哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2005年4月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2005年4月1日(金曜日)
 ネタは用意してたんですが、↓のニュースが来ちゃったんで止めました。

 先月来米国で大騒ぎになっていたテリ・シアボさんが亡くなったそうで。
 これであっちの報道も一段落するかなぁ。
 Genesisさんが日記で触れていたけど、外野がとやかく言うべき問題じゃないよね、これ。
 司法判断に立法行政が共に反発してヒステリックな行動に出たって辺りで、米国の政治の一面を見た気がするわ。それでも結局司法判断が覆らなかった辺りは正常だなぁと思ったりもするわけですが。
 故人のご冥福を祈りつつ、日本、そして我が身を振り返ってみておきたいものです。

 マラッカ海峡で今度は日本行きの貨物船が海賊に襲われたそうな幸い今回の被害は現金のみの言うことですが、このようなことが続けば、マラッカ海峡を通過する船に掛けられる保険の掛け金が上がったりして、日本経済に打撃を与えます。
 で、まともな国の場合「マラッカ海峡の安定は我が国の安全保障に直結する」とか言って、沿岸警備隊なり海軍なりを派遣してしまうわけですな。勿論、周辺各国と協力してですが。
 実際問題として今回のような場合、歓迎はしても反対はせんだろうね。
 シーレーン確保はなぜか日本の自衛隊の本来任務ではないらしいので、実際に派遣するには国会のなが〜い審議を経ねばならないわけですが、そろそろそういった戦略的見地に立った自衛隊の使い方ってものは考えた方がよいと思う。
 しかし、マラッカ海峡のような遠いところに護衛艦隊を派遣するとなると、流石に艦隊防空とか航空哨戒とか実際の打撃力とかが気になるわけですが、16DDHを中心にどういう布陣を組んだらいいか、色々考えないといけないでしょうなぁ。


2005年4月2日(土曜日)
 某勉強会にて講師の真似事。うひぃ、疲れた。

 実は勉強会の間、互恵行動や利他行動をゲーム理論や進化理論を通じて説明してる人がいた筈だと思っていたりしたわけだが、帰宅後調べてみると、ロバート・トリバースやロバート・アクセルロッドあたりか。反復型の囚人のジレンマは結構普遍的な命題だと思うのだが、あまり知られていないのだろうか。
 あまり若いうちからこういうことを知ってしまうと、人間に対して絶望してしまいそうだが。

 午前1時から午前4時まで、ブスコパンも効かない素敵な激痛にのたうち回っていました。結石の痛みって、これだから嫌だ。しかも周期的に襲ってくるから、石が出なければ予定では明日の21時くらいからまた痛みがくる筈。
 本当は病院辺りで麻酔薬でも打ってもらうと素敵な感じで意識を失えるのですが、ご家庭じゃそういうことは御法度らしい。(当たり前だ)
 痛みがない間に、できることはやっとかないとね〜。
 とりあえず、寝よう。


2005年4月3日(日曜日) part 1
 ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世聖下が逝去された由。謹んで弔慰を表す。
2005年4月3日(日曜日) part 2
 余談:「「ローマ法王」と「ローマ教皇」、どちらが正しい?
 というわけで、別に私はキリスト者ではありませんが、この日記では「教皇」に統一。敬称も「聖下」を用いています。常識的な配慮だと思いますので。

 某ヲタ某英國戀物語を観るために我が家に逗留している。
 ヲタだからしょうがない。

 国連常任理事国入りに反対する中国民衆のデモとやらが、日系商店の破壊に進行しているらしい。ただの暴徒だな。


2005年4月4日(月曜日)
 血液検査の結果を見ると、やっぱ尿酸値が高い。
2005年4月5日(火曜日)
 石出たーっ!
 これで次の石が出てくるまで、暫くは痛みからは解放される(喜)。

 昨日から、埼京線で朝の通勤時間帯に女性専用車輛が導入されたそうで(過去言及)。
 テレビのニュース映像で観る限り、女性専用車輛の混雑率が目測150%程度なのに対し、そのすぐ隣の車輛の混雑率は200%超。ガラスに押し付けられた男性の恨みがましい目が印象に残りました。新聞記事でも女性専用車輛の方が比較的空いていたと指摘しています。
 本当に大丈夫かねぇ……。
 なんか殆ど警視庁のごり押しで決まった感のある今回の導入ですが、できるだけより多くの人の幸せに繋がって欲しいものです。


2005年4月6日(水曜日)
 朝一で国立科学博物館へ恐竜博2005を観に行く。
 イマイチだった。
 見所という意味では、常設展の地下一階・地下二階の充実度が著しいため、比較するとどうにも薄い。
 でも人の入りは上々で、10時頃には入場待ちの列ができていた。列を見て、特別展だけじゃなくて常設展も観に行けよ、と内心呟いておりましたとさ。
 ちなみに来週は恒例、新宿分館の一般公開。

2005年4月7日(木曜日)
 女性専用車輛の話題。
 実際乗った人の話を聞いたのですが、やはり「空いている」という感想が印象的でした。時間帯によって多少差があるとのことでしたが、体感で乗車率が130%〜170%くらいとのことでした。埼京線の朝のラッシュアワーは乗車率200%ですので、ここで「空いている」車輛が一つできることは、ある種恐怖を感じます。
 それと、関西方面で先行して女性専用車輛が導入されていたわけだから、関西での鉄道における痴漢の発生件数は減少している筈だと思って資料をあれこれ捜したのですが…ないんです。唯一それらしいデータは国土交通省の「女性専用車両 路線拡大モデル調査 報告書」だけなんですが、この報告書ですらやや改善したように見える程度の数字しか出てきていません。
 費用対効果が期待されるほど高くないのではないか、という疑いが浮上してきています。
 もっと詳細なデータが必要です。10輛編成乗車率200%の状態で、1輛だけ乗車率が150%台なんてことになると、単純計算で他の9輛の乗車率が6ポイント程度上昇することになりかねません。それだけの犠牲を払う価値のある対策であることが明示されないと、この施策が愚策の類ではないかという疑いが持たれることになります。
 一部に男女同権がどうこうという意見があるようですが、それについては「男性専用車輛」を導入すりゃ済む話なので、大きな問題じゃないと思う。男女差別なんじゃないかとは思うけどね。

2005年4月8日(金曜日)
 石残ってターッ!(涙)

 「ミサイル脅威 対北、先制攻撃探る 平成6年に防衛庁シミュレーションという報道があって、自衛隊って真面目だなぁと感心するやら呆れるやら。
 記事にもある通り、平成6(1994)年時点の日本の航空戦力で北を爆撃し、日本への攻撃能力を失わしめるのは極めて困難だったでしょうね。10年経ってますんで、今は多少違うかとは思いますが、基本的に事前索敵能力(目標特定能力)に著しい不利がありますから、心理効果を狙ったドゥリットル攻撃じゃない限りは、やるだけ無駄でしょう。
 ただ、記事中で志方俊之帝京大教授も述べていますが、軍としてこういったことを事前に検討し、できないならできないときちんと結論づけておくことは重要です。いざその段になった時になってカミカゼ特攻なんて話になったら目も当てられません。それこそ前車の轍ですからね。
 読者として、国民として気にしなければならないのは、さてではもし現在日本がミサイル攻撃を受けるような事態に陥った場合、自衛隊には有効な対処手段がないという事実だったりします。
 現在ミサイル防衛構想が進行中ですが、ようやく調達が始まったばかりで、これが使い物になるまで(戦力として計算できるようになるまで)あと5年は余裕でかかりそうな感じです。日本全域を24時間365日守れるようになる日がいつ来るのか、神のみぞ知る
 それよりも、専守防衛の名分論みたいなことを繰り返している人達の方が今だにいることの方が心配だねぇ。


2005年4月9日(土曜日)
 秋葉原で工作者に遭遇。

 中国で日本の国連常任理事国入り反対やら教科書問題抗議やらのデモが行われて、一部が暴徒化、大使館への投石などという行為に及んだそうです。大使館では窓ガラスが割れたとか。そのままデモ隊は余勢を駆って日本大使公邸や日本企業、日本料理店の破壊に走ったとか。中国当局は口では「理性的に」とか言ってるけど、デモ隊の投石を黙認するなど、どうも事態を收拾する気がないようですねぇ……。
 中国って国は言論の自由もなければ集会結社の自由もない国ですが、唯一、反日抗議行動だけはほぼ無条件で許可されるというありがたい制度になっております。それ故に、政府への不満も社会への不満も何もかもが「反日」というカテゴリーに一緒くたにぶち込まれて表現されるという経緯があったりするわけですが、これまでは日本政府が頭を下げることで事態が沈静化されてきたのですが…ここんとこ日本政府強気で中国政府の言うことを聞かない(笑)。
 かくしてどうやらこの手の反日運動は中国政府の制御下を離れ、暴走しつつあるようです。中国としては北京五輪を前に国際的に信用を落とすようなことはしたくない筈なんですがね。
 しかし、国内世論の誘導すらマトモにできなくなったら、何のための一党独裁国家なのかわかんなくなるな(笑)。


2005年4月10日(日曜日)
 花見。

 中国の暴動で、上海で日本人留学生2名が暴行を受け負傷したと報じられています。いよいよ冗談では済まなくなってきました。
 まだ外務省海外安全ページ(中国)には情報がないようですが、在中国日本大使館では注意喚起がなされています。
 しかしこの問題ですが……根本的に中国の国内問題なんですよね。尖閣諸島が絡むのなら一応外交問題でもありますが、尖閣諸島は日本が実効支配しているので騒ぐ必要ないんです。不買運動も教科書問題も国連常任理事国入り反対も、中国国内でやってる分には国内問題でしょ
 ただ、サウジ大使館の公用車をひっくり返したり、日本大使館に投石したりすると、国際問題になってしまいますし、このまま暴動がエスカレートすれば中国への投資が減ったり、国の治安が疑われたり、最悪国の格付けが落とされて…などということに繋がりかねません。日本としては放っておけば勝手に状況が中国にとって不利になっていくわけですから、敢えて火中の栗を拾わず、当面圧力をかけておけばいいんじゃないですかね。
 日本がこれ以上譲歩しても、正しい情報が国内に伝わらない国に対してでは効果が見込めませんから。今後の対中援助については、正当な公報を伴うようにしていかねばならんですね。


2005年4月11日(月曜日)
 DVDレコーダで録画された画像って、かなり汚いのな……。モスキートノイズが……。

 昨日のNHKスペシャル「明治 第一集 ゆとりか、学力か」を見て思ったこと。
 施策に対するフィードバック不全って明治の頃から常態化してたんか……。
 学力偏重でもゆとり教育でもいいんですが、施策とその結果がきちんと評価されていないのは困ります。学力を重んじれば子供たちが競争に追われるようになると言い、ゆとり教育になれば学力が低下すると言いでは、振り子のように施策が発散するだけでしょうが。
 私としては個人的には「学校」は学力重視でいいんじゃない?って所ですが。
 ただ、学校へ行かないこともまた認めて欲しいという所ですが。学校が合わない人には、相応の教育を選ぶ権利があっても良いじゃないか、と。昔みたいにそういうことが経済的に許されない社会ではないのですからして。
 しかしあれだな……100年以上も碌に評価もされないでシステムが運用されてきてたってのも凄い話であるな。

 「うちの子に限ってという話。
 まあ、親の思想を子供が受け継ぐとは限らないわけで、こういうことはどこの家庭でも起こりうるでしょう。ちなみに私の場合も、反戦の人で、一方息子(私)は「平和のためには武力行使も辞さず」という現実主義者なわけで、そっち方面の話をすると対立点があります(認識の立脚点が違うと言うべきか)。
 とはいえ、いい大人同士の話ですんで、殴り合いとかするわけではありませんし、少なくとも私は父の意見を尊重しているつもりです。平和に議論ができるのが一番ですよ。

 NHKの報道で昨日の中国の暴動の様子を見たんですが、大使館への投擲行動を警官が静止してないんですね。逮捕している様子もなかったし。
 もしかして中国では大使館への投擲は合法なんでしょうか。ウィーン外交関係条約を批准してないってことはないと思うんだけど。
 条約の履行に不備があっちゃ国として困るわけで、日本でも去年の4月に右翼の街頭宣伝車が中国領事館に突っ込んだことがありましたが、この際日本は中国に対して謝意を表明しています。当然犯人は逮捕され、現在公判中。
 主張の当否はどうあれ、外交使節団に対する暴行は自国の信頼を傷つけ、相手国との関係を徒に損ないますので、厳に取り締まらねばならないわけですが……はてさて。


2005年4月12日(火曜日)
 「「良い音をどう判定するか」,メモリ・オーディオの音質規格についてJEITAが講演」という記事があって興味深いなぁと。
 実は日曜日の花見の席で初めてiPodなるものを見まして、音を聞かせてもらったんです。原音との比較をしたわけではないのですが、低音が不自然なくらい強かったのと、高音の薄さはあったものの、思っていたほど悪い音じゃないなぁというのが感想。ただ、多分原盤と聴き比べたら、それなりに耳に付くんだろうけど。
 それはともかく、「気になるが邪魔にならない」ラインが96kbpsと128kbpsの間にあって、その次の「分かるが気にならない」の線が192kbpsにあるってのは、納得。私の場合は「分かる」=「気になる」のでビットレートを下げられないだけで、単なる自己満足。しかも最近はFLACだし。
 もっとも、出先で音楽を聴かない人間としては、携帯音楽機器の音質は下げてもいいから、媒体販売型の音楽の音質は今より上げて欲しいよ。勘違いでも自己満足でもいいんだよ。音楽なんて所詮嗜好品なんだから、違いがわかると思ってる人に高い商品売りつければいいんだからさ!(ひでぇ)
 そういえば先日avexがいきなり「24(32)bit/192kHzでのマスター音源を標準仕様」とするとか言い出して、ちょっと吃驚してます。つまりDVD-Audioクオリティですね。

 なんか「「萌え」:ゲーム・書籍などで「ジャンル確立」880億円市場にとか報道されてて、すっかりオタク=金蔓という認識が広まってきた感がある今日この頃ですが、外務省は金蔓の種を世界中に撒こうとしているようです。
 平和で結構な話でございますわな。
 以前書いたことがあるのですが、実は一定割合でオタクが存在することが、デミング理論が実践される市場の形成に必要なのではないかと思い始めているので、ただアニメを輸出して萌えグッズを売るのではなくて、オタクたる人間を育てて市場を品質市場主義へ導くように工夫してもらいたいものです。
 なに、世界中からオタがアキバに集まるくらい、我慢できるさ……。


2005年4月13日(水曜日)
 昨日は浅草で今日は万博会場か。忙しそうだなぁ>先生
 きっと生贄の羊とばかりに供物に捧げられた某先輩も忙しいのだろう。あ、同情はせんけどな。

 なんか外相が、中国との歴史共同研究とかまたおかしなこと言ってるみたいですねぇ。
 歴史学徒として言わせてもらえば、無駄よ、無駄。
 政治的圧力のない環境で研究することが、歴史学のみならず、学問の自由には必要なんだけど、どう考えても無理だもん。中国には言論の自由も集会結社の自由も思想信条信教の自由も学問の自由もないのよ。そんな国と共同研究して、有意義な結論を出せるって考える方がおかしいって。
 韓国ならまだ望みはあるのよ。名目だけでもそれらが一応あるから。
 さて、ここで「国が学問に圧力を……」と書くともっともらしいわけだが、個人的には逆なんじゃないかと思っている。学問が権力を持った時に始めるのが、「異論・異説の弾圧」なんじゃないか。
 誰だって自分の学説が正しいと思いたい。それはよ〜っくわかる。私だって自分の研究が間違っているだなんて言われたら、嫌な気分になる。嫌な気分になるけど、そこで権力を振るって敵対勢力を粛正したら、学問の進歩は止まるわな。もっとも、権力ってのは自分の誤りを認めなくてもいいという点でとても快いもので、求めたくなるのもよく分かる。
 でもそうやって塗り固めちゃったら、学問と権力が一蓮托生になっちゃうんだけどなー。


2005年4月14日(木曜日)
 日中での懸案事項の一つ、東シナ海のガス田ですが、日本側の試掘権の設定が進んでいるようで。んで、中国からはお定まりのコメント。
 交渉やってんのかねぇ。
 もっとも、歴史問題でも教科書問題でも、譲歩すべきところなんて何にも残ってないってあたりが問題だね。いいとこ、靖国神社だろうけど、これも首相が譲歩するとは思いにくいからなぁ
 国際法廷にもっていくってのは決して悪くない提案だと思うんだけど、いかんせん、相手国の同意が必要な現在の制度では、物事を強制的に推し進める力はないんだよなぁ。
 軍事衝突は避けたいんだけど

 久しぶりに根詰めてたので、書くことない。平和でいいね。


2005年4月15日(金曜日)
 なんかあちこちのblog界隈で「匿名か実名か」という議論がなされているようです。どうも大元はこの辺とかこの辺らしいんですが、どうも議論の立脚点に疑問があります。
 匿名と実名って表裏の関係にないだろう?
 not(実名)=匿名(もしくは、not(匿名)=実名)という関係は成り立ちませんよね。
 実名と匿名の間には筆名、芸名、通名、ハンドルネーム、渾名、etc...という、「実名ではないけれども匿名でもない」変名や通称があり、平素から個人を特定するのに用いられています。なにしろ、国政選挙でも通名で立候補できるんですから、「実名であること」の意味は社会的にあまり大きくないのではないかと思います。逆に、厳密な人定が必要な、たとえば裁判所などでは、名前と住所と本籍地で個人を特定します。つまり、そういった用途においては実名だけでは不十分というわけです。
 しかしよくよく考えてみると、どこの誰さんといった実体としての個人を特定しなければならない場合というのは、商取引か訴訟のときくらいで、逆にいえばそういった時に人定できることが保証されてさえいれば、普段は特に実名に拘る必要ってないですよね。逆に実名を公開することで被る被害だってあるだろうし。
 全くの匿名での発言に私は意義を見出せないけど、個人が識別できるくらいの非実名ってのは十分アリなんじゃない?と思っている。変名とかハンドルとか、使い続けていればその人を特定する識別符にはなる。っつーか、off会で会うと、10年来の知り合いでも本名知らない人いるよね。そーいえば先日の結婚式でミツルんの本名初めて知ったっけ(爆)。
 結局のところ、人が他人を識別するのに必要な情報が揃っていれば議論をするには十分で(騙りは困るけど)、その量って多分それほど多くはないのではなかろうか。敢えてそれすらも排除する議論の形態ってのもありだろうけど、個人的には「匿名だけ」では有意義な議論は導けないのではないかと思わないでもない。しかし、実名のみであれば有意義な議論が導けるとも思わない。もしそうであれば、某委員会だとかはなぜ[以下省略]
 別に実りある議論のために無人島を……とまでは言わないけれども、結局のところ議論する気のある人間が揃わないと議論ってものは不毛になるんだろうなぁ。実名であれ、匿名であれ、その間であれ、ね。
2005年4月16日(土曜日)
 中国の上海や杭州などで反日デモが暴徒化、上海総領事館への投石や、日本料理店の店舗破壊などに走っているようです。中国当局は前日から「許可のないデモは違法」などと呼び掛けていたということなんですが……デモはともかく、器物損壊や領事館への投石は単なる犯罪だろう? まあ、中国国内でも「落ち着け」とか「整然とデモを」とかいう書き込みがあったと言うことですが、そういう理性的な人はそもそも参加しないんじゃないかと思われるため、結局集まったのは暴徒予備軍だったということではなかろうか。
 上海在住の人のblogで「殆どが外地人」という記述もあり、単純な反日デモとは言い切れないところがありそう。

 そう言えば、中国の警察制度ってどうなってるんだっけと気になって調べてみた。基本的には国家警察のスタイルを採っていて、国務院下に中国公安部という形で存在しているらしい。
 この公安部所属の警察機構とは別に、人民解放軍から別れた人民武装警察という組織があり、共産党中央軍事委員会の指揮下にあって準軍事組織と看做されている。イタリアのカラビニエリやフランスのジャンダルムリみたいな組織なんだろう。見分け方は、黒い制服を着てるのが公安警察で、緑の制服に赤い階級章をつけているのが人民武装警察。
 現地からの映像を見ていると、デモ隊に追隨して警備しているのが公安警察で、要所で盾持って待ち構えているのが人民武装警察というこのようだ。
 中国は一党独裁国家であり政府と党の区別が曖昧なところがあるが、公安警察は国家に所属し、人民武装警察は党に所属しているという理解で良いのだろうか?

 中国と並び、世界三大反日国家のうちの一つ・韓国では、深夜大使公邸に火矢を射掛けるなど、デモでも犯罪でもなくてテロ行為に走っているようです。猟銃や爆発物を持った奴まで出てくるとなると、日本人の保護のために出兵した方がいいんじゃないかと思わなくもありません。
 いや、流石に韓国の統治能力が疑われるだろう、これは。
 自衛隊の本来任務に大使館の警護を加えて、軽装甲機動車96式40mm自動擲弾銃とM2重機を配備しようぜ(苦笑)。

 今日のNHKスペシャルは「明治 第二集 模倣と独創 〜外国人が見た日本〜」で、番組の主題よりも個人的には外国人の描写した明治初期の日本の姿の方が印象的だったかな。
 ヘンリー・ダイアーの「大日本」とか、イザベラ・バードなど、近現代史をやってた私としては馴染みといっていい書物。とくにイザベラ・バードは「日本奥地紀行朝鮮紀行中国奥地紀行(1)(2)という、ほぼ同時期の極東三国を同一人物の目で観察した貴重な書物を残しています。
 これ以前となると流石に外国人による著書は少ないのですが、個人的にはアーネスト・サトウの「一外交官の見た明治維新」なんかが楽しい。また、外国人たちによる江戸時代描写を取りまとめた本としては「逝きし世の面影」がお薦めだろうか(余談だがAmazonの書評で低得点を付けている小谷野敦氏はその筋では有名な人
 こういう本を読んで過去を学ぶと、私たち現代日本人が、近世・近代の日本人と連続しながらも隔絶した文化を持っていることがよく分かります。まあ、古い仕来りを守ろうと主張する人ってのは概ね世の中が変化したことや、あるいは放っておいても変化することについて否定的な意見を持つ人が多いようですがね


2005年4月17日(日曜日)
 昨日に引き続いて、今日は瀋陽や深圳、廈門で反日デモ。領事館への攻撃など相変わらず。
 町村外相と李肇星外交部長の会談が設定されましたが、実りは少なかったようです。
 しかし李肇星外交部長として「中国政府は今まで一切、日本人民に対して申し訳ないことをしたことはない」と発言したってのは本当でしょうか? 通州事件とか知らないのでしょうか。もしもう一度そういうことがあったときに、日本の国内世論がどうなることやら、今から気がかりですわ
 両国の外務当局関係者は、ちゃんと落し所を認識しているのだろうか。このまま殴り合いのような外交を続けても傷口が開くばかりだろうに。

 朝っぱらから国立科学博物館新宿分館のオープンラボに行ってきた。11時から15時まで目一杯粘って堪能してきた。
 イルカの解体ショーやらオコゼの分解&寄生虫捜索やら移動棚一杯の標本やら、都内中から出土した人骨やら……。
 実にいい感じでした。
 さて、と…。今年のNHK技研公開日は来月26日か。

 科博新宿分館には自転車で行ったんだが、帰りに早稲田を通って水道橋まで走り、神保町に寄って帰ってきた。途中、早稲田で道を間違えた。初めて行く百人町で道を間違えず、なんで見知った早稲田で道を間違えたのか……。
 やはり見知った道でも、事前に地図を見てルートの確認はしとかないとダメだと思った。
 歳かね…。
2005年4月18日(月曜日)
 AdobeMacromediaを買收って……。
 webオーサリング業界に独占企業登場ですなぁ。
 今年の夏も、Adobeに税を納めなきゃならないようだし。

 新しいローマ教皇を選ぶコンクラーベが今日から始まるとか。ここ一週間ほど、キリスト教圏の報道は凄まじかったですな。有力枢機卿の紹介といっても、名前や出身程度しか報じない日本とは異なり、過去の発言やら主張やら保守派か革新派か、出身地が有利に働くか否かなどといった情報まで流れ、別に投票権あるわけでもなかろうにまるで選挙報道のようでした。
 それだけ社会的影響力のある問題だと言うことなんでしょう。
 誰が有力かはともかく、難航しそうだというのが共通の見解のようです。
 それで一日で決まったりしたらギャグだよな……(笑)。

 韓国中央日報に「<世論調査>韓国に最大の脅威国は「日本」、37%」なんて記事がありました。
 韓国が日本を軍事的脅威と考えるのは、自然なことです。数こそ多くないものの、高性能な兵器で武装し、練度の高い軍隊は端から見れば脅威でしょう。また、こういった威圧力を提示することが日本の防衛に資するわけですから、日本から見ても相応に満足できる結果ではないでしょうか。攻め易しと思われては国防は成り立ちませんからねぇ。
 問題はその後でして、『「韓国安保のため協力すべき対象国家」には、米国が第1位(62.25)に選ばれた。その次は中国(16.5%)、北朝鮮(8.1%)、日本(3.5%)の順。』という記述ですな。
 米国が一位というのは、文句なしです。なんか心持ちパーセンテージが低いような気はしますが、世界を相手に喧嘩売れる国を味方にしておくというのは、余りにも当然です(これは日本にも言えることですが)。しかしその次が中国というのがいただけません。さらに北朝鮮がきて日本はそれ以下となると、一体何を考えているのかと無気味になります。日本より中国・北朝鮮の方が安保協力の相手として信用できる、と考える思考回路は相当謎です。こう言ってはなんですが、当事国を除く他の国で「日本・中国・北朝鮮。安保協力を深めるならどの国がいい?」とアンケートをとって見たらどうでしょうか。多くの国が日本を選ぶのではないかと思います
 ここら辺が、日本から見た韓国を「謎の国」にしている元凶ではないですかね。韓国が日本を脅威と看做すのは分かるし、感情的にも日本に対し隔意があるのもまあ分かる。しかしだからといって合理的な思考を放棄されては隣国としては些かならず困惑させられます。
 そういえばこの調査、なぜか済州道(=済州島)が除かれているんですが、なんでですかね?


2005年4月19日(火曜日)
 韓国から、「親日財産還収法、成立は時間の問題」なんてニュースが。
 まあ、他所の国のことですんでとやかく言うのもアレなんですが、もしこの法律が成立、施行されることになったら、親日反民族行為者の子孫と認定された方々を政治亡命者として受け入れた方が良いんじゃないでしょうか。日本に責任のあることではありませんけど、余りにも哀れです。

 大阪の中国領事館に剃刀やら薬莢やら送った奴がいたり、ガラス瓶を投げ付けた挙げ句焼身を図る奴が出たり、在日中国大使公邸にペンキ吹き付けたりと、日本側でも馬鹿が湧いてるんですけど、とりあえず極北は日曜の「中国大使に花を」の不発デモかなぁ。
 どっかで、襲撃された店舗の補修費用カンパでもやってないかな。そっちの方がよっぽど建設的だと思うんだが。

 そういえば中国について「北京市、今夏100万キロワットの電力不足の見込みとかいう報道があって、おいおい、大丈夫かよ……と。確か上海の方も電力不足に喘いでいたという記憶があるんだが……。2003年以降電力需要は伸びっぱなしにも拘らず、発電所や送電網の建設が追い付いていない様子がありありと分かりますな。
 一朝一夕にどうにかなるものじゃないけど、日本からのODAとかどこに消えてたんだろう。
 中国はエネルギー集約度も悪いんで、単純に発電量増やせばいいって問題でもなかったりするんだよねぇ。今や中国は石油輸入国でもあるわけですんで、黒字を増やそうと思うなら、エネルギー集約度も改善しないといけないんですよね。
 これまた簡単なことじゃないんですけれども。

 先週ですが、いつぞやの歪曲報道問題。都知事が告訴して警視庁が担当者を送検していだが、東京地検が不起訴にしてたとのこと。個人的には事故だったろうなぁとは思うのだが、できれば法廷の場で証言を聞いてみたかったな。
 法廷というものの意義を考えたとき、刑事訴訟の有罪率99.8%というのはどうかと思う。日本では通例、有罪になりそうにない案件を検察は起訴しない。それ故にこの高い有罪率が成立しているわけだ。
 しかし有罪になるか無罪になるかは法廷が決めることであり、そしてたとえ無罪判決であったとしてもその公判のなかで様々なものが見えてくるはずだ。特に、捜査のあり方や、調書の取り方、告訴人と被疑者の間の認識の相違etc...。もちろん、起訴/不起訴は検察の職権なのでそれをとやかく言っても始まらないのだが、事実を詳らかにするという公判の意義は無罪判決でも損なわれないと私は思う。


2005年4月20日(水曜日)
 難航が予想された新ローマ教皇選びですが、なんと僅か二日でラッツィンガー枢機卿に決定、ベネディクト16世となったそうな。しかし78歳ってのは……うーん、まあ、所詮他所の宗教のことだからとやかく言わんけどな。
 あと、子供の頃ヒトラーユーゲント(ヒトラー青年隊)に所属していたことが一部で浮上しているようですが、それこそ当時は普通のことだろうと思ったりします。入ってなかったら、今頃生きてないかもしれないわけで。

 昨日の韓国の「親日財産還収法」を見てて、結局この辺が靖国神社参拝問題なんかとも絡んでくるんだろうなぁと思った。
 靖国神社ってのは戦没者墓地として建立されて、今日までその役目を果たしているわけで、諸外国の軍人・政治家の参拝者も少なくありません。言うまでもありませが、これは外交儀礼上の問題でもあり、日本の政府首脳が米国のアーリントンなど戦没者墓地を参るが如く当然のことです。
 こう考えると、日本の政治家が日本の戦没者墓地を参拝することのどこが問題なのか、問うことが難しくなってきます。
 問題点は「政教分離原則との兼合い」「A級戦犯合祀問題」の大きく二つに別れますが、前者はさらに公式参拝と宗教行為の問題や国家神道への回帰を懸念する声などに細分化されるようです。後者は主として中国・韓国から聞こえてきます。
 前者については、程度問題のようなところもあります。もともと靖国神社が神道の神社という形態を取ってしまった以上不可避的な問題でもあり、恐らく完全な解決は不可能でしょう。明治大帝が善意から靖国神社を建立したことは疑いないところですが、善意の行為が次なる問題の種を播いたという、不幸な事例の一つといったところでしょうか。
 ただ、国家の起こした戦争に参加して亡くなった方を慰霊することは、国家として必要な行為だと私は思います。それがいかなる形態であるべきかは議論の対象ではありましょうが、靖国神社が建立されたときの事情を考えれば、神道の神社という形態はそれほど奇異なものではなく、また現在もそれに替わるものがあるわけでもなければ、替わるものを造れるわけでもないので、とりあえず靖国参拝を受容するのも判断としてはアリではなかろうかと思います。否となれば、相当な時間と費用をかけて靖国神社に替わるものを造らねばならんわけですので……
 A級戦犯法務死者合祀問題については、今日の主題ともいえるのですが、A級戦犯の中の死刑判決者は死を以って罪を償っているわけなので、合祀することに何の問題があるのか、それこそ聞きたいところです。刑が執行された時点で罪は贖われていると考えるのが近代法の原則ですから、A級戦犯であれBC級戦犯であれ、法務死者が合祀されていることについて問題があるとは思いにくいというのが私の本音です。
 ところが昨日の「親日財産還収法」を見てて気付いたのですが、どうも韓国や中国においては、罪というのは死してなお、子々孫々にまで受け継がれ、先祖が犯した罪によって子孫が財産を没収されるのも可と考えているのではないか、と。これは「更正の余地を与えない」という点で近代法とは相容れない考え方なのですが、韓国や中国においてはこれが「普通の考え方」なのではなかろうかと疑わしく思うわけです。
 贖うことを許されない罪を背負わされてるのではないか……。

 「「美少女アダルト」アニメ規制を…超党派議員が初会合ですか。去年ちょっと話題にしたけど、やっぱりこうなったなぁという感想。
 児童ポルノ禁止法、正式名称「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」の審議過程においても、フィクションである絵画や漫画、アニメなどを含めるかどうかが話題になったけど、一応現行法では外れている。
 この問題はどうしても最後は感情論になるので、面倒臭いんだよねぇ…。
 そのうちこういうものも規制されるに違いない。


2005年4月21日(木曜日)
 Opera 8はSVGサポートか……。Firefoxでもサポートしてくれたら、導入に踏み切れるんだけどなぁ……。
 あと、JPEG2000はまだかと……。

 この日記でも触れてきたPost DVD光ディスク規格ですが、何やらソニーと東芝が歩み寄っているというニュースがロイター電で流れてますね。大元は日経らしいですが。
 個人的な所感ですが、PlayStation3という切り札を握っているSony/Blu-ray陣営が圧倒的に優位だとは思います。既にPlayStation3にBlu-rayを搭載することは公表されていますし、かつてDVDの普及にPlayStation2が果たした役割を考えれば、PlayStation3の発表が決勝点になることは想像に難くありません。
 恐らく、Blu-rayにHD DVDの技術を一部組み込んで、大勢では東芝が折れる形になるのではないかと推測しているのですが、さあ、どうなるか!


2005年4月22日(金曜日)
 21日、大阪府東大阪市にある花園中央公園で17歳の少年が、3歳児の頭を金槌で殴って頭蓋骨骨折の重傷を負わせたという事件があったのですが、自首してきた少年は「老人以外ならだれでもいいから殺したいと思っていた」「二年前からハンマーを買って用意していた」「通り魔みたいに大量殺戮をしたかった」などの供述をしているとか。
 これって、動機に対して報道の影響ってのはなかったんですかねぇ、とか言ってみる。
【以下、ジョーク】
 昨今の凶悪少年犯罪の増加は、これら犯罪への過剰な報道が少年の心理に悪影響を及ぼしたためではないかと懸念される。少年刑法犯の検挙人員が横ばいしているなか、少年凶悪犯罪が大きな伸びを示していることからも報道における過激・残虐な事件報道が少年をより凶悪な犯罪に駆り立てていると推測される。過激・残虐な報道に対する規制も視野に入れた幅広い議論が必要だろう。
【以上、ジョーク】

 某所で憲法9条改正論議なんぞに参加してみて思ったこと、徒然。
 これは日本では概ね見過ごされることなのだが、国家と軍隊は、通常「軍隊が先にあって、国が後からできる」。米軍は米国が成立する前から存在し、人民解放軍も中華人民共和国が成立する前から存在する。大日本帝国にしても、明治政府より先に薩長軍として軍が存在する。つまり「まず軍ありき」なのだ。国家は戦火の中から生まれ、その親は軍である。
 故に軍とは国家のもう一つの側面であり、国家の統制下にありながら、特に明文的な規定がなくても通常法の枠外に置かれる。最悪の場合、戦争によって国家政府が倒壊したとしても、その時は軍が即ち国家となって国家再建への礎となる。再び戦火の中から国を産み落とすわけだ。軍が崩壊したら国家が崩壊したも同じだが、逆は真ならず、なのだ。
 戦後日本の際立った特徴を挙げるとするならば、この「まず軍ありき」の成立過程を経ていないことが挙げられる。軍隊という組織を根こそぎ剥奪された日本は、現在自衛隊という軍事組織を持つが、これは前述したような「まず軍ありき」型の軍隊ではなく、あくまで政府に所管される警察型の武力組織に過ぎない。自衛隊が日本国倒壊後に、司令官を臨時政府主席として国家再建のために独自に行動し続ける、なんてことが想像できるだろうか? それができるのが、本来の意味の軍だ。
 国家が無条件かつ永続的に存在しうると仮定するならば、警察型の軍隊でも何等の問題はない。
 ただ、私はそんなことをこれっぽっちも信じていないので、普通の軍隊が日本に欲しい。


2005年4月23日(土曜日)
 デジカメの画像ファイルを一括リネームするのに、Windowsのコマンドプロンプトから、
d:\> dir /b /od | gawk '{printf "ren %s poster%02d.jpg",$0,NR}' | cmd.exe
……とか叩けば、わざわざリネームするフリーソフトとか使わなくてもいいじゃん、とか思う私って普通だと思うんだけど。

 BTRON-Clubで坂村先生がPAPIのことを得々と語って曰、「壁にスイッチがない!」。
 全部UC(Ubiquitus Communicator)で指令するんだ!と意気軒昂だったんですが、私だったら壁にスイッチ付けるけどなぁ。そんでトヨタ・パートナー・ロボットにスイッチ押させる。窓を開けるのも、当然窓にアクチュエイタなんぞ仕込まずに、ロボットにやらせる。センサー系が外の天気と気温と風速を察知し、換気をしようと判断したら、家のなかをロボットが駆け回って窓や戸を開けていく。夜になったら、明りを点けて回り、家人が寝たあとは消して回る。そして食堂の隅とかにあるクレードルに座って充電して朝を待つ……。
 これがやっぱり未来住宅ってもんだろう!(爆)
 冗談の分量は半分くらいなんですが、この場合、既存の住宅を殆ど無改造で「電脳住宅」化できるというメリットがあるんですな。ヒューマノイド・アクチュエイタ構想と勝手に自称していますが、今度センセに提案してみようかなぁ。藪蛇かなぁ……。

 一部において「坂村城」という表記が定着しつつあるようだ。
 誰だそんな変な“テクニカルターム”こさえたのは?


2005年4月24日(日曜日)
 なんか中国で三週連続のデモが起きたみたいですが、今度は強制解散させたり主催者を逮捕したりと、行きすぎの様相を見せとりますなぁ。もっとも、許可のないデモは日本でも違法(条例違犯)なんですが。
 東京都の場合、「集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例」が該当条例です。まあ、要するに警察署に行って申請して許可を得なければならんわけです。デモの政治的主張については、条例を観る限り問題にはされないようです。もちろん、デモが暴徒化すれば警備の警察官に取っ捕まりますが、それはそれ。
 私の感覚からいくと、デモを企図することも、デモへ許可を出すことも別に構わないし、実際に練り歩いてシュプレヒコールを挙げることについても「どうぞ御自由に」ってところですな。基本的には中国国内のことですし。でも大使館や領事館への投石を行ったり、企業商店を破壊したりするのは、そりゃ犯罪だから取り締まってください、と。
 ところが、中国政府の対応は、暴徒を取り締まるのではなくて一足飛びに思想弾圧まで突っ走っていったようです。これはこれで、外国から見た中国の印象を悪くすると思うんだけどなぁ……。

 里見くん経由で『警察庁が自転車の車道走行禁止の法案を作成中』というネタが。
 冗談よせや!
 時速30km前後で走るロードバイクを歩道で走らせるのは、危険すぎます。車道の左側を走るのは、道交法的にも問題のない運用のはずです(自転車は軽車輛)。自転車道を新設してくれるというならともかく、自転車に歩道を走れというのは、自転車の利点を殺すようなものです。
 車道を走るときはメット着用、くらいにして貰えんものだろうか。

 NHKのニュースを見ていたら、拉致被害者関係のニュースの字幕に「拉致」と書いてあって、あれれ「ら致」じゃないんだ、とちょっと吃驚。調べてみると、NHKも新聞も2004年中から「ら致」から「拉致」へと漢字書きするようになってたんだそうな。
 新聞協会用語懇談会がいつ頃から常用漢字外の漢字使用についての態度を改めたのかは分からないのですが、先月出た「記者ハンドブック —新聞用字用語集 第10版—」からは大分「混ぜ書き」が減っているという話です。NHKの参照先は「NHK 新用字用語辞典」かな。
 これが時代の趨勢ですかね。
 そう言えば、一昨日採り上げた触法少年ですが、報道に「手おの」って書かれてましたね。漢字の「手斧」は「ちょうな」と発音したりするわけですが。


2005年4月25日(月曜日)
 人間の業ってやつを考えてしまいますね>「マクドナルド制覇。

 もう沢山だ! いい加減にしてくれ!>「<萌えるSE 業界ノベルズ> お兄ちゃんはプログラマ

 0920時頃、兵庫県尼崎市のJR福知山線で列車が脱線、敷地を飛び出し、マンションに突っ込んで死者53名、負傷者400人超の大惨事となった。2100時現在も救出活動が続いており、犠牲者の数は今後とも増加する可能性がある。
後日注記:最終的に死者は107人となった
 とりあえず亡くなられた方々の魂の安らかならんことを。
 まだ事故調査は端緒に付いたばかりだが、列車は前駅である伊丹駅でオーバーランし、1分30秒の遅れを出していたということで、この遅れを取り戻すためにスピードを超過していたようだとの証言が複数得られている。一方で、脱線位置手前で車輪が石を踏んだ形跡があるとかで、今のところどちらが原因(あるいは複合原因)だったのか、あるいはさらに別の原因があったのか、不明。
 原因究明、再発防止、事故が起きた場合の被害の低減策など、考えなきゃならんことは多いですな。

 NHKのクローズアップ現代で中国の反日運動(というより暴動)の件を取り上げていた。期待してなかった分、新しい知見も殆どなかったが、弱冠、認識を修正すべき点はあった。私が考えていたより中国側は事態制御のために努力していたようだ。もちろん、成果を出さなかったという点については同じなのだが
 番組の中で紹介された祁景瀅という方が中国のインターネットを通じた世論形成を研究しているらしく、興味が湧いたので著書を捜すことにした。

 厚生労働省エイズ動向委員会が四半期ごとの報告を出したんですが……この委員会、役に立っとんのかね? 年次推移がひたすら右肩上がりの上昇を続け、上昇率が下がる気配もなく、唯一発症者の数が横這い傾向ですが、これは要するに医療の進歩でHIVに感染してからAIDSを発症するまでの時間が稼げるようになったから。つまり、政策による対策とは無関係。
 日本政府はこの病気を甘く見ているのか対策を取る気がないのか、とにかく最後にどうにもならなくなってから非常の手段を取るような事態に追い込まれるんじゃなかろうかと、悪い予測ばかり先に立つわ。他の性感染症の統計と併せて見ると、どうも潜在的感染者の数はこんなもんじゃないという気がしてならないんですけども。
 なんか「普及啓発と検査・相談事業の推進が必要」とかいうコメントを厚生労働省は出しているようですが、冗談じゃない。学校、職場での健康診断に今すぐ検査を義務づけろと言いたいわ


2005年4月26日(火曜日)
 先日国試に受かった弟の引っ越しの手伝いに。
 朝、ちょっとした賭けをした。バス停に着いたとき、折りよくバスが来ていたら埼京線のラッシュアワーを体験しよう、と。
 で、朝っぱらから埼京線に乗ったわけです。ついでなので、女性専用車輛の観察も兼ねました。
 女性専用車輛は当然女性の方ばかりだったのですが、でも通常車輛にも当然のように女性客の姿があったわけで、やはりこれって根本的な対策にはなってないんじゃないかなぁというのが個人的感想。
 あとはもう、ひたすらに梱包と梱包と梱包。
 そして一日が終わった。

2005年4月27日(水曜日)
 一昨日書いた祁景瀅女史の著書「中国のインターネットにおける対日言論分析」を買ってきた。事前調査で三省堂紀伊國屋に店頭在庫はないということだったのだが、「内山書店東方書店に行きゃあるだろ」という恐ろしく場当たり的な方針で神保町へ行ったら、東方書店に2冊店頭在庫があった(笑)。
 まだ序章と第1章を読んだところだが、意外と面白い。きちんと読み切って、肥やしにしようっと。
 ただ……編集がいただけない。もしかして本人がワープロで作った版下をそのまま印刷機にかけたんじゃないだろうなと疑わしいくらい。レベルが低すぎて、どっかの同人誌の方が圧倒的に品質が高いと思ったり。

2005年4月28日(木曜日)
 流石ベネディクト・アンダーソンだな。>「韓中の反日行動が逆に日本の教科書問題を助長
 まあ、こんな本が枕になるような学問が近現代史ってわけなんです。歴史学・民俗学的には「幻想の共同体」ってのは別に目新しい概念でもなんでもないんだけど、それを近代国民国家に適用し、その成立過程を解き明かしたのが評価されているんです。(念のため:アナーキスト(無政府主義者)の勧めではありません)
 そんな著者にあんな質問をぶつければ、あんな答えが返ってくるでしょう。いっそ痛快ですな。恐らく日本で似たようなインタビューをしても同じように冷淡に答えるでしょう(笑)。
 ま、ナショナリズムってものは酒と一緒で「呑んでも呑まれるな」ってことです。必要な時に持ちだして、必要がなくなったら引っ込めるくらいの厚かましさが必要なのね。
 信念? 墓の副葬品だろ、そりゃ

 早稲田大学ヒューマノイド研究所/高西研究室テムザックが共同開発しているWL-16Rですが、WL-16RIIとなって階段昇降ができるようになったとか
 数年後には、車椅子の代わりになっていたりするのだろうか(笑)。
 しかし転倒時の乗員保護を考えると、腕が欲しくなりますなぁ……。


2005年4月29日(金曜日)
 来年からは「昭和の日」になるんだっけ? まだだっけ?

 エアバスA380が27日に初飛行したそうな。約1時間のフライトで、トラブルはなかった模様。
 動画見ると、凄い迫力だなぁ。フルダブルデッカーだけに、胴体が太い!

 1/1 スコープドッグを観に行った。
 昨日の初日の情報で、夕方の方が空いているっぽいという話だったので15時半頃に行ってみれば行列。明らかにソレっぽい人達に加えて子供連れや妊婦までいた
 目玉以外の作品もいいねぇ……。物販の机も作品だったのがなかなかイカす。でも気付いている人少なし。しかしまぁ、どれもこれも重そうだ。
 で、目玉のスコープドッグブルーティッシュカスタム
 第一印象。
 でかっ!
 とにかくでかい。頭頂高が4mって言うけど、4mのヒトガタって、でかいよ。普通の人間が脚のサイズ。
 重さは2tってことだけど、アニメの設定では6t…。間近で見てて思ったのは「今地震が来たら死ぬな」だった。
 他に思ったこと。
 こりゃ動力つかんわ
 アクチュエイタまでなら頑張れば付けられるかもしれないけど、そのアクチュエイタを駆動させるための発動機は、どうやっても押し込めそうにない。押し込めるような発動機じゃ動かんよ、この鉄塊。間違いなく。
 威圧感は凄いけど兵器にはならん
 これだけ前方投影面積が大きいと、そりゃ威圧感は凄いんですが、純軍事的に見れば「的」ですな。ありとあらゆる種類の砲熕兵器の餌食になること必定。あと対戦車ミサイルね。
 実用化のためには砲熕兵器を回避する激烈な機動力とか、想像を絶する何かが必要でしょう。あるいは肉弾戦を挑むようなシチュエーションか…
 そういえば展示解説してた人が、「自衛隊の演習場で的にしてもらって、適度に損傷したところでまた展示する」とかいうアイデアを語っていて、そりゃおもろいなぁとか思いました。はい。
 見ている間、誰か知っている人と会いそうな気がしてならなかったけれど、どうやら里見くんと2時間差位ですれ違っていたみたい。


2005年4月30日(土曜日)
 29日夜、羽田空港で補修工事のため閉鎖中のA滑走路に管制官が誤って着陸指示を出し、これに従って旅客機が着陸していたとか。
 おっかねぇ……。
 で、一日経って色々情報が出てきたのですが、他にも指示を出された航空機があったようですが、航空機側の判断で着陸復航したりと、目茶苦茶な状態だったらしい。航空機側から3度も確認されていたというのですから、重篤ですね。
 管制官1チーム18人全員が業務を外される大事に……。
 もちろんミスはミスなんですが…数年前から管制官の待遇改善などが訴えられていたりするわけなんで、勤務実態の調査などまで手が入ると嬉しいですね。JR西日本じゃないですが、日本の航空事情に見合うだけ、管制業務に力が割かれているかどうかについては、やや疑問があります。
 空港造ればいいってもんじゃないんだよ。
 空港(滑走路)を造れば運用をせねばならんわけで、管制官を含め空港の整備・運用のための人員が必要になりますし、飛行機がそれだけ飛べば官制業務は繁雑になります。管制官の免許は空港ごとになりますので、転勤などしたら研修やり直しですしねぇ。
 この辺は現役管制官が作ってる同人誌「管制官の卵」シリーズ(夢幻飛行)なんか読むと面白いです。