哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」

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西紀2018年6月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。


2018年6月1日(金曜日)

イタリアで五つ星運動がとうとう政権与党になったご様子

いよいよ責任を担う義務に応じなければいけなくなったわけですな。

ご存知の通り、五つ星運動はイタリアでコメディアンが始めた運動に端緒を持つ政党ですが、なんといっても大政党になっても連立は組まない、行政は担わない、責任も取らない、でも既存政党の政策には反対する、というある意味恐ろしく無責任な行動を繰り返してきていて、今年3月の総選挙でとうとう第一党になってしまったものの、その後組閣に三ヶ月もかかっておりました。

首相に指名されたジュゼッペ・コンテ氏は選挙運動中に五つ星運動に担ぎらげられたものの、ご本人は大学教授で議員ではない。また、五つ星運動も党首が議員ではないという、多党乱立の議会の統制が取れるのか不安でいっぱいです。

こんな国の大統領ってホントやってらんないだろうなぁ……。


2018年6月2日(土曜日)

江戸しぐさが好きな人ほど陰謀論にハマる」ってのは、見出しが悪い気がするな。記事中で示されているのは「陰謀論や江戸しぐさにハマる人は、分かりやすい単純な答えに飛びつく人」って話だわな。

後編の「教養がある人ほど「陰謀論」に引っかかる」も併せて読むと味わい深いわけだけど、歴史学をやった人間として呉座先生の言い分って至極当然、といった印象ですね。

人間の力は陰謀を巡らせて実現させられるほど高くないんですわな。というか、世界というのは個人が太刀打ちできるようなシロモノじゃないっていうか。

人間ってのは時代の波の中でもみくちゃにされながらそれでも必死に泳いでなにがしかの物を摑む、ってのが実相で、それを流れを制御した、なんてのはどっちかといえば無理筋な話だと私は思うね。


2018年6月3日(日曜日)

AppleとMicrosoft、点字ディスプレイの統一USB規格で協力」というニュースがあって、基本的には歓迎されるところなのですが、AppleとMicrosoftという2社だと、なんというか、基本的な所に見落としあって世界の点字を網羅できないとか言った陥穽に陥りそうな疑念が……。

いや、両社とももう充分大人なんだから、ちゃんと規格策定前に研究をして、世界の点字を過不足なくきちんと表現できるよう、十全な規格を作るに決まってる……。


2018年6月4日(月曜日)

突然PowerShellスクリプトが誤動作するようになり、原因を探っていくと、一部の演算子が動作しない様子。

ンなアホなと思ってコンソール上から叩いてみても、文字列操作演算子が軒並み動作しない。

PowerShellを再起動しても症状が変わらないので、バックボーンの.NET Framework自体に何か障害が発生しているのだろうと推測されたのだけれども、.NET Frameworkの再起動のやり方がわからず、そこまで。

結局Windowsを再起動して対処したんだけど、こういう時ってどうするのが正しいんだろう?


2018年6月5日(火曜日)

財務省の「決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」に目を通したわけだけど、これ動機はともあれ、機序についてはちゃんと押さえてるなー。

で、思ったこと。

折角総務省が運用する「一元的な文書管理システム」があるのに、文書の存否の問い合わせが人間介在とかになってて謎。会計検査院に「一元的な文書管理システム」のRead権限与えちゃった方が早くね?と。もちろん、会計検査院のセキュリティの問題は別に発生するけれども、一々文書の提出を会計検査院から担当官衙に投げて答えを貰うとか、アホくさくないか? 忙しいだろうし。

で、この総務省のシステムで全部管理できてるんだったら、公文書館への移管も何も考えずに電子的にやればいいんじゃないかと。機密指定された情報は、フラグ立てて閲覧不可にするだけ、みたいにして、フラグ立てる権限を必要な人間に与えておく。

そしてなにより、こういった電子文書管理システムがあるのに、なぜ公開されたPDFは印刷物を再度スキャンして画像化したPDFなのかと小一時間(略)


2018年6月6日(水曜日)

Unicode 11正式版になったらしい。

見てるだけでクラクラしてくるヨ……。

次回の発表に向けて中身をチェックしてるんだけど、「文字(Character)」でやんなきゃいけなかったのこれ?というのが……「半分の☆」(☆レーティング用)とか、本当にそれは「文字」でやる必要あったの?


2018年6月7日(木曜日)

事実上unMHTというプラグインのためだけにFirefox 52 ESRを使い続けてきたのだけれども、そろそろESRの終了も見えてきた昨今、代替プラグインは未だ存在せず……。

うーん……Add-onサポートを続ける派生ブラウザWaterfox辺りへの乗り換えを考えるべきだろうか……。

ほんと、これないと困るんだけど、常用するほどでもなく……(既存のMHTファイルを開くために必要なのだ)


2018年6月8日(金曜日)

Waterfoxのインストールをしつつ「もはやマイナーブラウザの域に? Firefoxのシェアがついに10%を切り一桁台に突入へ」なんて記事を見たりして。

へえ、今、Google Chromeが最大シェアなんだ……。

IEがまだ一割もいるってのも凄いけど、Edgeが意外と低い。使ってみると結構良いブラウザなんだけどな。

Firefoxって多彩なプラグイン、Add-onによるカスタマイズ性が売りだったのに、旧APIを軒並み皆殺しにしたんだもの、そりゃシェア下がるよねェ……。


2018年6月9日(土曜日)

業界で知らぬ者はないと言われるデスマーチ案件ですが、いよいよ「みずほ銀行 今夜からATM休止 システム一元化で」とシステム移行だそうです。

三度目の正直になるのか、二度あることは三度あるになるのか、興味が尽きないところです。

正直、あちこちの技術系の記事を見ていると、合併前の元銀行(富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行)の各システムベンダ(IBM、富士通、日立)に対してシステム一本化がなされず、業務分野ごとに4社に分割発注という傍から見ても炎上すること間違いなし、という決定をしています。せめてシステム基盤だけでも一社に任せれば良いのに……と思わずにはいられません。

豈図らんや、開発は遅延に遅延を重ね、2015年稼働開始予定が今は2018年。しかも今回は始めの一歩で、2019年度上期まで都合9回に分けて移行を実施という有り様です。

慎重なのは悪いことではないけれども。


2018年6月10日(日曜日)

G7決裂ですか……。

日本としてはCPTPPに一層力を入れるだけではなく、軍事力の増強にも努めなくてはいけなくなるし、碌なこっちゃないですな。

その方が「正常」だという意見はあるにしても。


2018年6月11日(月曜日)


2018年6月12日(火曜日)

途中擦った揉んだはありましたが、シンガポールで米朝首脳会談が開催され、共同声明が出たんですが……これ、具体的なこと何も決まってないよね?

とりあえずトップ同士で会って握手しました、って感じかな。

ただ、米韓軍事演習を中断するとトランプ大統領が言ったというのは不穏ですね。これは、日本がフロントライン・ステートになることを覚悟しないと駄目なんかな……。


2018年6月13日(水曜日)

そういえば先日「世界で唯一、女性の運転を認めていなかったサウジアラビア、10人の女性に運転免許証を交付…海外の反応」という報に接して、サウジアラビアの改革が進んでるなー、と、ちょっと怖い気分に。

サウジアラビアは現在の王太子が改革を進めておりまして、2016年に暦をヒジュラ暦からグレゴリオ暦改めたり宗教警察から逮捕権を取り上げるなど、不安になるような施策も見えるところ。

ご存知の通りサウジアラビアは聖地メッカを領有し、イスラム教ワッハーブ派を国教とします。サウド王家は二聖モスクの守護者、宗教の擁護者であると謳われ、ワッハーブ派の宗教勢力を背景に正統性を確立、権力を握った経緯もあり、国内では宗教警察が隠然たる力を持っていたりします。

女性への自動車運転免許の交付も、宗教勢力が長らく反対していた事案です。

現王太子は穏健派への回帰を訴えておりますが、その施策が穏健に進むのか、注目せざる能わざるところです。


2018年6月14日(木曜日)

日本の科学技術「力が急激に弱まった」 白書を閣議決定」「イノベーション基盤力の強化を求める 平成30年版科学技術白書が国際的地位低下に危機感」とか、ここ十数年の「大学改革」の順当な成果ではないかとしか言い様がなく。

白書本体を詳読してないのですが、概要版を見る限り国・文科省は原因を自分には求めておられない様子なのが気になります。

まさか「改革が足りない」とか思ってるんじゃないだろうな? むしろ「これまでの“改革”は失敗だった」って言わなきゃいけない場面だと思うんだが……。


2018年6月15日(金曜日)

突然冷え込んで来たな……。

最近、「コインハイブ」を使用したWebサイトが次々と摘発されている旨、「他人PCで仮想通貨「採掘」=サイト閲覧者に無断で−16人を初摘発・警察当局」などと報道がありまして話題になっております。一方で逮捕された人が「「何が違法なのか」=摘発デザイナーが反論会見−不正マイニング」と裁判に訴えるとも。

仮想通貨マイニング(Coinhive)で家宅捜索を受けた話」などを読むと、どうにも警察の恣意性が窺えて宜しくない気がするわけですが、何よりこういった事案を公判にかけずに略式手続で片付けようとした点が良くない感じです。

ただ、公判に打って出ようとすれば、かつてのWinny裁判の如く、被告人の負担は非常に大きくなります。というか、現在の日本は少々刑事被告人の負担が大き過ぎる嫌いがあります。

こういった新規技術に基づく問題を公判という公の場で素早く審議し、被告人となった方の負担も減らす方策が必要なのではないかと思う次第です。


2018年6月16日(土曜日)

Intelプロセッサに新たな脆弱性、投機的実行機能に関連」って、Core系のアーキテクチャって色々出てくるなぁ。今年中に対策したプロセッサをリリースするとか言ってたけど、実際にできるんだろうか。

Coreアーキテクチャのままでは根本解決が難しいからジム・ケラーを獲ったんだろうけども。

しばらくはAMDの優勢が続くのかなぁとか思いつつも、Threadripperとか誰狙ってんねんって感じだけども。


2018年6月17日(日曜日)

ほう、ル=マン24時間でとうとうトヨタが勝ったか。とはいえ、ライバル不在の中での優勝だからなぁ……喜びも中くらいかな、って感じか。


2018年6月18日(月曜日)

朝、大阪で震度6弱の地震。死者3名とのことで、地震への備えが力を発揮したものかと。

もちろん、これで万全というわけではなくて、今回の問題をまた検討して“次”に繋げないといけないのだけれども。それでも、この大都会が震度6弱で死者が一桁というのは、誇るべき日本の一面だと思います。

まあ、「非常用電源が水没しちゃった」みたいな反省事例は出てくるんですけども。(後で訂正されてた)

過去の不幸な経験を積み上げての成果なのですから、他国にも他山之石となって欲しいところです。


2018年6月19日(火曜日)

昨日まで涼しかったので少し厚手のシャツを着て外出したらすっかり夏の陽気でやんの。

ぐったりしてしまった。


2018年6月20日(水曜日)

今日は涼しいし……。

もう当面ペヤングは要らんわ……。


2018年6月21日(木曜日)

夏至。

“はやぶさ2”の撮影したリュウグウの映像が段々鮮明になってきて、期待が膨らむだけじゃなくて、小惑星の姿から色々考えが広がる。

前回のイトカワはその姿を見た時に啞然としましたが、今回はまあ常識的な形というか……。

それでもきっと、もっと近づくにつれて、面白い知見が浮かび上がってくるんだと思うけども。今から楽しみ。


2018年6月22日(金曜日)

先日大阪で発生したM6.1の大阪府北部地震で、高槻市の寿栄小学校のプール脇のコンクリートブロック塀が倒壊し、その小学校の児童一名が下敷きになって死亡した件。

今のところ不確定情報もあるのだけれども、ブロック塀はプールを目隠しする目的で1998年に造られたものらしく、その時点で建築基準法違反だった模様。

その後、誰一人して違法建築物であることを認識せず、3年前に防災アドバイザーが危険を指摘したものの、その後の点検でも危険性は認識されなかった、と。

人災は人災なんでしょうけど、校長や点検した市職員とかではなくて、違法建築を認可しちゃった人が責任取るのが筋なんじゃないかね? 「死亡事故が起きたこと」の責任ではなくて、「違法建築を認可しちゃった」ことの責任ね。


2018年6月23日(土曜日)

“完璧な人間の体”はどんなもの? 英解剖学者が考えた姿はカンガルーのよう」という記事。

人体のデザインに残る「不条理」「不合理」な設計については色々な指摘があって、「インテリジェント・デザイン説が事実なら、そのインテリジェントは相当馬鹿だ」とまで言われる始末ですが、そういった点を科学的視点で修正していくとどうなるか……というシミュレーション。

例えば人間を含む脊椎動物の目には構造上どうしようもなく盲点がありますが、頭足類の目には存在しないことが知られています。どちらが良い設計か、考えるまでもないと思います。

肺については鳥類の呼吸器を参考にしているようで、よく知られているように鳥類の呼吸器には気嚢があり、空気は常に肺の中を一方向に流れます。これはガス交換効率に優れることが知られています。

有袋類化については、直立二足歩行と有胎盤類の胎生のミスマッチを解消するのに良い手段でしょう。人間の骨盤形状は、胎内で赤子を大きく育ててから出産するのを困難にしています。単孔類のような卵生でも良い気がしますが……。

まあ、どんだけ遺伝子をいじれるようになっても、ここまでやるようになるかは分からないところはありますが、思考実験としては面白いと思います。


2018年6月24日(日曜日)

QRコードにセキュリティー上の弱点 不正サイトに誘導も」とかいうニュース。

よーっくみると、不正なQRコードの方は、本来モノクロであるべきコードの中にグレーのドットがあるのね。で、その補正が行われることによって、偽の情報に化けるわけか。

中国で興隆しているQRコードを使った決済システムって、記事にもある通り大変脆弱というか不正に弱くて、本当にこんなので大丈夫なのか?と疑問を抱く向きもあるわけですが、この問題、どっちに転がっていきますかね。

ucodeみたいに途中に信頼性を担保するサーバを用意する、ってのが常道だとは思うのだけど。


2018年6月25日(月曜日)

LibreOfficeでType 1 Fontが認識されないんで調べてみたら、5.3でフォントレンダリングエンジンを変更したためにType 1 Fontのサポートを打ち切ったらしい。(MicrosoftのOfficeでもType 1フォントのサポートは打ち切られつつあるらしい……)

……Helveticaが使えない。

確認してみたところ、うちの環境でもType 1フォントが200フォントばかりインストールされてて、これどうすんのよ?と……。


2018年6月26日(火曜日)

昨日の件。

やはりType-1で揃えたフォントが今後も使えないと困るので、Type1フォントをOpenTypeに変換するアプリケーションを探しだしてきて、フォントファイルを総浚いして変換して旧フォントの削除→変換後のファイルのインストールを敢行した。酷く大変だった……。

まあ、一回やれば後暫くは大丈夫だろう……。


2018年6月27日(水曜日)

サブのPCの方に、PowerShell 6.0をインストールしてみた。

6.0からPowerShellはWindows専用からクロスプラットフォームに転換して、Mac / Linux版も提供されるようになったわけですが、それに伴ってあれこれと変更が……。インストール先もプログラム名も変わってるし。

デフォルトの入出力文字コードがUTF-8になったのは良いことかなぁ。これまでは-Encode UTF8とか指定を入れなきゃいけなかったので。

なんか廃止されたコマンドレットがあるとか、動作が変わったものもあるとか聞くので、これまでのスクリプトがちゃんと動くかどうか確認しないとなー。


2018年6月28日(木曜日)

転送速度985MB/秒の高速SDカード「SD Express」発表。128TBのSDUCも」とSDカードの物理層がPICeになった模様。

SATAもSATA ExpressやM.2/NVM ExpressでPCIeを物理層に使っていたりと、インターコネクトとしてPCIeがあちこちで転用されていますね。

もう独自の物理層の開発なんて、開発力的に不可能になりつつあるのかも……。

Unicodeでも思うのですが、世界の開発力が一極集中するが故のメリットを感じる反面、多様性の喪失が悪い現象を呼び込まなきゃ良いけど……と思わずにはいられません。モノカルチャーは貧弱になりますからね、どうしても……。


2018年6月29日(金曜日)

健康診断〜。

採血のために右手と左手、計3回刺された……。血管が見えにくいらしくて、下手な人に当たるとよくあるんですよ、こういうこと。

後で血圧測るときに腕を出したら「採血してない方の腕で……」と言われて両方刺された後だったとか(笑)。


2018年6月30日(土曜日)

将来の戦闘機用を目指したジェットエンジンのプロトタイプ(XF9-1)を納入」「戦闘機用エンジンシステムの研究試作(プロトタイプエンジン)の納入について」と、長年研究が進められてきたXF9が防衛省に納入された模様。

入口直径が約1mで推力がドライ11tf、ウェット15tf以上と、所定の性能が発揮できれば、世界の戦闘機向け低バイパス比ターボファンジェットエンジンとしては性能的にトップグループの一角を占めることになると思われます。F100/F110を超え、F119に迫る、ってところですかね。

あまり知られていませんが、この種の大型・大出力低バイパス比ターボファンジェットエンジンは世界にあまり種類がなく、西側では米国のP&WのF100、GEのF110くらいです。旅客機用ジェットエンジンではトップ3の一角を占めるロールス・ロイスにはこのクラスのエンジンがありません。東側ではロシアのAL-31系列の最新モデルが肉薄する性能を達成しています。また、中国がWS-15で挑戦をしています。

もう少し下のクラスであれば、GEのF404/F414やRRのEJ200、仏スネクマM88などが出てくるわけですが、日本はその辺を飛ばして一気にヘビー級エンジン界に殴りこみをかける形になります。

もっとも、これは単に無謀なわけではなくて、長い年月、様々な準備の果ての話なのですが、それでも心配になるのは止められません。良い結果がもたらされますように。