哀愁日記
底に哀はあるの。

西紀2001年3月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2001年3月1日(木曜日)
 職場で私が使っているPCは良く落ちる。一日五回くらいはリブートしてる。今日なんかDBファイル開けてる途中で落ちてファイルを昇天させてしまった。
 どーにもあんまり落ちるんで、なんかオカシいんじゃないかと、職場で話あってる最中に、はたと気付いた。
「PWS止めてない……」
 止めたら、劇的に輕くなったし(爆)。
 いや、実験途中で放擲してそれっきり忘れていました。

 今日はシューレの学生ゼミの日。
 自己紹介で「古株ですが恐くないので臆せずに発言して下さい」と言ったら笑われた。
 謎だ。
 面白かったのは、最期の最期、nam21の方の発言があってから。
 子供に選択肢を与えない教育より、子供が選択できる教育システムの方がまだマシなんだろうが、子供が自分で選択肢を用意できるシステムを目の前にすると、その彩は急速に褪せるもの。
 そういうこと。


2001年3月2日(金曜日)
 BTRON.com-BBSで、たにもとさん(仮名)が口を開きましたねぇ。
 文字鏡超漢字の問題は、企業間の問題やら文字鏡研究会‐エーアイ・ネット間、TRONプロジェクト‐PMC間の問題やら、法的な問題やらなにやら山ほど絡んでいて、切り口一つで全然違った様相を帯びて見えます。
 私が現時点で言えることがあるとしたら、「誰一人として無謬たり得なかった」ということくらいですか。
 今後、色々な事実や真実や誤解や虚偽が出てくると思います。私とてそれらの全てを見拔くことはできませんし、事情を全て知っているわけではありません。そろそろ、情報を出さにゃならんかも知れないと思いつつも、まだ何かに期待している私。

 あ、3.03にバージョンアップ?

 明日はSioさんの結婚式だ。
 じゅりちゃんが前日上京して私の家に泊まった。
「茄子尽くしでおもてなしと、ファミレスと、どっちがいい?」
 と訊くと、ファミレスを選んだじゅりちゃん。そう。彼は茄子が嫌いなのだった。納豆も嫌いだそうだ。
 好ききらいはいけないと思うぞ。


2001年3月3日(土曜日)
 Sioさん神代創さんの結婚式。
 朝から動きだして、朝ご飯を作る。じゅりちゃんは体が大きいから朝から良く食べるのかと思ったら、朝は小食らしい。10時過ぎに白金台へ向かう。
 待合室といい会場といい、実に多種多様な人々の集団。特に駄目駄目なデンパを発していたSioさんの通信友達系の人々。
 渡された名札は、表が本名で裏がハンドル名というもの。私は一応表を向けていたのだが、唐草なしでは私が分からない人続出。ふふふ。
 単に出版関係者の方々と面を通していたという話もあるが。
 しかしなんというか……奇縁ってあるもんですね。
「神代創さんとはどういう関係で……?」
「いえ、今日は新婦の友人なんです」
 ある種、これも運命なのかもしれないと思わなくもなかったりしなくもないでもないわけでもなくもない。(どっち?)

 我慢の時間は15時半で終わる。なにしろ我が一族は遺憾ながら儀式というものとは相性が悪いのだ。それは一族唯一の常人である私にも残念ながら当てはまる。
 式が終わった後、じゅりちゃんタオさんヨッシーさん、歩さん、ミツルん(敬称なし)で神保町へ出向く。
 コミック高岡と書泉ブックマートで本を買い漁る外道ども。
 ミツルんは福岡の書店で残っていたちぃのマウスパッドを全部買い占めたとか言っていた。
 本を抱えてTEA TAKANOで茶を喫し、御茶ノ水駅へ。
 中央・総武線で秋葉原下車。ここでヨッシーさんと二人になって、パーツ屋を覗く。K6-3E+ 550MHzが198,000とか見るけど、費用対効果が全然割に合わん。それだったらM/B替えてDuronでも積んだ方がとか思うぞ。
 最後に食事をして別れる。

 披露困憊して家に帰ってくると、デンパ大阪から電話。頼んでおいたものが見つかったという。
 言うまでもないが、オタクなアイテムではない。仕事がらみだ。
 日本が批准していないとある条約の条文の写しが欲しかったので頼んでいたのだ。
 「タイプフェイスの保護及びその国際寄託に関するウィーン協定」と言って、ざっくばらんにいうとフォントに著作権のような権利を認めようというもの。日本はこれを批准していないので、当然、国内には適用されない。
 日本国内ではフォントには著作権が認められない。しかし、だからといって商用フォントをコピーして販売したりすると、不当競争防止法で取り締まられるから注意ね。
 きしもとさんに頼んでおいたものは金曜日に見つかったそうなので、これで必要なものは全部揃ったかな。


2001年3月4日(日曜日)
 朝。天気予報の通り、雨。こんな日曜日は寢てしまうに限る。
 そう思ってだらだらと寢ていたら、午前10時に電話で起こされる。誰かと思えば、長野在住の悪友だった。なんでも、バイトを馘になったらしい。それで俺を起こすのか……。

 2nd G.P.M.は来須でプレイ、4月30日に絢爛舞踏を取り、5月1日にSランククリアを果たす。
 3週目はキャラ増えないのね。

 昨日の式で、最近日記に真面目なことが多くてつまらないと言われた。
 何を期待しとるんじゃ?
 私は物堅く真面目な人間で通ってるんですがねぇ。どうも誤解されやすくて困る。


2001年3月5日(月曜日)
 月曜日は疲れるね。
 今日は啓蟄。虫も這い出してくるとなりゃもう春。色んなものが目覚めて動きだして……。冬眠しててくれよって言いたくなるものもある。

 久しぶりに馬鹿なことを書こうか(笑)。
 某アヴァロン
 「基礎知識」がない人にはよーわからんネタがたくさん出てくる。なぜビショップはレベルアップが遅いのか? 死にそうになったらなぜリセットをかけるのか? Wizardryを知らないと、厳しいだろう。

友人K「ってゆうか、押井も好きだよな。パト2とかさ」
「分かる人にしかわからんネタちりばめて」
友人K「俺たちの世代ならWiz知ってるからファイターとかシーフとかビショップとかでも全然平気やけど。あれは趣味の世界だな」
「でもな、俺は思うんだ。忍者じゃなくて良かった、って」
 忍者。それはWiz禁斷の職業。どんな武器を持つより素手の方が攻撃力が高く、どんな鎧を着るより裸の方が強い。
 一瞬、二人の脳裡を同じ光景が奔った。
 戦車が走り、銃弾が飛び交い、戦鬪ヘリが舞うアヴァロンのステージを裸で駆け拔ける忍者! 素手の一撃で裝甲車を破壞し、蹴り一発で戦鬪ヘリを墜とす忍者! 銃弾よりも速く駆け拔け、射手の首を刎ねる忍者!
友人K「作品世界が壞れるな……」
「ああ。」
友人K「奴にもまだ理性が残っていたということか……」
 なんとなく納得した二人だった。

2001年3月6日(火曜日)
 寢倒してしまった。
 ふらふらと寢床に入ったのが昨夜11時頃。起きたのが7時。久しぶりに8時間も寢ちまったい。
 お陰で(?)仕事の方は比較的順調。とはいえ、順調に仕事がこなれても処理が追い付いていないことは確かなので、これは当然仕事量が勤務時間内に処理不能な程あるということなんだな(笑)。
 そおいえば先日我が家に投宿した伯父貴は、彼の国では残業手当は100%なので、誰も残業なんかしねーんだ、休暇もまとめてとってバカンスだ、と曰っていた。それはそれで良いことなんだろーが、その代わりにこの日本を捨てるってのも、いかにも割に合わんよーな気がする。
 一族最強の変人と、一族唯一の常識人を比べても詮無きことだが。

 夜、友人から電話。
 91年刊行のコンピュータ関連書を搜している……って91年ですかぁ?
 これが理論書か何かなら解らんでもないが、解説書ときた。そんなもん見つかるのかなぁ……?


2001年3月7日(水曜日)
 春嵐。
 突風の後、口の中に砂の味がして。
 春ですねぇ。

2001年3月8日(木曜日)
 昨日春嵐なんて書いといて、今日は雪降ってんじゃんっ! 激寒っ。
 体調崩しそ。

 世の中アホな事件ばっかりたて続いているせいか、コメントする気にもならなかったり。
 この国って一体何考えてるのかね。
 世界経済はともかく、世界経済内における日本経済ってのは日本国が保証しているわけで、それに対する信頼が失墜している背景には、政治の問題がごろんと横たわってるなんて言うまでもないよね。利上げも利下げも公共事業もデノミも、経済を支えている国家がまともな状態であることが全て前提。
 私が外国の保險屋だったら、この国関係の保險を引き受けるの止めるね。債権なんか絶対買わない。誰だって損をしそうな賭けには手出さないもの。
 日本経済への信頼って、要するに日本国の信頼と同義だって分かってるのか分かってないのか。
 この国では戦後、国家という非実在的存在(=系)を頭ごなしに否定することがまま行われたが、それでも結局私たちの生活を支えているのは国家なんだよね。国家は幻想ではなくて系だという話。


2001年3月9日(金曜日)
 協会の理事会でした。
 いろいろあって、今日は記者さんたちはピリピリしてるし、NHKはカメラ連れてくるし、議題はたくさんあるし……。
 疲れました。

2001年3月10日(土曜日)
 出かけようと思っていたのだが、予想外に体調が悪く、家で本を読んで過ごした。

 NHKスペシャルで、えひめ丸とグリーンビルの事故の番組をやっていた。
 途中から見たのだが、なんというか、番組のつくりがそもそも感情的で、かつ視聴者の感情を煽るようなシーンが見られた。
 個人的には痛ましい事故だったと感じるし、再発を防ぐことは重要だと思う。補償(賠償)は必要だろう。しかし、感情を満足させようとしてはいけない。
 感情をも満足させたいという遺族の気持ちが存在することは認識できるが、そのことが事態の推移によい影響を与えるとは到底思えない。えひめ丸を海底から引き上げたからといって今更事故原因が明確になるわけでもなく、謝罪を繰り返させたからといって死者が蘇るわけでもない。必要なのは事故を究明し、同様の事故が起きないような対処をし、その上で、金錢で償いをすることだけだ。
 金錢での償いを卑しいと思う人もいるらしいが、私はそうは思わない。異なる国家、異なる言語、異なる文化に属するものが、共通の価値として共有できるものは金錢だけだという事実を前に、卑しいだのなんだのという感情論は、全く意味がない。
 つまり、そういうことなのだ。


2001年3月11日(日曜日)
 昔コミックガイアというかなりマニアックな雑誌で、掲載マンガの一コマのさらに何分の一かを拡大して、何ページの何コマ目か当てさせるクイズがあった。実は私、それがとても得意だった。線を見ただけで、どの作家かわかったもんだから、それこそ楽勝だった。
 これはどうやら完全に向き不向きのあるクイズだったらしく、分かる人には分かるが、分からない人は全然分からなかったらしい。多分、線やトーンの削り方などといった絵の特徴を、情報として捉えているかいないかによるのだろうが。
 で、なんでそんな話を持ち出したかというと、最近、そんな私が面食らうシーンが増えたから。
 表紙の絵を見て、作者の名前を見ても、タッチや色使いが一致しないのだ。
 え?ってなもんだ。
 原因はCG。
 猫も杓子もCGに走る世の中で、それまでの独自色を失ってしまう作家さんが出てきているように見える。そりゃ便利なのはわかるけどさ……。

2001年3月12日(月曜日)
 朝、雪。一体どーなってんだか、この頃の気候は。お陰でお腹壞しちゃったい。

 昨日の件について、某駄目人外画伯から、「心眼の修行が足りない」と言われた。
 そういうものなのか?

 G.P.M.のサントラ出るんですか。予約要るかな? それとも通販?


2001年3月13日(火曜日)
 バーミヤンの石仏を、イスラム原理主義勢力タリバンが攻撃し、破壞した。
 痛ましいことだ。
 もっとも、かの石仏は既に顏などの一部が過去のイスラムによって破壞されているので、それが進行しただけだという見方もできようが……。
 イスラム、引いてはその源流たるユダヤ教もそうなのだが、偶像崇拝を固く禁じている。ちなみにキリスト教も偶像崇拝を禁止している。余り知られていないようだが、仏教も本来は偶像とは無縁である。
 とはいえ、それらの宗教間での偶像に対する見解はそれぞれ異なり、また宗教内派閥によっても主張が異なっていたりするので、一概には論じられない。ただ、私の知る限り、イスラムの中でも、わざわざ異教の偶像を壞してまわれという主張は一般的ではない。イスラムは比較的新興の宗教(イスラムは7cに始まる)であるため、意外なようだが教義は柔軟だ。
 問題となるのは、自らの信じる(宗教の)正義を強制することなのだ。
 歴史上、正義の強制ほど血を呼んだものはない。正義と正義がぶつかりあうとき、そこには一切の妥協は見出せず、愛を説き平和を謳う連中が、憎しみと争いの渦に身を投じてきた。
 だから、自らの正義しか頼るものがない者は、哀れだ。
 他者を傷つけるか、自らを傷つけるかのどちらかしか選べない。

 事実はどこに?(笑)


2001年3月14日(水曜日)
 今日は春の陽気……。

 「経済」という単語が、「経世済民」の略語であることは常識だよね。そう考えると、日本経済の低迷がどの辺りに原因を求めるべきか、自然と分かる(笑)。


2001年3月15日(木曜日)
 昨日に増して、凄い陽気。暖房の入ったビルの中は暑いくらい。

 CD-R WritingソフトをNERO 5に変更した。最大の目的はHDイメージのブータブルCDを作ること。
 緊急用のシステムディスクは誰しも用意していると思うが、DOS 6.2 & 日本語環境とSCSIとCD-ROMとを使えるようにし、FDISKなどの外部コマンドを追加していくと、フルスクリーンテキストエディタを入れた辺りで1.44MBなんか埋まってしまう。これへの対策として外部コマンドやアプリ類をCD-ROMに待避させ、最低限のシステムとドライバのみを入れたFDイメージとしたブータブルCDを作ったのだが、これも今ひとつ勝手が悪い。
 やはり最後はHDイメージで……と考えた果て。
 まだ実際に焼くところまでは至っていないが、時間を見つけてちまちまとやってみるつもり。

 CD-ROMといえば、B-right/Vでネイティブに読める形式のCD-ROM(超漢字のシステムCDやね)ってどーやって作ってるのかね? 前から作ってみたいと思っているのだが……。
 解析?
 私そんなこーどなことできない(笑)。

 某駄目人外画伯日記で「たとえCGで絵を描いても描き手の個性が全て失われるわけではない>S.B.」と書いていた。
 別に私も描き手の特徴が全て消えるなんて書いてないと思うが。
 ただ、斷言できることがある。
 CGから得られる情報は、これまでの様々な画法で描かれた絵から得られる情報より、少ない。
 少なくとも私はそう考えている。
 そう言えば以前あんなことを書いたが、通ずる部分がないでもないな。
 生の絵というものを見たことがあれば当然知っていることだが、写真や画集の絵とは明らかに異なる「生々しさ」がある。その正体が何かと突き詰めていけば、結局は写真や印刷、あるいはその前段階で取りこぼされた情報がそこにあるから、ということになる。
 標本化されなかった情報は絶対に再現できない。それがデジタルの掟(笑)。
 クロード・シャノンの靈に黙禱。


2001年3月16日(金曜日)
 昨日よりは気温は下がったようだが、それでも隨分暖かい。

 正露丸(征露丸)が複数のメーカーから出ている医藥品であるという事実が、一般的な知識ではないらしいことを今日知った。
 なんということだ……。

 最近、面白そうな本の刊行が相次いでいるのだが、どうも書店で搜しきれない。『佐久間艇長の遺書』という本を搜したのだが、見つからなかった。
 佐久間艇長といえば、修身の教科書を読んだことがあれば、木口小平並みに有名な人物なのだが、いかんせん、修身の教科書を読む機会の少ない現代では、マイナーな人物になってしまっている。
 結局こうやって搜しきれない本が溜まってゆき、そしてeS! Booksに頼る結果となる。


2001年3月17日(土曜日)
 気がついたことがあって、調べていた。
 超漢字3で基本文書エディタに縦書き機能が統合されたわけだが、既存の文書を縦書きにしたときに、文字拡大/縮小指定付箋の動きに不審感を持ったのだ。
 これまでの基本文書エディタでは、文字拡大/縮小指定付箋は「全角/半角」という機能を実現するために使われていた。
 文字コード的に「全角/半角」の概念を持たないTRONコードにあって、外界との通信に不可欠な「全角/半角」を、文字拡大/縮小指定付箋という形で実現していることに異を唱えるつもりはない。それどころか私はそれを単純に利用して、横倍角にあたる付箋や縦倍角、その他もろもろの比率を持った拡大/縮小指定付箋を作っては利用していた。
 私が気付いたのは、倍角ダッシュのせいだった。横書きの時に2EMダッシュを想定して、横2倍縦1倍の拡大/縮小指定付箋を与えていたわけなのだが、これが縦書きになったときにはどうなるだろうか? てっきり、文字送り方向への2倍になると思い込んでいたのだが、これが大間違い、きっちり座標通り、文字幅が広がっていました(笑)。
 で、色々調べて、フォントマネージャの仕様を見ると、縦書き時の文字幅はやっぱり水平方向なので、PMCの実裝は多分正しかろうと思うに至ったわけです。

 TAD仕様書の中身をちゃんと読んだことがある人なら分かっていることではあるが、実はTADは縦書きにしたときにどういう挙動をとるか、きちんと書いていない付箋類が多い。というか、横書きしか想定されていない書き方をされていると言うべきか。(例外もないわけではないが)
 仕様書に定めがないということは、実裝依存ということであり、なにがどーなるかわからんということだ。フィールド付箋なんかどーなるんでしょうねぇ。
 世界的に見て、縦横の書記方向を両方用いるのは、日中韓くらいなのでさほど影響のある話ではないのだろうが、今回の一件で、文書内の上下左右の指定を、文字送り方向(順/逆)、行送り方向(順/逆)といった指示ができるようにしといた方がいいだろうと感じた。

 で、ふと昔のメモを見ると、同じことが書いてあったりして……。(私の意見って反映されてないなぁ……)


2001年3月18日(日曜日)
 今日は「ぶんぶん」だったんだけど、体調が悪くて、余り楽しめなかった。
 そおいえば、いよいよ23日は『星界の戦旗III』の発売日ですね。こりゃ毎日神保町通いかな。

2001年3月19日(月曜日)
 つ、疲れたぁ……。

 某花右京メイド隊の三巻なんぞ読みながら思うわけなんだけど、もりしげの漫画がアニメ化されるって凄い世の中だよね。いや、もりしげって言えばどうしても「子供の森」のイメージ強いやん? あ、もちろん私はオタクな人ではないのでよくは知らないんだけど
 そういうわけで三巻出てたよ>その筋の人

 日本の景気状態は、常道の経済政策が殆ど全て行き詰まるような状況のようだ。日銀による国債買い上げなんて完全なインフレ策だしねぇ。
 いよいよ、国家経済を破綻させるか世界経済を破綻させるかの選択を迫られる日も近いか?


2001年3月21日(水曜日)
 昨日は日記を書かずに寢てしまった。

 今日、仕事である人の文章を読んで、小さくない衝撃を受けた。
 僅か十枚前後の引用分部ではあったが、そこに込められた思想は、私が今持っている考えに非常に近かった。
 人間に生きる意味などない。犬や猫や虫ケラと人間と、何が違うというのか。人間がそのような価値を求めることこそが、争いを呼んでいる……。
 彼は精神世界における私の隣人である可能性が非常に高い。
 彼の人の著作を読みたいと思う。彼が先達ならば、私は彼がその人生において考えたことを、知りたい。

 忘れていた。
 次回のBTRON Clubの発表申し込みが先週の金曜〆切だった。
 ま、いつも遅れて申請してるんだけど(^^;
 げ、原稿もね、結構遅れてるんだけど(^^;;;;;;;;;(冷汗三斗)。

 「日記にコメントを付けたい。掲示板は作らないのか?」というメールが来たんだが……。
 私自身が掲示板を管理・運営する意思は全くありません。
 やだよそんなめんどくさい。
 というわけで、私がよく出入りしている掲示板、とくに、「黒日記公式掲示板」の名称を非公式に与えられている(笑)、某掲示板辺りに書き込むのが宜しいです。

 ちなみに最近のネタでは、「正露丸(征露丸)」が反響大きかったですね。
 常識だと思うんだけどなぁ……。


2001年3月22日(木曜日)
 一日三冊までは許容範囲だろう。しかし、一日四冊はちと問題だ。
 明日が発売日の『星界の戦旗III 家族の食卓』を読み終えた後、そう思った。
 まあ、読んだといっても、小説ばかりなので大したことではないといえばその通りではある。しかし昨日は昨日でルポを二冊読んでいるので、最近の読書量は、少々過ぎているような気がしなくもない。
 え? そんなどーでもいい話はともかく、『星界の戦旗III』の感想を書け?
 そんな明日になれば全国の書店の店頭に平積される本のことを一日早く書いてどおするんですか。ねえ。

 とか言いながら。
 思っていたような悲劇的な話じゃなくてちょっと残念。
 ちっ。
 でもまあ、これでディアーホ三部作が終わって、次からはまた星間戦争に舞台は戻るわけで、そのためにはこういう結末にせにゃならんかったかな、と。
 お目見えした新艦種については、ファンの間でも色々議論になるんではないでしょうかね。個人的には、“その次”が気になるところ。

 どういうことかというと、兵器ってのは万能ではないので、戦略/戦術/戦況に応じて適不適が当然ある。しかしかといってありとあらゆる状況に特化した兵器を用意することもできるわけがないので、ある種のカテゴライズがおこわれるわけですな。
 現用兵器の中でこの制約が最も厳しいのが軍用機。
 こと、ジェット戦鬪機時代になってからというもの、戦鬪機、攻撃機、爆撃機、輸送機といった基本分類に加えて、戦鬪攻撃機だとか格鬪戦鬪機だとか戦鬪爆撃機だとか空中ミサイル母機だとか電子戦機だとか、それはもう百花繚乱の如き様相を呈しているわけですな。
 全体としては兵器は攻撃力と汎用性を増す方向へ進化して、大抵それは大型化を伴う。ところがこれがある程度まで進行すると、大型化した兵器が作った隙間を埋めるために、一つ下のカテゴリーが成立する。
 西側の戦鬪機を例にとってみると、F-86からミレニアムシリーズを経てF-4に行き着いた後は、F-111、F-15、トーネードと、多機能多目的で非常に巨大で高価な戦鬪機が次々と開発された。
 そして戦鬪機が空飛ぶ要塞になった頃、F-16という格鬪戦鬪機が登場する、といった具体。

 私の見るところ、基本的に『星界』の世界もこの法則に従っているようなので、今回の新艦種が戦場に満る頃に、それによって生まれた空隙を埋めるための艦種がまた考えられるだろう、と。

 しかし……今回の作品で気になったんですが、平面宇宙の数学的整合性が崩れちゃいませんか?


2001年3月23日(金曜日)
 情報規格調査会の文字コードの会議に行った。
 この会議はあくまで規格レベルの話をするところだ、という合意を第1回、第2回とした記憶があるのだが、第3回になってもまだ実裝レベルの話をする人がいる。
 もっとも、その方がいいのかもしれないと思わなくもない。
 実裝を伴わない規格の話は、形而上学的様相を帯び、哲学論争というより神学論争に近かろう。文字コードなんてものは、所詮情報を蓄積するための手段なわけで、どんな情報を蓄積したいかという要求に対する回答でなければならない。
 その辺りを全部すっとばして文字コードを討議するのは、控え目にいっても間拔けだ。あるいは、あらゆる要望を満たす文字コードというものが存在するのかもしれないが、少なくとも私にはその姿は見えない。
(念のため。現在の会議は文字コードの規格を直接話し合っているのではなく、漢字コード規格化モデルを話し合っている。余計ややこしい)

 風邪を引いた。
 熱がある。
 世界が回っている。


2001年3月24日(土曜日)
 熱が下がらない。
 体温計は37.8℃を示し、一向に下がる気配もない。布団に横になっていても天井が回っている。
 素晴らしい。私は今コリオリ力を実感している。(そんな馬鹿な)

 そんな土曜日だというのに、朝から電話がかかってくる。デンパは「今東京おもちゃショーにいるんですけど、何か欲しいものありますか?」ときた。
 平穏に寢ていられる時間が欲しかったよ、俺は。
 かくして今日はうつらうつらとまどろみながら時間が過ぎるに任せていました。
 本を三冊ばかり片付けましたが。


2001年3月25日(日曜日)
 昨日に引き続いて、ひたすら安靜の一日。
 しかし熱が一向に下がらない。一度37.3℃まで下がったので安心して買い物に出かけたら、その後再び37.9℃までぶり返してしまった。
 あまり好きではないのだが、この際仕方ないと、解熱剤を使うことにする。
 解熱剤を使っても別に風邪が治るわけじゃないって辺りが問題なんだよなぁ……。

 某駄目人外画伯は「デンパ風邪」と言っていたが、そういえば心当たりがある。デンパ大阪が上京してきているじゃないか。毒デンパの浴び過ぎですね、きっと。


2001年3月26日(月曜日)
 とうとう三日目。休みを取ってひたすら横になる。大分体調は良い。午後には熱も下がり、咳と痰も輕くなる。明日には通常通りの活動ができるようになるだろう。

2001年3月27日(火曜日)
 喉がいがらっぽくて、咳と痰は出るものの、熱は下がったし、今日から平常通り。

 諫早湾の海苔の不作問題から、いつの間にか汐止め堤防を開門するのしないのの話に発展していて、一体なにがどうなっているのやら。
 今更閘門を開いたからといって、諫早湾の状態が元に戻るわけじゃないなんて、小学生にも分かりそうなものだ。それどころか、生物の死骸をはじめ、干拓地に残留し濃縮された各種物質が一気に流れ出せば、また別の影響が出るだろうし。
 既に不可逆変化が起こってしまっている。恐らくもう元には戻らない。だから、水門を開くのは、また次の激変を呼び込む行為であることを認識しなければならない。
 そのことが分かってるならいい。
 しかし、事態を単純に捉えるあまりか、門を開けば元どおりの湾内生態系が取り戻せるかのような物言いをしている人間が見受けられる。危險だ。

 中古ゲーム販売の差止訴訟(東京)の控訴審の判決が今日下った。まだ最高裁の速報ページに載っていないようなのでACCSARTSのページで情報を收集している段階。
 とりあえず東京高裁は、地裁判決を基本的に支持したらしい。
 これで次は、週末の大阪高裁の判決待ち。
 私は以前から、中古のゲームソフト販売に基本的に賛成している。それは流通としてあるべき姿だ。適正な市場価格が維持されるためには、自由な市場が不可欠だという考えから。
 だからといってゲームソフトが著作物であることを否定するつもりもない。その流通過程において著作権者に正当にお金が入るようなシステムはあった方が良いに決まっている。ことはゲームソフトだけではなく、他の著作物にも絡んでくる。
 あとついでに言っておく。
 経済なんて所詮は賭事なんだから、面白くないゲームがあっさり飽きられた挙げ句中古市場に流れて値崩れを起こすこと自体は、どーにもならない現象なんだと思うぞ。それは経営の失敗であって、中古市場がどうこうというのとは別問題だと思う。

 危機的状況だったんですよ。
 なにしろ、金土日月と本屋へ行けなかった。これが何を意味するかというと、あと一日二日寢込んでいたら、私はタウンページを読み始めないといけなかったというわけなんですね。
 読むなら斷然タウンページです。ハローページはあまり読み応えがないです。
 しかし、臥する時こそ本を読めってわけじゃないでしょうが、病人の見舞いこそは本に限りますね。


2001年3月28日(水曜日)
 安部英が無罪ですか。
 うーん……。
 個人的には“未必の故意による殺人”でもいいくらいだと思ってたんだが。

 職場のPCどものなかで、どうも怪しい挙動をするのが二台。共通項は、ネットワークカード。安物は駄目だね……。

 昨日の判決だが、最高裁のページに掲載されたらしい。遅延は大体一日。素晴らしい。


2001年3月29日(木曜日)
 中古ゲーム訴訟について、大阪の方でも判決が出た。一審判決を破棄し、逆転の中古販売容認判決。まだ判決文は読んでいないので何とも言えないが、末端消費者に渡った時点で頒布権が消尽するとしているらしい。ごく妥当な判斷だろう。
 両裁判とも上告するらしいので、さらに結論が出るのは一年ほども後のことになろうか

 話題といえば今日の日経新聞。突然見開き広告。なにかと思えば、左面がSEGAのバーチャファイターで、右面がナムコの鉄拳。PS2へのチャレンジャーとチャンピオンという図式ですか(笑)。
 Service & Gamesと中村製作所の鬪い(爆)。


2001年3月30日(金曜日)
 大阪高裁の判決文を読む。
 読めば読むほど面白い判決だ(笑)。中古ゲームソフト販売は妥当とされてはいるが、それは中古ゲーム販売会社の主張が通ったわけではなく、ゲームソフトメーカの主張が退けられたためだ。
 ゲームソフトメーカー側は上告すると言っているが、難しいだろうな、と思う。

 今週頭に埼玉高速鉄道が開業して、営団南北線は浦和美園まで直結運転。それはそれはきっと喜ばしいことなのだろうが、朝、確実に座れた電車が座れなくなってしまった……。
 そおいえば、明日りんかい線は天王洲アイルまで延伸して東京モノレールと接続することになる。(とっとと大井町まで繫がればいいのに)


2001年3月31日(土曜日)
 桜も満開、週末は花見……という方も多かったろうに、今日の東京は雪。
 四月も目前なのにねぇ……。
 寒い寒い。
 こういう寒い日には、家で布団にくるまりながら分厚い本でも読むに限るね。
(で、読んでいたのがラテン語の文法書……?)