哀愁日記
底に哀はあるの。

西紀2002年5月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2002年5月1日(水曜日)
 Hewlett-PackardCompaqの合併が、すったもんだの末ですが実現するそうですね。なんというか、CompaqにはかつてのDECが吸收されているわけで、10年前だったら考えられない取り合わせですな>新会社。

 新年度になってからだと思うのですが、郵便局の郵便窓口の端末が更新されました。無線LAN使ってますね。
 へえ、こんなところまで、と思いました。
 職場でLANケーブルの引き回しに苦労したもんで、やはりワイヤレスっていいなとか思わないでもないのですが、今はまだちょっと怖くて手が出せません。
 さすが総務省。率先して導入ですね。

 世間様では小泉内閣の支持率が落ちてきているそうですが……うーん。途中、どうでも良い問題が多すぎましたな。外務省問題とか。与党も野党も、決め手に欠ける一年だったと思いますです。


2002年5月2日(木曜日)
 睡眠時間すら惜しいとか思い始めている辺り、相変わらずの時間欠乏症。利息のつく時間銀行ってないもんですかね。
 多少無理してでも事を進めなければならないことがあるとは思いますが、思い起こすと、ここ何年かそんな状態が続いているよーな気も……。
 はーやーく後続が育たんかなぁ〜。
2002年5月3日(金曜日)
 連休後半初日。しかしNortiaの打ち合わせで秋葉原へ。
 ルノアールの一角を占拠し、有益とも無益ともつかない打ち合わせ。
 もう何度目かになる修正をすることを決意。途中から頭の中ではInDesignとIllustratorがシミュレートを始めていたりして。

 さて、一応打ち合わせが終了した怪しい一行は、書泉ブックタワーを襲撃。NyによるR.O.D.が炸裂するのを遠巻きに見守った。なぜか某先輩と出会ったような気がしないでもないが、よくあることのような気がするので忘れようと思う。その後、LaOX楽器館を経てGAME HOLLYWOODへ。同行者(ny、π、きしもと)が全員知らないというので、この店を知らなきゃどーする秋葉原!という理由で連れていった。
 その後、湘南通商にぷらっとホームT-ZONE、そしてMADと渡り歩いた。


2002年5月5日(日曜日) part 1
 今日はコミティアです。
 午前0時半現在、サークルチェックは全く行っておらず。
 新刊を持ち込むためにこういう仕儀になった。っつーか、このまま徹夜?

2002年5月6日(月曜日) part 1
 午前3時だかにようやっと満足のいくPDFを作って、始発に乗ってKinko's。手慣れた作業をこなして午前7時にほら完成。
あまりの手際の良さに、感心するやら呆れるやら。
 始発を待つ間にサークルチェックも済ましちゃったりなんかしちゃったりして。
 お蔭で、コミティアの間中眠かったよ……。
 某火炎龍さんクッキーを持ってきてくれた頃はまだ起きていたのですが、後半戦になるとかなり記憶が飛んでいます。
 自宅に帰ってきたら、メールチェックもせずにばたんQ。

 本日はNortia関連の原稿書き丸一日予定。


2002年5月6日(月曜日) part 2
 今日は一日Nortiaのお仕事を……。
 InDesignとIllustratorを同時使用すると、HDDへのアクセスが頻発し、余りにも遅くなるので、メモリ増設を突発的に敢行する。512MB足して、主記憶1GB……。
 確かに輕くなったけど、何か間違っている気がする。
 HDDの容量が1GB超えたとか言ってたの、何年前だっけ……?

2002年5月7日(火曜日)
 朝っぱらから、職場のメールボックスがKlezで溢れる。20通以上来てたな。メーリングリストにも流れてたので、被害がかなり広範囲に及んでいるらしい。
 しかし、見たところ何か変わったところのあるウィルスではないんだけどなぁ……。教育が充分でないエンドユーザが最大の感染源という気がしてならないのだが。

 正直言えば、昨今のコンピュータウィルスの蔓延は、末端消費者の教育をなおざりにしてきた業界全体の問題だ。市場の長期的な成長を考えれば、より良質な商品を正当な対価で購入してくれる消費者を育てることが重要で、これを怠れば粗品廉売の悪循環に陷ってしまう。値段勝負となれば、労働単価の廉い国との勝負は困難となり、結果、製造業は海外生産に移行し、産業空洞化が取り沙汰されることになる。これを防ぐには、廉いが粗雑な製品よりも、相応の値段はするが良質なものを選んでくれる消費者を作るしかない。
 消費者教育といっても、比較広告で欠点をあげつらうようなものではなくて、真摯にある種の立場に立って、消費者利益と市場の成長のために敢えて苦言も辞さぬ、格調の高いものでないといけないわけだが、これについてはやはりなかなか難しいようだ。自動車業界においても、環境問題や安全性が取り沙汰されるようになったのは自動車業界史を考えればつい最近でしかない。ましてやかぐや姫もびっくりの成長を遂げているパーソナルコンピュータ業界においては、まともな批評などしようものならすぐさま電脳曼陀羅である。既に寡占が進行している関係上、選択肢が少なすぎて、シャレにならない。
 かくして粗製濫造とまでは言わないまでも、安全性という点からは到底推獎できないようなメーラーが標準添付され、それでもパソコン雑誌が特集組んで「使用するな」と周知徹底していたならここまで酷い状況にはならなかったろうに、そうはならずに他者を圧倒して普及した結果延々たる悪循環が続いたわけである。
 末端消費者が情報を得ようにも、得るための媒体が殆どない状態では、マルチ商法と悪質さで比肩してしまおうというものだ。業界ぐるみで消費者を白痴化しようとしたのではないかと非難されても致し方あるまい。
 ともあれ、現在のパーソナルコンピュータ市場は基本的に悪貨が良貨を駆逐することになっており、それを改善しようという努力は見られない。自己防衛のためにはかなりのコスト負担を覚悟せねばならず、最終的にそれが市場崩壞の引鉄になったとしても、私は驚かない。

 Open-Rの公開ですか。公開されるレベルを見る限り、AIBOの運動制御以上のことはできそうにないのですが……それでもかなり面白いことはできそう。
 この辺り、本気で次世代産業として育てる気はないのだろうか?>政府

 『天国に涙はいらない 6』が出てましたよ>該当者各位


2002年5月8日(水曜日)
 暑かったり涼しかったりと、体調を壞しやすい天気が続いてますね……。

 NHKの「その時歴史が動いた」はヒトラーのシリーズ特集。第1回で、ヒトラーが政権を獲るまでを追っていた。そこそこ良かったと思うが、もう一つ、ヒトラーが特殊な考えを持った人間ではなかったことが今ひとつ伝わってこなかった。
 彼は偉大なる扇動家ではあったが、その考え自体は当時それほど奇矯なものではなかったことは、結構重要だと思うのだが。
 ドイツ本国では放送禁止になりそうな内容が含まれていないと駄目だよね。
 先日、オランダで極右政党の党首が暗殺されるなんて事件があったけど、ある種の反動なのかな。フランスの大統領選挙でも、ルペン氏が決選投票まで進出したし。
 戦後世界は、ナチ=極右=悪っていう明快な構造を規定して、その悪の論理を一切認めないことによって自らの正しさの拠り所としてきたわけですが、臭いものに蓋をし続ければ、それに対する抵抗力も失われるんでしょうか……。

 米国で、虚偽ドメイン登録に最大禁固5年なんて法案が提出されているそうで。本来なら、今や商標登録と同じなので、ちゃんとした権力組織がそれなりに保証しなきゃならないものなんじゃないかという気が……。


2002年5月9日(木曜日)
 日本大使館・領事館ほど、その敷地の主権が蔑ろにされている国はないようですな。
 そりゃまぁ、武力でその敷地を守ることにすら不自由するような国であることは間違いないんですけど、やはり他国から侮られるのは我慢なりません。敷地内に侵入した警官の身柄も引き渡してもらわんとあきませんな。ついでに、領事館職員の再教育な。
 ところで、世界に冠たる我らが日本国憲法ですが、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」戦争の放棄を謳っていたりするんですが、どうでしょう? 隣国って信頼できますかね?

2002年5月10日(金曜日)
 話題の映画で一杯ですね。
 って、先週封切りの「スパイダーマン」は、順調に客足は伸びているようですね。工作者と画伯が観に行って、日本アニメの影響を見て取っていたようですが。しかし米国ではもうすぐ「STAR WARS Episode II」の公開です。なんでこの作品は全世界同時公開しないのか……。こういうリージョンコードの存在がファンの敵愾心を煽るような配給政策こそが改められねばならず(以下省略)。
 目玉作品といえば、やはり「少林サッカー」でしょうね。予告編を見るだけで、この作品がタダモノでないことがビシビシ伝わってきます。ってゆーか、明らかにキワモノですよ、これ(笑)。
 個人的にはシモキタに「君にありがとう」なんか観に行こうかとか思っていたりして。

2002年5月11日(土曜日)
 髮を刈って貰おうと行きつけの床屋へ向かったら、本日臨時休業。これでがっくりきちゃって、外出予定を全部とりやめて、一日家に籠る。午後、作業が一段落したところでバックアップを開始。ひたすらバックアップしているPCを放擲して、昼寢。電話で起きる。寢ぼけて誰がかけてきたのか、咄嗟に分からなかった。すまぬ>πちゃん
 晩ご飯、何を食べようかと思案しつつスーパーへ行くと、コロッケが廉かったので主菜はコロッケに決定。適当な具で味噌汁を作ったら、味噌の量を失敗。作りおきができない季節なので、少なめに出しをとったのに、味噌の量を減らすのが足りなかった。
 夜。ひたすらNortiaの作業。

2002年5月12日(日曜日)
 今日こそは、と意気込んで(?)床屋に行く。
 頭がすっきりしたところで自宅に戻り、PCをいじる。プライマリ・スレイブからでもちゃんと立ち上がる超漢字を眺めつつ、こういうところは昔のNECのPC-9801シリーズの方が圧倒的に良かったよなぁなとど思う。

 下北沢のTolly Woodで「君にありがとう」を見てきた。なんというか、救いようのない駄目人間の物語だった。多分、私だったら最後に救いを入れちゃうだろうなー……なんて思いつつ、最後まで救いがないところがこの監督の凄さなんだとも納得。
 真似できないという意味で。

 今日のNHKスペシャルは「変革の世紀」第2回でしたが、無茶苦茶な話を平然と曰ってましたね。別に無理だとか無謀だとかいうつもりはないのです。全ての職種、全ての現場で、番組の言うような非ピラミッド型の組織構成が有効だとは思わない、というだけで。
 番組中でも採り上げていて、分かりやすいので軍隊を例にしますけど、末端の兵隊にまで巨大な権限を持たせて、情報を共有し、臨機応変に命令系を編成する……というのは確かに素晴らしいのですが、全面的な混戦になったりすると、そこいら中からの指示・命令が錯綜し、大局的な立て直しが不可能になる可能性を孕んでいたりします。もちろん、司令部はそういう事態が起きないように、情報の流れを監視しなければならないわけですが。
 あと、組織としての意志統一が高いレベルで採れていないと、末端の部隊の進撃/退却のタイミングが崩れ、取り残されたり突出したりする危險性もあります。ついでに言うと、そのような事態に陷った場合に、さらに末端の判斷にズレがあったりすると、救出に向かおうとする部隊でカオスな状況が出来上がったりします。
 末端の能動性を高めるのは、則応性を高め、かつ品質を上げる理に適った方向なのでしょうが、以前もこの日記に書いたとおり、教育コストの問題とバックアップの問題を常に孕みます(この両者は表裏一体なのですが)。末端のレベルを上げようと努力すればするほど、個々人の能力格差の問題は無視できなくなり、それら異質な能力がコラボレーションして高い成果を上げる反面、誰かが拔けた穴を塞ぐことが容易ではなくなってしまいます。
 この問題に根本的な解決策は現時点では存在しません。あるとすれば、全員が共有する技能を教育の力によって可能な限り高める、あるいは機械的な補助手段により均質化を図るというところでしょうけど……。


2002年5月13日(月曜日)
 書きそびれていましたが、週末はNHK技研の公開日です。土曜日あたり出かける予定。今年の目玉は、新研究所棟ですかね(爆)。他は見たところ継続研究が多そうです(それはそれで一年の進行具合を確認できるのでとても良い)。なくなってしまった技術や、実用化した技術、純然たる基礎技術研究など、技術に触れるのは色々と刺激になります。

 例の瀋陽の事件で、領事館職員の対応がマスコミで云々されておりますが……これほど国家意識の薄い国でも、一応こういう反応って出るんだなぁと、感心したり。でも、なぜこういう事態を引き起こすような政府職員が育ってしまったのか、という点に関しては、我が身を省みないといけないんだよねぇ。


2002年5月14日(火曜日)
 街頭に立ってスピーカー使って「軍隊を派遣する金があったら医療援助を」なんて叫んでる人がいたわけですよ。どうしてこの国ではそういう理屈にならない戯言がまかり通るんでしょうかね。
 かつてこの国の首相だった人が、通信網はおろか、電力網すらろくに整っていない地で「携帯電話でIT」とか発言して失笑を買ったことがありましたが、これって同じ類の話です。社会基盤整備には段階というものがあって、より基礎の部分が整っていなければ、より上位の部分を整備しても意味がないわけです。
 医療援助は結構基底な社会基盤援助だと思うのですが、それでも社会治安維持に比べたら上位だと思いますよ。医療援助班を派遣したとして、現地の治安が目茶苦茶で犠牲者が出たり、よしんば出なくとも、満足な援助活動が行えないのでは意味がありませんからね。医療援助に限らず、教育や通信設備といった面で援助を行ったとしても、すぐにまた内乱状態になって作った端から破壞されるなんてことだってありえるわけで。
 治安と、公正な社会の維持には結構コストがかかります。なんせ小火器はおろか、ロケット砲だの裝甲車だのが民兵の手に渡っている土地ともなれば、それ以上の戦力がないと、連中が暴れた時に取り押さえられないし、一方でその武力をもった連中がちゃんと自制してくれないとクーデターになります。なんだかんだいって武力を持った連中は自分たちをエコ贔屓しますし。
 治安維持のための援助ってのは、重要なんです(半端にやるくらいなら、最初からしないほうがいいってくらい)
 昔、イザヤ・ベンダサンが、日本人は水と安全はただだと思っている、なんて言ったのを記憶していますが、別に水と安全に限らず、社会基盤全般について、それに対するコスト意識が薄いように感じられますね。
2002年5月15日(水曜日)
 まぁだ水曜日だよ……。

 F-1の車積コンピュータのOSにVxWORKSが採用されたとか。いよいよ1μ秒を競う世界での戦いが進むのでしょうか(笑)。VxWORKSって、ITRON APIも一応サポートしてたような気がする。


2002年5月16日(木曜日)
 少し前のことになるが、美崎さんから「超漢字で1600×1200表示が可能でDVI端子を持ったビデオカードを知らないか」と訊かれて、残念ながら知らなかったのだけれども、自分の要求とも合致するので色々探してみたのですよ。
 ところが、最近のビデオカードで、そもそも超漢字で1600×1200表示が報告されているものがそもそも少ないときた。
 VESA BIOSの対応具合が全てなわけだけど、カタログ上ではそもそも載ってないこと多いし。
 昔、某社にVESA BIOSへの対応具合を訊ねるメールを出したら、「VESA BIOSで対応してない解像度もTSRで指定できます」とかアホな返事返されたことがあった。いや、私の英語力の問題かもしれないけど
 VESA BIOSとは無関係にMatroxのMillennium IIでは解像度を指定できるみたいなので、やはり同社のG400、450、550あたり対応してもらえると、隨分楽になると思うのですが……。(G400系は恐ろしく息が長いボードになったので、ここらで対応しておいても損はないと思う)

 街を歩いていたら共産党の街頭演説とぶつかってしまったですよ。で、何やら憲法がどうのこうの有事法案がどうのこうのと。
 基本的に聞き流していたのですが、ふとこんなフレーズが耳に残りました。
「首相が有事を宣言したら、自由や権利、私有財産が制限される」
 あれ? 共産主義っていつから私有財産を認めてたんだ……?

 それはまあ半分冗談にしても、有事として一般的に想定される状況ってのは、自由だ権利だ私有財産だとか言っていられないような状況だと思うんですけどね。とにかくまず命、ってくらいの状態のはずでしょ? きょうび、燃料気化爆弾なんていう戦術核兵器並みの破壞力のある爆弾もあるわけで、専守防衛、攻撃を受けてからでないと反撃できませんとか言ってられないところもあるわけです。攻撃を受けたときには万単位の犠牲者が出てるなんて洒落にもならない。そのための有事法制の筈。
 もっと真面目に議論してもらいたい。悪用が容易な法律を作るのを防ぐために尽力するなら賛同を惜しみはしませんが、戦争は悪だから絶対反対とかいう主張には耳を貸す気にもなれません。

 池東旭の「コリアン・ジャパニーズ」の中で、聖徳太子の憲法十七条の第一条に“和を以って尊しとなす”とあることについて「和を強調したのはまさに、差別する社会があったからだ」と書いているのを読んで、然り、と思った。そりゃそうだ。わざわざ第一条に書くくらいなのだから、当時の社会は相当対立や鬪争が厳しかったに違いない(笑)。


2002年5月17日(金曜日)
 一応私、ジャイアンツファンなんですが、それ以前に野球ファンなわけです。だから、「日本人メジャーリーガーの活躍」なスポーツニュースに我慢がならないほどストレスを感じているわけです。
 イチローが打ったとか走ったとか守ったとか、確かに素晴らしいことなんですが、それ以前の問題として、そのゲームがどういうゲームだったのか、彼がそのゲームで果たした役割は一体どういうものだったのか、という所は全く報道されず、第四打席を報じた後に第一打席の後の盗塁を流してみたりと、無茶苦茶なことこの上ない。一体何を報じようとしているのかと腹が立ちます。
 メジャーリーグの野球の素晴らしさの中でイチローの活躍を捉えるならともかく、あれじゃ単なる珍獸ウォッチングと一緒です。
 視聴者を育てる観点がすっぱり拔け落ちていると思います。

 先日、仕事で初めて市外局番「4」を見ました。
 おやいつの間に、と思って調べてみたら今年の2月から柏近郊で「4」がスタートしてたんですね。ただ、指定状況を確認した限りでは、要するに「471」圏が需要増で市内局番を増やさなきゃならない状況に追い込まれたので、しょーがなく「4」になったって感じですね。
 この辺を「柔軟な対応」と見るか、それとも「初期段階での想定・設計の不備があったのではないか」と見るかは、なかなか難しいところですね。


2002年5月18日(土曜日)
 NHK技研へ行ってきましたですよ。新しい建物はぴかぴかで、なんだか技研じゃないみたいでした。これまで技研の公開というと、技研の建物ほぼ全てを使ってて、怪しい警告マークの付いた部屋が展示会場に使われていたりしてとっても素敵な感じだったんですが、今回からは会議室とか資料室とか、外来の人を通すためのお部屋や地下駐車場・講堂などを使っての展示になってしまって、ちょっと不満です。
 研究内容は殆どが、継続研究で、去年からの進行度合を確かめるような仕儀になったのは、いささか残念なところ。もっとも、それはそれで良いことなのですが。ああいう基礎的な技術の研究なんて一年や二年で結果が出るものじゃないので、長期的な視野に立って研究が進められなければ、技術が育たないことになります。
 実用化され、今では市販となった技術が技研で育ってきた過程を見てきた身としては、今日見てきた中から、次は何が巣立つだろうかと興味があります。

 NHKスペシャルは「日韓 新しい歩みが始まった」で二部構成の大特集でした。第1部が良かったですね。
 実際問題として、私が学部生だった頃というのは、韓国側の学生と席を合わせればまず謝罪だなんだと言われたもんですが、正直、現代史専攻の私にとってみれば皮相的で近視眼的、単一視点な歴史観でしかなく、隨分失望したものです。日本の歴史教育に問題がないとは言いませんが、韓国の歴史教育にも相応の問題があったわけです。それがある程度共通認識とできるようになってきたというだけで、ある種の進歩だと思います。
 ただ、退歩は進歩の数倍の速度で簡単に起こることを覚えておかねばならないでしょう。
 韓国に限らず、日本でも、世界の何処でも。


2002年5月19日(日曜日)
 アルファ・システムの芝村氏が「私は元々、ガンパレ制作終了後に会社をやめて毎日釣りをするつもりでした。ガンパレは私最後の御奉公で、引退セレモニーのつもりでしたよ」などと答えているのを見て思うわけです。
 甘いよな

2002年5月20日(月曜日)
 米国の連邦控訴裁判所で、DeCSSのコードそのものの掲載ならびにコードへのリンクは違法とされた判決の再審請求が棄却されました。ソースコードはOKだが、実行形式は駄目であるという状態が、まだ続くようです。

 とか言ってる一方で、Blu-ray Discの規格公開なんかも目前に迫っていたりして。

 「軍隊のない平和な社会」という文章は、「警察のない安全な社会」とどのくらい違うのだろうかと考えてみたりする。仕事がない方がいい、という意味では、この社会には軍隊だけじゃなくて、警察、消防に医者や弁護士など、基本的に人の不幸が飯の種という職業が存在していて、それでも一般的に「必要である」として受け入れられている。
 軍隊など活躍しない方が良いという点については、全く賛成で、私も軍隊が実際に動きださないように、政治的努力は惜しむべきではないと思う。それは警察が暇であるほうが良いように、消防が暇であることが幸福なことであるように、それぞれ防犯、防火に努めているのと同じように。
 でもそれと「なくてもいい、ないほうがいい」というのとはワケが違うと思う。


2002年5月21日(火曜日)
 協会の総会・懇親会だったので、立ちっぱなしで疲れました。
 今日はとりあえず寢ます。
2002年5月22日(水曜日)
 SCEAがPS2のカンファレンスで「コンソール戦争は、既に決着がついた」と勝利宣言をしたとか。
 京都の花札屋の立方体や、レドモンドの猿軍団の×箱を相手にしての勝利宣言……らしいんですが、立方体はともかく、×箱については買った負けたとかいう次元以前の問題だったような気がする。鬪いになってなかったというか。

 小泉首相の支持率急落はいいんだけど、次の首相が田中真紀子、なんて事態だけは流石に御免被りたい。


2002年5月23日(木曜日)
 クーラー病ですかね、頭痛がひどかったです。

 退勤後街をふらふらしてたら、元戦鬪用アンドロイドなメイドさんの5巻とか、明日発売の「ほしのこえ」のサントラとかGetしましたですよ。サントラは既にエンドレスです。ああ、やっぱ「ほしのこえ」は良いです。曲を聞いただけで、シーンと台詞が次々と浮かんできます。


2002年5月24日(金曜日)
 今日は山下いくと「ダークウィスパー」の2巻なんかGetしちゃったりして。

 京都の花札屋の社長がとうとう交代したそうですね。私、あのヒト嫌いだったんで、なんとなく胸がすきます。
 まあ、これで社員の面倒見る必要はなくなったんですから、心置きなく昔の主張であるところの、ゲームの著作権をみんなで共有しよう!な運動を展開するようだったら、見直してやっても良いが。
 でも後任がHAL研出身の岩田聡さん(42歳)とはね……。


2002年5月26日(日曜日)
 規定投球で防禦率1.77の投手が3敗してるチームってなによ?!

 土曜日はBTRON Clubでした。遅刻しましたけど。
 TRONWAREの最新号(vol.75)でも紹介されてますが、IBMT210他を繫いで表示してましたよ超漢字。流石に画面の書き換えは遅かったですけど、ここまで解像度が高いシロモノになると、DP周りにも手を入れなくてはいけないので、結構大変そうでした。序に言うと、基本エディタも改造しないといけませんね。どんなdpi値が指定されていても、問答無用で120dpiにしてくれる現在の基本エディタでは……(笑)。
 ちなみに、基本印刷はdpi値をちゃんと反映するので、自力でなんとかできる人はそれなりに使ってみて下さい。


2002年5月27日(月曜日)
 なんかJ-Phoneにメールが送れなくて、なんかあったかと思って友人に電話してみたら長電話。

 鈴木義里「日本語のできない日本人」(中央公論新書ラクレ)はとても面白かった。言語政策という、日本では案外おざなりにされている分野の研究者による、教育・政策に及ぶ論説は、色々考えさせられるものがある。
 特に、学問(教育)の基礎が言語教育(日本なら日本語)にあることを鮮やかに描き出している所は、基礎教養を論じる前に「まず言語能力をどうにかせんとな」と唸らせてくれる。理数系のみならず、全般的な「学力低下」の背景に潜むものは、読み書き能力(リテラシー)の低下ではないか、と指摘しているのだが、これは早急に調査を行った方が良いと思う。
 もっとも、私などのように捻くれた歴史学徒が読み取るところによれば、言語の平等という思想に基づく教育政策に無理があったのではなかろうかなどとも思うのだが、あまりその辺りを追求すると、最後は文字コードにまで話が行き着いてしまいそうなので、やめておく。

 余談だが、上記書のp99に、今年度・来年度にかけて施行される新学習指導要領に絡み「さらに、高校では「情報」という、ほとんど使い物にならないと考えられる授業を必修とする(つまりその分基礎的な教科へ割く時間が減ることになる)ことを求めている。」などと書かれていてニヤリとさせられた。
 私も、「情報」などを教えるくらいなら、国語や歴史に時間を割いて欲しいと思っている。大体、学習指導要領に書いてある通りのことを教えようとすると、教える側はもちろんのこと、教わる側にも相当な能力を必要とされる。そもそも、情報学というのは抽象度が高い。抽象度が高いということは、それを理解するためには基礎となる知識や経験が多く必要で、言語能力がしっかりしていることは、最低限の用件になる。正しく用語できない人は、理解が正しくない可能性が高い。
 帰納法にしろ演繹法にしろ、論理的思考にも言語能力は必須であり、また他者の思考の結果が記述によって表される以上、その結果から思考を逆に辿るにも言語能力が関ってくる。
 しかし同時にこうも思うのだ。すべての人間に、そのような、抽象概念を縦横する言語能力が必要なのであろうか、と。また、その能力があるのだろうか、と。
 後者については、私が理解できるんだから、世間様の大多数は大丈夫だろうが、それでもやはり、私がどんなに頑張っても植物学だけはどうしても身に付かなかったように、どうにもならない人はある一定割合存在するだろう。
 前者については、語らない方が良いような気がする。抽象的な文字概念を以って文字処理系を操る必要のある人間がどの程度この世に存在しうるか、などという話は気が滅入る。


2002年5月28日(火曜日)
 夏コミ、スペース取れました。
 嬉しいやら、恐ろしいやら。
 うちのサークル、妙に当選率高いんですよ、コミケ。まあ、マイナーなジャンルできちんと活動実績を積み上げていることは確かなんですけど(当落に拘らず)。
2002年5月29日(水曜日)
 内閣府未来生活懇談会の第1回目が昨日開かれたんですが、配布資料を見て私ゃ絶句しましたね。
本懇談会においては、(1)生きがいのある人生とするための「未来の生活」とはどのようなものであるかについてのビジョンを明確にするとともに、(2)そのような生活を実現するためには現在進められている構造改革の施策の中で何をより強力に進める必要があるか、または追加的に進めるべき施策はあるかについて、マクロとの整合性に配慮しつつ議論を行い、今後の構造改革の推進に資するものとする。
(資料3『「未来生活懇談会」における議論の方向性』より)
 手段と目的が入れ違っていませんか?
 だってそうでしょ。普通、未来・将来の「社会の姿」とか「国のあり方」とか「国民への期待」とか、そういうものがあって、その上で、それを実現する手段として構造改革を行うのであって、構造改革をしたらこういう未来がくるんじゃないかなぁでは、手段が目的化している疑いが濃厚です。

 国の舵取りと言えば、あすか正太「総理大臣のえる」の新刊が出ていました。>該当者各位

 「総理大臣のえる」といえばポニーテール。ポニーテールと言えばきさらちゃんですが、最近「天国に涙はいらない」とか「R.O.D.」なんかが愛読書に加わって、端から見ると凄くイイ感じです。きっとそのままぐっとイイ感じになってくれるんじゃないかと期待して生暖かく見守っていますです。


2002年5月30日(木曜日)
 明日からサッカーのワールドカップだそうで。全然興味ないから……。
 いや、野球のワールドカップが日本で開催とかいう話だったら、観戦に行きますけど。
 とりあえずサッカーは少林サッカーだけです。

 そういえば先日、田中久仁彦版画展なんてやってましたけど、田中久仁彦って今何してるんですか? 「秘境探検ファム&イーリー」がヒットしたと思ったら、あっさり消えてしまいましたが……。
 てゆーか、「超絶聖剣ブッタギレイヤー」の続編は……(違っ)。


2002年5月31日(金曜日)
 晩ご飯を食べながら読んでいた本が、上野正彦・文國鎭著「日本の死体 韓国の屍体」だったりして。上野さんの著書は結構読んでるのですが、今回、韓国の法医学の草分け的存在である文國鎭さんとの対談が纏められ、隣国の法医学の体制なんかが分かって面白かったです。
 え? 食事中にそんな本読むなって?

 上野さんの著書にちょくちょく出てくる話題なんですが、「日本の死体 韓国の屍体」の中にも、「死体洗いのバイト」という都市伝説について言及がありました。小熊の知る限り、日本に「死体洗いのバイト」は存在していません。しかし、なぜか毎年、研究室などにそのバイトに申し込む人がくるという話(笑)。
 ちなみに、「死体洗いのバイト」の話の基になったと思われる話なら知っています。
 朝鮮戦争の頃、米兵の戦死体を回收し、国内で個人鑑定ならびにエンバーミング(死化粧、とでも訳すのだろうか)を施す部隊施設が小倉にあり、人類学専攻の日本人学生が軍属として作業に当たったという実話があります。恐らく、「死体洗いのバイト」のモトネタはこの辺りではないかと考えているのですが、なにしろ都市伝説の話なので確証などはありません。

 今日、仕事で銀行をはしごしたんですが……月末なりに、東京三菱がびっしり並んでいる反面、みずほのがらがらなこと……。他人事ながら、不安に思うほどでした。