哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」

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西紀2023年6月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。


2023年6月1日(木曜日)

中国軍J-16が米空軍RC-135正面を横切る映像公開、「不必要に攻撃的な飛行」と非難」とか。

この手の危険飛行については中国には前科がありますのでなぁ。

軍が暴走しているのか、あるいは党の意を受けてやってるのかは知れませんが、危険な火遊びですね。チキンレース染みた蛮勇顕示なのかも知れませんが、セルフロープレスバンジージャンプという印象が拭えません。

中国側はもう外交をやる気がなさそうなんで、残る道は武力の行使と思い決めてるかのも知れませんな。


2023年6月2日(金曜日)

季節外れの颱風が接近して日本各地で大雨。

というか、6月に颱風が接近するって、結構稀なことではないかと思うんだけど、気象庁のページを見ると、それほど希少というほどでもないか。何年かに一回はある、という感じ。

ただ時期的に梅雨前線に颱風がエネルギーを供給する形になったので、線状降水帯があちこちにできて被害が大きくなった、ということか。

それにしても、ここまで東海地方に沿って降らなくても……という感想を持つくらい見事に太平洋岸に大雨が降ったなぁ。


2023年6月3日(土曜日)

戸籍に読み仮名必須、改正法成立 キラキラネームに一定基準」とか、戸籍法が改正され、戸籍に読み仮名が付されることになったと報じられて、慌てて法案を探したけど見つからず。あれこれ調べた結果、デジタル庁の「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案」の中に含まれていることが分かった。

法13条に2項と1号(下線部)を追加する形。

第十三条 戸籍には、本籍の外、戸籍内の各人について、左の事項を記載しなければならない。

  1. 氏名
  2. 氏名の振り仮名(氏に用いられる文字の読み方を示す文字(以下「氏の振り仮名」という。)及び名に用いられる文字の読み方を示す文字(以下「名の振り仮名」という。)をいう。以下同じ。)
  3. 出生の年月日
  4. 戸籍に入つた原因及び年月日
  5. 実父母の氏名及び実父母との続柄
  6. 養子であるときは、養親の氏名及び養親との続柄
  7. 夫婦については、夫又は妻である旨
  8. 他の戸籍から入つた者については、その戸籍の表示
  9. その他法務省令で定める事項
② 前項第二号の読み方は、氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものでなければならない。
③ 氏名の振り仮名に用いることができる仮名及び記号の範囲は、法務省令で定める

もう②で揉めるのが目に見えるようだわ……。歴史的な人名を持ち出してきて「一般的に認められている」とか言い出すやつ。

そんで当然法15節 氏名の変更の後に、「第15節の二 氏名の振り仮名の変更」が新設されることに。

第十五節の二 氏名の振り仮名の変更
第百七条の三 やむを得ない事由によつて氏の振り仮名を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
第百七条の四 正当な事由によつて名の振り仮名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。

氏名と同様の変更難度が設定されています。

これまで、いわゆるDQNネームを付けられてしまった人が、改名へのステップとして「漢字の読みを一般的なものに改める」という方策を取るのが一般的だったのですが、その方策が封じられてしまったわけです。

現在の日本国の制度は、戸籍氏名を安定的なものと位置付け、変更が困難なように制度設計がなされています。そのため、自分の名前に不満があり、変更をしたいと希望する人間にとっては、これまでも小さくない障害が存在したわけですが、今回それが一段と大きくなったことは、残念なことだと思います。

個人的には、人定にはマイナンバーを使い、氏名(少なくともその読み)はマイナンバーの属性値として変更を容易ならしむ方が、適切な制度設計ではないかと思うところです。


2023年6月4日(日曜日)

「スーパーカブ」の連載は8で完結、となっていたんだけど、続編の連載が始まって嬉しい。

個人的に書籍版はイラストがマッチしてないかな、と思ってたんだけど、5~6巻くらいからいい塩梅になってきたように思う。

あとは連載終了まで生き延びることだな(笑)。


2023年6月5日(月曜日)

抗癌剤7クール目。もう点滴直後からしんどい。

「レーダー照射の再発防止、日韓防衛協力進展へ協議加速=官房長官」と2018年に発生した韓国海軍艦艇による射管レーダー照射事件について、事実関係の究明を棚上げにして、とりあえず再発防止策の策定に進むようですな。

北朝鮮の脅威が本格化している現在、四の五の言ってられないという切迫した事情は分からんでもないのですが、現場としてはしこりが残るでしょうね。日本側は出せる証拠は全部出しているので、韓国が誠実な対応をしなかったのは諸外国から見れば明らかですし。

韓国側としても不満の残るところだったらしく、国内世論は対日従属外交との批判が飛んでいるようですが、韓国前政権が作った内国神話外交の悪影響は根深いですな。

せいぜい日本としては他山の石としたいところです。


2023年6月6日(火曜日)

経口の抗癌剤を飮もうとすると嘔吐反射が出たりするなど。

意思としては飮まねばならぬと思っているのだけど、無意識の方では毒物として認知してるんだろうなぁ……。

先月のサミット絡みで「日本で服役の米兵、解決に向け家族がバイデン大統領訪日に望み」なんて記事を見たりして。

あまり日本では知られていないことのようですが、米国では日本の刑事司法の評判はかなり悪いんです。陪審員も付かない裁判で有罪率が99.7%とかという情報が先行してしまい、日米間の司法制度の違い(起訴便宜主義大陪審)などが考慮されていないのですよね。

かくして、在日米軍の軍人・軍属が非番中に起こした事故事件について、日本司法ではなく米国司法で裁くようにせよとの主張は米国側で結構目に付いたりします。

もっとも、日本の司法(というかそれを支える民意)がおかしいのも事実なんですが……。琉球新報のように社説で被告の権利とはいえ、黙秘権行使は許し難いとか書いちゃう新聞があるわけで、日本では刑事司法が処罰感情の発露の場になっちゃってる面があるのですよね……。


2023年6月7日(水曜日)

体調悪し。体を起こすとしゃっくりが出るってのはなんだろうね……。

マイナンバー関係の事務処理での手違いが色々発覚してかまびすしいわけですが、一方で住所の問題については「「日本の住所のヤバさ」知れ渡る 正規化・名寄せ問題、Twitterトレンドに」なんて記事が出て、このことが世に広まると良いなぁと思わずにはいられない。

やったことある人しか知らない類の問題ではあるのですが、日本では住所表示が全く正規化されておらず、完全に自然言語処理になってしまっています。一見何らかの法則性がありそうに見えるところが罠で、実際には例外だらけで一律の処理が大変難しかったりします。

これに人名の問題が加わると完全にカオスでして、電算処理を考える前にこれなんとかしとけよみたいな話だったりします。先日の戸籍の読みの問題も、この辺に由来する問題ではあるのですよね。

結局は電算化の前に住居コードみたいな一意番号を用意しなきゃいけなかったんだろうねぇ……。


2023年6月8日(木曜日)

NHKBS世界のドキュメンタリー正しい爆発物の使い方」は、てっきり「平和的核爆発」の話が出ると思ったんだがなぁ……。

いやまぁ、火薬・爆薬が世の中の役に立っていることは説明の要がない程だと思うのですが、見えない所で使われていることも多いので、こういう番組は良いのではないですかね。しかし日本ではあまり見られない爆破解体がストーリーの中心に据えられている辺りが、文化の違いといいましょうか。

日本の場合「解体キングダム」になっちゃいますからね。


2023年6月9日(金曜日)

なんか「退役戦闘機をウクライナへ 豪、FA18供与を調整」とかで豪州がウクライナにF/A-18(レガホ)を供与しようとしているとか……。

先だってF-16の供与が俎上に乗ったばかりなんですが、ウクライナは他にユーロファイター寄越せとかグリペンどうでしょうとか節操なく西側の4.5世代戦鬪機を所望しているので、手に入るなら何でも良いんだろうか……。

どっかの傭兵空軍みたいな有様になっちゃうけど大丈夫なんかそれで。

ウクライナとしては四の五の言ってられないとにかく戦鬪機が欲しい、ってところなんでしょうけども。


2023年6月10日(土曜日)

ウクライナの反抗作戦に関して、OSINT系情報では結構な被害が宇軍側に出ていると示されていたところですが、「ウクライナ軍、「強固な抵抗」に苦戦 ロシア軍の戦線への攻撃で損失被る 米当局者」と米側もこれを認めた形に。

やはり充分な航空支援がないと、地上侵攻は犠牲が出ますわな。

それ故に、なんとしてでもウクライナは西側の作戦機が欲しかったのでしょうが……。

充分な空軍力がないとどうしても強攻策になってしまうわけで、たとえ作戦目標を達することができたとしても、犠牲は大きいでしょうね。


2023年6月11日(日曜日)

北陸入梅の報。

共産党がやらかした一件新潮webSirabee東スポ)、突如急転直下の方針転換で、埼玉県側が末端の指定管理者を切り捨てにかかりましたな……。

とはいえ、今更、開催2日前に会場の貸出を撤回するという暴挙によって生じた損害を賠償する義務が埼玉県には生じると思います。どこまで被害が広がってるかわかりませんが……。イベント主催者はもとより、ギャラを得て出演するモデル、仕出し弁当屋など、影響は多方面に亘っていましたから……。

まあ軌道修正できただけ埼玉県はマシだったと思いましょう。

一方の共産党はここ十数年で明らかに異常な方向へ突っ走っていて、数年前にはラディカル・フェミニズムへの迎合という挙に出たわけですが、最早自浄作用も働かない状態なんだろうなぁ。今回の一件でも党としてはだんまり。ごく一部の議員で疑問を呈している人はいますが、民主集中制で異論を挟めない体制では、この先の党勢は広がったりはしないでしょうね。

日本の政治に必要なのはマトモな野党なんだけど、既存野党はどうしてか異常な方向へ走るんだよな。どうしてなんだろ。


2023年6月12日(月曜日)

手塚プロダクション生成AIを使ってブラックジャックの続編を作るとかいう発表をしておりましたな。

個人的になるほどと思ったのは、記者会見で手塚眞が、もし手塚治虫が存命だったら喜んでAIを作品作りに投入していただろう、って言ってたところで、確かにあの人ならそういうことやりかねんよな、と。

なんせ「アイデアはバーゲンセールするほどある」とか言って、作品のネタに対して制作能力が追いつかないとかいうある種特異な人物だったので、道具としてAIを使っていたら今の数倍の作品を遺した可能性はありますわな。

ともあれ、生成AIによる手塚作品ですが、まあ、学習させるだけの作品数があるというのがまず凄いですわな。実験としてはやってみる価値はあると思いますし、その時に手塚治虫が使われるのもまた道理というものでしょう。

果たして結果がいかなるものになるか、興味深く見守りたいところです。


2023年6月13日(火曜日)

NHKスペシャルの大型シリーズ「ヒューマン・エイジ」の第1回を観てたら、人新世という新たな地質年代を定めようというほど地球を変えた生き物は人間が初めてなんてセリフが出てきたけど、そんなわけあるかい……。

シアノバクテリアが光合成を始めて大気中に酸素をぶちまけ原生代が始まったり、リグニンを分解できる白色腐朽菌石炭紀を終わらせたように、生物が地質年代を変えた例は他にもありますわな。

まあ番組は人類を特別である、という立場で作ってるので、そんなこと持ち出されても困るんでしょうが……。

個人的にはこの番組での「地球環境」の認識が、人類と分離して存在するような使われ方をしていることに強く違和感を感じました。多くの場合「地球環境」という言葉は、「人類が棲息・繁栄可能な地球環境」を指していて、例えば冥王代太古代の地球環境(人類は生存できない)などは含まれません。

つまるところ、我々は所詮人類視点での地球環境(人類の棲息環境)を語っているのであって、地質学や惑星科学レベルでの地球環境を語っているわけではないのですよね。飽くまでも、主体は「人間」であって「地球」ではないのです。

その視点がなかったというのが大変残念な番組の作りに繋がっているのではないかと思いました。


2023年6月14日(水曜日)

トヨタ・テクニカル・ワークショップ2023の中身がなかなか凄い件。

電気自動車の主としてバッテリ技術と、トヨタが推進している水素技術が主要な内容なのですが、内容は盛り沢山。

トヨタの全固体リチウムイオン電池については過去にも言及していますが、まだ実用化までは時間がかかりそうな印象だったものが、この課題を克服する新技術を発見したとのことで、2027~28年の実用化にチャレンジするだそうな。

期待が膨らみますねぇ。

水素技術については、個人的には自動車への応用は諦めた方が良いんじゃないかなぁと思ってはいるのですが、トヨタとしてはまだまだやる気があるようで……。純技術的には役立つ面が多いと思っているので研究開発自体には反対はしないのですが、自動車への応用はねぇ……。

そんで個人的にやっぱトヨタ凄いな、と思ったのは生産技術方面で、リアアクスル周りのフレームを巨大なアルミ鋳造で一発で作ろうとか、やることが半端じゃないわ。それに、フレームにモータとバッテリと制御系を付けた状態で工場の中を自走させて組み立てようとか、流石としか言いようがない。

そんな工場、見たくない人なんていないだろ!


2023年6月15日(木曜日)

ドイツ 初の安保戦略を公表“ロシアは最大の脅威 中国は警戒”」とかいうニュースを見て、ドイツどんだけ戦後NATOに依存してたんだよ……と。

日本も大概だけど、ドイツもどうなってんのかと。

勿論、ここに至る過程というものはあるわけですが、やはり戦後寄って集ってドイツや日本を安全保障戦略的に無力な国にすべく努力した結果だったんでしょうな。

しかしそれも終わりに近づいている、というのが今般の事情なんでしょう。

ただ、両国とも、茨の道が待ってそうなのが難しいところです。両国とも、その枠組の中で利益を得てきた3四半世紀でしたからね……。


2023年6月16日(金曜日)

宇露戦争において、ロシア人によって編成された宇軍部隊が越境攻撃を行っていることは確認されているところですが、これに対応しているロシア軍の部隊が自国民に対して略奪を行っているとか……。

どうなっとるんだね、一体?

てっきり露軍は“敵”に対する不法行為に対して規律が緩いんだと思ってましたが、この様子では全般的に軍規が守られていない疑いがありますね。こういうのは、負けが込んできた軍隊で見られる兆候なんですが、ロシア軍はどういう崩れ方をするんでしょうかね……。


2023年6月17日(土曜日)

国内最後のトロリーバス「廃止」検討…立山黒部アルペンルート、部品調達難しく」とか。已む方ないんじゃないですかねぇ。

記事中にあるように、立山トンネルトロリーバスが日本で最後に残ったトロリーバスということは、泣いても笑ってものその8台しかないわけで、メーカさんも補修部品を作り続けることには限界があるでしょう。特により規模の大きかった関電トンネル側が廃止しているとなると。

いずれ、関電トンネル側と同じく、バッテリEVバスになるんじゃないですかね。

バス本体の整備もそうですが、そうすればトンネル内の架線設備なんかの点検も不要になりますからね。

今後トロリーバスが国内で整備されることはないと思われますので、トロリーバスが好きな人はなんとしてでも乗っておくべきでしょうが……そういえば私、黒四ダムに行ったことないんだよなぁ。室堂まで行くとついつい山の方に登っちゃって……。


2023年6月18日(日曜日)

NHKスペシャルの大型シリーズ「ヒューマンエイジ」。先週に引き続いての「第2集 戦争 なぜ殺し合うのか」を観たんですが、うーん……と。

スタジオゲストが山極壽一先生と河江肖剰先生。両先生とも専門分野においてはケチを付ける余地のない方々なのですが、テーマに沿っていたかと言われると……?

現代の狩猟採集民は弓矢を人間に向けないとか言ってたけど、実際にはやってるわけでなぁ……。

あと、オキシトシンと共感力というキーワードで人類の結束を説明しようとしていたけど、それよりも個人的にはアンダーソンの想像の共同体あたりがプリント・キャピタリズムの点からも適切だったように思う。

やはりなんというか、制作側の問題理解への深みの不足が感じられるのが残念ですね。あ、でも瀬谷ルミ子は悪くなかったな。とは言え、現在進行中のウクライナを避けた辺り、やはり番組側の都合があるんだろうけども。

戦争を止めようというなら、今まさにやらかしているロシアをどうにかする具体的な方策を、って話になっちゃうわけですが、日本は「殺傷能力のある武器輸出は現行ルールでも可能なのか 「新解釈」が浮上した防衛装備移転3原則」と防衛装備移転三原則を解釈変更で乗り切ろうという話が出てますな。

憲法の平和主義をどう解釈するかという問題なんですが、憲法前文が絡んでくるんですよね。

日本国憲法は日本の平和主義を謳っているわけですが、同時に全世界についても言及しているのですよ。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

この前文に基づくならば、日本では一国平和主義、つまり日本が平和でありさえすれば他の国がどうなっても良い、という政策は否定されることになります。日本国憲法は“不正義の平和”を日本が享受することを善しとはしないわけです。

この前文と9条を整合させるならば、日本は自国民による武力行使は否定するが、他国の民が平和のために銃を取ることを否定しないし、それを支援することは前文の精神に背かない限りは否定されない、ということになるかと思います。

一部の特殊な思考の人を除けば、今般のウクライナとロシアの戦争において正義がどちら側にあるのかは議論の余地がないわけで、そうなれば正義を扶け邪悪を退けるために武器を供与することは、憲法に反しないと私は考えます。

本音を言えば、こんな空理空論を前文に戴く憲法なんかとっとと改正して、こんな訳の分からないアクロバティカルな解釈がいらないようにすべきだと思いますがね。


2023年6月19日(月曜日)

映画を観に行ったのだけれども、2時間と少し、座っていることができなかった。

なんとか保つかと思ったんだがなぁ……。

無念なり。

しかしこうなるともう映画を映画館で楽しむのは難しいと割り切るしかないのか。


2023年6月20日(火曜日)

スマホのバッテリーを「ユーザーが簡単に交換」義務づける法案、EUで可決」とかいうニュースがあって、EUおかしなことするなぁ、と。

私個人としてはバッテリが取り外せる携帯電話が好みですが、それは飽くまで私個人の選択としての話であって、これが義務化となるとそれはちょっと違うだろう、と思いますね。

現在のスマホやノートPCの多くの機種でバッテリが取り外せないようになっているのは、設計上の自由度の問題や安全性の問題が絡んでいます。18650のような円筒形バッテリしかなかった時代はともかく、現在のようなラミネートパッケージのLiBが登場してからは、形状や容量の自由度が上がり、筐体に合わせてバッテリが設計されることが一般化しています。これは最適設計に繋がりますから、特に尖った特性を持たせようと思えばこちらを選択するのは自然とも言えます。

バッテリを着脱可しようとすると、ラミネートパッケージのまま取り外せるようにするのは危険ですから、プラスチックか何かの外装が必要になり、ソケット部が別に必要になり、接続端子が必要になり……と設計はどんどんと複雑化・大型化し、重量が増加していきます。

それらの不利を飮んででもバッテリ着脱式を選択したい、という人は少数派であると自分自身思っています。

義務化というのはそれらの不利益を全住人に強いるわけで、選択肢が無くなるという意味では、同じことのように思うのですよね……。


2023年6月21日(水曜日)

タイタニック号探索ツアーの潜水艇が行方不明、米加当局が捜索」とかで、著名人が乗っていたこともあって大きく報じられておりますな。

一部では「叩く音が聞こえる」とかで生存に望みがある模様なんですが……しかし、これ、具体的にどうやって救助すりゃいいんでしょうかね?

ハッチがないとかいう話なんでDSRVは使えないでしょうし、そもそもその海域の水深が4,000mクラスとあってはどんな方法があるというのか。

こういうツアーって、事故った時の救難体制がどうなってるかが、結構肝だと思うんですよね。知床の遊覧船もそうでしたが……。


2023年6月22日(木曜日)

紙の保険証を廃止してマイナンバーカードへの統合を政府が推めている件で、保険情報の誤りや不正使用は、全国で年間600万件にも上っており、その処理のための経費は1000億円を越えると推定されている。とかいう話が飛び出してきて吹く。

え? なんか桁間違ってない?

平成15年の研究だから20年前のデータではあるけど、いくらなんでも多すぎやしないか。

元のペーパーでは研究目的のところにさらっと書いてあるだけで典拠が不明な数字なんだけど、これが事実だとすると、そりゃぁ紙の保険証廃止しようってなるわな。

他にも偽造健康保険証を使って携帯電話を契約して横流しとかがあったので、紙の健康保険証は現代社会では身分を証したてるものとしての機能を喪失しているとは言えそう。


2023年6月23日(金曜日)

タイタニック号見物ツアーの潜水艇が遭難したですが、「不明潜水艇、タイタニック付近に「破片」 乗客5人全員死亡と運航会社」と残念な結果に。

興味深いのは、「潜水艇不明、米海軍が18日に圧壊音検知 捜索チームに伝達」という記事ですね。捜索側は早い段階で圧潰の可能性を認識していた模様。

SOSUS由来の情報なので、公開できなかったのかな……。

なんにせよ、今後事故調査に焦点が移るものと思われますが、あれこれと推測はしたとしても、最終的には事故調査報告書が出るのを待つべきであろうかと思います。


2023年6月24日(土曜日)

突如ロシアでワグネルの乱が発生してわけわかめ。

最初はプリゴジンのやるやる詐欺だと思ってたんだけど、どうやらマジモンの叛乱を起こしたらしいという話になって、主張を見てみると「君側の奸を討つ!」とか言い出してて、一体ここはどこの安禄山の乱かと……。

怒涛の快進撃であっという間にモスクワに迫ってるんですけど、ホント一体どうなってるのか……。


2023年6月25日(日曜日)

ワグネルの乱は一日で終了。

ワグネルは兵を納め、プリゴジンは免責の上でベラルーシに亡命、と。

これで何が解決したのかよく分かりませんが、とにかくそうなった模様。

しかし……プリゴジンが天寿を全うできると考えてる人はいないんじゃないですかねぇ。絶対どっかで暗殺されるだろ、これ。


2023年6月26日(月曜日)

抗癌剤治療最終8クール目初日……の予定だったんだけど、副作用を鑑みて一週遅らせることに。

と、いうわけでオキサリプラチンはまた来週。


2023年6月27日(火曜日)

地方のニュースを見ていたら「水素エンジン化事業性検証プロジェクトにおいて富山県内にて貨物輸送に向けた実証走行試験を開始」とかいうネタが。

水素で内燃機関を動かすのは昔から武蔵工大(現・東京都市大学)で研究されていた技術で、歴史もあれば蓄積もあり、当然今回の実験も東京都市大学が関わっていて、そして現在もなお実用化されていない辺りで、何かしら未解決の問題があるんだろうなぁと察せられるところです。

トヨタのミライの時も書いたんですが、水素燃料自体は別に悪いわけではないのですが、それで自動車を駆動させるのはどうなんだろう、と。

そもそも水素は取り扱いが面倒な上に比重が小さ過ぎる(=嵩張る)という特徴があるわけでして、モビリティ向きとは言えないのですよねぇ。

今回の実験車輛も、運転席の後ろに高圧ボンベを16本も積んでるとか、荷台を圧迫しているわけでして、同じように水素を使うにしても、炭化水素の形にするとか、窒化水素の形にするとかの方が有望じゃないかと思うんですよね。

まあ、学術的な実験だと思えばやることに意義がないわけじゃないんですけども。


2023年6月28日(水曜日)

天気予報で雨という話ではあったんだけど、梅雨らしく一日ずっとしとしと降っている、とかじゃじゃくて、短時間に雨がじゃんじゃん降って洪水警報が出る一方、雨雲が過ぎたらあっという間に水位が下がるという、アップダウンの激しい天気だった。

途中雷がゴロゴロ言ってて、無線LANが不調なのはそのせいか?とか思ってたら、無線LANルータが謎の頓死を遂げていた。

電源入れ直したら復活したけど、電源ボタンが效かないのはちょっと焦った。ログ見ても原因らしきものが分からんのはホント困る。


2023年6月29日(木曜日)

最近なにかと話題の「能動的サイバー防御」ですが、まともに法的整理をしたら、現行憲法の改正が視野に入ってきてしまうと思いますがねぇ……。

過去にもちらっと書いたんですが、通常、一国の法的強制力というものは内国的にのみ通用するものであって、国外にその影響を及ぼすことは“してはいけません”。

日本の国会が定めた法の效力範囲は日本国内であって、国外犯は例外規定であり、それであっても日本の警察や司法組織が現地で捜査や犯人確保を行えるわけではありません。

であるため、日本国内で被害が生じたサイバー犯罪であっても、容疑者が国外にいる場合は、実際の捜査は外事を通じて現地司法に委ねる他ありませんし、そしてその「現地」はロシアだったり中国だったり北朝鮮だったりするわけです。全くアテになりませんね。

そして今般の「能動的サイバー防御」には、相手側サーバへの侵入などが想定されており、実行犯が海外にいた場合、これはどう見ても国家権力の国外での行使と言わざるを得ず、通常の法の枠内では不可能と言うしかありません。当たり前ですが、犯罪行為ではあっても、相手国に置かれているサーバに侵入すればそれはハッキングと看做されるわけです。

この問題を整合させる権原は現状一つしかないと思われます。それは、交戦権です。唯一この権利だけが、国家が他国に対して強制力を行使することを保障してくれます。

問題は日本はこの権利を憲法上放棄していることで、他国に乗り込んで武力を行使する権原を失ってしまっています。

なので、どう現行法を捏ねくり回したところで、他国に置かれている攻撃者のコンピュータへの直接的な干渉は、無理があると私は思うところです。もちろん国内でのみ適用できる法律にするならば、これらの問題は回避できますが、同時に実效力を持つ法律にはならないという問題が生じます。

そういうわけで、憲法を改正して国家の交戦権を認めて国外での実力行使ができるようにするのが、正道であろうかと思う次第です。


2023年6月30日(金曜日)

ロシアがザポリージャ原発から職員の退避を始めたそうなんですが、ウクライナ側はロシアによる原発テロの準備と見ている模様。なお、ウクライナは緊急訓練を実施とのこと。

ロシア側は“ウクライナが原発の破壊を狙っている”と主張しており、カホフカダムの一件を考えると、ロシアは原発を損壊し、その責任をウクライナになすりつけようとしているのではないか?との疑いが拭いきれないところです。

ちょっと正気の沙汰とは思えない話ではあるのですが、この戦争そのものが狂気の沙汰ですからね。ロシアならやりかねない、という悪い意味での信頼は充分なところです。