哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2008年5月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2008年5月1日(木曜日)
 識者Thanx。

 読売に「世論調査結果、面接とネット利用では大きな違いという記事があって、不思議な記事だと。
 何の説明もなく、対面調査のほうがネット調査より正確だ、としてしまっているわけですが、対面調査のほうが本音に近いことを示す根拠はまた別にあるんでしょうか。
 調査の内容によっては面接調査では本音が表れにくいものもあると思うのですが、その辺についてはノータッチでした。
 なんというか、歯切れの悪い記事ですね。

 ガソリン税が元に戻ったそうで。
 まあ、わかってたことなんで、大して気にもならないのですが。
 真面目な話、少々の混乱を覚悟で電気自動車へのシフトを大々的に進めてみてはどうでしょうか。
 炭酸ガス対策にもなるしねぇ。


2008年5月2日(金曜日)
 「ネットから児童ポルノ遮断、接続業者に義務化…与党改正案という記事があった。
 反対する。
 憲法に保障された通信の秘密や、電気通信事業法の条文とも相反する。理由の如何を問わず、私はこの手の“非選択的な”フィルタリングには賛成しない。フィルタリングは、フィルタリングを受ける側の同意がない場合は、検閲に等しい。
 また、児童ポルノに限ると言っていても、その“児童ポルノ”の定義を無分別に拡大しようとする連中がいる以上、このような制度は作るべきではない。

 警察庁より「硫化水素ガスの製造を誘引する情報の取扱いについて」が警視庁ならびに各都道府県警へ通達された。
 真実そのネット上にある情報を見て自殺者が出たという確信があるのであれば、自殺幇助を以って書込み主を刑事立件するのが警察の職務であり、それをせずして、中学生レベルの化学知識があれば生成できる硫化水素ガスの作り方をネットから駆逐せんとする警察のやり方には大きく疑問を感じる。
 被害を受けているメーカが威力業務妨害で訴えるというのもありかなぁ。

 2年前に採り上げた個人用降下翼システム“Gryphon”ですが順調に開発が進み、今や公開実験にまで到達しているそうな
 技術の進歩って凄いやね。


2008年5月3日(土曜日)
 渋谷に映画「靖国 YASUKUNI」を観に行ったら、「本日完売」の張り紙という無体な歓迎を受ける。
 なんということか……。
 予約もできないくせに……。
 連休中に観ときたいんだがなぁ。

2008年5月4日(日曜日)
 っちゅーわけで、映画「靖国 YASUKUNI」を観てきました。
 感想。
 ドキュメンタリーだと思ってたら、プロパガンダ映画でした。
 というわけで、ドキュメンタリーだと思って観に行くと失望すること請け合いです。
 李纓監督が描こうとしたもの……監督の言葉を借りれば“日本人へのラブレター”は、マウンド上からの大暴投、日本人にはキャッチできないところへ飛んでいったように私には思えました。
 ドキュメンタリーは本質的に、監督の切り口で物事を捉えるので、公正でも中立でもありません。真実ではあっても、それは“事実の一面”でしかないわけです。
 ところが本作は“事実の一面”ですらないところが……。
 刀匠の刈谷氏とのインタビューでは、明らかに質問者(監督)と回答者(刈谷氏)との間で錯誤が起きているのが見て取れ(監督「休みの日には」→刈谷「靖国では」)、映像がどうこうと言うより取材者として最低限度払わねばならない注意がなおざりになっています。こりゃあんた、後で文句も出るわな。
 評価すべき点は映画そのものではなく、この作品が上映されたこと。監督がこの作品を撮ることができたこと。そして鑑賞者の言論表現の自由への覚悟を試すことができたことでしょう。私は上映開始30分後くらいから、ずっと心の中で「言論表現の自由、言論表現の自由……」と唱えていました。
 なるほど、あるいは“この作品を撮ることができる日本”へのラブレターなのかも知れません。
 監督には、次は是非とも中国で西藏併合や越南膺懲やらを描いてみて欲しいものです。文革でもいいけど。

2008年5月5日(月曜日)
 イラクで人質になり、解放されて生還した高遠菜穂子さんが、「9条で命守られたと暴言を吐いているそうな。
 どこら辺が暴言かというと、まず、彼女らの救出に尽力した日本政府当局やイラク暫定政府(当時)、関係者全員の努力を全く無視していること。火事場から消防士に救出された要救助者が神に感謝するくらい無茶苦茶。まずは直接的な努力を払った個々人に謝意を捧げるのが人間として当然だろう。そういうものをすっ飛ばして「九条」とかいうのは、宗教以外の何者でもない。
 次に、イラクで死んだ邦人のうち、香田証生さん(過去日記1,2,3)の死を彼女はどう説明するのだろうか。彼が九条(の精神)を実践していなかったから死んだとでも言うのだろうか。自分が犯罪に巻き込まれ、辛くも生還したのだという認識が根本的に欠けている。
 日本には暴言を吐く自由があるが、その結果、非難されるは責任というものだ。私は彼女を終生軽蔑する。

2008年5月6日(火曜日)
 よく分からない理由により、今日は休日らしい。

 ミャンマーにて、サイクロンの被害が死者2万人超とか。
 ミャンマーと言えば軍事独裁政権が続いていて、経済制裁も継続中なのだが、タン・シュエ上級大将ら国家平和発展評議会による軍政は盤石っぽい感じだったのだが、このサイクロンがどう作用するやら。
 国外からの援助は受けるようですが、殆ど鎖国しているような状態の国だっただけに、何らかの影響が出ることを期待したいところです。

 産経に「先行き混迷 中型ロケット「GX」開発とかいう記事が載っていたわけですが、計画当初から無理だろうと思われていたものが予想通り失敗しそうだというどうしようもない内容。しかも途中の設計変更によって積載能力が減少、Μ-Vロケットと大差ないペイロードになった上に開発費が暴騰とあっては、エンジンの研究部門を残してロケット開発は中止するのが上策でしょうね。
 あとは責任者をきちんと処罰すれば良いのではないでしょうかね。こんなアホな計画を、誰が始めたんだか。


2008年5月7日(水曜日)
 ロシアの大統領が交代したらしい。
 でも最高権力者は変わらないらしい。

 そういえば中国から胡錦濤中国共産党中央軍事委員会主席が来日しているようだが、今ひとつ盛り上がりに欠けているようだ。
 先日亡くなった上野のパンダは補充して貰えるようだが……。
 まあ、当面の間は仲良くしているフリをすることが大切、って時期だろうから、これで良いのではないか。


2008年5月8日(木曜日)
 イエメン共和国で発生した邦人観光客の誘拐事件は、発生から半日で人質解放と相成った模様。
 関係各方面の努力に惜しみない賞賛を。
 しっかし……旅行会社海外安全情報とかきちんと考慮して欲しいものです。命があったから良かったものの、「渡航の延期をお勧めします。」と注意喚起されている地域へ旅行客を送り出して誘拐されるなんて、犯罪を体験させに行ったんじゃないかと疑いたくなります。

 日本のデンパ行政を司る官衙であるところの総務省が、自家電波中毒を起こしているそうな
 “電波りようこ”ですか……。
 ……。
 やはり国の著作物だから著作権はないのか?(どう突っ込んだらいいかわからん)


2008年5月9日(金曜日)
 面白い、と言っては不謹慎なのだが、昨年広島で起きた岩国基地所属の米兵による婦女暴行事件の、米軍軍法会議による判決が出て、これが有罪となったらしい
 この事件、記事にもあるように、日本側の広島地検は捜査の結果、嫌疑不十分で不起訴だったんですよね。それが米軍の軍事法廷では有罪。一種の捩れ判決と言うのでしょうか。
 この件は岩国基地のwebサイトにも情報(3月12日,2月11日)が(日本語でも!)記載されておりますので、資料に事欠かないのは大変あり難いことです。この辺の情報公開は自衛隊も見習って欲しい所です。
 ともあれ罪状は「強姦」ではなく「同意なく性行為をした罪」なんですね。日本法(刑法)とは犯罪の要件が違うというのは、色々難しいものです。準強姦とも明らかに違うし。現在の日本法では単なる「同意のない性交渉」は罪じゃないんですよ。なので、日本では不起訴なのに米軍法では有罪ってことがあり得るわけです。
 ちなみに、「同意なく性行為をした罪」以外の罪については本人も認めているそうな。

 京都府警がファイル共有ソフト「share」のユーザを逮捕したそうな
 相変わらず「何故京都府警が?」という疑問は大いに残るものの、どうやって権利者から告訴状を取ってきたものか。
 次はshareの開発者を逮捕するんですかねぇ。


2008年5月10日(土曜日)
 一昨年採り上げた射水市民病院の安楽死の件ですが、警察は送検と相成ったそうな。最終的に富山地検が、起訴/不起訴を判断することになりますな。
 オランダでは安楽死が行われていることがよく知られていますが、実は法で定められたのはつい最近(2001年)のことで、それまでは法に定めがないまま患者/家族の同意を得て医師が施術し、捜査当局はこれを送検し、特に問題がなければ不起訴とする、という慣例で行われていたというのは頭の片隅に置いておいても良いかもね。

2008年5月11日(日曜日)
 M3へ行ってきた。
 過去に例がないくらいの人出だった……。

 その後、母に頼まれた買い物をしに新宿やら池袋やら。
 気付いてなかったのだが、今日は母の日だったのか。
 残念ながら、買い物は不首尾に終わったのだが……。

 「オーブン使用で小鳥死ぬ?国民生活センターが調査要望というなんとも不可解なニュース。
 坑道カナリアじゃないけど、インコが死ぬ程度の何かがあるわけで、あまり気持ちのいい話じゃない。
 しかし……どうやって検証するかも、考えると頭が痛いな……。


2008年5月12日(月曜日)
 さて、実は前々から先行きを窺っていた事業があり、それが見事に破綻したことを今日知った。
 正直言うと、「ああ、やはりこうなった」と。韓国なら当然というか。
 除幕式の後に毀損されるとか破壊されるのは当然として、除幕式すら行えないとは、全く以て韓国らしい。
 鹿児島県知覽から飛び立った光山文博陸軍少尉がどの様な想いを抱いていたか、私には知る由もありませんが、死後63年も過ぎてからこのようなことになるとは、想像もしていなかったでしょうね。
 事を主導した黒田福美さんに含むところはありませんが、軽率の感は否めないと思います。彼らは根本的に我々と思考回路を異にする国民であり、人類普遍の価値観などこの世界には存在しません。感謝と謝意を我々のやり方で形にして差し出したところで、相手には伝わらないのです。
 悲しい現実ですが世界はそういうものであると割り切って、私たちのやり方は私たちの領域で示していくのが順当だと思うのです。
 例えそれが、靖国神社であったとしても、ね。

 今日、平成20年度最初の文化審議会国語分科会漢字小委員会があって、私も傍聴していたのですが、なんと既に記事になってる……。

 議場に見知った顏の記者が居たのは気付いていたのですが、まだ第1素案で次回(26日)までに改訂するとか言っている物を、こんな素早く報道してどうするんだか……。

2008年5月13日(火曜日)
 昨日中国四川省汶川県で起きたM7.9の地震だが、丸一日以上経っても碌な情報が入ってこない。
 中国政府からの公報は出てるけど、信用できるものかどうかも分からないし、各国の救助隊も入れていない。なんでも「輸送システムが対応しきれない」ためということなんだが、ンなもん、自己完結しとるがな。
 よっぽど現地に外国人を入れたくないんだろうなぁ。
 しかしまあ、五輪をやる国で、まさに国内で聖火リレーを走らせている最中、暴動が発生したチベット族自治区に巨大地震が発生するというのは、なにやらとんでもない因縁を感じますな。
 事態がどっちに転ぶか、見当も付きません。

 被害については、ある程度正確な情報は衛星から読み取れる筈なんで、各国政府はもとより、それなりの衛星写真を入手できる組織は把握してんじゃないかなぁ。
 私のような一介の民間人は、そういう“ある程度以上の精度の情報を受け取っている組織”の動きを見て、そこから彼らの持つ情報を推測するしかないんですけども。

 ところで、中国で比較的近年の大地震と言えば唐山地震(1976年)が思い出されるわけですが、その時の死者は公称24万人でした。実際にはその数倍の死者が出ていたのではないかと言われています。
 1万や2万では驚く数字じゃないのかも知れません、あの国では。
 なんでも10倍スケールだっていうし。


2008年5月14日(水曜日)
 一昨日漢字小委の件ですが、小形さんのところで「新聞各紙は審議を正しく伝えているのか?」として話題に。
 確かにGoogle Newsで「常用漢字」を検索すると、結構ヒットするんですが、内容ときたらどれも今ひとつ。朝日の白石記者は漢字問題を以前から追っかけてる人なんで内容は比較的真っ当ですが、読売の記事なんかは“ほぼ当確”“現在、ほとんど使われていない(中略)6字については外す”などトバシ記事に近いですな
 もっとも、議論の当事者たる委員や、小形さんのように長期に渡り議論を傍聴しているライターさん、その他実務担当者などの知見と、一般人を対象とする新聞記者では物事の捉え方も伝え方も異なるのは仕方ありませんが、今年1月末の報道といい、今回の報道といい、委員会に良い影響を与えるとは思いにくいんですよね……。
 この問題って下手に紛糾すると、委員会で散々議論され尽くした問題なのに世論で火が付いて手が付けられなくなったりするので、慎重な報道を望みたいところです。

 産経新聞の「さらば革命的世代」という連載が趣深い。
 匿名だらけの証言にどの程度の信憑性を置くかはともかく、当時革命を志向した学生運動が、外形的には派手派手しくとも、実際には少数派であったことが滲み出ている。だから革命は成らなかったし、自民党の一党支配も崩れなかった。実に単純明快。恐らく彼らが運動を離れていったのも、徒労感、無力感が影響しているのではないか、などと思った。
 こういった政治運動に限らないが、“熱い”活動は冷めるのも速い。そういう“熱い”運動に関わる人は、どうも性急に結果を求める嫌いがあり、目に見える結果が直に出ないと冷めてしまうように見える。
 でもそれだからこそ結果が伴わないのではないか、とこの歳になって思う。
 “継続は力なり”という言葉の重みを、感じることが多い、今日この頃。


2008年5月15日(木曜日)
 またまた漢字小委の件。
 産経新聞が「【主張】新常用漢字表 もっと字種増に踏み込めとな。
 新漢字表の字数については、準常用漢字だの何だの、それはもう侃々諤々の議論を経てきていて、漸く辿り着いた合意点なんですよ。
 そう言った、ここまでの議論の経緯を無視していきなりこういう事を言い出すやつが出てくるわけです、阿呆な報道をすると!
 私自身は、1万字くらいでも文句はありませんが、それと委員会の推移とは別問題です。
 合意形成の過程を無視してこういう文章を発表して小委員会を萎縮させ、次回以降傍聴者に資料が配られなくなったりでもしたら、そっちの方が大損害だ。

 私の大嫌いな正義病患者が自らの罪を大々的に告白して得意満面、という馬鹿丸出しな報道。

 GPが確認した箱は、4月15日に東京に帰港した船から降ろされた荷物の一部。GPは調査捕鯨船・日新丸の元乗組員から「乗組員が鯨肉を私的に持ち帰っている」との情報提供を受けて調査しており、同日、船から出された荷物を積んだ運送会社のトラックを追跡。配送所などで「塩物」などと書かれた伝票と乗組員の名簿を照合し、12人の名前を47箱で確認。うち1箱を無断で持ち帰ったという。
 司法警察組織でもない一介のNGOが一体何の権限があって他人の小包を無断で持ち帰りやがりますか。
 それは立派な窃盗だ
 警察ですら裁判所の令状がなきゃできないことを手前勝手にやった挙句、犯罪の証拠だなんて気違い沙汰も甚だしい。
 日本の小口貨物輸送サービス全体へのテロ行為と看做されてもおかしくない。
2008年5月16日(金曜日)
 「少女の腹部の腫瘍内に体長5センチの胎児が……とかいう記事を見て、「単なる封入胎児がなんでこんな記事になるんだ?」と思った人は、私以外にも1億人くらいいるに違いない。
 珍しいことは珍しいけど、ニュースになるほど珍しいかというと、首を傾げざるを得ない。

 なんか既視感があるんだけど、また対馬沖で海保韓国海上警察が、韓国籍の漁船「97セジン号」を巡って対峙していたらしい。
 海保が日本のEEZで違法操業をしていた漁船2隻を発見し、停船命令を発するも漁船はこれを無視して逃走。一度は失探したものの1隻を韓国EEZ内で再補足し、これを停船させ、検査を行った。が、その最中に海上保安官を乗せたまま船は逃走。そういうしている間に韓国海上警察がやって来てしまった、と。
 ついでに、違法操業の証拠は見つからず、最終的に漁船は解放することになったそうな。恐らく逃走中に証拠は破棄したのでしょう。
 思うに、やはりこういう事例では、道理が通じない官憲が向こうから出張ってきてしまい、話がこじれやすいので、日本のEEZを拔ける前に漁船を銃撃してでも止めるべきではないかと思います。停船命令に従わなかった段階で、銃撃する正当性は成立しますしね。
 逃走を始めた外国漁船は、速やかに銃撃すべきであると愚考します。


2008年5月17日(土曜日)
 朝から観劇のために上京してくるタオさんSio姐御とともに迎撃。
 渋谷のマメヒコで朝食。

 午後からは日大文理学部キャンパスへ赴き、日本語学会2008年度春期大会へ。
 シンポジウム「漢字文化と日本語の未来」を拝聴。パネラーが林史典、池田証壽、安岡孝一、野村雅昭。司会が笹原宏之とあっては行かざるを得まい。
 ナマで野村雅昭氏の弁説を聴いたのは初めてだったのだが、なるほど、発表された文章だけでは分からないものがあるものだ。
 シンポジウムの内容そのものはそれなりに面白かったが、笹原氏の司会には少々ならず難があったように思う。


2008年5月18日(日曜日)
 調布の不発弾処理は無事終わったそうな。

 いつまでたっても日記が復活しない矢代くんの所で超漢字用の新アプリが公開されていたのでリンク。

 16日の話になるが、今年2月に沖縄で起きて、同月末に不起訴となっていた、米兵による婦女暴行事件。
 の広島の一件と同じような経過を辿って、強姦、性的虐待、誘拐、不倫、偽証罪の起訴罪状中、性的虐待罪でのみ有罪となったそうな。
 こう言っては何だが……これも日本法にない罪のような気がする……。強いて言えば強制猥褻が近いような気はするけど。
 日本にはない罪で裁かれたということは、例え裁判権が日本側にあったとしても罪には問えないということなんですが、その辺きちんと認識していない反応が多いような気が……。

 〈〉(山括弧)を使うべき所に<>(不等号)を使うのは逸般であろうかと思うぞ。>普通じゃない人


2008年5月19日(月曜日)
 USBメモリのストラップホールに付けるストラップに、なかなか具合の良いものがないと、携帯電話用のものを試行錯誤していたのですが、Wiiリモコン用の替えストラップが非常に良いことが判明。
 頑丈だし手首に掛けられるしストッパーまであるぜ。
 至れり尽くせりだな。

 先日中国入りした日本の緊急援助隊ですが、早くも撤收とか。まあ、出動が遅すぎましたわな。
 次は医療部隊だそうですが、正解でしょう。疫病対策は必要ですからして。


2008年5月20日(火曜日)
 風雨で大荒れになった首都圏ダイヤの中、南北線は静々と運行し、普段通りに出社。

 1月に、国際陸連からオリンピック出場不可を言い渡された義足のランナー・Oscar Pistorius氏ですが、スポーツ仲裁裁判所によって挑戦が認められたそうな
 とはいえ、参加標準記録に達していないという問題は別にあるそうですが。


2008年5月21日(水曜日)
 仕事帰りに神保町に寄ったら、駿河台下交差点で矢代くんとすれ違った。

 先月報じられたI-Oデータ製NASの発火事件だが、I-Oデータからプレスリリースが出た。
 合計18,109台に発煙の可能性あり、と。
 該当者の方は、お気を付け下さい。

 角川歴彦氏が「放送側が番組の見逃し需要に対応していればYouTubeの成功はなかった」と講演で語ったとかなんとか。
 言っていることは至極真っ当なんですが、この日記でも過去何度か採り上げているBBCiPlayerが試験サービスを開始したのは2004年の夏で、2005年9月には大幅なサービス拡充に踏み切っています。iPlayerはWindows、Mac、Linuxに対応し、2008年にはWiiでも番組が見れるようになりました。
 繰り返しますが、このサービスは2004年には始まっています。この日記での初出は2005年です。つまりその頃には日本でも一般的に知られているサービスだったんですよ。
 その程度のことを2年前に(中略)立ち上げていればなどと言うのは、放送局の経営陣には無能が揃っていたと言っているに等しいですね。BBCより前に同様のサービスを思いつけ、というのは酷ですが、同業他社が始めたサービスを真似ることすらできなかったのですから。
 そういえば私が「図書館で放送番組を全部録画しとくべきだ」と言ったのが1999年なのですが、その後日本電算機の「BIG Channel」、SonyのVAIO Type Xなどを経て、今やPTPの「SPIDER PRO」などという商品にまで発展していますな。
 公共図書館にこう言う機械が据え付けられていないことが不思議でなりません。

 NHKの見逃しサービス“NHKオンデマンド”は月額1,500円くらいになりそうだとのこと。元を取るのは結構大変かも知れない(苦笑)。

 そう言えばGenesisさんが「〝文学少女〟と神に臨む作家〈上〉」を採り上げていたので思い出したのだが、作中で「金子みすゞ」を「金子みすヾ」と誤植していて、びっくりした。
 一箇所なら見落としかなと思うけど、全部「金子みすヾ」になってて、どうしようかこれ、とか。校閲が「ゞ」と「ヾ」の区別が付かなかったとしか思えない。
 と思いつつも、読者もきっとわかんないんだろうから構わないと言えば構わないかも知れない、と思い直したりした。
 私は物凄く違和感ありましたけど。


2008年5月22日(木曜日)
 なんか汶川大地震の死者が5万人とか言ってる。
 増える一方だな。
 ミャンマーの方は軍政府が一向に支援を受け入れないため、これまた二次被害が拡大しているらしい。
 先だって5億ジンバブエ・ドル紙幣が発行されたというインフレの国・ジンバブエでは、来月27日の大統領選決選投票に向けて、先の選挙の選挙管理委員が次々と逮捕されているそうな。
 そういえばソマリアではエチオピア軍が民衆暴動に対して発砲とか言っていたが、どうなっただろうか。
 食料価格の高騰が、世界のあちこちで火種になっているが、特效薬のある話でもなく。
 以上、概ね世界は事もなし。

2008年5月23日(金曜日)
 「NHK:民放のドキュメンタリー 6月に50本超放送というのは良いことですね。
 これまでも賞を獲った民放ドキュメンタリーをNHKが放送することは偶にあったのですが、まとめて放送というのは例がないそうで。個人的には今後もどしどし増やしていって欲しいところですが、それよりもアーカイブやオンデマンド化を期待したいところ。
 民放もNHKアーカイブみたいな組織を作れば良いのに。

 3月に意見募集がなされていた「帯域制御の運用基準に関するガイドライン」が正式発表に至った
 世の中には突然告知一枚で1週間後に帯域制限を始めたプロバイダもありますので、このようなガイドラインが作られ、周知されることは、基本的には悪いことではないと思います。特にガイドラインでは通信当事者の「個別」かつ「明確」な同意がない限り、かかる制御を実施することは許されない。としているのは正常でしょう。

 「「集団自決」で創作劇/志真志小で来月上演という記事を読んで、この宮城淳教諭という教師は、戦前の小国民教育の正しき後継者だな、と思った。
 “鬼畜米英”が“悪の日本軍”にすり替わっているだけ。結局のところ“絶対的に正しい物事”を教え込んで、疑うことを知らない子供を育てているという点で、内容は異なれ、やっていることは変わらない。そういう教育手法こそが戦前の全体主義的風潮を育てたんじゃないのか?という反省はないのだろうか。
 当り前だが、世界には多様な意見がある。『米国の攻撃で死んだ人数と集団自決で死んだ人数を冷静に比較べきだ』という意見もありえよう。そう言った意見の多様性を小学生に求めるのは難があるにしろ、教師の一面的な見方を押し付ける教育方法には賛同しかねるものがある。
 戦時中、それもまさに戦鬪中の話であり、事実関係に判然としない部分がある問題だけに、それをどう教えるべきなのか、もう少し冷静に考えたほうがいい。


2008年5月24日(土曜日)
 平日より忙しい土曜日。
 しかし成果は思ったように出せず、慘敗感が漂う。
 明日は年次のNHK技研一般公開へ行く予定。
2008年5月25日(日曜日)
 先週日本語学会で拾ってきた風邪がまだ治らない……。

 風邪っぴきのなか、NHK技研の一般公開へ。
 昔に比べると研究内容が小粒というか、比較的実現性の高いものに絞られているように思えるのは、ちと寂しい。10年以上も前、まだ旧社屋だった頃の、例えばプラズマディスプレイ研究のような、未知なる領域への挑戦のようなものが少ないように思えるのだが……。
 あの頃は「耐久性はどのくらいですか?」と聞いたら、「一般公開からなので、今二日目です」とかいう答えが返ってきたりして、中々楽しかったものだが。(半分素子が死んでしまった試作ディスプレイとかもそのまま展示されていたっけ)
 あと、去年はあったのになくなってしまった研究をしばし想う。

 ミツルんGenesisさんが二人して採り上げていたので、興が出た。
 トンデモ請願ということで、なにやら記事にもなっているようだ。
 しかし……紹介議員が円より子参院議員と下田敦子参院議員というだけで、誰が出した請願なのかはこれだけじゃわかんないなぁ。要するに、誰かが請願したんですが、それを国会に紹介したのが、上記二議員であるわけです。
 調べてみると、請願を出したのは大阪の市民団体「CASPAR(アジアの児童買春阻止を訴える会)」らしい。この組織は以前からゲームソフトを目の敵にしてぐちゃぐちゃ活動していたようですな。
 東アジア地域における児童売春による搾取から児童を救おうという趣旨には賛同しますが、それと日本のゲームソフトとどのような関係があるのか不明です。つまり、日本における美少女ゲームソフトや18禁ゲームソフトを規制することによって、東アジアの児童売春がどう減少するのか、という因果関係がさっぱり分かりません。むしろ、そういったゲームの売上に目的税を掛けて、その金で児童を救おうとかいう主張なら理解も可能なのですが……。
 それから、請願要旨を読む限り、日本における児童の犯罪被害が増えているように見えるわけですが、実態は減っているんですよねぇ。しかも、事件の多くの加害者が「親」であるというのも統計上の事実だったりします。ちなみに2007年中に交通事故で亡くなった15歳以下の児童は133人でした。どちらが重大なんでしょうかね。
 理想を追うのは結構ですが、地に足付けてやらないと、ただのカルトになってしまいますよ。議員さん方も、知恵を付けないとカルトにころっと騙されることになります。
 言うまでもなく、馬鹿どもがあんな腐れ寝言が言えるのも、言論表現の自由あってこそということになります。


2008年5月26日(月曜日)
 MiAUが「ダビング10と私的録音録画補償金に関するアンケート」を行っているそうな。
 とりあえず興味のある人はどうぞ。

2008年5月27日(火曜日)
 昨日、漢字小委があったのですが、不思議と今回は記事になっていない。全回騷ぎすぎたという反省でもあるのだろうか。

 懷かしの雑誌「LOGiN」が休刊となり、Webマガジンに衣替えするそうで、プレサイトが公開されたそうな。
 私が火浦功のSFショートショートに初めて出会ったのがこの雑誌だった覚えがある。世の移ろいは常とはいえ、27年の歴史はそこそこ重いのではないかと思う。エンターテインメント雑誌でも、ね。
 個人的には過去記事のアーカイブに期待。
 レリクスかぁ……結局先に進めなくて投げちゃったんだよなぁ。

 某所で「福岡県では性犯罪が増加している」と聞いた。
 福岡県警も注意喚起の布告を出しています。

 日本全体はどうなんだろうと、警察庁1〜4月の統計を見てみたら、強姦の認知件数は493件で前年比-3.5%、強制猥褻は1,979件で同-4.6%。福岡県警の“性犯罪”前年比+37%というのは、元々福岡県が10年来の強姦No.1県であるとしても、些か異常な状態であろうかと思います。

2008年5月28日(水曜日)
 昨年3月にBBCYouTubeチャンネルを持ったのですが、つい最近まで追うそぶりも見せなかったNHKがまさかのチャンネル開設
 NHK最近飛ばしてるな。

 USS Kitty Hawk(CV-63)離日。帰国後、退役へ。
 交替艦はUSS George Washington(CVN-73)の予定だが、先日火災を起こしており、修理が長引く可能性も。
 極東の軍事バランスに穴が空かなきゃ良いけど……。

 汶川大地震発生から16日。死者は増える一方のようですが、一方で罹災者支援にも物資が事欠く様子で、日本からも天幕や毛布を輸送することになったそうで。それも自衛隊機で。
 とはいえ、被災地への直接輸送ではなく、日本から中国の空港までということらしいので、政府専用機を使うのかも知れませんが。
 ※続報によるとC-130だそうです。

 えーと、「TV番組録画転送サービスは著作権侵害 東京地裁判決と。
 考察は判決文を読んでからするけど、これまで録画ネット裁判では原告勝訴、まねきTV裁判では原告敗訴となってて、話が非常にややこしい。ともあれ、判決文を読まないと何とも言えん。
 でもなんか今年度に入ってから今ひとつ更新が遅い気がするんだよなぁ>裁判所
 参考:テレビ局を震撼させた「まねきTV裁判」の中身


2008年5月29日(木曜日)
 土日に横須賀で砕氷艦しらせ(AGB-5002)一般公開があるらしい。

 「韓国ソウル新シンボルに中国困惑「漢字、分からない」」というこちらが困惑しそうな記事。
 「獬豸」の何が難しいのだろうか? 日本語なら「かいち」と発音するのだろうが、まさに読んで字の通りでしかない。
 「獬」の字は普段使わない字だが、「けもの偏に解」だから難しい字ではないし、「豸」は康煕字典214部首の一つだから常識の範囲だ。まあ、二十数年前なら「第二水準漢字ROMが必要じゃないか!」という意見もあったろうが、現代では通用しまい。
 ふとWikipediaではどうなっているのかな、と思って調べてみたらエントリ名はカタカナであった。
 しかし……ソウルのマスコットキャラクターが法治の祥獣というのは一体どういうギャグなんだろう。韓国のギャグは捨身のネタが多くて笑いどころに困る。

 6月2日開始予定が流れてしまったデジタル放送のダビング10。文化庁&権利者団体/総務省&放送業界/経産省&JEITAという三竦み状態が完成してしまい、状況は雪隠詰めに。そもそも地上デジタル放送懇談会報告からして著作権問題は棚上げだったわけですが、その後COG(コピーワンス)が強硬に主張され、実施に移された結果、消費者の反撥を喰らったのは記憶に新しいところ。
 だもんで、いくらでもコピーがつくれるEPN(出力保護付きでコピー制限無し)を……という話が妥協の結果COG+9(ダビング10)となり、メーカ各社と放送局はここ1年の間対応に大童だったわけです。で、その間権利者側が何をやっていたかと言えば、何もやっていなかったわけで……。
 その権利者側が「譲歩したんだから補償金を寄越せ」と言えば、流石に気分が悪くなるでしょうよ。同じお金を払わねばならないのであれば、より柔軟なEPNの方が良いわけなので、反撥は必至だったと言って良いでしょう。
 かくしてJEITAが補償金を拒んだことからダビング10実施は暗礁に乗り上げ、本日権利者団体の団体であるところの「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」が記者会見を開いた由。(長い前置きだ)

 過去の議事録などを読むとわかるのですが、COG+9、という合意が上がってきた時点(2007年6月)で、既に権利者団体とJEITAの間で補償金の要不要についての意見が食い違っています。ぶっちゃけ、この時点でもう駄目だったんでしょう。
 議事録を読んでも、一体なんでこのような合意を総務省が強行したのか、理解しにくいところがあります。補償金問題は文化庁が担当だからと、投げたようにも見えます。
 次の一歩は、どこがどちらへ踏み出すのでしょうかね。

2008年5月30日(金曜日)
 理想科学プリントゴッコの販売を終了。

 先日報じられた中国への自衛隊機の派遣は、結局立ち消えになったようだ。
 しかし、米軍も韓国軍も輸送機で乗り込んでいるのに、自衛隊だけは駄目という理屈も良く分からんものがあるな。

 昨日の補償金の話だが、JEITAから反論

 関連記事は上のような感じだが、主要各紙で報じたのは毎日のみ。共同・時事の両通信社が沈默というのが素敵です。

2008年5月31日(土曜日)
 横須賀へ砕氷艦しらせ(AGB-5002)一般公開に。
 今夏で退役するしらせを一目見ようと、雨の中大勢の見学者が訪れて、艦内は結構な人だかり。“普段は見れないところが見れる”と触れ込みの艦内探検隊が、希望者多数で参加できなかったのが残念。
 しかし……陸自の階級章を付けた人をちらほら見かけたのは何故だろう……?

 「先行き混迷」とか言われていたGXロケットですが、読売電「日本初官民共同開発・GXロケット中止へ…コストなど問題によると中止勧告だそうで。
 さもありなん。
 しかしエンジンの研究開発だけは続けた方が良いと思うが……。