底の底の記憶
カレ
スコップ
劫滅の第十四弾

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、もしかしたらTRONプロジェクトに関り合いがあるようなないようなことが書かれているように見えることがあるかもしれませんが、もちろんそれは全て錯覚です。
当然、坂村健先生及びTRONプロジェクトなどとはまったく関係がありません。
よって、非論理的な方や妄想癖のある方、事実とフィクションの区別がつかない方、勝手な拡大解釈が得意な方は読まない方が身のためです。
これは、底の底でまだ底で墓穴を掘る、ある歴史学徒の哀しいまでの奮鬪努力の記録であります。


2006年12月31日(日曜日)
 きしもとくんによれば、コミットに「枯井戸スコップ」なるサークルがいたそうである。
 常識的に考えると「枯れる」のは植物であって、井戸は「涸れる」ものだ。

2006年12月19日(火曜日)
 「労働市場改革:正社員待遇を非正規社員水準へ 八代氏示すって……正気か?
2006年12月11日(月曜日)
 隨分間が開いちゃったけど、連動。
 丁度アジア大会の期間でもあって、思うわけだが、例えばJudoが幾ら日本の柔道を起源としていたとしても、だからといって日本がメダルを半分も持っていかねばならん道理はないわけよ。寧ろ、国際スポーツとして確立しているわけだから、どこか一国がひたすらメダルを持っていくことが続いていることの方が、憂慮すべきだろうね。
 そりゃぁ一回戦で敗けるとかだと流石にどうかと思うけど、考えてみればトーナメントの一回戦で半分は脱落するわけよ(トーナメントだもんね)。
 剣道は柔道と違ってIOC競技となることを自ら拒んだ歴史を持つわけだけど、競技人口は世界的に増加傾向にあり、人口が増え、レベルが底上げされれば、いつかこのような日が来ることは必然だったと思う。

2006年11月28日(火曜日)
 朝鮮日報に「韓国不在の韓半島問題」というコラムがあったわけだが、馬鹿馬鹿しいくらいに100年前のことを思い出す。
 大韓帝国が日本に併合された時、どうして誰も異を唱えなかったかといえば、その前の日清・日露戦争を経て国際社会が「韓国に当事者能力なし」と看做したからに他ならない。
 六箇国協議が四箇国協議になったら、そこが一つの区切り目になるだろうね。

2006年11月16日(木曜日)
 韓国の外交センスってやっぱり謎だねぇ。
 中間選挙で民主党が勝ったから、北への制裁を当初より縮小気味にってのが、既に謎。
 寧ろ北の人権問題なんかに対してより強硬なんだが、民主党の方が。どっちかというと、共和党の方が経済優先で、中国との関係を壊したくないもんだから、弱腰なんだよ。
 その辺の外交の機微が全然分かってない辺りが、余りにも哀れだ。

2006年11月14日(火曜日)
 宋級潜水艦でキティホークのケツに付けてやったぜ!とかいうのは、個人レベルの艦長の武勇としては誇らしいのかも知れんけど、軍全体としてみた時には、統制取れてないんじゃないか、っていう疑いを抱かせるよね。
 最後に浮上して見せるだなんて、挑発してるのと変わりないじゃん。
 信じられねぇ。
 マトモな艦長なら、姿も見せずに近付いて、ポジションだけ取って、また気付かれずに去っていくだろう。それをこれ見よがしに浮上するだなんて……。
 米中関係を拗らせたいとしか思えん。もしくはそこまでの智慧がないか。
 もしかして以前の領海潜航事件も、本当に艦長の暴走だったのか?

2006年11月8日(水曜日)
 連動。
 真面目な話、中国が空母機動艦隊を持っちゃったら、日本のシーレーンがかなりヤバいんだけどね。特に台湾近海が、真っ先にキナ臭くなるでしょうな。
 ただ、中国自身にどのくらい将来的な国際パワーバランスについての展望があるのか、見えてこないのが問題だなー。
 落し所が見えないから、取り敢えず軍拡競争するしかない、という辺りがなんともはや。
2006年11月1日(水曜日)
 連動。
 以前書いてた通り、宋旻淳氏が外交通商部長に就任予定だそうで。
 韓国は対米関係を改善する意思がないと表明したわけです。これはある意味中国サイドへつくことを宣言したようなものですから、今後の外交経過は注目に値するでしょう。アメリカはずるずる後退するでしょうし、宋旻淳氏はそれを歓迎するでしょう。
 俄には信じ難い人事でしたな。

2006年10月30日(月曜日)
 まー正直言いますとね、UCがDSに敵うわけじゃないじゃないかと。
 1台原価25万の機械に対して、実売2万円で無線LANは付いてるわタッチパネルはついてるわ液晶2画面ついてるわ、十字ボタンにABボタンのインタフェースは優秀だわ、赤外線だってイケるぜとかいう話になると、太刀打ちできるところがありませんな。あっはっは。
 正直、RFIDリーダとバーコード/QRコード読み取り兼用カメラをモジュールにしてカセットにしたら、もうUCいらねーじゃんとか思いますもん。

2006年10月24日(火曜日)
 「一発原爆をぶち噛ましてから、二回目やって欲しくなかったら経済制裁を解除しろ、そしたら六箇国協議に復帰してやらんでもない」、という言い分って凄いよな。ぶち噛ます前は「核実験やって欲しくなかったら経済制裁を解除しろ、そしたら六箇国協議に復帰してやらんでもない」だったわけで、冷静に考えると何も前進していない。寧ろ後退している。
 なのにこれを「北の宥和メッセージ」と受け止めている韓国は馬鹿でなかろうか。中国ですら、騙されていないのに。
 まあ、騙されたいと思っているのかもしれないけれど。
 人間、こういう危機的状態に陥ってしまったら、どうしてもこういう稚拙な心理トリックにも引っ掛かりやすくなる。

2006年10月22日(日曜日)
 韓国の外交が何故か一気に正常化の方向へ。
 ライス国務長官が直々に乗り込んできてスパンクでも喰らったか……?

 個人的な印象だけど、潘基文外交通商部長が主導権を握り返した感じ。原因までは分からないけど、次期国連事務総長に内定してから、政府内での発言力が強まったのかもしれない。
 でもあと2ヶ月の命なの(爆)。


2006年10月14日(土曜日)
 「核実験した国ぁ体制崩壊さしたるぞゴルァ」
 って日本が凄むのも、世界平和のためには有益な面があると思うんだが、そのためには前例も必要なんだよね。
2006年10月12日(木曜日)
 米国も微妙な立場になってきているなぁ。
 日本が余りに急進的になっているのに、困惑している面もあるように見える。日本の手綱も締めねばならぬが、中国への牽制の含みもあって、匙加減が難しい。
 日本が米国の傘の下を離れて軍事大国への道を邁進する、ってのは、周辺国全部にとっての悪夢であることは間違いない。可能性は決して高くないが、このまま北の問題をずるずると放置すれば、いずれ日本が独力での問題解決を摸索し始めるのは避けられず、そうなったら直接干戈を交えたことがある米中露台辺りは気が気じゃないだろう。

2006年10月11日(水曜日)
 潘基文外相が国連事務総長になっちゃうので、問題は後任人事に。
 今のところ、柳明桓外交通商部第一次官と宋旻淳統一外交安全保障政策室長辺りの名前が挙がっているらしい。後者は盧武鉉大統領の懐刀なので、就任の可能性は高いと見る。
 前者はかつて竹島問題に絡んで「同問題は望むと望まぬとかかわらず、国際海洋法裁判所に持ち込むことができるし、国際司法裁判所に委ねる可能性も全く排除することはできない」と発言したりしており、一定の外交的感覚を有していることは間違いないようです。ただ、これまでは潘基文長官の蔭に隠れていた面もあり、前面に出たときにこれまでのような曖昧な答弁を繰り広げられるか、未知数です。
 後者については、戦時作戦権の還收や北朝鮮問題など、現在の盧武鉉外交の推進器としての役割を完璧に演じているわけで、いわゆる「無能な働き者」なのか、あるいは全てを含んだ上で自分を政治の道具とみなしているのか、外からでは分かり難いところがあります。もし彼が「無能な働き者」なのであれば、外相就任は韓国の破滅を意味するでしょう。そうでない場合、立場が彼の行動を変化させる可能性がありますが、あまり期待はできそうにないですな。
 どちらにしろ、潘基文氏が拔けた穴を埋めるのは大変そうです。

2006年9月26日(火曜日)
 「金沢ファッションウイーク実行委主催 優秀4作品を発表
 ……。

♪もしも焚書が できたなら
 新作漢字を 炎にくべて
 未来に伝えぬことだろう
 正義をなした 喜びや
 道理が通らぬ 悲しみや
 抑えきれない 憎しみや
 アーアアア アーアアア アーアアー
 遠ざかる

2006年9月25日(月曜日)
 先日の件に絡んで、こんなニュースが。
中国人は化粧ができなくなる? 重金属含有で中国が警告

 【北京=福島香織】香港基準・鑑定センターは25日までに、クリスチャン・ディオール、ランコム、エスティ・ローダー、クリニークの世界4大化粧品ブランドすべての化粧品に、微量のクロム、ネジウムなどの重金属類が含まれていると発表した。

 中国では日本製化粧品のマックスファクターSK−IIにクロムなどが含まれていたとして非難報道が続き、全国で返品騒ぎが発生しているが、ディオール、エスティ・ローダーに含まれているクロム類はSK−IIよりも多いという。

 センターによれば、クリスチャン・ディオールのファンデーション、エスティ・ローダーのファンデーションにはクロムがそれぞれ、キロあたり4.5ミリグラム、3.9ミリグラム含まれ、SK−IIより多かった。この他のブランドのファンデーションにもクロム、ネオジムが含まれていた。

(09/25 11:17)

http://www.sankei.co.jp/news/060925/kok007.htm

 馬鹿でなかろうかと。頭悪すぎて話にならん。
2006年9月24日(日曜日)
 NHKの海外ネットワークでイラクのクルド人自治区の発展を採り上げていたが、頭が痛いね。
 クルド人自治区が独立なんてことになれば、トルコ内、イラン内におけるクルド人が蜂起しかねず、そうなれば各地が北アイルランド状態になるのは間違いない。
 元々なんでンな、民族の住んでるド真ん中に国境線を引いたんだということになるが、第一次大戦に同盟国側として参加したオスマントルコが敗戦によって領土分割され(セーヴル条約)、その時に碌すっぽ考えずに地図上で線を引いたから。
 考えてみるとイスラエル‐パレスチナ問題も、元を辿れば第一次大戦時英国のバルフォア宣言とフサイン=マクマホン協定の矛盾からスタートしていて、最終的に英仏のサイクス・ピコ協定に基づいてオスマン帝国配下だったアラビア半島を分捕っちまったことが始まりなんだから、頭が痛くなってくる。
 イギリスの外交は巧妙だったんだろうけど、後先を考えない出鱈目だったとも言える。
 結果、21世紀初頭になってもまだ始末がつかん。

2006年9月22日(金曜日)
 日中輸入食品戦争とも言うべき事態ですね。
 きっかけは日本側が規制方式を「ポジティブリスト」方式に変更したことです。要するに、許可されない農薬類が検出されたら即アウトって方式。これまでだと、禁止リストに入っていないと有害でも素通りしていたので、これそのものは評価できる。
 しかし引っ掛かったのが中国産の食品類で、検疫での不合格が続出。日本を主要輸出市場とする中国は大打撃。
 かくして報復処置とも取れる、中国側の大検疫作戦が展開され、日本から中国に輸出されている食品や化粧品に次々と禁止農薬やら重金属やらが検出されている。
 ま、事実であればそれは消費者を守ることなので歓迎されるわけですが、どうも中国側のやり方が報復というか難癖に近く見えるのは、本当に先入観のせいか。少なくとも台湾と香港は「規定値以下で健康被害の恐れはない」と発表している。
 さて、普通であれば適当に外務官僚どもが折衝して妥協点を探り始める時期なわけだが、中国側の市場で混乱が発生、返品騒ぎへと発展している模様。今回槍玉に挙げられたP&Gが返品を始めたところに返品騒ぎが発生してしまい、警察が出張る羽目に。
 この辺を見ると、中国側の取っている手段は結構「肉を切らせて」的な部分があることが見え隠れするわけで、日本としては外交上優位に物事を進められますわな。中国側は身内の思わぬ援護に足を引っ張られた形。
 以前ほど中国の外交にキレがなくなってきているのは、国内統制が効かなくなっていることがあるんだろうなと思わせられた一件でした。

2006年9月16日(土曜日)
 次期国連事務総長予備選挙で、2回連続で潘基文韓国外交通商相が1位だったそうだが……喜んでいていいのだろうか。
 日本としては、tough negotiatorである潘基文氏が韓国政府から抜けるのは、それはもう幸甚に耐えないわけだが、韓国から見れば世界に通用する(また認められる)有能な外交官を自国利益とは関係ないところへ放り出す形になり、どう考えても不利益だ。
 なのに韓国国内の報道を見ている限り、喜んでいるようにしか見えない。
 謎だ。
 国連事務総長が何らかの権力を持った立場であると考えているのであれば大きな誤解もいいところだし、むしろ事務総長職に就けるということは出身国が大国ではないことの証拠でもある。少なくとも国際パワーバランスに影響を及ぼすような国の出身者が事務総長に就任することはありえない。
 ついでに言えば今や国連改革論議の真っ最中で、日本の安保理常任理事国入りに反対しているのが中国韓国北朝鮮だけという状況で事務総長になれば、その判断に公正さを一層問われるようになるわけで、何かと立場は不自由になるだろう。早い話が、潘基文氏が国連事務総長になったら、日本の安保理常任理事国入りを後押ししなければならない立場になる。(言うまでもないが、国連組織そのものは日本の安保理常任理事国入りを強く望んでいる)
 日本が潘基文に投票しているというのは、一つには他国の候補者(インド、ヨルダン、タイ、スリランカ)との関係があり、もう一つには潘基文氏を国家間外交の表舞台から追い落とす意味があり、後者の影響は日韓/日米韓関係に於いて計り知れない。
 韓国外交は現在盧武鉉大統領によって混乱の最中にあり、それを何とか保たせているのが潘基文氏であるのは衆目の一致するところである。これで潘基文氏が政権から抜ければ、残り一年の盧武鉉政権の外交は破綻する公算が強い。韓国の外交が破綻することは日本、中国、北朝鮮にとって有益であり、米国にとっては既にどうでもよいことになり始めている。
 それを悟っているのか何なのか、潘基文氏も事務総長職に随分ご執心である。先だっては辞意を表明したとも伝えられているので、もしかしたら韓国(盧武鉉政権)を見限っているのかも知れない。
 だとしたらかなり不幸なことだ。

2006年9月9日(土曜日)
 6日、青森県むつ市の海自大湊基地に停泊していたミサイル艇3号が、誤って20mm機関砲の銃弾十発を陸上方向に発射したそうな。
 ミサイル艇3号は1号型ミサイル艇3番艇で、排水量は50トン。主武装として90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)ランチャーを4器積み、機関砲としてM61 20mmガトリング砲(所謂バルカン砲)を持つ。
 今回誤射した20mm機関砲はこのM61。
 使用弾丸はM50系20mm機関砲弾で、NATO表記では20mm×102(口径20mmで薬莢長が102mm)。初速はおおよそ1,030m/s。有効射程距離は2,000m程度。元は航空機搭載用として開発されたGE社のガトリング砲で、最大では毎分6,000発とかいう数値を叩き出すが、艦載用は毎分数百発程度に落とされている。
 1号型ミサイル艇って海自初の水中翼船で40kt以上の快速を誇るんだけど、結局荒海での運用に難があって、3 艇で生産が終了したといういわく付きの艇。イタリア海軍のスパルヴィエロ級ミサイル艇を元に設計したそうで、やはり地中海のようなヌルい海の海軍の艇は使えねーということですか。後継のはやぶさ型は反省を踏まえて、独自開発されることになりましたとさ。

1号型ミサイル艇
全長:21.8m
全幅:7.0m
深さ:3.5m
喫水:1.4m
排水量:50t
速力:46kt
SSM発射筒×4
20mm M61機関砲×1

はやぶさ型ミサイル艇
全長:50m
全幅:8.4m
深さ:4.2m
喫水:1.7m
排水量:200t
速力:44kt
OTO MELARA 62口径76mm単装砲×1
SSM連装発射筒×2
12.7mm M2機関銃×2

 ところで、このはやぶさ型ですが、不審船対策というのも途中で要求仕様に加えられたりしたわけですが、不審船に向かって76mmをぶっ放すのかと、少々訊いてみたいところがないでもない。
2006年9月2日(土曜日)
 内戦化が危惧されるイラクであるが、特効薬がある。
 要は宗教勢力を排除し、世俗派と呼ばれる宗教よりも社会や経済を大事にする派閥を国の中心に据えれば良い。
 で、そいつらに武力を持たせて宗教勢力を弾圧する。
 適任者はサダム・フセイン元大統領だ。彼は世俗派の代表だからな。

 つまり米国がやったことを御破算にすれば良いということだ。

2006年9月1日(金曜日)
 果たして北朝鮮は韓国にとって軍事的脅威か?
 ラムズフェルド米国防長官は8月27日に「北朝鮮は韓国にとって当面の軍事脅威ではない」と発言した。
 南北朝鮮の数字上の軍事力は以下の通り。(北は全て推計値)

《北》
陸軍:27箇師団/約100万人
海軍:約590隻/約10万3,000トン4.6万人
空軍:作戦機約580機/11万人
軍事支出:16億ドル

《南》
陸軍+海兵隊:3箇軍22箇師団+2箇師団/約59万人
海軍:3箇艦隊/約210隻/約14.8万トン/6.3万人
空軍:9箇戦闘航空団/作戦機約600機/6.5万人
軍事予算:184億ドル

 数字の上では北朝鮮も悪くない値になっているけど、軍事支出が16億ドルってところで底が知れる。特に金がかかる空軍・海軍に於いて、質で劣ることが予想できる。陸軍の数は確かに脅威なんだけど、制空権と制海権が韓国のものになるのは確実な状況で、2倍程度の数字がなんぼのものかと。人海戦術を取るなら 10倍位ないと駄目だろう。
 さらに現在韓国には在韓米軍が存在し、有事には韓国軍は在韓米軍指揮下に入り、全体として国連軍として機能する。指揮命令・情報伝達系統ならびに補給輸送に於いて世界最強の米軍のシステムをそのまま利用できるわけで、北朝鮮としては米軍と戦うのと大差がない。
 ちなみに米軍が“大損害”を蒙って撤退したソマリアPKO(映画「ブラックホーク・ダウン」で有名)であるが、米兵の死者18名に対し、500名以上(恐らく実際には1,000人以上)の敵兵を殺しており、キルレシオは1:25とかムチャクチャな数字。これで「敗北」とか言って撤退しちゃったんだから米軍はどうかしてる。そのまま戦力を投入してれば、ソマリアを無人の荒野にできたことは疑いない。
 話が脇道にそれたが、要するに米軍と民兵レベルの軍隊がぶつかり合うと、固定翼航空機と重火砲支援がない状態で1:25くらいの戦力比になる(最低でも)。半島戦線ではこれに固定翼航空機(対地攻撃機)と火砲/ロケットの支援が付く。さあ、キルレシオはどのくらいになるかな。米軍としては最前線に立つのは所詮韓国兵なので、犠牲を恐れず躊躇なく突撃命令が出せる。きっとさらに戦果が上がるだろう。
 ことほどかように、現時点で全く韓国+在韓米軍が敗北する要素はないわけだが、米軍が抜けた場合、韓国軍はどうなるだろうか。
 前述のように韓国軍は指揮命令・情報伝達系統ならびに補給輸送系をほぼ完全に米軍におんぶだっこしている。というか、韓国軍設立当初から米軍指揮下から脱したことがないため、ほぼ完全に、「米軍の傭兵部隊」的な構造になってしまっている。
 勿論それなりに努力して自立した軍隊を目指してはきたが、当たり前だが最前線でドンパチする兵隊よりも、後方のほうが金もかかれば時間もかかる。成果は目に見えにくいし、さらにいえば有事には米軍指揮下に入るのだから全く意味がない。それよりも北にいる100万の軍隊に備えるほうが重要だった。
 まずは正面装備。
 あらゆる軍隊における鉄則である。人間が衣食足りて礼節を知るように、軍隊は正面装備が揃って初めて指揮命令系まで考えられるようになる。まあ、普通の国だったらここまで軍隊が大きくなる前にある程度指揮系の整備を行っただろうが、韓国の場合米軍がいたのでその辺は後回しにされ続けた。しても問題ないことに力を注げるほど、韓国の国力にはゆとりはなかった。
 このまま予定通り2009年に戦時作戦権が韓国単独になれば、韓国軍は強力な軍隊を貧弱な頭脳で支えるという歪な形にならざるを得ない。哨戒体制の弱体化は参謀部や情報部の弱体化を招く。「効率の良い運用」は困難にならざるを得ない。
 じゃあ、効率の悪くなった韓国軍は北朝鮮人民軍より弱くなるのか?
 恐らくならない。
 少々作戦運用効率が落ちたところで、北に比べて高性能な武器を装備していることには変わりがなく、その数も基本的に北を圧倒している。北が民間人をも徴兵して人海戦術でも仕掛けてくればともかく、そうでなければ韓国軍が苦戦したとしても敗北すると考える軍人はいないだろう。
 早い話、38度線でぶつかり合えば、陸上戦力の潰しあいになったとしても、勝つのは韓国で間違いがない。違いがあるのは、どの程度の損害が韓国側に発生するか、勝利までの時間がどのくらいかかるか、その二点だろう。
 不確定要素としては中国とロシアの動きが挙げられようが、今さら中国が人民義勇軍を送り込んでくるかと言われると多分Noだろうし、ロシアが動くのは火事場泥棒狙いだろう。米軍が全面的に参戦して轟々と中朝国境を目指して進撃してくれば何か行動を起こすとは思えるが、そうでなければ恐らく静観するだろう。
 となれば益々韓国優位は揺るがず、むしろ米軍が参戦しないほうが全体としてのバランスは取れるくらいになる。日米露中4箇国で囲んだリングの中で存分に殺しあえ、というわけだ。
 韓国が真に憂うべきは、バランサー論の果てに自らが置かれてしまった立場だと思うわけだが、所詮隣国、それも仮想敵国の一介の歴史学徒の考察に過ぎない。

2006年8月27日(土曜日)
 連動。
 ああいうのをまさに「馬齢を重ねる」っていうんだろうなぁ。
 年齢を積み重ねていても、歴史を学ばなければ、愚かな過ちを繰り返す。亀の甲より年の功、なんて言うけれども、年の功より大切なものもあるんだわな。

2006年8月18日(金曜日)
 16日未明、根室湾中部漁協所属の日本漁船、第31吉進丸がロシア国境警備隊に拿捕される過程に於いて、射撃を喰らい、乗組員1名(盛田光広氏)が亡くなった。
 どこまでロシア側の主張が正確なのか分からないのだが、恐らく第31吉進丸が協定線のロシア側で密猟を行っていたのはほぼ間違いないと思われる。ロシア側が充分な警告を行ったのかどうかは不明だが、射撃は恐らく威嚇射撃(を意図したもの)であったとは信じられる。というか、日の出前の海上を走行するゴムボートから逃走を図る漁船に向かって手持ちのカラシニコフ小銃をぶっぱなして当たると考える方がどうかしている。それで当てられるなら、射手は今からでもスナイパー課程に入るべきだろう。
 ロシア側が発砲を早めた理由は、最近立て続いていた国境侵犯が絡んでいるのではないかと推測するわけだ。つまり、日本領に逃げ込まれると色々厄介なので、早い段階で射撃して停めようと思ったのだが、たまたまぶっ放した弾丸がラッキーショットしちゃったんじゃないかと。
 船長、実は密猟の前科持ちだし。

2006年8月15日(火曜日)
 別に良いじゃないか誰がどこに参拝しようと、信教の自由ってもんだ。

2006年8月11日(金曜日)
 韓国の戦時作戦権の“還收”問題で韓国が揉めていますなぁ。
 韓国にいる国連軍は在韓米軍総司令官が司令官になっており、韓国軍はこの国連軍に米韓連合軍として合流する。要するに有事になれば法的手続きだけで国連軍の一部として米軍指揮下に入るようになっている。
 これは朝鮮戦争時の韓国軍がまともに運用できる状態じゃなかったために取られた措置であり、現在も形を変えて有效である。なんせ軍の中心になるべき軍人は大日本帝国陸海軍の下級将校が精一杯(参謀総長蔡秉徳は元帝国陸軍少佐)、その上李承晩初代大統領はその軍を日本へ向けていた(実話)。対馬に攻め込もうなど、あまりの頭の悪さに米軍は韓国軍に重武装をさせることを躊躇ってしまい、結局の所それがソ連の後押しを受けた金氏朝鮮との軍事力の差となってしまった。
 結果として韓国軍は脳が足りないので、手足となって戦えということになってしまい、今でもそのままになっているわけだ。
 一時は平時の作戦権まで米国に握られていた韓国だったが(というか「休戦中」であって、戦争は一応継続中なんだがね)、段々と作戦権の返還を受けて、現在では有事が起きない限りは韓国の参謀本部に指揮が委ねられてはいる。
 しかし一朝ことあらば米軍下に入るというのは抑止力としてはかなり效果的で、集団的安全保障のイロハでもあるわけだ。賢い狐は虎の威を借る。
 平時の作戦権は間違いなくあり、有事に米軍指揮下に入るのは米国と利益を共有する限りに於いて韓国にとってより利益が大きい。
 これを現在“還收”しようとしているということは、論理的に韓国は米国と利益を共有しないと考えていると受け取られる。というか、韓国意外からはそういう風にしか見えない。米軍と安保条約を結んで米軍指揮下に入りたい国はあっても、それを忌避したい国は少ない。
 過去に感情に駆られて米軍と縁を切った国がある。フィリピンだ。彼らは米軍を撤收させた後、中国にミスチーフ環礁の一部を奪われてしまい、現在では米軍との協力を復活させている。高い授業料だったといえよう。
 韓国は北に金氏朝鮮、更にその向こうに中国という武鬪派の国家を持っていて、どう考えても地政学的にかなりヤバい位置にあり、米軍との協力を解消もしくは漸減させる合理的理由はない。更に言えば、日本自身にその気はないにしても、「日本が領土を狙っている」をいう妄想を抱いているのだから、米軍の存在はことさらに重要だろう。もし米韓連合が崩壊して日米安保だけが残った状態で、下手に日本と領土紛争など起こそうものなら、韓国としては中国に泣き付くしかなくなる。(もしそこで中国が日和ったら、韓国はお終いである)
 韓国軍に自国の軍隊を十全に運用する力があるのかというのも多少は問題になるが、この点については他国からすると余り問題にはならない。軍が弱体化することは、大抵の周辺国は喜ぶ。韓国の軍人からすると悪夢だろうが、それこそ我々の知ったことではない。米国が当初の韓国の主張である2021年を前倒しした2009年の作戦権返還を申し出ているのも、知ったことかと思っている可能性が高い。はっきり言えば、冷戦時代ほど韓国には地政学的価値はないのだ。むしろ韓国は米国に「見捨てないで」と泣き付く必要があるのだが、米軍再編は強大な陸上兵力を一過所に貼り付けておくことを忌避している。米国から見れば、日米司令部を座間に集約する日本が米軍の極東司令部として機能し、グアムやハワイが後方として機能するのであれば、第一撃目を喰らう可能性が極めて少ない日本に機能を集約するのが合理的なのだ。何しろ日本と米国は利益を共有する同盟国だ。米国から見れば、英国に次ぐ「52番目の州」であろうことは間違いない。
 極東ユーラシア大陸に於いて唯一の自由主義国である韓国は、本来であれば自らを守るために日本を押しのけてでも「52番目の州」の地位を確保すべきだったのだが、盧武鉉大統領にはそのような考えはなかったらしい。
 韓国の行く末がどうなるのか、隣国としてそれなりの興味はあるのだが、正直言うと「将来的仮想敵国」でしかなくなってしまっていると思う。

2006年8月7日(月曜日)
 なるほど。春暁/白樺ガス田で中国は譲歩する用意があるということか。だから靖国には参拝しないでくれ、と。
 ふん。外交的得失を考えれば、充分回避に値するねぇ。
 ちゃんと対価を払うだけ、中国の方が外交ってものをわかってる。

2006年8月1日(火曜日)
 米国で、在韓米軍撤退論などというものが囁かれているらしい。
 もしかしたら、北崩壊を既定路線として、米国と中国の間で、半島支配権について手打ちがあったのかもしれんね。
 この想像が正しいとすると、朝鮮・韓国両国民の立場の哀れさは、涙を誘うね。

2006年7月31日(月曜日)
 埼玉で起きたプール事故なんですが……あまり派手に報道しない方がいいと思うけど。
 多分、面白半分で排水溝の蓋を外したのは子供なんだろうから。

2006年7月27日(木曜日)
 坂村城直参旗本S.B.さん(仮名)談:「殿とは10年来の付き合いですが、こんな物分かりが良いのは初めてです。気味が悪い」
2006年7月26日(水曜日)
 主に自分向けのメモ。
 Windowsのコマンドプロンプトから、CUIプログラムを走らせる時に、start /bで起動させると、プログラムの終了を待たずにプロンプトに戻る。
 実際には、別プロセスでcmd.exeを立ち上げて、そっちでプログラムを走らせてるんだけど。
 startっててっきりGUIアプリの立ち上げ専用のコマンドだと思ってたよ。

2006年7月18日(火曜日)
 あちこちの新聞サイトに載っけられてたんだけど、南アフリカの男性が、次回のワールドカップ開催国である自国について、来るなら命懸けで、と訴えているサイト。
 http://www.crimexposouthafrica.co.za/
 正直裏でもリンク張るのはどうかと思った。
 日本ではまず見られない種類の他殺死体の写真がぞろぞろあったりするわけですが、南アフリカではこんな写真が出まわることが珍しくないのかね?

2006年7月17日(月曜日)
 個人的に、歴史学に於いては、5W1Hの中で、Howこそが最も重要だと考えている。
 ていうか、Whyなんて考えるだけ無駄。
 重要なのは、そこに至るメカニズムであって、それが何故行われたかではない。
 北のミサイルを考える時に、特に肝に銘じないといけないと思う。

2006年7月13日(木曜日)
 職場でちょっと「ジニ係数」の話が出て、その流れでこんな話が。
私「世界のジニ係数は0.7。これは15%の人口に富の85%が集中している状態です」
同僚「世界が100人の村だったらとか思いますね」
私「世界が100人の村だったら……次の日には人口が85人になって墓が15基できてるでしょうね。世界が100人の村でなくて良かった」

2006年7月9日(日曜日)
 他人事ながら、国連の事務総長は今頃大変だろうなぁ。
 中露が反対し続けて拒否権行使ということになれば、イラク以来の国連機能不全に陥りかねないもんな。
 日本は国連決議がなくても経済制裁を実行しかねんし、米国は基本的にそれを支持している。イギリス・フランスも、最低でも黙認するだろう。そうなると、国連は再び機能不全に陥り、イラク戦争以来努力し続けてきた「国連主導の世界秩序」が再び崩壊しかねない。それだけは何としてでも避けたい。
 とはいえ、ロシアと中国が拒否権を持っているのは動かしがたい現実で、一方で日本と米国が合せて42%以上の国連分担金を拠出しているわけで、特に日本は遅延も滞納もなく気前よくポンと出してくれるという点で、国連運営の生命線を握っていると言っていい。
 どちらの言い分により理があるかとは別に、国連としてはとにかく妥協点を摸索しないといけないわけだが、ロシアはともかく日本と中国は妥協する気が毛頭ないときた。
2006年7月6日(木曜日)
 なんかテポドン2の二発目を準備しているらしいが、巡航ミサイルでもあれば発射基地に雨霰と打ち込むところだな(笑)。

2006年7月5日(水曜日)
 平和運動は社会が平和でなければできない。

 実は金曜日の段階で、状況がかなり切迫してると、友人には言っていた。
 先月末にリムパックに参加していたイージス護衛艦きりしまを急遽呼び戻してたので、恐らく確度の高い情報として、発射されると自衛隊は踏んでいた筈。そして二次情報として、私たちは危機の接近を把握していた。
 というわけで、今日だったか、という驚きはあったけど、射ったかという驚きは特になかった。


2006年7月2日(日曜日)
 先日の続き、北から帰ってきた金英男氏の家族の会見なんぞ見て。
 家族は金英男氏を人質に取られた形になって、強硬な発言ができなくなってしまっていたね。もう完全完璧に北側の圧勝。韓国の外交ってなんなんだろうねぇ……。わざとやってるんだとしたら、それはそれで凄いと思うけど。