまった
 トルコ側の要求が無茶だったってのはあるんだけども、幸先は悪いなー。