哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

西紀2017年5月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。


2017年5月1日(月曜日)

HiMacroExを使って面倒くさい作業の自動化を試みるも、タイミング調整が結構シビアで……。

使い方次第では色々なことができそうだとは思うのだけど切り替えのタイミングとかが難しい。

ブラウザだけで完結してるなら、iMacrosの方が楽かなぁ。


2017年5月2日(火曜日)

ハワイのホノルル空港の名称がダニエル・K・イノウエ国際空港に変わった

ダニエル・イノウエと言えば先年亡くなった米上院の重鎮議員ですが、第二次大戦中に442連隊戦闘団で戦った勇士でもあります。

現地では異論反論もあるようですが、特に「発音しにくい」という意見があるようで……。

そりゃそうだよな。開音節で母音優位の日本語ならイノウエって何の変哲もなく読めるけど、音韻規則が大変な英語で「Inouye」とか書かれても一瞬どう読んで良いか分からんわな。

英語圏の人には「輪島」と「宇和島」が区別して発音できない、とは昔から伝わる笑話ですが、ハワイの偉大なる上院議員であることは確かですが、もうちょっと慎重でも良かった気がしますね。


2017年5月3日(水曜日)

憲法記念日なんでちょこっと思ったことなど。

現実の社会は、科学・技術の進歩や経済の発展によって変化しますが、成文法は一旦制定されると改正されるまで変化しません。この間を埋めるために「解釈」が繰り広げられるわけで、理想と現実の隙間を埋める行為であるとも言えます。その辺りの解釈は、内閣や各省庁、実施官衙が行うこともあれば、裁判所に持ち込まれて司法判断が下ることもありますが、どちらにしろ「解釈」が行われることには変わりがありません。

この「解釈」は法と現実の間を取り持つだけに、現実の変化に合わせて解釈が変更されることがあり得ます。有名なところでは、民法の相続に関する非嫡出子規定なんかがそれで、最高裁は1995年に合憲判断を下していながら、2013年には逆に違憲の判断を下しています。この間に憲法も民法も変わったわけではないのに、です。つまり、解釈が変わった

このように社会の変化に対して解釈を変更することで対応するのが日本のスタイルなわけで、憲法も堅持・解釈も堅持というのは不可能であることが分かります。憲法を変えないのなら解釈を変えるしかない。だって社会(国際社会を含む)は常に変化しているのだもの。

けれど、この解釈ってのは限度がありまして、頑張って色々な解釈をしても段々無理が効かなくなってくる。そうなるといよいよ大本を改定しないといけない、という話になります。それが現在の日本ではないか、と私は思っています。

まあ、更に個人的な見解を言えば、硬性憲法を解釈で運用するというのは余り筋が良くない気がするんですよね。法廷闘争って控え目に言って時間がかかりますし、金銭的負担も馬鹿になりません。

それだったら、適切な周期で見直しを義務化するとか、あるいはスイスのようにレファレンダム/イニシアチブによる改憲の発議を可能にして、柔軟に改正できるようにした方が良いと思いますけどね。


2017年5月4日(木曜日)

中国の国産ナローボディ旅客機C919が明日初飛行だとかで、色々とニュースが流れてくるんですが、B737対抗ってのはどういう意味なんかなのう?

COMAC C919はナローボディ旅客機としては確かにB737と競合関係にあるんですが、FAAの認証を取る予定もない機体とあっては、市場での競合はまずないんじゃないですかね。ぶっちゃけ、C919は中国国内線専用モデルでしかないかと。

それから、もう一点付け加えるなら、C919はエアバスA320のコピーというか、A320を原型機とした派生機なんですよね。本人たちの主張はともあれ、そういうふうに扱われると思います。

ジェット旅客機においては、胴体断面形状が最も上位の設計制約になる、というのは以前にも書きましたが、C919はこの直径がA320と同じなんですよ。当たり前ですが、この胴体断面ってのは飛行機を設計する側からすれば、最も力を入れて検討するものです。同じナローボディ機でも、B737は3.76m、A320は3.96m、イルクートМС-21が4.06mといった具合に、その機体のコンセプトや治具、技術的制約等によって全く同じにはなりません。

が、C919はなんと3.96mなんですよねぇ……。こんなピッタリ一緒になるとか、普通に設計したらあり得ませんわな。

エアバスは2008年から中国でA320の製造組み立ての合弁事業をやってますんで、そこから中国が色々学び取ったんだろうなァという話になってしまいます。

コンセプトワークといった基本的な部分をすっ飛ばして、A320からパクれるところをパクって設計したと見えるわけで、それでは結果としてはA320の派生機以外の何者にもなれないわけです。

コンセプトレベルで違いが出せなかったら航空機市場でA320と競合できるわけないじゃん、という話ですね。

逆説的には、このC919というのは、国際航空機市場でエアバスやボーイングと競合する気がそもそもない、閉鎖的な国内市場でのみ運用される機体として開発したのではないかと思われるわけですが、それはそれでWTOに引っかかる気がするんだよな。

航空機開発技術を獲得することが狙いで、商売として成り立つかどうかは二の次なのだと思いますが……。


2017年5月5日(金曜日)

NHKの「視点・論点」の「シリーズ 憲法施行70年(2)改憲論議に必要な二つの視点」が大変興味深い内容だった。

日本と先進諸外国の成文憲法を比較して、日本の憲法の分量が少なく、それ故に長持ちしているのであろうと指摘していた。逆に、先進諸外国では憲法に記載されるような事項が法律で処理されており、憲法がその役割を果たしきっていないのではないかという疑いも呈されていた。

確かに、他所の国の憲法って条文多いもんなぁ……。

改正回数が非常に少ないのは、日本では憲法の役割を小さく取っているから、というのはあるのかも知れない。逆に、諸外国のように何度も何度も改正するのでは、憲法としての静的安定性はどうなんだろう?という気にもなるわけだが……。(スイスみたいに最初から安定性などない国もあるけど)


2017年5月6日(土曜日)

コミティア。

MP3の特許を持つTechnicolorの特許権が消滅」とかいう記事があって、果たして今世の中でMP3ってどのくらい使われているものなのかなぁ、と。

私個人については、リッピングにはFLACを使うようになって長いので、MP3は「購入」することが殆どないのですよね。大抵は、動画の音声トラックがMP3になってるとか、そういう感じ。

音楽販売サイトでもFLAC対応は増えてるけど、個人的印象ではMPEG4 AACが多い感。

しかしどちらにしろ、現代で敢えて音声を可逆圧縮する必然性って少ないように感じるんだよな。これだけストレージ容量とネットワーク容量が増えると、音声の負担なんて高が知れているというか……。

まあなんにせ、権利問題が綺麗になるのは悪いことではないですね。


2017年5月7日(日曜日)

フランス大統領選の決選投票。

大方の予想ではマクロン氏優勢とか。

まあ、前にも書いたけど、これは始まりに過ぎないんだよね。連立内閣組閣という困難が待ち受けているし、その後も選挙が待ってる。

残った二つの選択肢がどちらも碌なもんじゃない、という点ではどこぞの大統領選挙と似たような面もあるな。

そういえば、次に待っている隣国の大統領選も、当選後の混乱が予想されているという点ではこれまた同様であるな……。


2017年5月8日(月曜日)

朝起きると目眩がして、吐き気がする……これは風邪か?

昼過ぎまで寝て、なんとか回復。


2017年5月9日(火曜日)

韓国の大統領選挙は文在寅氏が当確だそうで。

また碌でもない5年間が始まるわけですが、考えてみるとここ二十年ばかり韓国の大統領といえば毎年二回の反日芸を披露する方々ばかりでしたから、大した代わり映えはないという見方もできるかも知れませんね。

なんにせよ、文在寅氏はかの盧武鉉元大統領のブレーンだった人ですから、あの程度の人物であると看做して良いと思います。

この危機的状況において大変心強いことです。


2017年5月10日(水曜日)

ドイツ軍兵士などが前大統領暗殺計画の疑いで逮捕」とか、いよいよ碌でもない感じに。

あれだけ頑張って反ナチ教育やってもこんな感じでは、教育ではどうにもならないものの存在を窺わせるよね。というか、「教育ではどうにもならない」問題なんだろうけどさ。


2017年5月11日(木曜日)

韓国の新大統領、10日に選出されて即就任したそうな。当然ながら、首相以下主要政務ポストの任命/承認は後回し…と。

フランスに代表される半大統領制って、バランスが取れてる時は良いけど、非常事態に弱い印象があるな。

米国式の大統領‐副大統領制の場合、大統領不予→副大統領昇格で大統領と副大統領は基本的に同一政党からペアで選ばれて同時に仕事をしているので、職務継承への不安感が少ない。

半大統領制は歴史的に議院内閣制における象徴大統領に権限を集約してきた結果なので、アンバランスなところがあるのは当然なんですが、デメリットが露見した形なのかな、と。

まあ、どこぞの国のように首相が突如病臥しても平然と業務が回っていた国の方がおかしいのかも知れませんが。


2017年5月12日(金曜日)

北朝鮮 核実験いったん通告も、中国が「国境封鎖」と警告」とか。

記事によるとコトは先月20日の話だそうですが、その頃にはもう状況は崖っぷちだったわけですねぇ。

現在も恐らく水面下で様々な折衝交渉が行われているのでしょうが、それが明らかにされるのは、事が終わった後、それも知られても問題が無くなってからなんでしょうねぇ……。


2017年5月13日(土曜日)

病院へ行ってCT。

経過観察なんだけど、石の状態は特に変化なく。

次は9月と告げられた。きっと夏の間に石ができるに違いない、と言われ……。


2017年5月14日(日曜日)

北朝鮮がまたもやミサイル発射、と(第一報第二報)。

水平方向に800km、垂直方向に2,000kmとか、変な弾道だな……。衛星でも撃ち落とすつもりか?

それとも、わざと上方へ射上げてロケットの能力を示したのか。


2017年5月15日(月曜日)

LIXILギャラリーの南極建築展へ。

それ程大きくない展示なんだけど、ビデオが長くて充実していた。

建築としてみた時にはスノードリフト対策と棚氷上で動いてしまう問題が南極建築の二大課題って感じなのかなぁ、とか。日本の昭和基地はオングル島の地面の上に建っているので移動の方は考えなくて良いのだけど、他国の基地はそうはいかないところもあるようで、英国のHalley VIなどは橇付きで移動できるようになってるとか、暴虎馮河の至りだな。

スノードリフト対策としては高床式にして下側を風が通るようにするとか、建物を流線型にしてカルマン渦を作らないようにするとか、色々な方策を練っているようで、結果として普段目にしないような建物ができるのは良いですね。


2017年5月16日(火曜日)

久しぶりに、「基本に忠実」が大切だなぁと思わされた一日。

10日程前に、クレヨン社で導入した新しいオーディオI/Fが、どうしてもMIDIインタフェースを認識せず、あれこれやっても駄目だったのですが、今日OSのリカバリを前にもう一度だけ、と思ってドライバを完全削除して再インストールしてみたら、あっさり動いてしまった。

前回ドライバの上書きインストールまでやっておきながら、後々思い返して削除→再インストールはやってなかったな、と思い出したわけですが。

10日前に気づいていれば……。

ともあれ、リカバリが不要になったのは大いに喜ばれた。


2017年5月17日(水曜日)

護憲派の人が、改憲を論じる人を十把一絡げにして批判するのを、どうにも理解できないと思い続けてきたのですが、ようやく、彼らにとって「護憲は目的」であるからだと思い至った。

改憲を論じる人にとっては、達成したい政治的な目的や目標があって、その手段として改憲を論じるわけですが(なので対象は9条だけではない)、護憲の人にとってはそれが理解できない。なぜなら彼らは憲法護持が目的なので、逆に憲法改正こそが改憲論者の目的であると理解してしまう。

逆を言えば、改憲を手段として考えている人は護憲も手段として捉えがちで、それ故に護憲を目的としている人のことを理解し辛い面があるんだろうなぁ。


2017年5月18日(木曜日)

「Robotic Co-Pilot ALIAS Flies and Lands a Simulated Boeing 737」だとかで、Aurora Flight Sciences社の開発したロボットが、B737(NG)のコ・パイロットとしてシミュレータ上での着陸に成功とか。

Aircrew Labor In-cockpit Automation System略してALIASと言うらしいのですが、副操縦士席にマニピュレータ等を設置して機体側は無改造で操縦させるという、昔どこかで見たようなコンセプトですが、胸踊りますね。

これによって二人乗務の航空機を一人乗務にするのが目標ということですが、人間と比べてどのくらい優位性があるんでしょうかね。


2017年5月19日(金曜日)

車椅子で直接乗り込める「Elbee」。」とかいう車が紹介されていて、タケオカのフレンドリー実用化しなかったKenguruか、と言った所。

このelbeeの特徴としては前が大きく開くところで、この前扉レイアウトはイセッタ系くらいしか前例がないので大変興味深い。

気になるのはステアリング軸で、イセッタはむき出しでドアを開くと軸が丸見えでしたが、最初はステアリング・バイ・ワイヤかと思ってたのですが、どうやら扉右側のダンパー手前に見えるシャフトがステアリング軸になっているっぽい。

製造元のページを見ると結構「自動車」として必要な要素を兼ね備えていて、そりゃぁ22,000ユーロという値段も納得だわなぁと。そんだけ払って一人乗りの車椅子専用車を買う人がどのくらいいるものやら……。


2017年5月20日(土曜日)

気づいたら、kindleで購入した本が6,000冊を突破していた模様。

6020, Number of kindle e-book

kindle以外から購入した電子書籍が多くても3桁単位であることを考えると、一社だけ突出して多いな。

とは言え、今の電子書籍は、いわゆる本棚ソフトと閲覧ソフトが不可分に一体化していて、「どのベンダで購入した本か」によって探す・見るソフトを切り替えなければならないという不便があるので、結局どこか一社に偏っていくんだよなぁ。

理想としては、書籍の管理ソフトと閲覧ソフト(さらにUI部とDRMに対処する描画部)を分離して共通APIを整備するのがありがたいわけだけど、誰もそんなことしないんだろうなぁ。


2017年5月21日(日曜日)

夕刻に速報。北朝鮮がミサイル発射、と(第1報第2報)。

丁度昨日のNHKスペシャル緊迫 北朝鮮 危機の深層」が放送されたばかりで、タイムリーといえばタイムリーだったな。

番組でも否定されていなかったのは、北朝鮮は確固たる意志をもって核搭載ICBMの開発に邁進しており、自発的に途中で諦めることはないだろう、という点。それに対して何とかして核開発を止めさせたい米国らがあり、そして緩衝地帯として北朝鮮に存続して欲しい中国がいるわけで、全員の思惑を同時に満たす解があるとは思えませんな。

日本としては受動的に現状に対処し続けているわけですが、いつまでそうしなきゃいけないのやら。

そういえば日本の意思について番組では全くと言っていいほど触れていなかったのですが、NHKとしてはどういう見解であのような他人事モードな番組を作ったのかは、多少なりとも気になるところです。


2017年5月22日(月曜日)

昨夜のNNNドキュメント戦争のはじまり 重慶爆撃は何を招いたか」はNNNドキュメントとしては久しぶりに素晴らしい出来栄えで、誰が作ったんじゃろ?とテロップを確認したら、かの「南京事件」のスタッフだった。

防衛省所蔵史料と現地の史料、生存者の証言を組み合わせて事実をあぶり出していく手法は、基本に忠実で堅実。日本軍が重慶に対して何をしたか、そして何が起こったかについて疑いのない事実を発掘していました。(歴史学者には周知の事実だったにせよ)

ただまあ、前作同様、機序・メカニズムに対する掘り下げの浅さは相変わらずでもありました。現場レベルの話に終始した、という感想ですが、敢えて現場レベルを離れなかったのかも知れません。

私のような歴史学徒からしてみると、それはより大きな枠組の中の一部として動作した出来事なので、それ一つだけを取り出してもな…と思うところがあるわけですが、そのへんはやはり歴史学とドキュメンタリ番組という拠って立つ所の違いでしょうかね。


2017年5月23日(火曜日)

暫く前に、こんなツイートを見かけたわけです。

カメラ、特にレンズの大きなカメラは大抵の場合右利きに特化した操作系を持っていて、右手が不自由な場合に扱いづらいデザインをしています。これをどうにかしようと思うと、例えばOLYMPUS AIR A01SONYレンズスタイルカメラのようなボディをコアにして、グリップ等を左右付け替えられるように設計する、とかですかね。

レイアウト固定で左右シンメトリーにデザインしようとすると、昔の8mmフィルムカメラのようなスタイルが思いつきますが、三洋のグリップ型カメラもデザインの仕方によってはシンメトリになったかも。

あとは二眼レフカメラのように胸元に構えて上から覗き込むスタイルなら、これも左右対称なデザインが可能でしょうな。

色々デザイン的には解決方法がありそうなので、ぜひメーカさんには頑張って欲しいと思う次第です。


2017年5月24日(水曜日)

NHKクローズアップ現代で「「安全なのに売れない」〜福島“風評被害“はいま〜」という放送をやってたんですが、色々疑問が残る内容だった。

番組ではアンケート調査の結果として、消費者は福島県産食材を「気にしない」が76.3%と多数を占めているが、流通業者へのアンケートでは「福島県産を避けている消費者が23.3%より多いと想像」している小売業者が約7割、卸業者が約6割、という結果が示されていた。

これ、質問紙の内容も有効回答率も示されない表示なので分析はできないんですが、一つ、アンケート(質問調査)ってのは、「回答者が思っている(信じている)」ことを答えるので、質問の仕方によっては正確な回答が返ってこないことは、大学等でこの辺の調査法を習った人なら知っていることではあります。故に質問の設計に熟慮が必要なのですが、どうにも気になる表示なのですよね。

ポリティカル・コレクトネスの圧力によって、差別と認められるような回答を、普通の人は避ける傾向にあります。例えば、「あなたは福島県産食材を気にしますか?」という選択肢の設問と、「あなたは最近福島県産食材を購入しましたか?(食べましたか?)」という設問では、恐らくその回答が大きく異なることでしょう。番組で示されたような設問では表層的な意識だけが汲み取られ、実際に福島県産食材が売れていないことの原因を流通業者の想像、思い込みにあるとしていましたが、流通業者は消費者の「実際の行動」に直面する立場ですから、彼らの「想像」が消費者行動の実態を反映している可能性は排除できません。

この辺りを綿密に調査するためには、先にも述べた通り、質問内容を「福島県産食材を購入した・食べたか?」「福島県産食材と他県産食材を比較してどちらかを購入した時に、何を目安に判断したか」といった部分に踏み込んだ質問をする必要があります。

もっと言えば、福島県産食材を取り扱っているスーパーでの実態調査なども含めると、一般回答者の回答と実際の消費行動の差が見えてくると思うわけですが、或いは元の調査ではそこまで踏み込んでいるのかも知れないが、番組では取り扱われなかった。

あと、風評被害をまき散らしたのはまさにマスメディアなわけですが、その責任については一切何も触れていなかったあたり、清々しいほどの記憶力だなぁと感嘆しました。


2017年5月25日(木曜日)

NHK技研公開へ。

色々盛りだくさんではあったのですが、やはり個人的には深層学習による字幕生成だとか、手話CG作成だとかが気になりましたかね。

あと、マルチカメラによるボールの3次元追跡なんかが面白かったですね。これでボールの回転を検出できれば、ボールが放たれた瞬間に予測軌道が出せるよね、とか解説の人と話してました。野球の打球や、サッカーのフリーキックなどで使える技ではないかと。

8Kについては「こなれてきたかな」って印象。もう研究開発の域は脱しつつある印象。ただ、システムは大仰なので、今後も小型化などは進められていくだろうと。

ちょっと笑ったというかアレだったのは、「放送とネットサービスを横断する番組リンク記述法」ってやつで、地上波、ネット(サイマル)、NODの、自分の端末から見れる視聴方法へ誘導されるというデモで、番組に一意IDを振ってるのかな?と思ったら然にあらず、リンクを作ったときの時間・チャンネル等の情報からデータベースを引くという方法だった。

一意のコンテンツIDを作った方が綺麗なんじゃないかなと思って質問したのだけど、過去の経験からその方法は上手くいかないだろう、とのこと。特に他社さんまで広げるときには…という話で、今回の方式ならとりあえずDBを拡充すればなんとかなる、という辺りがウリらしい。

うーん。でも理想は番組にID、それもパーマネントIDを振る方向じゃないかなぁと思うんだが……。

最後にAIについて言えば、NHKの情報番組等に最近見られる医学的/科学的誤謬の問題を解決するのに使えないものかなぁ、とか……。


2017年5月26日(金曜日)

朝から石。


2017年5月27日(土曜日)

明治のスナック菓子「カール」が販売縮小だそうで、

この報を受けてスーパーからはカールが姿を消し、“カールロス”とやらを官房長官記者会見で質問する馬鹿まで現れる始末。

個人的にはノンフライのスナックとして好きなお菓子だったのですが、東日本では手に入らなくなるというのは残念の極みです。現在5工場で製造しているものを、四国の工場に集約するためだそうで、そりゃぁカールなんて輸送しようと思っても、大部分が空気ですからね……。

闇カールとか裏カールとか、カール類似品などの登場が待たれるところです(まてこら)。


2017年5月28日(日曜日)

NHKスペシャル変貌するPKO 現場からの報告」はよく頑張ったといった印象。

現在の国連PKOが武力行使と無縁ではいられなくなっている実態が良く描かれていました。

自衛隊が「軍隊」とどこが決定的に違うかと言われると、それは自国法域外での活動が想定されるかどうかでしょう。

軍隊とは、国家の中の国家であり、それ自体がひとつの独立した動く法域です。通常の法律とは異なる「軍法」を持ち、通常司法とは異なる「軍法会議(軍事法廷)」を持ち、自国法域外においても独自の法を以って実力を行使します。

一方の自衛隊は、まさに自国が侵略を受けた時に専守防衛を行う建前のため、自国法域外での活動を本質的に想定していません。故に軍法もなければ軍法会議もないわけです。

しかしそれでは、軍隊としては機能しないわけです。戦争という特異な、通常法の枠外となる状況下で行動する軍隊には相応に必要とされる機能があり、それを具備していない組織は如何に軍隊に相似していても軍隊として機能しないわけですな。自衛隊は一見軍隊であり、国際的にも軍隊として目されながら、実は軍隊として機能するに足りない組織である、という問題が浮かび上がってくるわけです。

これについてはあらゆる「有事」を一切想定しない日本国憲法という問題が転がっていて、日本国憲法は恐ろしいことにいついかなる時も通常法が十全に機能する社会を、国に強いています。一般的には問題と思われないかと思いますが、実際には、たとえば東日本大震災のように大規模にインフラが崩壊した状況などでは、必要な手続きが行えなかったために勾留中の被疑者を解放したなんて話もありましたし、警察力が飽和していたにも関わらず自衛隊には治安出動しか警察権を行使する方法がなかったために自衛隊による警察活動ができなかったなど、通常法の履行が十全ではなくなったときの非常手段の乏しさが浮き彫りになっております。

非常の時には非常の法、と書くと嫌がる向きもあるのですが、現実というのは公正世界ではないわけでして、非常事態が生起しうることを前提としない憲法や法を戴くというのは、控え目に言って国民を危険に晒すものであると思うわけです。

自衛隊が南スーダンで直面したものは、日本ではまず滅多にお目にかかれない「非常事態」が日常的に発生する世界であったと私は思うのです。

大変残念なことに、世界では今、「非常事態が日常」な地域が広がりを見せております。それを食い止めるためには、その境界で、またはその中に乗り込んで、秩序を回復する行動を取る必要があり、その任には非常事態に対応しうる組織、即ち軍隊でなければ耐えないと思う次第。

今度も日本が積極平和主義の名の下にPKOへ参加を続けるのであれば、自衛隊を早急に軍隊とすべきであると信じます。


2017年5月29日(月曜日)

朝っぱらから北朝鮮のミサイルが排他的経済水域内に着弾した模様、とか。

なんかもう去年くらいからEEZに撃ち込まれるのが当たり前になりつつありますが、EEZは我が国が排他的に経済行為を行うことが許された水域でして、ここにミサイルを撃ち込むのは経済活動を阻害する行為ですから、控え目に言って国連海洋法条約違反です。

付近を飛ぶ航空機にとっても脅威ですんで、ICAO条約にも違反するんではないですかね。日本なんて自衛隊が訓練するときもちゃんとNOTAM出してますしね。

そういう「守るべきルール」を守らないから、問題視されるわけなんですが。


2017年5月30日(火曜日)

電書ラボの「電子書籍のセキュリティの現状と事例紹介(電書ラボ公開セミナー2017 第1回)」に行って、キーリング社の話を聞いてきた。

出版社さんの求めに応じて囲い込みソフトを提供している会社だけあって、DRM(というかDigital Contents Managementって感じだったが)を使った各種サービスに付いて魅力的に解説していた。

ただ、講演中にもDRMの問題点として挙げられていたユーザビリティの低下については、積極的にどうこうしようという意思はなさそう。というか、コンテンツホルダ(出版社)側が問題意識を持ってなさそう、というのが……。

で、気づいたんですが、結局のところコンテンツホルダはDRMを使って、コンテンツの消費方法を限定したいのではないか、と思いつきました。

TV局はタイムシフト視聴すら基本的には不可と考え、テレビは放送時間にテレビの前に座って観るものだ、という姿勢を強く打ち出していました。ビデオリサーチが「タイムシフト試聴率」を出すようになったので今後変わっていくかも知れませんが、根本的にDRMを使って視聴スタイルを制限することに拘泥しています。(最近ではHuluの騷ぎなどが有名)

同様に、出版社は、特定の本棚アプリに自社供給の本だけを並べ、専用のビュワーで見るスタイルをユーザに押し付けていますが、この「利用方法を限定したい」という点で両者は共通します。

著作権は著作物の販売等、経済的権益については保護しますし、著作者人格権は同一性の保持を担保しますが、しかしコンテンツの見方、利用の仕方についてはこれを制御することを想定していない筈なんですがね……。

タイムシフト/プレイスシフト/メディアシフトについては利用者の利便であることを、著作権法には明記したほうが良いんでしょうかね?


2017年5月31日(水曜日)

先日のクローズアップ現代豊洲か?築地か? 小池都政・判断の行方は」を観たんですが、なんですかね、これは。

碌でもないブレーンを信じこんで本人にはノーアイデア、そのせいで人から何か言われる度に右に左にふらふら蛇行運転とか、まるでどこかの鳩山内閣みたいじゃないですか。要するに、脳の足りない馬鹿が権力の頂点で踊っている、という図式なわけですが……他国の事例なら笑ってられますが、自国の、それも都知事とあっては笑えないですわ。

最近この手の「有害なブレーン」の問題ってあちこちで見かけるわけですが、どうにかして排除することってできないんですかねぇ。政治家本人の知的水準が高ければ騙されない、って問題じゃない辺りが深刻ですよ。一種の宗教的信仰状態に陥るわけですから……。

将来的には、政治なんてAIに任せてしまえたらいいんでしょうけどね。