哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2016年6月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2016年6月1日(水曜日)
 本日は休養日、というわけで、一日家で怠惰に暮らす。
 というか、溜まってしまったマンガを片付けたり、撮り溜まったビデオを消費したり。

2016年6月2日(木曜日)
 体調を崩してしまい、トイレとの仲を深める一日に。

2016年6月3日(金曜日)
 職業訓練が思いの外忙しくて観に行く機会を逸していた映画「アイヒマン・ショー」を観てきた。
 久々にハズした映画って感じ……。
 これなら記録映画で良かったんじゃない?
 口直しに何を観ようか……。

2016年6月4日(土曜日)
 昨日は雲仙普賢岳の大火砕流から25年だったようで、色々な報道があった。
 個人的にも色々と思う所があるわけだが、あの辺りから報道に対する規制が強くなっていったのかも知れない。報道に巻き込まれて一般人が死んだ明確な事例であり、全く弁解の余地がなかったからねぇ。
 さらに火砕流後に写した現場の空撮映像に死体が映ってたりとか、色々あったわな。
 自衛隊の災害派遣についても、一つの節目を作った出来事でしたな。
 一度記念館に行っておきたい……。
2016年6月5日(日曜日)
 関東入梅の報。

 どうもリモートデスクトップソフト「TeamViewer」を経由した不正侵入被害があちこちで発生している模様で。
 ホストサーバを経由することによってNATを超えたリモートデスクトップ接続を実現するソフトは、使い方によっては非常に便利で、私もかつて仕事でGoogle Chrome Remote Desktopを使っていましたが、会社から、自宅から、街中に設置した端末を制御できる便利さは確かにありました。
 しかし同時にそれがクラックされればやりたい放題されるわけでしてね……。


2016年6月6日(月曜日)
 昨夜のNHKスペシャルスクープドキュメント 北朝鮮“機密ファイル” 知られざる国家の内幕」は、中々に興味深い内容だった。
 2013年末くらいまでの日付の軍内部の機密文書を内部密告者から購入して分析した結果なんだけど、これ酷いわねー。三代目の権力基盤は薄氷の上に立ってるようなもので、武器弾薬の横流しが起きていると言うのは、武装蜂起まで秒読みってことじゃないですか……。
 現状、三代目が最大の暴力を握っている“ように見える”から表立った抵抗が見えないだけで、実際に掌握している範囲って狭い気がするぞ、これ。
 裸の王様であることがバレた時が、革命だな。
 まあ、漏洩文書の後2年で変わった可能性もないではないが……。

2016年6月7日(火曜日)
 職安行って色々添削指導とか受けてくる。
 職業訓練校で受けた内容と違ってたりして、面倒なことこの上ない。
 要は自分がやりたいようにやれば良いんじゃないのか、これ?とか。

2016年6月8日(水曜日)
 「IUPAC is naming the four new elements nihonium, moscovium, tennessine, and oganesson」ということで、理研が発見(というか生成)した原子番号113の新元素はニホニウム/Nhと命名される予定となった模様
 個人的にはこれまで使用されてなかったアルファベット「J」を使うジャパニウムとかでも良かった気がするのですが、まあ、色々あるんでしょう。ニッポニウム/Npにならなかったのは、Npがネブツニウムですでに使われていることと、ニッポニウムが過去に申請されたことがあるためでしょうかね。

2016年6月9日(木曜日)
 映画「ボーダーライン」って、非常に邦題が悪い映画、という印象が残ってしまった。
 原題は「Sicario」。スペイン語でヒットマンを意味する、と作中で説明がありましたが、語源は結構複雑そう。ユダヤの熱心党シカリ派に由来するとか。
 表向き、FBIの捜査官がNSCや軍、DIA等の合同作戦に志願して麻薬カルテルの親玉を追う話なんだけど、実はもう一つの物語が、チームに参加しているコロンビアの元検察官の個人的な復讐劇。原題を見ればどっちが主流か分かりそうなもの。
 寄り合い所帯のチームは利用し利用されあう関係の中で、雲の上からの命令で超法規的措置を繰り返し、FBIからの志願組も“全ては合法的行動であった”と証言するためだけの人員とか、凄まじいアレっぷり。
 個人的にはこういう政治的茶番は(見る分には)大好きなんですが、巻き込まれる方は堪ったもんじゃないだろうなー。
 評論家受けは良い映画だったそうですが、残念な邦題のせいで、魅力がいまいち伝わりにくのが難ですね。
 ぶっちゃけ「シカリオ」で良かったんじゃね?

2016年6月10日(金曜日)
 国際ニュースを眺めていたら、ロシアで新型旅客機МС‑21のロールアウト式典があった模様
 イルクートとヤコブレフとツポレフによる共同開発で、Tu-204/Tu-214を代替する予定。
 なんか一部報道ではリージョナルジェットとか言われておりますが、機体サイズ的には、客室幅が3.81mありますんで、B737(3.54m)やA320(3.7m)と競合する、ナローボディ機ですわな。狙い目としては面白いところじゃないかと思いますね。
 エンジンとしてP&WのPW1428G/PW1431Gギアード・ターボ・ファン・エンジンを選択できるところも興味深くて、こいつはMRJに搭載しているの(PW1215G/PW1217G)と同系列の低燃費エンジンですね。
 西側の規格に対応したのに結局西側に売れなかったTu-204/Tu-214の復仇戦になるんですかね、この機体は。
 狙い目が面白い、って書いたのは、ナローボディ機最大というそのサイズですね。
 現在の旅客機のラインナップ上、B737/A320より大きい機体となると、B787(客室幅5.49m)とかA330(5.28 m)になっちゃうんですよね。B767(4.70m)ってのがありますが、もう旅客型は作ってないので……。
 旅客機は前後には胴体を延長できても、幅を広げるのは無理なので、設計時点での客室幅(正確には胴体断面直径)が、シートの幅を制約することになります。当然、シート幅は広い方が快適ですので、同じクラスであれば胴体が太い方が快適な客室を作れることになります。
 勿論、胴体が太くなるとその分重量や空気抵抗が増えますんで、燃費的には不利になりますが。
 なので、今回の機体も色々と狙った大きさだな、と思えるわけです。
 今のところ西側諸国からの発注はないようですが、果たしてどうなるか、興味深いところですね。

2016年6月11日(土曜日)
 「ページをめくってタブレットで撮影、カシオ「BOOK TURNER」」ってのは、どの辺が顧客層なのかよく分からん。
 こういったページめくり機能を欲しているくらいの人たちだと、カメラがタブレットってのは“ない”んじゃないかなぁ……とか。
 あるいは、障碍者向けとか……?
 このページ送り機構だけ流用してカメラに一眼とかつけたら、喜ぶ人たちも少なくないような気もするんだけどなぁ。

2016年6月12日(日曜日)
 横須賀YYのりものフェスタでいずもが一般公開していると聞いて出かけてきました。
初っ端から、もう「巨艦」って感じ。むっちゃデカいっすよ。横の建物よりデカい。
以前見学したひゅうがも相当デカかったんですが、輪をかけてデカい。よくこんなもの作ったな、と思っちゃうくらい。
ひゅうがに比べると、キャットウォークがある分、いずもの方が甲板が1層多い模様。
いずもの格納庫の天井が一層分高い。
それにしても、小さな同人誌即売会なら開けそうなほど広いな、これ。
飛行甲板。とにかく広い。
艦橋構造物。
自衛隊で初採用されたCIWS/SeaRAM
こちらも自衛隊初のデッキサイドエレベータ。飛行甲板から見ると、甲板が連続しているように見える。
外側から見るとこんな感じ。
格納庫側から稼動部を見る。構造的には、レールが片持ちになってるだけで、駆動方式は前部のエレベータと同じ、ワイヤによる吊り下げ式っぽい。今回デッキサイドエレベータの実演はなかった。
エレベータ開口部のドア。扉に沢山ケーブル/ホースが繋がっていて、扉の移動に伴うワイヤリングのために、3連動滑車が。個人的には、可動部は扉側じゃなくて艦体側に付ければ良いんじゃないかと思った。
訓練用のSH-60。どの辺が訓練用かというと、エンジンが拔かれている辺り。
甲板上のハンドリング訓練やら、消火訓練やらに使われる。

2016年6月13日(月曜日)
 雨降りの月曜日。
 出かける予定を取りやめに。

 ポストを見たら共産党のビラが入っていたんですが、そこに「経済にデモクラシーを」って書いてあって、なんじゃこりゃ?とか。
 経済を支配するのは市場原理であって、間違っても民意じゃない。かつて市場経済を否定し、人民議会による計画経済を実施に移した国々があったわけだが、ことごとく滅び去った。経済成長せよと全会一致で議決しても、経済は成長しないのである。
 とは言えよくよく考えてみると、まさにその滅び去った連中の残党が共産党であるわけだから、彼らがそのように主張することには歴史的経緯があった。全く彼らにとっては順当であり、そして言わば過去の遺産であり、これは即ち彼らはある種の伝統芸能の継承者であることを示しているのであろう。
 可及的速やかに無形文化財の指定が必要だな。


2016年6月14日(火曜日)
 役所に行ってマイナンバーカードを受領してくる。
 このカードって10年も有効期限あるのね……。10年は長い気がするけどなぁ。
 あと、このパスワードは絶対に忘れる自信がある。バイオメトリクス認証を是非導入して欲しい……。

2016年6月15日(水曜日)
 都知事辞任かー。
 消去法で選ぶしかない選挙で、それでも精一杯マトモな人を選んだ結果なのになぁ。
 代わりに誰が出てくるんだろう。

2016年6月16日(木曜日)
 twitterの方に書いたら流れていってしまったので、こっちに改めて。
 先日横須賀へ行った時に、デジタルカメラで動画を撮ったのですが、これのファイルが.mov、つまりQuickTimeフォーマットでした。
 QuickTimeは歴史と伝統のあるマルチメディアツールですが、Windows版がディスコンになったため、今後は使用しない方向で進められていくと思われます。元々、あまりプロプライエタリ・フォーマットに依存するのはよくありませんしね。
 と、いうわけで、MPEG-4コンテナ(.mp4)にRemuxしようと思いました。
 中に入っているデータストリームのフォーマットを調べると、ビデオがH.264でオーディオがPCMでした。これならRemuxも簡単だろう(もともとMPEG-4コンテナはQuickTimeフォーマットを拡張したものだし)、と思っていたら然に非ず。MPEG-4はPCM音声をサポートしてない様子。
 これでは音声を何らかの音声圧縮フォーマットに変換しないといけない。しかし折角PCMなのに圧縮するのもなぁ(別に高音質ってわけでもないが)。原データを不可逆変換するくらいなら.movのままでも良いか?
 そこで思い付いたのが、オーディオストリームに可逆圧縮フォーマットを使うこと。MPEG-4の音声にはMPEG-4 ALSというロスレス音声圧縮がある。これなら可逆変換だ。
 まず、.movファイルからビデオストリームとオーディオストリームを切り出し、オーディオストリームをMPEG-4 ALSに圧縮する。
 で、最後にもう一度MP4BOXでビデオストリームとオーディオストリームを一つのMPEG-4コンテナにMuxして完成。これで公的規格に沿った動画ファイルになった。

2016年6月17日(金曜日)
 「帰ってきたヒトラー」を鑑賞。
 原作小説はヒトラーを単純な悪ではなく、才能と魅力のある人物として描いたことで物議を醸したわけですが、映画の方もブラックコメディというか、笑いどころが鋭い作品でしたね。
 こう、ひんやりとした笑いというか、刃物の上でダンスしているような、ギリギリ感のある笑いですな。
 現代に蘇ったヒトラーが、知識と経験を蓄え、着々と大衆を掌握していく様子は、笑えるやら笑えないやら。
 先日のNHKで放送された「ヒトラー『わが闘争』〜封印を解かれた禁断の書〜」でも触れられていましたが、ヒトラー(や過激思想家)に利用される芽は、私達の心のなかに内在しているのだ、ということをつとに訴える作品でした。

2016年6月18日(土曜日)
 中国から「失踪の香港書店店長 「歯ブラシ自殺監視下」にあったと」というニュース。
 香港の書店関係者が大陸に渡って行方不明になっていたことは既報でしたが、ようやく解放された模様で。
 ただ、背後関係はよく分からず、中国共産とのどこからこの司令が出たのかは、闇の中。
 判っていることは、これが最後ではない、ってことくらいですかね。

2016年6月19日(日曜日)
 また1台ノートPCをWindows 10にしてみた。
 詰まるのはドライバ回りだよなー。
 そこさえ上手く行けば大体なんとかなるんだけど、一回詰まると散々な目に。
 さて、残るはメインマシンだけになった。
 Windows Services for Linuxのためにも、Windows 10化はやるつもり。

2016年6月20日(月曜日)
 目黒区の救急隊から電話があって、何かと思えば、どうやら救急搬送者が私の家の電話番号の書かれたものを所持していた模様。その後ももう一度電話がかかってきた。
 どうもこの番号を以前使っていた人か何かの縁者らしかったが、こちらの名前と電話番号を確認して、無関係と分かった模様。

2016年6月21日(火曜日)
 夏至。

 「中国、国連海洋法条約の脱退検討とか、なんかまさに「この道はいつか来た道」的状況になりつつあるわけですが。
 国際秩序が優しくないからといって脱退したところで、次に待っているのは力づくの国際秩序との戦いでしかありません。
 中国の思考回路が「勝てば官軍」以上ではない、という辺りが透けて見えて困りますな。
 もちろん米国も国連海洋法条約を批准していませんが、実のところ国連海洋法条約の策定に尽力したのが米国でして、国際連盟的な顚末で、策定した中心国が批准できなかったという間拔けを晒しましたが、逆を言えば大部分は米国自身が推進しているルールなんですよ。(ごく一部が問題になってるだけ)
 中国は米国のような覇権国家になりたいんでしょうけど、それを周辺国は認めてくれないだろう、という現実に突き当たるでしょうな。


2016年6月22日(水曜日)
 「子宮頸がんワクチン薬害研究班に捏造行為が発覚」とか、勘弁して下さい案件。
 ワクチン反対派とか、放射線恐怖症の人たちって、たとえそれが後に否定された研究であっても、延々と何年も、自分たちの主張を補強してくれる論を引いてくれますからねぇ……。そして自分たちが寄りかかる論が攻撃されると(単に間違いが正されただけであっても)、権力による隠蔽だ、とか叫びだすんですよ。堪りませんな。

2016年6月23日(木曜日)
 「富士通、スパコン頭脳に英社の設計採用 戦略転換」と、これまでのSPARCじゃなくてARMをISAとして採用するという話ですが、なんか去年も聞いた覚えが薄っすらと。
 富士通はSPARCの当初からのメンバな訳ですが、事実上の脱退ということでしょうかね。
 まあ、今や富士通の半導体部門はあっちこっち切り離されてしまって、独自のSPARCチップなんか設計しても、製造を考えると無理があったんでしょうかねぇ。
 残念なことです。

2016年6月24日(金曜日)
 えーと、英国の国民投票でEU離脱が決まっちゃった件
 直前まで残留派優位との報道だったので、世界経済を巻き込んだ阿鼻叫喚の地獄絵図でしたな。そして今後、実際の離脱までには二年ほどかかるとの話ですが、その間に色んなことが起こるでしょうな。
 結果を見ても分かる通り、英国内でも地域ごとにかなり投票行動が異なり、当然ながら英領ジブラルタルなどでは残留派が圧倒的だったり、スコットランドでも残留派が優勢だったりします。特にスコットランドは昨年の独立の是非を問う住民投票で、独立後のEU再加盟が難しいことが英国残留の決め手となった所があるので、今後問題が再燃する可能性はあるでしょう。英領ジブラルタルに関しては既にスペイン外相が声明を発しておりますな。
 更にEU加盟諸国において離脱派が気炎を上げ、事態の混迷は留まるところを知らぬ様相。
 これが英国分解へ繋がるのか、はたまたEU解体へ向かうのか、ややこしいことになったものです。

2016年6月25日(土曜日)
 うっかり国会図書館の利用者登録を失効させてしまったので、永田町まで出向いて再登録をしてくる。
 NDL Opacにログインできなくなって気づくとか、阿呆過ぎる。期限が迫ると延長手続きの案内が出るはずなんだが……。
 ともあれ、はるばる出かけて行って、カードを作り直してきた。
 なお、身分証として某マイナンバーカードを出してみたら、受付の人もにやりと笑ってくれた。
 ただ……国会図書館なんて、それこそマイナンバーカードを利用者証にしても良いくらいなんじゃね?

2016年6月26日(日曜日)
 参院選の投票先が決まったので、期日前投票してきた。
 それにしても定数6の東京選挙区に立候補者が31人も居て、にも拘らず碌な候補者がいやしねぇ、ということが恐ろしすぎる。この中から6人も選ばなければいけない!と考えると、受かって欲しくない候補者が多すぎる。
 つまり、受かって欲しくない候補者のいくたりかが受かってしまうわけだな……。

2016年6月27日(月曜日)
 えげれす国の混乱が天井知らずの底拔け状態な件について。
 ええ、どこかで見たような光景です。「最低でも県外」とか「埋蔵金がある」とか、散々有権者に対して嘘を吹聴して政権を取った、今は亡き某政党を思い起こさせます。
 高度に複雑な問題に対して、単純な解決策(しかし実現不能)を掲げて有権者を騙す手法は、昨日今日始まったものではないのでしょうが、有権者がこれらの虚偽に踊らされる事案が増えているように思えます。
 なぜだろうか、と考えを巡らせれば、やはり世界の複雑性に対して、きちんと考えるのが面倒になった人たちが多くなってきているのではないか、と感じます。複雑に絡まりあった紐を根気よく解きほぐすのではなく、刃物を使って一刀両断にしたくなる心情と言えば、解りやすいでしょうか。
 世界は非常に複雑です。科学技術の発達は、情報や物流を飛躍的に高速かつ大容量化し、今や地球の裏で起こった出来事が日常に影響を及ぼすことが珍しくありません。極めて広い範囲で複雑に絡まりあった因果関係が、知覚限界を超える程の相互作用を及ぼし合っています。このような世界では、どこで起きた事象がどこで結果を齎すか、直感的には把握できなくなります。バタフライ効果が身近になっている、という言い方もできましょうか。
 従って、今自分たちの身近なところで起こっている“不快な現象”についても、その原因を探っていくと、明確に誰かが悪いというなら良いのですが、拡散し尽くして誰かを特定することが困難であったり、場合によっては自分たち自身に行き着いてしまったりします。
 数百数千の因果を踏んで起こる事象などは、単純な解決などは望むべくもなく、忍耐と辛抱強さが求められます。しかし、それに耐えられないというのも、また理解はできる話ではあります。でも銀の弾丸が存在しない世界で僕らは生きなけれなならないので、銀の弾丸を売り込んでくる奴は基本詐欺師だと思わないといけないのですよね。

2016年6月28日(火曜日)
 「東シナ海で一触即発の危機、ついに中国が軍事行動」という記事が出て、でもJBpressだからなー、クロスチェックできないとなー、と思ってたら別報があり、どうも事実臭い。
 中国はかつて海南島事件を起こしたように、自己の挑発行動がエスカレートした上での偶発的衝突について、自己の責任を認識していません。あくまで火砲を先にぶっ放した方が悪いという、単純な考えを持っているように思われます。
 末端の統制が取れていないだけかもしれませんが、それはそれで充分に問題です。
 こういう国と対峙している、というのは日本の不幸ですな。
 せめて事故が起こらないことを祈りたいところですが、向こうが事故を避けようとしていない、というのは頭が痛くてしょうがありませんね。

2016年6月29日(水曜日)
 「「英語もEUから追放せよ!」 英離脱めぐり仏政治家が要求」という愉快な記事。
 フランス語が国際語・外交語として第一言語の地位にあったのは大体20世紀初頭くらいまでで、その後その地位を英語に譲り渡したことは、概ね合意されるところではないかと思います。現代ではむしろ、フランス語が国際語であった時代を知らない世代の方が多いわけですが……。
 それはともかく、フランス語は現在もなおフランコフォニーを形成する主要国際言語の一つではあります。
 フランス語と英語のどちらがより優れているかについて私は語る資格を有しないわけですが、フランス人がフランス語を愛し、誇りに思うことは全く否定しませんし、日本語より広汎に使われている言語であることも全く否定しません。しかし、英語の利用実態を無視してEUの主要言語としてEU加盟国に強要しよう、というのであれば、些か考え直すべきじゃないかと思いますな。
 まあ、そう遠くない将来、人工知能が全部解決するかも知れませんけども。

2016年6月30日(木曜日)
 「航空自衛隊向けC−2輸送機の量産初号機を納入」と、同時開発のP-1に比べると遅れはしましたが、無事納入に至って慶賀の至りです。
 とはいえ、昨今の航空機開発はまだまだ安心できません。
 設計、試作段階での問題が解決されてもなお、量産に至って問題が生じることも珍しくありません。
 また、技術の進歩速度の向上に伴い、頻繁なソフトウェアのアップデートが要求される一方で、しばしば予期せぬ問題を引き起こしますし、うっかりミスで墜落する飛行機もあったりします。
 ここもまた一里塚と思い決めて、先に進みたいものです。