哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2004年2月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2004年2月1日(日曜日)
 NHKスペシャル「陸上自衛隊 イラク派遣 〜ある部隊の4か月〜」を見て、非常に心配になった。
 装備でも訓練でもなく、志気の低さが、ありありと映し出されていた。
 番組中、自衛官が言っていた。国を守るため、家族を守るためならば命を捨てられるが、イラクへ行って自分の命を危険に晒すことにはまだ納得できないと。
 これは致命的だ。
 軍事組織においては、無論装備、訓練は重要であるが、それらに劣らず志気が重要な要素になる。特に、敗けない軍隊を目指す場合に於いては、組織を瓦解させないためにも、志気がとりわけ大切だ。烏合の衆、という単語があるが、ちょっとした犠牲ですぐに組織的行動が取れなくなる軍隊では戦鬪が覚束ない。装備・練度共に問題がない軍隊において志気が上がらないというのは、軍の出動目的が組織内部において納得されていないということだ。
 自衛隊の本来の任務である国防においては、士気を盛り上げる必要が殆どない。まさに自衛であり、ここで自身が危険を冒さねば、家族が、親戚が、友人が、隣人が、より危険な目にあうことが殆ど自明だからだ。
 この点、PKOやPKFといった国連決議に基づく派遣の場合、国際社会のため、あるいは世界平和のため、といったより抽象的なお題目を自身の命の対価としなければならない。
 これが今回のようなイラク派遣となると、流石にモチベーションを保つための理由付けに苦労しているらしい。
 しかしそれで派遣されるのが、これまでの海外派遣の中で最も危険な地帯なのだからやり切れない。少しでも高い志気が必要な時に、志気を上げることができないとは。
 はあ。
 首相の説明責任とやらが果たされてないことだけは確かなようですね。

 旭川や小松や呉の基地の外でデモやってる連中って、結局何考えてるんですかね。自衛隊って、名称はともかく軍事組織なわけで、基地にいる連中なんて命令一下で否応なく行動することが求められ、そのように練成されているわけじゃないですか。そんな自衛隊に向かって「派兵反対」とか叫んで何の意味があると思ってるんでしょうか。
 そういう科白は、命令を出す側、即ち最高指揮官でありこの国の首相たる人物や、もしくはその命令を追認する国会及びその構成員に対して言わにゃならんことでしかないわけですよ。
 言うべきことを言うべき相手に言わねば言葉なんて通じないわけで、自衛官に向かって「派兵反対」って言って見ても、そんなの「命令だから」の一言で終わりでしょ。
 その程度のこともわかんない人間が多いから、派遣反対派の意見って説得力を持てないんですよ。

 で、台湾問題がきな臭い中、日本もそろそろ旗幟を鮮明にせんとあかんと違うのか? イラクに派兵している場合じゃないってのに……。


2004年2月2日(月曜日)
 竹居さんから連絡を受けて確認した所、坂村センセの人間講座のテキストの102ページに大きな間違いがありました。
 第一回目の本放送直前じゃん……。
 当該部はUnicodeがらみの話をしている部分なのですが、全体として正しいかどうかはさておき(この辺を語り始めると日記の分量が一気に数倍になること請け合い)、「ユニコードではコンピュータを開発する側の便利さから、世界中の文字を約六千四百字分のコード空間に収めようとしました。(坂村健『「ユビキタス社会」がやってきた』日本放送出版協会、p120より。下線部引用者)ってのは流石に一桁違う。
 それから、Unicodeの話をする時に気をつけねばならないのは、Unicode 1.1までと2.0以降ではそのありようが変わっていることです。正直言いますと、3.0、3.1、4.0のUnicodeは結構真面目に頑張ってると思いますよ。少なくともTRON側が批判できるようなレベルのものじゃない(笑)。当初方針の間違いはあったものの、それでも今やそれなりの物に育っていっているんだから。
 坂村先生の好きな言葉で言えば、「継続は力なり」ですよ。完全に多言語処理の研究が中断しているTRONより、多少の蛇行や衝突はあるにしろ、それでも遅々として進捗し続けてきたUnicodeを批判する資格は、私たち(TRON側)にはないと私は思います。

 cnnを読んでいたら、「Engineering geek names son version 2.0」なんて記事が。
 ミシガン州Hollandに住む技術ヲタクのJon Blake Cusackさんは、生まれた息子に「Jon Blake Cusack 2.0」という名前を付けたんだそうな……。
 ええと、どこに突っ込んだらいいのやら。
 2.0って、ミシガンでは数字を名前に付けられるのかとか、発音どーすんだとか、孫が生まれたら3.0で兄弟だったら2.1なのかとか、まともに動くようになるのは4.0以降なのかとかとか……
 日本でも法相が先週だったか、人名漢字を1,000字ばかり追加するとか表明したそうですが(なんでまだ載ってないねん>法務省。裏取りできなきゃネタにできんだろうが)、流石に算用数字を使用する許可は下りんでしょうなぁ……。漢数字は使えますが。
 それよりも日本では同一戸籍内の者と同じ名前をつけることはできないという「先例」(昭10・10・5民甲1169回答)があったりするので、自分の名前を子供につけること自体ができなかったりしますが。(ちなみに字が違っていればいいので、読みが同じ名前を付けることは可能らしい)
 何故か日本国民の名前って、このように色々と不自由なんですよね、明治以来。単に夫婦別姓とかだけじゃなくて、こういう全般的な所に目を配ってみると面白いですよ>その辺の人


2004年2月3日(火曜日)
 また左目に麦粒腫ができちゃって眼科の世話に。自分で膿が出せればいいんだけど、流石に目はねぇ……。

 一日にメッカで起きた、将棋倒し事故なんですが、気になっていることがあるんですよ。
 日本人信者に死者や怪我人はいなかったんでしょうか?
 外国での事故が報道される時、鉄道事故だろうがバス事故だろうが「日本人の犠牲者は……」って大抵報じられるのに、今回に限って何故かその文言がない。
 謎だ。

 このクソ忙しい時に、NIFTYから「member.nifty.ne.jpでやってたサービス止めるからどっか行け」(意訳)と言われる。っちゅーわけで、Million Meansの引っ越しが新たにタスクとして放り込まれた。


2004年2月4日(水曜日)
 立春だそうで、今日は比較的暖かかったですね、確かに……。

 家で待っている金にならない仕事の量に、ちょっとだけ挫けて、一時間ほど家に帰るのを遅らせてみる。何の解決にもならないし、心が晴れやかになるわけでもないのだが。

ょっといい話でも。
 cnnに「Rent money returned 40 years laterなんてファンタジィな記事が。
 スウェーデンのトレボルグに住むGulli Wihlborgさんは、1963年16歳のときに自転車に乗っていて家賃の半額、45クローネ53オーレの入った財布を無くしたそうです。それが、41年も経って、しかも中身入りで戻ってくるなんて、一体財布はどういう変転を辿ったものやら。
 推理を始めると色々考えられるのですが、ここは一つ、トレボルグの街が返してくれたんだよ、とゲイルズバーグのようなことを言ってみておきましょう。その方が夢がありますからね。
 そういえば、似たような話が去年沖縄でありましたな。

 ちょっといい話が終わった所で、殺伐とした話。
 ACCSoffice氏の件。結局office氏が逮捕されるという形になってしまいましたね。新聞・テレビ・ネットなどの報道媒体で「京大研究員逮捕」などと報じられて、一般の人の目にも多く触れたと思います。
 しかし、報道の多くが表面を軽く撫でた……というかoffice氏が一方的に悪いかのように伝えているのが気に掛かります。今回の件で告訴状を提出したACCSとて、被害者面をしてはいますが、よくよく考えれば流出した個人情報をいい加減な所に置いといた張本人なわけで、実際流出してしまった個人情報の主からしてみれば、やはり管理責任を問われて然るべきといった所ではないでしょうか。
 救いようのない話ですが、office氏は勿論言うまでもなく間違ったことをしたのですが、だからといって侵入された方が無謬だったわけでもないんです。大体、ACCSは当のoffice氏から指摘を受けるまで問題に気付いてすらいなかったわけでして。
 こうなると困るのは波及効果で、今後「下手に通報して逮捕されたらつまんないヨ」ということになって、脆弱性の報告を敢えてしない風潮ができ上がると、状況は一層悪くなります。一般人から見ると、セキュリティ関係者はすべからく犯罪者予備軍に見えるようになるでしょうし、関係者はその知識や技能を社会還元することに消極的になるでしょう。でき上がるのは、「専門家はみんな知っていたけど、誰も指摘しなかった欠陥住宅の山」みたいな話じゃないでしょうかね。
 今回office氏が逮捕されたのは残念ながら当然だと思いますが、今後のために冷静で分析的な報道を望みたいものです。


2004年2月5日(木曜日)
 りつべの商業本が出てたよ>ny
 マジカルランドの最終巻も出てたよ>ヨッシー
 電撃文庫の2月新刊がぞろぞろっとあったよ>その辺
 以上、業務連絡。

 人民網日文版を見ていたら、「FIFA、サッカー「中国起源説」を今夏に正式認定へ」という記事に驚く。
 知らなかった! サッカーって中国起源だったのか! 俺ぁてっきり日本の蹴鞠がルーツだと(炸裂)。
 それはともかく、FIFAのサイトでニュースを漁ってみたけど、それらしき情報は見当たらず。一体なにがどうなっているのやら。
 教えて詳しいヒト

 兵庫で、盗んだ原チャリに三人乗りしてるところを発見され、パトカーに追い回された挙げ句事故って入院する羽目になった中学生のうちの一人が、病院を拔け出して首を吊って自殺したという報道があった。
 死ぬほどのことなら最初から原チャリなんか盗むなよ……。
 ここ数年、自動車や自動二輪などが、パトカーの追跡を受け、逃走を試みて事故を起こすことが増えています。公徳心の低下ってこういう所にまず現れるのでしょうが、それはともかく、警察としては何らかの対策を取って欲しいものです。馬鹿が自分一人で死ぬ分には何の痛痒も感じませんが、交通事故というのは往々にして他人を巻き込みますので。
 停車を命じられたら素直に止まるべきです。逃げれば概ね罪が重くなります。逃げきれればいいとでも思っているのでしょうが、公訴時効まで逃亡しきれる可能性は、パトカーの追跡を受けている段階でほぼゼロです。その上事故まで起こしたら、目も当てられない。
 損得勘定ができなくなっているのか、あるいは捕まった時のデメリットが逃げきれる可能性にかけたくなるほど大きいのか……。前者にしろ後者にしろ、社会にとってはあまりよい傾向とは言えないでしょうね……。


2004年2月6日(金曜日)
 本日の教訓。
 「ノートパソコンは持って歩くもんじゃない。
 肩に食い込むスリングが、お前にはモバイラーは無理だと告げてくれました。

 パキスタンからイランへの核技術供与に、日本(の企業/個人)が関った疑いが持たれているようです
 こりゃぁ魔女狩りになるかな。
 この辺の問題に神経質な方々が聞いたら、卒倒しそうな話じゃないか……。

 景気の悪い御時世ですが、なんと自宅に石油が沸いたなんてニュースが。
 油田地帯テキサスに住むLeila LeTourneauさんが2日に家に帰ってみると、家の台所や風呂やトイレに石油が吹き出していた、と。しかし沸いたは沸いたでも、家中石油まみれで暮らせなくなったってのはチト問題ですなぁ……。


2004年2月7日(土曜日)
 久しぶりにたっぷり寝た後、もそもそと起きだし、読書三昧。

 とーとつにCSSの勉強など始めてみる。しかし今更だよな。将来的な知識の汎用性を狙うなら、XML + XSLの方がいいことは確かだし……。しかし、SGMLの知識って殆ど役に立った覚えがないなぁ……。
 CSSですが、当面このページに導入するつもりはありません。
 Mozilla Firebird on 超漢字がきちんとリリースされた後に考えたいと思ってね。


2004年2月8日(日曜日)
 なんか試験なんか受けてみたりして。

 去年受けた試験では、会場で文庫本を三冊ばかり読み果たしたりしていて、ミツルんから「三冊は多すぎる。せめて二冊にしなさい」と言われてしまったので、二冊に抑えてみた。この靈験が功を奏すや否や。

 あらりあさんが「あなたの前世チェック」なんて紹介していたのでちょっとやってみた。

あなたの前世はこんな感じ!

あなたの前世は【幕末に人知れずところで影のように暗躍した暗殺者】のようです。
あなたの前世は、江戸時代末期、時代が新しく生まれ変わろうとする頃の幕末に暗躍した暗殺者であるようです。
何が正しくて、何が間違っているのか、日本人が手探りで暗中模索していたあの時代に、あなたは高名な人物の元で、影となり、悪を討ちつづけていたのでしょう。
そのためいつしかあなた自身が敵に狙われるようになり、激動の時代の最中、若くして命を絶ったようです。
数百年のときを経て、現代世界に転生したあなたですが、前世の生き様のためか、どこか心の中に翳りがあるようです。
この心の闇を取り払うことこそが、あなたの現世における使命なのかも知れません。
わずらわしい世事を離れて、一人になったときこそ、あなたの心に眠る暗殺者の血が落ち着きを取り戻すことになるでしょう。
強者の魂  30%
道楽の魂  57%
苦境の魂  100%
妖魔の魂  82%
 気のせいか、今と大差ないような気がするなぁ……。

2004年2月9日(月曜日)
 始まったのね。

 なんかいよいよ吉野家で牛丼が食べられなくなるらしく、そうなると普段別に食べたいとも思わないくせに食べに行きたくなるから不思議(爆)。まあ、なくなるとは言いますが、本当は牛丼一杯280円で食べられたことの方がおかしいわけで、それなりの値段なら多分供給できると思うのですが……どこからか供給体制を整えて復活するんでしょうか、遠からず。
 それにしても、牛、鶏、豚に以前から魚もと、動物性蛋白を摂るなと言わんばかりの「食ってはいけない」状態ですが、各国の検疫体制を超えるような事態がこうも頻発するようでは、何か根本的な問題があるのではないかと思いますね。

 あー、なんか根本的に可処分時間が足りてない感じ。


2004年2月10日(火曜日)
 天気予報が言っていた不思議な言葉。
氷点下マイナス1度
 何度なんだよ、それ……。

 とにかく寒いことは寒かったんですよね。躰は防寒具に包まれていても顏は剥き出しなわけでして、凍て付く風が痛いくらい。
 そこで通勤中に、ここは一つ景気づけに歌でも歌って走ろう!と思ったのです。こういうときは勇まし気な歌でも歌うのが一番です。
 と、何も考えずに開いた口から流れ出たのは……。
「$(C紫蟹錘 賑燃亀 団侯焼鎧壱〜」
の歌じゃん(爆)。(曲名「$(C雁重戚 蒸生檎↑ 繕厩亀 蒸陥」)
 はっはっは。まあ、勇ましい歌には違いないし、日本国内で歌ってても誰も気づきゃしねぇからいっか! 「インターナショナル」とか歌いながら走ったら捕まりそうだもんな!

 で、その北のお国なのですが、国連世界食料計画から、「今年も餓死者が出そうだから援助が必要です」と言われているんですが……。六ヶ国会議とか悠長なことしてる場合じゃないんじゃない? 核カードと取引ってのも頭は悪くないんだけど、こっちが持久作戦に出るだけで国内が目茶苦茶になるって段階じゃぁねぇ……。もうちょっと余裕のある時点でないと駄目でしょうな。
 食料を他国に握られると駄目ですよ、かなり。旧蘇聯じゃないけどね。

 で、食糧事情が心理的に悪化しているらしい我らが日本ですが、吉野家凄かったですね。昼に職場の近くの店先を通ったらもの凄い人の数で、昨日の私じゃないですが、「普段別に食べたいとも思わないくせに食べに行きたくなる」って奴なんでしょうね。
 どうでもいいんですけど、今の職場って吉野家本社のド近所だったりするんですよね。だからどーしたって話ですけど。いや、大変そうな人たちをよく見かけるものでね。

 日本の食糧事情……もとい、牛肉事情を悪くしている米国のBSEですが、USDA調査終了を宣言したようで。マスコミの反応は、これじゃ日本納得しないんじゃないの?って感じでしたが、さてどうなりますことやら。
 米国食肉牛業界において日本は最大の顧客なんだそうですので、お互いに真剣な協議が進められるとは思います。
 でもこの問題、科学的に決着がつけようがないところが争点でしてね。BSEの原因が異常プリオンだというところまでは合意が取れるとして、その異常プリオンは本当に肉骨粉から伝染するのか、って辺りで既に侃々諤々になって、最後にBSEの牛の肉を食べた人間が新変異性クロイツフェルトヤコブ病に罹るのか、という話になると未だメカニズムもよく分かってない話だったりするわけです。
 こうなるとコスト‐リスクの判断は感情的にならざるを得なくって、安心のお値段は?って事になっちゃうんですよね。


2004年2月11日(水曜日)
 超特大のセキュリティホールですか。そうですか。

 毎日新聞のサイトに「新聞社のネット事業はどうなるか 「オールド&ニュー」メディアのあり方議論」なんて記事があって多少考えさせられました。
 私が前職にあったころから、基本的な事情が何も変わってないようですね。
 私自身、実は紙媒体の新聞は取ってません。しかし新聞記事データベースはちょくちょく利用してまして、その支払いが月5ケタに届くことがなかったわけではありません。過去の記事を確認しようと思ったら、やはりああいったデータベースは便利でして、他にも有料の判例データベースなんかも時に利用します。前職にあった頃は日外アソシエーツの人名データベースもよく利用してました。最近はあまり用がないのですが。
 紙の新聞やWeb上のニュースは基本的にストリームであって蓄積はされないので、自分でクリッピングしておくか、データベースを利用することになります。私が歴史屋であることとも関係するのかもしれませんが、一過性の報道よりも、まとまった報告や、そこに至る経過をより知りたいと思うので、日々の報道よりも蓄積を重視するわけですね。そういう点で「新聞紙」を購入するのは無駄が多いわけです。
 率直に言って、紙の新聞って、一体何が売りなんでしょうか。
 速報性ではネットに劣り、正確性では信頼が薄れ、掘り下げはルポルタージュに敵わないとなると、その紙面の膨大さからくる多様性とかがそれに当たるのかもしれませんが、私のように興味のない情報などとっとと忘れようなどと考えるシャーロック・ホームズ染みた人間が相手では分が悪そうです。
 ぶっちゃけ、私は紙媒体の新聞がなくなっても痛いとは思いません。
 でも、新聞記事データベースがなくなったら大変困ります。
 「DBのアカウントと紙の新聞がセットになります」なんて言われた日には、しょうがないから新聞紙を買ってしまおうかと真剣に悩むでしょう。
 いい加減、新聞社は紙に拘るそのありようを変えるべきなのではないかと思って数年なのですが、変化が進んでいるという話も聞かず、今もってこういう記事が流れるところを見ると、ネットワーク経由での新聞データベース收益を中心に据えるというのは難しいのでしょう。
 もっと気軽に支払いができればもう少し事情は違うのでしょうか、それとも過去の記事の検索などに金と時間を費やす人間は極少数なのでしょうか……。


2004年2月12日(木曜日)
 朝一番でWindows Updateを実行したら、KB833407が目に付いた。
 これって、アレじゃん……。
 そうですか。「critical update」でございますか。強制されるんですか。世界中の仏教徒に喧嘩売ってるのかな、もしかして?
 削除にいたる経緯とか、結局日本語でのアナウンスなしかよ……(影響を被るのは日本などの東洋圏なのにねぇ……)。

 ESAが火星表面探査機Beagle 2の損失を宣言しました。折角あそこまで飛んでって、火星に突っ込みまではしたんですけどね……。
 今のところやはりNASAが一枚も二枚も上手ってことでしょうかね。経験でも実績でも。
 勿論悲観する必要もへこたれる必要もなくて、それなら我々は我々で追い付くべく努力すればよいだけの話でして。
 ただ、そのための支援がきちんと受けられないことが多いんですよね、この国って……。

 去年に速報をちょっと採り上げた「FLOSS-JPオープンソース / フリーソフトウェア開発者オンライン調査日本版」ですが、詳報が出ました
 細かい感想などはまた今度……。


2004年2月13日(金曜日)
 某所で歴史講義をン時間程。
 私の歴史講義は、余りの救いようのなさに思わず首を吊りたくなるなどと友人界隈で好評であるが、それは間違っても私が救いようのない人間だからではなくて、歴史というのは大抵救いようのないシロモノだからである。
 断じて私のせいではない。

 久しい友人からメールが届く。
 「小熊さんの近況は、日記で大体知っていますよ(笑)。」
 説明が要らないって便利だな……(^^;

 日本の抱き枕文化が米国にも紹介されたようです
 ってただのヲタグッズぢゃねーか……。
 そもそも、この記者、何者?


2004年2月15日(日曜日)
 あれ? 昨日の日記がない……ってことは、書き忘れ?
 っていうか、時間経過の記憶が定かじゃないなぁ……。
 一週間の読書ノルマをこなすために本を読んでいるような気分になってきた(笑)。

 NHKスペシャル「SARSと鬪った男」は生々しいドキュメンタリだった。結果から逆推して彼の行動が正しかったとかどうとかこうとか語るのは全くの無意味だ。もし自分がその時その立場に置かれたとき、果たして同じ危機感を持って行動が取れたか?と考えると、カルロ・ウルバニ医師には敬服する他ない。
 恐ろしいのは、彼の行動が彼の一身属性に由来するのではないか、という危惧を払えないことだ。
 そんなものは奇跡と一緒だ。
 世界は奇跡や超人を求めてはいけないと強く思う。卓抜した個性によって救われることなど、あって欲しくない。誰にでも備わっているくらいの力で物事が解決されることが、世界にとっては重要だと私は思う。


2004年2月16日(月曜日)
 朝、もの凄い風。先日春一番が吹いたという話だったが……。

 この日記で何度も採り上げてきたアイレディース宮殿黒川温泉ホテルですが、廃業を宣言しました。
 いい加減説明するのも嫌なんですが、全面降伏したと思ったら、その後も国が悪いだの県が悪いだのと言い張ったり、大学生とのやり取りをwebで公開してみたりとやりたい放題の挙げ句、いよいよ4日間の業務停止命令が出るとなってあっさりハラキリしたと。悪い意味での武士道ですな。ただの逃避じゃんか。
 こんなもんが謝罪だと思っている人間がトップに座ってたから、こんなことになったんでしょう。
 ホテルの従業員はいい迷惑じゃないか。

 竹居さん11日の記述を受けて「私は今引っ越しの真っ最中だが、雑誌やら書籍やら移動するため床や地面に仮置きする際、新聞紙くらい役に立つものはない。」と書いているのを読んではたと膝を打った。
 確かにその通りだ。
 私も山に行くときは、新聞紙を一日分わざわざ購入してザックに詰めていく。濡れた靴に詰めるも良し、ちょっとした敷物代わりにするも良し。非常時には付け木の代わりや服の下に詰め込んで毛布代わりにもできる。考えてみれば素晴らしいばかりの多機能性だ。問題はインクで文字や写真が刷ってあって手が汚れることくらいか。
 ここは一つ、全く印字のない新聞用紙一日分(A全版×15枚)くらいを100円あたりで売ってくれないものだろうか。それで万事解決だ。
 中身には用がないから(をゐ)。
 とまあオチがついたところで、話を戻す。竹居さんは「新聞に載っている情報を媒体と同じように使い捨てている」と読者と新聞の関係を喝破している。言われてみれば、という奴だ。私自身があまりそういうことをしないので、まったく盲点だった。
 私にとって情報とは、理解して分類して関連付けて蓄積していずれ使う日を待つものであり、自分の脳味噌に入りきらない分は書籍という形で備蓄したりデータベースへのアクセス権という形で担保したりするもので、間違っても使い捨てにはしない。大体、歴史学というのは情報をリサイクルする学問だ(笑)。
 そういう私にとっては、この時代における高度情報化という奴は途轍もない福音なのですが、では一方で「情報を使い捨てにする人」たちにとって、この情報化社会って本当に恩恵なのかね?


2004年2月17日(火曜日)
 終業後、図書館情報大学でお世話になった和光先生たちと渋谷で飲む。
 TRON関係の話など少々。
 この件は上手く進めたら面白くなりそうなので、今後も関わることにする。

 非道い話だな……。商道徳もクソもヘッタクレもない。
 1980年代並みの事件だよ。
 こういう事件が起きたときに気軽に相談できる、ソフトウェア関係の事情に明るくフットワークの軽い弁護士が、今後求められるところでしょうね。やはり企業対個人では交渉がなかなかスムースではありませんから。
追記:最終的な顚末はどこちらなどどうぞ。


2004年2月18日(水曜日)
 ネタにしようと思って報告書をわざわざ印字して読んでみて、その上で「これはボツ」となった時って、書くことがなくて困る……(^^;
 いや、まさに今日がそうなんだけど。

 やや旧聞に属しますが、先日文化審議会著作権分科会で、逆輸入CDを著作権法改正で規制する方針が定まりました。
 無関係ってほど無関係じゃない身としては、日本の音楽業界って何を考えているのかと首を捻るばかりです。
 これってどう考えても音楽出版者の保護一辺倒で、消費者保護にもならなければ、著作者の保護にもなりゃしませんよねぇ。国内正規盤だろうが海外正規盤だろうが著作権者には著作権料が入ってきますから、著作権者としては本質的な問題じゃない。消費者は当然廉い方が嬉しいでしょうし。
 海外から入ってくる逆輸入盤と価格競争をしたくない、という流通側の意思表示なんでしょうね。でもそれって、甘えだと思うなぁ。
 いくら「文化の保護」というお題目があったとしても、ものには限度ってものがあらぁな。
 個人的には「価格」よりも「価値」の競争をして欲しいと思うのですよ。たとえば国内盤はSACD or DVD-Audioのみで3,000円、逆輸入海外盤は1,000円だけどCD-DAとか言われたら、個人的には充分価格と価値に折り合いがつくんです。でも今は同じCD-DAですからねぇ。
 この問題って、DVD-Videoでも起こってますが、充分な競争努力よりも「規制」が先走るのは如何なものかと思いますね。


2004年2月19日(木曜日)
 以前紹介したOpenSkyこと実物大メーヴェ製造計画パイロットを募集しているんですが……こんな条件を満たせる人っておいそれといないだろうに……。

 仕事で、「山形県東置賜郡川西町高豆蒄」なんて地名に出くわしたんです。
 読み下すと「やまがたけんひがしおきたまぐんかわにしまちこうづく」なのですが、問題は最後の「こうづく」にあります。
 普通、「蒄」の音は「カン」であって「く」とは読みません。
 また、「づく」という単語は一般に「豆蔲」と書き、植物の一種を指します。字面は少うし似てますけど、全く別字ですね。
 このことから、問題の地名は「高豆蔲」の間違いなのではないか、と思ったのですが、郵便番号検索で「999-0132」を引くと「高豆蒄」と出ますし、川西町のページを検索しても「高豆蔲」ではノーヒットになります。
 これはつまり、いつの時代からか「高豆蔲」を「高豆蒄」と誤記するようになり、今や「高豆蒄」と書くのが正式化してしまったのではないか、と。
 勿論そんな例はこの土地に限らず日本全国に転がっているでしょうし、地名に限らなければ、誤用の慣用化なんてそれこそ枚挙に暇がないほどあるでしょう。
 しかしそれでも思うのです。思わずにはいられないのです。
 できればやめてくれ、と。

 「Teen finds his picture on missing children's Web siteなんて記事を見て、どうしたもんかね、と。
 ネットサーフィンをしていた17歳の少年が、行方不明児捜しのページでたまたまなんと自分の父親が掲載した3歳の自分の写真を発見し、教師に相談したら、母親がとっ捕まってしまった、と。記事によれば、離婚した時に養育権が父親の方へ行ったらしく、息子との面会を許された隙に母親が息子を拉致してそれっきりになっていたらしい。
 母親が逮捕されたことについて少年はかなりのショックを受けているとのことなのですが(そりゃそうだろう)、しかしこの話って、結局一体これで誰が幸せになったっていうんでしょうかね?


2004年2月20日(金曜日)
Q:昨日の日記の「蒄」と「蔲」って全然似てません。
A:そうですね。私にも別字に見えます。でももしあなたのブラウザに「扎(手偏に礼の旁)」が表示されているなら、それはブラウザの問題(文字化け)ですが

 一時は没にしたネタだったのですが、読売が面白い反応をしてくれたので改めて俎上に乗せたいと思います。
 読売新聞20日付けの社説で「[性差意識]「男性優位も性の否定も間違いだ」」と題して日本青少年研究所の「高校生の生活と意識に関する調査」について言及しています。
 一応概要と単純集計結果については目を通したんですが、この社説を書いた方は本当に目を通したんですかね?
 社説では『「男は男らしくすべきだ」「女は女らしく」と考える比率が、日本の高校生は際だって低いことが明らかになった。』とありますが、その前段階として「男らしい」「女らしい」というイメージについて20項目ほど問があって、その殆どの問において「区別できない」という回答が他国に比べて多いという結果が出ています。性向についての形容を主とする質問項目から男女どちらの性をイメージするか、という調査により、その国固有のジェンダーイメージを浮彫りにはなる……のですが20の項目が妥当であったのかどうか、些か疑問に思われる節がないでもないです(笑)。それなりに面白い結果ですが。
 まず日本の高校生は、性向についてジェンダーイメージそのものがかなり曖昧であるようです。ただし、これはあくまで性向の話で、社会的役割他を含めた場合の男女差について、たとえば「問14:もし生まれ変わることができるなら、あなたは男として生まれたらいいと思いますかそれとも、女として生まれたらいいと思いますか」の回答はそれほど際だって他国と違っていません。他にも「問9:あなたのクラスでは、次のことをについて、男子と女子はどっちが多いですか?」などという質問でも、やはり際だって「ジェンダーフリー」を窺わせる結果は出ていません。ちゃんと性差は出ています。
 私の個人的な見解ですが、調査から読み取れるのは、個人的な性向について日本が極めて寛容なのではないか、という点だけです。実態は他国と大差はない可能性は高いです。
 私としてはこれは少数派差別圧力が低いと見ますので、それなりに評価できると思います。結果的にジェンダーのあり方が他国と大差ないのであれば、ジェンダーについての圧力が小さいことは、調査では誤差に入るであろう少数派にとって住みやすい社会であると考えられるからです。
 米国では先日「男性にスカートを穿く自由を!」とデモがあったようですが、日本の場合「悟りを開いた人」ですからねぇ……(笑)。ちょっと古いですが、SHAZNAのIZAMなんて例もあるし。
 私は多様性のある少数派の暮らしやすい、こんな日本の社会が好きです(笑)。

 そういえば隣の韓国では、「女性専用選挙区」なんてものの導入が検討されているようですが、それってフェミニズム的にどんなもんなんでしょうね? どう考えても何か間違っているようにしか思えないんですが。
 ま、所詮他所の国のことなんですが、この国に飛び火しないか心配で(苦笑)。

 先日紹介した非道い話ですが、C NETに記事が載りました
 こういった大手メディアに載ること自体は歓迎なのですが……この岡田大助って記者さん、なーんも独自取材してないように見えるんですが。ネット上に転がってる情報を適当に組み合わせただけじゃないのか、これ?
 最低限度の情報伝達の用は成していますが、この程度の記事なら無くても全く問題ないって辺りでかなり低品質です。
 記事の重要性が「C Netに載った」こと以外何もないんですよ。こんなのを書く方も載せる方も、もう少し報道ってものの意味を考えて欲しいものです。


2004年2月21日(土曜日)
 ふう。ちょっと凹み。
 明日コミティアだってのに、まだカタログチェックもしてなきゃ新刊もない。精神的にすげー辛い。
 自分のやりたいことをきちんとやり切れない状態が続くと、精神面でちょっと鬱屈してくるね。どっかで気晴らししないと。

 いや、単に税金の申告の時期が来たからすげー嫌な気分になってるだけという気もするが。


2004年2月22日(日曜日)
 ワンフェスと重なってたのね>コミティア
 道理で変な客が沢山会場に向かって歩いていたわけです。

 今日は暖かかったですね。春が一気にやってきたのかと思いましたよ。
 天気予報では夕方から雨という話でしたが、実際に降り始めたのは夜になってからで、しかも風が凄くて傘差せないし……。折角傘持って移動してたのに。


2004年2月23日(月曜日)
 西の空に三日月を見ながら走る。昨日の暑さが嘘のような寒さ。
 風邪引いたりしないように気をつけないとな。

 仕事中にWidowsの調子がおかしくなってきて、タスクバーが全く反応しなくなる。普通ならここでリセットと行くのだが、今日はたまたま時間のかかるスクリプトを走らせていたもので、そのまま仕事を続行。立ち上げていたコマンドプロンプトからstartコマンドを使ってWindowsアプリやら何やらを立ち上げて急場を凌ぐ。
 予定では明日もこんな感じで凌ぎまくることになりそう。
 仕事してます、PCが……って感じの状態(^^;


2004年2月24日(火曜日)
 Yahoo!BBから470万人分の名簿が流出したという報道を見て、啞然。
 これまでも数十万人分という名簿が流れたことがありましたが、一桁上です。しかも、会員総数よりも多く、どうやら解約した人も含まれているらしいとか。これはもう、根こそぎやられたって感じですね。
 Yahoo!BBをご利用の皆さん、ご愁傷様でございます。
 事件の発覚は名簿をネタにした恐喝からだそうですが、SoftBank BBは確か漏れたのは242人分とか言ってなかったか? 恐喝事件があったのが1月21日というから、漏出数を過少に報告しようとしたとかいうのではないかという疑いが持たれます。

 立て続けということで話題になったアスパルテーム(商品名:パルスイートの特許報酬訴訟(成瀬昌芳氏)ですが、一審判決は1億8,935万円の支払い命令となったようです。日立光ディスク特許訴訟(米澤成二氏)、日亜科学青色LED訴訟(中村修二氏)と続いた高額の特許報酬支払い命令が、技術者の育成やモチベーションの向上に役立つことを願わずにはいられません。
 特許法職務発明条項の見直しが取りざたされる昨今、両者の力の均衡を今以上に慎重に推し測る必要があるでしょう。

 以前採り上げた件の判決については、判決本文をきちんと読んでから意見を書こうと思う。


2004年2月25日(水曜日)
 日本でもお馴染みの「Fly me to the moon」の原作詞作曲者、Bart Howard氏が亡くなったとの報道があった。 よくよく考えると、Joe Harnell編曲前の原曲「In other words」の方は聴いたことがないな……。

 三重県桑名市市立図書館で、PFI(Private Finance Initiative)が導入されるという報道があった。運営を請け負うのは図書館流通センターだそうな。
 PFI自体に異を唱えようとは思わないが、多少気にかかるところもある。
 図書館の運営の評価は、主として利用者数と貸出冊数などで測られることになるだろうが、これらの数字は適切な運営の結果として得るものであって、これを目標にするようなことがあってはならない。
 無茶苦茶な話だが、たとえば、ベストセラー本を20部も30部も購入し、数百人に貸し出せば、あっという間に利用者数も貸出冊数も、数字の上では跳ね上がるだろうが、それが図書館のあり方として適切かどうかには疑問が残ることになる。事実、このような、図書館のあり方を履き違えているとしか思えない図書館は実在する
 図書館の立脚点は、「図書館の自由に関する宣言」に見られる通り、遍く広く資料を収集し提供し、国民の知る自由を保証する所にあり、需要の多寡に阿るばかりではその機能を果たしきれない。
 PFIの導入によって、現在進行中の問題が解決に向かえばよいのだが。


2004年2月26日(木曜日)
 「朽然」とは何か? いや、本当、私の方が知りたいくらいだ(笑)。

 マイクロソフトの日本法人に公正取引委員会の立ち入り検査が入ったと報道がありました。
 本音を言えば、あんな企業はとっと独占企業認定して解体すべきだと思いますけど。せめて、パーソナルコンピュータ市場において、OSのプリインストール販売を停止させるか。
 そもそも、あんなMS-Windows/MS-Officeの営業利益率が80%だなんて数字が出る方がおかしい。札束刷ってんじゃないんだから。
 パーソナルコンピュータ普及の過程においてMicrosoftが果たした役割を否定するつもりはありませんけど、強すぎる独占企業は市場を停滞させますからね。(っていうか、PC OS市場なんてものはとっくになくなったか)


2004年2月27日(金曜日)
 自転車の前照燈を盗られた。CATEYE白色LEDのやつ
 しかし、ライト本体だけ盗ってって、ブラケットがそのまんま残っている辺りが、凄く間拔け。本体だけでどういう使い方をするつもりなんだろうか? ついでに中に入っている電池は単三型のニッケル水素二次電池だったりするわけで、対応充電器がなければこれまた意味がない。
 衝動的に盗んでいったのかもしれないけれど、頭が悪い泥棒さんだこと……。
 それはともかく、前照燈は取り敢えず新たに調達しなければならない。ブラケットが残ってるんだから、同じ物を買ってくるのが手っ取り早いのだが、実は最近太陽電池充電式の前照燈なんてものを見つけていて、何となく興味があったのだ。この際だから取り替えてしまおうかどうしようか。

 麻原彰晃に死刑判決。
 検察が最大限の努力を払ったことは知っているけど、それでも思ってしまう。一審判決まで8年は長すぎる、と。
 弁護団は控訴したそうですが、同時に全員辞任ですか……。本当にご苦労様でした。
 人間誰しも弁護を受ける権利があるとは言うものの、相手があれではその苦労は並々ならぬものがあったでしょう。どう考えても極刑以外の刑が下ることは考えにくかったわけですし。
 しかし、12人で8年がかり(96人年?)だった裁判の控訴審を一人の弁護士でやるってのは、些かならず無謀と違うかね?

 SOFTBANK BBから公式見解がでましたね。計4,517,039名ですか。しかも現会員のみならず、無料キャンペーンに申し込んだ人、解約した人などを含むときた。殆ど疫病神だな>赤装束軍団
 サービス開始当初からとやかく言われ続けてきたYahoo! BBですが、こうなるとこのまま商売続けさせない方がいいんじゃないかって思えてきますが、どうなんでしょうか>関係省庁様

 なんかWindows XP Reloadedが出るとか出ないとかいう話を見て、真っ先に、「じゃあその次はRevolutionsなのか?」と思ってしまった。多分全世界で5,000万人くらいは同じ反応を示すだろうなぁ。


2004年2月28日(土曜日)
 混迷の度を深めているACCS v.s. office氏の事件ですが、ACCSと被害者のうち3名が、office氏を相手取って合計約750万円の損害賠償訴訟を起こしました。確かに法的には全く問題ない訴訟なのですが、道義的にはどんなもんかと思いますね。久保田専務理事の私怨で動いているんじゃないかって疑いますよ。office氏の弁護人が優秀な方であることを望まずにはいられません。
 ACCSに関して言えば、「他にもっとやることがあるだろう」ってとこですか。こんなことしても、ACCSの社会的イメージが落ちるだけって気がしますよ。ただでさえ、昨今のセキュリティに関する情勢を悪くしている感があるんだから。
 非営利の公益法人であって、どれだけ体面を汚しても仕事に差し障りがないとはいえ、物には限度ってものがあると思うけどなぁ。

 イメージ戦略といえば思い出しましたが、JASRACが「【ご注意】著作権侵害の警告と共に、JASRACの名で送信されるメールにご注意を!」なんて発表をしております。以前RIAJを騙るメールがありましたが、これらの手口の共通点は「いかにもありそう」であるところですね。


2004年2月29日(日曜日)
 いい加減そろそろネタにしようかな、株式会社ウェディング(http://www.wedding-japan.com/)。リンクを張ると訴えられちゃうそうだから、URL直書き(笑)。
 自分の会社の販売方法が「悪徳商法? マニアックスに採り上げられたのに腹を立て、Googleに訴えて「悪徳商法? マニアックス」をGoogleから削除。その後も「はてなダイアリー」に削除要請を出したりと、派手に活動していました。で今度は匿名掲示板(仮)の管理者に6,000万円の損害賠償請求ですか。なんで2ちゃんねるじゃないんだろうか?
 それはともかく、私はこの会社と直接なんの関係もありませんし、さしたる情報を持っているわけでもありません。それでも、この会社の、一社(一サーバ)で数多くドメインを持ち、自社絶賛のページを立てるという宣伝方法には首を傾げざるを得ません。JAROに訊いてみたいくらいです。
 で、そういう会社があちこちで自社の悪口を言われたと金切り声を上げているのを見ると、たとえその主張が正しかったとしても、何やら胡散臭げに感じてしまうのは致し方ないところではないでしょうか。

 SOFTBANK BB事件の続報を見ていると、顧客DBへのアクセスパスワードがあちこちで「共有」されていたそうですね。さもありなんって所ですが。
 一般に、セキュリティ・ポリシーが高くなると、運用効率が落ちます。鍵の管理が厳重になりすぎて手続きが繁雑を極めるようになると、ほぼ自動的に裏技が編み出され、裏口の利用が常態化し、結果的に「名目状のセキュリティ」は高いのに「実体はザル」なんて状態に陥ります。コンピュータに限ったことではなくて、厳重に管理されている薬品庫の鍵には合鍵が作られてしかも学生が持ってた、なんて話はそこいらじゅうにあるでしょう。
 上の連中は当然のように極めて厳しいセキュリティポリシーを設定しますが、概ねそれがどのように実践されるか、あるいは実践が可能であるかについては熟慮しない傾向があります。
 一例を挙げれば、「権限を持った担当者が休暇(あるいは病気、事故でも可)のために不在」といったケースの対処です。澄まし顏で「申し訳ございません。本日は担当者が不在ですので処理できません」と答えて良いというならば、それで結構です(それは一つの「正解」ではあります)。ただし、それで損害が発生した時に責任をとらされるのは誰なのでしょうか? 答えた下っ端が咎められないという保証はないでしょうね。
 セキュリティ問題というのは、対処のために高度なバランス感覚を要求されます。時にはセキュリティの為に利益を犠牲にしたり、逆に利益のためにセキュリティを犠牲にしたり、その判断を強いられます。その上で許容される危険性を妥協し、許容できない危険に責任を負うわけです。
 セキュリティ問題で重要なのは緩厳の匙加減なのですが、一方的に厳しけりゃいい的な認識がなされているようで、それでは次の事件を防ぐことはできないでしょうね……。