哀愁日記
底に哀はあるの。
もしくは、
西紀2014年12月分
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。
- 2014年12月1日(月曜日)
- 朝から雨で寒いのう。
天気予報では真冬並みの寒波とか言ってる。
さて、お出かけしますか……。
- 2014年12月3日(水曜日)
- で、1日から入院・手術してました。
治療計画では入院1週間ということで結構頑張って準備したんですが、三日目にして退院してしまった……。有給休暇……。
まあ、体内にステントが残ってるので、完調とは言い難いんですが。
1日午前に手術という予定で、8時45分に病院に出頭を申し付けられ、ちゃんと5分前には着いたんですよ。大部屋希望だったのが大部屋に空きがなくて二人部屋に放り込まれ、衣類を脱いで病衣に着替え、さて何時に始まるやら……と待ち始め……。
前の手術が押しちゃって昼から、と言われ……。当然前日夜から禁食だったので昼飯もなく……。
ひたすらに輸液を点滴しつつ時間は過ぎ……。
14時から、と一回は連絡があったものの、やはり14時には始まらず、一体いつまで待てばいいんだろうかと空きっ腹を抱え、結局手術室に入ったのが15時10分だった。
この後は時計も眼鏡も外してしまったので時間は分からないのですが、脊椎麻酔で下半身麻酔にした状態で、内視鏡手術。痛みはないけど、内視鏡が入ってくる感触とか分かるんだよねぇ……。レーザーで石を破壊してステントを挿入する施術。
右手は点滴、左手は血圧計で身動ぎもできないので足の指を動かしたりしてたんですが、麻酔が效いていないのかと勘違いされてしまった。
ともあれ、左右の足に血栓防止のためのマッサージ器を取り付けられ、カテーテルを挿入された状態で病室へ運ばれ、一晩寝れずに過ごす。というのも意識が落ちると無意識に括約筋を動かしてしまい、激痛で起きるという繰り返しになってしまって、寝るに寝れなかった。
翌朝、執刀医がやってきてカテーテルを拔いてくれて、両足のマッサージ器を外してようやく人心地。
この12月2日は、食事も摂れるようになったので、後はひたすら輸液(抗生剤も入れたけど)して排尿、と病室とトイレを往復して過ごした印象。血の中に石の破片が混じった尿。血尿はステントを拔くまで続くっぽい。
午後にCTを撮って破片の具合を確認する。やや大きめの破片が一つ尿管内に残っているが、これもステントの直径よりは小さいので、自然排出されるであろうとの見立て。
そして「明日退院して良いよ」との仰せ。
勿論入院期間なんて短ければ短い方が良いわけで、1週間の入院のつもりで用意した荷物が用なしになるくらいのデメリットしかない。
有り難く退院することにして、その晩はひたすらに点滴を受けて過ごす。つまり、一時間に一回トイレへ行って夜を過ごす……。
晴れて今日。朝食を頂いた後、蜻蛉針を拔いたり着替えたり荷物の整理をしたりして会計の順番を待ち、10時過ぎに退院手続きを終えた。
ステントを拔くまでは体調は完調とは言えないけれども、なんとか娑婆に戻っては来れた。
有給は取ってあるけど、忙しい時期なので、明日午後に職場に行って、体力等を勘案してみる。
- 2014年12月4日(木曜日)
- 一応休みは取ったまま、午後から会社へ出かけて、様子見。
思った以上に動きづらいな、というのが本音。
一日で無理やり引き継いできたお仕事がどうなったかなどを確認するも、上手く回っていて実によろしきであった。
そのまま仕事をして家に帰る。
夜にはようやく食欲も戻ってきて、真っ当に食事をする。
- 2014年12月5日(金曜日)
- 出勤。
やはり体が十全に動かせないので、通勤が結構しんどい。一旦会社に着いてしまえば、結石に苦しめられていた頃よりはまともに仕事ができる。
比較対象がアレ過ぎるが……。
ただ、どうにもステントが膀胱を刺激するもので……。
TRONSHOWでは無理しないことに。
- 2014年12月6日(土曜日)
- 時間を忘れて寝て暮らす。
病院では意外な程寝れなかったので(主に痛みと点滴のせい)、久しぶりにがっつり寝させて貰った。
- 2014年12月7日(日曜日)
- 今日も一日家でまったり、というよりぐったり。
なかなかアクティビティは上がらない。
出かける用事が何かあった筈だ……と思いつつ、思い出せずに終わる。
- 2014年12月8日(月曜日)
- 「安否確認できず 原因にIP電話の普及」という記事があって、IP電話ってそーゆーもんだろ、と。
アナログ電話回線の良い所は、何と言っても局給電。これに尽きます。電話局から供給される48Vによって、電話機は外部電源不要で動きます。通信事業者には給電義務があり、電話局には発電機なりバッテリなりが備えられています。
これらは歴史的遺物であり、IP化の進行によってこの世界から駆逐されるべき旧態であるのかもしれません。しかし、これらが“枯れた技術”であり多くの場合、耐障害性に優れていることもまた事実なのですよね。
かくして私のような人間は、家中の電話を外部電源なしで動作するものに限り、非常時の手段として固定電話を残すようになるわけですね。
IP電話にするくらいだったら、イエデンワでいいんだよ……。
14日は衆院総選挙の投票日なんですが、例によって最高裁判所裁判官国民審査があります。
で、都選管のサイトに公報が出ていたので眺めてみると……なんじゃこのPDFは。DRMがかかっている上に、本文が画像だ。
普通に考えると、選挙公報なんてものは著作権法の「権利の目的とならない著作物」に該当するものと思われるわけですが、一体何をDRMで守ろうとしているのか、実に興味深いところです。
また、本文を画像化することにより、音声読上げ等のアクセシビリティ機能を阻碍しており、選挙民への公報としてこれで良いのかと疑問を感じさせる内容になっています。
ちなみに、視覚障害者向けとして点字ならびに音声版の選挙公報が用意されている(筈。未確認)なのですが、音声版なんてウェブに音声ファイル置いといても良さそうなもんだけどな……。
- 2014年12月9日(火曜日)
- TRONSHOW前日。
本当なら昨日まで入院している予定だったので、今年は役割はなく、控室で待機任務の予定。
- 2014年12月10日(水曜日)
- TRONSHOW初日。
- 2014年12月11日(木曜日)
- TRONSHOW二日目。
何をしているわけでもないのに、体調的にはかなりしんどい感じ。これが病み上がりか。
- 2014年12月12日(金曜日)
- TRONSHOW最終日。
後片付けが私の今年のTRONSHOW最大のお仕事だったな……。
病み上がりだけに仕方ないとはいえ、戦力になってない。
これは隠居せよとの天のお告げであろう。
- 2014年12月13日(土曜日)
- 力尽きたように寝てしまった。一週間が長く感じたわ。
とか言いながら午後から一度職場へ行って機材を設置したりなんたり。
以前から考えていたフットスイッチを会社に据え付けた。これでキーボードから手を離さずに、メディアプレイヤの操作ができる。テープ起こしには必須だよね、やっぱり。
しかし、フットスイッチって、廉いものは2,000円を切るような物があり、一方で福祉機器やeスポーツ用品として売られている20,000円を超えるものがあり、実に多彩なもんだな。
- 2014年12月14日(日曜日)
- 衆院選投票日。
朝の7時に目が覚めてしまって、二度寝する前に投票してくるか、といそいそと服を着替えてとぼとぼと歩く。投票場までの道が長い……。
で、小選挙区、比例代表、最高裁国民審査、と三つの投票を終えて帰ってきて、寝てしまう。
所詮ここ東京12区は、公明、次世代、生活、共産と投票することが苦痛に感じるレベルの“試される選挙区”である。
- 2014年12月15日(月曜日)
- 朝、選挙結果を見て、驚いた。
池内さおり(共産)が比例で復活当選しておった……。
惜敗率が50%行ってんじゃん……。
今回の国政では主要政党が微増微減の現状維持だったのに対し、泡沫政党を飮み込んで共産党が躍進という形になりましたからのう……。
あと、沖縄がどうにもならない感じ。
- 2014年12月16日(火曜日)
- 少し前のネタなのですが、「CIAはなぜ「効果無し」の拷問に走ったか。肥大化する対テロ産業」という話が、各所で話題になっていました。
拷問は效果的ではない、という話はそれこそ昔から知られている話で、拷問を行えば人間は苦痛から逃れるために、尋問官が求める内容を嘘偽ってでも述べてしまうというのは、それこそ尋問技術の初歩の初歩です。つまり、単なる誘導に過ぎません。
故に、特に近代以降は、犯罪の捜査においては科学的証拠を重視し、自白を重視しない傾向が優勢になり続けているのですが、人間というものは心の余裕を失ってしまうと、安易な手管に頼るようになるわけですな。何しろ“自白という結果が伴う”んですから。
しかるに、結果として拷問による自白で得られた情報の確度・精度は低く、それによって組織や部隊が振り回され、結果としてより悪い状態を生むという点で、この方法を行ったCIA、そして米国の行政権を握る大統領の見識は問われることになろうかと思います。
效果がない、あるいは效果が薄いと予め分かっている方策にヒト・モノ・カネを突っ込むのは、公権を預かるものとして避けるべきことの最右翼に位置すると私は思うのですが、勿論違う考えもあるとは思います。
- 2014年12月17日(水曜日)
- 寒波襲来絵詞。
歯医者の予約があったので職場を定時で拔けた筈なのに、予約の時間に間に合わず、次は来年になってしまった。
帰りの電車の途中で体調が悪くなって、一旦降りて回復を待っていたなんてことがあったもので……。
来週の月曜までの辛抱だ。
- 2014年12月18日(木曜日)
- どうも外付けHDDの調子がイマイチな感じである。考えてみると、2007年か8年に購入したHDDなので、いい加減寿命だろう。吹っ飛ばない裡に新しいHDDに交換するのが吉だな。
- 2014年12月19日(金曜日)
- うっかり忘れていたコミケの宅急便搬入を済ませた後になって、ラベルを貼る場所をコミティアと混同して間違えていたことに気づいた。
まあ、大丈夫だろ……。
それより、日程的にどうあがいても新作が完成しそうにない方が問題だろう。
短編一本に何年かけてんだ。
- 2014年12月20日(土曜日)
- 午前に郵便局などを回って、午後に休日出勤。
思ったほど仕事ははかどらず。
已むを得ず家に持ち帰る。
- 2014年12月21日(日曜日)
- 久しぶりに池袋まで出て書店に。
この程度の外出が苦痛に感じる体調ってのは早く終わってくれねぇかなぁと思うわけだけど、明日ステント拔去すれば良くなる、はず。
で、目的の本を一冊買い忘れてくるというオチもついた。もういいや、Kindleで買ってしまおう……。
kindleもなぁ、入っている本が200冊とか超えると、流石に管理が鬱陶しくなる。もう少しどうにかならんものか……。
- 2014年12月22日(月曜日)
- ステント拔去の日。
というわけで、病院に行ってステントを拔いてきました。内視鏡入れて、鉗子を使ってえいやって感じで拔くんですが、鉗子でステントを捕まえる迄、結構ごりごり動かされた。
ともあれ、ステント拔去によって体内の違和感はスッキリと晴れ、一応健康体と言える体になった模様。ただし、内視鏡入れたためか、尿と共に血がどばどばとでる。これ止まるまで一日くらいかかるんだよね……。
- 2014年12月23日(火曜日)
- やや旧聞になりますが、「スペインのGoogle News閉鎖で、新聞協会がパニック」というネタがありまして、なんというか、金の卵を生む鵞鳥を殺したら金の卵を産まなくなったよ!みたいな……。
スペイン新聞協会はGoogle Newsによって得ていた利益があった筈なのですが、それを顧慮せず、俺達の取り分はもっと大きい筈だ、と訴え法改正を働きかけ、首尾よくGoogleに賦課を押し付けることに成功したものの、結果としてGoogle Newsの撤退を招き、最終的に全てを喪ったわけです。
何かイソップ童話を見ている気分ですね。
正直、そんなのやる前から結果なんて解ってただろうと思うわけですが、ぶっちゃけますと、スペイン新聞協会は自前でGoogle News代替サイトを立ち上げるしかないでしょうね。それが如何に費用対效果に見合わないものであったとしても、それこそが自らが招いた事態への責任というものでしょう。
- 2014年12月24日(水曜日)
- 血も止まって、ようやく快調な感じ。
なんかフランスでテロが相次いでいるようで、「仏首相「テロの脅威に直面」 襲撃相次ぎ警戒強化」と警備の強化が行われているようです。
しかし、かつてないほどテロの脅威
というのは解せません。
私の知るフランス史では、第二次世界大戦後のアルジェリア独立戦争に絡んで、フランス国内でテロの嵐が吹き荒れた季節がありまして、そりゃもう、資料を見るだけで慄然とせんばかりです。
アルジェリアからの独立の熱烈な要求に対し、これを断固拒否すべしとする右派がド・ゴールを大統領に担ぎあげたら、権力を掌握したド・ゴール自身が独立容認に動いてしまい、右派はこれに対しOASを組織(といか軍の一部が離反というべきか)、アルジェリア独立を阻止せんがために要人暗殺やら爆殺やらを繰り返しました。ド・ゴール大統領も機関銃で乗車毎蜂の巣にされ、九死に一生を得たなんてこともありました。さらにOASに対抗する秘密組織がOASに対してテロを行うなど、フランスにテロの嵐が吹き荒れていた時代です。
私の感覚ではその時分よりはかなり穏当な気がするわけですが、フランスの価値観はよくわからないので、もしかしたらフランス国民同志の諍いについては伝統的に大きな問題にならないのかもしれません。
- 2014年12月25日(木曜日)
- 「オランウータンに「人権」認める」という正気を疑うようなニュースが。
えー。
オランウータンは確かに高等霊長類なんですけど、人権を認めてどうしようというのか……。
そもそも東南アジア、インドネシア辺りを棲息域とするオランウータンを、ブラジルの「保護区」とやらに放して、生きていけるもんなんですかね。しかも20年も飼育されていたわけで、自然環境の中で生き拔いて行けるものなのか、非常に不安です。三食上げ膳下げ膳の生活をしてたのに、突然「君、明日から森でサバイバルね」って言われたら、大抵の人間は「冗談じゃねぇ」と反対するんじゃないかな……。
それはともかく、意思表示もできない人間以外に人権を認めるのは、法や社会を不必要に混乱させる無益な判断ではないかと思いますな。
もっとも、アルゼンチンでは人間がオランウータン並みの扱いを受けている、という皮肉を利かせた判決なのかもしれませんけど。
- 2014年12月26日(金曜日)
- 仕事が逼迫しすぎて、家に帰って来て寝るだけの生活とか、最低から数えて3番目くらいじゃないか。
仕事納めだったらしいけど、全然そんな感じはない。というか、明日も会社行く。
せめて飯だけでも豪勢に食わんとやってられん。
- 2014年12月27日(土曜日)
- コミケ前日だというのに設営にも行かず。
午前中に宅急便を受け取り、雑務を終えていざ五反田。
なんとか一本記事をでっち上げ、次の記事のために動画を視聴。何度も視聴。
夕食にnyと昨日見つけたねぎしに行って肉をたらふく食ったら、食べ過ぎたのか、腹を下した。
暴飲暴食できない歳か……。
- 2014年12月28日(日曜日)
- コミケ初日サークル参加。
なぜかメンバが一人やって来ない。一人は新宿で電車が往生していると連絡があったが、もう一人はメールに返事もなく、刻々と時間が過ぎていく。
かくしてホール閉鎖時間となり、電話がかかってきた。
「すまん。てっきり明日だと思ってた……」
- 2014年12月29日(月曜日)
- 午後から出社して、TRONWAREの仕事など。
某Symposiumの録画を観ながらまとめる作業をするにあたって、まず音ズレしているf4vファイルをまっとうなmp4ファイルに叩き直すという作業が発生し、職場のPCの非力さが熱警告と自動シャットダウンという形で露呈する。
まあ、動画ゴリゴリ処理するようなマシンじゃないことは確かだわな……。
昨日作った雑煮の減り方が明らかにおかしい。このペースで減っていったら、年を越せないではないか……。
- 2014年12月30日(火曜日)
- 今日も午後から出社してTRONWAREの記事書き、原稿の校正に従事。
SAN値がゴリゴリ削られていく音がする……。
- 2014年12月31日(水曜日)
- 大晦日と元旦くらいは仕事は休もう、と思って、家で寝転がる。食っちゃ寝である。