哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2015年3月分

Caution!

このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、パーソナルメディア社、並びにYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2015年3月1日(日曜日)
 風雨が激しく、一日家にお籠り。

 28日に、ロシアで野党指導者が射殺されたそうな。
 ロシアでは帝政時代からよくあること、と言ってしまえばそこまでだが、政治家やらジャーナリストやらが頻繁に殺されたり行方不明になったりするのは、やはりマトモな国とは言えないのではなかろうか。
 プーチン大統領は自ら陣頭指揮を取って犯人を捜すとぶち上げているようだが、果たして何が出てくるのやら。蜥蜴の尻尾ではないのか?との思いは深い。
 しかしこうして考えてみると、帝政ロシアがソビエトになり、共和制になっても、国の体質ってやつは変わらんものなんだなぁ……。
 正に「政治は文化」である。


2015年3月3日(火曜日)
 3月2日が終わった0時15分に丸ノ内線池袋駅に集合して、深夜作業。
 とはいえ、私の出番は最後なのでずっと待機……。電気の工事が終わって、JRがクローズして、床にボルトが打ち込まれ、フレームが組み立てられ……。ようやく3時近くになって出番。
 そしてあっという間に終わる作業。
 かくしてサイネージは設置された……。
 帰宅したのは午前4時。
 眠気をこらえてそのまま出社……。

2015年3月4日(水曜日)
 なんか中国から「尖閣諸島問題・・・「日本の一方的な排他的管理を打破する」と中国軍副参謀総長」とかいう記事が流れてきたんですが、これ、現状は日本が実効支配していることを認めた上の発言ですよね? つまり、武力によってこれを変更しようという試みを明確にしたという点で、国際社会から見ると相当アレな発言なんですが、よろしいんでしょうか。
 いやまあ、中国に武力行使の意志があることは全く疑っていませんが、ここまで露骨に発露するとはねぇ……。
 当面、軍拡を続けないといけないでしょうなぁ……。

2015年3月5日(木曜日)
 日経に「国際商標、漢字・ひらがなもOK ブランド守りやすく」という記事があって、本紙の記事を読むと5年かけて制度改革を進めることにアジア・中東諸国が賛同しているらしい。
 とすると、広義のアジア地域に存在する多くの書記系がサポートされることになり、非常に助かる面もあるだろう……日本の商標を中国で勝手に登録されたり、といった事例では。
 一方で、登録DBとその処理を考えると死にたくなりますけど。
 きっと世界の頭の良い人たちが解決してくれるでしょう。(放擲)

2015年3月6日(金曜日)
 日経BPに「「少年事件は楽に数字を取れる」が招いたこと」という対談記事があって、この中で報道に関わる当事者が少年事件の減少と相反する報道の増加を指摘していて、非常に珍しい視点だと思った。

少年による殺人事件は8分の1以下に減少

川名:先ほど昔の方が少年事件は多かったとおっしゃいましたが、僕も調べてみたんです。
 警察庁の資料に「凶悪犯罪の検挙人員の推移」が載っています。統計にある1949年から2013年のうち、殺人で検挙された刑法犯少年(刑法犯の罪を犯した犯罪少年で、犯行時及び処理時の年齢がともに14歳以上20歳未満の少年をいう)の人数が最も多かったのは1951年の443人。池上さんが生まれた翌年です。そのころは1日に少年が1人以上、殺人で捕まっていた計算になります。最新データが2013年ですが、52人。なんと8分の1以下になったんですね。

池上:そう、激減したんですよね。

川名:1950年から1970年までの20年間が、殺人事件で検挙された少年が3ケタの時代です。少年犯罪が凶悪だったのは、池上さんが20歳になるまでの時代なんですよね。

池上:私は1980年からNHKの社会部記者として、警視庁の捜査一課を担当していました。捜査一課は殺人事件を扱うんだけど、殺人事件のニュースを書いても全国ニュースにならないんです。たいていがローカルニュースで終わる。珍しくないからですよ。
 ところが、だんだん殺人事件が減ってくると、逆に珍しいからニュース価値が上がる。それに加えて、民放のニュース番組やワイドショーが出てきたことが大きいです。
 こういう言い方は語弊があるかもしれないけれど、殺人事件の報道が実は一番ラクなんです。なぜなら、殺人事件が起こると警察が発表してくれるから。現場に行けばパトカーがいて、「絵になる」映像がとれる。リポーターが近所の人にマイクを向けて「怖いですね」と言ってもらえば一丁上がり。安易に数分間の映像ができちゃうわけです。これが捜査二課が扱う汚職事件とかだと、いくら取材しても報道できるか分からないリスクがある。

 統計上凶悪犯罪が減り、少年犯罪も減っているのは事実です。しかし、なぜか「体感治安」だけは悪化しており、その原因が報道に求められているところです。
 これは少年事件だけではなく飮酒運転でも同様で、統計的な事実に基づかない処罰感情の高まりというのは、傍から見ていると非常に気持ち悪いものです。
 有り体に言えば「誘導されている」ということになります。もちろん、報道機関が何らかの意図を持って世論を誘導しているとは思っていません。彼ら自身も自らの笛で踊っているのでしょうから。
 ただ、正直言えば、そんな報道機関には存在価値などないと思いますけどもね。

2015年3月7日(土曜日)
 雨降りの土曜日。
 ちょっとお出かけして所要を済ませ、食材を買い込む。
 その後は読書をして過ごす。問題は、500pもある文庫を手に持つのが嫌になっていることだな……げに技術の進歩とは罪深い。かくも人を墮落させる。

2015年3月8日(日曜日)
 本日もまったりと過ごす。
 本当は、撮り溜めたテレビ番組を消費したかったんだが……。

2015年3月9日(月曜日)
 ドイツのメルケル首相が来日して講演したそうで、ドイツが欧州で和解を進められたのは「ドイツが過去ときちんと向き合ったからだ。隣国(フランス)の寛容さもあった」と述べた。と仰ったそうな。細かい分析は講演全文が公開されてからにしようと思うのですが、ドイツやフランスがきちんと過去と向き合ったかと言われると、歴史屋としては鼻で笑うところですよね。
 戦後現れたより巨大な敵と相対するために、西欧は“共通の歴史”をでっち上げて他に全部蓋をした。さふして〝彼〟は全ての罪を背負つて十字架に架けられたのだ(笑)。
 そんなわけで、欧州社会における〝歴史〟には様々な地雷が未だに埋まっており、過去にこの日記でも取り上げた通り、「清廉潔白な国防軍」とかヴィシー政権下での対独協力(含ユダヤ人狩り)を隠蔽するレジスタンス神話とか、占領下オランダにおけるアンネの日記とか、まあ、触れると火傷じゃ済まないようなネタが山ほどあります。
 私に言わせれば、ナチズムへの徹底した処罰を行い、現在もなお反ナチ法で言論を縛り上げている一方で、〝免責されし者達〟については不可触とされる状態が健全であるとは思いません。それは政治的産物です。
 だから私はこう言います。「歴史と向き合うことは彼らにも難しいのだ」と。

2015年3月10日(火曜日)
 昨日のメルケル独首相の講演全文があったので、リンク。
 ところで、メルケル首相に「国際法に反してクリミア半島を併合し、ウクライナ東部での分離主義者を支持することによって、ロシアは、94年の「ブダペスト覚書」で明確に認めた領土の一体性を守るという義務をないがしろにしました。ウクライナは、他の国々と同様、完全な主権に基づいて自らの道を決定する権利を持っているのです。私は日本政府が同じ立場を共有し、必然的な回答として経済制裁をともに科していることに感謝しています。」と言われている最中に我が国の元首相閣下はクリミア入りしたらしい
 いい加減どうにかしろよ、あれ。

2015年3月11日(水曜日)
 さて、クリミアに入った鳩山元首相ですが、「クリミアの住民自身がロシアへの帰属を望んだ」などとかっ飛ばしておられるようであります。
 そんなことは百も承知の上で、国際社会はクリミアのロシア編入を認めていないのだということを、この人の肩の上に附属している器官は認知できないようです。
 勿論住民の意思は重要なのですが、それだけで国境線の変更を認められるなら、ズデーテンには何の問題もなく、近年でもカタルーニャの独立は認められることになります。
 それでは済まないからこそ、東ティモールにしろ南スーダンにしろ、国際社会が一致協力して舞台を整えてからやるわけです。それをやらずに武力でやらかしたからロシアは批判されているわけです。
 元首相が言うように、ただ現地住民の意思だけで独立なり帰属変更なりができるようになれば、世界はより混沌とし、武力衝突が相次ぐことになるのは言うまでもありません。
 鳩山元首相のパスポートは返納を命じるべきであると信じる次第であります。

2015年3月12日(木曜日)
 EUでは死刑廃止が原則になっていて、さらに死刑存置国に対して死刑相当の犯人の引渡拒否などを行っているわけですが、その一環として死刑に用いられる薬剤の対米輸出を止めたところ……。
 ユタ州では元々死刑に際して絞首刑と銃殺刑のどちらかを死刑囚が選択できたそうなんですが、2004年からは薬殺に限定されるようになったそうです。ただし、それ以前に死刑判決を受けたものは、相変わらず銃殺を選ぶ権利があるらしく、最近では2010年に銃殺刑を希望した死刑囚がいたそうな。
 で、欧州からの薬剤供給が途絶えたことから、銃殺を選択肢に入れようと……。
 うーむ。まあ、選択肢が示されることは人道的…なのかな……?

2015年3月13日(金曜日)
 「フランス語保護政策、反英語から歓迎に方針転換……?
 噓だッ!!! 噓に決まってる!
 フランスが……フランスが……フランス語の汚染を許容するはずがない!
 どんなにおかしな日本語系の単語が増えても、英語とだけは永遠に相容れない姿勢を貫く。それこそがフランス語の矜持ではなかったのか。
 アカデミー・フランセーズの逆襲に期待したい。超期待したい。

2015年3月14日(土曜日)
 ちょっとだけ会社行って仕事。
 来週はまだ夜間作業あるし、面倒だのう……。

2015年3月15日(日曜日)
 昨日から何やらkindleの調子が悪く、度々バッテリ警告が出る。ほぼ満充電状態の筈なのだが……。過充電か? 向きを変えると警告が出たりするので、H/W的な問題か……。
 こういった端末の寿命ってどのくらいなのかね。まさか3箇月ってことはないと思うわけだけど。

2015年3月16日(月曜日)
 ロシアのクリミア併合について、「ロシア大統領 クリミア併合で核兵器準備を指示と、軍事力を用いた併合であることを隠しもしなくなった模様。少なくともこれまでは、表面だけでも取り繕っていたんですけどねぇ……。
 大凡予想されていた通り、ロシアは第3次世界大戦も辞さない覚悟で事に臨んでおり、全面戦争を覚悟しない限りロシアの侵攻を止めることはできないってことですね。
 これ、凄く嫌な話で、言ってしまえば危機を利用したチキンゲームなわけです。いつでも戦争OKな国と、戦争が非常に高コストで簡単には選択できない国が衝突した場合、前者が圧倒的に有利になります。
 これは日本も人事じゃなくて、日本の周囲には人命が非常に廉く、民主的ではない国が存在し、武力を以って国境の変更を企図しているわけです。で、こういう連中に対して融和的な態度を取れば、当然より多くのものを要求されることになるわけです。
 ミュンヘン会談は、戦争を抑止しなかったのですよ。

2015年3月17日(火曜日)
 段々とアニメなんだか現実なんだか分からなくなりつつあるような気もする昨今ですが、日本ロボット研究の雄・早稲田大学から「稲田大、レーザーで岩石も切断可能な災害救助ロボを開発」というネタが。
 なんかどっかの特撮戦隊物に出てきそーな格好をしておりますが。
 そういえばDARPA ROBOTICS CHALLENGEのファイナルステージは、全25チーム中5チームが日本チームらしい……。
 最初は軍事研究ということで東大からスピンオフしたSCHAFTが参加したりと話題を提供しましたが、後に制限が緩められたりしたため、日本から駆け込みエントリが相次いだ模様。最終的にGoogleに買われていったSHCAFTはいい面の皮だよな……。
 それはともかく、かつては趣味性が高かったロボット開発も、震災以降実用面での開発が多くなったようで何よりです。お金が出るって良いことですよね。

2015年3月18日(水曜日)
 なんか今年の夏にWindows 10が出てしまうらしく、8/8.1は自宅では使わず仕舞いになりそうで有難い。
 いや、仕事では使ってるんだけどね……。
 ユーザ・インタフェース(シェル)を除いたOSとしては結構高く評価してるんだけど、とにかくUIがクソ過ぎて話にならないというか。
 そういえば最近、Windows PowerShellが面白そうだなぁとか思ってるんだけど、今更ながら、これ上手く使えばAWKの代わりできるんじゃね?とか。Windowsに標準で付いてくるCUIシェルでAWK的なことができると、出先とかで色々と便利になるよなぁとか思って、少しずつ勉強中。

2015年3月19日(木曜日)
 チュニジアの首都チュニスの博物館で武装した二人組による銃撃事件があり、日本人を含む観光客多数が犠牲になった
 悲劇的な事件なのですが、当初から日本人のことばかりが報道され、事件の全容に関する情報が殆ど伝えられないのはどういうことか。職場では「日本人が狙い撃ちにされた」と勘違いしている人までいた。
 報道が犠牲者のプライバシーを暴き立てようとするのは最早様式美としても、何を伝えるべきかについて思考停止しているんじゃないかと疑わしいところ。

2015年3月20日(金曜日)
 夜間作業明け。
 昨夜の夜間作業は、前回より多少短い時間で終わったが、それでも2時間以上かかったからなぁ……。
 短い睡眠をとって会社行って、眠気を抱えながら仕事……。

2015年3月21日(土曜日)
 祝日らしい。
 図書館に本を返しに行き、郵便局では支払いを済ませる。
 明日は休日出勤。

2015年3月22日(日曜日)
 日曜出勤したのに予定の作業が終わらなかったんですよ……。
 俺のせいじゃないけど……。
 というか俺の出番が来る前にTime-upになってしまったという……。
 つまり、日を改めてもう一度行かねばならんということであり……。

2015年3月23日(月曜日)
 李光耀逝去の報あり。
 シンガポールの言語政策(+民族政策)については過去にも書いたことがあるが、苛烈の一言です。正直、よくもまああんなことができたものだと、感心する他ない。
 1965年にマラヤ連邦から追い出される形で独立した時、李光耀は国の未来を憂いて涙を流したそうな。東京23区程度しかない面積に4つの民族で計150万人がそれぞれコミュニティを作って割拠していた当時に、今日のシンガポールを想像することは不可能であったことでしょう。
 それを一党独裁の強権によって轢き潰し、撹拌し、圧殺し、国の発展のために資源を集中的に注ぎ込み、独立捜査機関を作ってまで汚職を追及し、経済的繁栄を第一目標に邁進し、これを達成することに成功しました。
 勿論その間に失ったものも決して小さいとは思わないのですが、概ね国民の不満は低く抑えられており、成功した国と言って良いのではないでしょうかね。
 シンガポールが失ったもの(或いは未だに手に入れていないもの)として自由や民主主義がありますが、今後のシンガポールにおいてこれらが従前通り「経済発展のために犠牲となるもの」として保留され続けるのか、あるいは段階的に国民に対して提供されていくのか、興味深く見守っていきたいところです。

 Wiredに「NASA、飛行機の翼に18基のプロペラを付けてみた」とかいう記事が。
 電気駆動の飛行機は徐々に増えつつあるものの、現時点では動力グライダーに近いものしかありません。ハイブリッド車が横行する自動車界に比べると、航空機はパワー・ウェイトレシオ(出力重量比)の制約が厳しい分だけ、実用に困難があります。
 プロペラ機に電気駆動を適用するメリットは、電気モータのトルク可変で回転数可変な特性を利用して、可変ピッチプロペラを廃せる可能性が挙げられます。また、エンジンほどの大きさも重さもない上に燃料配管等も要らないので、確かにこの記事に書かれているように、小型のプロペラユニットを多数設置するなどというこれまでにない設計が可能になる可能性はあるでしょう……が、これは何なんでしょうかねぇ。
 プロペラ後流を直接翼に当ててコアンダ效果を狙っているように思えるのですが、これが実用化したら、実に珍妙で面白いでしょうなぁ……。

 朝日新聞ネタなんですが、「被害女性が手記「まさか発砲するとは」 チュニジア襲撃」の件について。

■取材の経緯、説明します 朝日新聞国際報道部長・石合力
 今回の事件で犠牲になられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、結城さんをはじめ負傷された方々の一日も早い快復をお祈りします。
 手記の中で結城法子さんが朝日新聞記者の対応について触れられた部分について経緯を説明します。
 事件取材では、何が起きたかを報じる上で、公的な発表だけでなく、当事者への取材が欠かせません。
 記者は負傷した方々の容体や事件当時の状況を取材するため、発生翌日の19日午後(日本時間同日夜)、チュニス市内の病院を訪れました。
 救急部門の責任者の医師に朝日新聞の記者であると告げ、取材したところ、結城さんについて「軽傷なので病室に行くといい。インタビューできると思う」との説明を受けました。結城さんのインタビューがすでにテレビで報じられていたこともあり、取材可能だと受け止めました。
 病室の前までは、病棟の警備担当者の先導を受けました。病室前にいた日本人男性が「大使館です」と答えたため、記者だと名乗った上で「取材をさせてほしい」と伝えましたが、「できない」「だめだ」と断られました。
 「医師からの了解はもらった」と説明しても対応は変わらず、「結城さんご本人やご家族が断るならわかるが、あなたが決める権利はないですよね」と聞いたところ、「私は邦人を保護するのが仕事です」との返答でした。
 こうした対応が結城さんの意向を受けたものか分からなかったため、「ご本人に聞いてみてほしい」と、しばらくやりとりを繰り返した後、大使館員は結城さんの病室に向かいました。警備担当者に「後にした方がいい」と促されたため、記者はこの時点で取材はできないと判断し、病棟を退出しました。
 今回、記者は医師の了解を得るなどの手続きを踏みました。大使館員とのやりとりについて、記者には大声を出したつもりはありませんでしたが、手記の中で「どなっている声が聞こえ、ショックでした」と記されていることを重く受け止め、結城さんにおわびします。
 当事者への取材にあたっては、十分な配慮をしながら、丁寧な取材をこころがけたいと思います。
 正直私には被害者の氏名を顕示しての報道に何の意味があるのかよく分かりませんし、事件報道において被害者やその家族、遺族に取材をする必然性もあまり感じていません。これがある程度時間を置いた後のルポルタージュであるというならば、当然のように必要性を感じるのですが、日々大量の記事を生産しては消費していく新聞という媒体においてその必要性があるとは、信じきれていません。
 たとえば、避難誘導に問題はなかったのかとか、事前に兆候を知ることはできなかったのか、治安組織側の対応は適切だったのか、といった優先的に報じるべき情報は多岐に亘り、被害者の証言はせいぜい最初の一回を代表取材すれば済む話でしかありません。(本来的には検証が必要だし)
 この記事から分かることは、朝日新聞は「何を伝えるべきか」「読者にとって有益な情報とはなにか」といった観点を持っていることに合理的な疑いがかけられるというこではないかと思う次第。

2015年3月24日(火曜日)
 フランスで、独ジャーマンウィングスのGWI9525便(A320-211 / エンジン:CFM56 / バルセロナ発デュッセルドルフ行)が墜落したそうな
 出発後30分で急に高度を落として墜落ということで、メーデー等の発信もなかったらしく、現時点では原因も定かではない模様。
 A320はファミリー全体で6,500機、A320だけでも4,000機近く製造されているベストセラー機なので、確率的に落ちるのは仕方ないんだけど、こんな奇妙な落ち方をする機体という印象はないんだよねぇ……。
 事故ならともかく、犯罪じゃないといいなぁ……。

2015年3月25日(水曜日)
 先日話題になった米ユタ州での銃殺刑復活ですが、本決まりになったそうで。
 まあ、他所の国のことなので基本的には好きにすれば良いのではないでしょうかという話なのですが、このニュースを追っていて面白いな、と思ったのは、日本語の「銃殺」に該当する英単語がないらしいことですね。「Execution by firing squad」(発砲小隊による執行)、「Execution by shooting」(射撃による執行)、「Firing squad for Execution」(執行のための発砲小隊)などなど、数語からなる複合語でしか表現していない。
 もしかしたら何かしらの規制に引っかかって「使えない単語」になっている可能性も考えたのですが、どうもそうではない様子。
 言語構造上の問題だろうけど、こういう場面に遭遇するからこそ、他言語って面白いよね。

2015年3月26日(木曜日)
 やや旧聞に属しますが、内閣が「少子化社会対策大綱」なるものを定めたというので、ちょっと興味がてら斜め読みしてみたんですよ。
 ……。現状把握と原因分析が充分じゃないのに方針と方策だけは立派に存在する「大綱」って、どう贔屓目に見ても結果が出るとは思い難いのですが……。
 少子化が進行しているのは事実ですし、その対策が求められていることは疑いないのですが、その原因や機序を充分に考究せずに「対策」が立てられているという、極めて謎めいた大綱です。結果として、結婚→出産→子育て、という“標準モデル”を政府が後押しする、という結論になってしまっています。
 実際のところ先進国では、出生率が上がると婚外子が増加する傾向があるので、日本でも結婚を前提としない出産を区別せずに支援することが必要になるのは傾向からして避けられないと思うのですが、大綱では全くと言っていいほど触れられていません。というか、この大綱にひたすら「結婚」という文字が出てくるあたりで「お察し」。
 もっと言えば、子供を求める人が躊躇を抱かなくて良いように環境を整えるのが重要なので、不妊治療は現在認められていない範囲まで踏み込んで考えるべきだし、養子についても手厚くこれを援助することが望ましい。同性カップルでも子育ての意思と能力があるなら、子供を育てられるようにするのが施策には求められます。
 必要とされるのは「明確な目的のためにあらゆる手段を取り揃える」ことですが、目的が明確ではないのか、手段が制約されているのか、私個人としてはこの大綱が結果を齎すとは思えないのですよね。

2015年3月27日(金曜日)
 朝イチで池袋で現場作業。日曜日の残り。

 犯罪じゃないといいなぁなんて書いてたら、どうも本当に副操縦士の故意による墜落という話になってきて、なんともはや……と。
 事実だとすると後味の悪いことこの上ないわけですが、過去にもまあ、操縦者が発狂して墜落という事例がなかったわけでもなく。
 ただまあ、なんてこった、と。


2015年3月28日(土曜日)
 桜がほぼ満開なので花見に行きたかったのだけど、果たせず。
 所要をこなして本を買いに行って、ちょっと職場に行って終わる。
 最近は電子書籍で買うことが多くなって、紙の書籍を買いに行く頻度も落ちていたのだけど、電子書籍化されていない(もしくは手がけていない出版社の)本は已む方なく紙で購入している。
 でも紙の本の方が読む速度遅いなだよな……。

2015年3月29日(日曜日)
 なんとか本を読んで過ごす……が、読んでる最中に本を増やすのは良くない気がする。
 AozoraEpub3なんかを使って変換したEpubからmobiに変換するとファイルサイズがやたらと増えるんだけど、KindleはEpubを直接読めるようにはならんものか……。
 あと、出来がイマイチ気に入らないのでEpubファイルに直接手を入れるようになってさらに泥沼に填っていく……。

2015年3月30日(月曜日)
 職場での音楽聞き用にMDR-7506を擁しているのですが、音楽ならともかくテープ起こしには些か不便な面もあったので、RP-HGS10Wを導入してみました。なかなか良い感じですね。特に外の音が聞こえるのが良いですわ。電話が鳴ってもこれなら対応できる。
 少々音漏れがあるようなのが難点ですが……。
 ところでこの商品なんですが、不思議なことにpanasonic.jp内に商品情報がないんですよね。元々海外専売品だったのが、ランナー人気から国内に入ってきたものらしく。
 しかし、これで音楽を聴くのはちょっと……と思うわけですが、どうなんだろう? 聞けないことはないけど、AMラジオくらいの音質だっぺや?

2015年3月31日(火曜日)
 「岩波書店の歴史的名著41作品をKindle本化、一律300円で販売開始」とあって、「満洲問題」と「帝国主義下の台湾」辺りはほしいなぁ、と思ったんですよ。で、サンプルがダウンロード可能だっったので見てみたら……全部画像じゃねーか……。
 国会図書館近デジの画像そのまんまじゃーっ。
 それなら近デジからkindai.rb使って画像をダウンロードしてImageMagick使ってぶった切ってPDFファイルにするくらいならワシでもできるわい。
 フルテキスト化されてるものだとばっかり思ったらば、大変残念な出来栄えでありましたよ。
 まあ、300円の値段相応ってことなんでしょう……。