哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2009年9月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2009年9月1日(火曜日)
 なんか間違って11歳に投票用紙を渡してしまったとか、逆に21歳に投票用紙を交付しなかったとか、選管のミスがぽろぽろ出てきていますな。
 全く、日本の人定って奴は……。
 前から思ってはいるのですが、投票所の入り口で、身分証の確認くらいして欲しいですよ。大勢に影響はしないのは分かってはいても、気分の良いものじゃないですからね。
 日本における(リーズナブルな)人定システムの構築って、今後国民の参加(裁判員制度など)が増えれば増えるほど、必要になると思うのだが。

 そういえば柔道の世界選手権で日本男子は金メダルなしに終わったとか報じられていましたね。国際スポーツとなった以上、已むを得ないところもあるのではないかと思いますな。
 一方で剣道の第14回世界選手権(於サンパウロ)では日本は男女個人・団体の全てを制覇する完全優勝。
 特に男子団体では三年前に敗れた米国を決勝で4-0で下し、見事雪辱を晴らしました。(男子団体試合動画 via YouTube:1,2,3,4,5
 特に前回のメンバーでもあった大将寺本選手、副将高鍋選手の感慨や一入でありましょう。
 しかしこれで終わりではありません。次の大会は三年後。勝って兜の緒を締めよ、の気持ちで頑張っていただきたいものです。


2009年9月2日(水曜日)
 ファームウェアをVer.3.0にアップデートしたPS3でHDDレコーダの中の動画をDTCP-IP経由で見てみた。
 見れることは見れるのだが、同じ部屋の中で、同じラックの中に入っているPS3とレコーダの間でやることじゃないと思った。

 というわけで、昨夜撮っておいたNHKの「知る楽 歴史は眠らない」の9月シリーズ「戦後日本 漢字事件簿」第一回を視聴。
 うーん。
 話を単純化することは視聴者に分かりやすい番組作りには不可欠なんだろうけど、やはり戦前・戦中における“殖民地日本語”“大東亜語”とかの話を拔きにしてしまうと、戦後の日本語改革が何もないところから突如沸いて出てきたような印象を与えてしまうような……。
 それに、戦前の漢字政策ったって、それほど単純じゃないしね。
 もっとも、その辺は語り始めると番組に收まらなくなるだろうし、視聴者も苦しいだろうからなぁ。


2009年9月3日(木曜日)
 そう言えばネタにしようと思って忘れていたのですが、先月、その筋では有名な会社である三鷹光器が太陽発電用の集光装置の実験装置を作ったと発表していました。
 太陽熱発電というとかつてサンシャイン計画で香川県仁尾町に作ったタワー型発電所を思い出しますが、あれは結局所定の発電量が得られずに、中止となったんでしたっけねぇ。
 望遠鏡と手術用顕微鏡で有名な三鷹光器が、太陽追尾望遠鏡の技術を応用して作ったというヘリオスタットは、これまでのヘリオスタットに比べ、遙かに低コストで太陽追尾が可能であるという話。何と、光電センサとモータだけで、コンピュータを使っていないとか……。
 ヘリオスタットの鏡群の制御のためのコストは非常に大きく、これについては兼ねてから太陽熱発電における問題とされていただけに、三鷹光器の力が活かされることを強く期待するところです。

 なんかジェラルド・カーティス米コロンビア大教授が「小選挙区制度は日本に不向き」と発言したとか
 カーティス教授といえば日本政治学の大家で、「代議士の誕生」(サイマル出版会刊)は日本の政治研究における金字塔であります。60年代における日本の選挙、代議士排出システムはどのようなものであったかを知るための必読書です。版元廃業のため長らく絶版でしたが、この度復刊するそうな。
 かつて平成5年まで続いた中選挙区制度は、一党が圧倒的多数を占めることを妨げ、様々な小政党に棲息域を与えて来たという評価は根強いものがありますね。
 もっとも、現在の小選挙区比例代表並立制も、かつての細川政権が二大政党制を目指して導入したものなので、思惑通りといえば思惑通りなんでしょうけど。
 ただ、二大政党制が日本に於いて良い制度なのかは、些か疑問があるんですよ。どうしても大正‐昭和初期の立憲民政党‐立憲政友会による二大政党制を思い出してしまうんですよね。野党が与党を攻撃するためにあらゆる手段を行使した結果、憲政が崩壊し、軍部の擡頭を招いてしまった過ちを、繰り返しやしないかと、今の民主党を見ていると懸念が深いのですよね。
 ちなみに私自身は、中選挙区制や、制限連記制の大選挙区制が良いのではないかと思っています。参院は逆に完全比例代表にすると良いのではなかろうかと。


2009年9月4日(金曜日)
 JCastによれば、NHK内で昭和天皇のドラマ制作が検討されているとか。
 その前に明治天皇を大河ドラマでやりませんか? そっちの方がとても面白いですよ。

 北が国連安保理に「ウラン濃縮は完了段階」と通告してきたそうな
 状況は一向に好転しないまま日本では政権が交代しますが、果たして次なる首相・外相・防相はどのような策を以ってこの問題に当たるのか、注視したいところです。
 なにせ、前の国会では北朝鮮船の臨検を実施するための船舶検査法が、民主党の反対で廃案になっておりますので、きっと他のもっと良い手を打ってくださることでしょう。まさか旧案と同じ案を提出するなどということはないと信じますよ。


2009年9月5日(土曜日)
 いきなり「来年1月撤退で一致へ 給油活動で民社国3党ですか。
 正直、気が狂っているとしか。
 インド洋での給油活動は、日本の装備が活かせて、かつ他国からも感謝される、それはもうリーズナブルな活動なのですが、それをわざわざ取りやめて、アフガニスタンに行こう(しかも文民)というのは、損得勘定がどっか斜め上に逝ってしまっているんじゃないかと。
 ソマリア沖海賊対策も、海保では無理というのは、海保自身が認めているところなのに……。それとも、海保を米沿岸警備隊並みの準軍事組織に格上げして、装備を拡充するという話なんだろうか。多分違うだろうな……。
 沖縄と米軍の問題については、最早お手上げ。しかも駐日大使は外交経験ゼロのジョン・ルース。日本側の次期外相は岡田克也だそうな。
 色々、後始末が大変なことになりそうだ。

2009年9月6日(日曜日)
 蒲田。
 そういえば来月はM3があるんだけど、横浜かー。
 でも欲しいCDあるんだよなー。

 なんか民主党の考える内閣には、「国家戦略局」なる部局があって、副首相以下の民主党議員が詰めて予算他の国家戦略を討議するんだそうで。
 民主党の議員さんたちが永田町の官僚より実務に精通し、かつ優秀でもある、という前提が成り立つなら、それなりに機能するんじゃないでしょうかね。まあ、手っ取り早く動かそうと思えば、民主党の議員にも官僚出身者は少なからずおられますし、元官僚の民間人の登用という線もあるのでしょうけど、そういう人達を国家戦略局に配置するのは、官僚の天下り禁止を叫ぶ党の綱領に抵触するんじゃないかという気はしますが。
 元本職の投入を忌避するとなれば、その道については素人同然の議員が官僚の頭越しに命を発することになり、結果として国政の混乱と迷走を生むのではないかと危惧されるところです。
 民主党のこれまでの準備を踏まえたお手並み拝見といったところですか。
 昔話をしますと、かつて日本では軍内部での権力鬪争に敗れ、退役した将官が政党に取り入り、政府の陸軍大臣/海軍大臣となって軍政を壟断し復仇を遂げることを阻止するという建前で、軍部大臣現役武官制が復活した、なんていう過去があります。
 その制度が今度は逆用されて軍部の意に沿わない政権を潰すために使われるようになるのはご存じの通り。
 口当たりの良い政策が良い結果を生むとは限らないのが、この世界の常でしてね……。


2009年9月7日(月曜日)
 ゴマブックス民事再生に
 ゴマと言えば伝説の怪書ブツッ……

 先月Blu-ray Disc参入を宣言した東芝ですが、第一号機を発表、何やら「東芝、BD参入に激しい葛藤 次世代テレビでリベンジ」とか記事にもなっておりますな。
 噂によれば某社のOEMということですが、正直言えば、昨年の撤退以来、何をしていたのかと。
 まあ、HD DVDを推しちゃったような経営陣だからこそ、HD DVD撤退後も即座にBlu-rayへ移行できなかったんだろうけど、これは糾弾されて然るべき判断ミスだと思う。


2009年9月8日(火曜日)
 Gigazine経由、ニュース二本。
 なるほど、これが健全な社会って奴か。
 実に素晴らしいな。
 どうも私はそんな社会には生きていけそうにない。
 じゅりちゃんミツルんは気を付けるんだよ。

 漢字小委があって傍聴していたのだが、審議会が終わらないうちにニュースが配信されていたりして。

 今日の小委員会は、言わば二部構成で、前半で内閣法制局から提出された文字追加意見の検討を、後半戦で試案の案の検討と表名の検討、という予定だったのだが、結局表名の検討は時間切れで行えず、次回へと持ち越しとなった。
 既に詳細なレポートが小形さんのblogに掲載されているので、そちらをご覧頂きたい。
 こうやって記事を並べてみると、読売の特異さが際立っていることが分かります。読売新聞の担当記者は特定の委員と繋がっている可能性が高いと見える。

 「電車痴漢対策を強化へ=「相談増加、悪質手口も」−すり捜査員も投入・警視庁という記事に接して思うこと。

  1. 女性専用車輛は本当に役に立っているのか?
  2. それとも女性専用車輛があるからこそ、この程度の増加で済んでいるのか?
 どっちなのかね。
2009年9月9日(水曜日)
 昨日の読売の記事だが、今朝の朝刊には見当たらなかった。昨日の夕刊に載ったのだろうか?(タイミング的には厳しい気もするが)

 サモアで、自動車の通行帯を右側から左側に変更する措置が、7日に取られたそうな
 珍しい事例ですな……。
 日本では米軍統治下で右側通行だった沖縄の交通を、本土復帰後の1978年7月30日に左側通行に変更した「730」などの事例がありますが、国単位でやったのは二十何年振りなんじゃなかろうか。
 しかしその理由も今ひとつよく分からんのだよなぁ。それって本当に意味のある変更なんだろうか……。
 まあ、陸続きじゃない島国だからできることではありますな。


2009年9月10日(木曜日)
 米国防総省のモレル報道官が、定例の記者会見において、日本にインド洋給油活動の継続を強く促したと報じられていました。
 質疑応答の文字起こしはこちら

Q A question from Japan.

MR. MORRELL: Yes.

Q A new administration is coming next year.

MR. MORRELL: Yes.

Q The administration is thinking to pull out from the Indian Ocean refueling mission, which is the only Middle East contribution from Japan, and also were seeking to modify the Okinawa replacement base plans, and then -- and what -- and seeking to modify the SOFA [Status of Forces Agreement] between the United States. Do you have any concern about this?

MR. MORRELL: Let me make a general statement. Then I'll try to answer the specifics.

And I can tell you this: that we in our initial interactions between my colleagues here who deal with members of the newly elected party in Japan, they have reported back that the new government suggests -- that the new government places a very high value on the U.S.-Japanese alliance. And so while there has clearly been a change in political leadership in Japan, we are hopeful that there will be continuity in the strength of the alliance between our two countries.

And so we look forward to continuing to work with the Japanese government, with the new Japanese government, when it is formed, on security issues.

I think that with regards to the Indian Ocean refueling mission, we have greatly benefited from -- as has the world, for that matter -- from Japan's participation in those efforts, and we would very much encourage them to continue those efforts.

Japan is a great power, one of the world's wealthiest countries. And there is an international responsibility, we believe, for everyone to do their share, as best they can, to contribute to this effort to bring about a more peaceful and secure Afghanistan, to avoid it returning to a country that could launch attacks against Japan, the U.S., any of our friends and allies around the world.

So we look forward to working with them on that. And we also look forward to working with them on all the -- on all the existing agreements that we have in place and are trying to bring about an execution to, including realignment -- the base realignment, the Guam realignment and so forth.

So we look forward to working with the new government, and we're not going to prejudge where they are until we begin to sit down with them. And I know there was a lot of campaign rhetoric, and that's to be expected. But there's a difference between campaigning and governing, and we think that when the responsibility of governing comes about, that people will appreciate, as they -- we have every reason to believe they do, the importance of this alliance and the importance of working together on these agreements. Okay?

 会場からの質問に答えた形ですが、これはどうも日本の記者のようですね。(でも質問がやや変だけど)
 日本は世界の大国として果たすべき国際的な役割があり、給油活動は継続して欲しいと明確に表明しています。
 で、これに対して鳩山氏がどう答えたかというと、、、
インド洋給油、海自撤収の方針変わらず 民主・鳩山氏が強調

 民主党の鳩山由紀夫代表は10日午前、米国防総省が民主、社民、国民新の3党連立政権にインド洋での給油活動継続を求めたことについて「こっちには求められていない」と述べた。来年1月に期限を迎える給油活動を延長せず、海上自衛隊を撤収させる方針に変わりがないことを強調したものだ。都内で記者団の質問に答えた。 (11:01)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090910AT3S1000F10092009.html

 こっちには求められていないってアンタ……。Morrellさんの話はもろに民主党(と政権与党)を指しているでしょうが。
 本気でこんな回答したんだとしたら、見識を疑われると思うけど……。

2009年9月11日(金曜日)
 H-IIBは無事成功。HTVは軌道上へ。

 サッカー世界杯の開催を来年に控えた南アフリカ共和国から、RFC 1149 "A Standard for the Transmission of IP Datagrams on Avian Carriers"和訳「鳥類キャリアによるIPデータグラムの伝送規格」)の実装に成功したとか言う、微笑ましいニュースが飛び込んできた。

 2001年ノルウェーにおける実装実験が失敗に終わってから、挑戦する者もないと思われていたこの偉大なRFCに果敢に挑み、電気通信に勝利するという輝かしい成果を收めたことについて、賛辞を惜しむことができません。

 家に帰ったら、自宅鯖がHDDエラーでデータ吹っ飛ばしてた。
 復旧作業にかかる。


2009年9月12日(土曜日)
 エンドレス復旧作業。
 日付が変わる頃になって、漸くメールを復旧させる。ただし、データは結構飛んでしまった。

2009年9月13日(日曜日)
 データが吹っ飛んだことはまあ仕方ないにしても、他の部分で奇妙な現象が起きているのは困るなー。なんだこれは……。ファイルのエントリだけが残って実データが消えているとは。そしてエントリを消せない罠。
 BTRON的に表現すれば、実身が無くなって仮身だけが残ってしまい、そしてその仮身を消すことも動かすことも出来ない、って感じ。
 上書きも名称変更も移動も削除もできないなんて、どうすりゃいいんだ?
追記:chkdskくらいでは消えてくれない。
2009年9月14日(月曜日)
 大分復旧してきたけど、まだ細かいところ色々残ってるなぁ。
 そういえば、来週って連休なんだっけ。
 なんか連休となると結石だったりシステム障害だったり、碌なことねぇな。

2009年9月15日(火曜日)
 三菱自工i-MiEVの2010年度分の購入希望台数が、8月だけで900台だったとか
 月販900台ってのは、軽自動車としてみれば一桁足りないレベルなんですが、値段を考えれば異常と言うべきか。ベース車のiの月販目標が800台(これは元々が軽としては高価な車種のため)だし、459.9万円という価格を考えるとレクサスの高級車とタメ張ってるもんな。
 個人購入者の比率は分からないということですが、物好きが多い国民性というのは、新技術の発展に不可欠なものなので、今後も売れて行って欲しいものです。

 仏PeugeotにOEM提供されるi-MiEVはiONという名前になったそうで。2010年末に発売、と。
 独VWも2011年発売予定の小型車Up!をEV化し、E-Up!として2013年に販売を開始するとか。
 Up!は元々smart for twoトヨタiQなどと同コンセプトの超小型車で、エンジンリア置きなんですな。三菱iと同じように、電気自動車改造が比較的楽なんじゃないでしょうかね。
 VWの公式発表他によれば全長3.19m、電動機出力60kW/210Nm、最高時速135km/h、車重1,085kg(うちバッテリ重量240kg)、バッテリ容量18kWh、航続距離130km、ってところのようですね。
 ……って、良く見たらフロントドライブになってる。わお。

電気自動車の比較
E-Up! Leaf KANGOO BE BOP Z.E. i-MiEV
全長 3,199mm 4,445mm 3,871mm 3,395mm
全幅 1,641mm 1,770mm 1,829mm 1,475mm
全高 1,468mm 1,550mm 1,812mm 1,610mm
ホイールベース 2,190mm 2,700mm 2,313mm 2,550mm
車重 1,085kg 1,591kg 1,100kg
最大出力 60kW 80kW 44kW 47kW
最大トルク 210Nm 280Nm 190Nm 180Nm
電池容量 18kWh 24kWh 15kWh 16kWh
航続距離 130km 160km 100km 160km
最高速度 135km/h 140km/h 130km/h 130km/h
駆動輪
 電池容量の割にはやけに軽いな。i-MiEVよりまだ軽いってのは、ベースの車体が軽いってことなんだろうか?

 そういえば「電気自動車開発技術展2010」(EVEX: Electric Vehicle Development Technology Exhibition)が来年7月14日〜16日に開催されるという話なんですが、公式サイトはまだないっぽい。
 電気自動車のニュースを追っていて気づいたのですが、これまでの内燃機関自動車と電気自動車で、設計上の大きな違いになりそうなのが「熱設計」なんじゃなかろうかと思うようになってきた次第。
 これまでの自動車においては、エンジンという熱源があったため、特に冬場の暖房については殆ど無尽蔵といって良い熱が供給できたわけですが、電気自動車は当然これがないわけです。冷房のみならず、暖房においても電力を使わざるを得ず、效率のよい冷暖房が不可欠です。現状、クーラーよりヒーターの方が電気喰うそうですから>i-MiEV
 そんなわけで、車体内で発生する熱をどう有效に移動させて使うか、無駄なく使うか、が結構重要な課題になるのではないかな、とか思うのでした。


2009年9月16日(水曜日)
 嘘が真実として流布されていくのを見るのは、辛い。
 昨年、韓国の現大統領が就任した際、天皇陛下からの祝電を特別に賜ったとの虚偽を流布したが、今日の中央日報記事「MB「天皇陛下訪韓、韓日過去歴史に終止符打つ意味」」を見る限り、虚偽はそのまま流通しているようだ。
天皇陛下も韓国に友好的だ。李大統領が就任した当時、異例に祝賀のメッセージを送ったことに続き、昨年、李大統領が訪韓を要請したことに対し「政府が決めるべきことだが、ありがたく思う」とした。
 このフレーズにある「異例に祝賀のメッセージ」が虚偽であることは、論を俟たない。
 嘘は、かくも容易に流布され、そして気が付くと“真実”へとすり代わって行く。

 鳩山内閣発足。

氏名 年齢 リンク 党派・派閥
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 62 公式,Wikipedia 鳩山グループ
副総理大臣
国家戦略室担当大臣
経済財政諮問会議担当大臣
総合科学技術会議担当大臣
菅 直人 62 公式,Wikipedia 菅グループ
内閣官房長官 平野 博文 60 公式,Wikipedia 鳩山グループ
総務大臣 原口 一博 50 公式,Wikipedia 羽田グループ
外務大臣 岡田 克也 56 公式,Wikipedia 無派閥
防衛大臣 北澤 俊美 71 公式,Wikipedia 羽田グループ
財務大臣 藤井 裕久 77 公式,Wikipedia 小沢グループ
法務大臣 千葉 景子 61 公式,Wikipedia 横路グループ
文部科学大臣 川端 達夫 64 公式,Wikipedia 川端グループ
厚生労働大臣 長妻 昭 49 公式,Wikipedia 無派閥
農林水産大臣 赤松 広隆 61 公式,Wikipedia 横路グループ
経済産業大臣 直嶋 正行 63 公式,Wikipedia 川端グループ
国土交通大臣
防災担当大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
前原 誠司 47 公式,Wikipedia 前原グループ
環境大臣 小沢 鋭仁 55 公式,Wikipedia 鳩山グループ
国家公安委員長
拉致問題担当大臣
中井 洽 67 公式,Wikipedia 小沢グループ
金融担当大臣
郵政問題担当大臣
亀井 静香 72 公式,Wikipedia 国民新党
消費者担当大臣
少子化問題担当大臣
食品安全担当大臣
男女共同参画担当大臣
福島 瑞穂 53 公式,Wikipedia 社民党
行政刷新担当大臣 仙谷 由人 63 公式,Wikipedia 前原グループ

2009年9月17日(木曜日)
 現在開催中のフランクフルトモーターショーで、前述のプジョー、VWだけではなく、ルノーやアウディ、ダイムラーなんかも次々と電気自動車を発表しているようですね。アウディの電気自動車がe-tronって名前だったのには笑いましたが(苦笑)。
 電気自動車の時代が本当に来るのかどうかは未だ未知数ですが、世の中が面白くなるのは歓迎です。
 そう言えば、電気自動車とは直接関係ないのですが、「ナルセペダル注目 ブレーキ、アクセル踏み違いなし 熊本県生まれ 91年特許申請 高齢者向けPR」なんて記事を見て面白いな、と。
 これまでの自動車のアクセルペダルとブレーキペダルは、それぞれ燃料噴射と制動装置を直接制御するところに由来するのですが、最近のハイブリッド車や電気自動車に於いては両方とも本来の意味から離れてしまっており、加減速指示器でしかありません。さらに言えば、両方とも機械的に加速/制動装置と繋がっている必要もありません。
 そう考えると、ペダル配置や構造が現在のままでなくても良いわけで、このナルセペダルは、電気自動車時代にこそ普及の足がかりがあるんじゃないか、なんて思いました。
 まあ、電車みたいな一本マスコンでもいいんですけど(笑)。確か昔ダイムラーがドライブ・バイ・ワイヤー車の実験でセンターに一本のスティックでコントロールする車輛を試作していた気がする。
 電気自動車の時代に相応しい操作系が生まれると面白いでしょうね。バリアフリーの視点からも。

 組閣から一夜明けたわけですが、早くもwebメディアのパージやら、官僚会見の廢止やら、情報統制に余念がないようです。様式美と申しましょうか、人間的で素晴らしいですね。事務方からの発表が規制されるということは、次は各省庁のwebサイトが閉鎖されるんでしょうか。
 また、畑違いの任命による“政治主導”の暴走の徴候も見て取れますねぇ。前原さんとか。
 民主党が主張する“政治主導”は、行政のエキスパートたる官僚よりも、選挙で選ばれた政治家(とそのスタッフ)の実務能力が高い場合にのみ、有效に機能するものですが、果たしてどうなりますことやら。


2009年9月18日(金曜日)
 辻元清美が国土交通副大臣ってのは、なんかのギャグなんかのう……。
 副大臣の顏ぶれを見ると、あまり適材適所って感じがしないのだが……。防衛副大臣の榛葉賀津也は一応適所か。
 政治主導って、政治家が好き勝手に国政を混乱させる権利のことを指すわけじゃないんだけどな。
 “やりたいこと”と“やらねばならないこと”があった時、後者を取らねばならないのが、閣僚たる者の使命なんだけど、政権公約は前者であって後者ではないのだと、分かってない奴が内閣にいるのは勘弁して欲しい。
 正直、公約なんか反故にしてもいいのよ、ちゃんとした理由さえ付けば。無意味に固執するのが、一番悪い。

2009年9月19日(土曜日)
 プリン設営日。
 とはいえ、今回ははくほー氏提供の「ギガプリン」を使用しての作業で、内容と来たら「お湯を沸かして粉を溶かしてバケツに入れるだけ」という、5歳児級。

 内容量も2リットルと、普段の鍋プリンに比べると僅か2/3。
 これが小さく見える辺り、頭の標準がかなり狂っているのではないかという気がしないでもないが……。

 「民主、議員立法を原則禁止 全国会議員に通知ですか。
 まあ、なんと言いますか、呆れますね。政府=与党という考え方が、既に、どこの社会主義独裁国家か、というところなんですが。次は野党の解散でしょうか。
 個人的にはこんなことより、党議拘束の原則廢止、とかの方が有益だと思いますけど。
 もっとも、今回当選した新人議員の質を鑑みてのことなのかも知れない、という辺りが悲しいところですけども。


2009年9月20日(日曜日)
 はくほー氏主催のバケツプリンOFF。本日は喫食日。



 今回の教訓。
 バケツプリンは手作りに限る。
 ていうか、このギガプリン、美味しくないよ、全然。

2009年9月21日(月曜日)
 睡眠時間が13時間とか。
 元々睡眠時間は長い方なんだけどね、流石に一日の半分以上寝ているのはどうかと(苦笑)。
 起きたあとは昨日のプリンのカロリーを消費するため、というわけでもないのだけど、自転車で40km強程走る。連休中だというのに、自動車はそれなりに走っていて、それ程走りやすくもなかったけど。

2009年9月22日(火曜日)
 日本での公開が未定となっていた「南京!南京!」ですが、国内配給会社が決まったそうな
 問題作でも観れることが重要だし、論評は観てからでないとね。
 ところで、「Based on true story」っていうのはつまり「これは嘘です」という意味だよね。
 似たような意味の言葉としては「この作品には真実が含まれている場合があります」とか。

2009年9月23日(水曜日)
 テレビのニュースを見たら、前原国交相が中止問題で搖れている八ッ場ダムの視察に行ったとか報じていた。
 はてさて、“政治主導”のお手並み拝見、の事例。
 個人的な意見としては、選挙公約に固執することは迷惑です。そんなものは状況次第によってとっととすげ替えるべきものであって、自らの誤りを認め、方針を転換することもまた、執政権者として必要な資質であると私は考えています。八ッ場ダムについて言えば、引き返し不能点はとっくに越えていると思うのです。
 八ッ場ダムを成田にしないためにも、民主党には責任ある判断を期待したいところです。
 そういえば、諫早湾の水門も開くの開かないのと言っておりますが、今更閘門を開いたところで元の環境に戻るわけでもなし。

 昨日を以て「知る楽 歴史は眠らない」の9月シリーズ「戦後日本 漢字事件簿」4回シリーズが完結したわけですが、昨日の最終回は中々の内容でしたね。
 非日本語母語者への日本語教育の現場から漢字表の意味を問うというのは、現在の漢字小委員会が敢えて目を瞑っている分野への切り込みで、宜しいんじゃないでしょうか。が、その辺の問題は政治化しやすそうなので、漢字としては深入りしたくないですね、出来れば。
 政治問題としては張り切って対処していただきたいところですけど>政権与党


2009年9月24日(木曜日)
 先日隣国大統領からあった天皇訪韓要請に対して、宮内庁長官がお断り申し上げる旨表明
 両陛下の外国ご訪問は国際間の懸案事項や政治的課題を解決するためではないというのは全くその通りで、何も李明博大統領のポイント稼ぎのために天皇陛下が御協力賜る必要はないわけでして。
 ただ、一時は禁止された役人による定例会見によって政治的な発言がなされた事が問題にならなければいいけど。

 本田技研ASIMOの技術を応用した一輪車を開発とか「人との調和を目指した新たなパーソナルモビリティ技術を開発〜前後左右に移動可能な世界初の駆動機構を採用〜」とプレスリリースを出していた。昨年は「体重支持型歩行アシスト」を発表していたけど、こちらも中々面白い。
 介護用品に「サドルチェア」というものがあって、うちの実家でも母が使っているのですが、この電動一輪車はサドルチェアの電動品としての使い方あるんじゃないかな、と思いました。

 ところでパナソニックはベッドから車椅子に変形する「ロボティックベッド」なるものを発表しているのですが、老人Z?とかいう反応は当然のものなんでしょうか。


2009年9月25日(金曜日)
 金沢大学の略称は「金大」で読みは「きんだい」。
 しかしATOKで「きんだい」と入力しても「近大」は出ても「金大」は出ない。
 阿波徳島的価値観というやつは、理解しがたいものが些かならずあるが、これもその一つか。

2009年9月26日(土曜日)
 就任以来問題続出(というか、積極的に作り出しているようにしか見えない)の前原国交相ですが、新たな火種を起こした模様。
「種子島宇宙センターの代替検討」 前原担当相発言に地元困惑
(2009 09/26 14:20)
 前原誠司宇宙開発担当相は25日、種子島宇宙センター(南種子町)に代わる大型ロケット発射場確保を検討する考えを示した。地元南種子町や県からは「寝耳に水」「聞いていないので分からない」と困惑が広がった。
 同センターは、宇宙航空研究開発機構の前身である宇宙開発事業団の発足とともに1969年に設立。基幹ロケット「H2A」を打ち上げる射場を抱え、総面積は約970万平方メートル。日本最大の宇宙開発施設だ。
 「約40年間地元として協力してきた。突然で非常に遺憾」と憤るのは名越修南種子町長。「どんな発想でそんな発言をされたのか真意を確かめたい」と、直接会うことも辞さない構えを見せた。
 同センターは、四方を海に囲まれ景観がよいことから「世界一美しい射場」とも評される。一方で、漁業補償の関係から、打ち上げ日数が諸外国の射場に比べ制限されている現実もある。
 同町議会宇宙開発促進対策特別委員会の大崎壽徳委員長は「漁業交渉を進めるためインパクトを与えようとしたのでは」と推測。射場整備には用地取得など莫大な費用と時間が見込まれることから、「新たにゼロから造るムダやリスクを考えると信じがたい」と冷静に受け止めた。
 県は、地元自治体などと「県宇宙開発促進協議会」を組織し、射場周辺のインフラの整備拡充などを国に要望してきた。担当の地域政策課は「大臣発言を直接聞いておらず、コメントできない」とした。
http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=19524
 まあ、記事にもある通り、種子島宇宙センターには漁業権に絡む問題があったり、液酸・液水製造設備がないとか、年中好きに射上げが出来るわけではないことは確かで、より勝手の良い射場を作って頂けるならその方が良いことは確かです。
 しかし、東と南とを海に面し、種子島より赤道に近く、本土にある工場からも便の良い場所って、どこがあるんでしょうか。
 種子島より南、となると小笠原諸島か琉球列島ということになりますが、後者はあまりお奨めできません。何分、軍用機が高密度で飛んでおりますので、ロケットの発射場を設えるにはあまり適した場所とは言い兼ねます。前者となりますと交通の便が悪すぎることが問題になります。何しろ空港もなく、現在もなお船で25時間かかるという状態ですから、論外というものでしょう。衛星追跡センターはありますけど。
 大東諸島であれば、という気もしないではないのですが、今度は環境アセスメントが問題になりそうなんですよね、あそこだと。沖大東島は米軍射爆場でかつ私有地だし。
 海の上にメガフロートでも浮かべて射場にするのでもなければ、土地の選定だけで相当揉めるんじゃないかな。ざっくり10平方キロの土地を確保しようって話なんだから。もっとも、スペースシャトルの射上げで知られるケープカナベラルのケネディ宇宙センターなんかは567平方キロもあるんですけどね。(どんだけ土地あんねんな……)
 まあ、脱ダムで浮いたお金で射場を作ろうっていう話なのかも知れませんけど。

2009年9月27日(日曜日)
 復活成ったサンクリにちょっとだけ顏出してみたり。

 10平方キロの土地をメガフロートで作るには、300m×60mのユニットが560基程も必要であると、計算式が教えてくれた。
 もしも実際にやったなら、国際鉄鋼相場と造船業界に影響を与えまくるだろうな……。
 海上射上げなら米国のシー・ローンチ社という会社がウクライナのゼニットロケットを使って石油掘削基地を転用した海上プラットホームからの衛星打ち上げをやっていたのですが、爆発事故を起こして今年6月にチャプター11
 もっとも、曲がりなりにもこの会社が運営できていたのはゼニットロケット、さらに言えばそのメインエンジンたるRD-171の性能に拠っているところが大きいので、H-IIA/Bで真似ができるわけではない。というか、できない。
 ゼニットロケットごとシー・ローンチを買收する……って、なんでそげなことをすることに……。


2009年9月28日(月曜日)
 9日間に及ぶ休みが明けて、今ひとつ調子が上がらない月曜日。

 「極東開発工業(株)の電動ごみ収集車に、三菱自動車工業(株)の電気自動車のバッテリーシステムを搭載—ごみ収集車の圧縮装置を電気で駆動−」というプレスリリースに、興味が引かれたのだが、良く見るとゴミ圧縮装置を電動化するだけで、車自体は内燃機関で動くらしい。うーむ。
 どうせなら全部電化すりゃいいのに、中途半端な。

 海上自衞隊小月航空基地35滑走路に着陸しようとしていた海自厚木基地所属のYS-11M(#9044)がオーバーラン、田圃に突っ込む事故。
 幸い、人的損害はなし。
 当時現地は小雨とのことですが、原因調査は端緒に着いたばかり。


2009年9月29日(火曜日)
 アールティ社による“着ぐるみ用人型ロボットRIC”とか、ヴィストン社の“人が乗れる二足歩行ロボット「OmniZero.9」”とか、日本の未来を指し示すロボットが次々と発表。(ええ〜)
 RICは「中の人」ロボットですが、高性能化して某荒ぶる有袋類のように静止芸ができるようになると良いですね。(ちょ)
 OmniZero.9は宇宙鉄人のグランゼルを思い出しました。ちょっとだけ。
 巨大ロボットの実現まで、指折り数えられるような気がしてきました。
 そういえば、神戸には鉄人ができたんだっけ。

 そういえば、夫婦別姓を認める民法改正案が次期国会で通過しそうだという話。
 まあ、毎年法案だけは提出されていましたから、今回は提出したら通るだろう、というくらいの感覚しかないですね。だって審議会から何からとっくに結論は出ていて、国会議員だけが揉めてる状態だったのですから。実施されたら実施されたで、元に戻せとまで反対する人もいないでしょうよ。
 その程度の問題。
 ちなみに私は夫婦別姓どころか創姓でもいいじゃないかという人ですので、基本的には歓迎しています。むしろ戸籍制度や人定のあり方に強く不満を抱いている人間で、どうせなら小手先の改正じゃなくて日本の人定・戸籍制度を含めた拔本的な見直しであって欲しいと思います。
 あー。でも最近はちょっと創姓はやめた方がいいかも知れん、とか思っていたりして

 前原さんが有人宇宙飛行をぶちあげたらしい。

 宇宙開発担当の前原国土交通相は29日、「日本も自ら有人打ち上げができる能力を開発していかなければならない」と述べ、日本独自の有人ロケット開発に向け検討を進める方針を明らかにした。
 宇宙開発を担当する大臣が、日本独自の有人宇宙開発に踏み込んだ発言をしたのは初めて。
 表敬訪問した宇宙飛行士の若田光一さん(46)が「日本が世界に貢献するには独自の有人打ち上げ能力、有人宇宙船が必要」と呼びかけたのにこたえた。前原国交相は「有人打ち上げはどうしたら可能なのか。一つの大きな目標ができた」と語った。
 日本独自の有人宇宙活動については、政府の「月探査に関する懇談会」が来年6月をめどに、月探査に関連して、その是非について報告書をまとめる。数兆円ともいわれるコストや、人命をかけることの意義が課題とされている。
(2009年9月29日19時20分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/space/news/20090929-OYT1T00969.htm
 言っていることは至極真っ当で、日本も独自の有人宇宙飛行を目指すべきという意見には賛成。なんだけど、熟慮の上での発言かどうかは、気になる。
 金をどこから出すのか、とか、リスクは誰が負うのか、とかね。
 政治主導で指示というのは見栄えは良いんだけど、政権が変わるところっと覆される危険性を孕んでいます。それは米国のブッシュ前大統領がぶちあげた「月へ再び」があっさり中止になった例を見ても分かる通り。長期に亙る研究開発が必要な分野に於いては、「何故行くのか」「何のために行くのか」といった根本的な部分での合意形成を蔑ろにしてはいけないと思う。

2009年9月30日(水曜日)
 朝のニュースで「サモアでM8級の地震」とか報じられていたのだけど、寝起きの頭では「サモアってなんか最近ニュースあったな?」くらいしか。津波が日本まで来るかも、ということで頭の隅には置いておいたけど。後で分かったのだが、サモアはサモアでも、東側の米領サモアの方だったらしい。

 夫婦別姓問題のみならず、日本人の多く実は戸籍制度に相当無知だったりします。というか、戸籍にまつわる制度やら届出やら、知悉しているのは役場の戸籍係だけと言っても過言じゃありません。
 例えば、戸籍は日本国籍者しか記載しない。つまり、国際結婚をした場合、配偶者は戸籍に記載されない。(配偶者が日本国籍を取得した場合は別だが、その場合は法律上は国際結婚ではない)
 当然、外国人配偶者の姓が日本人配偶者の姓と一緒になる、なんてことはない。元の国籍のままなら。
 ただし、日本人側が外国人側に合わせることは可能で、6箇月以内に「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出することで、戸籍上の氏を変更することが可能です。ただし、離婚しても簡単には元に戻せませんが。
 他にも「戸主」の問題とか。現在の新編戸籍には「戸主」という概念はないのですが、それでも未だに戸籍筆頭者を戸主だと思い込んでいる人は多くて、問題になることがあるのですね。
 とまあ、この辺は戸籍問題にちょっとでも興味がある人間にとっては当然とも言える話で、この程度の前提知識もなく話に参加しようとするのは迷惑だな、と正直思いますね。
 逆言うと、学べば学ぶほど理不尽さを感じるのが現制度なので、とっとと現状に合わせた改訂が必要だと思っています。
 明治に戸籍制度が生まれてから百余年、戦後の戸籍法になってから六十年余、そろそろ改訂の季節でしょう。日本人が思い込んでいるほど、現在の家族制度は伝統でも文化でもないのですよ。

 上の戸籍制度だけではなく、日本人が文化だとか伝統だとか思い込んでいるものの中には、少なからず「錯覚」が含まれていて、私個人としてはそのような錯覚に基づいた議論はご遠慮申し上げたいと思っています。