哀愁日記
底に哀はあるの。

西紀2002年2月分

Caution!
このページはあくまで小熊善之個人の責任において製作されており、坂村健先生及びTRONプロジェクト、並びにパーソナルメディア社は関与しておりません。
守秘義務の関係上、伏せ字になっている箇所があります。伏せ字の中身を御推測なさるのは結構ですが、あてずっぽうの内容を他者に広めて誤解を拡大再生産することだけはないようお願いいたします。

目次 | 前月 | 初日 | 末日 | 翌月

2002年2月1日(金曜日)
 「地球にない生命体、作れる可能性…理研が成功」というニュースに、なんというか、重い衝撃を受ける。ボディーブローのように効いてくる感じのニュースだ。
 良く知られているように、人間を含む地球上のあらゆる生命のDNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の四つの塩基の組み合わせで記述されてます。四つの塩基が三つ繫がってコドンという、一つの情報単位として機能してます。  4値が3ケタですから、当然43=64でして、コドンは64通りの記述ができるわけです。64の中には実際には使われていないものや、同じアミノ酸を生成するものなどがありまして、22の命令が記述されます。学生時代に試験勉強で一所懸命この64のマトリクス表を覚えたものです(笑)。(一般教養の生物学だった筈なのだが……?)
 ニュースは、四つの塩基に加え、S、Yという二つの塩基を作ってDNAに加えて、人体には存在しないアミノ酸を作らせたという話。
 これのどこが凄いか、お分かりになりますでしょうか? 地球にない生命体、などという生易しい表現じゃ足りませんよ。35億年の生命進化の道筋を、踏み超える(あるいは踏み外す)ことすら可能ですよ。ATGCが神の作った暗号ならば、まさに、神の世界です。
 もしかしたら、バチカン辺りが声明を出すかもね。

2002年2月2日(土曜日)
 朝から修理品の受領。
 次いで、休日出勤。
 夕刻より、怪しい謀議に出席。王様夫妻、師匠、ny、きしもとという面子では、最早謀議以外の何物でもなかろう。
 でもまあ、この面子の中では私一人文科系なので蚊帳の外ですな。
 謀議の後、台湾料理を食べて帰ってくる。
 明日は……体が一つじゃ足りないよ……(笑)。

 へ? H-IIA 2号機は打ち上げ延期ですか?


2002年2月3日(日曜日)
 節分。

 科学未来館でROBO-ONE観てきました。なんというか、あれですな、もう何年かして、技術の蓄積などが進まないと、一般人が無条件に楽しめるものにはならないでしょうね。バトルやるまえに自分で転んで自滅するメカ多し……。
 ところで、本日最も注目を集めていた展示「先行者」ですが、いやいや、なぜかブースは黒山の人だかり。ROBO-ONEの一回戦と二回戦の間に開発者が登壇してのインタビューなどあったのですが、拍手喝采の大好評。
 動画がプラズマスクリーンに流されていたのですが、意外なほどしっかり動いていましたよ。早稲田の旧加藤一郎研と繫がりがあるそうです。
 上半身はオモチャも同然ですが、下半身の動きは、着実に進化を期待させます。


2002年2月4日(月曜日)
 H-IIA、無事に射ち上がっていったようで何より。
 現段階では、不幸にもペイロードのうちの一つ、DASHの分離が確認できていない様子。しかしまあ、御の字といったところだろう。MDS-1「つばさ」については、最早なにも言うことがないほど見事な軌道。
 しかし、記者会見の内容はあまりにも酷い……。「リレーってなんですか?」はねーだろーよ……>記者。私大文系卒の私だって知ってるぞ。大体、なんの関係もないし。
 分離プロセスを見る限り、DASH側のトラブルの可能性が濃厚ではありますが、DASHが所定の実験を行えないのはほぼ確実な情勢です。残念ですが、まあ、こんなこともありますわな。なにかできることでも考えましょう。
 試験2号機としては、上々の出来栄えでしょう。

2002年2月5日(火曜日)
 あー。第2回種子島ゴールデンラズベリー賞は、前回に引き続きNHKですか……。
 まあ、あれだけ間拔けな質問をしてしまっては、最早弁解の余地ナシってもんでしょ。鹿児島放送局の[ピー]記者は、2chで晒し者になっとりますな〜。自業自得だけど。
 なんとなく、事故工学とか失敗学とかがあまりメジャーにならないワケが体感できたりして。こんなことで技術立国なんて、恥ずかしくて言えませんな。

 そういえば日曜の夜に糸野氏がROBO-ONEと先行者の展示について電話で訊ねてきたが、話の途中で早大旧加藤一郎研究室が出てきたが、知らなかった。
 そういう意味では、技術亡国の芽は遍在しているのかもしれない。


2002年2月6日(水曜日)
 シャクティパッドの導師サマは懲役15年だったそーですが、本人はともかく、信じてたヒトタチにとっては無残な話ではあるわけですよ。
 でもまあ、自業自得なんだけど。
 ある種の宗教家達は、科学でまだ解明されていない部分や、大筋では正しいが細かい部分では異論があることを針小棒大に取り上げることによって、あたかも科学全体がまやかしであるかのように誘導します。
 リンゴが木から落ちても「神の奇蹟」の一言で済ませられればそれは簡単ですが、それを解き明かそうともがき足掻いてきたからこそ、現代の人類社会があるわけですよ。でもその結果として、重力場の量子化としての重力子(グラビトン)の交換による引力の発生などという話は一部の理論物理学者だけのものになってしまい、なんだか良く分からないグラビトン商品が溢れることになる電荷は正負ともに単独で存在するのに磁場はなぜ単極では存在しないのか、などと考える奴は変人と言われるわけだ。
 そりゃそーだ。
 四つの力を知らなくてもケータイ電話は繫がるし、フーリエ変換を知らなくてもCDは聞ける。
 そのくせなぜだか教育では科学万歳主義を教えこまれて、現代の最新科学理論でもなんだかよくわかんない現象なんてまだまだごろごろしてるってことだけは教わってこない。そういう意味では19世紀初頭並みですな。「放射能は人体に有害」なことは知っていても、なぜ有害なのか、あるいは本当に有害なのかを説明できる人は珍しい、と。
 そのこと自体が悪いわけじゃないとは、なんども言っているとおり。
 ただ、「自分が知っていること」と「知っていると思っている(信じている)こと」の間には実に深い溝があったりして、それに気づいていない人が時に陷穽に落ちたりするわけです。

2002年2月7日(木曜日)
 最近、「電話回線としての」ISDNに興味が湧いてきた。ISDN用の電話機なども、家庭用の品が隨分廉く出まわるようになってきていて、興味が尽きない。
 ただ、外部電源不要の品がなくてね……。

 そおいえば、東京タワーの展望台からガラスかち割って飛び降り自殺したヒトがでたとか。
 なにもわざわざガラス割ってまで150mの高さから飛び降りんでもいいのに……とか思う。
 その昔のタワージャンパーじゃないんだから。
《常識力講座》
タワージャンパー:自作の羽根をつけて高いところから空へ飛び出す趣味を持った人々。現代ではほぼ絶滅。根性があれば空が飛べると信じている種類の人達。彼らの中からオットー・リリエンタールが生まれ、そして現在の航空技術へ繫がっている。

 じゅりちゃんが東京出張でうちに泊まっている。出張費はどこへ消えているのだろうか? そんなことを思いながら、じゅりちゃんの奢りで焼肉を食べに行く。なぜかこのテの店はよく空いていて、待たなくて良いのがよろしい。
 なお、じゅりちゃんは我が家においてシャーリー・メディスンにしっかりハマっていった。


2002年2月8日(金曜日)
 ネットオークションに法の規制、なんてニュースを見ながら思うことは、やっぱアレでしょ。戦後最低の検挙率なんて言ってるけど、あんなことやってりゃ、そりゃそーなるわな。民間警察機構か保安官制度を考えた方がいいんじゃないかい?

 最近、偽札事件が増えている。高性能なイメージスキャナーとカラープリンタが増えてきたせいだ。
 日本の紙幣(日本銀行券)は世界で最も精巧に作られている。大体、紙の原料から選んだ上に、凹版多色刷り、透かし、凹凸、磁気インク、螢光インク、マイクロ印刷など、これでもかってほど技術が投入されているにも拘らず、最近はあっさり偽造されている。技術の普及という奴は恐ろしい(笑)。(もちろん、技術的には数段落ちるので、よく観察するとわかるというシロモノではある)
 この時点で、さほど一般化していない技術となると、ホログラムが真っ先に思い付くだろう。ユーロ紙幣にはホログラム印刷が利用されている。
 しかし、ホログラム印刷とて民生技術として流布していることは確かなので、もっと高度な技術を開発しておくことに越したことはない。
 個人的に考えて、残っている技術は「構造色印刷」かねぇ。
 顏料であれ染料であれ、塗料による印刷は、要するに反射光を選別して色を出しているわけだ。赤いインクは、赤以外の色を吸收することによって赤く見える。
 これに対して構造色というのは、その反射面の構造によって光を屈折変化させ、色を生み出す。有名なところでは蝶の鱗粉などがそうだ。これはちょっとやそっとでは真似できまい(苦笑)。(最早印刷と言うレベルではないと言うべきでもある)

 田中真紀子は「元外務大臣」であって「前外務大臣」ではなかろう? 「前外務大臣」職は小泉首相が兼任してたわけだから。


2002年2月9日(土曜日)
 ふと思い出してしまったメロディーが、一体なんの歌の旋律だったか思い出せず、1時間以上口の中でリフレインしつづける。
 暫くして、声を思い出す。これは絶対、坂本真綾だ。
 となれば、アニソンに違いない(偏見)。
 そしてかれこれ2時間半。
 やっと見つけ出しました。「夜明けの風ききながら」でした。
 こういうとき、メロディーラインから検索がかけられる楽曲DBとかあると便利だとか思うわけですが、きっと需要はかなり低いだろうな……。

2002年2月10日(日曜日)
 下北沢のトリウッドで「ほしのこえ The voices of a distant star」を鑑賞。本当は週中に行くつもりだったのだが、なにやら異様に忙しくなってしまったため、ここまで延期していた。
 いやもう、切なさ爆発の非常に良い映画でした。地上と宇宙に別れた少年少女の、光年単位の携帯メールのやりとり……。離れていく距離、ズレていく時間、言葉すら届かぬ二人の間。
「24歳になったノボルくんコンニチハ! あたしは15歳のミカコだよ……」
 くぅ〜っ! 泣けるっす!
 個人製作の短編アニメですが、超オススメです。100人弱しか入らないミニシアターが満席で椅子持ち込みになるのも頷けます。
 機会があったらまた観に行こう。DVDは絶対買おう。

 下北沢に行くのに小田急線を使ったが、噂の3000形には出会わなかった。別に私は鉄ではないからまったくちっともぜんぜんこれっぽっちも関係ないことなのだが。


2002年2月11日(月曜日)
 ちょっとだけMoon Phaseに寄ってから、すぐさま下北沢に移動し、連日の「ほしのこえ The voices of a distant star」鑑賞。良い作品は何度観ても良い、というのが信条のワタシ。
 これは「もののけ姫」「人狼」を超えるリピート回数を記録しそうな気配(爆)。

 昨今の政策で結構忘れられているものを。
 人口政策、もうちょっと真面目にやった方がいいと思うけど。結局国力の基本には、国民があるんだから。もちろん、医学の進歩によってこれまで「老人」とされてきた方々も十分働けるようになるだろうけど、若者にしかできない仕事はあるし、人口構成比率上若年者が経るのは国の将来への不安という形になりかねませんからね。
 子供のいない社会には未来がないことだけは間違いないわけですから。


2002年2月12日(火曜日)
 一つ発見をした。
 MS-Officeシリーズのようなマンモスアプリケーションを、なんでまたみんな有り難がって使うのか、と前々から思っていたのだが、これは私の思い違いであったらしい。Pentium III 1.2GHzという環境では、さして重くもなかった(核爆)。
 なるほど、これだけ計算資源があれば、もはや「プログラムを輕快に動かす技法」とか「コード効率の良いプログラム」などと考える気も失せるな。

2002年2月13日(水曜日)
 日本の国債の格付けがまた一段と下がるそうで。
 信用経済ってものの意味を実感しますなぁ。
 経済学に社会心理学なんかが取り入れられたのは最近だったと思うけど、結構重要なことだと思いますね。
 実体経済以上に、経済圏内の人間の心理って重要だったり。

 職場のスイッチング・ハブが狂ったせいで、30分も無駄に奔走してしまった。もう一箇所、pingを打っておけば最初の5秒で原因が摑めたというのに……。


2002年2月14日(木曜日)
 本当はシューレの学生ゼミの日だったのだが、謀議のため欠席。戸越の[ピー]MCに、昨年末頃より進行していた怪しい計画メンバーが集合。ぼろぼろと怪しい話をする。

 謀議が終わったのは、8時半過ぎだった。
「シモキタへ行くぞ!」
「応!」
 というわけで、シモキタはTolly Woodへ。面子はnyちゃん、きしもとくん、神指弾師匠、そして私に、なぜか[ピー]MCでK元くんをキャプチャしていたようだが、気にしない。良い作品は多くの人に観てもらわねばならない。
 戸越から五反田、渋谷を経由して下北沢へ。最終上映10分前に飛び込み「ほしのこえ The voices of a distant star」を鑑賞。ちなみに私が3回目でnyときしもとくんは2回目。
 K元くんも師匠もすっかり気に入った様子で良かった良かった。
 ちなみにこの「ほしのこえ」ですが17日に大阪の「プラネット映画祭」で上映されるので、関西方面の方は是非是非ご覧になって欲しい。
 ってゆーか、行け、見ろ


2002年2月15日(金曜日)
 仕事に一区切り。
 そんでもって懺悔。
 関係者の皆様、御免なさい。あんなとんでもないデータを提出して。
 誓って言いますが、悪気など微塵もございません。ただ、あれ以外に方法を思い付かなかったのです。
(迷惑だろうなぁとか思いながら送信ボタンを押したことは一応ヒミツです)

 よよ館長が、とうとうJava TAD Viewerを公開です。ソースのみですが、これでいよいよTADもポータビリティを高め……(笑)。

 ニュースといえば、猫のクローンに成功したとか。
 これで純血種の血統書付きなんかをクローニングして工業生産ですね(炸裂)。

 この世で私しか知らないこと、などというのならともかく、他の誰かが知っていることを私が知っていても何の不思議もないと思うのだが、いかがなものだろうか?


2002年2月16日(土曜日)
 昨夜、いきなり予備校時代の友人野中ちゃんよりメール。就職活動とやらで上京してきているので会えないか、と。直接会うのは5年振りくらいか。
 面接は12時からで、13時には終わるだろうというので、新宿で待ち合わせ。13時40分頃にまんがの森で落ち合う。
 そしてそのまま下北沢に連れていく(爆)。15:00からの上映を観る。
 「多分面接落ちた」としょげていた彼も復活。良い作品には力があるのだ。

 Tolly Woodで偶然、松澤くんと出会う。最初、なにか幽靈でも見るような目つきで私を見ていたのは一体どーゆーことだなんだろーか。

 その後、秋葉原へ赴き、パーツ屋巡りをする。M/BとCPUを物色(しただけ)。
「俺、東京に住みたい」
 という、哀れな言葉を残し、彼は去っていった。

 夜は夜でデンパ大阪襲来。宿代替わりに新世紀東京国際アニメフェア21MANGAZOOブースで販売された「彼女と彼女の猫」のCDを入手してきてもらった。

 明日はコミティア


2002年2月17日(日曜日)
 コミティア
 不可思議なことに、うちのサークル、ここんとこ、誰かが必ず遅刻する。今日も遅刻者が出て、しかもサークル入場券を忘れてくるという大チョンボ。なんでうちってこんなんばっか……。

 昨日に引き続いて東京見物の野中ちゃんは、コミティアにやってきて、数年振りの即売会だとかで、くらくらするとか言っていた。かつて毎週のように国際展示場に通っていた人間のセリフとは思えない。リハビリが必要だろう(笑)。
 岐阜に帰る前にもう一度「ほしのこえ」を観る、と言って会場を去っていった。

 格安高速バスで帰ると言うデンパ大阪は、明日早出だという。それでも東京に来る根性が凄いよ。


2002年2月18日(月曜日)
 東野司の新刊などをGetしつつ、自宅へ。18日が月曜日という関係で、富士見ファンタジアは出るわファミ通文庫は出るわ徳間デュアル文庫は出るわ……。

 面倒臭いからパスタにしよう、とパスタパンに水を張って火にかけた。都市ガスの蒼い炎を見ているうちに、心の中から声がした。
「今からなら、最終上映に間に合うぜ」
 おちつけ。
 上映は3月1日まで。
 まだ、機会はあるさ。
「でも明日は火曜日。Tolly Woodは休館だよ」
 もう駄目だ。
 僕は火を止めた。

 そんなわけで5回目Tolly Woodの人に顏を覚えられてしまった。
 今回はなんとクリップボードとペンを持って、メモを採りながら観る。すると、気付かなかった些細な演出が目に留まった。
 しかし……このままだと「25分独演会」ができるようになりそうで怖いっス。
 僕はパンピーなのに。


2002年2月19日(火曜日)
 情報処理学会の会誌の一つ、「人文科学とコンピュータ」の最新号(53号)に「現代モンゴル語の異種表記法の相互変換システムの構築に向けて」というとんでもない論文を見つけた。筆者の一人、中里致元氏は「ほんとに楽しいモンゴル語」なんてサイトを運営していたりして、私もかつては色々情報を頂いた。
 それ故に内容には期待したのだが、残念ながら、現時点では巧く行っていないようだ。
 モンゴル語は、多言語処理の鬼門の一つで、あまり考えたくないような、できることなら忘れてしまいたいような、叶うことなら葬り去ってしまいたいような問題がごろごろしている。なにしろ、ユーラシアを席巻した騎馬民族の末裔である。現在でも、ドイツに車を買い付けに行って、そのまま乗ってユーラシアを横斷して帰ってくるような連中である。普通これだけ問題があったら少しは知恵絞るんじゃないかっていうようなことも、彼らにとっては些細なことらしい
 それはともかく、現代のモンゴル語には大きく分けて二系統の表記系が存在する。一つは伝統的な蒙古文字を使う記述系であり、もう一つはキリル文字を使うものである。民族分斷やら何やらで、こういうことになっている。
(余談であるが、一つの言語が複数の記述系を持つことはさほど珍しいことではない。TRONでは当然そういう問題にも立ち向かっていかねばならないのだが一体誰がどう立ち向かうのか、寡聞にして知らない)
 今回の論文はこの二つを相互に変換できないか、という試みだった。
 何しろ借用単語に相違があるとはいえ、基本的には同一言語である。言葉で喋れば通じる、と彼ら自身が主張している(本当に通じるらしいが)。だが、こいつを文字にすると、途端に相互疎通ができなくなる。当たり前だが、使う文字からして違う上に正書規則も違うとあっては、なかなか身に着くものではなかろう。大体、喋ればいいんだし(爆)。
 同じ言語を違う文字とルールで転写しているだけだから、相互変換なんて楽なもんだろうと思われるかもしれないが、さに非ず、なのである。論文のタイトルを見たときから、「これはまた野心的な」と思ったが、やはりとてつもなく難しそうである。
 そりゃねぇ、お互い記録されている情報が違うんだからねぇ……。PCMとDSDが相互に完全な変換ができないのと似ているな。情報処理(コンピュータのみならず、あらゆる「情報」の処理)においては、何を情報とするか、が非常に重要であるということを再確認できた。
 さて、先に「大別して」と書いた。ということは細かく分けるとどうなるのか?
 伝統的な蒙古文字は、中国内蒙古自治区で使われている伝統蒙古文字と、新疆ウイグル自治区に住む蒙古族が使う改良蒙古文字に細分できる。ついでに満洲文字での表記も存在する。
 キリル文字の方も、モンゴル国で使われているものと、旧ソビエト領内に点在する蒙古民族が使っているものが違ったりする。なんでこんな広範囲に蒙古民族が分布しているかというと、それはもちろんチンギス・ハンが偉大だったからである。まったく迷惑な話だ。
 現代だけでもこんな調子なのに、これに歴史的な部分まで加わると、收拾をつけるためには始皇帝ばりの権力が必要になることは間違いないだろう。それでなければ、タイムマシンか。
 個人的には、タイムマシンを強く希望。

2002年2月20日(水曜日)
 Post DVDは“Blu-ray Disc”ですか……。
 青紫色レーザーを使うという点以外に、技術的に何か大きなトピックはないって感じですね。
 一応商品化は来年ってことですが、そう考えてみるとDVDって寿命短かったなぁ。CDは未だに現役で、しかもまだ当面現役っぽいですが、DVDに関してはねぇ。やはり野心的な部分のない規格って、長持ちしませんね。っつーわけで、Blu-ray Discも何となく急速に陳腐化するんじゃないかという予感がしますです。

2002年2月21日(木曜日)
 そして赴く6回目。
 今日は20:00からのをば。結構な入りでした。
 ところで、6回目にして結構大きなミスに気付きましたよ。あらららら、ってなモンです。
追記:これは僕の記憶違いによるものであることが判明。結局、計算上は誤差で片付けられる範囲だった。
 そおいえば、シリウス(おおいぬ座α)は確かに連星なんですけど、伴星は白色矮星ではなかったろうか……。天文は専門外(重要)なので、記憶があやふやなのですが、確か天文史上最初に確認された白色矮星だったハズ。関係ないけど、おおいぬ座は冬の星座ですんで、まだなんとか見れますねぇ。

2002年2月22日(金曜日)
 ようやく「欲しくなるようなデジタルカメラ」が出ましたね。NikonD100D1も悪くないんだけど、とにかくデカくて重いのが難点で、これにさらに重いニッコールを付けるのかと思うと流石にげんなりするよーなものだったので、本体重量700gというのはなかなか魅力です。これなら私のようなまっとうな人間の握力でも使用可能でしょう。
(ちなみに素手で胡桃が割れます>私)
 あと、増感なしでISO200相当の感度が出ているというのも有り難いですね。基本的に昨今のデジカメはいいとこISO100程度で、あとは増感かましているのでノイズがでるんですよね。CCDの感度が低ければ、当然絞りは開き気味になってシャッタースピードは遅くなる。全体的に被写界深度が浅くなるから焦点合わせがシビアになる。別に感度が高ければ良いというわけではないけど、スナップ感覚で撮るのは楽になる。シャッターチャンス最優先の撮り方をする現場でも重宝されるでしょう。
 もっとも、私は写真に関しては素人(ここ重要)なので、偉そうなことは言えないんですけどね。

 ×箱が発売になったそうで。
 夜、秋葉原に寄ったんですけど、別に混乱はなく、淡々と売られてましたね。なんか渋谷の方はえらい騷ぎだったようですが。

 某高機動全方位毒電波送出裝置ことデンパ大阪(別称:マニアックゲラ)が、かつての、「赤ブーブー事件(コミックシティin幕張中止事件&「魔法使いサリン」事件)」を知らなかったことには驚いた。あれ以来、私は完全にコミックシティには行かなくなってしまったのだが、なるほど、記憶が薄れるにつれ、「なにごともなかったかのように」なるわけか……。
 史家が必要だな。


2002年2月23日(土曜日)
 某NPO法人の総会に出かける。
 ところが、所要時間を見誤り、30分遅刻する。久しぶりに母校の近くまで行く。当時はまだ橋脚しかなかったモノレールは完成しており、遠くに見える大学群は建物が少し増えたようだった。
 まだ懷かしむには若すぎるような気もするが、しかしあのキャンパスにいた頃の私は、間違いなく歴史をやっていた……。
 今なお回り道の途中にいることを考えると、短気は損気、急がば回れ、などと思ってしまう。

 午後は午後であやしい集団と会議。体が一つじゃ足りないよ……。

 とりあえず18時に南大沢で怪しい集団と別れ、京王相模原線—京王新線—都営新宿線と乗り継いで神保町へ。新刊チェック。
 そのままシモキタへ移動し、最終上映のチケットを確保。その後ゆっくり食餌。21時20分頃にTolly Woodに入って列を作っていると、なぜか南大沢で別れたはずのnyとπがやってくる。ま、ありがちなことであろう。
 そういえば、Tolly Woodでの「ほしのこえ」の上映は、なんと回数が増え、定休のはずの2月28日も上映するんだそうです。二桁の大台に乗るかなぁ(笑)


2002年2月24日(日曜日)
 ただただダルくて、ひたすら寢ていました。
 肉体というより、精神面の疲労かなぁ。もっとも、単に昨日チョコレートを食べたせいだという可能性大。別に嫌いじゃないんだけど、翌日倦怠感が凄くてね。

 夜、天気が良かったので、星を眺めてみる。
 20時半だというのに、もうオリオンは大分西へ。それだけ、冬も終わりに近いと言うことか。月の右には、木星。その月と木星の間くらいで、ぐっと低いところにシリウス。流石に都会の光害の中でも、マイナス1.6等星は明るく見える。ただ、空が狹いので建物が邪魔だ。
 天文学は専門外だが、星を観るのは嫌いじゃない。


2002年2月25日(月曜日)
 すでにこんな画面が公開されているX BOX。笑えますね(爆)。
 X BOXPlayStation2の分解写真を見比べてみると、「X BOXってパソコンだなぁ」とか思ってしまうのは私だけ? 別の言い方をすれば、「なんでパソコンじゃないの?」ってトコロですか。逆にPS2は、「こらアカン。手ぇつけられへん。お手上げや」って感じですけど。

 今日は体調が悪かった。なんか妙に熱っぽかったし、頭痛もあったし、右目が痙攣していた。頭痛と熱は藥でごまかす。しかし最後のはまあ、多少問題だな。何しろ、長時間目を遣えない。
 こういう時は、シモキタだ!

 というわけで、8回目
 すっかり顏も覚えられてしまって、前回は「またいらして下さい」なんて言われちゃってるワタクシ。
 残りの上映回数が数えられるほどになってきて、追加上映時間をメモりながら、「二桁の大台に乗るかなぁ」などと言っていたら、「今、何回目ですか?」なんて訊かれたりして。
「8回目です」
「じゃあもうすぐですね」
 しかし正直厳しいぞ。
 明日は休映日で、水、木、金の残り三日。もっとも、木曜日(28日)は本来休館日なのを無理矢理開けている関係か、昼時まで(12:30、13:15、14:00、14:45)なので、仕事を休まないとまず無理。となると水曜と金曜に出かけるということになる……。
 え? 一日2回見りゃいいじゃないかって?
 きゅう。©ny


2002年2月26日(火曜日)
 沖一の「アストロノーツ」が再刊されているのを見て驚く。もっとも、私はリアルタイムでは知らないのですが。(ちなみに連載は1984年…って、僕小学生ですよ)
 なにしろ浅いこと薄いこと狹いことにかけては人後に落ちない自信がありますよって(大威張り)。
 新刊と言いますと、わかつきめぐみの「ソコツネ・ポルカ」なんかも発売されていました。わかつきめぐみの作品は、「別れ」がきちんと描かれるところが好きなのですよ。特に「So What!?」なんか大好きです。今回のはそういう意味で、「別れ」のある作品でGoodです。
 新刊とはちと違いますが、「コミックブレード」という月刊コミック雑誌が創刊してました。目玉は桜野みねね「守って守護月天」の再スタート……ということですが、個人的には天野こずえの「AQUA」だったりして。こっちもステンシルからいつの間にか消えていた作品(笑)だけに先が気になるところ。
 なんか、とりともめない話だな。ま、いっか。所詮守備範囲の狹い私のことだ。

 その昔、発動機は空冷が良いか液冷が良いか、という結構深刻な問題があった。液冷式の発動機は、排気量当たりの出力が空冷式よりも高く、温度上昇による出力低下も少なく安定している反面、構造が複雑で重量が嵩むという不利があった。特に複雑になる、という点が問題で、材料工学や工作精度に劣る場合、液冷式の発動機は「止まらない潤滑油/冷却液漏れ」や「次々と壞れる部品」などといった障害と立ち向かわねばならなかった。
 現在でも自動二輪の発動機については、空冷も液冷も存在するが、自動車では殆どが液冷である。航空機では、空冷がないわけではないが、液冷が中心だ。安定を得ようとすると、液冷の方が有利、というわけだ。
 なんの話かというと、「日立が水冷ノートPCを展示、9月に製品化」というニュース……。


2002年2月27日(水曜日)
 体調は完全に風邪。代謝バランスが完全に狂った感じ。
 まだ熱が出ていないうちにしっかり直す治すべきだと理性は主張するが、感情はかくのたまった。
「そういうときは、シモキタだ!」
 かくして9回目。
 本日は、黒猫の姐御をエスコート。
 すっかり馴染客になっとりますな……。

 いい加減、今日は早く寢よう。


2002年2月28日(木曜日)
 微熱があったので、解熱剤を服用して出勤。
 帰ってくると、バタンキュー状態。完全に風邪と看做される諸症状が出る。
 なのにこんなときに限って宅急便は来るし職場から電話はかかってくるし……。