哀愁日記
底に哀はあるの。

もしくは、

「常識日記 文科系的日常」


西紀2004年5月分

Caution!
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守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2004年5月1日(土曜日)
 原稿プロセッサ届いたのでちと触ってみるふーん……。やっぱターゲットがよくわかんないよなぁ、これ。
 日常的な使い勝手では、基本文書エディタの方が圧倒的に上だね。本当に長文書いて推敲するにしても、アイデアプロセッサみたいな支援機能もないから、枚数が増えると分量把握すんのも大変そう。
 ちょっと驚いたのはルビを打てないこと。大返しを実装する前にルビやれよ、とか思った。
 うーん……。
 XHTMLへの書き出し機能をつかってWin側の組版アプリとどのくらい連係できるか、なぁ……?
 人柱趣味の人とか、お布施と割り切れる人以外にはお薦めできませんなぁ。

2004年5月2日(日曜日)
 昨日はたっぷり14時間も寝てたんですが、今日は朝から活動開始です。

 で、まず映画。朝一で「KILL BILL vol.2」を鑑賞。
 あー……なんと感想を申し上げたものか。
 ある意味、現在のハリウッドのあり方に眞っ向から叛旗を翻すような作品でしたなぁ。カスタマープレビューの感想なんか聞く耳持たん! 上映館の都合なんざ知ったこっちゃねー! 俺がカントクだ文句なんか言わせねー!って吠えまくって、何というか紙一重の芸術家が100畳敷きの巨大キャンパスに絵具プチ撒けたら「KILL BILL」になりました、って感じ。
 個人的感想として、充分に面白かったです。ああいう形でしか生きられない壊れた人間って絶対いるんですよ。ただ、最近の「美しい死」だとか「カッコイイ死」といったものとは正反対というか痛くてグロくて生々しい死への苦痛の描写には拒絶反応を起こす方も居られるかと思います。でもそれも生死の眞実ではあるわけです。人は死よりも死に至る苦痛をより恐れるのです。
 故にピカレスク・ロマンはかくあらねばならぬ、という美学が感じられる作品です。

 映画を堪能した後、科学未来館の「PlayStationと科学」展へ。新旧様々なPlayStation、PlayStation2の基盤やら何やら一杯転がっていた他、SCEIの人によるPlayStation2分解解説講座など、盛沢山でした。
 富士重工製のGTシミュレータなんぞも置いてあったり。あのサイズなら、地方の一軒家なら置けるんじゃないかなぁ。値段はともかく、米国なら一般ご家庭に売れるとみた!(笑)

 「PlayStationと科学」展を見ながら思ったんですが、某Intelの次期主力プロセッサなんかで、VPU(ベクトル演算プロセッサ)積んだりしませんかね? 別にPentiumでなくて、Athlonでもいいんですが。
 というのも、昨今のCPUの処理速度って通常の使用においてどっちが速いの遅いのという話をぶっちぎっていて、速度差を出すためにはポリゴンガリガリな3Dゲームか、さもなくば動画の圧縮でもするしかない。
 しかしこういうポリゴン計算だとか動画圧縮だとかって、行列演算にしやすい計算なわけじゃないですか。であれば、SSEやら3D Now!やらよる特殊命令の付加よりも、IBMPowerPCチップみたいにVPUを積んじゃった方が(ベクトル演算をやってる分には)性能は上がるんじゃなかろうか、と。
 個人的には、パソコンのCPUの性能を測るのにベクトル演算ってのはどうよ?とか思いますが、顧客に対する訴求力ではなかなかのものではないでしょうか(笑)。もっとも、私が思い付くくらいなので、Intelの中の人が思い付かないとは思いませんから、きっともう検討はされているんでしょうねぇ……。


2004年5月3日(月曜日)
 黄金週間も折り返し地点を過ぎて、一部ではUターンラッシュも始まっているようですが、私は人気の薄くなった東京でまったり。

 中東の方は、どうやって收拾付けるんだろうか?と酒飲んで寝てしまいたいような状態に陥っておりますが、真面目な話、米英政府はどうするつもりなんでしょう。日本も悪い意味で一蓮托生なので心配ですよ。
 イスラエルの方でも与党内でガザ撤退方針が否定されてみたりと、先行きの不透明感は増す一方。
 いつまでも米国べったりでやっていけるわけはないとわかっているとは思うけど、果たしてその次を見据えた議論って尽くされているでしょうかと思う憲法記念日でした。

 色んな組織の内部文書がファイル共有ソフト・Winnyで流れ出て話題になっておりますが、なんというか、きちんとした原因の究明と再発防止対策って行われるんでしょうか。組織改革が必要な話だと思うのですが。
 被害例を見ていると、Winnyを狙ったウィルス類の被害もありますが、単にwinnyの設定を間違えたというのも多そう。
 正論からいくと、職場に私物のPCを持ち込んでデータ持ち帰った挙げ句winnyを走らせるのは論外って辺りになるでしょうが、じゃあなんでそんな論外状態がまかり通るのよ、って所に目を遣らないと、恐らく今後も同種の問題は起こり続けると思います。
 当たり前の話ですが、私物のパソコンを職場に持ち込むってのは、「持ち込まざるを得ない」状況があるからで、京都府警も防衛庁も、私物PCの利用を許可していたんです。マトモな管理体制上から考えれば、止めてくれな話ですが、これを認めざるをえないというのは、PCがなけりゃ仕事にならないのに充分な質・量のPCが準備できない現実が背景にあります。
 そんでデータを家に持ち帰るのは、定時に終わらないくらいの仕事があるのに残業はできない、させられない、サービス残業もやっちゃだめという「過酷な労働条件」があるからで、これで終いに文書が漏洩しましたと言われても、しない方が奇蹟じゃないかと言う気がしますな。
 役所の上級管理職ってのは実行不可能な命令を出しても咎められることがないという特権階級らしく、しかもただでさえ少ないリソースを食い潰す傾向も見られます。全員に行き渡らない貴重なPCの中から一番速いマシンを自分が占有してるくせにロクに使いこなせないなどという例は、何故か「よくあること」のようです。こんな状況の中、給料も権限もない下っ端が私費で購入したマシンを職場に持ち込み、データを持ち出し、終いにゃ流出して責任をとらされるってのは、どう考えても理不尽だと思うのですがどうなんでしょうか。上級職こそ、給料一杯貰ってんだから、私費でマシン用意しろよとか思いますけど。
 セキュリティ関連の問題ってのは、実施可能な対策を費用対効果の中で行うことが大切です。セキュリティレベルを上げようとして実現不能な対策を実施すれば、運用段階で回避策がとられて骨拔きになりますし、費用対効果を考えなければ利潤以上の費用がかかったりします。同じことで、現在の状況に即した程度の対策しかとらないのであれば、今後もこのような問題は続くでしょうし、現状を変えるつもりであれば相当な覚悟で臨む必要があるでしょうね。


2004年5月4日(火曜日)
 コミティアにサークル参加……だったのですが、なんとサークル代表者が日付を間違えてイベントをすっぽかすという大波乱。
 とても活動10年目のサークルには思えませんね(爆)。
 今回の個人的ヒットは不気味社の「豪快ナ超兄貴」ですかね。いやもう、説明不要ですが、男性混成合唱、しかもアカペラでアレ歌うんですよ。脳味噌直撃です(笑)。
2004年5月5日(水曜日)
 連休最終日だというのに、風邪ひいてしまいました……(阿呆)。

 先日の日記で「IBMのPowerPCチップ」と書いたら、きさらちゃんから「MotorolaPowerPCチップが先だ!」とお叱りを受けてしまいました。Velocity Engine搭載は7400からだと知ってはいたけど現用の中心はG5だからいっかと思ったりしたんだけど……。
 駄目ですか?そうですか。

 これが最後になればいいと思いますが、昨年来、ずっと追いかけてきたアイレディース宮殿黒川温泉ホテルによるハンセン氏病元患者宿泊拒否問題ですが、明日付けで閉館となるそうです。親会社プレスリリースによると閉館の手続きが終了し次第建物を取り壊すということなんですが……それのどこが謝罪なん?
 熊本日日新聞記事によれば、総支配人は転勤が内定、一部幹部社員を除く従業員は全員解雇とあって、実はこれって体のいいリストラじゃないの、とか思ってしまいますよ。
 会社側の言動に、全く妥当性を感じないまま終わってしまいそうです。恐らくどこかからルポルタージュが出版されることになると思うのですが……読む価値があるものになるだろうか。


2004年5月6日(木曜日)
 車輪脱落事故の裁判を端緒に始まった三菱自工のリコール隠し問題ですが、かつての雪印を見るかのような有り様ですね。
 っていうか、マトモな経営者なら、あの時の雪印を他山之石としたと思うのですが、三菱自工は違ったんですね。
 捕まった連中は自業自得ですが、社員の人は可哀想にとしか言い様ないね〜。
 最近そういう話多いけど。

2004年5月7日(金曜日)
 この日記での言及は避けてきたのですが、国民年金未納問題で福田官房長官が辞めはるそうな。民主党の菅さんも辞めろコールが巻き起こっているようで。
 私ゃ政争の道具としての年金問題には全く興味がないんですが、言わせてもらいますとね、国民全体で未納率37%とか言ってるなかで、收めていない国会議員がいたからなんだってのよ(笑)。極端に未納率に違いがない限りは問題ないんじゃない?
 払っているべきだというのは確かだけどね、でも1/3以上の国民が收めていないような、言わば崩壊の危機に瀕しているような制度にしがみついている連中ばかりが国会議員だったら、それもまた異様なことだと思うよ。
 そういうわけで、今回の問題を政争の道具として用いた菅さん達に対して、福田さんが見事な返し技を決めた、ってところですかね。
 それから、年金問題そのものについて言えば、私は政治問題ではなく数学や工学に分類されるべき問題でしかないと思っているので、既にああやって議論すること自体がナンセンスだと思ってます。

 新聞報道で自衛隊統幕の改革案を見ました。
 今よりはよっぽどマシになるとは思うのですが、頭を潰された時の生存性や行動性、分遣統合部隊の指揮運用など、まだまだ今後経験を積んで研究を進めないといけない分野があるように思います。
 米軍みたいなとんでもない制度なんてのは不可能にしても、自衛隊の活動範囲・活動分野が広まる以上、指揮運用体制も相応なものにしていかねばなりませんからね。
 報道によれば、統合幕僚監部の構成は、人員約650人。現在の統合幕僚会議が350人規模ですから、ほぼ倍増ですな。総務約70名、統合情報部約100名、作戦部約130名、後方補給部約60名、防衛計画部約60名、通信電子部約230名という編成だそうです。個人的には後方補給部が他の部署に比べて少ないように感じます。作戦域が広くなればその分兵站への負担は増えるわけで、昨今の多方面への国際派遣を考えると、もう少し兵站部門を強化しても悪くないかな、とは思います。
 しかしこのような参謀部門の強化や、兵站部門の強化は外国から見れば嫌らしい話です。実兵力に対して余裕のある参謀部門を持つことは、有事における急速な軍の増強を可能としますし、兵站部門に於いても同様です。この両者は軍隊における言わば脳・神経と血管にあたるためこれらに余裕があるということは、敵味方から重視されます。
 自衛隊には自衛隊の思惑があると思いますが、政治家さんたちがどの程度そのことについて説明責任を果たしているかと言われると、甚だ心許ないのですよ。

 なんかイスラエルから、米軍との共同開発で、Mobile Tactical High Energy Laser (MTHEL)とかいうレーザー砲で大口径ロケット弾の迎撃に成功したなんて恐ろしげなニュースが入ってるなぁ……。やだなぁ


2004年5月8日(土曜日)
 皿を割ってしまって鬱。
 昔、図書館情報大学で同期だった松澤くんがつくばを出るに当たって譲り受けた深皿で、結構お気に入りだった……上に、中に料理が入った状態だったので余計悲惨。
 一日出かける予定を全部キャンセルするくらいに精神的打撃だった。
 料理で汚れた床を綺麗にするのって……悲しい。

 Sioさん日記で「2009 ロストメモリーズ」に触れていたので、ちょっとネタに。
 映画は「1909年、伊藤博文暗殺失敗」「太平洋戦争日本勝利」「朝鮮は日本の領土」という設定で話が進むらしいんですが(映画は観てません)、突っ込み所満載ですよね(笑)。っつーか、特に最初の「1909年、伊藤博文暗殺失敗」って辺りが韓国人らしいというか。
 伊藤博文は日本政界きっての反併合派でしたから、安重根による暗殺は、どちらかというと韓国併合を加速させたと言えます。時間の問題だったでしょうが。
 この辺りの認識の落差ってのは喜劇的ですよねぇ。
 まあ、韓国で安重根は英雄ですので、英雄行為が即ち自らの首を絞めたとは教えにくいのかもしれませんけども。


2004年5月9日(日曜日)
 家の契約更新に出かける。実は職場の近くなので、平日でも行けそうだったかも。

 契約更新を終えた後、秋葉へ移動してぶらぶらとウィンドウ・ショッピング。なんか祭りらしく、神輿が出ていた。
 秋葉原で気に入ったのは、AntecAriaっていうMicro ATXが入るキューブ型ケース。噂になってはいたので気にしていたのだけど、実物を見てこれはいい!と感嘆。どうしてこれまでこんなケースを作るメーカがなかったんだろうってくらい。
 ただ、人気の品で品簿らしく、今週再入荷予定まで現品状態らしい。
 ふみふみ。
 あとはメモリの値段などをざっと流しておく。

 秋葉原へ出たついでに(?)CDショップへ入って最近街で良く聞く曲を探してみた。
 さて、アーティストと曲名が判明してブツを手にとって眺めてみると、それはCDではなく、CDモドキの銀の円盤だった。「このCDはコピーコントロールCDです」ってのは論理破綻した再回帰文だよな。だってそもそもそれってCDじゃないわけで(笑)。
 自宅でリッピングしてCD-DAに焼き直しても良かったんだけど、どうしてもそれだけの価値を見出せず、結局買わずに帰った。
 音が良いとか悪いとかではなくて、消費者をナメくさった音楽出版社の態度が気に入らない。

 昨夜のNHK BSドキュメンタリー「中国・有人宇宙飛行への軌跡」は非常に面白かった。
 松浦晋也さんの記事などで、必ずしもソユーズのコピーとは言えないとは聞いていたけれど、確かに中国の有人飛行には、50年近くに及ぶ基礎から積み上げた研究開発による基底があるのだとよく分かった。
 単純に日本が後追いをする必要はないと思うが、ただ、招来を見据えた技術の蓄積を考えれば、単独ではなく、周辺諸国との協力で有人宇宙飛行を目指すのはおかしくないと思う。
 問題は周辺諸国との協力、なんだよなぁ。
 隣国はアレだし、台湾もアレだし、国内には軍事転用がどうこうとか言い出す奴いるし……。


2004年5月10日(月曜日) Part 1
 え? Winnyの作者「47氏」が逮捕されたんですか? 著作権法違反幇助容疑?!
 京都府警の逆恨みじゃねーの?

2004年5月10日(月曜日) Part 2
 今日のネットニュースは、上から下まで、47氏逮捕!でしたね。
 ファイル共有ソフト・Winnyの作者47氏の逮捕はそれだけ大きな衝撃をもって迎えられたわけですが、個人的にはこの逮捕には賛同できません。
 47氏の開発動機ならびにWinnyの実際の使途は、常識的に考えて違法なものですが、だからといって直接違法行為を行うわけではないソフトウェアの開発者を逮捕するのは、牽強付会が過ぎると思います。
 47氏をここで幇助犯として逮捕するならば、同様にしてWinnyの利用を散々煽りたてたネットランナー以下の雑誌類も教唆犯として摘発が必要でしょう。それだけではなく、向後新たにWinnyを使った著作権法違反が摘発される度に再逮捕を繰り返さねばならなくなります。Winny上を流れる全ての違法コンテンツに対し彼を幇助犯として設定するのは、些か無理があります。
 かつてのFile RogueやNapstarが違法とされたのは、違法性のある行為を主たるサービスとして暗黙に提供し、その管理性・利益性が会社側にあると認められたことにあります。しかしWinnyの場合、管理性についてこれを問うことはまず不可能です。一度Winnyネットワークに流れ出てしまえば、最早誰の管理を受けることもなく、ファイルの回收は二度と不可能です。フリーウェアなので利益性も言うまでもないですな。
 これを幇助犯と看做した場合、47氏は全てのWinny上の著作権法違反に対しての幇助を問われることになり、幾ら刑法の幇助犯は解釈に幅をもたせてあるにしても、些か行きすぎのきらいがあります。一歩間違えば、リッピングソフトやらバックアップツールやらディスクアナライザやらの製作者が全て、「その結果生じた著作権侵害についての幇助」を問われかねません。
 警察は強力な“容疑”を手に入れて、それを恣意的に使うでしょうよ。
 とにかく、今は裁判を待つのみです。

2004年5月11日(火曜日)
 東京は今年最初の真夏日とかで、いやはや、暑うございました。

 SOFTBANKの孫社長、Winny作者・47氏逮捕について、「逮捕は当然、同情の余地はない」とコメントしはったそうな。
 で、彼の会社から出てるネットランナーなんて雑誌では「悪用厳禁」とか掲げながらWinnyの使い方を懇切丁寧に解説してたりするわけだ。
 こういうのを、天に唾吐く行為というのではないかと思う次第。
[後日注]上の孫正義氏の発言は、ガセだという情報もあります。ウラ取ってませんので、都市伝説の可能性あり。

 なぜ今頃映画化


2004年5月12日(水曜日) part 1
 Winny Tipsという、Winnyの使い方を説明したサイトの運営者も、著作権法違反幇助容疑で家宅捜索を受けていると共同通信が伝えています。
 ちょっとこれは冗談じゃないぞ。
 いくらなんでもやりすぎだ。

2004年5月12日(水曜日) part 2
 Nicholas Berg氏の処刑映像を観ました。
 一応解説しておくと、イラクで4月9日に連絡を絶ち、アル・カイダ系と見られる組織に囚われていたフィラデルフィア出身のNicholas Berg氏は、5月8日に首のない死体として発見されました。で、11日、web上にその処刑シーンが公開された……と。
 悲鳴を上げるBerg氏の首を大振りのナイフでザクザクと斬るんですが……正直、画質悪いなぁと。
 手持ちの資料によると、斬首された人間の頭部は、切り離された後、25〜30秒程度、呼び掛けなどに反応するそうです。1905年6月28日にギロチンで処刑されたHenri Languilleという死刑囚で行われた実験によれば、斬首後、はっきりと観察者Dr. Jacques Beaurieuxの呼び掛けに応答したそうな。
 というわけで、多少期待があったりしたわけです。概ね、世間的には悪趣味と言われるでしょうが……。
 「斬首」と聞いたので、あの中東の特徴的な曲刀・サイフか、象眼が美しいクファンジャル辺りでやるのかと思ってたら、ナイフ(あるいは包丁か)だったあたりもちょっとがっかり。

 刃物の話題が出たので、ついでに。
 先週、タオさんから「トリビアの泉で日本刀対ピストルというのをやっていた。5m離れた所から45口径の銃で日本刀の刀身に向けて撃ったら弾丸が真っ二つに 日本刀には刃こぼれなし」と聞かされた。
 それを聞いて、確か隨分前の月刊Gunで同じような実験やってたぞ、と記憶が反応した。で、バックナンバーを調べてみたら、1981年3月号でした。
 当時米国在住だったナイフ製作者小田久山氏の作ったナイフにS&W M10 4inchから.38 Special 158gr ラウンドノーズ弾を射ち込んで、弾丸が真っ二つになるという高速度撮影写真が載ってます。
 この時のナイフを制作した小田久山氏、確か10年くらい前に帰国して、日本刀の刀鍛冶の修行に入ったと記憶していたのだが、今どうしてるのかな〜と思って検索かけてみてびっくり。
 その番組で使った日本刀って、小田久山作の日本刀だったんですね(爆)。
 なんかそれって出来レースみたいな話だなぁ。


2004年5月13日(木曜日)
 かなり久しぶりに、シューレの学生ゼミへ参加した。

 ミツルんblog de omoi○で紹介されていた「あなたがつぶやく最期の言葉」をやってみた。

あなたがつぶやく最期の言葉は つぼは花瓶にも骨壷にもなるよ です。
走りすぎ、過呼吸をこじらせ、死亡。(推定年齢:不明)
あなたの総合運
★★★★
新しい物好きのあなたは、メールマガジンを購読したり、雑誌には欠かさず目を通したりと、情報収集にも余念がありません。そんなあなたの情報処理能力が買われて、あなたは周囲から何かと頼りにされることが多いことでしょう。現状のことに飽き足らず、常に何かを求め走りつづけているあなたが満足を覚える日はいったいいつのことやら。
そんなあなたが探し当てたものは、最期の言葉『つぼは花瓶にも骨壷にもなるよ』です。走りっぱなしのあなたは、実は地球を一周していたのでした!? バトン代わりのつぼが最期にはあなたの骨つぼに。そして、めぐりめぐって輪廻転生、つぼには花が活けられ、誰かに笑顏をもたらすでしょう。
あなたの仕事運
★★★
情報収集に長けているあなたは、うまい話の側にいることも多いようです。これといって何かしているわけではないのですが、同僚からは『仕事のできるやつ』と羨ましがられる存在であることでしょう。しかし、うまいことはそんなに長続きはしません。努力する者は報われる、です。あなたが努力を惜しまなければ、その密やかな努力がやがて、あなたにとっての真の糧となることでしょう。
あなたの金銭運
★★★★★
つい、こまごまとお金を使ってしまうあなた。しかし、大きな買い物には慎重なので、知らず知らずの内にお金は貯まっていることでしょう。あなた自身、それほどお金に困ることはありませが、貯蓄に関心のないせいか、自分にはお金がないと思い込みがちです。将来を意識し、貯蓄運用に励みば、ますます安泰となることでしょう。
あなたの恋愛運
★★
新しい物好きのあなたは、新しい出会いにも積極的だったりします。しかし、あれもこれもと、焦点が定まらず、せっかくの出会いもふいにしがち。時には地に足のついた行動で一人、一人、じっくりとつき合ってみては。その人の新しい一面に、うちのめされる衝撃を味わうことになるでしょう。
ラッキーワード
『長いものには巻かれたフリをしろ!』
 (酒の席で後輩に対する説教として使うとラッキー度、更にアップ!)
 いかにも私の言いそうな言葉ではあるな(笑)。
 無常でありながら侘び寂びがあって、決して広くは容れられない……そんな印象のある言葉だと思った。

2004年5月14日(金曜日)
 先月、「このライトノベルがすごい」を紹介しましたが、関連企画で「ラノすご どれだけ読んだかにゃ?」というのがあったのでやってみましたです。
 ピックアップされた183冊中、とりあえず読んだ本だけで、116冊でした。買ったけどまだ読んでない本を合わせると130冊を超えます(笑)。ここに挙がってる本の大体2/3は読んだということですかね……。多いのやら少ないのやら。

 首相がまた北の国へ行くそうで。
 基本的には正解だと思います。あの国は良くも悪くも独裁国家で、官僚と折衝するより親愛なる指導者同志に一声お願いした方が交渉が早く進むでしょう。日本から見れば首相のスタンドプレーに見えるかもしれませんが、相手に合わせた交渉方法ってものはあると思います。
 拉致被害者問題については、基本的に日本側が後手に回った挙げ句、情に流されて禍根を残す判断を繰り返したための現状ですので、行政の長が出向くのも致し方ありますまい。

 そう言えば南のお国は、大統領の弾劾が否決されて、職務復帰となったようで、なにより。
 この一連の手続きが民主的に遂行されたことに、心から拍手したいと思います。


2004年5月15日(土曜日)
 昨日買ってきた「ラスト・サムライ」のDVDの特典メイキングを観始めたら止まらなくなってそのまま本編まで観てしまいましたよ。

 Winny問題について。Winnyの作者・47氏こと金子勇氏の友人による支援サイトへのリンクを貼っておきます。とりあえず義援金などの振込先があります。
 私の立場は非常に複雑ですが、Winnyの使われ方の正邪はともかく、「I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it」(私はあなたの意見に反対するが、あなたがそれを言う権利は死んでも守るだろう)って所です。
 今回の問題は幾つかの複数の問題に切りわけなければいけませんが、私が特に気にしているのは、「幇助」という名目でどこまで司法警察の手が伸びるのか分からない社会は困る、という点です。コンピュータに深い関りを持って暮らしている人は、恐らく私を含めて、家宅捜索などを受ければ、容疑者ではなかったとしても、別件で逮捕されそうなネタの一つや二つ、きっと出てくるでしょう。それについては「違法なことしてるんだから自業自得だ」と言われても釈明できないのですが(笑)、狡い言い方をさせてもらえば、それって横断歩道の信号無視や自動車の速度超過と同じような話だよと。
 ないと社会を円滑に動かすことができない類の違反なんですよ。(=全部取り締まると社会が円滑に動作しなくなる)
 コピープロテクトに詳しい人間が、どうやってそんな知識や技術を身につけると思ってるんですか(苦笑)。でもそれで悪事を働こうという意思はないんです。
 空手の有段者は傷害事件の予備軍ではないでしょ? 鍵屋さんはピッキングできますけど逮捕されないでしょ。その技術を持っているだけとか、そのための知識や手段を用意している人間も、やっぱり予備軍でもなければ幇助犯でもないとして欲しいのです。
 社会に向かって明確に害を働かないかぎり、見過ごしてもらいたいんですよ。時には役に立つからさ。
 自己弁護で見苦しいんだけど。

 ネットエージェントからWinny検知システムが出ています。匿名性を盾に悪いことしてる人は震え上がってちょ。


2004年5月16日(日曜日)
 弟の引っ越しの手伝い。
 前夜なぜか突然イトノ氏が来襲していたのだが、さっさと朝飯を食って出かける。
 で、あとは搬入、開梱、整理が延々ン時間。その後買い物に出かけ、帰ってきて組み立てて……あっという間に日が暮れた。
 とりあえず次の目標として、弟の家まで自転車で行く計画を立ててみよう。

2004年5月17日(月曜日)
 法務省法制審議会人名用漢字部会の審議会情報(第1回第2回)について、議事録が公開されてなくて一体どういう議論がなされているのかと興味を持っている人間としては勘繰りたくなったりするところ。
 その議事録について法務省に問い合わせていたのですが、現在作業中との回答を頂きました。できるだけ会議後1箇月を目処に作業をしているとのことなのですが、追い付いていないということのようです。
 てっきり「とても公開できないような審議内容」なのだとばっかり思ってました。

 先日の「ラノすご どれだけ読んだかにゃ?」なんですが、100冊以上って人は、相当少ないようですね……っつーか、50冊を超えている人も少ないように見えるんですけど……(^^;。
 100冊というのは、今のところこの方しか見つけらんない。あ、この人私の作品の読者だ(爆)。


2004年5月18日(火曜日)
 音楽出版物(概ねCDのこと)について、輸入権を設定すべく法改正が進行中ですが、そのことについてコメントしたいと思いつつ、時間がなかなか取れません。
 大雑把なところは「私たち音楽関係者は、著作権法改定による輸入CD規制に反対します」とか「海外盤CD輸入禁止に反対する」を読んでもらうとして、ざっくばらんに言うと消費者から選択の自由を奪おうという話です。
 海賊盤CDを取り締まろうというならまだしも、正規にライセンスされた海外盤を規制する必要性が、私には理解できません。著作者を手厚く保護することに基本的に異存はないのですが、これが著作者保護に繋がるようには思えません。
 私はそもそもDVDのリージョンコードにすら反対の立場ですので、還流CDが日本国内に流れ込んで来ることを喜びこそすれ、忌避する気持ちは全くありませんでした。ましてやそれを規制しようなどと思いもよりませんでした。
 その上海外盤全てが対象になりかねないとなれば、洋楽好きな人にはたまったものではないでしょう。
 有識の方に聞きたいのですがね、中国や韓国で日本より遙かに廉い値段で売られている日本人アーティストの楽曲を、なぜ日本人は高い金を払って、しかもCCCDとかいう再生保証の得られない銀の円盤で買ったりせにゃならんのですかね? その正当性ってどこにあるんですかね?
 それって、作品を不当に高い価格で売りつけられているのと違いますかね?
 少し考えりゃおかしいって思いますよ。ミリオンセラーのCDも、マイナー新人のデビュー盤も値段が一緒なんて、変でしょう。「ラスト・サムライ」のDVDが2,500円でお釣りがくるのに、街で流れている歌のCCCDが3,000円とか値段がついて、同じ店で一緒に売ってりゃ、そりゃぁあんた、価値ってものを考えますわな。Amazonをちょっと覗けば、北米版の日本アニメが、日本の半額程度で売っている。国内版は阿呆らしくて買ってられないという人も出るでしょう。
 文化の発展に寄与するための法律なのであって、中間業者が肥え太るための法律じゃないよな。利用者あっての著作物なのですから、利用者の権利ももっと保護されてしかるべきでしょう。

2004年5月19日(水曜日)
 旧暦もいよいよ卯月。

 先日法務省法制審議会人名用漢字部会の議事録が公開されていないとケチを付けたらば、今日第1回の議事録が公開になっていました。
 いやぁ、言ってみるもんだな(違)。
 それはともかく、読んでみたのですよ、議事録。
 ……。
 いやー、あっはっは。
 関らんでおこうと思いました。
 私も不本意ながらこの関係の問題に関って長いわけで、議事を見て「百年一日の如し」とか思うわけです。経済産業省でも文部科学省でも法務省でも総務省でも情報処理学会でも、なんでこうも似たような議論が繰り返されるんでしょうかね。
 かといって画期的な解決策、なんてものは存在しないし、これまでの施策により定まった過去もある。なかなかに自縄自縛な状況と言えるでしょうか。私だったら、「戸籍簿の人名による人定」をそもそも放棄しましょうや、とか言い出しそうだしね〜。
 戸籍って結構不合理なシステムですので、変更も視野に入れて考えたいな、と。


2004年5月20日(木曜日)part 1
 宇都宮市で5月18日に発生した拳銃籠城事件は、44時間に亘る籠城の末、20日朝5時に警察の強硬突入が行われ、犯人男女の自殺という形で終演した。
 当初から、家宅捜索に入ろうとした神奈川県警の不手際が取り沙汰されておりましたが、警察庁長官が捜査の経緯を検証する必要がある旨、公言したそうです。
 今のところ報道によれば、神奈川県警は、犯人が過去にも同様の立てこもり事件を起こしていることを知らなかった、知人女性が在宅であったことに気付かなかった、などとなっています。
 この他にも、突入時期ならびに突入方法は適切だったのかも検証せねばならないでしょうね。
 個人的には、犯人を射殺したのであればまだマシだったと思うのですよ。形はどうあれ、今回の一件は犯人を捕り逃してしまったんです。おまけにどんな関係があったのか、直接関係のない女性まで死なせてしまうし。
 いつぞやのロシアの件ではありませんが、催涙ガス/催眠ガスで無力化してから突入するとか他に方法があったのではないかと、どうしても考えてしまいます。

 毎年定例なのですが、JASRAC平成15年度の使用料等徴収額の発表がありました。ここ数年で最高額の徴收額(多分過去最高)だったわけですが、細目を見るとやはり音楽著作権の置かれている状況はかなり良いと思わざるを得ませんね。前年比でプラスの会計が出せる会社が、今の日本にどのくらいあると思っているのやら……。
 最近話題のレコード收入については、確かに前年比91.6%で落ち込んではいるのですが、録音全体では102.6%ですから、これはもう「CDが売れていない」のであって、録音使用、ひいては楽曲の使用そのものが減っているわけではないわけですから、産業構造の変化だと受け止めるしかないでしょうね。屁理屈こねれば、「音楽産業全体が微増傾向にあるのに、CDの売上だけが伸びないのは海賊盤のせいだ!」ってことになるんでしょうか? 私にはそうは思えませんけども。CCCDの効果もないようですしねぇ。私的録音補償金が減ってるってことは、CD-RやMDの売上も落ちてるんでしょうから、一体どこら辺に海賊行為の証拠を捜せば良いのか、困惑しきりです。
 それともう一点、外国入金録音も減っていますので、還流CD問題も「狼が来た!」なのではないかと疑わしいと思います。還流CDが国内CDの売上に打撃を与えるほどなのであれば、外国入金録音は相応に上昇すると考えられますが、現実には減っているわけですからね。

 そのJASRACさんですが、Winny作者・47氏逮捕については「ソフトに罪はないが、その行為が違法であれば処罰されるべき」「Winnyはピストル。犯罪行為が立件されるならという前提がつくが、京都府警の対応は支持する」とか発言したそうですな。
 おお、そーかい。
 で、「金子勇氏を支援する会」のWebサイトが立ち上がりましたのでリンクします。私もささやかながら義援金として送金させてもらいました。
 そういえば拘置事由開示では神田大助裁判官によると「著作権侵害のまん延を知りながらソフトのバージョンアップを繰り返した行為などに、罪証隠滅の故意性が認められる」んだそうですが、そのWinnyが作者不在でバージョンアップされましたなぁ……。
 この後継者の人も逮捕されるんですかね?(されなきゃ法の平等の下に問題が出よう)

 ところで、アメリカからは「CDを多く買う人間程、(合法)ダウンロード販売や(違法)ファイル共有に手を出している」なんていう報告が上がってきてます。
 音楽の価値を知っている人は、(違法に)無料で手に入る環境にあったとしても、対価を払うってことなんでしょうね……。これを見る限り、違法ファイル共有ユーザなどを攻撃することは、比較的有望な購入者をマイナス方向に刺戟することになるように思えます。


2004年5月20日(木曜日)part 2
 書き漏らしがあったので、追補。
 今日のNHKクローズアップ現代は「ICタグが暮らしを変える」というお題で、坂村先生が出てましたね。なんかもう、国谷キャスターがやんわりと割り込むまで喋りっぱなしで、実に「らしい」感じでした。人間大学の方はかなり抑え気味でしたからねぇ。
 内容的には目新しいことは何も無くて、つまんないっちゃつまんない内容だったんだけど。
 個人的な関係としては、蔵書整理にICタグ使えないかなぁとは思ってるんだよね。なにせ、何冊あるのか自分自身把握していない上に今後減る予定もないので、いい加減機械的に蔵書管理ができないものかと思っているんですよここ何年か。
 しかしデータ入力の手間を考えると、諸手を挙げて万歳するしかないのも確かでしてね……。

2004年5月21日(金曜日)
 夢路行全集(全25巻予定)の第1期3巻が出てたので確保。今月はこれに「あの山越えて」の4巻が出る。うわっ。月に4冊だよ! 信じられな〜い。
 きづきあきらの新刊「ヨイコノミライ」とか、鶴田謙二の画集とか、なにか切れたように買いまくってしまった。

 買ったからには読まねばならぬ。
 以下、日記を書く時間を読書時間に充当することに(笑)。


2004年5月22日(土曜日)
 昨日書かなかったのですが、願い虚しく、アイレディース宮殿黒川温泉ホテルによるハンセン氏病元患者宿泊拒否問題について。
 ホテルの廃業に伴って解雇通知を受けた従業員の組合が、熊本地裁に地位保全と賃金の仮払いの仮処分を申請するんだそうです。また組合は団体交渉を求めているのですが、社長が出席しないと言っているとか。
 いくらなんでも無茶苦茶なんだよ、この会社とホテル……。

 今日は朝一で、「文字の文字」平野甲賀と字游工房展へ。物欲を押さえるのが大変だったです。

 その後、東京都写真美術館へ移動し、「アフガン零年(原題「オサマ」)を鑑賞。
 「タリバン政権下のアフガンの一齣」なのだが……深くは追及すまい。

 そして日比谷線で秋葉へ移動。ケースを中心に店頭品なんぞをつらつらと見て歩く。
 最近、メインマシンが熱警告で自動シャットダウンすること2回という状況なので、いい加減ケース変えないとまずいんだよなぁ……(^^;

 そういえばエプソンから「ビジネスフルキーボード」なんてものが出たようですが、まだ現物は拝んでいません。
 静電容量方式ということは、Realforceと同じ方式ですね。テンキー側の工夫が凄いようです。
 しかし、重さ2kgで値段が68,000円ですか……。久しぶりにこんな値段のK/B見たよ。

 「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案」を読んで。
 本格的に、この国から脱出することでも考えた方が良いのかもしれないと思いました。特に第6条の2とか(爆)。
 これまで以上に、「コンテンツ事業者」つまり「著作権の運用で金稼ぐ人」を優遇し、統制するための法律のように、私には見えます。実際の著作者や制作現場の人がこれで何か報われることってあるんでしょうかね。
 個人的には、そろそろ技術進歩に照らして、著作者や制作現場をより手厚く保護する方に移らないとまずいんじゃないの、とは思いますけど。
 しかし、どんどん暮らしにくくなるな、この国も。

 明日はぶんぶん


2004年5月23日(日曜日)
 即売会ぶんぶん。編集がなってない本が多くて苦痛だった……。

 昨日紹介したエプソンの「ビジネスフルキーボード」ですが、エプソン販売の方にページがありました
 なんていうか……うーん。趣味だ(笑)。特に矢印キーの配置なんかはノスタルジィを感じますよ。
 テンキーの方が16進入力に対応してたら、もっと嬉しかったんですがねぇ……。

 北の国からの拉致被害者家族の「帰国」について、『拉致の応酬』という言葉が頭を過りました。埒もない。
 ドナドナドーナード〜ナ〜……。


2004年5月24日(月曜日)
 「神保町へ行けば、それはきっと売っている……
 という精霊の言葉を聞いて(嘘)、仕事帰りに確保してきました「エマ」第4巻(森薫著)。公式発売日なんて知ったことかーっ(笑)。
 なお、「地元の本屋ぢゃ売ってねーんだよ!」とかいう苦情は受け付けません。

 読売新聞に「金メダリストの“卵”発掘へ、一流選手の遺伝子分析」なんて記事があって、ほほう、と。
 その是非はともかく、スポーツの世界で「素質」と言われるものを科学的に検証しようというのは、あっても良い試みでしょう。それによって人間の選別とか阿呆なことを始めたりしなければね。
 素質はそれなりに重要だとは思うけど、意欲や努力も同じくらい重要だと思うよ。その「素質」が決め手になるところって、物凄く低いところか、物凄く高いところかのどちらかのような気がする。
 私に言わせると遺伝子診断も(性格の)適性検査も大差なくてね、その結果を信じるも良し、逆らうも良しってもんでしょ。所詮可能性の話なんだから。その可能性を結果に結び付けるには、やっぱり努力と意欲と、さらにプラス運が必要でしょうから。


2004年5月25日(火曜日)
 とういわけで、今日は「あの山越えて」の4巻をGet。

 18日にあった、Winny作者・47氏の勾留理由開示の傍聴記録(メモ)がこちらにあったのでつらつらと眺めてみたのですが……この裁判官、本当にちゃんと自分で判断したのかね? 判断できないから取り敢えず勾留しとけって感じで決定したんじゃないだろうなぁ。
 裁判員法が先日可決成立しましたが、法律自体にはまだ議論の余地が残るとしても、それでも、法曹以外の人間が裁判に関ることが、今の司法には必要だと私は思っています。流れがないと、瀞の水は淀んで腐臭を放ちますからね。

 6月1日かぁ。行けへんな。


2004年5月26日(水曜日)
 三菱ふそうがまた新たなリコールを国土交通省に届けたとニュースになっていましたね。
 もちろん三菱自工のやったことは論外です。それは大前提として、話を先に進めます。
 リコール隠しといえば、97年に富士重工が行政処分を受けたことが記憶に新しいところです。今回の三菱の一件よりも前の話ではありますが、こうなってくるといくつか気になることが出てきます。
 一つには、自動車メーカは、致命的なリコールは隠す性向があるのではないかということ。これは国内9社のうち2社が同様の行動を採ったことからして、否定しきれない所があります。つまり、三菱自工ばかりの問題ではなく、他社も同様の問題を社内に抱えているのではないかとの嫌疑をかけたくなる(心理的に)わけです。
 そしてもう一つ、行政はこの件についてほぼ無力であることが露呈してしまっていることです。勿論リコール隠しは論外ですが、しかしかつて富士重工が隠し、三菱自工が隠し、再び三菱自工が隠していたことが発覚したこの間、国土交通省が無為無策だったとは思いませんが、その成果は全く顕れていないように見えます。
 有り体に言えば、仕事になっていないわけです。
 今日のNHKのニュースで国土交通省の担当者が、届け出がなければ何もできないようなことを言っていたので驚いたのですよ。国土交通省(旧運輸省)は型式審査を行う行政権限を持っており、同時に設計・製造上の不備や欠陥を指摘する責任を負っている筈です。型式審査を素通りして、その上事故の多発にも気付かず、メーカから提出されたデータも自力で解析できないような連中に許認可権なんざ持たせておいても、有害無益だと思いますが、その点について検討は加えられるんでしょうかね。
 繰り返しますが、メーカの責任は明白です。
 しかし同時に、それらを看過した行政の責任もまた問われるべきでしょう。

 行政の不手際と言えば、アル・カイダ関連組織のテロリストが一年ほども日本に滞在して活動していたらしいとかいう件。この国のテロ対策とやらの効能は、鰯の頭並みのようですな。この国がテロの被害を免れていられるのは、どうやらその社会の閉鎖性のためらしい(苦笑)。
 やれやれ。


2004年5月27日(木曜日)
 ACCSのサイトをクラックしたとして、不正アクセス禁止法違反容疑で逮捕・起訴されているOffice氏ですが、初公判で無罪を主張したそうですね。
 法廷戦術としては間違っていないと思いますし、できれば不正アクセス禁止法では無罪になって欲しいものです。
 不正アクセス禁止法は充分な対策がとられた電算機への侵入について適用されるものであって、言わばザル状態だったサーバへのPOST直打ちだのが違反とされてしまっては、法律が恐くてURLの直打ちもできなくなるよ(笑)。
 遵守することが困難な法律が恣意的に運用されることほど恐ろしいものはないからねぇ。

 アブ・グレイブ刑務所などでの收容者虐待に絡んで、米国防総省は米軍兵士がデジカメ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯のイラクで使用することを禁じたそうな
 要するに、撮影機材を持ち込むなということですな。
 そんでもってそのアブ・グレイブ刑務所は取り壊しが決定して、そこには米国の手によって民主的な刑務所が建てられるらしい。その理由がまたイカしてて、「アブ・グレイブ刑務所はフセイン政権下のテロリズムの象徴であり、イラク国民が嫌っているから」なんだそうだ。
 言葉通りならなんて素敵なことなんでしょうと感涙に咽びそうですが、どう考えてもこれって証拠隠滅だよなぁ……。


2004年5月28日(金曜日)
 朝からニュースで日本人ジャーナリストが襲撃を受けて殺害されたらしいとの報道で一色。そして、襲われたジャーナリストが橋田氏と聞いて、驚いた。日本人戦場ジャーナリストとしては、ベトナム以来活躍している古株の人だ。まだ遺体の身許確認は終わっていないが、恐らく間違いないだろう。
 テレビに映る夫人の表情と言葉が、心に響く。
 戦場を対象とするジャーナリストである以上、いずれありうることではあったが、残念だ。

 いい加減無能な占領統治当局をどうにかしないといけないような気がしてきましたよ。
 国連は米国に対し統治能力の欠如を事由に撤退を勧告してもいいくらいですよ、今の状況って。治安は悪くなる一方だし、各国から来ている軍・民双方の被害は増え続けている。民兵組織との交戦は激化している。
 このままだと、遠からず無政府状態に陥るんじゃないですかね。
 刑務所なんか壊してる場合じゃねぇってよ。

 RIAJから「(株)グローバルジャパン名による「損害賠償請求」ハガキについて」という報道発表が出ています。読んでの通りで、いやはや、最近の著作権は殆ど詐欺の手管になっとりますね。実際の著作権団体と、やってることに大差がないって辺りが実に示唆的ですけども。

 明日はNHK技研行きの予定。


2004年5月29日(土曜日)
 朝からNHK放送技術研究所の一般公開へ行ってきました。今年は展示が例年より少なく、午後には観終わってしまいました。
 何箇所かで説明員を捕まえて隨分突っ込んだ話をさせていただきましたが、やはりNHKの著作権についての姿勢には賛同できないものを感じてしまいます。
 BBC緩やかなライセンスで利用を促進しようとしているのとは逆ですな。勿論両者の間には組織の違いや考え方の違い、所属する国の著作権法の違いなどがあることは分かっていますが、それでもどちらがよりユーザフレンドリなのかと考えたくなります。

 法務省法制審議会人名用漢字部会で審議中の人名漢字について、580字追加の方針と報道がありました。
 580字というのはこれまでの字数(含む許容字体)を一気に倍増させる数です。一体どういう審議が行われた挙げ句の決定なのか非常に興味がありますが、今の状態だと意見公募(?)と議事公開がどちらが先になるか分かったもんじゃありませんねぇ。
 個人的には、戸籍制度そのものをいい加減問い直すべき時期ではないかという気がしますが。


2004年5月30日(日曜日)
 午後から川口に出かけて、6月から9月にかけてのスケジュールを確認……したら、なんかむっちゃ詰まってやんの(苦笑)。
 仕事がなくなると忙しくなるというのは、何故か以前にも経験したことがあるような気がする。
 謎だ。
 もしかしたら社会学上特異な知見を得られるかもしれない。

2004年5月31日(月曜日)
 天気予報は晴れのち雨。

 Winny作者・47氏が起訴されました。
 日本の刑事訴訟における有罪率は、99.8%と言われます。つまり、起訴されたら、まず有罪というのが現実です。これから長い法廷鬪争が始まります。日本の未来にとって、よりよい結論が導かれることを祈ってやみません。

 先日、プロ野球オールスターゲームファン投票の中間発表があって、セントラルリーグタイガース一色やなぁ……とぶちぶち言いながら見てたのですが、パシフィックリーグに変な物を見つけました。
 中間発表のパ・リーグ捕手8位を見てください。
 3,345票でマリーンズの李承燁の名前が!
 なんで捕手??
 一応解説しておくと、李承燁は今年鳴り物入りで韓国・三星ライオンズからFA移籍してきた大物スラッガーで、左投左打の内野手。つまり、一塁手。
 一応念のためマリーンズファンである弟に確認してみたところ、捕手としての出場は記憶にないという。当たり前だが。
 しかも恐ろしいことに、本職たる一塁手でも8位に入っているのですが、そちらので得票は853票。4倍もの票が捕手で投票されていることになります。
 日本語の分からない某国のファンが組織票を投じるに際して間違いを犯したというのが一番分かりやすい説明ですが、これって有効票なんですかね?