基本文書エディタに以下のようなバグを発見しました
このバグは2001年5月にR.3.010上で発見され、2001年12月のバージョンアップにより解消しました。
この件についてTAD仕様の面から検証してみる。
「埋め込み図形」についての記述は、TAD仕様書の「3.4.4 図形開始/終了セグメント」に見られる。
埋めこみ図形は、その高さを、文字サイズと等しいように相似変形することになっている。
問題は、ここでいう「文字サイズ」であろう。
文字サイズとは「文字サイズ指定付箋」で指定されている値のことであり、基本文書エディタであれば標準で9.6pt
(註)である。よって、埋めこみ図形もその高さが9.6ptとなるように相似変形される。
次に、その文字列に対して「文字拡大/縮小指定付箋」が与えられた時、埋めこみ図形はどう処理するのが適当か、という問題である。
「文字拡大/縮小指定付箋」は、機能としては実装されているが、通常ユーザが自由には使えない付箋である。通常は「全角/半角」の指定だけを行い、それ以外の倍率を指定することはできない。しかし、ある程度以上の知識があるユーザであれば、実際に縦横の倍率を任意に設定した付箋を作ることが可能である。
「文字拡大/縮小指定付箋」によって拡大/縮小が指定された「埋め込み図形」はどのように処理されるべきか?
「埋め込み図形」は文字のように取り扱われるので、文字サイズに併せて相似変形されるが、これに加えて拡大/縮小によりサイズが変更されると考えて良いだろう。
一体PMCが何を考えて、埋め込み図形に対して行われる拡大・縮小は横方向に「縦指定×横指定」倍とする実装を行ったのかは全くもって謎だが、以上のことから、この実装は間違いであると考えられる。
- 基本文書エディタの標準文字サイズは9.6pt
- この理由については「16dotは何ポイント?」を参照頂きたい。