館内で金田さんと落ち合う。CSのBook TVで放映された小林めぐみのインタビュービデオを録画してもらっていたのだ。金田さんは私の事を変人だと根拠も無く盲信している一人なのだが、二人で繩紋人骨の前で熱く語り合ってしまった。何しろ私は、大学二年までは考古学を志していた人間なのだからして、繩紋についてはちょっとうるさいのだ。
今でこそ、なんだかよく分からないヤクザな仕事に就いてはいるが、これは世を忍ぶ仮の姿なのだ。絶対に。
金田さんからビデオを受け取り、一行は一路秋葉原へ進行。PS2フィーバーを見に行こうという趣向だったのだが、祭は既に終わっていて、あったのは無残なまでの品切れの札だけだった。
今日一日で何万台出たのだろうか? 品簿は予想通りなのだろうが、今後の供給体制が問われるところ。どこぞの二の轍を踏んでは、笑いものだろうて。
土浦駅で、古本市が……。
なんだかかなりしっかりした古書店らしく、江戸時代から戦時中の貴重な本が!
中に、某AA研のチベット地域に関する研究報告書が!
おお! とか思っていきなり中を確かめさせてもらう。地理風俗に言語……。だが、研究は音声言語であって、記述言語については全く言及が無かった。
よって、買ってこなかった。
SCEのPlayStation2の出荷台数について、三日間で98万台とかいう発表がある一方で、手に入らなかったという声多数。事実、つくば近辺でも、初回出荷分は予約だけで捌けてしまったようで、その後の入荷は未定にも拘らず予約は受付中という店が多い。
一体誰が嘘を吐いているのやら(微笑)。
マイクロソフトがゲーム機を作るとか報道されていた。
うーん。
マイクロソフトの作るハードウェアは実は侮りがたいからなぁ。ソフトはクソミソなんだけど、あそこの売っているハードは、マウスにしろジョイスティックにしろ、品質が良い。案外良いもの作ったりして……。
風邪がなかなか良くならない。藥飲んで寢てしまうが、駄目だねぇ。
ゆうりすオタク一番がつくばを去った。今後彼は「デンパ大阪」と名乗るらしい。
満都拉さんからは、頼んでいた本を内蒙古で買ってきたとのメール。内蒙古で、蒙古文字で書かれたコンピュータの技術書があったら購入してきて欲しいと頼んでおいたのだ。これも仕事がらみだね。ああ、忙しい忙しい。
こういう時こそスケジュールをきちんと確認しないと、大チョンボをしでかすものである。……と、スケジュールを覗いてびっくり。シューレの学生ゼミが今日だったの?!
時刻は16時半。慌てて17時丁度の高速バスに飛び乗って、ギリギリで王子シューレに飛び込む。
本日のお題は、1月に発表された「21世紀日本の構想」にある「第5章 日本人の未来(第5分科会報告書)」だった。
一読すると分かるとおり、非常に偏狹で時代錯誤的な内容が並んでいる。読んだ後に「俺ってもしかしてアナーキスト(無政府主義者)やったんか?」と自問自答してしまったほどである。
教育が統治手段的な側面を持っていることは否定しないが、このご時世にその側面を強化しようというのでは、全体主義志向と言われても仕方あるまい。大体、まず最初に国とか国体とかいうものが無条件に存在しているのが気に喰わない。ついでに言えば日本人と日本国民を区別してないところも問題だ。
最後にトドメを刺しておけば、「未知の世界を恐れない冒險心を持ち、目先の功利性を超えた無償の好奇心に駆られ、同時に結果として起こるかもしれないリスクに対して自ら責任を取る精神」を持った人間に心当たりはたくさんあるが、どいつもこいつもとんでもねー奴等ばかりだぞ。
内容とは関係のない指摘をしておけば、ローマ数字はWindowsシステム外字だから、Web上で使ってはいけないんだぞっと。
つくばは車社会だ。その中で車を失うとどうなるか?
レンタルビデオ屋まで片道自転車で20分。返却のために往復しただけで、隨分と体力を消耗してしまったわい……。
星虫が朝日ソノラマから再版されるという噂を聞いて、今から気もそぞろ。
TADもきちんと仕様書を読めば実に多機能であることが分かるんだけど、殆ど実裝されていない。もちろん、本来ならサードパーティーやフリー/シェアウェア作家がそういった多機能TADエディタを開発するのが筋なんだろうけど。
私の仕事の一部として、TADの強化のための下調べがあったりするわけなんだけど、強化し過ぎると例によって「規格上の存在」になってしまいかねないし、かといって電子の翻刻のためには讓れない機能もあったりする。
なかなかに痛し痒し。
F1開幕! 今年の第一戦目は、M.シューマッハーが勝ち取っていった。BARホンダもビルヌーブが4位に入賞。もう一台も7位。やっぱF1はエンジンが全てですね……。
トヨタもF1参戦を表明しているけど、個人的にはやっぱり童夢を応援するな(^^)。
片岡先生は最近ひじょーに警戒していて、何か言っては、「日記に書くんじゃないぞ」と私に念をおすのだ。今日も面白い発言が色々あったのだが、口止めさせられてしまったので、表だっては書けない。折角ネタになる人なのに……。
口止めされなかったネタを。
図書館情報大学の学生が、なにやら片岡先生に迷惑をかけたらしい。今年度卒業予定の学生と知り合いなのだそうだが、その学生、国家公務員の司書試験に合格し、任地が近畿北部と聞いて早々に北京都に居所を定めてしまったそうなのだが、結局任地は奈良教育大だった……。かくして、どうやって通勤したらいいのかと片岡先生に電話をかけてきたとか。
そしてついでに自前のPCが壞れてしまったとかで、データのバックアップをしたいとも言い出して、片岡先生のところへやってきて、10base-Tでちまちまとデータを吸い出したそうな。
粗忽な学生もいたもんだ……。
片岡先生曰。UNIX系OSしか使えないわ、自力で自分のPCの面倒もみれないわとは、一体図情大ではどういう教育をしているのだ、と。
私は図情大の教育に関して権利も責任も持たないので放言になってしまうのだが、図書館系の学生と情報系の学生の間の習得知識技能の違いが大きくなり過ぎてきているような気がする。私はもっと高いレベルで均整のとれた学生を輩出すべきだと思うのだが……。
もっとも、PCのメンテなんて技能としてあまり高いものじゃないがね。
昨日CICCで貰ってきたペルシャ語の文字コード仕様書を大学でコピーする。一部は[ピー]MCのS谷さんへもたらされる。英語版はさほどでもないのだが、やはりペルシャ語版の方が興味深い。アラビア文字とペルシャ文字の混植って、やっぱり頭痛いよ……。
先週壞れた車が直ったと連絡があった。しかし考えても見てくれ。ここはつくばの中心街なのに、向こうは土浦市のはずれ、中貫だぜ? どうやって取りにいけばいいんだ? 代車が貰えなかったのが、痛い。
結局、バスやらタクシーやらを乗りついで工場へ行くことになった。修理代はタダだったんだけどねぇ……。
つくばに帰りついた後、久方振りにゼミに参加した。
気がついたら、年度末を目の前にして、各研究室や院生室で保管されていた(あるいは蓄積されていた)、古い機材が廊下に運び出されていた。年度の初め頃に廃棄手続きをした国有財産がいよいよ廃棄されるというわけである。
なんというか……、手続きが面倒なのはわかるのだが、いくらなんでも時間がかかり過ぎやしないだろうか? しかも廃棄される物品ときたら、PC-9801Fとか。研究室の肥やしにもなりゃしない。
朝、まず大学へ出向くと、雨の中、国有財産の処分が行われていた。ふと箱の中を覗くと、まだ使えるCanon F-1とレンズ6〜7本が! もしかしてレンズが割れているのかと調べてみたが、どれもこれもまだ十分使える。これ本当に廃棄するのか?とか思っていたら、阪口先生が、マニュアルのカメラなんて使える人間はおらんだろうと言っていた。
そうだろうか? とりあえず露出計さえ内蔵していれば、大抵のカメラが使える私としては、格安で払い下げてもらいたかった。
そこから今度はJRひたち野うしく駅から、一路東京へ。上野で乗り換え、東京から中央特快で高尾まで。合計二時間強。関東の北の端から西の端へ移動したようなものだな(笑)。
八王子のきつい坂道を歩きながら、体力の衰えを感じた頃に会場に到着。すると、見たことある顏が。あ、あれは美崎さんじゃないか。なんでも、マイコミPC Webで記事を書くんだそうな。
セッションのパネラーは以下の通り(敬称略)。
美崎さんに突っつかれて、一つだけ私も発言しました。
大規模漢字セットが多数流通するのは喜ばしいのですが、図書館側としては、質が低くなるのは困りもの、と。大体、文字セットって、JIS X 0208ですら正しく使われていないのが現実なのだ。一例としては、長音符号とマイナスを混同している人は少なくない。
ちなみに、JIS X 0208で横棒に見える記号は、長音符号、数学のマイナス、ハイフン、全角ダッシュ、罫線(細太二種)の合計六種類。当然のように私は全て目視で区別出来るが、これは別に変態技でもなんでもなく、一般技能である。
なお、X 0213では1/2ダッシュとハイフンマイナスが追加されたので、スキルアップが必要だろう。
それはいいとして、とかく漢字が増えると喜ぶのは結構だが、図書館系の人は今後も「間違いだらけのソースデータ」に悩まされ続けるのであった。
合掌。
セッションが終わった後、サイト見てますという人が現れて、内心ドキドキだったりして(^^;。最近、TRONと関係ないことを書き散らしているだけのような気が……。
ああ、そう。今回のセッションの中では、GTと文字鏡の発表でTRONの話題が出てきていました。両方とも、TRONコードの中に取り込まれる予定ですからね。そういえば、JIS X 0213ってどうするんだろう?
美崎さんと話をしながら京王線に乗る。
すでに美崎さんのとこに書いてありますが、$$FONT.BOXが破損するバグが超漢字にあるようです。運悪く当たってしまった人は、涙を飲んで耐えましょう(こらこら)。
他には、多言語のことなどを。特に、坂村先生の昨今の発言について、私が鬱憤をぶちまける。いくら花火を打ち上げるのが坂村先生の仕事とはいえ、ちょっと最近的を外してきている。このままだと、BTRON全体に悪影響を及ぼしかねない。
さても困ったものよ。え? それよりさっさと仕事しろ? それはごもっとも。
夜、デンパ大阪よりメール。元気らしい。
横綱若乃花が引退してしまい、関取で応援しているのが旭鷲山関だけになってしまった。技巧派が好きなんですよ。でも小兵の技巧派力士って、どうしても短命ですから……。
できれば若乃花には、KONISHIKIのように、平幕になっても取り続けていてもらいたかった。
埼玉県の浦和、大宮などの合併に関して、新市名の候補が出ていた。「さいたま市」「埼玉市」「彩都市」「さきたま市」「関東市」。はっきり言って、どれもあまり雅じゃない。一番良いのは「彩都市」かなぁ。それでも私なら「彩絢市」くらいにはするぞ(笑)。
どうだろう、提案なのだが、ここは一つJIS X 0213に入っていない漢字を使って、「行政地名をカバー」したJIS X 0213に対抗してはいかがだろうか。そして大々的に宣伝する。一部の人から熱狂的な支持と、狂信的な反感を買うであろう。
台湾(中華民国)の総統選挙で、次期総統に陳水扁氏が選出された。
彼の人の為人については殆ど知らないのだが、中華人民共和国の方が危險視する独立志向のある人間だと聞き及んでいる。
台湾の独立について、個人的には賛成である。「中国は一つ」のお題目は結構だが、台湾は経済的にも大きくなっており、国際政治の舞台において公的発言力のない立場は、不利に働く。今後の発展を考えれば、いつかは考えねばならないことだ。
一方、台湾の独立は、東ティモールに続く、中国への圧力になる。あの国は色々とアンバランスであり、武斷主義傾向が強い。そーゆー国が大国になってもらうと、近隣国としては迷惑極まりないからね。
帰りのバスで、竹居さんと偶然鉢合せになる。某デンパ大阪の話やコンピュータの話などで盛り上がる。
今日も疲れたなぁ。ええと、あと三日でせにゃならんことがどれだけあったかしら……。
22日の大学は、やけにデンパがバリバリしていた。24日に控えた修了式へ出席するために、デンパ大阪がつくばにやってきていたからだ。そしてこれは全ての予兆だったのだ。
月内に仕上げなければいけない仕事を大学で片付けていた私が、大学から自宅に戻ってきたのは23日午前2時半頃だった。日記を書いてメールを読んで、とっとと寢てしまおうと思っていた私に突きつけられたのは、DOSもWindowsも全く起動しないというトラブルだった。
この時、原因に気付いていればこの後の苦労は全く無かったのだが、愚かにもこの時、私は原因に気付かずに、Windows95の再インストールに走ってしまったのだ。
再インストールしたWindowsは、唐突に「新しい機器」を発見、ドライバを要求しだした。再起動すると、当然コンフリクトが発生し、状況は悪化してく。そしてディスクドライバがリアルモードになるに至る頃、Windowsの再インストールは三回を数え、時刻は午前6時に近付いていた。
MS-DOSの再インストールは数秒で終わるのに、Windowsはインストールしてもすぐにおかしくなる。これまでのアップデータを捨てる覚悟で実行した、完全な上書き再インストールが失敗するに及んで、こちらも覚悟を決めた。
Windowsのシステムディレクトリを飛ばして、完全な新品インストールに走る。この時時刻は午前7時半。
そして私の戦いは午前9時まで続き、この頃になって、私はようやく原因に思い至っていた。
先日も少々Windows95のご機嫌が悪かったので再インストールをやっていたのだが、その時、ブートセクタを書き直すのを忘れていたのだ。
Windows95 OSR2は、DOSとの選択ブートをやると、二度と立ち上がらなくなるという“作為じみた”バグがある。よってブートセクタをw95bootというフリーソフトで書き換えておかないといけない。
これを忘れていたのだ。
つまり、起動しなくなった時点ででも、w95bootを使ってブートセクタを書き換えちゃえば良かったのだ。
私のやってたことは、「無駄骨」「徒労」「骨折り損のくたびれ儲け」とか表現されるものだったわけだ。
明日はBTRON Clubから徹夜でカラオケの予定。(「仕事しろ仕事」とかいう声が聞こえてきそう……)
まず25日篇。
BTRON Club。坂村先生の講演は“Crazy English”(原題:『瘋狂英語』)だった。中国に実在する英語教師のドキュメンタリー映画なのだが……。「金儲けのために英語を勉強しよう!」を掛け声に、数万人を動員するカリスマ英語教師ですからねぇ。坂村先生はしきりに「これからはCrazy TRONで行こう」とか言っていたけど、なんか昔「We are crazy for TRON」っていうロゴなかったか?
映画は、6月24日からBOX東中野で公開ということなので、興味のある方はどうぞ。
私の発表は、恙なく終わ……らなかった。文字属層の話は、混乱と混沌と狂乱の世界だ。さあ、一体どうする?
BTRON Clubが終わった後、nyちゃんときしもとさんとで、「遠い空の向こうに」(原題:October Sky)を観に行った。1950年代、炭坑町に住むロケット少年達が、夢を追いかけ、そして辿り着く話。
実に良い作品でした。お薦めです。
映画の後は、πちゃん、tottoさん長濱さんと合流して、ゲーセンのちカラオケへ。最初に爆風スランプの「45歳の地図」とか「ハイランダー」とか「完敗」を歌ったら、tottoさんはすっかり私をコミックソング好きだと勘違いしたようである。
朝まで歌って、帰ろうかと思ったら京浜東北線が人身事故で止まっていた。
26日篇。
文芸系同人誌即売会「ぶんぶん」第一回。京浜東北線の人身事故や高速バスの遅延のため、遅刻してしまう。
GODSPEEDのてつまさんやWeLFAの義忠さん、そして海野綺蕾さんなどと熱く語る。徹夜明けの朦朧とした脳味噌で、なんかヤバいこと口走ったかも……。
てつまさんからは、「小熊さんのプロフィール見ると、“この人一体何者?”って思ってしまう」とか言われる。そんなことないと思うけどなぁ。
茨木さんもやってきてお土産を頂いた。有り難うございました。
ぶんぶんが終わった後、直帰して寢てしまう。夜中まで、ぐっすり寢た。しこたま寢た。
露の大統領選挙は本命が予想通りの勝利。
アメリカでは、28日にMS裁判の判決公判。
日本では相も変わらずの瀆職報道。
NHKの新番組、「プロジェクトX」は素晴らしい番組です。是非見ましょう。
巨大プロジェクトに成功させた人間ドラマを追いかけるこの番組、第一回は富士山頂レーダーだったんだけど……どうしてこういう人知を越えたプロジェクトには、紙一重の人間が集まるものかね。
「人並みの人間には人並みの結果しか残せない」って言葉があったと思うけど、人並み外れた人間が集まらないと完成しないプロジェクトなんかには、できれば一生関りたくないものだ。
私は人並みで十分です。
ふと書店で竹居さんと出会う。ちょっとだけ立ち話をする。某デンパ大阪と私が、竹居さんの仲間内しか知らない筈のWeb Pageを、いつから知っていたのかと問われた。いつからってねぇ……そりゃ「公然の秘密」って奴だったと思うんだけど。本人は、どうやら学内では自分のもう一つの顏は完全に秘匿できていたと思い込んでいたらしい。
そんなことあるわけないじゃん。あんなにデンパ飛ばしといて……。
書店へ行って、小林めぐみの新刊やらなにやらを買い込んできたのだが、ふとコミックGumに来月から流星ひかるの連載が始まると予告されているのを見て喜ぶ。
気がつくと、三食とも買い食いだった。あーあ……。包丁が錆びちゃうよ。
気分直しにコンビニへ行ってモーニングを立ち読みしたら、幸村誠の『プラネタス』が掲載されていてちょっと気分がよくなる。
NHKの『クローズアップ現代』が7時台に移動してしまったため、最近殆ど見れていない。せめて深夜にもう一度再放送があればいいのだが。
この春のNHKの番組改変では、テレビ朝日のニュースステーションの対抗馬『ニュース10』が登場しているが、今ひとつドタバタ感が拭えない。もうちょっと工夫しないと、半年限りの命になりかねないとか思ってみたりして。
書き忘れていたけれど、Microsoft裁判の判決公判は延期された。和解交渉が進行中と言うことらしいが……。どちらも和解はしたいだろう。しかし、両者の考え方の間の隔たりは大きいように見える。
MSの斜陽は喜ばしいことだが、かといってBTRONの夜明けには繫がらないし、今夜が明けられたら、誰も幸せにならないだろう。
本日で法的に学生でなくなるため、最後の荷物を引き上げて来る。その際、長澤孃の運転する自動車に乗ることとなった。彼女は未だ仮免許の身であるからして、「仮免許練習中」の札を掲げての路上走行である。
デンパ大阪氏(当時は“ゆうりすオタク一番”)は、3月3日に彼女の操る車に同乗し、「一ヶ月以上寿命が縮んだ」と宣ったものである(詳しくは彼の日記の3月5日の項を参照のこと)。ちなみにその時は学生用駐車場の中を移動しただけで、今回は一般道の上を路上実習(笑)である。
とりあえずA4の紙に150pt.で「仮免許練習中」と印刷し、車の前後に張り付ける。私の荷物を積み込んで、さあ出発である。ふと助手席回りを確認すると、サイドブレーキレバーがない。足踏み式パーキングブレーキ……つまり、最悪の場合の制動手段はないということだ。まあ、もしもの時はシフトレバーに手をかけるさ、と楽観する。
恐る恐る発進。大学正門から右折するところで、まず引っ掛かる。焦らずに車が途切れるまで凝っと待つ。左折。カーブ。そして信号。少々ブレーキが遅いが、まあ許容範囲だろう。車間距離が少なめなのに反応が悪いので、つくばセンターの辺りで先行車にかなり近付く。私が密かに衝突に備えていたことに、彼女は気付くまい。
当然のことなのだが、経験の浅いドライバーの運転は、予測に基づく回避行動が殆どなされないので、つい対応が後手後手に回る。例えば、一時停止の道から車がノーズ半分程飛び出してくる、といった事態への対応だ。ミラーによる後方確認が少ないのも気になった。
私の家で荷物を下ろし、今度は「ドライブスルーというものを経験したい」という彼女の希望でマクドナルドへ向かう。マクドの敷地の中をぐるぐる回るときに、「S字とかクランクって本当にあるんだ」と妙な感心をしていた。
マクドから大学へ無事戻り、車庫入れの時に一悶着。何度やってもきちっと車が枠の中に收まらない。何度切り返しても、だ。
横に載っていた私には、とてもよく理由が判っていた。なにしろ彼女は、同じ所を延々と進んだり戻ったりしてたんだから。つまり、切り返しが切り返しになっていなかったワケだ。
最後に私が手を出して、なんとか車は枠に收まった。こりゃ車庫入れは特訓が必要だろう。他の部分については、まあ及第点だ。
食餌にする。長澤孃のマクドは奢り。タダ飯だ。幾つか運転で気がついたところなどを注意しておく。
果たして彼女の運転に、日曜日もお付き合いすることとなった。
付き合いがいいねと言われるが、そうだろうか? 別に私の損になることではないからなのだが、普通は仮免の隣に乗ったりはしないと言われた。
もしかしたら、先日逝った祖父の血なのかもしれない。
プロ野球セントラルリーグ開幕。
野球好きにとっては、勝てば選手を誉め称え、負ければ監督コーチを罵る季節の到来である。我らがジャイアンツは見事に開幕戦を取りこぼした。ああいう野球をやっていては、絶対に優勝は無理だろう。
カープがきっちり“野球”をやっていたのに、ジャイアンツときたらホームランコンテストをやってるんだから。
いいや俺は。選手たちが活躍してくれれば、それでいいから。二軍の試合でも応援するさ。